JP2004217185A - タイヤ評価方法 - Google Patents

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JP2004217185A JP2003010254A JP2003010254A JP2004217185A JP 2004217185 A JP2004217185 A JP 2004217185A JP 2003010254 A JP2003010254 A JP 2003010254A JP 2003010254 A JP2003010254 A JP 2003010254A JP 2004217185 A JP2004217185 A JP 2004217185A
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Hiroshi Kobayashi
弘 小林
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Abstract

【課題】タイヤモデルの精度を向上させるタイヤ評価方法を提供することを課題とする。
【解決手段】前後力や横力等のタイヤに発生する特性を表すタイヤモデルを設定するタイヤ評価方法であって、タイヤモデルにユニフォーミティ成分を加味することを特徴とし、特に、車両の制動時又は駆動時の場合には摩擦円特性を表すタイヤモデルにユニフォーミティ成分を加味することを特徴とする。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤモデルを設定するタイヤ評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車メーカにおけるタイヤの選定やタイヤメーカにおけるタイヤの開発を行う場合には、選定対象のタイヤや開発中のタイヤの評価が重要となる。従来のタイヤの評価では、マジックフォーミュラ等によりタイヤモデルを設定していた(特許文献1参照)。このタイヤモデルは、前後力や横力等のタイヤに発生する力やSAT[Self Aligning Torque]等のタイヤに発生するモーメントがスリップ角やスリップ率から求められる。特に、タイヤに制動力又は駆動力が作用した場合、タイヤの前後力が変化するので、タイヤモデルは摩擦円特性により設定される。そして、この設定されたタイヤモデルが車両挙動を評価するためのシミュレーション装置に適用され、そのシミュレーションによりタイヤに発生している力やモーメントが車両挙動にどのような影響を与えるかによってタイヤを評価している。
【0003】
【特許文献1】
特開平8−198131号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のタイヤモデルは、タイヤの発生力やモーメントあるいは摩擦円特性をスリップ角やスリップ率の変化の移動平均により求められるので、タイヤに発生している微小な変動成分が考慮されていない。したがって、従来のタイヤモデルは、タイヤに発生している微小な変動成分を平均化しているので、タイヤで実際に発生している力を正確に表していない。そのため、車両に乗車している人が実際に感じるタイヤからの微小な振動が従来のタイヤモデルに表われていないので、従来のタイヤモデルを車両挙動のシミュレーション装置に適用した場合、車両に乗車している人による官能評価とシミュレーションによる評価とに差異が発生する場合がある。特に、微小操舵時には、タイヤの発生力自体が小さいので、タイヤの変動成分の影響が大きくなる。
【0005】
図14には、従来のタイヤモデルを示しており、(a)がスリップ率(%)に対するタイヤの前後力(N)であり、(b)がスリップ角(deg)に対する横力(N)であり、(c)がスリップ角(deg)に対するSAT(Nm)である。また、図15には、制動力又は駆動力が発生している場合の摩擦円特性による従来のタイヤモデルを示しており、スリップ角毎にタイヤの横力曲線がある。いずれの場合も移動平均によりタイヤの各特性を設定しているので、各タイヤ発生力やSATが振動することなく変化しており、ドライバが感じる微小な振動成分が表われていない。
【0006】
そこで、本発明は、タイヤモデルの精度を向上させるタイヤ評価方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るタイヤ評価方法は、タイヤに発生する特性を表すタイヤモデルを設定し、タイヤを評価するタイヤ評価方法であって、タイヤモデルにユニフォーミティ成分を加味することを特徴とする。
【0008】
このタイヤ評価方法では、タイヤが姿勢を変えたときのユニフォーミティ成分に着目し、タイヤモデルを表すタイヤに発生する力やモーメントにユニフォーミティ成分を加味し、タイヤの不均一性による加振力が原因であるタイヤの変動成分(振動成分)をタイヤモデルに反映する。そのため、操舵中の車両に乗車している人が実際に感じるタイヤからの微小な振動がタイヤモデルに表われるので、タイヤモデルの精度が非常に高い。したがって、このタイヤモデルを車両挙動のシミュレーション装置に適用した場合、車両に乗車している人による官能評価とシミュレーションによる評価とに差異が非常に少なくなる。
【0009】
なお、タイヤに発生する特性としては、タイヤに発生する3つの力である前後力、横力、上下力、タイヤに発生する3つのモーメントである車両の前後方向の軸回りのモーメント(オーバターニングモーメント)、車両の左右方向の軸回りのモーメント(ローリングレジスタンスモーメント)、車両の上下方向の軸回りのモーメント(SAT)、コーナリングフォース、摩擦円特性等がある。
【0010】
本発明の上記タイヤ評価方法では、車両の制動時又は駆動時の場合には、摩擦円特性を表すタイヤモデルを設定すると好適である。
【0011】
このタイヤ評価方法では、制動時や駆動時におけるタイヤモデルを表す摩擦円特性にユニフォーミティ成分を加味し、タイヤの不均一性による加振力が原因であるタイヤの変動成分(振動成分)をタイヤモデルに反映する。そのため、制動時や駆動時に操舵中の車両に乗車している人が実際に感じるタイヤからの微小な振動がタイヤモデルに表われるので、制動時や駆動時におけるタイヤモデルの精度も非常に高くなる。
【0012】
本発明の上記タイヤ評価方法では、ユニフォーミティ成分がタイヤの回転周波数の整数倍の周波数成分からなると好適である。
【0013】
このタイヤ評価方法では、ユニフォーミティ成分がタイヤの回転周波数の整数倍の周波数を有する多数の周波数成分から構成されている。というのは、タイヤは寸法、重量、剛性等の様々な不均一成分を含んでいるので、タイヤが一回転する毎にその各不均一成分を示す周波数成分(タイヤの回転周波数の整数倍の周波数を有する成分)が各々表われ、その様々な周波数成分が合わさったものがタイヤとしてのユニフォーミティ成分となっている。そのため、タイヤに発生する各力や各モーメントあるいは摩擦円特性に応じてこの多数の周波数成分を求めることにより、ユニフォーミティ成分を簡単に求めることができる。
【0014】
本発明の上記タイヤ評価方法では、1次の周波数成分の正弦波の振幅をホイールの締結特性及び静的なタイヤ単体のばね定数により求め、1次以外の周波数成分の正弦波の振幅を1次の周波数成分の振幅を次数に応じて指数関数的に減少させることにより求め、ユニフォーミティ成分を1次の周波数成分から任意の次数の周波数成分まで加算して求めると好適である。
【0015】
このタイヤ評価方法では、タイヤに発生する各力や各モーメントあるいは摩擦円特性におけるユニフォーミティ成分の各周波数成分が所定の振幅を有する正弦波からなり、各次数の正弦波の周波数がタイヤの回転周波数の整数倍である。このタイヤ評価方法では、タイヤに発生する各力や各モーメントあるいは摩擦円特性に応じて、1次の周波数成分の振幅をホイールの締結特性と静的なタイヤ単体のばね定数によって算出し、他の次数の周波数成分の振幅を1次の周波数成分の振幅を各次数に応じて指数関数的に減少させて算出する。そして、このタイヤ評価方法では、タイヤに発生する各力や各モーメントあるいは摩擦円特性に応じて、算出した各次数の振幅と各次数に応じた周波数とからなる正弦波を1次から任意の次数まで加算し、タイヤに発生する各力や各モーメントあるいは摩擦円特性のユニフォーミティ成分を算出する。
【0016】
なお、ユニフォーミティ成分を求める際の任意の次数は、計算の負荷やユニフォーミティ成分における各次数の周波数成分の影響度合い等を考慮して決定される。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明に係るタイヤ評価方法の実施の形態を説明する。
【0018】
本実施の形態では、本発明に係るタイヤ評価方法を、タイヤモデル生成装置におけるタイヤモデルを生成する際に適用する。本実施の形態に係るタイヤモデル生成装置は、車両挙動シミュレーション装置と共に車両挙動シミュレーションシステムを構成しており、生成したタイヤモデルが車両挙動のシミュレーションに用いられる。本実施の形態では、タイヤモデルを、制動力及び駆動力がタイヤに作用していない場合のタイヤの前後力特性、横力特性及びSAT特性で示すとともに、制動力又は駆動力がタイヤに作用している場合の摩擦円特性(前後力特性と横力特性)で示す。
【0019】
まず、図12及び図13を参照して、タイヤのコーナリング特性について説明しておく。図12は、タイヤに発生する力及びモーメントの説明図である。図13は、タイヤの摩擦円の説明図である。
【0020】
図12では、タイヤTの特性を示すために、タイヤTの前後方向をX軸、左右方向をY軸、上下方向をZ軸からなる座標系を形成している。車両が転舵している場合にはタイヤTが向いている方向(X軸方向)と車両の進行方向とが一致しない場合があり、そのタイヤTが向いている方向と車両の進行方向とのなす角がスリップ角αである。また、鉛直方向(Y軸方向)に対してタイヤTが傾いている場合、鉛直方向からタイヤTの傾いている角がキャンバ角βである。
【0021】
タイヤTのコーナリング特性として、タイヤTには各軸に対して力及びモーメントが発生している。X軸方向の力は、前後力であり、その符号により駆動力あるいは制動力となり、ころがり抵抗が常時働く。Y軸方向の力は、横力であり、曲線運動において求心力として遠心力に対抗する力である。また、タイヤTの左右方向の力としては、横力ではなく、車両の進行方向に対して直角な軸方向の力であるコーナリングフォースを用いる場合もある。Z軸方向の力は、上下力であり、タイヤTに負荷される荷重である。X軸方向のモーメントは、オーバターニングモーメントであり、上下力の着力点が必ずしも接触面内のX軸上にはないことにより発生するモーメントである。Y軸方向のモーメントは、ローリングレジスタンスモーメントであり、駆動力や制動力により生じるモーメントである。Z軸方向のモーメントは、SATであり、横力の着力点がZ軸上にないことにより発生するモーメントである。
【0022】
スリップ角αを持って転動しているタイヤTに制動力又は駆動力が作用すると、横力及びSATが変化する。図13に示すように、タイヤTに働く横力FYと制動力又は駆動力FX(前後力)との合力(すなわち、タイヤTと路面の間に働く水平面内のあらゆる合力)は、タイヤTに負荷される上下荷重FZ(上下力)と路面摩擦係数μとの積以上になることはなく、半径(μFZ)の摩擦円FC内にとどまる。したがって、制動力又は駆動力が増加すると、横方向への有効摩擦力が減少し、横力FYが減少する。
【0023】
タイヤのユニフォーミティについても説明しておく。タイヤは、繊維、スチールワイヤ、ゴム等からなる複合材料製品であり、製造時のばらつき等によって真円とはならない。そのため、タイヤには、剛性、寸法および重量において不均一が存在する。このタイヤの均一性が、ユニフォーミティである。ちなみに、ユニフォーミティには、重量の不均一を表すアンバランス、寸法の不均一を表すランアウト(タイヤの回転時の振れ)、剛性及び寸法的な不均一を表すフォースバリエーション、タイヤの左右方向の非対称性を表すラテラルフォースバリエーション等がある。
【0024】
それでは、図1を参照して、車両挙動シミュレーションシステム1の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る車両挙動シミュレーションシステムの構成図である。
【0025】
車両挙動シミュレーションシステム1は、様々な条件における実験データからタイヤモデルを生成し、そのタイヤモデルを用いて車両挙動をシミュレーションする。そのために、車両挙動シミュレーションシステム1は、タイヤモデル生成装置2及び車両挙動シミュレーション装置3を備えている。車両挙動シミュレーションシステム1は、パーソナルコンピュータ等のコンピュータにおいてタイヤモデル生成用と車両挙動シミュレーション用のアプリケーションソフトを実行させるよって構築される。なお、タイヤモデル生成装置2と車両挙動シミュレーション装置3とは同じコンピュータ上に構築されてもよいし、異なるコンピュータ上に構築されてもよい。
【0026】
図2〜図7を参照して、タイヤモデル生成装置2について説明する。図2は、ホイール締結特性を示す図であり、(a)が前後力特性におけるタイヤ回転角度に対するホイール動き量を示し、(b)が横力特性におけるスリップ角に対するホイール動き量を示し、(c)がSAT特性におけるスリップ角に対するホイール動き量を示す。図3は、静的なタイヤ単体のばね定数を示す図であり、(a)が前後力特性におけるタイヤ回転角度に対する前後力を示し、(b)が横力特性におけるタイヤ横方向移動量に対する横力を示し、(c)がSAT特性におけるタイヤねじれ角度に対するSATを示す。図4は、制動力及び駆動力が発生していない場合の各次数における変動片振幅を示す図であり、(a)が前後力特性であり、(b)が横力特性であり、(c)がSAT特性である。図5は、制動力及び駆動力が発生していない場合の1次のユニフォーミティ成分のみを加味したタイヤモデルであり、(a)が前後力特性におけるスリップ率に対するタイヤの前後力であり、(b)が横力特性におけるスリップ角に対するタイヤの横力であり、(c)がSAT特性におけるスリップ角に対するSATである。図6は、制動力又は駆動力が発生している場合の各次数における変動片振幅を示す図であり、(a)が摩擦円特性における前後力特性であり、(b)が摩擦円特性における横力特性である。図7は、制動力又は駆動力が発生している場合の1次のユニフォーミティ成分のみを加味したタイヤモデルであり、摩擦円特性(横力特性)におけるスリップ角毎の制動力又は駆動力に対するタイヤの横力である。
【0027】
タイヤモデル生成装置2は、タイヤ単体の試験機や実車走行試験によって得られたデータにより、制動力及び駆動力が発生していない場合のタイヤモデルを前後力特性、横力特性、SAT特性によって生成するとともに制動力又は駆動力が発生している場合のタイヤモデルを摩擦円特性によって生成する。タイヤモデル生成装置2では、マジックフォーミュラによる基本成分とタイヤのユニフォーミティによる変動成分を算出し、この基本成分に変動成分を加えて各特性におけるタイヤモデルを算出する。タイヤモデル生成装置2では、車両挙動シミュレーション装置3での評価条件に応じてタイヤモデルを提供する必要があるので、タイヤやホイールの各仕様に応じてタイヤモデルを算出する。
【0028】
ちなみに、タイヤで発生する力やモーメントは、タイヤの不均一性による加振動力等を要因とした様々な振動成分を含み、複雑に変化している。また、車両が制動中や駆動中の場合、タイヤの前後力が変化し、摩擦円特性における横方向への有効摩擦力が変化し、横力も変化する。そこで、タイヤモデル生成装置2では、車両に装着されているタイヤで発生する力やモーメントを正確に表すために、ユニフォーミティによる変動成分を加味することによって様々な振動成分をタイヤモデルの中に含ましている。
【0029】
タイヤモデル生成装置2では、制動力及び駆動力がない場合、前後力特性のタイヤモデルMFx(S)を式(1)により算出し、横力特性のタイヤモデルMFy(α)を式(3)により算出し、SAT特性のタイヤモデルMFsat(α)を式(5)により算出する。
【0030】
【数1】
Figure 2004217185
【0031】
【数2】
Figure 2004217185
【0032】
【数3】
Figure 2004217185
前後力特性のタイヤモデルMFx(S)は、式(1)に示すように、スリップ率Sを変数とした式で表され、マジックフォーミュラによる基本成分MFx0(S)とユニフォーミティ成分ΣAn×sin(nωt+aφn)とからなる。横力特性のタイヤモデルMFy(α)は、式(3)に示すように、スリップ角αを変数とした式で表され、マジックフォーミュラによる基本成分MFy0(α)とユニフォーミティ成分ΣBn×sin(nωt+bφn)とからなる。SAT特性のタイヤモデルMFsat(α)は、式(5)に示すように、スリップ角αを変数とした式で表され、マジックフォーミュラによる基本成分MFsat0(α)とユニフォーミティ成分ΣCn×sin(nωt+cφn)とからなる。
【0033】
基本成分MFx0(S),MFy0(α),MFsat0(α)は、タイヤに発生する前後力、横力、SATの各移動平均値であり、式(2)、式(4)、式(6)によって各々算出される。タイヤモデル生成装置2では、式(2)、(4)、(6)におけるマジックフォーミュラの各係数と実験データとより、式(2)、(4)、(6)から基本成分MFx0(S),MFy0(α),MFsat0(α)を各々算出する。
【0034】
ユニフォーミティ成分ΣAn×sin(nωt+aφn)、ΣBn×sin(nωt+bφn)、ΣCn×sin(nωt+cφn)は、タイヤの回転周波数(ω/2π)の整数倍の周波数(nw/2π)を有する周波数成分を積算したものであり、各周波数成分が変動片振幅An,Bn,Cnを有する正弦波からなる。ユニフォーミティ成分は、上記したように様々な不均一成分を含んでおり、その各不均一成分を示す様々な周波数成分を含んでいる。この各周波数成分は、周波数がタイヤの回転周波数が基準であり、タイヤが1回転する毎にタイヤの回転周波数の次数倍の変動を繰り返し、次数が大きくなるほど周波数が高くなる。
【0035】
1次の変動片振幅A1,B1,C1は、ホイールの締結特性と静的(タイヤが回転していない場合の)タイヤ単体のばね定数との積によって算出される。タイヤモデル生成装置2では、ホイールの締結特性であるホイールの動き量Lx,Ly,Lsと静的タイヤ単体のばね定数である各剛性Kx,Ky,Ksとにより、式(7)、(8)、(9)から1次の変動片振幅A1,B1,C1を各々算出する。
【0036】
【数4】
Figure 2004217185
ホイールの締結特性は、車軸とホイールのハブとの取付部分のホイールの動き量(遊び)である。ホイールの動き量は、図2に示すように、各特性においてタイヤの回転角度又はスリップ角に対してヒステリシスを有し、任意の回転角度又はスリップ角におけるヒステリシスの幅として設定される。締結特性に優れているほど、このヒステリシスの幅が狭くなる。図2(a)に示すように、前後力特性におけるホイール動き量Lxは、車軸に対するハブの前後方向に動く角度(deg)であり、タイヤの回転角度(deg)に対して変化する。図2(b)に示すように、横力特性におけるホイール動き量Lyは、車軸に対するハブの横方向の移動量(mm)であり、スリップ角(deg)に対して変化する。SAT特性におけるホイール動き量Lsは、図2(c)に示すように、車軸に対するハブのZ軸回りに動く角度(deg)であり、スリップ角(deg)に対して変化する。タイヤモデル生成装置2では、ホイール動き量を設定するために図2(a)〜(c)に相当する各マップを有しており、この各マップに基づいて各特性におけるホイール動き量Lx,Ly,Lsを各々設定する。なお、締結特性の優劣におうじてヒステリシスの幅が変化するので、ホイールの締結特性毎にマップが各々設定されている。
【0037】
静的タイヤ単体のばね定数は、タイヤを構成するゴムが有している剛性である。剛性は、図3に示すように、前後力、横力又はSATがタイヤの回転角度、横方向の移動量又はねじれ角度に対して線形に変化し、その変化の割合(比例係数)として設定される。図3(a)に示すように、前後力特性における前後剛性Kxは、タイヤの回転角度(deg)に対する前後力(N)の変化の割合(N/deg)である。図3(b)に示すように、横力特性における横剛性Kyは、タイヤの接地面の横方向の移動量(mm)に対する横力(N)の変化の割合(N/mm)である。図3(c)に示すように、SAT特性におけるねじれ剛性Ksは、タイヤのZ軸におけるねじれ角度(deg)に対するSAT(Nm)の変化の割合(Nm/deg)である。タイヤモデル生成装置2では、剛性を設定するために図3(a)〜(c)に相当する各マップを有しており、この各マップに基づいて各特性における剛性Kx,Ky,Lsを各々設定する。
【0038】
1次以外の変動片振幅An,Bn,Cnは、e(=2.71828・・・)を底とし、次数nのマイナス値を変数とした指数値と、1次の変動片振幅A1,B1,C1との積算によって算出される。タイヤモデル生成装置2では、1次の変動片振幅A1,B1,C1と次数nとにより、式(10)、(11)、(12)から1次以外の変動片振幅An,Bn,Cnを各々算出する。図4に示すように、各特性における1次以外の変動片振幅An,Bn,Cnは、1次の変動片振幅A1,B1,C1を基準として、次数nに応じて指数関数的に減少する。したがって、ユニフォーミティ成分は、変動片振幅が最も大きい1次の周波数成分の影響を最も受ける。
【0039】
【数5】
Figure 2004217185
そして、タイヤモデル生成装置2では、各次数の変動片振幅An,Bn,Cnと次数nとにより、式(1)、(3)、(5)からユニフォーミティ成分ΣAn×sin(nωt+aφn)、ΣBn×sin(nωt+bφn)、ΣCn×sin(nωt+cφn)を各々算出する。この際、ユニフォーミティ成分において積算する次数は、最も影響の大きい1次から所定の次数までとする。この所定の次数は、計算の負荷やユニフォーミティ成分における各次数の周波数成分の影響度合い等を考慮して設定され、1次だけでもよい。さらに、タイヤモデル生成装置2では、算出したユニフォーミティ成分と基本成分とにより、式(1)、(3)、(5)から各特性のタイヤモデルMFx(S)、MFy(α)、MFsat(α)を各々算出する。
【0040】
図5には、タイヤモデル生成装置2で生成した制動力及び駆動力が発生していない場合における基本成分にユニフォーミティ成分として1次の周波数成分のみを加味したタイヤモデルを示しており、(a)が前後力特性としてスリップ率(%)に対するタイヤの前後力(N)であり、(b)が横力特性としてのスリップ角(deg)に対する横力(N)であり、(c)がSAT特性としてのスリップ角(deg)に対するSAT(Nm)である。図5から判るように、この各特性おけるタイヤモデルは、図14に示す従来のタイヤモデルと比較すると、タイヤで発生する1次の振動成分を含んでおり、実際の車両におけるタイヤが発生する特性に非常に近い特性を示している。特に、操舵量が小さい領域では(スリップ率やスリップ角が小さい領域では)、前後力、横力、SAT自体が小さいので、その1次の振動成分がタイヤの特性に大きな影響を与える。
【0041】
また、タイヤモデル生成装置2では、制動力又は駆動力がある場合、摩擦円特性における前後力特性のタイヤモデルMFxcomb(S,α)を式(13)により算出し、摩擦円特性における横力特性のタイヤモデルMFycomb(S,α)を式(15)により算出する。ちなみに、制動力又は駆動力がある場合には、タイヤの前後力特性が変化するので、横方向への有効摩擦力が変化し、横力が変化する。つまり、摩擦円特性が変化する。そこで、タイヤモデル生成装置2では、制動力又は駆動力がある場合には、制動力及び駆動力がない場合とは別に摩擦円特性によってタイヤモデルを生成する。
【0042】
【数6】
Figure 2004217185
【0043】
【数7】
Figure 2004217185
摩擦円特性(前後力特性)のタイヤモデルMFxcomb(S,α)は、式(13)に示すように、スリップ率Sとスリップ角αを変数とした式で表され、マジックフォーミュラによる基本成分MFxcomb0(S,α)とユニフォーミティ成分ΣDnx×sin(nωt+dxφn)とからなる。摩擦円特性(横力特性)のタイヤモデルMFycomb(S,α)は、式(15)に示すように、スリップ率Sとスリップ角αを変数とした式で表され、マジックフォーミュラによる基本成分MFycomb0(S,α)とユニフォーミティ成分ΣDny×sin(nωt+dyφn)とからなる。
【0044】
基本成分MFxcomb0(S,α),MFycomb0(S,α)は、摩擦円特性における前後力特性、横力特性の各移動平均値であり、式(14)、式(16)によって各々算出される。タイヤモデル生成装置2では、式(14)、(16)におけるマジックフォーミュラの各係数と実験データとより、式(14)、(16)から基本成分MFxcomb0(S,α),MFycomb0(S,α)を各々算出する。
【0045】
ユニフォーミティ成分ΣDnx×sin(nωt+dxφn)、ΣDny×sin(nωt+dyφn)は、制動力及び駆動力がない場合と同様に、タイヤの回転周波数(ω/2π)の整数倍の周波数(nw/2π)を有する周波数成分を積算した成分であり、各周波数成分が変動片振幅Dnx,Dnyを有する正弦波からなる。
【0046】
1次の変動片振幅D1x,D1yは、前後力特性における1次の変動片振幅A1(式(7))の二乗値と横力特性における1次の変動片振幅B1(式(8))の二乗値との和の平方根に各定数を乗算することによって算出される。タイヤモデル生成装置2では、1次の変動片振幅A1,B1により、式(17)、(18)から1次の変動片振幅D1x,D1yを各々算出する。
【0047】
【数8】
Figure 2004217185
1次以外の変動片振幅Dnx,Dnyは、制動力及び駆動力がない場合と同様に、eを底とし、次数nのマイナス値を変数とした指数値と、1次の変動片振幅D1x,D1yとの積算によって算出される。タイヤモデル生成装置2では、1次の変動片振幅D1x,D1yと次数nとにより、式(19)、(20)から1次以外の変動片振幅Dnx,Dnyを各々算出する。図6に示すように、各特性における1次以外の変動片振幅Dnx,Dnyは、1次の変動片振幅D1x,D1yを基準として、次数nに応じて指数関数的に減少する。
【0048】
【数9】
Figure 2004217185
そして、タイヤモデル生成装置2では、各次数の変動片振幅Dnx,Dnyと次数nとにより、式(13)、(15)からユニフォーミティ成分ΣDnx×sin(nωt+dxφn)、ΣDny×sin(nωt+dyφn)を各々算出する。この際、ユニフォーミティ成分において積算する次数は、制動力及び駆動力がない場合と同様に、最も影響の大きい1次から所定の次数までとする。さらに、タイヤモデル生成装置2では、算出したユニフォーミティ成分と基本成分とにより、式(13)、(15)から摩擦円特性のタイヤモデルMFxcomb(S,α)、MFycomb(S,α)を算出する。
【0049】
図7には、タイヤモデル生成装置2で生成した制動力又は駆動力が発生している場合における基本成分にユニフォーティ成分として1次の周波数成分のみを加味したタイヤモデルを示しており、摩擦円特性の横力特性として制動力又は駆動力に対するタイヤの横力(N)を示している。摩擦円特性は、スリップ角毎に横力特性が変わり、スリップ角が小さいほど横力が小さい。図7から判るように、この摩擦円特性おけるタイヤモデルは、図15に示す従来のタイヤモデルと比較すると、タイヤで発生する1次の振動成分を含んでおり、実際の車両におけるタイヤが発生する特性に非常に近い特性を示している。
【0050】
図8〜図11を参照して、車両挙動シミュレーション装置3について説明する。図8は、制動力及び駆動力が発生していない場合の車両挙動のシミュレーションによる評価結果の一例として操舵トルクに対するヨーレートの評価結果及び官能評価を示す表である。図9は、図8の評価結果をグラフ化した図である。図10は、制動力又は駆動力が発生している場合の車両挙動のシミュレーションによる評価結果の一例として操舵トルクに対するヨーレートの評価結果及び官能評価を示す表である。図11は、図10の評価結果をグラフ化した図である。
【0051】
車両挙動シミュレーション装置3は、タイヤモデル生成装置2で生成したタイヤモデルを用いてFull−Vehicleモデルにより車両挙動をシミュレーションし、その評価結果を出力する。車両挙動シミュレーション装置3では、制動力及び駆動力が発生していない場合の車両挙動と制動力又は駆動力が発生している場合の車両挙動とを別々にシミュレーションする。評価結果としては、操舵トルクの変化に対する車両挙動及び操舵角に変化に対する車両挙動の指標を数値で表される。車両挙動を表す数値は、基準値が0であり、優れている場合にはプラス値(1〜5で、5が最も優れた車両挙動)であり、劣っている場合にはマイナス値(−1〜−5で、−5が最も劣った車両挙動)である。評価対象の車両挙動としてはヨーレート、横G、上下G、ロール角、ロールレート等があり、車両挙動シミュレーション装置3ではこの各車両特性に対して−5〜5の評価指標を付与する。
【0052】
車両挙動シミュレーション装置3における制動力及び駆動力が発生していない場合の車両挙動の評価について説明する。走行条件としては、車速が100km/hで、操舵量が通常のレーンチェンジである。車両条件としては、重量、アライメント等の各条件が全て固定である。着目条件としては、タイヤ及びホイールの仕様をオリジナルのものに対して変える。タイヤの仕様としては、スリップ角1°当たりの横力変化量を変え、この値がオリジナルのタイヤ仕様に対して大きくなるほどハンドリング特性がクイックになり、小さくなるほどハンドリング特性がダルになる。ホイールの仕様としては、締結特性を変え、締結特性がオリジナルのホイール仕様より良いものほどホイール動き量が小さくなり、劣っているものほどホイール動き量が大きくなる(図2参照)。そのために、タイヤモデル生成装置2では、このタイヤの各仕様(スリップ角1°当たりの横力変化量がオリジナル、大、小)とホイールの各仕様(締結特性がオリジナル、良、劣)との各組み合わせにおけるタイヤモデル(前後力特性、横力特性、SAT特性)を生成し、車両挙動シミュレーション装置3に提供している。そして、車両挙動シミュレーション装置3では、タイヤの各仕様及びホイールの各仕様に応じた各タイヤモデルを用いて車両挙動を各々シミュレーションし、操舵トルク又は操舵角に対するヨーレート等の評価指標を各々出力する。
【0053】
図8には、タイヤの仕様をオリジナル、大、小の場合とホイールの仕様をオリジナル、良、劣の場合とをそれぞれ組み合わせて9パターンのタイヤモデルを生成し、その9パターンのタイヤモデルを用いて車両挙動をシミュレーションした評価結果の一例として、操舵トルクに対するヨーレートの評価結果を示している。特に、図8には、タイヤモデル生成装置2で生成したタイヤモデルを用いた場合の評価結果の他に従来のタイヤモデルを用いた場合の評価結果を示すとともに、この9パターンの仕様の各車両を実際に走行させた場合にその車両に乗車している人の官能評価も示している。なお、官能評価は、1〜5までの数値で表され、3が基準で、数値が大きいほど評価が高く、数値が小さいほど評価が低い。また、図9には、横軸を官能評価、縦軸をタイヤモデルによるシミュレーションの評価として図8に示す評価結果をグラフ化し、官能評価に対するシミュレーションによる車両挙動の評価結果(従来のタイヤモデルと本タイヤモデルとに対する結果)を示している。
【0054】
図8から判るように、1〜3のパターンのタイヤモデルの場合、従来のタイヤモデルを用いた場合及び本タイヤモデルを用いた場合の車両挙動評価は、官能評価に相当するような結果を示している。しかし、4〜9のパターンのタイヤモデルの場合、本タイヤモデルを用いた場合の車両挙動評価は官能評価に相当するような結果を示しているが、従来のタイヤモデルを用いた場合の車両挙動評価は官能評価に相当するような結果を示さない。この結果は、図9を見ると良く判り、官能評価が高くなるのに応じて、本タイヤモデルの評価結果も高くなるが、従来のタイヤモデルの評価結果は高くならない場合もある。
【0055】
車両挙動シミュレーション装置3における制動力又は駆動力が発生している場合の車両挙動の評価について説明する。走行条件としては、車速が100km/hの定常時、車速が100km/hから40km/hの制動時、車速が40km/hから100km/hの加速時で、操舵量が通常のレーンチェンジである。車両条件としては、重量、アライメント等の各条件が全て固定である。着目条件としては、制動力又は駆動力を発生させ、上記したように走行条件における車速を変える。ちなみに、タイヤの仕様及びホイールの仕様はオリジナルのものだけである。そのため、タイヤモデル生成装置2では、このオリジナルのタイヤの仕様とホイールの仕様とのタイヤモデル(摩擦円特性の前後力特性と横力特性)を生成し、車両挙動シミュレーション装置3に提供している。そして、車両挙動シミュレーション装置3では、1パターンのタイヤモデルを用いて車速を変化させた場合の車両挙動を各々シミュレーションし、操舵トルク又は操舵角に対するヨーレート等の評価指標を各々出力する。
【0056】
図10には、1パターンのタイヤモデルを用いて、定常、制動中、加速中における車両挙動をシミュレーションした評価結果の一例として、操舵トルクに対するヨーレートの評価結果を示している。特に、図10には、タイヤモデル生成装置2で生成したタイヤモデルを用いた場合の評価結果の他に従来のタイヤモデルを用いた場合の評価結果を示すとともに、実際に車両を定常、制動又は加速走行させた場合にその車両に乗車している人の官能評価も示している。また、図11には、横軸を官能評価、縦軸をタイヤモデルによるシミュレーションの評価として図10に示す評価結果をグラフ化し、官能評価に対するシミュレーションによる車両挙動の評価結果(従来のタイヤモデルと本タイヤモデルとに対する結果)を示している。
【0057】
図10から判るように、車速が定常の場合、従来のタイヤモデルを用いた場合及び本タイヤモデルを用いた場合の車両挙動評価は、官能評価に相当するような結果を示している。しかし、制動中及び加速中の場合、本タイヤモデルを用いた場合の車両挙動評価は官能評価に相当するような結果を示しているが、従来のタイヤモデルを用いた場合の車両挙動評価は官能評価に相当するような結果を示さない。この結果は、図11を見ると良く判り、官能評価に応じて、本タイヤモデルの評価結果も変化するが、従来のタイヤモデルの評価結果は変わらない。
【0058】
このタイヤモデル生成装置2によれば、タイヤが姿勢を変えたときのユニフォーミティ成分に着目し、タイヤモデルにユニフォーミティ成分を加味したので、タイヤに発生する様々な振動成分をタイヤモデルに含まれることができ、そのタイヤモデルによりタイヤに実際に発生している力やモーメントを高精度に表すことができる。特に、タイヤモデル生成装置2によれば、制動力又は駆動力がタイヤに作用している場合もタイヤモデルにユニフォーミティ成分を加味するので、そのタイヤモデルによりタイヤの摩擦円特性を高精度に表すことができる。そのため、車両挙動シミュレーションシステム1では、そのタイヤモデルに車両に乗車している人が実際に感じるタイヤからの様々な振動が含まれているので、そのタイヤモデルを用いた車両挙動のシミュレーションによる評価が車両に乗車している人による官能評価に相当する結果が得られ、タイヤを評価する際の精度が向上する。
【0059】
さらに、タイヤモデル生成装置2では、上記した各式を利用することにより、タイヤモデルを簡単に求めることができる。特に、タイヤモデル生成装置2では、ユニフォーミティ成分を求める際には、ホイールの締結特性と静的タイヤ単体のばね定数により1次の変動片振幅を簡単に求めることができ、その1次の変動片振幅から他の次数の変動片振幅も簡単に求めることができる。
【0060】
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されることなく様々な形態で実施される。
【0061】
例えば、本実施の形態ではタイヤモデルを表すタイヤに発生する特性として前後力、横力、SATを用いたが、他のタイヤに発生する力やモーメントを用いてもよい。
【0062】
また、本実施の形態では生成したタイヤモデルを車両挙動のシミュレーションに利用したが、開発したタイヤの評価や選定対象のタイヤの比較等の他の分野で利用してもよい。
【0063】
また、本実施の形態では上記の式(1)、(3)、(5)、(13)、(15)及びホイールの締結特性及び静的タイヤ単体のばね定数によりユニフォーミティ成分を求めたが、他の方法によりユニフォーミティ成分を求めてもよい。さらに、ユニフォーミティ成分を求める際に1次から連続した次数の周波数成分を積算したが、タイヤモデルにおける影響の大きい次数の周波数成分のみを積算させてもよい。
【0064】
また、本実施の形態ではマジックフォーミュラにより基本成分を求めたが、他の方法により基本成分を求めてもよい。
【0065】
【発明の効果】
本発明によれば、タイヤモデルにユニフォーミティ成分を加味することにより、高精度なタイヤモデルとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る車両挙動シミュレーションシステムの構成図である。
【図2】本実施の形態に係るホイール締結特性を示す図であり、(a)が前後力特性におけるタイヤ回転角度に対するホイール動き量を示し、(b)が横力特性におけるスリップ角に対するホイール動き量を示し、(c)がSAT特性におけるスリップ角に対するホイール動き量を示す。
【図3】本実施の形態に係る静的なタイヤ単体のばね定数を示す図であり、(a)が前後力特性におけるタイヤ回転角度に対する前後力を示し、(b)が横力特性におけるタイヤ横方向移動量に対する横力を示し、(c)がSAT特性におけるタイヤねじれ角度に対するSATを示す。
【図4】本実施の形態に係る制動力及び駆動力が発生していない場合の各次数における変動片振幅を示す図であり、(a)が前後力特性であり、(b)が横力特性であり、(c)がSAT特性である。
【図5】図1のタイヤモデル生成装置で生成した制動力及び駆動力が発生していない場合の1次のユニフォーミティ成分のみを加味したタイヤモデルであり、(a)が前後力特性におけるスリップ率に対するタイヤの前後力であり、(b)が横力特性におけるスリップ角に対するタイヤの横力であり、(c)がSAT特性におけるスリップ角に対するSATである。
【図6】本実施の形態に係る制動力又は駆動力が発生している場合の各次数における変動片振幅を示す図であり、(a)が摩擦円特性における前後力特性であり、(b)が摩擦円特性における横力特性である。
【図7】図1のタイヤモデル生成装置で生成した制動力又は駆動力が発生している場合の1次のユニフォーミティ成分のみを加味したタイヤモデルであり、摩擦円特性(横力特性)におけるスリップ角毎の制動力又は駆動力に対するタイヤの横力である。
【図8】図1の車両挙動シミュレーション装置における制動力及び駆動力が発生していない場合の車両挙動のシミュレーションによる評価結果の一例として操舵トルクに対するヨーレートの評価結果及び官能評価を示す表である。
【図9】図8の評価結果をグラフ化した図である。
【図10】図1の車両挙動シミュレーション装置における制動力又は駆動力が発生している場合の車両挙動のシミュレーションによる評価結果の一例として操舵トルクに対するヨーレートの評価結果及び官能評価を示す表である。
【図11】図10の評価結果をグラフ化した図である。
【図12】タイヤに発生する力及びモーメントの説明図である。
【図13】タイヤの摩擦円の説明図である。
【図14】制動力又は駆動力が発生していない場合の従来のタイヤモデルであり、(a)が前後力特性におけるスリップ率に対するタイヤの前後力であり、(b)が横力特性におけるスリップ角に対するタイヤの横力であり、(c)がSAT特性におけるスリップ角に対するSATである。
【図15】制動力又は駆動力が発生している場合の従来のタイヤモデルであり、摩擦円特性におけるスリップ角毎の制動力又は駆動力に対するタイヤの横力である。
【符号の説明】
1…車両挙動シミュレーションシステム、2…タイヤモデル生成装置、3…車両挙動シミュレーション装置

Claims (4)

  1. タイヤに発生する特性を表すタイヤモデルを設定し、タイヤを評価するタイヤ評価方法であって、
    前記タイヤモデルにユニフォーミティ成分を加味することを特徴とするタイヤ評価方法。
  2. 車両の制動時又は駆動時の場合には、摩擦円特性を表すタイヤモデルを設定することを特徴とする請求項1に記載するタイヤ評価方法。
  3. 前記ユニフォーミティ成分は、タイヤの回転周波数の整数倍の周波数成分からなることを特徴とする請求項1又は2に記載するタイヤ評価方法。
  4. 1次の周波数成分の正弦波の振幅を、ホイールの締結特性及び静的なタイヤ単体のばね定数により求め、
    1次以外の周波数成分の正弦波の振幅を、前記1次の周波数成分の振幅を次数に応じて指数関数的に減少させることにより求め、
    前記ユニフォーミティ成分を、前記1次の周波数成分から任意の次数の周波数成分まで加算して求めること特徴とする請求項3に記載するタイヤ評価方法。
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