JP2004217193A - 軌道用作業機 - Google Patents

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JP2004217193A JP2003050897A JP2003050897A JP2004217193A JP 2004217193 A JP2004217193 A JP 2004217193A JP 2003050897 A JP2003050897 A JP 2003050897A JP 2003050897 A JP2003050897 A JP 2003050897A JP 2004217193 A JP2004217193 A JP 2004217193A
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Masatoshi Hara
正敏 原
Tsutomu Mori
勉 毛利
Koichi Tsunoda
耕一 角田
Yoshimi Saotome
吉美 早乙女
Tomohiko Asakage
朋彦 浅蔭
Yukio Koizumi
幸雄 小泉
Yoshinobu Hosaka
善伸 保坂
Kazuo Oda
和夫 小田
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Kobelco Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

【課題】エンジンにトラブルが発生した場合であってもポジティブ形ブレーキを使用することができるようにして牽引中の軌道用作業機を確実に制動することができるようにする。
【解決手段】機体の下部走行体に軌道走行用の軌道輪及びその軌道輪を駆動させる駆動装置を有し、上部旋回体に作業装置及び運転室を有する軌道用作業機において、軌道輪を制動するためのポジティブ形ブレーキ装置を備え、このポジティブ形ブレーキ装置が、運転室内に設けられ操作量に応じた制動圧をエンジン停止状態で発生させる手動式の油圧シリンダ41と、この油圧シリンダ41から出力される制動圧を受けて軌道輪を制動し、走行中の軌道用作業機を減速または停止させる走行ブレーキ23eとから構成されることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、鉄道線路やその付帯設備の補修作業等に使用される軌道用作業機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、油圧ショベル或いはクレーンのベースマシンに軌道走行用の車輪を付加し、軌道走行時にはその車輪を軌道上に降ろすことによってクローラを浮かせ、軌道上を走行できるようにした軌道用作業機が知られている。
【0003】
この種の作業機は重量が重く、且つ慣性エネルギが大きいため、様々な作業状態で制動が働くように、圧縮空気または油圧を利用したブレーキ装置が備えられている。
【0004】
通常、この種のブレーキ装置は走行中と作業中とで区別して使用されており、走行中では減速または停止を行うためにポジティブ形ブレーキが使用される。
【0005】
一方、駐車状態で機体を制動するにはネガティブ形ブレーキが使用される。なぜなら、エンジンが停止していると制動用の例えば圧縮空気の供給を受け続けることができず、また、ブレーキ回路中に空気の漏れがあると回路圧が低下して制動が働かなくなるため、ブレーキ装置内の圧縮空気を解除するとばね力で制動が働くように構成されたネガティブ形のブレーキが使用される(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【特許文献1】
特開昭62−31555号公報(第(2)頁、第5図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来のネガティブ形ブレーキおよびポジティブ形ブレーキは、圧縮機によって生成された圧縮空気を制動圧として使用しており、その圧縮機はエンジンによって駆動する構成であるため、何らかのトラブルによってエンジンがかからないと両ブレーキを使用することができなくなる。
【0008】
トラブルで自力走行が不能となった軌道用作業機を移動させる場合、牽引車に連結して移動させることになるが、それにはまず、ネガティブ形ブレーキを解除する必要がある。このネガティブ形ブレーキのブレーキシリンダには通常、手動ポンプが並列に接続されており、緊急退避時にはその手動ポンプからの圧油でブレーキシリンダの制動を解除する。
【0009】
このようにして軌道用作業機を牽引することができるようになるが、牽引による走行時において、軌道用作業機は上記したようにその重量が大きいため、牽引車のブレーキだけでは慣性エネルギの大きい軌道用作業機の制動までもカバーすることができず、例えば下り坂を走行する場合には制動力が不足してオーバーランする虞れがある。
【0010】
また、ブレーキ装置としてネガティブブレーキとポジティブブレーキとを併用する構成ではブレーキ装置が大型化してしまい、スペースに余裕のないロワーフレームに設置することが困難になるという問題もある。
【0011】
本発明は以上のような従来の軌道用作業機における課題を考慮してなされたものであり、エンジンにトラブルが発生した場合であってもポジティブ形ブレーキを使用することができるようにして牽引中の軌道用作業機を確実に制動することができる軌道用作業機を提供することになり、また、ブレーキ装置の小型化を図ることができる軌道用作業機を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、機体の下部走行体に軌道走行用の軌道輪及びその軌道輪を駆動させる駆動装置を有し、上部旋回体に作業装置及び運転室を有する軌道用作業機において、軌道輪を制動するためのポジティブ形ブレーキ装置を備え、このポジティブ形ブレーキ装置が、運転室内に設けられ操作量に応じた制動圧をエンジン停止状態で発生させる手動式の制動圧発生手段と、この制動圧発生手段から出力される制動圧を受けて軌道輪を制動し、走行中の軌道用作業機を減速または停止させる走行ブレーキとから構成される軌道用作業機である。
【0013】
本発明に従えば、エンジンが停止した状態でも制動圧発生手段から制動圧を発生させ、走行ブレーキを制動することができるようになり、軌道用作業機が牽引または後押しされて走行している際に、その軌道用作業機自ら減速または停止のための制動を行うことができるようになる。
【0014】
本発明において、上記走行ブレーキはブレーキロータを備えたディスクブレーキで構成することができ、このディスクブレーキの制動圧は、走行ブレーキに対して制動圧を給排する制動圧発生手段としての油圧シリンダを介して供給することができる。
【0015】
本発明において、圧力を解除することにより停止中の上記機体を制動するネガティブ形の駐車ブレーキを設けることができ、この駐車ブレーキの制動を手動で解除するネガティブブレーキ解除手段を備えることができる。
【0016】
上記駐車ブレーキおよび上記走行ブレーキをそれぞれブレーキロータを備えたディスクブレーキとし、この両ブレーキのブレーキロータが兼用されるように構成すれば、ブレーキ装置を小型化することができるようになる。
【0017】
本発明において、軌道輪の車軸を回転自在に支持している車軸ケースを有し、その車軸ケースにおける軌道輪と反対側にブレーキロータが設けられる構成では、そのブレーキロータに制動を与える駐車ブレーキ用および走行ブレーキ用の各油圧制動部を、共通の取付部材を介して車軸ケースのブレーキロータ側端面に取り付けることができる。それにより、ブレーキ装置の取付スペースを節約することができる。
【0018】
また、本発明においては、ブレーキロータを制動または制動解除する油圧制動部と、この油圧制動部に対して圧油を給排する給排シリンダと、この給排シリンダのロッドに連結されるリンクと、ロッドを伸縮させるべくリンクを揺動させる一対のシリンダとを有し、一方のシリンダを走行ブレーキ用の制動圧発生手段として構成し、他方のシリンダを駐車ブレーキ用の制動圧発生手段として構成することができる。
【0019】
本発明に従えば、ネガティブブレーキと走行ブレーキの各油圧制動部を共用するようにしたため、取付スペースを節約することができるとともに、ブレーキ装置のコストダウンが図れる。
【0020】
また、本発明において、上記走行ブレーキ用の制動圧発生手段として構成されるシリンダを、制動状態で保持する保持手段を備えれば、長時間、軌道用作業機を制動しておく場合に制動操作をし続ける必要がなくなり、制動操作が簡便になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
【0022】
図1は、本発明に係る軌道用作業機の外観を示したものである。
【0023】
同図において、軌道用作業機1は、クローラ2a,2b(手前側のみ図示)を装着した下部走行体3とその下部走行体3上に旋回自在に搭載された上部旋回体4とを備えている。
【0024】
上部旋回体4の前部左側にはキャビン5が、後部にはエンジン6を格納したエンジンルーム7がそれぞれ配置され、キャビン5の右側には作業アタッチメント8が装備されている。
【0025】
この作業アタッチメント8は、起伏動作するブーム9とそのブーム9の先端部に連結され機体前後方向に揺動するアーム10と、そのアーム10の先端部に連結され揺動可能に設けられたバケット11とから構成され、ブーム9はブームシリンダ12によって起伏し、アーム10はアームシリンダ13によって揺動し、バケット11はバケットシリンダ14によって揺動するようになっている。
【0026】
下部走行体3の前部には上下方向に揺動する一対の前側アーム15a,15b(手前側のみ図示)が備えられ、この前側アーム15a,15bの先端部にそれぞれ前車輪16a,16b(手前側のみ図示)が備えられている。
【0027】
前側アーム15a,15bの先端部と下部走行体3の前部には前側アーム15を昇降させるための前側シリンダ17が架設されており、この前側シリンダ17を伸長させると、前側アーム15が下向きに回転し、前輪16a,16bをレールR,R(手前側のみ図示)上に載せることができる。なお、図中、18は牽引車に連結するための牽引具である。
【0028】
一方、下部走行体3の後部にも同様に一対のアーム19a,19b、後輪20a,20b及び後側シリンダ21が備えられている。
【0029】
従って、前輪16及び後輪20がレールRに沿うようにして軌道用作業機1を位置決めし、両シリンダ17及び21をそれぞれ伸長させると、前輪16及び後輪20がそれぞれ降下してレールRに接触する。さらに両シリンダ17,21の伸長動作を続けると、クローラ2が地上から浮上し、この状態で軌道用作業機1はレールR上を自力走行することができるようになる。
【0030】
なお、前輪16は駆動輪であり、軌道走行モータ22a,22bが備えられている。一方、後輪20は従動輪であり後述するディスクブレーキユニット(以下、ブレーキユニットと略称する)23a,23bが備えられている。
【0031】
図2は、上記構成を有する軌道用作業機1の走行駆動回路を示したものである。
【0032】
同図において、走行ペダル30の右ペダル30aまたは左ペダル30bのいずれかを前進側に踏み込むと、各リモコン弁からパイロット圧P1,P2が導出され、制御弁31,35が中立位置から前進位置に切り換えられる。
【0033】
油圧ポンプ32からの圧油はその制御弁31,35で方向及び流量が制御され、切換弁33,36を通じて右走行モータ34a,左走行モータ34bを回転させ、クローラ2を前進駆動させることができる。すなわち、地上走行が可能になる。ただし、切換弁33,36はそれぞれ地上走行位置に切り換えられているものとする。
【0034】
また、走行ペダル30を後進側に踏み込むと、制御弁31,35がそれぞれ中立位置から後進側に切り換わり、走行モータ34a,34bが逆回転し、それにより、クローラ2を後進駆動させることができる。
【0035】
次に、前後輪16,20が軌道上に降ろされ、切換信号S1が地上/軌道走行切換弁37に与えられると、地上/軌道走行切換弁37は地上走行から軌道走行に切り換わり、パイロットポンプ38からの制御圧が切換信号圧P3として切換弁33および36にそれぞれ与えられる。それにより、両切換弁33,36が軌道走行に切り換わると、制御弁31,35からの圧油は軌道走行駆動回路22cの右軌道走行モータ22a,左軌道走行モータ22bに供給される。
【0036】
それにより、軌道用作業機1は軌道上を自力で前進走行することができる。なお、後進走行する場合は制御弁31,35を後進側に切り換えることになる。
【0037】
なお、軌道走行駆動回路22cにおいて、22dはブレーキバルブ、22eは外部リーク、22fはカウンタバランス弁である。
【0038】
また、左右のペダル30a,30bのいずれか一方が踏み込まれるとき、シャトル弁を通じて圧力スイッチ39が動作し、ネガティブブレーキ解除信号S2が制動/解除切換弁40に与えられる。この制動/解除切換弁40から導出される解除信号圧P4は、ブレーキユニット23のうち、駐車ブレーキとしてのネガティブブレーキ23cのブレーキシリンダに供給され、このブレーキシリンダはばね圧に抗して摩擦パッドをディスク23dから離し、それにより、ネガティブブレーキ23cが解除される。
【0039】
このように、軌道用作業機1を自力で軌道上を走行させる場合には、上記したように走行ペダル30を踏み込むことによってネガティブブレーキ23cが解除され、走行時の減速または停止は軌道走行モータ22a,22bの回転を制御することによって行われる。
【0040】
エンジンが正常に稼働している場合は、上記した制御によって自力走行が行われるが、エンジンが故障すると、自力走行ができなくなるとともにネガティブブレーキ23cを解除することもできなくなる。そこで、従来は、ネガティブブレーキ解除手段として別途手動ポンプ42が装備されており、ネガティブブレーキ23cに解除圧を供給していた。
【0041】
ところがこの状態で軌道用作業機1を牽引車で牽引すると、ブレーキが全く働かないため、下り坂ではオーバーランが起きる。
【0042】
これを解消するため、本実施形態ではポジティブブレーキ装置を独立して設け、牽引時にもブレーキ操作ができるようにしている。
【0043】
以下、その構成について説明する。
【0044】
ブレーキユニット23には、制動圧を受けてブレーキロータ23dを摩擦パッドで挟み込むいわゆるディスクブレーキからなるポジティブブレーキ23eが備えられており、その制動圧は制動圧発生手段としての手動式シリンダ41の操作レバー41aを操作することによって得られるようになっている。
【0045】
この手動式シリンダ41はパイロットポンプ38からの制御油を必要とせず独立して備えられているため、エンジンが停止した状態でもポジティブブレーキ23eに制動圧を供給することができるようになっている。
【0046】
したがって、ネガティブブレーキ23cの制動を解除して軌道用作業機1を牽引または後押しする際において、軌道用作業機1自らブレーキ操作をすることができるようになり、走行時における減速、走行からの停止を行うことができる。
【0047】
また、手動式シリンダ41は運転室5(図1参照)内に備えられているため、運転者は牽引される軌道用作業機1の運転室5から制動操作を行うことができるようになっている。
【0048】
このポジティブブレーキ23eのブレーキシリンダは、作業現場から基地までの移動路において制動操作を行ってもオーバーヒートを起こさない容量のものを使用するものとする。
【0049】
図3は図2に示したブレーキユニット23の構成を示したものであり、図3(a)は正面図、(b)はA方向から見た断面図、(c)はロータおよびキャリパを取り外した状態を示す正面図である。なお、図3において図2と同じ構成要素については同一符号を付してその説明を省略する。
【0050】
図3(a)において、23dはブレーキロータであり、このブレーキロータ23dの外周部に、ネガティブブレーキ23cの油圧クランパ(油圧制動部)23c′とポジティブブレーキ23eの油圧クランパ(油圧制動部)23e′が対向して設けられている。
【0051】
各油圧クランパ23c′,23e′はその背面側に配置されるステー(共通の取付部材)51の上部および下部にそれぞれ固定されており、このステー51は軌道輪駆動装置52のカバー53に対して複数のボルト51aで固定されている。
【0052】
図3(c)は上記ステー51の構成を示したものであり、51bはボルト51aが挿通されるボルト孔である。
【0053】
図3(b)において、ケース(車軸ケース)54は後輪20の車軸55を回転自在に支持しており、その車軸55の端部にブレーキロータ23dが固定されている。
【0054】
このように、ケース54の端面をカバーするカバー53にステー51を取り付け、このステー51を介して各油圧クランパ23c′,23e′を配設するようにしたため、ブレーキロータ23dに対して複数の油圧クランパ23c,23eを取り付けたにもかかわらず、全体の構成をコンパクトにすることができるようになっている。また、従来の軌道輪駆動装置52のカバー53を、ステー51が取り付けられるように変更するだけで複数の油圧クランパ23c′,23e′をコンパクトに装備することができる。
【0055】
なお、油圧クランパ23c′においてナット23fを緩めるかまたは外し、六角部23gを反時計方向に廻すと、緊急時にネガティブブレーキ23cを解放することができるようになっている。56は後側アーム19(図1参照)にこの鉄輪駆動装置52を取り付けるためのブラケットである。
【0056】
図4はブレーキユニット23の他の形態を示したものである。
【0057】
同図に示すブレーキユニット60は、各ブレーキユニット23a,23bに対して制動圧を供給するシリンダを共通のマスタシリンダ(給排シリンダ)とし、ブレーキユニット60を小型化したものである。
【0058】
同図において、61はポジティブブレーキ(走行ブレーキ用の制動圧発生手段)であり、62はネガティブブレーキ(ネガティブブレーキ用の制動圧発生手段)である。
【0059】
ポジティブブレーキ61は手動式シリンダ63の操作レバー63aをB方向に押すことによって作動し、ネガティブブレーキ62はパイロットポンプ38からのパイロット圧を受けて作動する。
【0060】
パイロットポンプ38とネガティブブレーキ62との間には電磁切換弁64が設けられている。この電磁切換弁64は、パイロット圧を供給するa位置とパイロット圧を遮断するb位置とを有し、駐車時にはb位置に、走行ペダル30が操作され圧力スイッチ39から信号S2が出力されるとa位置に切り換わるようになっている。
【0061】
上記ポジティブブレーキ61およびネガティブブレーキ62の各シリンダから延設されたロッド61aおよび62aはリンクプレート65に連結されており、このリンクプレート65はその中心部に設けられた支点65aを中心として矢印C方向に揺動するようになっている。
【0062】
リンクプレート65にはマスタシリンダ66のロッド66aが連結されており、このマスタシリンダ66から導出される制動圧は、左右の後輪20にそれぞれ装備された油圧クランパ67及び68にそれぞれ供給される。なお、69はリンクプレート65を縦姿勢に復帰させるための引張コイルばねである。
【0063】
また、本実施形態では左右の後輪20が独立して回転する構成であるため、各後輪20に油圧クランパ67および68を装備したが、左右の後輪20が車軸で連結される構成ではいずれか一方の後輪にのみ油圧クランパ67(または68)を装備するものであってもよい。
【0064】
図5は上記構成を有するブレーキユニット60の動作を説明したものであり、(a)は駐車時、(b)は走行時を示している。
【0065】
まず、図5(a)の駐車時では、電磁切換弁64がb位置に切り換えられているため、ネガティブブレーキ62のヘッド側油室はタンクと連通し、ばね圧によってリンクプレート65は縦姿勢から右に傾斜する姿勢に変位する。それにより、マスタシリンダ66から制動圧が送り出され、油圧クランパ67および68にそれぞれ制動圧が送られる。このときの油圧クランパ67,68はネガティブブレーキとして機能している。
【0066】
なお、リンクプレート65においてロッド62aが連結する部分は横向きの長孔65bに形成されており、ロッド先端62a′はその長孔65bの左端に当接した状態でリンクプレート65を傾斜姿勢に変位させる。
【0067】
一方、リンクプレート65においてロッド61aが連結する部分も横向きの長孔65cに形成されており、ロッド先端61a′はリンクプレート65の変位に影響されずこの長孔65c内を移動する。
【0068】
次に、エンジンが故障した場合を想定する。エンジンが故障すると、ネガティブブレーキ62のヘッド側油室に手動ポンプから解除圧が供給される。それにより、ネガティブブレーキ62のロッド62aが伸長する。
【0069】
このとき、引張コイルばね67の復元力によってリンクプレート65が縦位置に変位する(図4参照)。この状態でネガティブブレーキとして機能している油圧クランパ67,68が解除され、それにより、駐車時の制動が解除される。
【0070】
次に、軌道用作業機1が牽引されて走行される場合、操作レバー63aをB方向に押すことによってポジティブブレーキ61のヘッド側油室に制御圧を送ると、図5(b)に示すように、ロッド61aが伸長し、リンクプレート65が縦姿勢から右に傾斜する姿勢に変位する。それにより、マスタシリンダ66から制動圧が送り出され、油圧クランパ67および68にそれぞれ制動圧が送られる。このときの油圧クランパ67,68はポジティブブレーキとして機能している。
【0071】
また、ネガティブブレーキのロッド先端62a′はリンクプレート65の変位に影響されずこの長孔65b内を移動するため、ネガティブブレーキは働かない。
【0072】
このように構成すれば、ネガティブおよびポジティブブレーキを油圧クランパ67(または油圧クランパ68)で共用させることが可能になり、ブレーキユニット60の構成を簡素化することができる。
【0073】
図6は上述した手動式シリンダ41(または63)の構成を示したものである。
【0074】
手動式シリンダ41の操作レバー41a(または63a)は、運転席のフロアプレート70から立設されており、支点71を中心としてD方向に操作するようになっている。
【0075】
この操作レバー41aの下部には爪部41bが備えられ、この爪部41bはフロアプレート70上に設けられたフック72によって係止されるようになっている。
【0076】
フック72は支点72aを中心として回動するように構成されており、実線で示した起立位置では爪部41bを係止し、破線で示した横位置では係止を解除するようになっている。
【0077】
このフック72は、操作レバー41aを制動状態で保持するためのものであり、長時間、軌道用作業機を制動しておく必要がある場合にフック72を爪部41bに係止させると、オペレータは操作レバー41aの制動操作から解放される。なお、図中、72は運転座席、73は操作レバーである。なお、上記フック72および爪部41bは、上記手動指式シリンダ41を制動状態で保持する保持手段として機能する。
【0078】
なお、本発明の軌道用作業機は、上記実施形態では油圧ショベルをベースマシンとして構成したが、これに限らず、クレーンをベースマシンとして構成することもできる。
【0079】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明によれば、軌道用作業機にポジティブ形ブレーキ装置を設けるとともに、このポジティブ形ブレーキ装置を、運転室内から操作できる手動式の制動圧発生手段と、この制動圧発生手段からの制動圧によって軌道輪を制動する走行ブレーキとで構成したため、エンジンが停止した状態でも手動で制動圧を発生させて走行ブレーキを制動することができるようになる。それにより、軌道用作業機が牽引されて走行している際に、その軌道用作業機自ら減速または停止のための制動をかけることが可能になり、下り坂でオーバーランの発生することを防止することができる。
【0080】
また、ネガティブ形の駐車ブレーキを設けた構成において、駐車ブレーキおよび走行ブレーキをそれぞれブレーキロータを備えたディスクブレーキで構成し、この両ブレーキのブレーキロータを兼用すれば、ブレーキ装置を小型化することができるようになる。
【0081】
また、ブレーキロータに制動を与える駐車ブレーキ用および走行ブレーキ用の各油圧制動部を、共通の取付部材を介して車軸ケースのブレーキロータ側端面に取り付けるようにした本発明によれば、ブレーキ装置の取付スペースを節約することができる。
【0082】
また、ブレーキロータを制動または制動解除する油圧制動部と、この油圧制動部に対して圧油を給排する給排シリンダと、この給排シリンダのロッドに連結されるリンクと、ロッドを伸縮させるべくリンクを揺動させる一対のシリンダとを有し、一方のシリンダを走行ブレーキ用の制動圧発生手段として構成し、他方のシリンダを駐車ブレーキ用の制動圧発生手段として構成した本発明によれば、駐車ブレーキと走行ブレーキの各油圧制動部を共用することができるため、取付スペースを節約することができるとともに、ブレーキ装置のコストダウンが図れる。
【0083】
また、走行ブレーキ用の制動圧発生手段として構成されるシリンダを、制動状態で保持する保持手段を備えれば、長時間、軌道用作業機を制動しておく場合に制動操作をし続ける必要がなくなり、制動操作が簡便になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る軌道用作業機の外観を示す側面図である。
【図2】軌道用作業機の走行駆動に係る油圧回路図である。
【図3】(a)は図2に示すブレーキユニットの構成を示す側面図、(b)はその右側断面図、(c)はステーの構成を示す側面図である。
【図4】ブレーキユニットの他の形態を示す構成図である。
【図5】図4のブレーキユニットの動作説明図である。
【図6】図2に示す手動式シリンダの構成を示す側面図である。
【符号の説明】
1 軌道用作業機
2 クローラ
3 下部走行体
4 上部旋回体
5 キャビン
6 エンジン
7 エンジンルーム
8 作業アタッチメント
15 アーム
16 前輪
17 前側シリンダ
18 牽引具
19 アーム
20 後輪
22 軌道走行モータ
23 ディスクブレーキユニット
23c ネガティブブレーキ
23d ディスク
23e ポジティブブレーキ
30 走行ペダル
34 走行モータ
37 地上/軌道走行切換弁
41 手動式シリンダ
42 手動ポンプ

Claims (7)

  1. 機体の下部走行体に軌道走行用の軌道輪及びその軌道輪を駆動させる駆動装置を有し、上部旋回体に作業装置及び運転室を有する軌道用作業機において、
    上記軌道輪を制動するためのポジティブ形ブレーキ装置を備え、このポジティブ形ブレーキ装置が、上記運転室内に設けられ操作量に応じた制動圧をエンジン停止状態で発生させる手動式の制動圧発生手段と、この制動圧発生手段から出力される制動圧を受けて上記軌道輪を制動し、走行中の上記軌道用作業機を減速または停止させる走行ブレーキとから構成されることを特徴とする軌道用作業機。
  2. 上記走行ブレーキがブレーキロータを備えたディスクブレーキからなり、上記走行ブレーキに対して制動圧を給排する制動圧発生手段としての油圧シリンダからの圧油を受けて制動を行うように構成されている請求項1記載の軌道用作業機。
  3. 圧力を解除することにより停止中の上記機体を制動するネガティブ形の駐車ブレーキが設けられ、この駐車ブレーキの制動を手動で解除するネガティブブレーキ解除手段が備えられている請求項1または2記載の軌道用作業機。
  4. 上記駐車ブレーキおよび上記走行ブレーキがそれぞれブレーキロータを備えたディスクブレーキからなり、この両ブレーキのブレーキロータが兼用されるように構成されている請求項3記載の軌道用作業機。
  5. 上記軌道輪の車軸を回転自在に支持している車軸ケースを有し、その車軸ケースにおける軌道輪と反対側に上記ブレーキロータが設けられ、このブレーキロータに制動を与える駐車ブレーキ用および走行ブレーキ用の各油圧制動部が、共通の取付部材を介して上記車軸ケースのブレーキロータ側端面に取り付けられている請求項4記載の軌道用作業機。
  6. 上記ブレーキロータを制動または制動解除する油圧制動部と、この油圧制動部に対して圧油を給排する給排シリンダと、この給排シリンダのロッドに連結されるリンクと、上記ロッドを伸縮させるべく上記リンクを揺動させる一対のシリンダとを有し、一方の上記シリンダが走行ブレーキ用の制動圧発生手段として構成され、他方の上記シリンダが駐車ブレーキ用の制動圧発生手段として構成されている請求項3または4記載の軌道用作業機。
  7. 上記走行ブレーキ用の制動圧発生手段として構成されるシリンダを、制動状態で保持する保持手段を備えてなる請求項6記載の軌道用作業機。
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