JP7142609B2 - 電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換装置に関し、例えばモータと一体化が可能な電力変換装置に関する。
電力変換装置としては、直流電力を三相交流電力へ変換するインバータ装置が知られている。インバータ装置は、モータドライブ、無停電電源装置等に広く利用されており、6個の半導体スイッチを使用した三相ブリッジで構成されたものが一般的に知られている。これらの半導体スイッチを、パルス幅変調(PWM)方式等に基づいて生成されたパターンでスイッチングさせることにより、インバータ装置は、任意の電圧および周波数を持った三相交流電圧を出力することができる。これにより、インバータ装置をモータドライブに利用すると、モータの速度を可変制御することが可能となり、設備の省エネ化を実現することが可能となる。
インバータ装置のスイッチング方式としては、ハードスイッチング方式及びソフトスイッチング方式の2種類が知られている。インバータ装置におけるソフトスイッチング方式は、主に共振DCリンク方式と補助共振転流方式に大きく分けられる。共振DCリンク方式では、インバータ装置に補助回路を追加し、三相ブリッジの各半導体スイッチのスイッチング時に、DCリンク電圧をおよそ0Vにすることでゼロ電圧スイッチング(以下、ZVSと称する)する。しかし、共振DCリンク方式では、DCリンクの前段に接続される電源とDCリンクを遮断するためのスイッチが必要であり、このスイッチには主回路電流が流れるため、導通損失が無視できず全体の損失低減効果が限定的である。
一方の補助共振転流方式では、インバータ装置に補助回路を追加し、この補助回路に流れる電流を三相ブリッジの半導体スイッチの出力容量もしくはスナバコンデンサに転流させることで半導体スイッチの両端電圧をおよそ0Vにし、三相ブリッジの半導体スイッチをZVSする。
補助共振転流方式は、例えば特許文献1に記載されている。特許文献1には、三相ブリッジの各相中点と直列接続された2つのDCリンクコンデンサの中点との間に、インダクタと双方向スイッチからなる補助回路を接続した構成が示されている。補助回路を構成する双方向スイッチを、三相ブリッジのスイッチングタイミングに基づいて駆動することにより、三相ブリッジの半導体スイッチをソフトスイッチングすることが可能である。
特開平8-340676号公報
補助共振転流方式では、補助回路に電流を流す時、主回路と並列の電流経路を形成するため、主回路電流が補助回路には流れない。このため、補助共振転流方式は、共振DCリンク方式よりもスイッチング損失は小さい。
しかしながら、補助共振転流方式においても、スイッチング損失の低減が十分であると
は言えず、より一層スイッチング損失を低減する技術が望まれる。
本発明の目的は、スイッチング損失の低減を図ることが可能な電力変換装置を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
電力変換装置は、直流電圧から三相交流を出力する三相ブリッジと、直流電圧を分圧する複数のコンデンサと、三相ブリッジの各相の中点と複数のコンデンサにより形成された分圧電圧点との間に接続された補助回路とを備える。補助回路は、三相ダイオードブリッジと、インダクタと、三相ブリッジの上アームに対向する第1補助スイッチと、三相ブリッジの下アームに対向する第2補助スイッチとを備えている。ここで、三相ブリッジの上アームのスイッチは、第2補助スイッチがオン状態となり、下アームのスイッチがターンオフした後に、ターンオンする。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
スイッチング損失の低減を図ることが可能な電力変換装置を提供することができる。スイッチング損失の低減を図ることにより、温度上昇が抑えられ、冷却器を小型化することが可能であるため、さらに電力変換装置の小型化を図ることが可能となる。その結果、電力変換装置とモータとを一体化したとき、装置全体の小型化を図ることも可能となる。
実施の形態1に係わる電力変換装置の構成を示す回路図である。 実施の形態1に係わる制御回路が生成するゲート信号の波形図である。 (A)および(B)は、実施の形態1に係わる電力変換装置における電流経路を説明するための説明図である。 (A)および(B)は、実施の形態1に係わる電力変換装置における電流経路を説明するための説明図である。 (A)および(B)は、実施の形態1に係わる電力変換装置における電流経路を説明するための説明図である。 実施の形態1に係わる電力変換装置における電圧および電流の波形を示す波形図である。 実施の形態1に係わる制御回路が生成するゲート信号の波形図である。 実施の形態2に係わる制御回路が生成するゲート信号の波形図である。 (A)および(B)は、実施の形態2に係わる電力変換装置における電流経路を説明するための説明図である。 (A)および(B)は、実施の形態2に係わる電力変換装置における電流経路を説明するための説明図である。 (A)および(B)は、実施の形態2に係わる電力変換装置における電流経路を説明するための説明図である。 実施の形態3に係わる電力変換装置の動作を示すフローチャート図である。 実施の形態3に係わる電力変換装置を説明するための図である。 実施の形態4に係わるモータシステムの構成を示すブロック図である。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でも良い。
さらに、以下の実施の形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。同様に、以下の実施の形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に明らかにそうでないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、上記数値および範囲についても同様である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は原則として省略する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係わる電力変換装置の構成を示す回路図である。図1において、100は電力変換装置を示している。電力変換装置100は、第一DCリンクコンデンサ101と、第二DCリンクコンデンサ102と、三相ブリッジ103と、補助回路108と、制御回路112とを備えている。第一DCリンクコンデンサ101および第二DCリンクコンデンサ102は、以下、単にDCリンクコンデンサ101おとび102と称する。
三相ブリッジ103は、6個の半導体スイッチQ1~Q6で構成されている。図1では、半導体スイッチQ1、Q3およびQ5が、三相ブリッジ103の上アームのスイッチを構成し、半導体スイッチQ2、Q4およびQ6が、三相ブリッジ103の下アームのスイッチを構成している。また、半導体スイッチQ1とQ2とによってU相のレグが構成され、半導体スイッチQ3とQ4とによってV相のレグが構成され、半導体スイッチQ5とQ6とによってW相のレグが構成されている。
図1において、LDVおよびLDGは、図示しない直流電力源から直流電圧が供給される一対の配線を示している。U相のレグを構成する半導体スイッチQ1とQ2の電流経路が、配線LDVとLDGとの間で直列となるように、半導体スイッチQ1、Q2は直列接続されており、半導体スイッチQ1とQ2の接続部BUCが、U相の中点に相当する。V相のレグを構成する半導体スイッチQ3、Q4と、W相のレグを構成する半導体スイッチQ5、Q6についても、U相のレグを構成する半導体スイッチQ1、Q2と同様に、配線LDVとLDGの間で直列接続されている。半導体スイッチQ3とQ4とを接続する接続部BVCがV相の中点に相当し、半導体スイッチQ5とQ6とを接続する接続部BWCがW相の中点に相当する。
補助回路108は、インダクタ104と、ハーフブリッジ105と、三相ダイオードブリッジ107とを備えている。三相ダイオードブリッジ107は、6個のダイオード106up~106wnを備えている。6個のダイオードのうち、ダイオード106upと106unがU相に対向し、ダイオード106vpと106vnがV相に対向し、ダイオード106wpと106wnがW相に対向している。
U相に対向したダイオード106upと106unを例にして述べると、一対の出力配線LDC、LDA間にダイオード106upと106unが直列接続されている。ダイオード106upと106unとを接続する接続部DUCが、三相ダイオードブリッジ107のU相の中点に相当し、対向する三相ブリッジ103のU相の中点である接続部BUCに接続されている。V相に対向したダイオード106vp、106vnと、W相に対向したダイオード106wp、106wnについても、U相に対向したダイオード106up、106unと同様に、出力配線LDC、LDA間に直列接続されている。また、接続部DVC、DWCが、三相ダイオードブリッジ107のV相、W相の中点に相当する。
ハーフブリッジ105は、出力配線LDCとLDAとの間で、直列接続された半導体スイッチS1と半導体スイッチS2とを備えている。半導体スイッチS1は、三相ブリッジ103の上アームに対向しており、第1補助スイッチと見なすことができる。また、半導体スイッチS2は、三相ブリッジ103の下アームに対向しており、第2補助スイッチと見なすことができる。半導体スイッチS1とS2との間の接続部HBCが、ハーフブリッジ105の中点に相当する。
DCリンクコンデンサ101と102とは、電圧配線LDVとLDGとの間で、直列接続されており、DCリンクコンデンサ101と102とによって、電圧配線LDV、LDGに供給される直流電圧を分圧する分圧回路が構成されている。DCリンクコンデンサ101と102との間の接続部DDCから、分圧により生成された分圧電圧が出力される。すなわち、接続部DDCが、分圧電圧が出力される分圧電圧の点あるいはDCリンクコンデンサ101と102により構成された分圧回路の中点に該当する。
補助回路108が備えるインダクタ104は、接続部HBCとDDCとの間に接続されている。
実施の形態1においては、三相ブリッジ103を構成する半導体スイッチQ1~Q6に、スナバコンデンサ109q1~109q6と逆並列ダイオード111d1~111d6とが並列に設けられている。半導体スイッチQ1を例にして述べると、半導体スイッチQ1の電流経路とスナバコンデンサ109q1と逆並列ダイオード111d1とが並列になるように、スナバコンデンサ109q1と逆並列ダイオード111d1が、半導体スイッチQ1に接続されている。スナバコンデンサ109q2~109q6と逆並列ダイオード111d2~111d6も、同様に、半導体スイッチQ2~Q6に接続されている。同様に、半導体スイッチS1およびS2についても、その電流経路と並列となるように、ダイオードが半導体スイッチS1、S2と接続されている。
電力変換装置100には、DCリンクコンデンサ101、102が接続された電圧配線LDV、LDGに、図示しないDCリンク部の直流電力源から直流電圧が供給される。電力変換装置100は、供給された直流電圧を、三相ブリッジ103で三相交流電圧に変換し、各相の中点に接続された出力端子110u~110wに出力する。出力端子110u~110wには、図示しないモータ等の負荷が接続される。
前記したように、三相ブリッジ103の各相中点、すなわち三相ブリッジ103の出力は、補助回路108の三相ダイオードブリッジ107の各相中点と接続され、三相ダイオードブリッジ107の出力は、半導体スイッチS1、S2を介してハーフブリッジ105の中点に接続されている。ハーフブリッジ105の中点には、インダクタ104の一方の端子が接続され、インダクタ104の他方の端子は、DCリンクコンデンサ101、102により構成された分圧回路の中点に接続されている。
制御回路112は、三相ブリッジ103が備える半導体スイッチQ1~Q6を駆動するゲート信号QGと、ハーフブリッジ105が備える半導体スイッチS1およびS2を駆動するゲート信号SGとを生成する。
実施の形態1に係わる補助回路108は、図1に示すように、2個の半導体スイッチS1、S2と、インダクタ104と、6個のダイオード106up~106wnとによって構成されている。言い換えるならば、追加部品として、2個の半導体スイッチと1個のインダクタと6個のダイオードとを追加することにより、補助回路108を構成することが可能である。これらの追加部品のうち、インダクタおよびダイオードは受動素子であるため、インダクタおよびダイオードを制御する制御部は必要とされない。そのため、ダイオード等の受動素子を追加しても、電力変換装置100が大型化するのを抑制することが可能である。これに対して、特許文献1においては、各相に対して1個のインダクタと2個の半導体スイッチが必要とされ、三相のインバータ装置では、前記したように3個のインダクタと6個の半導体スイッチが必要とされる。さらに特許文献1に記載の技術では、6個の半導体スイッチを制御する制御部も必要とされる。したがって、実施の形態1に係わる電力変換装置100は、特許文献1に記載のものに比べて、構成が簡素となり、小型化することが可能である。また、電力変換装置100のコストが上昇するのを抑制することも可能である。
半導体スイッチQ1~Q6、S1およびS2は、IGBTあるいはMOSFET等によって構成することができる。図1では、制御回路112が、半導体スイッチQ1~Q6を制御するゲート信号QGと、半導体スイッチS1、S2を制御するゲート信号SGを形成する例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、ゲート信号QGとゲート信号SGは、別々の制御回路によって形成するようにしてもよい。
なお、図1において、ndおよびnsは、IGBTあるいはMOSFET等の端子を示し、Q1-Iは、半導体スイッチQ1を流れる電流を示している。端子ndは、例えばMOSFETのドレイン端子を示し、端子nsは、MOSFETのソース端子を示す。また、電流Q1-Iは、MOSFETの電流経路(ドレイン-ソース電流経路)を流れる電流と、逆並列ダイオード111d1を流れる電流と、スナバコンデンサ109q1を流れる電流の合成電流を示している。図1では、半導体スイッチQ1についてのみ、端子nd、ndおよび電流Q1-Iが明示されているが、他の半導体スイッチQ2~Q6についても、同様である。端子nd、nsおよび電流Q1-Iについては、後で図6を説明する際に用いるので、ここでは説明を省略する。
なお、半導体スイッチと、半導体スイッチの電流経路に対して並列的に接続されたスナバコンデンサおよび逆並列ダイオードとを含めて、単にスイッチと見なしてもよい。
<半導体スイッチのゲート信号>
図2は、実施の形態1に係わる制御回路が生成するゲート信号の波形図である。図2において、Vsawは、PWMキャリア信号を示している。図2では、PWMキャリア信号Vsawの電圧は、鋸波状に変化し、ピーク電圧に到達すると、極性が反転して、再び鋸波状に変化する。制御回路112は、PWMキャリア信号Vsawと所定の信号とを比較することにより、ゲート信号QGを形成する。
図1に示したゲート信号QGは、半導体スイッチQ1~Q6に対応したゲート信号Vg_Q1~Vg_Q6を含んでおり、ゲート信号SGは、半導体スイッチS1、S2に対応したゲート信号Vg_S1、Vg_S2を含んでいる。図2において、横軸は時間tを示し、縦軸はPWMキャリア信号Vsaw、ゲート信号Vg_Q1~Vg_Q6、Vg_S2の電圧を示している。
図2には、以下の状態を想定した波形が示されている。本明細書では、図1において、出力端子110u、110v、110wを流れる出力電流の方向が、紙面左側から右側の場合を正とし、紙面右側から左側へ出力電流が流れる方向を負としている。図2には、出力端子110uおよび110vを流れる出力電流の方向が正で、出力端子110wを流れる出力電流の方向が負の場合を想定した状態の波形が示されている。また、図2に示した期間は、PWMキャリア信号Vsawの1周期分である。出力端子を流れる出力電流は、三相交流であるため、周期的に変化するが、PWMキャリア信号Vsawの周期は、出力電流の周期に比べて十分に短い。そのため、以下の説明では、出力端子を流れる出力電流の値は、一定であると考える。このような想定の下、半導体スイッチQ1~Q6およびS1、S2の動作の推移を説明する。
時刻0から時刻t1までの期間Iにおいて、半導体スイッチQ2、Q4、Q6がターンオンした状態で、他の半導体スイッチQ1、Q3、Q5がターンオフした状態になっている。すなわち、三相ブリッジ103の下アームにおける各相の半導体スイッチがオン状態で、上アームにおける各相の半導体スイッチがオフ状態になっている。
制御回路112は、時刻t1において、ゲート信号Vg_S2をハイレベルに変化させることにより、半導体スイッチS2をターンオンさせる。時刻t2において、PWMキャリア信号Vsawが、ピーク値に達し、PWMキャリア信号Vsawのリセットタイミングに到達すると、ゲート信号Vg_Q2、Vg_Q4、Vg_Q6がローレベルに変化し、半導体スイッチQ2、Q4、Q6がターンオフする。そなわち、時刻t1から時刻t2までの期間IIにおいて、制御回路112は、補助回路108内の半導体スイッチS2と下アームの各相の半導体スイッチQ2、Q4、Q6とをオン状態にする。
時刻t2から時刻t3までの期間IIIは、上アームにおける半導体スイッチQ1、Q3、Q5と下アームにおける半導体スイッチQ2、Q4、Q6が、ともにオフ状態となるデッドタイム期間である。このデッドタイム期間IIIにおいても、制御回路112は、半導体スイッチS2がオン状態を維持するように、ハイレベルのゲート信号Vg_S2を生成する。
デッドタイム期間IIIが終了する時刻t3において、制御回路112は上アームの各相における半導体スイッチQ1、Q3、Q5がターンオンするように、ゲート信号Vg_Q1、Vg_Q3、Vg_Q5をハイレベルに変化させる。半導体スイッチQ1、Q3、Q5がオン状態となった後、所定の時間経過した時刻t4において、制御回路112は、ゲート信号Vg_S2をローレベルに変化させることにより、半導体スイッチS2をターンオフさせる。すなわち、補助回路108内の半導体スイッチS2は、上アームの各相における半導体スイッチQ1、Q3、Q5がオン状態になった後、時刻t3から時刻t4までの期間IVも、オン状態を維持し、時刻t4のタイミングで、オフ状態となるように、制御される。
図2には示していないが、期間I~期間IVの間、制御回路112は、ハーフブリッジ105を構成する半導体スイッチS1をターンオフの状態に維持する。
以上で、期間I~期間IVまでの一連のスイッチング動作が終了する。次に、スイッチング動作によって、期間I~期間IVの各期間において流れる電流経路を、図を用いて説明する。
<電流経路の状態>
図3~図5は、実施の形態1に係わる電力変換装置における電流経路を説明するための説明図である。図3~図5を用いて説明する電力変換装置100の構成は、図1で説明したものと同じであるため、原則として構成の説明は省略する。また、図3~図5において、矢印付きの破線は、電流の流れる向きと経路を示している。
図2と図3~図5との対応を説明しておくと、図3(A)および(B)は、図2に示した期間Iおよび期間IIにおける電流経路を示しており、図4(A)および(B)は、図2に示した期間IIIにおける電流経路を示している。また、図5(A)および(B)は、図2に示した期間IVにおける電流経路を示している。
図3(A)において、Lrはインダクタ104のインダクタンスを示し、Crはスナバコンデンサ109q1のキャパシタンスを示し、Vdcは直流電力源から電力変換装置100に供給される直流電圧(DCリンク電圧)を示している。実施の形態1においては、スナバコンデンサ109q1~109q6は、同じ値のキャパシタンスを有している。また、Iuは出力端子110uを流れる出力電流を示し、Ivは出力端子110vを流れる出力端子を示し、Iwは出力端子110wを流れる出力電流を示している。
期間Iにおいては、下アームの各相の半導体スイッチQ2、Q4、Q6の全てがオン状態であるため、図3(A)に示すように、出力電流Iu、Iv、Iwは、半導体スイッチQ2、Q4、Q6間を還流している。
期間Iから期間IIに移行する時刻t1において、補助回路108内の半導体スイッチS2がターンオンする。そのため、期間IIにおいては、DCリンクコンデンサ102と、インダクタ104と、ダイオード106un、106vnと、半導体スイッチQ2、Q4と、半導体スイッチS2によってループが形成されることになる。この形成されたループを電流が流れ始める。すなわち、図3(A)に示した電流経路に対して前記したループが追加され、2つの電流経路を出力電流Iu、Iv、Iwは流れることになる。このとき、電流経路にインダクタ104があるため、半導体スイッチS2はゼロ電流スイッチング(ZCS)となる。期間IIにおいては、ダイオード106wnは導通しないため、ダイオード106wnは電流経路とはならない。これは、還流している出力電流が、半導体スイッチQ6については、紙面の上側から下側に向かって流れるため、W相の中点、すなわち図1に示した接続部BWCの電位が、U相およびV相の中点における電位よりも高くなるためである。これにより、ダイオード106wnは逆バイアス状態となり、ダイオード106wnはオフ状態となる。
電流経路をより厳密に述べるならば、半導体スイッチQ2およびQ4を流れる電流にも順番がある。すなわち、半導体スイッチQ2、Q4のうち、大きな出力電流に対応する半導体スイッチから順に電流が流れ始める。これは、電流の大きさによってダイオードの順方向電圧降下が異なるからである。
リンク電圧Vdcは、DCリンクコンデンサ101、102によって構成された分圧回路によって分圧される。実施の形態1においては、リンクコンデンサ101と102は、等しいキャパシタンスである。そのため、分圧電圧点DDC(図1)における分圧電圧は、DCリンク電圧Vdcの約1/2となる。これにより、インダクタ104には、約1/2のDCリンク電圧Vdcが印加されることになり、インダクタ104を流れるインダクタ電流は、直線的に増加することになる。
時刻t2において、インダクタ104を流れるインダクタ電流が、半導体スイッチQ6を流れる出力電流と等しくなると、三相ブリッジ103(図1)の下アームを構成する半導体スイッチQ2、Q4およびQ6の全てがターンオフする。このとき、半導体スイッチQ2、Q4およびQ6の両端間の電圧、すなわち、これらの半導体スイッチのソース端子-ドレイン端子間の電圧は、並列に接続されたスナバコンデンサ109q2、109q4および109q6(図1)によって、遅れて上昇する。そのため、時刻t2において、半導体スイッチQ2、Q4およびQ6の両端子の電圧が0Vの状態で、電流を遮断することができるため、下アームを構成する半導体スイッチQ2、Q4およびQ6のターンオフは、ZVS動作となる。
なお、図3(B)において、Vq1は、半導体スイッチQ1のソース端子とドレイン端子間の電圧(以下、「端子間電圧」と呼ぶ)を示し、Iq1は、半導体スイッチQ1、スナバコンデンサ109q1および逆並列ダイオード111d1を流れる合成電流を示している。
期間IIIは、2つの連続した期間III-1とIII-2によって構成されている。図4においては、先の期間III-1における電流経路が図4(A)に示されており、後の期間III-2における電流経路が図4(B)に示されている。
時刻t2において、三相ブリッジ103の下アームにおける全ての半導体スイッチがターンオフする。そのため、時刻t2の後の期間III-1においては、図4(A)に示すように、インダクタ104を流れているインダクタ電流は、三相ブリッジ103を構成する半導体スイッチに接続されたスナバコンデンサ109q1~109q6に転流することになる。この場合、インダクタ104は、スナバコンデンサと直列接続されることになるため、LC直列共振回路が構成されることになり、LC直列共振が開始することになる。
LC直列共振が開始することにより、スナバコンデンサ109q1~109q6には、図4(A)に矢印付きの破線で示す方向の電流が流れることになる。すなわち、三相ブリッジ103の上アームを構成する半導体スイッチQ1、Q3、Q5に接続されているスナバコンデンサ109q1、109q3、109q5においては、放電を行う方向(負方向)の電流が流れることになる。これに対して、三相ブリッジ103の下アームを構成する半導体スイッチQ2、Q4、Q6に接続されているスナバコンデンサ109q2、109q4、109q6には、充電を行う方向(正方向)の電流が流れることになる。
期間III-2において、上アームのスナバコンデンサ109q1、109q3、109q5の放電が終了する。これにより、上アームの半導体スイッチQ1、Q3、Q5のそれぞれの端子間電圧は、実質的に0Vとなり、上アームの半導体スイッチQ1、Q3、Q5に接続された逆並列ダイオード111d1、111d3、111d5(図1)に電流が転流する。このとき、すなわち図2に示した時刻t3において、ゲート信号Vg_Q1、Vg_Q3をハイレベルに変化させることにより、半導体スイッチQ1、Q3をターンオンさせる。この場合、半導体スイッチQ1、Q3は、端子間電圧が実質的に0Vとなっているため、半導体スイッチQ1、Q3は、ZVS動作でターンオンすることになる。なお、このとき、半導体スイッチQ5については、対応する出力電流Iwの極性が、他相の出力電流Iu、Ivと異なるため、自動的に電流が転流することになる。
期間IIIに続く期間IVは、2つの連続する期間IV-1とIV-2によって構成されている。先の期間IV-1における電流経路が、図5(A)に示され、後の期間IV-2における電流経路が、図5(B)に示されている。
期間IIIにおける半導体スイッチのスイッチング動作により、期間IV-1においては、インダクタ104に印加される約1/2のDCリンク電圧Vdcの極性が、期間IIのときとは逆極性となる。すなわち、期間IV-1においても、期間IIのときと同様に、約1/2のDCリンク電圧Vdcが、インダクタ104に印加されるが、印加される電圧の極性は、期間IIのときとは異なっている。これにより、期間IV-1において、インダクタ104を流れるインダクタ電流は、増加するのではなく、直線的に減少することになる。
インダクタ104を流れるインダクタ電流が減少し、図2に示した時刻t4までに、インダクタ電流は実質的に0Aになる。インダクタ電流が実質的に0Aになった後で、図2に示したように、ゲート信号Vg_S2をローレベルに変化させ、ハーフブリッジ105(図1)を構成する半導体スイッチS2をターンオフさせる。これにより、半導体スイッチS2は、その電流経路を流れる電流が、実質的に0Aのときに、ターンオフすることになり、ゼロ電流スイッチング(ZCS)することになる。ZSC動作では、電流経路を流れる電流が実質的に0Aのときに、半導体スイッチがターンオフまたはターンオンするように動作させる。これにより、ZCS動作の場合も、ZVS動作と同様に、ソフトスイッチングを行うことが可能である。
期間IV-2においては、上アームを構成する半導体スイッチQ1、Q3、Q5がターンオン状態となり、下アームを構成する半導体スイッチQ2、Q4、Q6がターンオフ状態となる。この期間においては、出力電流Iu、Iv、Iwが、上アームを構成する半導体スイッチQ1、Q3、Q5を還流する状態となり、一連のスイッチング動作が終了する。
<スイッチング動作時の電圧、電流波形>
図6は、実施の形態1に係わる電力変換装置における電圧および電流の波形を示す波形図である。ここでは、図1に示した三相ブリッジ103の上アームの半導体スイッチQ1を、代表例として説明するが、半導体スイッチQ3についても、動作は半導体スイッチQ1と同様である。
図6において、符号nd-nsは、図1に示した端子ndと端子ns間の端子間電圧を示し、符号Q1-Iは、図1に示した半導体スイッチQ1を流れる電流を示している。図1において説明したように、電流Q1-Iは、MOSFETの電流経路を流れる電流と、逆並列ダイオードおよびスナバコンデンサを流れる電流の合成電流を示している。
また、符号Vg_PAは、三相ブリッジ103の上アームを構成する半導体スイッチのゲート信号を示し、符号Vg_NAは、三相ブリッジ103の下アームを構成する半導体スイッチのゲート信号を示している。すなわち、ゲート信号VG_PAは、図2に示したゲート信号Vg_Q1、Vg_Q3、Vg_Q5に相当し、ゲート信号VG_NAは、図2に示したゲート信号Vg_Q2、Vg_Q4、Vg_Q6に相当する。
図2で説明したように、時刻t1において、半導体スイッチS2がターンオンされる。これにより、インダクタ104の他方の端子は、DCリンクコンデンサ101と102との間の接続部に接続されるとともに、インダクタ104の一方の端子は、半導体スイッチS2、ダイオード106un、106vnおよび半導体スイッチQ2、Q4を介して配線LDGに接続される。その結果、インダクタ104の両端子間には、DCリンク電圧Vdcの約1/2の電圧が印加されることになる。これにより、インダクタ104を流れるインダクタ電流104Iは、図6に示すように、期間IIにおいて、直線的に増加する。
時刻t2において、下アームを構成する半導体スイッチがターンオフすることで、インダクタ電流104Iが、スナバコンデンサ109q1~109q6のそれぞれに転流し、インダクタ104とスナバコンデンサ109q1~109q6とを含むLC直列共振回路においてLC直列共振の動作が開始する。その結果、インダクタ電流104Iは、図6に示すように、期間IIIにおいて、正弦波状に変化する。このとき、図4(A)で説明しように、半導体スイッチQ1に接続されたスナバコンデンサ109q1においては、放電を行う負方向の電流Q1-Iが流れ、半導体スイッチQ1の端子間電圧nd-nsは減少する。なお、電流Q1-Iは、インダクタ104とスナバコンデンサ109q1によって定まる共振周波数に従って変化し、期間IIIにおける電流Q1-Iは、インダクタ電流104Iの形状を反転したような波形形状を有することになる。
端子間電圧nd-nsが減少し、時刻t3において実質的に0Vになり、半導体スイッチQ1に接続されている逆並列ダイオード111d1に電流が転流し、LC直列共振が終了する。その後、上アームを構成する半導体スイッチQ1、Q3をターンオンさせることによって、半導体スイッチQ1、Q3は、それぞれの端子間電圧nd-nsが実質的に0Vの状態のときに、ターンオンさせることが可能となる。すなわち、半導体スイッチQ1、Q2を、ZVS動作でターンオンさせることが可能である。
時刻t3からt4の期間IVにおいては、上アームを構成する半導体スイッチがターンオンしているため、インダクタ104の一方の端子は、半導体スイッチS2、ダイオード106un、106vn、106wnおよび上アームの半導体スイッチを介して、配線LDVに接続される。そのため、インダクタ104の両端子間には、逆極性のDCリンク電圧Vdcの約1/2の電圧が印加されることになる。これにより、期間IVにおいて、インダクタ104を流れるインダクタ電流104Iは、図6に示すように、直線的に減少し、0Aになると三相ダイオードブリッジ107を構成するダイオードはオフ状態となる。この後で、ハーフブリッジ105を構成する半導体スイッチS2をターンオフさせる。半導体スイッチS2をターンオフさせるとき、インダクタ電流104Iが、実質的に0Aとなっているため、半導体スイッチS2をZCS動作でターンオフさせることが可能である。このようにして、図3~図5で説明した一連のスイッチング動作が実行される。
期間IIIにおいて、インダクタ電流104Iをスナバコンデンサに転流させるためには、期間IIにおいてインダクタ104に初期電流を流す必要がある。インダクタ104に流す初期電流の条件について、ここで説明する。
時刻t2から、インダクタ電流104Iを各スナバコンデンサに転流させるためには、インダクタ電流104Iの値が、時刻t2までに出力電流の値以上となるようにする必要がある。このために、例えば出力端子110wに流れている出力電流Iwの絶対値をi_wとすると、式(1)のような条件が成立することが要求される。なお、図6においては、出力電流Iwの絶対値i_wが破線401で示されている。
i_Lr=(1/Lr)×∫V_DCdt=(V_DC/2Lr)×T_II≧i_w ・・・式(1)
式(1)において、i_Lrは、インダクタ電流104Iの値を示し、Lrはインダクタ104のインダクタンスを示し、V_DCはDCリンク電圧Vdcの電圧値を示し、T_IIは期間IIの時間を示す。式(1)を整理すると、期間IIの時間T_IIは、式(2)のような条件を満たせば良いことがわかる。
T_II≧2Lr×i_w/V_DC ・・・式(2)
したがって、半導体スイッチS2をターンオンする時刻t1は、出力電流の大きさによって、式(2)を満足するように決定すればよい。言い換えるならば、半導体スイッチS2をターンオンする時刻t1は、出力電流の大きさに依存して、変更することが望ましい。
<電流極性反転>
次に、図1に示した出力端子110u、110v、110wを流れる電流が反転したときを説明する。すなわち、図1では、出力端子110u、110v、110wを流れる電流の向きが、“正”、“正”、“負”の場合を説明したが、ここでは、出力端子110u、110v、110wを流れる電流の向きが、“負”、“負”、“正”の場合を説明する。
図7は、実施の形態1に係わる制御回路が生成するゲート信号の波形図である。図7には、図2で説明した電流が反転した状態が示されている。また、図7において、符号Vg_S1は、ハーフブリッジ105を構成する半導体スイッチS1を制御するゲート信号を示している。
実施の形態1においては、3相の出力電流Iu、Iv、Iwのうち、同じ方向に流れていた2相の出力電流の方向が反転した場合、PWMキャリア信号Vsawの鋸波の極性が、図7に示すように反転する。すなわち、例えば期間I~IIを見た場合、図2では、PWMキャリア信号Vsawの波形は、上昇するように変化するのに対して、図7では、期間I~IIに対応する期間I’~II’のとき、PWMキャリア信号Vsawの波形は、下降するように変化する。
図7において、期間I’の時刻t1’直前では、制御回路112は、ゲート信号Vg_Q1、Vg_Q3、Vg_Q5をハイレベルにしている。これにより、三相ブリッジ103の上アームを構成する半導体スイッチQ1、Q3、Q5は、期間I’においてターンオン状態となっている。また、制御回路112は、時刻t1’において、ゲート信号Vg_S1をハイレベルに変化させる。これにより、ハーフブリッジ105を構成する半導体スイッチS1がターンオンし、期間I’に続く期間II’においては、半導体スイッチQ1、Q3、Q5およびS1が、ターンオンした状態となる。
時刻t2’において、PWMキャリア信号Vsawがピークに達し、時刻t2’がPWMキャリア信号Vsawのリセットタイミングとなる。このリセットタイミングになると、制御回路112は、上アームの半導体スイッチQ1、Q3、Q5がターンオフするように、対応するゲート信号をローレベルに変化させる。時刻t2’から時刻t3’までの期間III’、制御回路112は、上アームの半導体スイッチおよび下アームの半導体スイッチがターンオフ状態となるように、これらの半導体スイッチに対応するゲート信号をローレベルに維持する。これにより、期間III’は、デッドタイム期間となる。制御回路112は、時刻t2’から時刻t3’までの期間III’においても、ハーフブリッジ105を構成する半導体スイッチS1がターンオン状態を維持するように、ゲート信号Vg_S1をハイレベルに維持する。
次に、時刻t3’において、制御回路112は、ゲート信号Vg_Q2、Vg_Q4、Vg_Q6をハイレベルに変化させる。これにより、下アームを構成する半導体スイッチQ2、Q4、Q6が、時刻t3’でターンオンする。一方、制御回路112は、時刻t4’まで、ゲート信号Vg_S1をハイレベルに維持する。その結果、時刻t4’において、半導体スイッチS1はターンオフし、半導体スイッチQ2、Q4、Q6はターンオン状態を維持することになる。
以上の動作は、図2で説明した動作の電流極性を反転させたものであり、動作原理は、図2と同じである。すなわち、半導体スイッチQ1、Q3、Q5をターンオフさせるときには、これらの半導体スイッチをZVS動作でターンオフさせることが可能である。また、半導体スイッチQ2、Q4、Q6をターンオンさせるときには、半導体スイッチQ2、Q4を、ZVS動作でターンオンさせることが可能である。さらに、半導体スイッチS1は、ZCS動作でターンオンおよびターンオフを行うことが可能である。
実施の形態1によれば、ターンオンについては、三相ブリッジを構成する半導体スイッチのうち2相の半導体スイッチを、ZVS動作でターンオンさせることが可能である。また、ターンオフについては、3相の半導体スイッチをZVS動作でターンオフさせることが可能である。さらに、補助回路を構成する半導体スイッチS1、S2は、ZCS動作でターンオンおよびターンオフを行うことが可能である。これにより、半導体スイッチのターンオンおよびターンオフに伴うスイッチング損失の低減を図ることが可能となる。また、電力変換装置の回路構成を簡素にすることが可能であるため、電力変換装置の小型化を図ることが可能である。さらに、スイッチング損失の低減を図ることが可能であるため、冷却器の小型化あるいは冷却器の設置を不要とすることが可能であり、電力変換装置の更なる小型化が可能である。また、スイッチング時に生じるノイズを低減することが可能である。
ターンオンに関しては、特定の1相の半導体スイッチは、ソフトスイッチング動作ではなく、ハードスイッチング動作でターンオンを行う。すなわち、それが出力する出力電流の極性が、他の2相の出力電流の極性と異なる半導体スイッチは、ハードスイッチング動作で、ターンオンする。図2および図7の例では、出力電流Iwの極性が、他の出力電流Iu、Ivと異なっている。この出力電流Iwは、W相の半導体スイッチQ6から出力されるため、半導体スイッチQ6は、ターンオンするとき、ハードスイッチング動作をする。一方、同じW相の半導体スイッチQ5は、対応するゲート信号Vg_Q5をハイレベルに変化させなくても、ソフトスイッチング動作でターンオンする。そのため、図2に示したように、時刻t3において、ゲート信号Vg_Q5をハイレベルに変化させる必要は無い。しかしながら、ゲート信号Vg_Q5をハイレベルにすることにより、半導体スイッチQ5を構成するMOSFETの内部インピーダンスの低減を図ることが可能である。そのため、半導体スイッチにMOSFETを使用する場合には図2に示すように、時刻t3において、ゲート信号Vg_Q5もハイレベルに変化させることが望ましい。
図2では、出力電流Iu、Iv、Iwの極性が”正”、”正”、”負”の場合を説明した。この場合、三相ブリッジ103において、ターンオフする半導体スイッチは、Q2、Q4、Q6であった。これに対して、図7では、出力電流Iu、Iv、Iwの極性が、図2の場合に対して反転し、“負”、“負”、“正”の場合を説明したが、この場合には、三相ブリッジ103において、ターンオフする半導体スイッチは、Q1、Q3、Q5である。このように、実施の形態1に係わる電力変換装置100においては、三相ブリッジ103からの出力電流の極性に応じて、PWMキャリア信号Vsawのリセットタイミングでターンオフする半導体スイッチが切り替わる。
(実施の形態2)
実施の形態1では、三相ブリッジ103を構成する半導体スイッチをターンオンさせるときに、2相分の半導体スイッチを、ソフトスイッチング動作させる構成を示した。これに対して、実施の形態2においては、三相ブリッジ103を構成する半導体スイッチをターンオンさせるときに、1相分の半導体スイッチを、ソフトスイッチング動作させる構成が示される。図8は、実施の形態2に係わる制御回路が生成するゲート信号の波形図である。実施の形態2に係わる電力変換装置の構成は、実施の形態1と同じである。そのため、以下の説明において、電力変換装置の構成を述べる場合には、例えば図1を参照する。
図8には、図7と同様に、PWMキャリア信号Vsaw、ゲート信号Vg_Q1~Vg_Q6およびゲート信号Vg_S1(電圧)が示されている。図8には、電力変換装置100からの出力電流の極性が、図1の場合と同様な状態になっているときの各電圧が示されている。すなわち、図8に示されている電圧波形は、出力電流IuおよびIvの両方が、“正”で、出力電流Iwが、“負”のときの電圧波形である。
実施の形態1の図2においては、上アームの半導体スイッチQ1、Q3が、ZVS動作でターンオンしたが、図8では、下アームの半導体スイッチQ6が、ZVS動作でターンオンする。このように、半導体スイッチQ6をZVS動作でターンオンさせるための条件および各半導体スイッチの動作を説明する。
図2と図8の相異点として、PWMキャリア信号Vsawである鋸波の極性が反転している。これにより、時刻t2において、ターンオフする三相ブリッジの半導体スイッチを、下アームから上アームに切り替えている。すなわち、図2では、時刻t2において、下アームを構成する半導体スイッチQ2、Q4、Q6がターンオフしていたが、図8では、時刻t2において、上アームを構成する半導体スイッチQ1、Q3、Q5がターンオフする。
制御回路112は、期間Iの時刻t1直前では、上アームを構成する半導体スイッチQ1、Q3、Q5がターンオン状態となるように、ゲート信号Vg_Q1、Vg_Q3、Vg_Q5によって、これらの半導体スイッチを制御している。また、制御回路112は、時刻t1直前までは、他の半導体スイッチQ2、Q4、Q6およびS1がターンオフ状態となるように、これらの半導体スイッチを制御している。すなわち、時刻t1の直前では、三相ブリッジの上アームの各相を構成する半導体スイッチQ1、Q3、Q5の全てをオン状態とし、下アームの各相を構成する半導体スイッチQ2、Q4、Q6および半導体スイッチS1をオフ状態にしている。
時刻t1において、制御回路112は、ハーフブリッジ105内の半導体スイッチS1をターンオンさせ、時刻t1から時刻t2まの期間IIの間、半導体スイッチQ1、Q3、Q5およびS1をオン状態に維持する。
時刻t2において、PWMキャリア信号Vsawがリセットタイミングに到達すると、制御回路112は、半導体スイッチQ1、Q3、Q5をターンオフさせる。時刻t2から時刻t3までの期間IIIは、デッドタイム期間である。実施の形態1と同様に、このデッドタイム期間においても、ハーフブリッジ105内の半導体スイッチS1はオン状態を維持するように、制御回路112によって制御されている。
次に時刻t3において、三相ブリッジ103の下アームを構成する半導体スイッチQ2、Q4、Q6が、ゲート信号Vg_Q2、Vg_Q4、Vg_Q6によってターンオンされる。これにより、半導体スイッチQ2、Q4、Q6およびS1が、期間IVにおいてオン状態に維持される。
さらに、時刻t4において、半導体スイッチS1は、制御回路112によってターンオフされる。半導体スイッチQ2、Q4、Q6はオン状態が維持されるように、制御回路112によって制御される。
<電流経路の状態>
図9~図11は、実施の形態2に係わる電力変換装置における電流経路を説明するための説明図である。図9~図11を用いて説明する電力変換装置100の構成は、図1で説明したものと同じであるため、原則として構成の説明は省略する。また、図9~図11において、矢印付きの破線は、電流の流れる方向と経路を示している。
図9(A)には、図8に示した期間Iのときの電流経路が示され、図9(B)には、図8に示した期間IIのときの電流経路が示されている。図8に示した期間IIIは、連続した2つの期間III-1とIII-2に分けられ、期間III-1のときの電流経路が、図10(A)に示され、期間III-2のときの電流経路が、図10(B)に示されている。また、図8に示した期間IVも、連続した2つの期間IV-1とIV-2に分けられ、期間IV-1のときの電流経路が、図11(A)に示され、期間IV-2のときの電流経路が、図11(B)に示されている。
期間Iの時刻t1直前では、三相ブリッジ103の上アームを構成する半導体スイッチQ1、Q3、Q5が全てオン状態となっているため、図9(A)において矢印付き破線で示すように、出力電流Iu、Iv、Iwは、半導体スイッチQ1、Q3、Q5間を還流している。時刻t1に到達すると、期間Iから期間IIへ移行する。このとき、ハーフブリッジ105内の半導体スイッチS1がターンオンする。半導体スイッチS1がターンオンすることにより、期間IIにおいては、DCリンクコンデンサ101、インダクタ104、ダイオード106wpおよび半導体スイッチQ5によってループが形成され、このループを電流が流れ始める。この場合、図9(B)に示すように、期間Iで形成された電流経路、すなわち半導体スイッチQ1、Q3、Q5間を電流が還流する電流経路に、期間IIで形成されたループによる電流経路が追加される。
なお、期間IIにおいて、ダイオード106upおよび106vpは導通しない。これは、図3(B)で説明したダイオード106wnと同様に、中点である接続部DUC、DVCの電位が、出力配線LDCにおける電位に比べて低くなるためである。
半導体スイッチS1がオン状態となるため、インダクタ104の両端子間には、DCリンク電圧Vdcの約1/2の電圧が印加されるため、インダクタ104を流れるインダクタ電流は、直線的に増加する。このときのインダクタ電流の増加は、図3(B)のときとは逆極性の電流が増加する。
時刻t2で、インダクタ104を流れるインダクタ電流が、半導体スイッチQ5を流れる電流と等しくなり、その後三相ブリッジ103の上アームを構成する半導体スイッチQ1、Q3、Q5の全てが、ターンオフされる。半導体スイッチQ1、Q3、Q5の全てを、ターンオフさせるとき、半導体スイッチQ1、Q3、Q5の端子に接続された各スナバコンデンサによって、半導体スイッチの端子間電圧nd-ns(図1)の上昇が遅れるため、ZVS動作で、半導体スイッチQ1、Q3、Q5を、ターンオフさせることが可能である。
上アームを構成する半導体スイッチQ1、Q3、Q5がオフ状態となったため、期間III-1においては、インダクタ104に流れていたインダクタ電流が、三相ブリッジ103を構成する半導体スイッチに接続されているスナバコンデンサ109q1~109q6に転流し、LC直列共振が開始する。これにより、上アームを構成する半導体スイッチQ1、Q3、Q5のスナバコンデンサ109q1、109q3、109q5および下アームを構成する半導体スイッチQ2、Q4、Q6のスナバコンデンサ109q2、109q4、109q6に、図10(A)において矢印で示す方向の電流が流れる。すなわち、スナバコンデンサ109q1、109q3、109q5のそれぞれには、スナバコンデンサを充電する方向の電流が流れ、スナバコンデンサ109q2、109q4、109q6のそれぞれには、スナバコンデンサを放電する方向の電流が流れる。
図10(B)に示した期間III-2においては、下アームのスナバコンデンサ109q2、109q4、109q6の放電が終了し、半導体スイッチQ2、Q4、Q6の両端子nd、nsの電圧が0Vになり、逆並列ダイオード111d2、111d4、111d6に電流が転流する。期間III-2の時刻t3において、半導体スイッチQ6をターンオンさせることにより、半導体スイッチQ6の両端子nd、nsの電圧が0Vの状態のときに、半導体スイッチQ6をターンオンさせることが可能であり、ZVS動作でターンオンさせることが可能となる。なお、この時半導体スイッチQ2、Q4については自動的に電流が転流する。
図11(A)に示す期間IV-1では、期間IIIにおけるスイッチング動作によって、インダクタ104の両端子間に、期間IIのときとは逆極性のDCリンク電圧Vdcの約1/2が印加される。そのため、インダクタ104を流れるインダクタ電流は直線的に減少する。時刻t4で、インダクタ電流が0Aになった後、半導体スイッチS1をターンオフする。この時、インダクタ電流が0Aとなっているため、半導体スイッチS1は、それを流れる電流が0Aのときに、ターンオフすることになり、ZCS動作でターンオフすることが可能となる。
図11(B)に示す期間IV-2では、出力電流Iu、Iv、Iwが、下アームを構成する半導体スイッチQ2、Q4、Q6間を還流するモードとなり、一連のスイッチング動作が終了する。
実施の形態2は、実施の形態1と異なり、1相の半導体スイッチがZVS動作でターンオンすることができる。また、ターンオフについては実施の形態1と同様に3相の各半導体スイッチが、ZVS動作でターンオフすることができる。また、実施の形態1と同様に補助回路108の各半導体スイッチはZCS動作でターンオンおよびターンオフできる。
このように、実施の形態2に係わる電力変換装置100においても、ターンオンおよびターンオフをソフトスイッチング動作で行うことが可能であるため、ターンオンおよびターンオフに伴うスイッチング損失を低減し、ノイズの発生を低減することが可能な電力変換装置を、簡素な構成で実現することが可能である。
実施の形態2においては、出力電流の極性が他相と一致する2相についてはハードスイッチング動作となる。具体的に述べると、図9に示すように、出力電流IuとIvの極性は同じで、出力電流Iwの極性は、出力電流Iu、Ivと異なっている。この2つの出力電流Iu、Ivを出力する半導体スイッチQ1およびQ3が、ハードスイッチング動作でターンオンすることになる。しかしながら、2相に対して極性が異なる出力電流Iwの絶対値は、他相を流れる電流の値よりも大きくなる。そのため、実施の形態2で述べたように動作させることにより、出力電流Iwに対応する半導体スイッチQ5において、局所的に大きな発熱が発生するのを抑制することが可能であり、熱源を分散することが可能である。
図1に示した電力変換装置100を、実施の形態1で説明したように動作させるか、実施の形態2で説明したように動作させるかは、制御回路112の動作を変更することにより、決めることが可能である。そのため、例えば電力変換装置100の周囲温度または/および半導体スイッチの温度が高い場合、実施の形態2で説明した動作が、電力変換装置100において実行されるように制御回路112の動作を変更することで、局所的な発熱を抑制することが可能である。これにより、電力変換装置100の信頼性の向上を期待することができる。
実施の形態1においては、三相ブリッジ103において、ターンオンの際にソフトスイッチング動作させる半導体スイッチが、2つの半導体スイッチQ1、Q3である。これに対して、実施の形態2においては、ターンオンの際にソフトスイッチング動作させる半導体スイッチが、1つの半導体スイッチQ6である。また、前記したように、電力変換装置100の周囲温度または/および半導体スイッチの温度が高い場合には、実施の形態2を利用することが望ましい。そのため、見方を変えると、ソフトスイッチング動作の対象とする半導体スイッチが、電力変換装置100の周囲温度または/および半導体スイッチの温度によって決定されると見なすことが可能である。
(実施の形態3)
図1に示した電力変換装置100の出力端子110u、110v、110wには、図示しないモータ等の負荷が接続される、負荷は変動するため、電力変換装置100は、負荷変動に応じた出力電流を負荷に供給することになる。
負荷が、比較的軽い軽負荷時においては、電力変換装置100から負荷に対して供給する出力電流は小さくて済む。この場合、三相ブリッジ103等における半導体スイッチがハードスイッチング動作をしても、スイッチング損失は比較的小さく、スイッチング損失による発熱自体も小さくなる。そのため、スイッチング損失低減の必要性はあまり高くない。
実施の形態1および2においては、三相ブリッジ103を構成する半導体スイッチQ1~Q6をスイッチング動作させる前に、補助回路108に含まれるインダクタ104にエネルギーを蓄積し、蓄積されたエネルギーを利用して、各スナバコンデンサの充放電を行うようにしている。半導体スイッチQ1~Q6をスイッチング動作させる前に、各スナバコンデンサの充放電を確実に完了させるために必要な最低限の電流値が存在する。例えば、ごく軽負荷時であれば、各スナバコンデンサを充放電するのに必要な最低限の電流値より、電力変換装置100から負荷に供給する出力電流が小さくなる場合が考えられる。この場合には、各スナバコンデンサを充放電するのに必要な電流によって、かえって電力変換装置100のスイッチング損失を増加させる恐れがある。
実施の形態3においては、軽負荷のとき、補助回路108の動作を停止させることが可能な電力変換装置が提供される。すなわち、負荷に応じて、補助回路108の動作を制御する電力変換装置が提供される。
図12は、実施の形態3に係わる電力変換装置の動作を示すフローチャート図である。実施の形態3に係わる電力変換装置の構成は、図1に示した構成と類似しているので、図1を参照にしながら、本実施の形態に係る電力変換装置100の動作を説明する。実施の形態3においては、制御回路112に予め演算周期と、軽負荷か否かを判定するためのしきい値とが設定される。
制御回路112は、予め設定されている演算周期に基づいて、周期的に、ステップSS0を実行して、演算動作を開始する。ステップSS1においては、現在の負荷電力を算出することにより、負荷電力がモニタされる。例えば、制御回路112は、出力電流Iu、Iv、Iwと、出力端子110u、110v、110wにおける出力電圧を基にして、現在の負荷電力を算出して、負荷電力をモニタする。
次に、制御回路112は、ステップSS2において、算出した負荷電力が、予めしきい値として設定されている所定値以上か否かを判定する。制御回路112は、算出した負荷電力が、所定値以上の場合、ステップSS3を実行し、所定値未満の場合、ステップSS4を実行する。
ステップSS3において、制御回路112は、三相ブリッジ103においてソフトスイッチング動作が実行されるように、補助回路108を駆動する。すなわち、実施の形態1および2において説明したように、制御回路112は、半導体スイッチQ1~Q6およびS1、S2を制御する。これに対して、ステップSS4において。制御回路112は、補助回路108の動作を停止させる。例えば、制御回路112は、補助回路108における半導体スイッチS1、S2が、継続的にオフ状態となるようなゲート信号SGを補助回路108に供給し、半導体スイッチQ1~Q6をスイッチング動作させるゲート信号QGを三相ブリッジ103に供給する。これにより、三相ブリッジ103における半導体スイッチは、ハードスイッチング動作でスイッチングすることになる。
ステップSS3またはSS4において、所定の時間が経過した後、制御回路112は、ステップSS5において補助回路108の制御を終了する。前記したステップSS0~SS5は、制御回路112に設定された演算周期で繰り返される。
図13は、実施の形態3に係わる電力変換装置を説明するための図である。図13には、電力変換装置100の負荷率と補助回路108の動作状態との関係が示されている。図13において、横軸は負荷を表し、縦軸は補助回路108の動作状態を表している。ここで負荷率は、現在の負荷電力と電力変換装置100の定格電力との比(現在の負荷電力/定格電力)である。現在の負荷電力は、前記したように演算により算出し、定格電力は、例えば電力変換装置100を設計したときの設計値である。勿論、比の母数は、定格電力に限定されず、電力変換装置100の最大電力等であってもよい。
制御回路112には、しきい値として、所定の負荷率901が設定されている。これにより、算出した現在の負荷電力に基づく負荷率が、負荷率901以上となる領域では、電力変換装置100は、補助回路108を駆動させるソフトスイッチング動作モード902で動作する。これに対して、算出した現在の負荷電力に基づく負荷率が、負荷率901未満となる領域では、電力変換装置100は、補助回路108を停止させるハードスイッチング動作モード903で動作する。
これにより、軽負荷時において補助回路108が動作することにより電力変換装置100のスイッチング損失が増加するのを抑制し、電力変換装置100の低損失化を図ることが可能である。また、負荷電力の変動に応じて、電力変換装置100の動作モードが、自動的に、ソフトスイッチング動作モード902またはハードスイッチング動作モード903に切り替わる。そのため、負荷電力の変動に応じて、動的にスイッチング損失の低減を図ることが可能である。
補助回路108において、制御回路112が制御する部分は、図1に示したように、ハーフブリッジ105である。そのため、負荷電力に応じて、ハーフブリッジ105の動作が制御されていると見なすこともできる。
(実施の形態4)
図14は、実施の形態4に係わるモータシステムの構成を示すブロック図である。モータシステム1000は、実施の形態1~3で説明した電力変換装置100と、モータ1001と、三相交流電力源1002と、整流回路1003とを備えている。モータ1001は、電力変換装置100の出力端子110u、110v、110wに接続され、電力変換装置100の負荷を構成している。
図14においては、図1に示した三相ブリッジ103と補助回路108と制御回路112とが、1つの回路ブロック1004として示され、DCリンクコンデンサ101、102が、1つのDCリンクコンデンサとして示されている。
配線LDV、LDGは、整流回路1003に接続されている。三相交流電力源1002から出力された三相交流電圧は、整流回路1003によって、直流電圧に変換され、変換により得られた直流電圧は、整流回路1003から配線LDV、LDGに供給される。実施の形態4においては、前記した直流電力源が、三相交流電源1002と整流回路1003とによって構成されている。
図14では、モータと電力変換装置100とが分離しているように描かれているが、実際には、電力変換装置100は、モータ1001と一体となるように、モータ1001外周に設けられる。実施の形態1~3によれば、電力変換装置100を簡素な構成にすることが可能であるため、一体化されたモータ装置(モータと電力変換装置を含む)の小型化を図ることが可能である。さらに、実施の形態1~3によれば、電力変換装置100におけるスイッチング損失を低減することが可能であるため、スイッチング損失による発熱を低減することが可能であるため、冷却器の小型化あるいは冷却器の設置を不要とすることが可能であり、モータ装置の更なる小型化を図ることが可能である。
なお、モータ1001としては、ラジアルギャップ型のモータであっても、アキシャルギャップ型のモータであってもよい。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
100 電力変換装置
101、102 DCリンクコンデンサ
103 三相ブリッジ
104 インダクタ
105 ハーフブリッジ
106up~106wn ダイオード
107 三相ダイオードブリッジ
108 補助回路
109q1~109q6 スナバコンデンサ
110u、110v、110w 出力端子
111d1~111d6 逆並列ダイオード
112 制御回路
Iu、Iv、Iw 出力電流
Q1~Q6、S1、S2 半導体スイッチ
Vg_Q1~Vg_Q6、Vg_S1、Vg_S2 ゲート信号
Vsaw PWMキャリア信号

Claims (8)

  1. 直流電圧から三相交流を出力する三相ブリッジと、
    前記直流電圧を分圧する複数のコンデンサと、
    三相ダイオードブリッジと、インダクタと、前記三相ブリッジの上アームに対向する第1補助スイッチと、前記三相ブリッジの下アームに対向する第2補助スイッチとを備え、前記三相ブリッジの各相の中点と前記複数のコンデンサにより形成された分圧電圧の点との間に接続された補助回路と
    を備え
    前記上アームのスイッチおよび前記下アームのスイッチのそれぞれは、半導体スイッチと、前記半導体スイッチの電流経路に対して並列接続された逆並列ダイオードおよびスナバコンデンサを備え、
    前記複数のコンデンサは、前記直流電圧が供給される一対の電圧配線のそれぞれと前記分圧電圧の点との間に接続されたコンデンサを備え、
    前記三相ダイオードブリッジの入力は、前記三相ブリッジの各相の中点に接続され、前記第1補助スイッチと前記第2補助スイッチは、前記三相ダイオードブリッジの出力間に直列接続され、前記インダクタは、前記第1補助スイッチと前記第2補助スイッチとの間の接続点と、前記分圧電圧の点との間に接続されており、
    前記上アームのスイッチは、前記第2補助スイッチがオン状態となり、前記下アームのスイッチがターンオフした後に、ターンオンする、電力変換装置。
  2. 直流電圧から三相交流を出力する三相ブリッジと、
    前記直流電圧を分圧する複数のコンデンサと、
    三相ダイオードブリッジと、前記三相ブリッジの上アームに対向した第1補助スイッチと前記三相ブリッジの下アームに対向した第2補助スイッチとを備えるハーフブリッジと、インダクタとを備え、前記三相ブリッジの各相中点と前記複数のコンデンサの中点との間に接続された補助回路と
    を備え、
    前記三相ブリッジにおいてターンオフ状態のスイッチは、前記三相ブリッジにおいてターンオン状態のスイッチを備えるアームに対向した前記第1補助スイッチまたは前記第2補助スイッチがオンし、前記三相ブリッジにおいてターンオン状態のスイッチがターンオフした後で、ターンオンし、
    ターンオンした前記第1補助スイッチまたは前記第2補助スイッチは、供給される電流が実質的にゼロになってから、オフし、
    前記第1補助スイッチおよび前記第2補助スイッチがオンするタイミングは、前記三相ブリッジからの出力電流に基づいて設定される、電力変換装置。
  3. 請求項に記載の電力変換装置において、
    前記三相ブリッジからの前記出力電流の極性に応じて、前記三相ブリッジにおいてターンオフさせるスイッチが切り替えられる、電力変換装置。
  4. 請求項に記載の電力変換装置において、
    前記電力変換装置は、前記直流電圧が供給される一対の電圧配線を備え、
    前記複数のコンデンサは、前記一対の電圧配線のそれぞれと、前記複数のコンデンサの中点との間に接続されたコンデンサを備え、
    前記複数のコンデンサの中点は、前記インダクタおよび前記ハーフブリッジを介して、前記三相ブリッジの各相の中点に接続されている、電力変換装置。
  5. 請求項に記載の電力変換装置において、
    前記三相ブリッジを構成するスイッチは、半導体スイッチと、前記半導体スイッチの電流経路に対して並列的に接続された逆並列ダイオードおよびスナバコンデンサを備える、電力変換装置。
  6. 請求項に記載の電力変換装置において、
    前記電力変換装置は、モータ外周に設けられる、電力変換装置。
  7. 直流電圧から三相交流を出力する三相ブリッジと、
    前記直流電圧を分圧する複数のコンデンサと、
    三相ダイオードブリッジと、前記三相ブリッジの上アームに対向した第1補助スイッチと前記三相ブリッジの下アームに対向した第2補助スイッチとを備えるハーフブリッジと、インダクタとを備え、前記三相ブリッジの各相中点と前記複数のコンデンサの中点との間に接続された補助回路と、
    を備え、
    前記三相ブリッジにおいてターンオフ状態のスイッチは、前記三相ブリッジにおいてターンオン状態のスイッチを備えるアームに対向した前記第1補助スイッチまたは前記第2補助スイッチがオンし、前記三相ブリッジにおいてターンオン状態のスイッチがターンオフした後で、ターンオンし、
    前記三相ブリッジが備える前記複数のスイッチのうち、ソフトスイッチングの対象とするスイッチは、温度に基づいて選択される、電力変換装置。
  8. 直流電圧から三相交流を出力する三相ブリッジと、
    前記直流電圧を分圧する複数のコンデンサと、
    三相ダイオードブリッジと、前記三相ブリッジの上アームに対向した第1補助スイッチと前記三相ブリッジの下アームに対向した第2補助スイッチとを備えるハーフブリッジと、インダクタとを備え、前記三相ブリッジの各相中点と前記複数のコンデンサの中点との間に接続された補助回路と、
    を備え、
    前記三相ブリッジにおいてターンオフ状態のスイッチは、前記三相ブリッジにおいてターンオン状態のスイッチを備えるアームに対向した前記第1補助スイッチまたは前記第2補助スイッチがオンし、前記三相ブリッジにおいてターンオン状態のスイッチがターンオフした後で、ターンオンし、
    前記三相ブリッジから出力される電力に応じて、前記ハーフブリッジを駆動または停止させる、電力変換装置。
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