JP2004217385A - マグネットコンベア - Google Patents
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Abstract
【課題】被搬送物を上方向に搬送することができるマグネットコンベアにおいて、一度に大量の被搬送物を受け入れて円滑に搬送することが可能であるマグネットコンベアを提供すること。
【解決手段】被搬送物が表面に沿って搬送される搬送面と、該搬送面の両端部下方にそれぞれ配設されて回転する左右一対のスプロケットと、該スプロケットに巻き掛けられて搬送面の下方位置において搬送面に沿うように移動する左右一対のチェーンと、該左右のチェーンにチェーン長さ方向に沿って所定間隔毎に取り付けられた磁石とを備えてなり、前記搬送面は一端部から所定長さ範囲において形成された水平面と、該水平面の終端部から次第に高位置となるように円弧状に形成された湾曲面とを有してなり、前記水平面の上方には被搬送物が供給されるホッパーが配設されてなることを特徴とするマグネットコンベア。
【選択図】 図2
【解決手段】被搬送物が表面に沿って搬送される搬送面と、該搬送面の両端部下方にそれぞれ配設されて回転する左右一対のスプロケットと、該スプロケットに巻き掛けられて搬送面の下方位置において搬送面に沿うように移動する左右一対のチェーンと、該左右のチェーンにチェーン長さ方向に沿って所定間隔毎に取り付けられた磁石とを備えてなり、前記搬送面は一端部から所定長さ範囲において形成された水平面と、該水平面の終端部から次第に高位置となるように円弧状に形成された湾曲面とを有してなり、前記水平面の上方には被搬送物が供給されるホッパーが配設されてなることを特徴とするマグネットコンベア。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はマグネットコンベアに関し、より詳しくは一度に大量の被搬送物を受け入れて円滑に上方へと搬送することが可能であるマグネットコンベアに関する。
【0002】
【従来の技術】
マグネットコンベアは、例えば、プレス装置やせん断装置等の工作機械から排出された金属屑や、釘やねじ等の金属部品を搬送するための装置として利用されており、その用途に応じて様々な形態のものが存在している。
従来存在しているマグネットコンベアは、被搬送物を水平方向に搬送するものが一般的であるが(例えば、特許文献1参照。)、このような従来の装置では、例えば被搬送物を高所にあるパーツフィーダー等の装置へと供給することはできない。
そこで、本願出願人らは、特願2002−79560号において、被搬送物を垂直方向に搬送するマグネットコンベアを提案している。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−326176号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した特願2002−79560号において提案されたマグネットコンベアは、被搬送物がまとまって大量に出た場合には、これをスムーズに受け入れて支障なく円滑に搬送することが困難であるという問題があった。
すなわち、このマグネットコンベアでは、被搬送物が供給されるホッパーが搬送面の下端部に設けられ、ホッパーの底面裏側をハンマー部で叩くことによって、被搬送物を搬送面へと供給する構造であるため、一度に大量の被搬送物を搬送面へと供給して搬送することができなかった。
【0005】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、被搬送物を上方向に搬送することができるマグネットコンベアにおいて、一度に大量の被搬送物を受け入れて円滑に搬送することが可能であるマグネットコンベアを提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、被搬送物が表面に沿って搬送される搬送面と、該搬送面の両端部下方にそれぞれ配設されて回転する左右一対のスプロケットと、該スプロケットに巻き掛けられて搬送面の下方位置において搬送面に沿うように移動する左右一対のチェーンと、該左右のチェーンにチェーン長さ方向に沿って所定間隔毎に取り付けられた磁石とを備えてなり、前記搬送面は一端部から所定長さ範囲において形成された水平面と、該水平面の終端部から次第に高位置となるように円弧状に形成された湾曲面とを有してなり、前記水平面の上方には被搬送物が供給されるホッパーが配設されてなることを特徴とするマグネットコンベアに関する。
請求項2に係る発明は、前記搬送面は、前記湾曲面の終端部と連続して形成された垂直面と、該搬送面の他端部から所定長さ範囲において前記水平面と対向するように形成された下向き水平面と、該下向き水平面の始端部と前記垂直面の終端部とを繋ぐように形成された円弧状の第二湾曲面とを有してなることを特徴とする請求項1記載のマグネットコンベアに関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るマグネットコンベアの好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明に係るマグネットコンベアの一例を示す外観斜視図であり、図2は本発明に係るマグネットコンベアの概略側面図であり、図3は図2のA部分の内部構造を示す図である。尚、図3においては、図を見易くするためにチェーンを中途部のみ図示し、チェーンの上方部及び下方部は一点鎖線で示している。
【0008】
本発明に係るマグネットコンベアは、磁石に吸着可能な金属等の磁性体からなるもの(以下、被搬送物という)を、磁力を利用して搬送面に吸着させて下方位置から上方位置まで搬送する装置である。尚、本発明における被搬送物には、ねじや釘等の金属製部品や金属屑などの全体が磁性体からなるものだけでなく、金属製の刃を有する剃刀などのように磁性体を一部に含むものも包含される。
【0009】
マグネットコンベアは、被搬送物が表面に沿って搬送される搬送面(1)と、該搬送面(1)の幅方向の左右両端部下方にそれぞれ配設されて回転する左右一対のスプロケット(3)(4)と、該スプロケット(3)(4)に巻き掛けられて搬送面(1)の下方位置において搬送面に沿うように移動する左右一対のチェーン(5)と、該左右のチェーン(5)にチェーン長さ方向に沿って所定間隔毎に取り付けられた磁石(8)とを備えている。
【0010】
搬送面(1)は、被搬送物が表面に沿って搬送される面であって、一端部から他端部にむけて所定長さ範囲において形成された水平面(2)と、該水平面(2)の終端部から次第に高位置となるように一定半径の円弧状に形成された湾曲面(13)と、該湾曲面(13)の上端部と連続して垂直に形成された垂直面(14)と、該垂直面(14)の上端部と連続して上向きの半円弧状に形成された上端湾曲面(15)とから形成されている。
【0011】
搬送面(1)に形成される水平面(2)の長さは特に限定されないが、搬送面(1)の水平方向の全体長さ(L)に対して少なくとも4分の1以上、より好ましくは3分の1以上の長さとされる。
本発明に係るマグネットコンベアでは、このように搬送面(1)に所定長さの水平面(2)が形成されていることによって、この水平面(2)に直接被搬送物を供給して搬送することが可能となり、比較的大量の被搬送物を一度に供給して効率良く搬送することができる。
【0012】
搬送面(1)に形成される湾曲面(13)は、上述した如く一定半径の円弧状面とされている。
この湾曲面(1)を形成する円弧の中心角は90°とされ、円の右下4分の1の部分の円弧により湾曲面(1)が形成されている。
この円弧の半径(R)は特に限定されず、被搬送物が搬送される高さ等の条件に応じて適宜設定することが可能であるが、好ましくは装置の全長(L)(水平方向長さ)に対して一定割合以上、より好ましくは装置の全長(L)及び全高(H)(垂直方向長さ)のいずれに対しても一定割合以上とされる。この一定割合は、40%以上、好ましくは45%以上、更に好ましくは50%以上とされ、具体的なRの値としては、例えば300〜500mm程度が挙げられる。
このように、搬送面(1)に一定半径の円弧状とされた湾曲面(13)が形成されることによって、被搬送物が水平面(2)に一度に大量に供給された場合でも、湾曲面(13)に沿って上方に運ばれる際に磁力によって吸着しきれない被搬送物は湾曲面(13)を上昇しきれずに滑り落ちるので、一度に大量に供給されることによって固まっていた被搬送物がほぐされて搬送が円滑に行われる。
【0013】
搬送面(1)の左右両端部には、搬送面(1)の上面から僅かに突出するように側板(16)が設けられており、これら左右の側板(16)によって被搬送物が搬送面から側方に落下するのを防いでいる。
そして、搬送面(1)の一端部(始端部)の水平面(2)上方には、被搬送物が供給されるホッパー(17)が配設されており、搬送面(1)の他端部(終端部)には、上部湾曲面(15)と連続するように下方向に傾斜した傾斜面を有するシューター(18)が取り付けられており、上端部にまで達した被搬送物はこのシューター(18)に沿って所定の場所に落下するようになっている。
【0014】
搬送面(1)の始端部(下端部)及び終端部(上端部)には、それぞれ下スプロケット(4)及び上スプロケット(3)が配設されており、これらのスプロケット(3)(4)はそれぞれ搬送面(1)の幅方向に並設された左右一対のスプロケットから構成されている。
そして、左右それぞれのスプロケットには、上スプロケット(3)から下スプロケット(4)にかけて無端状のチェーン(5)がそれぞれ巻き掛けられており、これらのチェーン(5)は上下のスプロケット(3)(4)の回転に伴って搬送面(1)の僅かに下方位置にて連続的に移動する。
【0015】
また、上スプロケット(3)の下方位置にもスプロケット(31)が配設され、このスプロケット(31)と下スプロケット(4)との間にもスプロケット(32)が配設されており、これらのスプロケットを介して上下スプロケットにチェーンを巻き掛けることによりチェーンのテンションを調節している。
また、上スプロケット(3)を構成する左右のスプロケットを連結する連結軸(33)はモーター(6)の回転軸と連結され、モーター(6)の駆動によって左右のスプロケットが一体的に回転するようになっている。
また、連結棒(33)には円筒状のドラム(9)が外嵌されており、このドラム(9)はスプロケット(3)と共に回転する。
【0016】
左右のスプロケットにそれぞれ巻き掛けられた左右のチェーン(5)の間には、チェーン長さ方向に沿って所定間隔毎に接続棒(7)が、左右のチェーンを繋ぐように設けられており、これらの接続棒(7)にはそれぞれ永久磁石(8)が取り付けられている。
尚、接続棒(7)に取り付けられる磁石(8)の数は、図示例では3個とされているが、これに限定されず、搬送面(1)の幅に合わせてその数を増減することができ、また接続棒(7)の全長にわたって1個の磁石を設ける構成としてもよい。
【0017】
以下、上記構成からなる本発明に係るマグネットコンベアの作用について説明する。
プレス装置やせん断装置等の工作機械から排出された金属屑や、釘やねじ等の金属部品などからなる被搬送物は、ホッパー(17)内に供給され、ホッパー(17)の底部から搬送面(1)の一端部(始端部)に供給される。
このとき、搬送面(1)の一端部から所定長さ範囲において水平面(2)が形成されているため、比較的多くの被搬送物を一度に搬送面(1)上に供給することができる。
【0018】
搬送面(1)の水平面(2)上に供給された被搬送物は、モーター(6)の駆動に伴うスプロケット(3)(4)の回転により、チェーン(5)が搬送面(1)の下方位置を搬送面に沿って移動することによって、磁石(8)の磁力の作用を受けて、搬送面(1)上に吸着された状態で搬送面に沿って搬送される。
そして、被搬送物は、磁石(8)の動きに伴って、水平面(2)から湾曲面(13)へと運ばれ、湾曲面(13)に沿って上昇する。
このとき、磁力によって吸着しきれない被搬送物は湾曲面(13)を上昇しきれずに湾曲面に沿って滑り落ちるので、水平面(2)に一度に大量に供給されることによって固まっていた被搬送物がほぐされる。
【0019】
湾曲面(13)に沿って上昇した被搬送物は、図4に示すように湾曲面(13)から垂直面(14)を経て上端湾曲面(15)へと至り、上端湾曲面に達した被搬送物は、シューター(18)へと移動することで磁力の作用から解放され、シューター(18)に沿って所定位置に落下する。
【0020】
図5は、本発明に係るマグネットコンベアの別の実施形態(以下、第二実施形態という)を示す概略側面図である。
この第二実施形態に係るマグネットコンベアは、搬送面(1)の形状が上記した装置(以下、第一実施形態という)と異なっている。
具体的には、搬送面(1)が、一端部(始端部)から順に水平面(2)、湾曲面(13)、垂直面(14)を有する点は第一実施形態と全く同じであるが、上端湾曲面(15)を有しておらず、代わりに搬送面(1)の他端部(終端部)から所定長さ範囲において水平面(2)と対向するように形成された下向き水平面(11)と、該下向き水平面(11)の始端部と前記垂直面(14)の終端部とを繋ぐように形成された円弧状の第二湾曲面(12)とを備えており、搬送面全体として略コの字状を呈している。
【0021】
この第二実施形態においても、搬送面(1)の下方において搬送面(1)に沿って磁石が移動する構成は第一実施形態と同様であり、この磁石の移動に伴って被搬送物は略コの字状の搬送面(1)の表面上を移動する。
また、水平面(1)の長さ及び湾曲面(13)を構成する円弧の半径についても、第一実施形態と同様に設定することが好ましい。
従って、第二実施形態に係るマグネットコンベアにおいても、搬送面(1)の一端部から所定長さ範囲において水平面(2)が形成されていることで、比較的多くの被搬送物を一度に搬送面(1)上に供給することが可能となるとともに、磁力によって吸着しきれない被搬送物は湾曲面(13)を上昇しきれずに滑り落ちるので、固まっていた被搬送物は湾曲面(13)においてほぐされて円滑に搬送される。
【0022】
尚、第二湾曲面(12)の湾曲に沿って磁石を移動させるために、図示の如く、第二湾曲面(12)の上方位置に該湾曲面(12)と同様に湾曲されたアールをもつ板状のガイド部材(40)が設けられる。
ガイド部材(40)は、耐磨耗特性に優れた樹脂(例えばポリアミド)等から形成されており、図示の如く、チェーン(5)をこのガイド部材(40)の上面に沿わせることによって、第二湾曲面(12)の湾曲に沿うようにチェーン(5)を配置させる。
このとき、第二湾曲面(12)とチェーン(5)との距離(d1)が、下向き水平面(11)及び垂直面(14)とチェーン(5)の距離(d2)との距離と等しくなるように、ガイド部材(40)の位置を設定する。これは、d1>d2となると、磁石が被搬送物を吸引する力が第二湾曲面(12)において弱くなり、被搬送物が落下してしまうおそれがあるためである。
【0023】
この第二実施形態のマグネットコンベアにおいては、搬送面(1)に第二湾曲面(12)と下向き水平面(11)が備えられているため、ホッパー(17)に供給された被搬送物は、水平面(2)から湾曲面(13)、垂直面(14)と順次運ばれた後、第二湾曲面(12)から下向き水平面(11)に沿って搬送され、下向き水平面(11)の終端部に達した時点で磁力から解放されて下方へと落下し、所定の容器(10)等に供給される。
従って、この第二実施形態の装置によれば、従来の垂直型コンベアと同様に、被搬送物を供給地点のほぼ直上方に供給することが可能となる。
【0024】
尚、搬送面(1)に沿って搬送される被搬送物を磁力から解放するための方法は、解放するポイントにおいて搬送面から磁石までの距離を長くして被搬送物に作用する磁力を弱めればよく、これは上記した第一実施形態についても同様である。
【0025】
また、本発明においては、搬送面(1)の一端部(始端部)の水平面(2)上方に配設されるホッパー(17)には、ホッパー内部に供給された被搬送物をほぐすためのほぐし機構を設けることが好ましい。
図6は、ほぐし機構を有するホッパー(19)を備えたマグネットコンベアを示す図である。尚、図では第一実施形態の装置にほぐし機構を設けた例のみを示したが、第二実施形態の装置に同様のほぐし機構を設けてもよい。
【0026】
図7はほぐし機構の正面図であり、ほぐし機構は、ホッパー(19)の内部に配設された略楕円形断面を有するほぐし棒(20)と、該ほぐし棒(20)を軸周りに往復駆動させる駆動機構(21)とから構成される。
【0027】
図8はほぐし棒(20)の正面図、図9はほぐし棒(20)の平面図、図10は図9のA方向矢視図、図11は図9のB方向矢視図である。
ほぐし棒(20)は、円柱のパイプを偏平に潰したような形状とされており、図示の如く、基端部においては断面円形とされているが、中途部から先端部にかけて次第に偏平となる略楕円形状の断面を有している。但し、本発明においては、長さ方向全長にわたって略楕円形状の断面を有する棒としてもよい。
尚、ほぐし棒(20)の先端は、被搬送物が傷つくのを防ぐ為に破線で示す如く丸みをもたせることが好ましい。
そして、ほぐし棒(20)の基端部には、駆動機構(21)と連結するためのキー溝付きの連結孔(28)が設けられている。
【0028】
駆動機構(21)は、上記したほぐし棒(20)を軸周りに半回転以下の範囲で往復駆動させるための機構であり、ホッパー(19)の近傍外部位置に設けられている。
駆動機構(21)は、モーター(22)と、このモーター(22)の回転軸と連結されてモーターの回転に伴って回転する第一の回転板(23)と、ほぐし棒(20)がその中心に連結された第二の回転板(24)と、これら第一及び第二の回転板を連結する連結棒(25)とから構成される。
【0029】
モーター(22)の回転軸は、図示例では第一の回転板(23)の中心に直接連結されているが、ベルト等を介して間接的に連結してもよい。
また、第二の回転板(24)は第一の回転板(23)の上方に、その中心がほぐし棒(20)の中心と同じ高さとなるように配置されており、第二の回転板(24)とほぐし棒(20)とは、一対のベアリング(26)によって回転可能に支承された円柱状の回転棒(27)によって連結されている。
即ち、回転棒(27)の一端部は、ほぐし棒(20)の基端部に設けられた連結孔(28)にキーと共に挿入されて固定され、他端部は第二の回転板(24)の中心孔に挿入固定されており、これによって、第二の回転板(24)の回転動作が回転棒(27)を介してほぐし棒(20)へと伝えられるようになっている。
【0030】
連結棒(25)は、第一の回転板(23)及び第二の回転板(24)の一方側の面の回転中心から偏心した位置に、これらの回転板同士を連結するように枢着されている。
より詳しくは、連結棒(25)の両端部に、円筒状部を有する継手部(29)が設けられるとともに、各回転板(23)(24)の中心から偏心した位置の表面にピン(30)が立設され、継手部(29)の穴にピン(30)が挿入されることによって、連結棒(25)の両端部は回転板(23)(24)との連結部分において回動自在となっている。
ここで、第二の回転板(24)の中心とピン(30)との距離は、第一の回転板(23)の中心とピン(30)との距離に比べて長く設定されており、図示例では、第二の回転板(24)を構成する円板の半径を第一の回転板(23)を構成する円板の半径よりも大きくすることにより、これを達成している。
【0031】
以下、駆動機構(21)の動作について説明する。
モーター(22)が一方向に回転すると、モーター(22)の回転軸に連結された第一の回転板(23)がこれに伴って一方向に回転する。
図12を初期状態とすると、第一の回転板(23)が回転すると、第一の回転板(23)と連結棒(25)により連結されている第二の回転板(24)は、図13に示すように、先ず第一の回転板(23)と同じ方向(図示例では右方向)に回転する。
そして、この回転が更にすすむと、第一の回転板(23)のピン(30)は図14に示すように上端部に達するが、第一の回転板(23)よりも半径が大きい第二の回転板(24)ではピン(30)は上端部にまで達しない。
【0032】
そのため、さらに第一の回転板(23)が回転を続けると、連結棒(25)により2つの回転板のピン(30)間の距離が固定されているため、第二の回転板(24)は第一の回転板(23)と同じ方向へと回転を続けることができず、図15に示すように逆方向(左方向)へと回転する。
この第二の回転板(24)の逆回転は、第一の回転板(23)のピン(30)が下端位置に達するまで続くが、図12に示すように第一の回転板(23)のピン(30)が下端位置に達すると、第一の回転板(23)よりも半径が大きい第二の回転板(24)ではピン(30)は下端部にまで達しないので、今度は第二の回転板(24)は再び元の回転方向(右方向)へと回転する。
【0033】
上記した一連の動作によって、第二の回転板(24)は軸周りに半回転以下の範囲で往復駆動を行い、これに伴ってほぐし棒(20)も軸周りに半回転以下の範囲で往復駆動するようになる。
但し、本発明においては、駆動機構(21)の構成は、ほぐし棒(20)を軸周りに往復駆動することができるものであれば特に限定されず、カム、リンク、クランク、歯車等の公知の機構要素を組み合わせて異なる構成の機構とすることが可能である。
【0034】
ほぐし棒(20)を半回転以下の範囲で往復駆動させるのは、ほぐし棒(20)が半回転を超えて一方向に回転すると、被搬送物がほぐし棒(20)を挟んで反対側にまで(例えば右側から左側へ)動かされる場合が生じ、被搬送物がスムーズにホッパー(19)から排出されるのが阻害されてしまうためである。
【0035】
また、ほぐし棒(20)が楕円形状の断面を有していることによって、以下のような作用が発揮される。
先ず、表面積が大きくなった略偏平な部分があるために、円形断面のものに比べて非常に大きな攪拌効果が得られる。そして、角が無いために、長尺物が引っ掛からずにほぐし棒(20)の表面に沿ってスムーズに流れ、これにより円滑な攪拌が行われる。
【0036】
本発明に係るマグネットコンベアは、上述した如く、搬送面に形成された湾曲面が被搬送物のほぐし作用を発揮することで、一度に大量の被搬送物を供給して円滑に搬送することが可能となるが、このようなほぐし機構をホッパーに設けることによって被搬送物が十分にほぐされた状態で水平面に供給されるので、より一層円滑に被搬送物を搬送することが可能となる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、搬送面の一端部から所定長さ範囲において水平面が形成されているため、大量の被搬送物をホッパーを介して一度に搬送面上に供給することが可能となり、また搬送面に円弧状の湾曲面が設けられているため、磁力によって吸着しきれない被搬送物は湾曲面を上昇しきれずに湾曲面に沿って滑り落ち、供給された被搬送物が大量であってもこれを湾曲面でほぐして円滑に上方へと搬送することが可能となる。
請求項2に係る発明によれば、被搬送物を一度に多量に供給しても、供給された被搬送物を搬送中に自然にほぐしながら円滑に供給地点のほぼ直上方に供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマグネットコンベアの一例を示す外観斜視図である。
【図2】本発明に係るマグネットコンベアの概略側面図である。
【図3】図2のA部分の内部構造を示す図である
【図4】本発明に係るマグネットコンベアにより釘を搬送している様子を示す外観図である。
【図5】本発明に係るマグネットコンベアの別の実施形態を示す概略側面図である。
【図6】ほぐし機構を有するホッパーを備えたマグネットコンベアを示す図である。
【図7】ほぐし供給機構の正面図である。
【図8】ほぐし棒の正面図である。
【図9】ほぐし棒の平面図である。
【図10】図9のA方向矢視図である。
【図11】図9のB方向矢視図である。
【図12】駆動機構の動作を示す説明図である。
【図13】駆動機構の動作を示す説明図である。
【図14】駆動機構の動作を示す説明図である。
【図15】駆動機構の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1 搬送面
2 水平面
3 上スプロケット
4 下スプロケット
5 チェーン
8 磁石
11 下向き水平面
12 第二湾曲面
13 湾曲面
14 垂直面
17 ホッパー
19 ホッパー(ほぐし機構付き)
【発明の属する技術分野】
本発明はマグネットコンベアに関し、より詳しくは一度に大量の被搬送物を受け入れて円滑に上方へと搬送することが可能であるマグネットコンベアに関する。
【0002】
【従来の技術】
マグネットコンベアは、例えば、プレス装置やせん断装置等の工作機械から排出された金属屑や、釘やねじ等の金属部品を搬送するための装置として利用されており、その用途に応じて様々な形態のものが存在している。
従来存在しているマグネットコンベアは、被搬送物を水平方向に搬送するものが一般的であるが(例えば、特許文献1参照。)、このような従来の装置では、例えば被搬送物を高所にあるパーツフィーダー等の装置へと供給することはできない。
そこで、本願出願人らは、特願2002−79560号において、被搬送物を垂直方向に搬送するマグネットコンベアを提案している。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−326176号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した特願2002−79560号において提案されたマグネットコンベアは、被搬送物がまとまって大量に出た場合には、これをスムーズに受け入れて支障なく円滑に搬送することが困難であるという問題があった。
すなわち、このマグネットコンベアでは、被搬送物が供給されるホッパーが搬送面の下端部に設けられ、ホッパーの底面裏側をハンマー部で叩くことによって、被搬送物を搬送面へと供給する構造であるため、一度に大量の被搬送物を搬送面へと供給して搬送することができなかった。
【0005】
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、被搬送物を上方向に搬送することができるマグネットコンベアにおいて、一度に大量の被搬送物を受け入れて円滑に搬送することが可能であるマグネットコンベアを提供せんとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、被搬送物が表面に沿って搬送される搬送面と、該搬送面の両端部下方にそれぞれ配設されて回転する左右一対のスプロケットと、該スプロケットに巻き掛けられて搬送面の下方位置において搬送面に沿うように移動する左右一対のチェーンと、該左右のチェーンにチェーン長さ方向に沿って所定間隔毎に取り付けられた磁石とを備えてなり、前記搬送面は一端部から所定長さ範囲において形成された水平面と、該水平面の終端部から次第に高位置となるように円弧状に形成された湾曲面とを有してなり、前記水平面の上方には被搬送物が供給されるホッパーが配設されてなることを特徴とするマグネットコンベアに関する。
請求項2に係る発明は、前記搬送面は、前記湾曲面の終端部と連続して形成された垂直面と、該搬送面の他端部から所定長さ範囲において前記水平面と対向するように形成された下向き水平面と、該下向き水平面の始端部と前記垂直面の終端部とを繋ぐように形成された円弧状の第二湾曲面とを有してなることを特徴とする請求項1記載のマグネットコンベアに関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るマグネットコンベアの好適な実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明に係るマグネットコンベアの一例を示す外観斜視図であり、図2は本発明に係るマグネットコンベアの概略側面図であり、図3は図2のA部分の内部構造を示す図である。尚、図3においては、図を見易くするためにチェーンを中途部のみ図示し、チェーンの上方部及び下方部は一点鎖線で示している。
【0008】
本発明に係るマグネットコンベアは、磁石に吸着可能な金属等の磁性体からなるもの(以下、被搬送物という)を、磁力を利用して搬送面に吸着させて下方位置から上方位置まで搬送する装置である。尚、本発明における被搬送物には、ねじや釘等の金属製部品や金属屑などの全体が磁性体からなるものだけでなく、金属製の刃を有する剃刀などのように磁性体を一部に含むものも包含される。
【0009】
マグネットコンベアは、被搬送物が表面に沿って搬送される搬送面(1)と、該搬送面(1)の幅方向の左右両端部下方にそれぞれ配設されて回転する左右一対のスプロケット(3)(4)と、該スプロケット(3)(4)に巻き掛けられて搬送面(1)の下方位置において搬送面に沿うように移動する左右一対のチェーン(5)と、該左右のチェーン(5)にチェーン長さ方向に沿って所定間隔毎に取り付けられた磁石(8)とを備えている。
【0010】
搬送面(1)は、被搬送物が表面に沿って搬送される面であって、一端部から他端部にむけて所定長さ範囲において形成された水平面(2)と、該水平面(2)の終端部から次第に高位置となるように一定半径の円弧状に形成された湾曲面(13)と、該湾曲面(13)の上端部と連続して垂直に形成された垂直面(14)と、該垂直面(14)の上端部と連続して上向きの半円弧状に形成された上端湾曲面(15)とから形成されている。
【0011】
搬送面(1)に形成される水平面(2)の長さは特に限定されないが、搬送面(1)の水平方向の全体長さ(L)に対して少なくとも4分の1以上、より好ましくは3分の1以上の長さとされる。
本発明に係るマグネットコンベアでは、このように搬送面(1)に所定長さの水平面(2)が形成されていることによって、この水平面(2)に直接被搬送物を供給して搬送することが可能となり、比較的大量の被搬送物を一度に供給して効率良く搬送することができる。
【0012】
搬送面(1)に形成される湾曲面(13)は、上述した如く一定半径の円弧状面とされている。
この湾曲面(1)を形成する円弧の中心角は90°とされ、円の右下4分の1の部分の円弧により湾曲面(1)が形成されている。
この円弧の半径(R)は特に限定されず、被搬送物が搬送される高さ等の条件に応じて適宜設定することが可能であるが、好ましくは装置の全長(L)(水平方向長さ)に対して一定割合以上、より好ましくは装置の全長(L)及び全高(H)(垂直方向長さ)のいずれに対しても一定割合以上とされる。この一定割合は、40%以上、好ましくは45%以上、更に好ましくは50%以上とされ、具体的なRの値としては、例えば300〜500mm程度が挙げられる。
このように、搬送面(1)に一定半径の円弧状とされた湾曲面(13)が形成されることによって、被搬送物が水平面(2)に一度に大量に供給された場合でも、湾曲面(13)に沿って上方に運ばれる際に磁力によって吸着しきれない被搬送物は湾曲面(13)を上昇しきれずに滑り落ちるので、一度に大量に供給されることによって固まっていた被搬送物がほぐされて搬送が円滑に行われる。
【0013】
搬送面(1)の左右両端部には、搬送面(1)の上面から僅かに突出するように側板(16)が設けられており、これら左右の側板(16)によって被搬送物が搬送面から側方に落下するのを防いでいる。
そして、搬送面(1)の一端部(始端部)の水平面(2)上方には、被搬送物が供給されるホッパー(17)が配設されており、搬送面(1)の他端部(終端部)には、上部湾曲面(15)と連続するように下方向に傾斜した傾斜面を有するシューター(18)が取り付けられており、上端部にまで達した被搬送物はこのシューター(18)に沿って所定の場所に落下するようになっている。
【0014】
搬送面(1)の始端部(下端部)及び終端部(上端部)には、それぞれ下スプロケット(4)及び上スプロケット(3)が配設されており、これらのスプロケット(3)(4)はそれぞれ搬送面(1)の幅方向に並設された左右一対のスプロケットから構成されている。
そして、左右それぞれのスプロケットには、上スプロケット(3)から下スプロケット(4)にかけて無端状のチェーン(5)がそれぞれ巻き掛けられており、これらのチェーン(5)は上下のスプロケット(3)(4)の回転に伴って搬送面(1)の僅かに下方位置にて連続的に移動する。
【0015】
また、上スプロケット(3)の下方位置にもスプロケット(31)が配設され、このスプロケット(31)と下スプロケット(4)との間にもスプロケット(32)が配設されており、これらのスプロケットを介して上下スプロケットにチェーンを巻き掛けることによりチェーンのテンションを調節している。
また、上スプロケット(3)を構成する左右のスプロケットを連結する連結軸(33)はモーター(6)の回転軸と連結され、モーター(6)の駆動によって左右のスプロケットが一体的に回転するようになっている。
また、連結棒(33)には円筒状のドラム(9)が外嵌されており、このドラム(9)はスプロケット(3)と共に回転する。
【0016】
左右のスプロケットにそれぞれ巻き掛けられた左右のチェーン(5)の間には、チェーン長さ方向に沿って所定間隔毎に接続棒(7)が、左右のチェーンを繋ぐように設けられており、これらの接続棒(7)にはそれぞれ永久磁石(8)が取り付けられている。
尚、接続棒(7)に取り付けられる磁石(8)の数は、図示例では3個とされているが、これに限定されず、搬送面(1)の幅に合わせてその数を増減することができ、また接続棒(7)の全長にわたって1個の磁石を設ける構成としてもよい。
【0017】
以下、上記構成からなる本発明に係るマグネットコンベアの作用について説明する。
プレス装置やせん断装置等の工作機械から排出された金属屑や、釘やねじ等の金属部品などからなる被搬送物は、ホッパー(17)内に供給され、ホッパー(17)の底部から搬送面(1)の一端部(始端部)に供給される。
このとき、搬送面(1)の一端部から所定長さ範囲において水平面(2)が形成されているため、比較的多くの被搬送物を一度に搬送面(1)上に供給することができる。
【0018】
搬送面(1)の水平面(2)上に供給された被搬送物は、モーター(6)の駆動に伴うスプロケット(3)(4)の回転により、チェーン(5)が搬送面(1)の下方位置を搬送面に沿って移動することによって、磁石(8)の磁力の作用を受けて、搬送面(1)上に吸着された状態で搬送面に沿って搬送される。
そして、被搬送物は、磁石(8)の動きに伴って、水平面(2)から湾曲面(13)へと運ばれ、湾曲面(13)に沿って上昇する。
このとき、磁力によって吸着しきれない被搬送物は湾曲面(13)を上昇しきれずに湾曲面に沿って滑り落ちるので、水平面(2)に一度に大量に供給されることによって固まっていた被搬送物がほぐされる。
【0019】
湾曲面(13)に沿って上昇した被搬送物は、図4に示すように湾曲面(13)から垂直面(14)を経て上端湾曲面(15)へと至り、上端湾曲面に達した被搬送物は、シューター(18)へと移動することで磁力の作用から解放され、シューター(18)に沿って所定位置に落下する。
【0020】
図5は、本発明に係るマグネットコンベアの別の実施形態(以下、第二実施形態という)を示す概略側面図である。
この第二実施形態に係るマグネットコンベアは、搬送面(1)の形状が上記した装置(以下、第一実施形態という)と異なっている。
具体的には、搬送面(1)が、一端部(始端部)から順に水平面(2)、湾曲面(13)、垂直面(14)を有する点は第一実施形態と全く同じであるが、上端湾曲面(15)を有しておらず、代わりに搬送面(1)の他端部(終端部)から所定長さ範囲において水平面(2)と対向するように形成された下向き水平面(11)と、該下向き水平面(11)の始端部と前記垂直面(14)の終端部とを繋ぐように形成された円弧状の第二湾曲面(12)とを備えており、搬送面全体として略コの字状を呈している。
【0021】
この第二実施形態においても、搬送面(1)の下方において搬送面(1)に沿って磁石が移動する構成は第一実施形態と同様であり、この磁石の移動に伴って被搬送物は略コの字状の搬送面(1)の表面上を移動する。
また、水平面(1)の長さ及び湾曲面(13)を構成する円弧の半径についても、第一実施形態と同様に設定することが好ましい。
従って、第二実施形態に係るマグネットコンベアにおいても、搬送面(1)の一端部から所定長さ範囲において水平面(2)が形成されていることで、比較的多くの被搬送物を一度に搬送面(1)上に供給することが可能となるとともに、磁力によって吸着しきれない被搬送物は湾曲面(13)を上昇しきれずに滑り落ちるので、固まっていた被搬送物は湾曲面(13)においてほぐされて円滑に搬送される。
【0022】
尚、第二湾曲面(12)の湾曲に沿って磁石を移動させるために、図示の如く、第二湾曲面(12)の上方位置に該湾曲面(12)と同様に湾曲されたアールをもつ板状のガイド部材(40)が設けられる。
ガイド部材(40)は、耐磨耗特性に優れた樹脂(例えばポリアミド)等から形成されており、図示の如く、チェーン(5)をこのガイド部材(40)の上面に沿わせることによって、第二湾曲面(12)の湾曲に沿うようにチェーン(5)を配置させる。
このとき、第二湾曲面(12)とチェーン(5)との距離(d1)が、下向き水平面(11)及び垂直面(14)とチェーン(5)の距離(d2)との距離と等しくなるように、ガイド部材(40)の位置を設定する。これは、d1>d2となると、磁石が被搬送物を吸引する力が第二湾曲面(12)において弱くなり、被搬送物が落下してしまうおそれがあるためである。
【0023】
この第二実施形態のマグネットコンベアにおいては、搬送面(1)に第二湾曲面(12)と下向き水平面(11)が備えられているため、ホッパー(17)に供給された被搬送物は、水平面(2)から湾曲面(13)、垂直面(14)と順次運ばれた後、第二湾曲面(12)から下向き水平面(11)に沿って搬送され、下向き水平面(11)の終端部に達した時点で磁力から解放されて下方へと落下し、所定の容器(10)等に供給される。
従って、この第二実施形態の装置によれば、従来の垂直型コンベアと同様に、被搬送物を供給地点のほぼ直上方に供給することが可能となる。
【0024】
尚、搬送面(1)に沿って搬送される被搬送物を磁力から解放するための方法は、解放するポイントにおいて搬送面から磁石までの距離を長くして被搬送物に作用する磁力を弱めればよく、これは上記した第一実施形態についても同様である。
【0025】
また、本発明においては、搬送面(1)の一端部(始端部)の水平面(2)上方に配設されるホッパー(17)には、ホッパー内部に供給された被搬送物をほぐすためのほぐし機構を設けることが好ましい。
図6は、ほぐし機構を有するホッパー(19)を備えたマグネットコンベアを示す図である。尚、図では第一実施形態の装置にほぐし機構を設けた例のみを示したが、第二実施形態の装置に同様のほぐし機構を設けてもよい。
【0026】
図7はほぐし機構の正面図であり、ほぐし機構は、ホッパー(19)の内部に配設された略楕円形断面を有するほぐし棒(20)と、該ほぐし棒(20)を軸周りに往復駆動させる駆動機構(21)とから構成される。
【0027】
図8はほぐし棒(20)の正面図、図9はほぐし棒(20)の平面図、図10は図9のA方向矢視図、図11は図9のB方向矢視図である。
ほぐし棒(20)は、円柱のパイプを偏平に潰したような形状とされており、図示の如く、基端部においては断面円形とされているが、中途部から先端部にかけて次第に偏平となる略楕円形状の断面を有している。但し、本発明においては、長さ方向全長にわたって略楕円形状の断面を有する棒としてもよい。
尚、ほぐし棒(20)の先端は、被搬送物が傷つくのを防ぐ為に破線で示す如く丸みをもたせることが好ましい。
そして、ほぐし棒(20)の基端部には、駆動機構(21)と連結するためのキー溝付きの連結孔(28)が設けられている。
【0028】
駆動機構(21)は、上記したほぐし棒(20)を軸周りに半回転以下の範囲で往復駆動させるための機構であり、ホッパー(19)の近傍外部位置に設けられている。
駆動機構(21)は、モーター(22)と、このモーター(22)の回転軸と連結されてモーターの回転に伴って回転する第一の回転板(23)と、ほぐし棒(20)がその中心に連結された第二の回転板(24)と、これら第一及び第二の回転板を連結する連結棒(25)とから構成される。
【0029】
モーター(22)の回転軸は、図示例では第一の回転板(23)の中心に直接連結されているが、ベルト等を介して間接的に連結してもよい。
また、第二の回転板(24)は第一の回転板(23)の上方に、その中心がほぐし棒(20)の中心と同じ高さとなるように配置されており、第二の回転板(24)とほぐし棒(20)とは、一対のベアリング(26)によって回転可能に支承された円柱状の回転棒(27)によって連結されている。
即ち、回転棒(27)の一端部は、ほぐし棒(20)の基端部に設けられた連結孔(28)にキーと共に挿入されて固定され、他端部は第二の回転板(24)の中心孔に挿入固定されており、これによって、第二の回転板(24)の回転動作が回転棒(27)を介してほぐし棒(20)へと伝えられるようになっている。
【0030】
連結棒(25)は、第一の回転板(23)及び第二の回転板(24)の一方側の面の回転中心から偏心した位置に、これらの回転板同士を連結するように枢着されている。
より詳しくは、連結棒(25)の両端部に、円筒状部を有する継手部(29)が設けられるとともに、各回転板(23)(24)の中心から偏心した位置の表面にピン(30)が立設され、継手部(29)の穴にピン(30)が挿入されることによって、連結棒(25)の両端部は回転板(23)(24)との連結部分において回動自在となっている。
ここで、第二の回転板(24)の中心とピン(30)との距離は、第一の回転板(23)の中心とピン(30)との距離に比べて長く設定されており、図示例では、第二の回転板(24)を構成する円板の半径を第一の回転板(23)を構成する円板の半径よりも大きくすることにより、これを達成している。
【0031】
以下、駆動機構(21)の動作について説明する。
モーター(22)が一方向に回転すると、モーター(22)の回転軸に連結された第一の回転板(23)がこれに伴って一方向に回転する。
図12を初期状態とすると、第一の回転板(23)が回転すると、第一の回転板(23)と連結棒(25)により連結されている第二の回転板(24)は、図13に示すように、先ず第一の回転板(23)と同じ方向(図示例では右方向)に回転する。
そして、この回転が更にすすむと、第一の回転板(23)のピン(30)は図14に示すように上端部に達するが、第一の回転板(23)よりも半径が大きい第二の回転板(24)ではピン(30)は上端部にまで達しない。
【0032】
そのため、さらに第一の回転板(23)が回転を続けると、連結棒(25)により2つの回転板のピン(30)間の距離が固定されているため、第二の回転板(24)は第一の回転板(23)と同じ方向へと回転を続けることができず、図15に示すように逆方向(左方向)へと回転する。
この第二の回転板(24)の逆回転は、第一の回転板(23)のピン(30)が下端位置に達するまで続くが、図12に示すように第一の回転板(23)のピン(30)が下端位置に達すると、第一の回転板(23)よりも半径が大きい第二の回転板(24)ではピン(30)は下端部にまで達しないので、今度は第二の回転板(24)は再び元の回転方向(右方向)へと回転する。
【0033】
上記した一連の動作によって、第二の回転板(24)は軸周りに半回転以下の範囲で往復駆動を行い、これに伴ってほぐし棒(20)も軸周りに半回転以下の範囲で往復駆動するようになる。
但し、本発明においては、駆動機構(21)の構成は、ほぐし棒(20)を軸周りに往復駆動することができるものであれば特に限定されず、カム、リンク、クランク、歯車等の公知の機構要素を組み合わせて異なる構成の機構とすることが可能である。
【0034】
ほぐし棒(20)を半回転以下の範囲で往復駆動させるのは、ほぐし棒(20)が半回転を超えて一方向に回転すると、被搬送物がほぐし棒(20)を挟んで反対側にまで(例えば右側から左側へ)動かされる場合が生じ、被搬送物がスムーズにホッパー(19)から排出されるのが阻害されてしまうためである。
【0035】
また、ほぐし棒(20)が楕円形状の断面を有していることによって、以下のような作用が発揮される。
先ず、表面積が大きくなった略偏平な部分があるために、円形断面のものに比べて非常に大きな攪拌効果が得られる。そして、角が無いために、長尺物が引っ掛からずにほぐし棒(20)の表面に沿ってスムーズに流れ、これにより円滑な攪拌が行われる。
【0036】
本発明に係るマグネットコンベアは、上述した如く、搬送面に形成された湾曲面が被搬送物のほぐし作用を発揮することで、一度に大量の被搬送物を供給して円滑に搬送することが可能となるが、このようなほぐし機構をホッパーに設けることによって被搬送物が十分にほぐされた状態で水平面に供給されるので、より一層円滑に被搬送物を搬送することが可能となる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、搬送面の一端部から所定長さ範囲において水平面が形成されているため、大量の被搬送物をホッパーを介して一度に搬送面上に供給することが可能となり、また搬送面に円弧状の湾曲面が設けられているため、磁力によって吸着しきれない被搬送物は湾曲面を上昇しきれずに湾曲面に沿って滑り落ち、供給された被搬送物が大量であってもこれを湾曲面でほぐして円滑に上方へと搬送することが可能となる。
請求項2に係る発明によれば、被搬送物を一度に多量に供給しても、供給された被搬送物を搬送中に自然にほぐしながら円滑に供給地点のほぼ直上方に供給することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るマグネットコンベアの一例を示す外観斜視図である。
【図2】本発明に係るマグネットコンベアの概略側面図である。
【図3】図2のA部分の内部構造を示す図である
【図4】本発明に係るマグネットコンベアにより釘を搬送している様子を示す外観図である。
【図5】本発明に係るマグネットコンベアの別の実施形態を示す概略側面図である。
【図6】ほぐし機構を有するホッパーを備えたマグネットコンベアを示す図である。
【図7】ほぐし供給機構の正面図である。
【図8】ほぐし棒の正面図である。
【図9】ほぐし棒の平面図である。
【図10】図9のA方向矢視図である。
【図11】図9のB方向矢視図である。
【図12】駆動機構の動作を示す説明図である。
【図13】駆動機構の動作を示す説明図である。
【図14】駆動機構の動作を示す説明図である。
【図15】駆動機構の動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1 搬送面
2 水平面
3 上スプロケット
4 下スプロケット
5 チェーン
8 磁石
11 下向き水平面
12 第二湾曲面
13 湾曲面
14 垂直面
17 ホッパー
19 ホッパー(ほぐし機構付き)
Claims (2)
- 被搬送物が表面に沿って搬送される搬送面と、該搬送面の両端部下方にそれぞれ配設されて回転する左右一対のスプロケットと、該スプロケットに巻き掛けられて搬送面の下方位置において搬送面に沿うように移動する左右一対のチェーンと、該左右のチェーンにチェーン長さ方向に沿って所定間隔毎に取り付けられた磁石とを備えてなり、前記搬送面は一端部から所定長さ範囲において形成された水平面と、該水平面の終端部から次第に高位置となるように円弧状に形成された湾曲面とを有してなり、前記水平面の上方には被搬送物が供給されるホッパーが配設されてなることを特徴とするマグネットコンベア。
- 前記搬送面は、前記湾曲面の終端部と連続して形成された垂直面と、該搬送面の他端部から所定長さ範囲において前記水平面と対向するように形成された下向き水平面と、該下向き水平面の始端部と前記垂直面の終端部とを繋ぐように形成された円弧状の第二湾曲面とを有してなることを特徴とする請求項1記載のマグネットコンベア。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN106081488A (zh) * | 2016-06-28 | 2016-11-09 | 江苏丰东热技术股份有限公司 | 淬火槽防工件漂移提升机 |
CN107879025A (zh) * | 2017-11-14 | 2018-04-06 | 中钢集团安徽天源科技股份有限公司 | 一种表面磁感应铁介质同步提升机 |
-
2003
- 2003-01-16 JP JP2003007943A patent/JP2004217385A/ja active Pending
Cited By (2)
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