JP2004217508A - SiドープGaAs単結晶インゴットおよびその製造方法、並びに化合物半導体単結晶インゴットの製造装置 - Google Patents

SiドープGaAs単結晶インゴットおよびその製造方法、並びに化合物半導体単結晶インゴットの製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】
Siキャリア濃度の濃度分布が小さく、且つ良好な結晶性を有するSiドープGaAs単結晶インゴットを製造する。
【解決手段】
液体封止剤を用いた縦型ボート法によって、SiドープGaAs単結晶インゴットを製造する際、液体封止剤層8a内に攪拌手段を設置し、液体封止剤層8aと融液層7との界面から、前記攪拌手段の攪拌板10の下端19までの間隔をhとしたとき、20mm>h>0mmとなるように前記攪拌手段を設置し、液体封止剤層8aを攪拌しながら固化部6を成長させSiドープGaAs単結晶インゴットを製造する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、GaAsデバイスの素材であるGaAsウェハを製造するための、SiドープGaAs単結晶インゴット、およびその製造方法に関する。
GaAs(ガリウム砒素)デバイスの素材であるGaAsウェハを製造するための、n型導電性GaAs単結晶のインゴット(以下、インゴットと記載する。)を製造するため、縦型ボート法(縦型温度傾斜法(VGF法)や縦型ブリッジマン法(VB法))による結晶成長が行なわれる。縦型ボート法は、エッチピット密度(以下、EPDと記載する。)で評価した結晶性(EPDによる結晶性の評価、およびその測定方法については後述する。)が平均500個/cm2以下と良好で、且つGaAsウェハを生産性良く製造するのに望まれる径、長さを有するインゴットを製造できる優れた方法である。
ここで、上述したn型導電性のインゴットを製造する場合、キャリアを提供するため、例えばSiをドーパントとする。一方、縦型ボート法によってインゴットを製造する際、揮発成分であるAsがインゴットから解離するのを防ぐ目的等のため、液体封止剤としてB23 (酸化ホウ素)を用いる方法がある。ところが、B23 を液体封止剤として用いると、ドーパントとして添加されたSiがB23と反応して酸化シリコン(SiO2又はSiO)を形成してしまうため、インゴット中のSi濃度が制御しにくくなるという現象が発生する。この結果、所望の好ましいキャリア濃度分布を有するインゴットを、常に安定して製造することは困難であった。本発明者等はこの課題を解決すべく、特許文献1において、液体封止剤中へ予め適宜量のSiを添加しておくことを提案し、特許文献2において、液体封止剤を攪拌しながらインゴットを製造することを提案した。
特公平3−57079号公報 特開2000−109400号公報
近年、エレクトロニクス技術の進歩により、所定の範囲内のキャリア濃度を有し、EPDの平均が500個/cm2以下の結晶性を有し、直径が50mm以上であるGaAs単結晶ウェハが求められるようになってきた。ここで、特許文献1、2の方法で製造されるインゴットより、前記GaAs単結晶ウェハを得ようとすることが可能であるが生産性は低い。すなわち、特許文献1、2の方法で製造されるインゴットは、インゴット中のキャリア濃度の濃度分布が大きいため、所定のキャリア濃度を有するGaAsウェハは、当該インゴットの一部から製造できるのみで、当該インゴットの他の部分は無駄なものとなってしまうためである。
そこで本発明が解決しようとする課題は、良好な結晶性と十分なインゴットサイズを有し、且つキャリア濃度の濃度分布が小さい、SiドープGaAs単結晶インゴットおよびその製造方法、並びに半導体単結晶インゴットの製造装置を提供することである。
上述した課題を解決するための第1の手段は、Siをキャリアとして含むSiドープGaAs単結晶ウェハを製造するためのSiドープGaAs単結晶インゴットであって、
前記インゴットの総重量と、前記インゴットにおける種結晶側端の適宜な切断部の重量と、他端の適宜な切断部の重量とから、前記インゴットの製造過程において、前記種結晶と接している面から順次、結晶固化した際の固化率が0.1および0.8であった部分を特定し、
前記固化率が0.1および0.8であった部分の前記キャリアの濃度を各々C0.1、C0.8としたとき、C0.8/C0.1<2であり、
前記インゴットにおいて、前記固化率が0.1から0.8に亘る部分のエッチピット密度で評価した結晶性の値の平均が、500個/cm2以下であることを特徴とするSiドープGaAs単結晶インゴットである。
上記の構成を有するSiドープGaAs単結晶インゴットは、所望のウェハを製造するのに適した、前記固化率が0.1であった部分から0.8であった部分に亘る部分において、良好な結晶性を有しながら、キャリア濃度の濃度分布が小さいので、所望の範囲のキャリア濃度を有するウェハを、高い生産性をもって製造することができる。
第2の手段は、第1の手段に記載のSiドープGaAs単結晶インゴットであって、
前記固化率が0.1および0.8であった部分の前記キャリアの濃度を各々C0.1、C0.8としたとき、C0.8/C0.1<1.4であり、
前記インゴットにおいて、前記固化率が0.1から0.8に亘る部分のエッチピット密度で評価した結晶性の値の平均が、500個/cm2以下であることを特徴とするSiドープGaAs単結晶インゴットである。
上記の構成を有するSiドープGaAs単結晶インゴットは、所望のウェハを製造するのに適した、前記固化率が0.1であった部分から0.8であった部分に亘る部分において、良好な結晶性を有しながら、キャリア濃度の濃度分布が小さいので、所望の範囲のキャリア濃度を有するウェハを、高い生産性をもって製造することができる。
第3の手段は、るつぼ内に、種結晶、GaAs原料、ドーパント用Si原料及び液体封止剤用原料を収納し、これら原料を溶融して前記GaAs原料融液層の上に前記液体封止剤層が配置されるようにした後、攪拌手段を前記液体封止剤層中に設置して、前記液体封止剤を攪拌しながら所定の結晶製造を行うSiドープGaAs単結晶のインゴットの製造方法であって、
前記GaAs原料融液層と前記液体封止剤層との界面と、前記攪拌手段の下端と、の間隔をhとしたとき、20mm>h>0mmとなる位置に前記攪拌手段を設置し、前記液体封止剤を攪拌しながらSiドープGaAs単結晶を製造することを特徴とするSiドープGaAs単結晶インゴットの製造方法である。
液体封止剤を用いた縦型ボート法によるSiドープGaAs単結晶インゴットの製造の際、攪拌手段を、融液界面の近傍であって、且つ前記下端が、前記GaAs原料融液層と前記液体封止剤層との界面(以下、融液界面と記載する。)に接触しない位置に設置し、前記液体封止剤を攪拌しながらSiドープGaAs単結晶インゴットを製造することで、所望のウェハを製造するための十分なサイズと結晶性とを有し、且つインゴット中において、キャリア濃度分布の小さなSiドープGaAs単結晶インゴットを得ることができる。
第4の手段は、るつぼ内に、種結晶、GaAs原料、ドーパント用Si原料及び液体封止剤用原料を収納し、これら原料を溶融して前記GaAs原料融液層の上に前記液体封止剤層が配置されるようにした後、攪拌手段を前記液体封止剤層中に設置して、前記液体封止剤を回転攪拌しながら所定の結晶製造を行うSiドープGaAs単結晶のインゴットの製造方法であって、
前記攪拌手段として、前記回転攪拌の回転軸の周囲に、所定数の板状の攪拌板が当該表面を前記液体封止剤と対向するように設置され、且つ、前記攪拌板の表面は、前記GaAs原料融液層と前記液体封止剤層とが静止状態で形成する界面に対して20°〜70°の傾斜角を持つように前記回転軸に設置されている攪拌手段を用いて、前記液体封止剤を攪拌しながらSiドープGaAs単結晶を製造することを特徴とするSiドープGaAs単結晶インゴットの製造方法である。
攪拌板の表面を、GaAs原料融液層と液体封止剤層とが静止状態で形成する界面に対して20°〜70°の傾斜角を持つように回転軸に設置して液体封止剤を攪拌することで、前記界面層付近の液体封止剤層を効果的に攪拌しながらSiドープGaAs単結晶インゴットを製造することで、所望のウェハを製造するための十分なサイズと結晶性とを有し、且つインゴット中において、キャリア濃度分布の小さなSiドープGaAs単結晶インゴットを得ることができる。
第5の手段は、るつぼ内に、種結晶、GaAs原料、ドーパント用Si原料及び液体封止剤用原料を収納し、これら原料を溶融して前記GaAs原料融液層の上に前記液体封止剤層が配置されるようにした後、攪拌手段を前記液体封止剤層中に設置して、前記液体封止剤を回転攪拌しながら所定の結晶製造を行うSiドープGaAs単結晶のインゴットの製造方法であって、
前記攪拌手段として、前記回転攪拌の回転軸の周囲に、所定数の板状の攪拌板が当該表面を前記液体封止剤と対向するように設置され、
前記回転攪拌の際、前記攪拌板の回転軌跡が形成する面積が、前記GaAs原料融液層と前記液体封止剤層とが静止状態で形成する界面の面積の50%以上であるように、前記液体封止剤を攪拌しながらSiドープGaAs単結晶を製造することを特徴とするSiドープGaAs単結晶インゴットの製造方法である。
回転攪拌の際、攪拌板の回転軌跡が形成する面積が、前記GaAs原料融液層と前記液体封止剤層とが静止状態で形成する界面の面積の50%以上であるように前記液体封止剤を攪拌することで、前記界面層付近の液体封止剤層を効果的に攪拌しながらSiドープGaAs単結晶インゴットを製造することができ、所望のウェハを製造するための十分なサイズと結晶性とを有し、且つインゴット中において、キャリア濃度分布の小さなSiドープGaAs単結晶インゴットを得ることができる。
第6の手段は、第3〜第5のいずれかの手段に記載のSiドープGaAs単結晶インゴットの製造方法であって、
前記攪拌手段の位置を段階的に上昇させることを特徴とするSiドープGaAs単結晶インゴットの製造方法である。
液体封止剤を用いた縦型ボート法によるSiドープGaAs単結晶インゴットの製造の際、前記インゴットの成長に伴って融液界面が上昇してくるので、前記攪拌手段の位置を段階的に上昇させることで、前記攪拌手段を前記融液界面に接触させることなく、前記融液界面の近傍にて液体封止剤を攪拌することができる。
第7の手段は、第3〜第5のいずれかの手段に記載のSiドープGaAs単結晶インゴットの製造方法であって、
前記攪拌手段の位置を連続的に上昇させることを特徴とするSiドープGaAs単結晶インゴットの製造方法である。
液体封止剤を用いた縦型ボート法によるSiドープGaAs単結晶の製造の際、前記インゴットの成長に伴って融液界面が上昇してくるので、前記攪拌手段の位置を連続的に上昇させることで、前記攪拌手段を前記融液界面に接触させることなく、前記融液界面の近傍にて液体封止剤を攪拌することができる。
第8の手段は、液体封止剤を用いるVGF法により化合物半導体単結晶インゴットを製造する化合物半導体単結晶インゴットの製造装置であって、
るつぼと、
前記るつぼ内に充填される前記液体封止剤を回転攪拌する攪拌手段とを有し、
前記攪拌手段は、前記回転攪拌の回転軸の周囲に、所定数の板状の攪拌板が当該表面を前記液体封止剤と対向するように設置され、
前記攪拌板の表面は、前記GaAs原料融液層と前記液体封止剤層とが静止状態で形成する界面に対して20°〜70°の傾斜角を持つように前記回転軸に設置されていることを特徴とする化合物半導体単結晶インゴットの製造装置である。
第8の手段に記載の構成を有する化合物半導体単結晶インゴットの製造装置は、 化合物半導体原料融液層と前記液体封止剤層との界面層付近の液体封止剤層を効果的に攪拌しながら化合物半導体単結晶インゴットを製造することで、所望のウェハを製造するための十分なサイズと結晶性とを有し、且つインゴット中において、キャリア濃度分布の小さな化合物半導体単結晶インゴットを製造することができる。
第9の手段は、液体封止剤を用いるVGF法により化合物半導体単結晶インゴットを製造する化合物半導体単結晶インゴットの製造装置であって、
るつぼと、
前記るつぼ内に充填される前記液体封止剤を回転攪拌する攪拌手段とを有し、
前記攪拌手段は、前記回転攪拌の回転軸の周囲に、所定数の板状の攪拌板が当該表面を前記液体封止剤と対向するように設置され、
前記回転攪拌の際、前記攪拌板の回転軌跡が形成する面積が、前記GaAs原料融液層と前記液体封止剤層とが静止状態で形成する界面の面積の50%以上であることを特徴とする化合物半導体単結晶インゴットの製造装置である。
第9の手段に記載の構成を有する化合物半導体単結晶インゴットの製造装置は、 化合物半導体原料融液層と前記液体封止剤層との界面層付近の液体封止剤層を効果的に攪拌しながら化合物半導体単結晶インゴットを製造することで、所望のウェハを製造するための十分なサイズと結晶性とを有し、且つインゴット中において、キャリア濃度分布の小さな化合物半導体単結晶インゴットを製造することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明にかかるSiドープGaAs単結晶インゴット(以下、Siドープインゴットと記載する。)及びその製造方法の実施の形態例について説明する。図1は、本発明にかかるSiドープインゴットを、縦型ボート法の1種である縦型温度傾斜法によって製造する際に用いる単結晶製造装置の縦断面図であり、図2は、図1に示した単結晶製造装置内へ装填する前のるつぼの縦断面図であり、図3は、図1に示した単結晶製造装置内に設けられた攪拌板の位置制御の操作を示すグラフであり、図4は、本発明の実施の形態にかかるSiドープインゴットのキャリア濃度分布を示すグラフであり、図5〜7は、図1に示した単結晶製造装置内に設けられた攪拌部材の(a)側面図および(b)平面図である。
図1において、符号4はるつぼであり、該るつぼ4内に原料が収納されてSiドープインゴット製造が行われるものである。このるつぼ4は、例えば3インチ径の略円筒形状で、上側が開口され、下側が次第に径が小さくなるように断面テーパ状に形成されて閉じられたもので、最下端の小径部に種結晶5が収納される。
るつぼ4は、底を有する円筒状のるつぼ収納容器3内に収納され、このるつぼ収納容器3は下部ロッド1に支持されている。この下部ロッド1は図示しない駆動機構によって上下及び回転の動作ができるようになっており、るつぼ収納容器3と該るつぼ収納容器3に収納されたるつぼ4を、上下及び回転駆動できるようになっている。
るつぼ収納容器3は、円筒状の加熱ヒーター17内に設置されている。この加熱ヒーター17は、それぞれ独立に温度の設定ができる複数のヒーターによって構成されており、るつぼ収納容器3に所望の温度勾配・温度分布を形成できるようになっている。加熱ヒーター17の外側には、円筒状の断熱材16が配置され、これらは気密容器11に収納されている。
気密容器11の下部には下部ロッド1を貫通させる貫通孔が形成され、この貫通孔にシールリング11aが嵌め込まれており、下部ロッド1が気密容器11の気密を維持しつつ上下及び回転運動ができるようになっている。また、上部には上部ロッド2を貫通させる貫通孔が形成され、この貫通孔にシールリング11bが嵌め込まれており、上部ロッド2が気密容器11の気密を維持しつつ上下及び回転運動ができるようになっている。
上部ロッド2は、図示しない駆動機構によって精密な上下動作および回転動作ができるようになっており、その先端部には回転軸21が接続され、回転軸21には撹拌板10が取り付けられ攪拌部材20となっている。尚、この攪拌板10を構成する部材の最下部を攪拌板下端19とする。ここで、るつぼ4や撹拌板10は、必要な耐熱性を有し、原料融液と反応しにくい材料、例えば、カーボン(C)やpBN(PyrolyticBN)等が好ましく用いられる。
さらに図1においては、るつぼ4内に種結晶5、GaAsの固化部6、GaAsの融液部7、GaAsの固化部6とGaAsの融液部7との界面(以下、結晶界面9と記載する。)、B23層8a、およびGaAsの融液部7とB23層8aとの融液界面18、攪拌板下端部19と融液界面18との間隔hが記載されているが、これらについては、後述するSiドープインゴットの製造工程の中で詳細に説明する。
次に、図5〜7を用い、上述した単結晶製造装置内に設けられた攪拌部材について説明する。
図7(a)(b)に示す攪拌部材20Cは、高さd、幅lを有する略四角形状の板状を有る攪拌板10を、その高さdと幅lとが形成する攪拌板表面が液体封止剤と対向するように配置し、且つ回転軸を挟んで180°の位置に2枚設けたものである。
この攪拌部材20Cにおいては、回転軸21および攪拌板10にて攪拌板下端19が構成される。
図6(a)(b)に示す攪拌部材20Bは、図7に示した攪拌部材20Cより、さらに好ましい例である。具体的には、図8(a)(b)に示す攪拌部材20Bは、図7と同様の構成を有する攪拌板10を、回転軸21を挟んで90°の位置に4枚設けたものである。この攪拌部材20Cにおいても、回転軸21および攪拌板10にて攪拌板下端19が構成される。
図5(a)(b)に示す攪拌部材20Aは、図7、6に示した攪拌部材20B、Cより、さらに好ましい例である。具体的には、攪拌部材20Bと同様の構成を有する攪拌板10を、その表面が前記GaAs原料融液層と前記液体封止剤層とが静止状態で形成する界面に対して20°〜70°の傾斜角θを持ち、(攪拌板10が進行する前方の界面に対しては160°〜110°の傾斜角を持つ。)回転軸21の回転に伴って前記液体封止剤を巻き上げるように前記回転軸に設置したものである。
また攪拌部材20Aにおいても、攪拌部材20B、Cと同様に、回転軸21および攪拌板10にて攪拌板下端19が構成される。
ここで、図1に戻り、B23層8a中における攪拌部材20の位置制御および、攪拌部材20における攪拌板10の位置や形状により、優れた品質のSiドープインゴットを製造できることができる機構について、本願発明者らの考察を簡単に説明する。
加熱ヒーター17の制御により、るつぼ4内において溶融しているSiドープされたGaAsの融液部7は、種結晶5と接している部分から固化を始め、固化部6を形成する。この固化の際、ドーパントであるSiはその偏析係数に従い、固化部6よりも融液部7に多く存在することとなる。固化の進行に伴い、固化部6は増大する一方、融液部7は減少していく。すると融液部7のSi濃度は益々上昇していくこととなる。この、融液部7におけるSi濃度の上昇が、製造されるSiドープインゴットのキャリア濃度分布を生み出している原因であると考えられる。
ところで、融液部7のさらに上層にはB23層8aが存在する。上述したように、当該B23層8aはSiを吸収する性質を有し、これが製造されるSiドープインゴットのキャリア濃度分布の均一性を乱す原因であった。ここで、本願発明者らは、当該B23層8aがSiを吸収する性質を制御することにより積極的に活用し、このB23層8aに、融液部7中における所定量のSiを吸収させれば、融液部7におけるSi濃度の上昇が抑制され、製造されるSiドープインゴットのキャリア濃度分布の上昇も抑制されるのではないか、という発想に想到した。
ところが、B23層8aを構成するB23融液は粘度が高く、Si拡散速度は小さいものに留まり、所定の割合を保ちながらB23層8aに融液部7中のSiを吸収させるのは困難であった。
ここで、本願発明者らは、この粘度の高いB23層8aを、攪拌部材20を用いて強制的に攪拌し、所定の割合を保ちながらB23層8aに融液部7中のSiを吸収させることを試みた。この結果、製造されるSiドープインゴットのキャリア濃度分布の上昇は抑制され始めたが、まだ満足できるものではなかった。
さらに、本願発明者らは、攪拌部材20を融液界面18へ近づけて、B23層8aを攪拌し、SiのB23層8aへの拡散を試みた。すると融液界面18と攪拌板下端19との間隔hを20mm未満、さらに好ましくは10mm以下とすることで、製造されるSiドープインゴットのキャリア濃度分布の上昇を抑制することが出来た。ここで、Siドープインゴットの成長に伴い融液界面18の位置が上昇してくるため、好ましい間隔hを保つためには攪拌部材20の位置操作を行うことが好ましいが、この構成については実施例にて詳述する。
一方、本願発明者らは、攪拌部材20を構成する攪拌板10の、枚数および構造についても研究を行った。
その結果、図7(a)(b)に示す回転軸21に2枚の攪拌板10を設けた従来の技術に係る攪拌部材20cに較べ、図6(a)(b)に示す回転軸21に4枚の攪拌板10を設けた攪拌部材20bは、他の条件が同様であれば、製造されるSiドープインゴットのキャリア濃度分布の上昇を抑制する効果が大きかった。
さらに、図5(a)(b)に示す回転軸21に、GaAs原料融液層と液体封止剤層とが静止状態で形成する界面に対して20°〜70°の傾斜角θを持つように、4枚の攪拌板10を設けた攪拌部材20aでは、他の条件が同様であれば、攪拌部材20bよりもさらに、製造されるSiドープインゴットのキャリア濃度分布の上昇を抑制する効果が大きかった。これは、回転軸21の回転に伴い、攪拌板10の進行方向前方にあるB23融液が効率的に巻き上げられ、融液界面18近傍のB23層の攪拌が促進されるためであると考えられる。この構成については実施例にて詳述する。
さらに本願発明者らは、攪拌部材20における攪拌板下端19が回転する際の回転軌跡が形成する面積と、融液界面18の面積との関係が、製造されるSiドープインゴットのキャリア濃度分布の上昇を抑制する効果について検討した。
その結果、攪拌板下端19が回転する際の回転軌跡が形成する面積が、融液界面18の面積の50%以上を占めると、製造されるSiドープインゴットのキャリア濃度分布の上昇を抑制する効果があり、さらに好ましくは、70%以上であることが判明した。
以下、実施例に基づいて、本発明をより具体的に説明する。
[実施例]
まず図2に示す、るつぼ4内へ、種結晶5、GaAs原料13、ドーパントしてのSi原料14及び液体封止剤原料としてのB23原料8bを充填する。
このとき、るつぼ4内へ充填する原料の量の一例は以下の通りである。
*GaAs原料13…6000g
*ドーパントしてのSi原料14…GaAs原料に対して280wtppm
*液体封止剤原料としてのB23原料(Si濃度換算で3重量%になるようにSi酸化物を添加したB23)…365g
そして、これら原料を充填したるつぼ4を、図1に示した単結晶製造装置内へ装填し、縦型温度傾斜法の手法にしたがって、種結晶5を除く、他の原料を溶解する。原料の溶解が完了したとき、るつぼ4内の最下部には種結晶5が存在し、その上に融液部、融液部の上には、B23層が存在している状態となる 。
ここで、図1に戻り、今度は加熱ヒーター17の温度を下げて、融液部7の固化を開始する。固化はるつぼ4の下部の種結晶5に接する部分から行われ、次第に上方に進行していくように2℃/cmの温度勾配を設けた。この固化は、種結晶5からSiドープインゴットが成長していく過程でもある。GaAs原料全体の重量に対して固化しているGaAs部分の重量の比率を固化率gという。固化率gは、固化が進行して固化部6が成長していくにしたがって0から1まで増大していく。したがって、固化率gがある特定の値をとるとき、GaAsの固化部6とGaAsの融液部7との結晶界面9が、gの値に1対1に対応した特定の位置にあることを意味する。これによって特定される位置は、融液部7の全部が固化されてSiドープインゴットが完成された後にも当然同じ位置である。したがって、完成されたSiドープインゴットの結晶成長方向における位置を、固化率gにより特定することができる。
融液部7の固化を開始し、概ねg=0.15となった時点で、図5〜7に示す攪拌部材20A〜Cの攪拌板10をB23層8a内へ下降させ、攪拌板下端19を融液界面18の近傍に設置してB23層8aの攪拌を開始する。このとき、攪拌板下端19と融液界面18との間隔hを20mm未満、さらに好ましくは10mm以下としてB23層8aの攪拌をおこなうと、キャリア濃度分布が小さなSiドープインゴットを製造することができる。また、本実施例においては、攪拌板下端19の攪拌軌跡が形成する面積は、GaAs原料融液層と前記液体封止剤層とが静止状態で形成する界面の面積の70%とした。
一方、攪拌板下端19を下降させ過ぎて、これが融液界面18に接触してしまうと、融液部7の熱が攪拌板10を介して外界へ流出してしまい、この部分に融液温度の不均一が生じる。さらに攪拌板下端19が融液界面18に接触してしまうと、融液部7が攪拌され結晶界面9へ揺らぎを生じさせてしまう。この融液温度の不均一および結晶界面9の揺らぎは、Siドープインゴットの成長に悪影響を与えるので、攪拌板下端19を融液界面18に接触させないことが好ましい。
以上のことより、攪拌手段の下端と融液界面との間隔hにおいて、20mm>h>0mmとなる位置に攪拌手段を設置することが好ましい。
Siドープインゴットの成長が進み、固化率gが増加すると融液界面18は上昇してくるが、これはGaAsの固化部6が5.2の密度を有し、融液部7が5.7の密度を有しているためである。このため、融液界面18近傍に設置された攪拌板下端19が融液界面18と接触するのを回避すべく、融液界面18の上昇に応じて、攪拌板10の位置を段階的または連続的に上昇させる操作を行うことが好ましい。
上述した、融液界面18の上昇に応じて、攪拌板10の位置を段階的または連続的に上昇させる操作について図3を用い説明する。
図3は、横軸に固化率gを採り、縦軸に攪拌板下端と融液界面との間隔h(mm)を採ったグラフである。本実施の形態例において、B23層の厚みは、概ね40mmとなり、固化率gが0.15から0.8へ増加するのに伴い、融液界面は概ね10mm上昇した。この融液界面の10mm上昇に対し、次の3つの条件により攪拌板の位置制御操作を行い、各々実施例1〜4および比較例の、計5種のSiドープインゴットを作製した。
(実施例1)
まず実施例1は、攪拌手段として図6にて説明した攪拌部材20Cを用いた。そして、図3において破線で示すように、g=0.15となった時点でh=5mmとなる位置へ攪拌板を降下し、B23層を攪拌しながら固化を進めた。g=0.5となった時点で、hは殆ど0となったので、攪拌板を10mm引き上げてさらに固化を進め、g=0.8となった時点(このとき、h=5.7mmであった。)で攪拌板をB23層より引き抜いた例である。
(実施例2)
実施例2は、攪拌手段として図6にて説明した攪拌部材20Cを用いた。そして、図3において実線で示すように、g=0.15となった時点でh=5mmとなる位置へ攪拌板を降下し、B23層を攪拌しながら固化を進めるが、融液界面の上昇に応じてh=5mmに保ちながら攪拌板を連続的に引き上げ、g=0.8となった時点で攪拌板をB23層より引き抜いた例である。
(比較例)
比較例は、攪拌手段として図6にて説明した攪拌部材20Cを用いた。そして、図3において1点鎖線で示すように、g=0.15となった時点でh=20mmとなる位置へ攪拌板を降下し、B23層を攪拌しながら固化を進め、g=0.5となった時点で攪拌板を10mm引き上げてさらに固化を進め、g=0.8となった時点(このとき、h=20.7mmであった。)で攪拌板をB23層より引き抜いた例である。尚、実施例1、2および比較例において、撹拌板の回転数は1rpmとし、固化開始から完了までを20時間とした。
(実施例3)
攪拌手段として、図6にて説明した攪拌部材20BをB23層8a内へ下降させた以外は、実施例2と同様にSiドープインゴットを製造した。
(実施例4)
攪拌手段として、図5にて説明した攪拌部材20AをB23層8a内へ下降させた以外は、実施例2と同様にSiドープインゴットを製造した。
ここで、攪拌板10の表面が前記GaAs原料融液層と前記液体封止剤層とが静止状態で形成する界面に対して60°の傾斜角θを持つように設定した。
このように作製された実施例1〜4に係るSiドープインゴットは、いずれも固化率0.1であった部分から0.8であった部分に亘る範囲において、直径50mm以上、EPDで評価した結晶性は、平均500個/cm2以下のものであった。
尚、製造されたSiドープインゴットを評価するのに、固化率0.1であった部分から0.8であった部分に亘る範囲においておこなっている。これは固化率が0.1以上であれば、種結晶との接合面に起因する結晶性の乱れが実質的に無くなり、0.8以下であれば、砒素抜けによるGa/As組成比の乱れや、融液界面に起因する結晶性の乱れが実質的に無くなるため、製造されたSiドープインゴットからウェハを製造する際、概ね、この範囲の部分を用いるからである。
得られたインゴットの、固化率0.1であった部分から0.8であった部分を特定するには、得られたインゴットの総重量を測定した後、種結晶側端の適宜な部分を切断して、切断部分の重量を測定し、この重量とインゴットの総重量とを比較して固化率0.1の部分を特定し、同様に、インゴットの他端の適宜な部分を切断して重量を測定し、固化率0.8の部分を特定すれば良い。
また、るつぼ内径の設計値と、GaAs原料およびドーパントしてのSi原料の充填値とより、固化率0.1および0.8であった部分を算出する簡便法によっても良い。
ここで、EPD、およびその測定方法について簡単に説明する。
例えば、GaAs単結晶のウェハが結晶欠陥を含んでいる場合、このウェハを特定の腐食性試薬中に浸漬すると結晶欠陥部よりエッチングが始まり、そこにピット(へこみ)が形成される。そこでエッチピット密度すなわち、単位面積あたりのエッチングにより形成されたピット数を計測すれば、当該ウェハの結晶性を評価することができる。そこで、Siドープインゴットの所定箇所から作製したウェハのEPD評価をおこなえば、当該Siドープインゴットの結晶性を評価することができる。
因みに、本発明に係るSiドープGaAs単結晶ウェハのEPD評価では、ウェハの表面をH2SO4:H22:H2O=3:1:1の硫酸系鏡面エッチング液で前処理した後、液温320℃のKOH融液へ30〜40min浸積することでエッチピットを発生させ、この数を計測したものである。
次に、作製された各Siドープインゴットの各位置における、キャリア濃度分布をVan der Pauw法により測定した。尚、このとき、図3にて説明したのと同様の理由により、キャリア濃度分布の測定は、固化率0.1であった部分から0.8であった部分に亘る範囲において行った。
実施例1のSiドープインゴットは、固化率0.1であった部分のキャリア濃度C0.1=0.9×1018/cm3、固化率0.7であった部分のキャリア濃度C0.7=1.25×1018/cm3、固化率0.8であった部分のキャリア濃度C0.8=1.39×1018/cm3であり、インゴット内のキャリア濃度分布はC0.8/C0.1=1.54<2.0であった。この結果を表1に記載する。
実施例2のSiドープインゴットは、固化率0.1であった部分のキャリア濃度C0.1=0.91×1018/cm3、固化率0.7であった部分のキャリア濃度C0.7=1.25×1018/cm3、固化率0.8であった部分のキャリア濃度C0.8=1.29×1018/cm3であり、インゴット内のキャリア濃度分布はC0.8/C0.1=1.42<2.0であった。この結果を表1に記載する。
実施例3のSiドープインゴットは、固化率0.1であった部分のキャリア濃度C0.1=0.89×1018/cm3、固化率0.7であった部分のキャリア濃度C0.7=1.11×1018/cm3であり、固化率0.8であった部分のキャリア濃度C0.8=1.15×1018/cm3であり、インゴット内のキャリア濃度分布はC0.8/C0.1=1.29<1.4であった。この結果を表1に記載する。
実施例4のSiドープインゴットは、固化率0.1であった部分のキャリア濃度C0.1=0.89×1018/cm3、固化率0.7であった部分のキャリア濃度C0.7=1.08×1018/cm3であり、固化率0.8であった部分のキャリア濃度C0.8=1.11×1018/cm3であり、インゴット内のキャリア濃度分布はC0.8/C0.1=1.25<1.4であった。この結果を表1に記載する。
Figure 2004217508
比較例のSiドープインゴットは、固化率0.1であった部分のキャリア濃度C0.1=0.88×1018/cm3、固化率0.8であった部分のキャリア濃度C0.8=1.83×1018/cm3であり、インゴット内のキャリア濃度分布はC0.8/C0.1=2.08>2.0であった。
さらに比較のため、攪拌手段として図6に示す攪拌部材20Cを用い、特許文献2に記載した方法(攪拌板をB23層の中央部に設置して攪拌する。)により、前記実施例と同様にSiドープインゴットを調製した。当該調製されたSiドープインゴットにおけるキャリア濃度分布を、従来例として測定したところ、固化率0.1であった部分のキャリア濃度C0.1=0.92×1018/cm3、固化率0.8であった部分のキャリア濃度C0.8=1.94×1018/cm3であり、インゴット内のキャリア濃度分布はC0.8/C0.1=2.10>2.0であった。
以上、実施例1〜4、比較例、および従来例に係るSiドープインゴットにおける各位置のキャリア濃度分布を図4に示す。図4は、横軸に、Siドープインゴット中の位置を固化率gで表して(1−g)の対数値をとったものであり、縦軸に、各固化率で特定される位置におけるSiドープインゴット中のキャリア濃度の対数値を採ったグラフである。
図4において、実施例1のデータは短破線、実施例2のデータは太実線、実施例3のデータは細実線、実施例4のデータは長破線、比較例のデータは1点鎖線、従来例のデータは2点鎖線で示した。
図4の結果が示すように、例えば、キャリア濃度の範囲が0.8〜1.5×1018/cm3で直径76mmのウェハを製造しようとする場合、実施例1、2のSiドープインゴットでは、固化率0.1であった部分から0.8であった部分に亘る範囲の全てが使用可能であるのに対し、比較例のSiドープインゴットでは、87%が、従来の技術に係るSiドープインゴットでは、82%が使用可能であるにすぎない。すなわち、実施例1〜4と、比較例および従来の技術に係るSiドープインゴットとでは、所望のキャリア濃度範囲を有するウェハの生産性において大きな差があることが判明した。
さらに、攪拌板の回転軌跡が形成する面積を、原料融液層と前記液体封止剤層とが静止状態で形成する界面の面積の50%以上、さらに好ましくは75%以上とし、攪拌板下端と融液界面との間隔hの精密な制御を行い、攪拌板の枚数増加させ、攪拌板の表面を原料融液層と前記液体封止剤層とが静止状態で形成する界面に対して適宜な傾斜角θを持つように設定することにより、Siドープインゴット内のキャリア濃度分布が、C0.8/C0.1<2、さらにはC0.8/C0.1<1.4であるものも得ることが出来た。当該キャリア濃度分布が達成できたことで、Siドープインゴット内のキャリア濃度範囲の規格として0.8〜1.2×1018/cm3を適用した場合であっても、製造されたSiドープインゴットの固化率0.1であった部分から0.8であった部分に亘る範囲の全てが使用可能となり、インゴット形状から設定される限度近くまでの生産性向上が可能となった。
以上説明したように、本発明は、
Siをキャリアとして含むSiドープGaAs単結晶ウェハを製造するためのSiドープGaAs単結晶インゴットであって、
前記インゴットの総重量と、前記インゴットにおける種結晶側端の適宜な切断部の重量と、他端の適宜な切断部の重量とより、
前記インゴットの製造過程において、前記種結晶と接している面から順次、結晶固化した際の固化率が0.1および0.8であった部分を特定し、
前記固化率が0.1および0.8であった部分の前記キャリアの濃度を各々C0.1、C0.8としたとき、C0.8/C0.1<2であり、
前記インゴットにおいて、前記固化率が0.1から0.8に亘る部分のエッチピット密度で評価した結晶性の値の平均が、500個/cm2以下であることを特徴とするSiドープGaAs単結晶インゴットであり、
この構成を有するインゴットからは、所望の範囲のキャリア濃度を有するウェハを高い生産性をもって製造することが出来る。
SiドープGaAs単結晶インゴットの製造装置の縦断面図である。 図1に示す製造装置のるつぼ部分の縦断面図である。 図1に示す製造装置内の攪拌板における位置制御を示すグラフである。 SiドープGaAs単結晶インゴット中のキャリア濃度分布を示すグラフである。 本発明に係る攪拌手段例の側面図及び平面図である。 本発明に係る攪拌手段例の側面図及び平面図である。 本発明に係る攪拌手段例の側面図及び平面図である。
符号の説明
4…るつぼ
5…種結晶
6…固化部
7…融液部
8a…液体封止剤たるB23
8b…B23原料
9…結晶界面
10…撹拌板
13…GaAs原料
14…Si原料
18…融液界面
19…攪拌板下端
20.攪拌部材
21.回転軸
h…攪拌板下端19と融液界面18との間隔

Claims (9)

  1. Siをキャリアとして含むSiドープGaAs単結晶ウェハを製造するためのSiドープGaAs単結晶インゴットであって、
    前記インゴットの総重量と、前記インゴットにおける種結晶側端の適宜な切断部の重量と、他端の適宜な切断部の重量とから、前記インゴットの製造過程において、前記種結晶と接している面から順次、結晶固化した際の固化率が0.1および0.8であった部分を特定し、
    前記固化率が0.1および0.8であった部分の前記キャリアの濃度を各々C0.1、C0.8としたとき、C0.8/C0.1<2であり、
    前記インゴットにおいて、前記固化率が0.1から0.8に亘る部分のエッチピット密度で評価した結晶性の値の平均が、500個/cm2以下であることを特徴とするSiドープGaAs単結晶インゴット。
  2. 請求項1に記載のSiドープGaAs単結晶インゴットであって、
    前記固化率が0.1および0.8であった部分の前記キャリアの濃度を各々C0.1、C0.8としたとき、C0.8/C0.1<1.4であり、
    前記インゴットにおいて、前記固化率が0.1から0.8に亘る部分のエッチピット密度で評価した結晶性の値の平均が、500個/cm2以下であることを特徴とするSiドープGaAs単結晶インゴット。
  3. るつぼ内に、種結晶、GaAs原料、ドーパント用Si原料及び液体封止剤用原料を収納し、これら原料を溶融して前記GaAs原料融液層の上に前記液体封止剤層が配置されるようにした後、攪拌手段を前記液体封止剤層中に設置して、前記液体封止剤を攪拌しながら所定の結晶製造を行うSiドープGaAs単結晶のインゴットの製造方法であって、
    前記GaAs原料融液層と前記液体封止剤層との界面と、前記攪拌手段の下端と、の間隔をhとしたとき、20mm>h>0mmとなる位置に前記攪拌手段を設置し、前記液体封止剤を攪拌しながらSiドープGaAs単結晶を製造することを特徴とするSiドープGaAs単結晶インゴットの製造方法。
  4. るつぼ内に、種結晶、GaAs原料、ドーパント用Si原料及び液体封止剤用原料を収納し、これら原料を溶融して前記GaAs原料融液層の上に前記液体封止剤層が配置されるようにした後、攪拌手段を前記液体封止剤層中に設置して、前記液体封止剤を回転攪拌しながら所定の結晶製造を行うSiドープGaAs単結晶のインゴットの製造方法であって、
    前記攪拌手段として、前記回転攪拌の回転軸の周囲に、所定数の板状の攪拌板が当該表面を前記液体封止剤と対向するように設置され、且つ、前記攪拌板の表面は、前記GaAs原料融液層と前記液体封止剤層とが静止状態で形成する界面に対して20°〜70°の傾斜角を持つように前記回転軸に設置されている攪拌手段を用いて、前記液体封止剤を攪拌しながらSiドープGaAs単結晶を製造することを特徴とするSiドープGaAs単結晶インゴットの製造方法。
  5. るつぼ内に、種結晶、GaAs原料、ドーパント用Si原料及び液体封止剤用原料を収納し、これら原料を溶融して前記GaAs原料融液層の上に前記液体封止剤層が配置されるようにした後、攪拌手段を前記液体封止剤層中に設置して、前記液体封止剤を回転攪拌しながら所定の結晶製造を行うSiドープGaAs単結晶のインゴットの製造方法であって、
    前記攪拌手段として、前記回転攪拌の回転軸の周囲に、所定数の板状の攪拌板が当該表面を前記液体封止剤と対向するように設置され、
    前記回転攪拌の際、前記攪拌板の回転軌跡が形成する面積が、前記GaAs原料融液層と前記液体封止剤層とが静止状態で形成する界面の面積の50%以上であるように、前記液体封止剤を攪拌しながらSiドープGaAs単結晶を製造することを特徴とするSiドープGaAs単結晶インゴットの製造方法。
  6. 請求項3〜5のいずれかに記載のSiドープGaAs単結晶インゴットの製造方法であって、
    前記攪拌手段の位置を段階的に上昇させることを特徴とするSiドープGaAs単結晶インゴットの製造方法。
  7. 請求項3〜5のいずれかに記載のSiドープGaAs単結晶インゴットの製造方法であって、
    前記攪拌手段の位置を連続的に上昇させることを特徴とするSiドープGaAs単結晶インゴットの製造方法。
  8. 液体封止剤を用いるVGF法により化合物半導体単結晶インゴットを製造する化合物半導体単結晶インゴットの製造装置であって、
    るつぼと、
    前記るつぼ内に充填される前記液体封止剤を回転攪拌する攪拌手段とを有し、
    前記攪拌手段は、前記回転攪拌の回転軸の周囲に、所定数の板状の攪拌板が当該表面を前記液体封止剤と対向するように設置され、
    前記攪拌板の表面は、前記GaAs原料融液層と前記液体封止剤層とが静止状態で形成する界面に対して20°〜70°の傾斜角を持つように前記回転軸に設置されていることを特徴とする化合物半導体単結晶インゴットの製造装置。
  9. 液体封止剤を用いるVGF法により化合物半導体単結晶インゴットを製造する化合物半導体単結晶インゴットの製造装置であって、
    るつぼと、
    前記るつぼ内に充填される前記液体封止剤を回転攪拌する攪拌手段とを有し、
    前記攪拌手段は、前記回転攪拌の回転軸の周囲に、所定数の板状の攪拌板が当該表面を前記液体封止剤と対向するように設置され、
    前記回転攪拌の際、前記攪拌板の回転軌跡が形成する面積が、前記GaAs原料融液層と前記液体封止剤層とが静止状態で形成する界面の面積の50%以上であることを特徴とする化合物半導体単結晶インゴットの製造装置。
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