JP2004215357A - 電力変換装置及びリカバリ電流抑制方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】コストを増大させることなく、還流ダイオードに発生するリカバリ電流を抑制することが可能な電力変換装置及びリカバリ電流抑制方法を提供することを目的とする。
【解決手段】直流電源51と、直流電源51の電力を所定の電力に変換するインバータ52と、還流ダイオード52−7〜52−12と、各相のスイッチング素子毎に、互いに周波数及び位相が同一の、のこぎり波を生成するのこぎり波生成部と、モータなどの誘導性負荷に応じて与えられる指令値及びのこぎり波に基づいて、スイッチング素子52−1〜52−6を駆動させる駆動信号を生成する駆動信号生成部とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】直流電源51と、直流電源51の電力を所定の電力に変換するインバータ52と、還流ダイオード52−7〜52−12と、各相のスイッチング素子毎に、互いに周波数及び位相が同一の、のこぎり波を生成するのこぎり波生成部と、モータなどの誘導性負荷に応じて与えられる指令値及びのこぎり波に基づいて、スイッチング素子52−1〜52−6を駆動させる駆動信号を生成する駆動信号生成部とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘導性負荷に対して変換した電力を供給する電力変換装置に関し、特に、その電力変換装置に備えられる還流ダイオードのターンオフ時に発生するリカバリ電流を抑制するリカバリ電流抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5(a)は、一般的な電力変換装置を示す図である。
図5(a)に示すように、電力変換装置50は、直流電源51(電源)と、直流電源51の電力を所定の電力に変換し、モータなどの誘導性負荷に供給するインバータ52(電力変換回路)とを備えて構成される。
【0003】
上記インバータ52は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのスイッチング素子52−1〜52−6と、各スイッチング素子52−1〜52−6とそれぞれ並列に接続される還流ダイオード52−7〜52−12(還流ダイオード)とを備えて構成される。尚、インバータ52は、スイッチング素子52−1及び52−2によりU相(出力相)を形成し、スイッチング素子52−3及び52−4によりV相(出力相)を形成し、スイッチング素子52−5及び52−6によりW相(出力相)を形成している。
【0004】
そして、インバータ52は、スイッチング素子52−1〜52−6がPWM(Pulse Width Modulation)制御されることによって、U相、V相、W相の各相に交流電流を生成し、モータなどを駆動させる。すなわち、例えば、図5(a)に示すように、スイッチング素子52−1、52−4、及び52−6がオンすると共に、スイッチング素子52−2、52−3、及び52−5がオフする場合、スイッチング素子52−1を介してU相に流出電流が流れ、スイッチング素子52−4を介してV相に流入電流が流れ、スイッチング素子52−6を介してW相に流入電流が流れる。
【0005】
しかしながら、電力変換装置50のようなスイッチング素子のオン、オフの切り替えによってモータなどの誘導性負荷に電力を供給する装置は、例えば、図5(b)に示すように、U相から電流が流出している場合において、スイッチング素子52−1がターンオンしたとき(すなわち、還流ダイオード52−8に順方向電流が流れた後に逆方向の電圧が還流ダイオード52−8に印加されたとき)、還流ダイオード52−8にリカバリ電流が流れる。このリカバリ電流は、還流ダイオード内部に生じるキャリアが消滅するために発生するもので、そのリカバリ電流の大きさは還流ダイオードの構造により、ある程度決定される。そして、図5(c)に示すように、リカバリ電流は、還流ダイオード52−8だけではなく、還流ダイオード52−8の反対側に設けられるスイッチング素子52−1にも流れてしまう。
【0006】
そして、このリカバリ電流のピーク電流値は、大きな値となるため、そのリカバリ電流によりスイッチング素子や還流ダイオードが破損しないように、スイッチング素子や還流ダイオードの電流容量を大きくする必要があり、その分コストが増加するという問題がある。
【0007】
また、リカバリ電流により、スイッチング損失が増加してしまうという問題もある。
そこで、このようなリカバリ電流を抑制するために、従来では、図6に示す電力変換装置53ように、インバータ52の各相に直列にインダクタンス54を挿入することが考えられている。
【0008】
このように、インバータ52の各相に直列にインダクタンス54を挿入することによって、直流電源51からインバータ52の各相に流れる単位時間あたりの電流を小さくすることができるので、各相で発生するリカバリ電流を抑制することができる。
【0009】
また、リカバリ電流を抑制するための他の方法として、直流電源の電圧値を検出し、その電圧値が所定電圧値よりも高い場合、放電用抵抗を介してスイッチング素子に電流を流すことにより、スイッチング速度を遅くし、リカバリ電流を抑制する方法もある(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開平9−23664号 (第4〜5頁、第2図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6に示す電力変換装置53は、各相に設けられるインダクタンス54により、スイッチング素子52−1〜52−6のターンオフ時に発生するサージ電圧を増大させてしまう。そして、電力変換装置53は、そのサージ電圧が増大する分の電流がスイッチング素子に流れ、そのスイッチング素子を破損させないように、スイッチング素子の電流容量を大きくする必要がありコストが増大するという問題がある。
【0012】
また、特許文献1に示すようなリカバリ電流を抑制する方法では、放電用抵抗などの新たな部品を必要とするため、その分コストが増大するという問題がある。
そこで、本発明は、コストを増大させることなく、還流ダイオードに発生するリカバリ電流を抑制することが可能な電力変換装置及びリカバリ電流抑制方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明では、以下のような構成及び方法を採用した。
すなわち、本発明の電力変換装置は、電源と、複数のスイッチング素子のオン、オフに基づいて、上記電源の電力を所定の電力に変換する電力変換回路と、上記複数のスイッチング素子のそれぞれに並列に接続され、上記所定の電力が供給される負荷から還流される電流を流すための還流ダイオードと、上記複数のスイッチング素子の駆動を制御する制御部とを備え、該制御部は、上記複数のスイッチング素子のうち、2つ以上のスイッチング素子のそれぞれのターンオンのタイミングを同期させることを特徴とする。
【0014】
このように、2つ以上のスイッチング素子のそれぞれのターンオンタイミングを同期させることにより、タイミングを同期させた各スイッチング素子のダイオードに対応するリカバリ電流も同時に発生させることができる。これより、1相あたりの浮遊インダクタンスが増加したことと等価となり、リカバリ電流が小さくなるので、各ダイオードのリカバリ電流のピーク電流値を小さくすることができ、スイッチング素子及び還流ダイオードの電流容量を増加させたり、リカバリ電流を抑制させるための部品を追加させたりする必要がなくなり、コストの増大を防止することができる。
【0015】
また、上記電力変換装置は、上記複数のスイッチング素子が、PWM制御により駆動され、上記制御部が、上記負荷とつながる配線に流れる電流の向きに応じて生成される、のこぎり波に基づいて、上記複数のスイッチング素子の駆動を制御するように構成してもよい。
【0016】
また、上記電力変換装置は、上記制御部が、出力相毎に、互いに周波数及び位相が同一の、上記のこぎり波を生成するのこぎり波生成部と、上記負荷に応じて与えられる指令値及び上記のこぎり波に基づいて、上記複数のスイッチング素子を駆動させる駆動信号を生成する駆動信号生成部とを備えるように構成してもよい。
【0017】
このように、のこぎり波に基づいて、複数のスイッチング素子をPWM制御で駆動することによって、容易に、それぞれのスイッチング素子のターンオンのタイミングを同期させることができる。
また、本発明の範囲は、複数のスイッチング素子のオン、オフに基づいて、電源の電力を所定の電力に変換し、負荷に前記所定の電力を供給する電力変換回路において、前記複数のスイッチング素子のそれぞれに並列に接続される還流ダイオードに流れるリカバリ電流を抑制するリカバリ電流抑制方法にまで及ぶ。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1(a)は、本発明の実施形態の電力変換装置10を示す図である。尚、図1に示す電力変換装置10において、図5(a)に示す電力変換装置50と同一の構成については、同じ符号を付け、その説明を省略する。
【0019】
図1(a)に示すように、電力変換装置10は、直流電源51と、インバータ52と、各相に流れる電流の向きを検出する電流検出部11と、スイッチング素子52−1〜52−6のオン、オフのタイミングを制御する制御部12とを備えて構成される。
【0020】
上記電力変換装置10は、電流検出部11で検出される電流の向きなどに基づいて、スイッチング素子52−1〜52−6を駆動させる駆動信号を生成し、スイッチング素子52−1〜52−6の駆動により生成される電力をモータなどの誘導性負荷(負荷)に供給している。
【0021】
次に、上記制御部12について説明する。
図1(b)は、制御部12の構成を示す図である。
図1(b)に示す制御部12は、各相のスイッチング素子をPWM制御するための基準となるキャリア信号の位相を互いに同期させるための基準信号(例えば、三角波など)を生成する基準信号生成部12−1と、基準信号生成部12−1で生成された基準信号と電流検出部11で検出されたU相に流れる電流の向き(負荷とつながる配線に流れる電流の向き)に基づいて、U相のスイッチング素子52−1及び52−2をPWM制御するためのキャリア信号となる三角波(のこぎり波)を生成するU相三角波生成部12−2(のこぎり波生成部)と、基準信号生成部12−1の基準信号とV相の電流の向き(負荷とつながる配線に流れる電流の向き)に基づいて、V相の三角波を生成するV相三角波生成部12−3(のこぎり波生成部)と、基準信号生成部12−1の基準信号とW相の電流の向き(負荷とつながる配線に流れる電流の向き)に基づいて、W相の三角波を生成するW相三角波生成部12−4(のこぎり波生成部)と、モータの位置やモータの所望な回転数を示すモータ位置検出信号及び回転数指令値信号に基づいて、各相の駆動信号のデューティを決定するための指令値を算出するデューティ指令値演算部12−5と、デューティ指令値演算部12−5で生成された指令値とU相三角波生成部12−2で生成された三角波とに基づいて、U相の2つの駆動信号(互いに180度位相のずれたスイッチング素子52−1及び52−2に入力される2つの駆動信号)を生成するU相駆動信号生成部12−6(駆動信号生成部)と、デューティ指令値演算部12−5の指令値とV相三角波生成部12−3の三角波とに基づいて、V相の2つの駆動信号を生成するV相駆動信号生成部12−7(駆動信号生成部)と、デューティ指令値演算部12−5の指令値とW相三角波生成部12−2の三角波とに基づいて、W相の2つの駆動信号を生成するW相駆動信号生成部12−8(駆動信号生成部)とを備えて構成される。
【0022】
ここで、図2は、上記制御部12で生成されるU相の駆動信号及びV相の駆動信号を示す図である。尚、W相については、説明を簡単にするために省略する。図2(a)は、U相の電流の向きと、U相三角波生成部12−2で生成される三角波と、U相のデューティ指令値と、U相駆動信号生成部12−6で生成される2つの駆動信号との関係を示す図であり、図2(b)は、V相の電流の向きと、V相三角波生成部12−3で生成される三角波と、V相のデューティ指令値と、V相駆動信号生成部12−7で生成される2つの駆動信号との関係を示す図である。また、斜線部分は、還流ダイオードに順方向電流が流れている期間を示している。
【0023】
上記U相三角波生成部12−2及びV相三角波生成部12−3は、U相及びV相の電流がモータに対して流出している場合、図2(a)又は(b)に示すように、垂直に立ち上がり、なだらかに立ち下がる「のこぎり波」を生成し、反対に、U相及びV相の電流がモータに対して流入している場合、図2(a)又は(b)に示すように、なだらかに立ち上がり、垂直に立ち下がる「のこぎり波」を生成する。つまり、各相の電流の向きに応じて「のこぎり波」生成する。尚、このとき、U相三角波生成部12−2、及びV相三角波生成部12−3は、互いに周波数及び位相が同一となる「のこぎり波」を生成する。
【0024】
そして、U相駆動信号生成部12−6は、U相の三角波とU相のデューティ指令値とを比較し、スイッチング素子52−1及び52−2のそれぞれの駆動信号を生成する。
また、V相駆動信号生成部12−7は、V相の三角波とV相のデューティ指令値とを比較し、スイッチング素子52−3及び52−4のそれぞれの駆動信号を生成する。
【0025】
このように、上記制御部12は、互いに周波数及び位相が同一の「のこぎり波」を各相に流れる電流の向きに基づいて各相毎に生成し、その「のこぎり波」に基づいて、各スイッチング素子の駆動信号を生成しているので、各スイッチング素子のターンオンのタイミングを容易に同期させることができる。
【0026】
次に、スイッチング素子52−1〜52−6のそれぞれのターンオンのタイミングを同期させることにより、還流ダイオード52−7〜52−12に発生するリカバリ電流が抑制される理由を説明する。
図3(a)は、あるスイッチング素子の駆動信号を示す図であり、図3(b)は、各相のスイッチング素子のそれぞれのターンオンタイミングがずれているときのある1つの還流ダイオードの電流を示す図であり、図3(c)は、2相のスイッチング素子のそれぞれのターンオンタイミングを同期させたときのある2つの還流ダイオードの合計電流を示す図であり、図3(d)は、2相のスイッチング素子のそれぞれのターンオンタイミングを同期させたときのある1つの還流ダイオードの電流を示す図である。
【0027】
ここでは、3相のうち、2相のスイッチング素子のそれぞれのターンオンのタイミングを同期させる場合を考える。
2相のスイッチング素子のそれぞれのターンオフのタイミングを同期させると、その2相に設けられる還流ダイオードのリカバリ電流も同じタイミングで発生する。
【0028】
ところで、直流電源51からインバータ52を見る場合、直流電源51とインバータ52とを接続する配線の浮遊インダクタンスは一定であるので、図3(b)及び(c)に示すように、単位時間あたりに直流電源51から引き出される電流(di/dt)は、スイッチング素子のターンオンタイミングが同期させない場合であっても、また、同期させる場合であっても一定となる。また、リカバリ電流が流れている時間は、ダイオード素子により一定であるので、すなわち、図3(b)の電流と図3(c)の電流は同じになる。よって、図3(d)に示すように、1相あたりの電流が少なくなる。
【0029】
このように、スイッチング素子のターンオンタイミングを同期させ、リカバリ電流も同じタイミングで発生させると、ある1相についてだけ見れば、浮遊インダクタンスは、増加していることと等価となっているので、各相に発生するリカバリ電流を減少させることができる。
【0030】
これより、図3(a)及び(d)に示すように、ターンオンタイミングを同期させた場合のある1つの還流ダイオードの単位時間あたりの電流(di/dt)は、同期させない場合のある1つの還流ダイオードの単位時間あたりの電流(di/dt)よりも小さくすることができる。すなわち、同期させた場合の各相のリカバリ電流のピーク時の電流値は、不同期の場合の各相のリカバリ電流のピーク時の電流値よりも小さくすることが可能となる。尚、全ての相のスイッチング素子のそれぞれのターンオンタイミングを同期させる場合は、更に、各相から直流電源51を見たときの浮遊インダクタンスを増加させることができるので、リカバリ電流を更に抑制することが可能となる。
【0031】
このように、互いに周波数及び位相が同一の「のこぎり波」を各相のスイッチング素子毎に、各相に流れる電流の向きに基づいて生成し、その生成された「のこぎり波」を用いて、スイッチング素子52−1〜52−6をPWM制御しているので、スイッチング素子52−1〜52−6のターンオンのタイミングを同じにすることができる。
【0032】
これより、各相の還流ダイオードのリカバリ電流を同時に発生させることができるので、1相あたりの浮遊インダクタンスを増加させることができ、単位時間あたりの電流、すなわち、リカバリ電流のピーク時の電流値を小さくすることができる。
【0033】
そして、リカバリ電流のピーク時の電流値を小さくすることができるので、スイッチング素子及び還流ダイオードの電流容量を増加させたり、リカバリ電流を抑制させるための部品を追加させたりする必要がなくなるので、コストを増加させることを防止することができる。
【0034】
<その他の実施形態>
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲において、種々の構成を採用可能である。例えば、以下のような構成変更も可能である。
【0035】
(1)図4(a)は、本発明の他の実施形態の電力変換装置40を示す図である。
図4(a)に示すように、電力変換装置40は、直流電源51と、スイッチング素子41及び42と、スイッチング素子41及び42にそれぞれ並列に接続される還流ダイオード43及び44とを備えて構成される。電力変換装置40は、スイッチング素子41及び42が交互にオン、オフすることより、直流電源51の電力を断続的にインダクタンスなどの誘導性負荷に伝えるものであって、例えば、DC/DCコンバータなどを構成することができる。
【0036】
このような電力変換装置40においても、スイッチング素子41及び42のそれぞれのターンオンタイミングを同期させることにより、還流ダイオード43及び44に発生するリカバリ電流を抑制することができる。
(2)また、図4(b)は、本発明の他の実施形態の電力変換装置45を示す図である。
【0037】
図4(b)に示すように、1つの直流電源51で複数のインバータ52を駆動させる電流変換装置45においても、各インバータ52を構成するそれぞれのスイッチング素子のターンオンタイミングを互いに同期させることによって、各インバータ52のそれぞれの還流ダイオードに発生するリカバリ電流を抑制することができる。
【0038】
(3)また、上記実施形態では、スイッチング素子52−1〜52−6をIGBTで構成しているが、MOSFET(Metal−Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などで構成してもよい。そして、このように、スイッチング素子52−1〜52−6をMOSFETで構成する場合は、MOSFETの寄生ダイオードを還流ダイオード52−7〜52−12として使用してもよい。
【0039】
(4)また、上記実施形態では、立ち上がり、又は立ち下りが垂直となる「のこぎり波」をPWM制御用のキャリア信号として使用しているが、キャリア信号の種類は、「のこぎり波」でなくともよい。そして、「のこぎり波」以外のキャリア信号を使用する場合は、各駆動信号を生成した後に、それぞれのターンオンを同期させるための演算工程を制御部12で行わせる必要がある。
【0040】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、2つ以上のスイッチング素子のターンオンのタイミングを同じにすることにより、その2つのスイッチング素子に対応する各還流ダイオードのリカバリ電流を同時に発生させることができるので、1相あたりの浮遊インダクタンスを増加させることができ、リカバリ電流のピーク時の電流値を小さくすることができる。これより、電流容量を増加させる必要がなくなり、コストを増加させることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の電力変換装置を示す図である。
【図2】各相の電流の向きと、各相の三角波と、各相のデューティ指令値と、各相の駆動信号との関係を示す図である。
【図3】スイッチング素子の駆動信号及び還流ダイオードの電流を示す図である。
【図4】本発明の他の実施形態の電力変換装置を示す図である。
【図5】一般的な電力変換装置を示す図である。
【図6】リカバリ電流を抑制させるための従来の電力変換装置を示す図である。
【符号の説明】
10 電力変換装置
11 電流検出部
12 制御部
12−1 基準信号生成部
12−2 U相三角波生成部
12−3 V相三角波生成部
12−4 W相三角波生成部
12−5 デューティ指令値演算部
12−6 U相駆動信号生成部
12−7 V相駆動信号生成部
12−8 W相駆動信号生成部
40 電力変換装置
41、42 スイッチング素子
43、44 還流ダイオード
45 電力変換装置
50 電力変換装置
51 直流電源
52 インバータ
52−1〜52−6 スイッチング素子
52−7〜52−12 還流ダイオード
53 電力変換装置
54 インダクタンス
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘導性負荷に対して変換した電力を供給する電力変換装置に関し、特に、その電力変換装置に備えられる還流ダイオードのターンオフ時に発生するリカバリ電流を抑制するリカバリ電流抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5(a)は、一般的な電力変換装置を示す図である。
図5(a)に示すように、電力変換装置50は、直流電源51(電源)と、直流電源51の電力を所定の電力に変換し、モータなどの誘導性負荷に供給するインバータ52(電力変換回路)とを備えて構成される。
【0003】
上記インバータ52は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などのスイッチング素子52−1〜52−6と、各スイッチング素子52−1〜52−6とそれぞれ並列に接続される還流ダイオード52−7〜52−12(還流ダイオード)とを備えて構成される。尚、インバータ52は、スイッチング素子52−1及び52−2によりU相(出力相)を形成し、スイッチング素子52−3及び52−4によりV相(出力相)を形成し、スイッチング素子52−5及び52−6によりW相(出力相)を形成している。
【0004】
そして、インバータ52は、スイッチング素子52−1〜52−6がPWM(Pulse Width Modulation)制御されることによって、U相、V相、W相の各相に交流電流を生成し、モータなどを駆動させる。すなわち、例えば、図5(a)に示すように、スイッチング素子52−1、52−4、及び52−6がオンすると共に、スイッチング素子52−2、52−3、及び52−5がオフする場合、スイッチング素子52−1を介してU相に流出電流が流れ、スイッチング素子52−4を介してV相に流入電流が流れ、スイッチング素子52−6を介してW相に流入電流が流れる。
【0005】
しかしながら、電力変換装置50のようなスイッチング素子のオン、オフの切り替えによってモータなどの誘導性負荷に電力を供給する装置は、例えば、図5(b)に示すように、U相から電流が流出している場合において、スイッチング素子52−1がターンオンしたとき(すなわち、還流ダイオード52−8に順方向電流が流れた後に逆方向の電圧が還流ダイオード52−8に印加されたとき)、還流ダイオード52−8にリカバリ電流が流れる。このリカバリ電流は、還流ダイオード内部に生じるキャリアが消滅するために発生するもので、そのリカバリ電流の大きさは還流ダイオードの構造により、ある程度決定される。そして、図5(c)に示すように、リカバリ電流は、還流ダイオード52−8だけではなく、還流ダイオード52−8の反対側に設けられるスイッチング素子52−1にも流れてしまう。
【0006】
そして、このリカバリ電流のピーク電流値は、大きな値となるため、そのリカバリ電流によりスイッチング素子や還流ダイオードが破損しないように、スイッチング素子や還流ダイオードの電流容量を大きくする必要があり、その分コストが増加するという問題がある。
【0007】
また、リカバリ電流により、スイッチング損失が増加してしまうという問題もある。
そこで、このようなリカバリ電流を抑制するために、従来では、図6に示す電力変換装置53ように、インバータ52の各相に直列にインダクタンス54を挿入することが考えられている。
【0008】
このように、インバータ52の各相に直列にインダクタンス54を挿入することによって、直流電源51からインバータ52の各相に流れる単位時間あたりの電流を小さくすることができるので、各相で発生するリカバリ電流を抑制することができる。
【0009】
また、リカバリ電流を抑制するための他の方法として、直流電源の電圧値を検出し、その電圧値が所定電圧値よりも高い場合、放電用抵抗を介してスイッチング素子に電流を流すことにより、スイッチング速度を遅くし、リカバリ電流を抑制する方法もある(例えば、特許文献1参照)。
【0010】
【特許文献1】
特開平9−23664号 (第4〜5頁、第2図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6に示す電力変換装置53は、各相に設けられるインダクタンス54により、スイッチング素子52−1〜52−6のターンオフ時に発生するサージ電圧を増大させてしまう。そして、電力変換装置53は、そのサージ電圧が増大する分の電流がスイッチング素子に流れ、そのスイッチング素子を破損させないように、スイッチング素子の電流容量を大きくする必要がありコストが増大するという問題がある。
【0012】
また、特許文献1に示すようなリカバリ電流を抑制する方法では、放電用抵抗などの新たな部品を必要とするため、その分コストが増大するという問題がある。
そこで、本発明は、コストを増大させることなく、還流ダイオードに発生するリカバリ電流を抑制することが可能な電力変換装置及びリカバリ電流抑制方法を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明では、以下のような構成及び方法を採用した。
すなわち、本発明の電力変換装置は、電源と、複数のスイッチング素子のオン、オフに基づいて、上記電源の電力を所定の電力に変換する電力変換回路と、上記複数のスイッチング素子のそれぞれに並列に接続され、上記所定の電力が供給される負荷から還流される電流を流すための還流ダイオードと、上記複数のスイッチング素子の駆動を制御する制御部とを備え、該制御部は、上記複数のスイッチング素子のうち、2つ以上のスイッチング素子のそれぞれのターンオンのタイミングを同期させることを特徴とする。
【0014】
このように、2つ以上のスイッチング素子のそれぞれのターンオンタイミングを同期させることにより、タイミングを同期させた各スイッチング素子のダイオードに対応するリカバリ電流も同時に発生させることができる。これより、1相あたりの浮遊インダクタンスが増加したことと等価となり、リカバリ電流が小さくなるので、各ダイオードのリカバリ電流のピーク電流値を小さくすることができ、スイッチング素子及び還流ダイオードの電流容量を増加させたり、リカバリ電流を抑制させるための部品を追加させたりする必要がなくなり、コストの増大を防止することができる。
【0015】
また、上記電力変換装置は、上記複数のスイッチング素子が、PWM制御により駆動され、上記制御部が、上記負荷とつながる配線に流れる電流の向きに応じて生成される、のこぎり波に基づいて、上記複数のスイッチング素子の駆動を制御するように構成してもよい。
【0016】
また、上記電力変換装置は、上記制御部が、出力相毎に、互いに周波数及び位相が同一の、上記のこぎり波を生成するのこぎり波生成部と、上記負荷に応じて与えられる指令値及び上記のこぎり波に基づいて、上記複数のスイッチング素子を駆動させる駆動信号を生成する駆動信号生成部とを備えるように構成してもよい。
【0017】
このように、のこぎり波に基づいて、複数のスイッチング素子をPWM制御で駆動することによって、容易に、それぞれのスイッチング素子のターンオンのタイミングを同期させることができる。
また、本発明の範囲は、複数のスイッチング素子のオン、オフに基づいて、電源の電力を所定の電力に変換し、負荷に前記所定の電力を供給する電力変換回路において、前記複数のスイッチング素子のそれぞれに並列に接続される還流ダイオードに流れるリカバリ電流を抑制するリカバリ電流抑制方法にまで及ぶ。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
図1(a)は、本発明の実施形態の電力変換装置10を示す図である。尚、図1に示す電力変換装置10において、図5(a)に示す電力変換装置50と同一の構成については、同じ符号を付け、その説明を省略する。
【0019】
図1(a)に示すように、電力変換装置10は、直流電源51と、インバータ52と、各相に流れる電流の向きを検出する電流検出部11と、スイッチング素子52−1〜52−6のオン、オフのタイミングを制御する制御部12とを備えて構成される。
【0020】
上記電力変換装置10は、電流検出部11で検出される電流の向きなどに基づいて、スイッチング素子52−1〜52−6を駆動させる駆動信号を生成し、スイッチング素子52−1〜52−6の駆動により生成される電力をモータなどの誘導性負荷(負荷)に供給している。
【0021】
次に、上記制御部12について説明する。
図1(b)は、制御部12の構成を示す図である。
図1(b)に示す制御部12は、各相のスイッチング素子をPWM制御するための基準となるキャリア信号の位相を互いに同期させるための基準信号(例えば、三角波など)を生成する基準信号生成部12−1と、基準信号生成部12−1で生成された基準信号と電流検出部11で検出されたU相に流れる電流の向き(負荷とつながる配線に流れる電流の向き)に基づいて、U相のスイッチング素子52−1及び52−2をPWM制御するためのキャリア信号となる三角波(のこぎり波)を生成するU相三角波生成部12−2(のこぎり波生成部)と、基準信号生成部12−1の基準信号とV相の電流の向き(負荷とつながる配線に流れる電流の向き)に基づいて、V相の三角波を生成するV相三角波生成部12−3(のこぎり波生成部)と、基準信号生成部12−1の基準信号とW相の電流の向き(負荷とつながる配線に流れる電流の向き)に基づいて、W相の三角波を生成するW相三角波生成部12−4(のこぎり波生成部)と、モータの位置やモータの所望な回転数を示すモータ位置検出信号及び回転数指令値信号に基づいて、各相の駆動信号のデューティを決定するための指令値を算出するデューティ指令値演算部12−5と、デューティ指令値演算部12−5で生成された指令値とU相三角波生成部12−2で生成された三角波とに基づいて、U相の2つの駆動信号(互いに180度位相のずれたスイッチング素子52−1及び52−2に入力される2つの駆動信号)を生成するU相駆動信号生成部12−6(駆動信号生成部)と、デューティ指令値演算部12−5の指令値とV相三角波生成部12−3の三角波とに基づいて、V相の2つの駆動信号を生成するV相駆動信号生成部12−7(駆動信号生成部)と、デューティ指令値演算部12−5の指令値とW相三角波生成部12−2の三角波とに基づいて、W相の2つの駆動信号を生成するW相駆動信号生成部12−8(駆動信号生成部)とを備えて構成される。
【0022】
ここで、図2は、上記制御部12で生成されるU相の駆動信号及びV相の駆動信号を示す図である。尚、W相については、説明を簡単にするために省略する。図2(a)は、U相の電流の向きと、U相三角波生成部12−2で生成される三角波と、U相のデューティ指令値と、U相駆動信号生成部12−6で生成される2つの駆動信号との関係を示す図であり、図2(b)は、V相の電流の向きと、V相三角波生成部12−3で生成される三角波と、V相のデューティ指令値と、V相駆動信号生成部12−7で生成される2つの駆動信号との関係を示す図である。また、斜線部分は、還流ダイオードに順方向電流が流れている期間を示している。
【0023】
上記U相三角波生成部12−2及びV相三角波生成部12−3は、U相及びV相の電流がモータに対して流出している場合、図2(a)又は(b)に示すように、垂直に立ち上がり、なだらかに立ち下がる「のこぎり波」を生成し、反対に、U相及びV相の電流がモータに対して流入している場合、図2(a)又は(b)に示すように、なだらかに立ち上がり、垂直に立ち下がる「のこぎり波」を生成する。つまり、各相の電流の向きに応じて「のこぎり波」生成する。尚、このとき、U相三角波生成部12−2、及びV相三角波生成部12−3は、互いに周波数及び位相が同一となる「のこぎり波」を生成する。
【0024】
そして、U相駆動信号生成部12−6は、U相の三角波とU相のデューティ指令値とを比較し、スイッチング素子52−1及び52−2のそれぞれの駆動信号を生成する。
また、V相駆動信号生成部12−7は、V相の三角波とV相のデューティ指令値とを比較し、スイッチング素子52−3及び52−4のそれぞれの駆動信号を生成する。
【0025】
このように、上記制御部12は、互いに周波数及び位相が同一の「のこぎり波」を各相に流れる電流の向きに基づいて各相毎に生成し、その「のこぎり波」に基づいて、各スイッチング素子の駆動信号を生成しているので、各スイッチング素子のターンオンのタイミングを容易に同期させることができる。
【0026】
次に、スイッチング素子52−1〜52−6のそれぞれのターンオンのタイミングを同期させることにより、還流ダイオード52−7〜52−12に発生するリカバリ電流が抑制される理由を説明する。
図3(a)は、あるスイッチング素子の駆動信号を示す図であり、図3(b)は、各相のスイッチング素子のそれぞれのターンオンタイミングがずれているときのある1つの還流ダイオードの電流を示す図であり、図3(c)は、2相のスイッチング素子のそれぞれのターンオンタイミングを同期させたときのある2つの還流ダイオードの合計電流を示す図であり、図3(d)は、2相のスイッチング素子のそれぞれのターンオンタイミングを同期させたときのある1つの還流ダイオードの電流を示す図である。
【0027】
ここでは、3相のうち、2相のスイッチング素子のそれぞれのターンオンのタイミングを同期させる場合を考える。
2相のスイッチング素子のそれぞれのターンオフのタイミングを同期させると、その2相に設けられる還流ダイオードのリカバリ電流も同じタイミングで発生する。
【0028】
ところで、直流電源51からインバータ52を見る場合、直流電源51とインバータ52とを接続する配線の浮遊インダクタンスは一定であるので、図3(b)及び(c)に示すように、単位時間あたりに直流電源51から引き出される電流(di/dt)は、スイッチング素子のターンオンタイミングが同期させない場合であっても、また、同期させる場合であっても一定となる。また、リカバリ電流が流れている時間は、ダイオード素子により一定であるので、すなわち、図3(b)の電流と図3(c)の電流は同じになる。よって、図3(d)に示すように、1相あたりの電流が少なくなる。
【0029】
このように、スイッチング素子のターンオンタイミングを同期させ、リカバリ電流も同じタイミングで発生させると、ある1相についてだけ見れば、浮遊インダクタンスは、増加していることと等価となっているので、各相に発生するリカバリ電流を減少させることができる。
【0030】
これより、図3(a)及び(d)に示すように、ターンオンタイミングを同期させた場合のある1つの還流ダイオードの単位時間あたりの電流(di/dt)は、同期させない場合のある1つの還流ダイオードの単位時間あたりの電流(di/dt)よりも小さくすることができる。すなわち、同期させた場合の各相のリカバリ電流のピーク時の電流値は、不同期の場合の各相のリカバリ電流のピーク時の電流値よりも小さくすることが可能となる。尚、全ての相のスイッチング素子のそれぞれのターンオンタイミングを同期させる場合は、更に、各相から直流電源51を見たときの浮遊インダクタンスを増加させることができるので、リカバリ電流を更に抑制することが可能となる。
【0031】
このように、互いに周波数及び位相が同一の「のこぎり波」を各相のスイッチング素子毎に、各相に流れる電流の向きに基づいて生成し、その生成された「のこぎり波」を用いて、スイッチング素子52−1〜52−6をPWM制御しているので、スイッチング素子52−1〜52−6のターンオンのタイミングを同じにすることができる。
【0032】
これより、各相の還流ダイオードのリカバリ電流を同時に発生させることができるので、1相あたりの浮遊インダクタンスを増加させることができ、単位時間あたりの電流、すなわち、リカバリ電流のピーク時の電流値を小さくすることができる。
【0033】
そして、リカバリ電流のピーク時の電流値を小さくすることができるので、スイッチング素子及び還流ダイオードの電流容量を増加させたり、リカバリ電流を抑制させるための部品を追加させたりする必要がなくなるので、コストを増加させることを防止することができる。
【0034】
<その他の実施形態>
本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲において、種々の構成を採用可能である。例えば、以下のような構成変更も可能である。
【0035】
(1)図4(a)は、本発明の他の実施形態の電力変換装置40を示す図である。
図4(a)に示すように、電力変換装置40は、直流電源51と、スイッチング素子41及び42と、スイッチング素子41及び42にそれぞれ並列に接続される還流ダイオード43及び44とを備えて構成される。電力変換装置40は、スイッチング素子41及び42が交互にオン、オフすることより、直流電源51の電力を断続的にインダクタンスなどの誘導性負荷に伝えるものであって、例えば、DC/DCコンバータなどを構成することができる。
【0036】
このような電力変換装置40においても、スイッチング素子41及び42のそれぞれのターンオンタイミングを同期させることにより、還流ダイオード43及び44に発生するリカバリ電流を抑制することができる。
(2)また、図4(b)は、本発明の他の実施形態の電力変換装置45を示す図である。
【0037】
図4(b)に示すように、1つの直流電源51で複数のインバータ52を駆動させる電流変換装置45においても、各インバータ52を構成するそれぞれのスイッチング素子のターンオンタイミングを互いに同期させることによって、各インバータ52のそれぞれの還流ダイオードに発生するリカバリ電流を抑制することができる。
【0038】
(3)また、上記実施形態では、スイッチング素子52−1〜52−6をIGBTで構成しているが、MOSFET(Metal−Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)などで構成してもよい。そして、このように、スイッチング素子52−1〜52−6をMOSFETで構成する場合は、MOSFETの寄生ダイオードを還流ダイオード52−7〜52−12として使用してもよい。
【0039】
(4)また、上記実施形態では、立ち上がり、又は立ち下りが垂直となる「のこぎり波」をPWM制御用のキャリア信号として使用しているが、キャリア信号の種類は、「のこぎり波」でなくともよい。そして、「のこぎり波」以外のキャリア信号を使用する場合は、各駆動信号を生成した後に、それぞれのターンオンを同期させるための演算工程を制御部12で行わせる必要がある。
【0040】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、2つ以上のスイッチング素子のターンオンのタイミングを同じにすることにより、その2つのスイッチング素子に対応する各還流ダイオードのリカバリ電流を同時に発生させることができるので、1相あたりの浮遊インダクタンスを増加させることができ、リカバリ電流のピーク時の電流値を小さくすることができる。これより、電流容量を増加させる必要がなくなり、コストを増加させることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の電力変換装置を示す図である。
【図2】各相の電流の向きと、各相の三角波と、各相のデューティ指令値と、各相の駆動信号との関係を示す図である。
【図3】スイッチング素子の駆動信号及び還流ダイオードの電流を示す図である。
【図4】本発明の他の実施形態の電力変換装置を示す図である。
【図5】一般的な電力変換装置を示す図である。
【図6】リカバリ電流を抑制させるための従来の電力変換装置を示す図である。
【符号の説明】
10 電力変換装置
11 電流検出部
12 制御部
12−1 基準信号生成部
12−2 U相三角波生成部
12−3 V相三角波生成部
12−4 W相三角波生成部
12−5 デューティ指令値演算部
12−6 U相駆動信号生成部
12−7 V相駆動信号生成部
12−8 W相駆動信号生成部
40 電力変換装置
41、42 スイッチング素子
43、44 還流ダイオード
45 電力変換装置
50 電力変換装置
51 直流電源
52 インバータ
52−1〜52−6 スイッチング素子
52−7〜52−12 還流ダイオード
53 電力変換装置
54 インダクタンス
Claims (5)
- 電源と、
複数のスイッチング素子のオン、オフに基づいて、前記電源の電力を所定の電力に変換する電力変換回路と、
前記複数のスイッチング素子のそれぞれに並列に接続され、前記所定の電力が供給される負荷から還流される電流を流すための還流ダイオードと、
前記複数のスイッチング素子の駆動を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記複数のスイッチング素子のうち、2つ以上のスイッチング素子のそれぞれのターンオンのタイミングを同期させることを特徴とする電力変換装置。 - 請求項1に記載の電力変換装置であって、
前記複数のスイッチング素子は、PWM制御により駆動され、
前記制御部は、前記負荷とつながる配線に流れる電流の向きに応じて生成される、のこぎり波に基づいて、前記複数のスイッチング素子の駆動を制御することを特徴とする電力変換装置。 - 請求項2に記載の電力変換装置であって、
前記制御部は、
出力相毎に、互いに周波数及び位相が同一の、前記のこぎり波を生成するのこぎり波生成部と、
前記負荷に応じて与えられる指令値及び前記のこぎり波に基づいて、前記複数のスイッチング素子を駆動させる駆動信号を生成する駆動信号生成部と、
を備えることを特徴とする電力変換装置。 - 複数のスイッチング素子のオン、オフに基づいて、電源の電力を所定の電力に変換し、負荷に前記所定の電力を供給する電力変換回路において、前記複数のスイッチング素子のそれぞれに並列に接続される還流ダイオードに流れるリカバリ電流を抑制するリカバリ電流抑制方法であって、
前記複数のスイッチング素子のうち、2つ以上のスイッチング素子のそれぞれのターンオンを同期させることを特徴とするリカバリ電流抑制方法。 - 請求項4に記載のリカバリ電流抑制方法であって、
前記複数のスイッチング素子をPWM制御するためのキャリア信号として、前記複数のスイッチング素子毎に、前記還流ダイオードに流れる電流の方向に基づく、互いに周波数及び位相が同一の、のこぎり波を生成し、
前記負荷に応じて与えられる指令値及び前記のこぎり波に基づいて、前記複数のスイッチング素子を駆動させる駆動信号を生成することを特徴とするリカバリ電流抑制方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002380290A JP2004215357A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 電力変換装置及びリカバリ電流抑制方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002380290A JP2004215357A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 電力変換装置及びリカバリ電流抑制方法 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2002380290A Withdrawn JP2004215357A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 電力変換装置及びリカバリ電流抑制方法 |
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JP (1) | JP2004215357A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US8350549B2 (en) | 2010-10-29 | 2013-01-08 | Panasonic Corporation | Converter with switches having a diode region that is unipolar-conductive only in the reverse direction |
US8693226B2 (en) | 2010-10-29 | 2014-04-08 | Panasonic Corporation | Synchronous rectification type inverter |
-
2002
- 2002-12-27 JP JP2002380290A patent/JP2004215357A/ja not_active Withdrawn
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