JP2004214538A - 荷電粒子ビーム描画方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】パターンデータの設計データアドレスが描画装置のアドレスの整数倍でない場合においても、パターンデータ量が増大しないようにした荷電粒子ビーム描画方法を実現する。
【解決手段】図4(a)はスケーリング処理がなされていないCADによって作成された描画すべきパターンで、このデータ構造を(b)に示す。このケースの場合、CADデータのアドレス単位は5とされている。ここで、スケーリング値を0.9に設定すると、描画装置用に変換されたデータ構造は、図4(c)に示すように、スケーリング値0.9のデータが付加される。このようにしてスケーリングのためのデータ変換処理を行なったパターンデータは、データ転送回路13に送られ、データの圧縮が解かされ、パターンデータに含まれる各図形に対して、図形のサイズや位置についてスケーリング処理が施される。
【選択図】 図4

Description

【0001】
【発明の属する分野】
本発明は、マスク基板上やシリコンウエハ上に電子ビームやイオンビームによって所望のパターンを描画するようにした荷電粒子ビーム描画方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体デバイスを作成するためのマスクを製作する過程で電子ビーム描画装置が用いられている。この一例として、被描画材料に照射される電子ビームの断面形状を変えながら電子ビームを偏向して所望のパターンの描画を行うようにした可変面積型電子ビーム描画装置では、電子銃から発生した電子ビームを矩形の開口を有した第1のアパーチャに照射し、第1のアパーチャを透過した電子ビームを矩形の開口を有した第2のアパーチャに照射するようにしている。
【0003】
この第1のアパーチャと第2のアパーチャとの間に成形偏向器を配置し、第1のアパーチャを透過した電子ビームを偏向することにより、任意の断面積の電子ビームを成形することができる。この成形された電子ビームを被描画材料に照射すると共に、位置決め偏向器で電子ビームを任意に偏向することにより、被描画材料上で任意のパターンを描画することができる。
【0004】
なお、成形された電子ビームを偏向する場合、偏向角が大きくなると偏向歪が無視できなくなる。そのため、描画領域を電子ビームの偏向歪が無視できる程度の範囲(フィールド)に分割し、フィールド単位で被描画材料を移動させ、フィールドごとに所望パターンの描画を行うようにしている。
【0005】
さて、電子ビーム描画の分野では、最初に描画すべきマスクパターンの如きパターンをCADによって作成し、パターンデータをCADデータフォーマットから電子ビーム描画装置用のパターンデータフォーマットに変換するようにしている。なお、CADによって設計されるパターンの基準となるサイズの最小単位は、パターン設計時のデバイスの性能やデバイス製造過程の各製造装置の精度等によって決められる。
【0006】
ところで、前記描画パターンの基準となるサイズの最小単位は、デバイスの性能をより向上させるため、あるいは、デバイス製造過程で使用される各種製造装置の精度の向上により、より小さくすることが望まれている。その理由は、基準サイズの最小単位を小さくすることにより、1枚のウェハから得られるデバイスの数がより多くなり、デバイスの製造コストを下げることができるからである。
【0007】
ここで、描画パターンの基準となるサイズの最小単位を小さくする場合、新たにCADにより、再度基準となるサイズの最小単位に合わせてマスクパターンを設計し直すことも考えられる。しかしながら、再設計したデータは、最初に作成したデータの各パターンのサイズや基準座標が、基準サイズを小さくした割合に応じて小さくされただけである。
【0008】
したがって、パターンの形状には変化がなく単に各パターンのサイズを小さくすればよい。そのため、最初にCADで作成されたパターンデータの各パターンのサイズを基準サイズの縮小割合に応じて短くすれば良い。例えば、最初に作成されたCADデータの基準サイズが20nmであり、新たな基準サイズが10nmであれば、各パターンデータの寸法を1/2とすれば良い。
【0009】
このようなデータの変換処理は最初に作成されたCADデータを、データ変換ソフトウェアによって全体のデータのサイズを縮小することによって行われている。このようなデータ処理をスケーリングと称している。
【0010】
なお、本願発明はスケーリングに関する問題点そのものを初めて発見し、その問題点を解決するためになされた独創的な発明であるため、先行技術に類似するものはない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ここで、CADから出力されたパターンデータのフォーマットと電子ビーム描画装置で用いるデータフォーマットとは相違しており、通常、描画装置で描画を行う場合には、事前にCADのデータフォーマットから電子ビーム描画装置用のデータフォーマットに変換しなければならない。
【0012】
このようなフォーマットの変換処理と併せて、CADデータのスケーリングを行う場合、CADのパターンデータにおける各図形のアドレス単位が、電子ビーム描画装置用のパターンデータにおける各図形のアドレス単位の整数倍であれば、圧縮されたパターンデータの僅かな修正により、パターンデータのスケーリング処理を行なうことができる。しかしながら、CADのパターンデータにおける各図形のアドレス単位が、電子ビーム描画装置用のパターンデータにおける各図形のアドレス単位の整数倍でない場合、圧縮されたパターンデータを解かさなければならない。その結果、スケーリング処理を行なうデータ量が飛躍的に増大し、スケーリング処理に要する時間が必然的に長くなってしまう問題が生じる。また、その後のデータ転送に時間がかかることも問題となっている。
【0013】
前記した問題が生じる理由は、繰り返しコマンドにより圧縮されていたパターンデータに含まれている各基本図形に対して、アドレス単位の不一致により、グリッドへのスナップ処理(各基本図形の原点を一番近いグリッドに割り当てること)が必要となり、このため圧縮データを解かす必要があるからである。
【0014】
一般的に、CADのデバイス設計者は、当初20nmや10nmなどの切りの良い数値をアドレス単位として設計する。しかしながら、デバイスの性能向上あるいは生産効率アップのため、前記したデバイスパターンのスケーリング(シュリンク)が行なわれると、この結果として、描画アドレスとの不一致(製数倍でなくなる)が生じてしまう。すなわち、この不一致は、デバイスパターンのスケーリングの割合が、通常、デバイスの性能や集積度の向上に伴って決められ、CADデータのアドレス単位は考慮されないために生じる。
【0015】
上述した問題点を図を用いて更に詳細に説明する。通常マスク描画パターンは、同一サイズの基本図形、例えば矩形図形が規則正しくX、Y方向に整列されて配置されることが多い。このような場合、データの転送の際のデータ量を少なくし、転送時間の短縮を図るためにCADデータには圧縮処理が施される。この圧縮処理を行うために、仮想的な等間隔のグリッドを設け、そのグリッドの原点からの数を指定することによって図形の位置を表し、図形の縦と横のサイズは、グリッドの数によって表現するようにしている。
【0016】
図1はグリッドと多数の基本図形を有したパターンと、そのパターンを描画するための圧縮されたデータ構造を示している。図1(a)は、グリッドGによって各基本図形Pが規則正しく整列して設けられた、最初にCADによって作成された元パターンを示している。図1(b)は、図1(a)に示した元パターンを0.9倍に縮小(スケーリング)した場合のパターンを示している。
【0017】
また、図1(c)は最初にCADにより作成された元パターンの圧縮処理が施されたデータ構造を示しており、グリッドのサイズ、基本図形のサイズ、基本図形位置、繰り返しピッチ、繰り返し個数を記号によって表した圧縮データ構造を示している。
【0018】
図において、グリッドGのサイズ(間隔)はAU、基本図形Pの高さはH、幅はW、基本図形の原点(0、0)からの位置はX、Y、X方向の基本図形の繰り返しのピッチはPX、Y方向の基本図形の繰り返しのピッチはPY、X方向の基本図形Pの繰り返しの個数はNX、Y方向の基本図形Pの繰り返しの個数はNYで表されている。
【0019】
図1(d)は、0.9倍スケーリングされたスケーリングパターンのデータ構造を示している。この図1(d)を図1(c)に示したデータ構造と比較すると、単にグリッドGのサイズ(間隔)をAUからAU×0.9に変更するだけで、データ構造は元データと同一である。
【0020】
図1(e)は、図1(a)のパターンに対応した実際の数字を当てはめたデータ構造を示しており、図1(f)は、図1(b)のパターンに対応した実際の数字を当てはめたデータ構造を示している。このように、CADのデータをスケーリングする際には、グリッドGのサイズ(間隔)を縮小したい比率に応じた値に代えるだけで、CADデータ間のスケーリング処理を簡単に行なうことができる。
【0021】
さて、CADで作成したパターンデータにおける仮想的に設定されたグリッドのアドレスサイズ(単位)が、電子ビーム描画装置で用いるパターンデータにおけるアドレスサイズの整数倍になっていない場合、前記したように、繰り返しコマンドにより圧縮されていたパターンデータに含まれている各基本図形に対して、アドレス単位の不一致により、グリッドへのスナップ処理(各基本図形の頂点を一番近いグリッドに割り当てること)が必要となり、このため圧縮されているデータを解かなければならない。
【0022】
図2において、(a)はCADによって設計されたパターンを示しており、(b)は(a)のパターン(一点鎖線で囲まれた領域)の圧縮されたデータ構造を示している。また、(c)はCADで作成されたパターンサイズを0.9倍するスケーリングによって作成された描画用パターンを示しており、(d)は(c)のパターンのデータ構造を示している。
【0023】
図2(b)から明らかなように、CADで作成され、圧縮処理されたデータ構造は単純であり、データ量も少ない。これに対して、描画装置用に変換されたデータは、図2(d)に示すようにデータ量が著しく多くなってしまう。この理由は、各単位図形の頂点が必ずしもグリッドGのクロスした点に位置しないためであり、各単位図形の頂点をそれぞれ一番近いグリッドのクロスした点に割り当てる(丸める)ことが必要となるからである。
【0024】
このため、図2(b)に示した圧縮データは、図2(d)に示すように解かされ、個々の単位図形ごとにグリッドGへのスナップ処理が実行される。なお、このスナップ処理は、全ての単位図形(基本図形)ごとに行なっても良いが、単位図形の原点と一番近いグリッドのクロスした点との間の関係が実質的に等しいと判断される基本図形に関しては、圧縮したデータ構造とされる。
【0025】
例えば、図2(c)に示したスケーリングされたパターンについては、一点鎖線で囲われた領域の中に含まれる単位図形は、同じデータによって表現させる。図2(c)、(d)に示した例では、(c)のA領域は(d)のデータAによって表現し、他のB、C、Dの各領域に対しては、それぞれデータB、C、Dによって表現させる。なお、基本図形PmとPnは、それぞれ独立したデータPm、Pnによって個々に表現させる。
【0026】
このように、従来は、CAD等から出力されたパターンデータのアドレス単位が、電子ビーム描画装置のそれの整数倍でない場合、圧縮されたパターンデータを解かし、描画装置が描画できるパターンデータに変換しなければならない。この際に、前記したように、スケーリング処理を行なうデータ量が飛躍的に増大し、スケーリング処理に要する時間が必然的に長くなってしまう問題が生じる。また、その後のデータ転送に時間がかかることも問題となっている。
【0027】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、その目的は、パターンデータの設計データアドレスが描画装置のアドレスの整数倍でない場合においても、パターンデータ量が増大しないようにした荷電粒子ビーム描画方法を実現するにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に基づく荷電粒子ビーム描画方法は、CADによって設計された描画パターンデータを描画装置用のパターンデータに変換するに際し、変換されたパターンデータにスケーリング値を付加させ、描画装置においてパターンデータに含まれる各図形のサイズや図形の位置データにスケーリング値を乗じ、乗算された各値に基づいて所望の図形の描画を行うようにしたことを特徴としている。
【0029】
したがって、パターンデータの設計データアドレスが描画装置のアドレスの整数倍でない場合において、データ量の増大が抑制できる。この結果、パターンデータの取り扱いが容易(資源消費が少ない、データの受け渡し時間の短縮、データ変換処理時間の短縮等)となり、データ準備時間並びに描画時間を含めたトータルスループットの向上を図ることができる。
【0030】
請求項2の発明に基づく荷電粒子ビーム描画方法は、CADによるパターンデータは、仮想的に設けられたグリッドの数によってパターンデータに含まれる図形を表現し、描画装置側においても描画データは仮想的に設けられたグリッドの数によってパターンデータに含まれる各図形の描画を行うようにしたことを特徴としている。
【0031】
請求項3の発明に基づく荷電粒子ビーム描画方法は、CADによるパターンデータは、仮想的に設けられたグリッドの数によってパターンデータに含まれる図形を表現し、描画装置側においても描画データは仮想的に設けられたグリッドの数によってパターンデータに含まれる各図形の描画を行うようにし、CADによって仮想的に設けられたグリッドの間隔と描画装置側における描画データに仮想的に設けられたグリッドの間隔との比が整数でない場合、CADによって設計された描画パターンデータを描画装置用のパターンデータに変換するに際し、変換されたパターンデータにスケーリング値を付加させ、描画装置においてパターンデータに含まれる各図形のサイズや図形の位置データにスケーリング値を乗じ、乗算された各値に基づいて所望の図形の描画を行うようにしたことを特徴としている。
【0032】
請求項4の発明に基づく荷電粒子ビーム描画方法は、CADデータのデータアドレス単位をAU‐C、描画装置のアドレス単位をAU‐Eとした場合、AU−C/AU−Eを求め、これが整数でない場合には、整数に丸め、この丸められた値をAU−C2とすると、AU−C/AU−C2をスケーリング値としたことを特徴としている。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。図3は本発明を実施するための可変面積型電子ビーム描画装置の一例を示している。1は電子ビームEBを発生する電子銃であり、該電子銃1から発生した電子ビームEBは、照射レンズ2を介して第1成形アパーチャ3上に照射される。
【0034】
第1成形アパーチャの開口像は、成形レンズ4により、第2成形アパーチャ5上に結像されるが、その結像の位置は、成形偏向器6により変えることができる。第2成形アパーチャ5により成形された像は、縮小レンズ7、対物レンズ8を経て描画材料9上に照射される。描画材料9への照射位置は、位置決め偏向器10により変えることができる。
【0035】
11は制御CPUであり、制御CPU11はパターンデータメモリー12からのパターンデータをデータ転送回路13に転送する。なお、このデータ転送回路13には、転送された描画データをスケーリングするための処理ユニットが含まれている。データ転送回路13からのパターンデータは、成形偏向器6を制御する制御回路14、位置決め偏向器10を制御する制御回路15、対物レンズ8の励磁を制御する制御回路16、電子銃1から発生した電子ビームのブランキングを行うブランカー(ブランキング電極)17を制御するブランカー制御回路18に供給される。
【0036】
更に、制御CPU11は、材料9のフィールド毎の移動のために、材料9が載せられたステージ20の駆動回路21を制御する。図示していないが、ステージの移動量を測定するために、レーザ干渉測長器がステージ部分に設けられている。このような構成の動作を次に説明する。
【0037】
まず、基本的な描画動作について説明する。パターンデータメモリ12に格納されたパターンデータは、逐次読み出され、データ転送回路13に供給される。このデータ転送回路13からのデータに基づき、偏向制御回路14は成形偏向器6を制御し、また、制御回路15は位置決め偏向器10を制御する。
【0038】
この結果、各パターンデータに基づき、成形偏向器6により電子ビームの断面が単位パターン形状に成形され、その単位パターンが順々に材料9上にショットされ、所望の形状のパターン描画が行われる。なお、この時、ブランカー制御回路18からブランカー17へのブランキング信号により、材料9への電子ビームのショットに同期して電子ビームのブランキングが実行される。
【0039】
更に、材料9上の異なった領域への描画の際には、制御CPU11からステージ駆動回路21への指令により、ステージ20は所定の距離移動させられる。なお、ステージ20の移動距離は、図示していないが、レーザー測長器により監視されており、測長器からの測長結果に基づき、ステージの位置は正確に制御される。
【0040】
さて、本実施の形態では、パターンデータの設計アドレスが、描画データの整数倍であるかのようにデータを扱ってデータ変換を行い、更に、設計アドレスと描画データアドレスの比率をスケーリング値としてパターンデータに記述し、描画時にはそのスケーリング値に基づいてハードウェアスケーリングを行ってパターンの描画を行うようにしている。
【0041】
パターンデータメモリ12に記憶されるパターンデータについては、事前に圧縮されたデータ構造に対してスケーリング処理が施される。このスケーリング処理は、まず、CADデータのデータアドレス単位をAU‐C、描画装置のアドレス単位をAU‐Eとすると、AU−C/AU−Eを計算し、これが整数でない場合には、整数に丸める。この丸められた値をAU−C2とする。
【0042】
CADデータを描画装置データに変換する際に、変換プログラムは、CADデータのアドレス単位AU−CをAU−C2に置き換えて変換する。この変換時に、変換された描画データにAU−C/AU−C2をスケーリング値として付加する。このように処理されたデータをパターンデータメモリ12に記憶させ、描画処理が開始されると、メモリ12に記憶されている描画パターンデータは制御CPU11によって読み出され、データ転送回路13に送られる。
【0043】
データ転送回路13にパターンデータが供給されると、データ転送回路13内において、圧縮されたパターンデータは解かされ、更に解かされたパターンデータに対して、パターンデータに付加されたスケーリング値AU−C/AU−C2に応じてパターンデータ内の各図形の形状や位置を示す値(実際にはグリッドの数によって表されている)のスケーリング処理を行なう。
【0044】
このようにしてスケーリング処理が施されたパターンデータに基づいて、それぞれの制御回路に必要なデータが転送される。この結果、被描画材料9はスケーリング処理が施されたデータによって、縮小されたパターンが描画されることになる。なお、データ転送回路13内でパターンデータのスケーリング処理を行なうが、このスケーリング処理はソフトウェアによって行なわず、例えば、特定のパターンデータが転送されると、そのパターンデータに付加されたスケーリング値をレジスタにセットし、圧縮が解かれた各図形の形状や位置を表す値は、レジスタにセットされたスケーリング値と乗算され、この乗算された値が電子ビーム描画装置の各制御回路に転送される。この結果、被描画材料9には、スケーリングされたパターンが描画されることになる。
【0045】
上記したスケーリング処理を図4を用いて更に詳細に説明する。図4において、(a)はスケーリング処理がなされていないCADによって作成された描画すべきパターンである。このパターンのデータ構造が(b)に示されている。このケースの場合、CADデータのアドレス単位(サイズ)AU−Cは5とされている。
【0046】
ここで、スケーリング値AU−C/AU−C2を0.9に設定すると、描画装置用に変換されたデータ構造は、図4(c)に示されているように、スケーリング値0.9のデータが付加される。また、グリッドの間隔であるアドレスサイズは、CADデータにおいて5であるので、スケーリング後のアドレスサイズは、
5×0.9=4.5
となる。このスケーリング後のアドレスサイズ4.5は整数に丸められるので、描画用に変換されたデータ上のアドレスサイズは5とされる。この図4(c)に示されたデータ構造でパターンデータがパターンデータメモリ12に記憶される。
【0047】
このようにしてスケーリングのためのデータ変換処理を行なったパターンデータは、データ転送回路13に送られ、データの圧縮が解かされ、パターンデータに含まれる各図形に対して、図形のサイズや位置についてスケーリング処理が施される。例えば、基本図形Pの高さHと幅Wはそれぞれ8であるが、スケーリング処理によって0.9が掛けられると、その値は7.2となる。この値は丸められて7とされ、基本図形Pの高さHと幅Wはそれぞれ7に変換される。
【0048】
このようにして、描画パターンデータのスケーリング処理が実行されるが、元データを0.9倍のスケーリング処理を行った場合の描画パターンを図4(d)に示す。この図4に示したケースでは、0.9倍のスケーリング処理をしても、アドレスサイズは同じ値5であるため、グリッドGは図4(a)に示したCADデータと同じであり、基本図形の高さやサイズ、基本図形の位置、繰り返しピッチはスケーリング値に応じて少なくされる。
【0049】
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されず、幾多の変形も可能である。例えば、可変面積型の電子ビーム描画装置を例にして説明したが、細く絞った電子ビームで図形を描画するタイプの電子ビーム描画装置にも適用でき、また、イオンビームを用いて描画を行う装置にも適用することができる。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に基づく荷電粒子ビーム描画方法は、CADによって設計された描画パターンデータを描画装置用のパターンデータに変換するに際し、変換されたパターンデータにスケーリング値を付加させ、描画装置においてパターンデータに含まれる各図形のサイズや図形の位置データにスケーリング値を乗じ、乗算された各値に基づいて所望の図形の描画を行うようにしたことを特徴としている。
【0051】
したがって、パターンデータの設計データアドレスが描画装置のアドレスの整数倍でない場合において、データ量の増大が抑制できる。この結果、パターンデータの取り扱いが容易(資源消費が少ない、データの受け渡し時間の短縮、データ変換処理時間の短縮等)となり、データ準備時間並びに描画時間を含めたトータルスループットの向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CADデータの元パターンとそのデータ構造、および、スケーリング処理した時のパターンとそのデータ構造を示す図である。
【図2】従来のスケーリング方法を説明するための図である。
【図3】本発明を実施するための電子ビーム描画装置の一例を示す図である。
【図4】本発明に基づくスケーリング処理を説明するための図である。
【符号の説明】
1 電子銃
2 照射レンズ
3 第1アパーチャ
4 成形レンズ
5 第2アパーチャ
6 成形偏向器
7 縮小レンズ
8 対物レンズ
9 被描画材料
10 位置決め偏向器
11 制御CPU
12 パターンデータメモリー
13 データ転送回路
14 成形偏向器制御回路
15 位置決め偏向器制御回路
16 対物レンズ制御回路
17 ブランカー
18 ブランカー制御回路
20 ステージ
21 ステージ駆動回路

Claims (4)

  1. 荷電粒子ビームを被描画材料に照射すると共に、荷電粒子ビームの材料上の照射位置を、描画パターンデータに基づいて、位置決め偏向器によって荷電粒子ビームを偏向することによって変化させ、被描画材料上で荷電粒子ビームによる描画を行う荷電粒子ビーム描画方法において、CADによって設計された描画パターンデータを描画装置用のパターンデータに変換するに際し、変換されたパターンデータにスケーリング値を付加させ、描画装置においてパターンデータに含まれる各図形のサイズや図形の位置データにスケーリング値を乗じ、乗算された各値に基づいて所望の図形の描画を行うようにした荷電粒子ビーム描画方法。
  2. CADによるパターンデータは、仮想的に設けられたグリッドの数によってパターンデータに含まれる図形を表現し、描画装置側においても描画データは仮想的に設けられたグリッドの数によってパターンデータに含まれる各図形の描画を行うようにした請求項1記載の荷電粒子ビーム描画方法。
  3. CADによるパターンデータは、仮想的に設けられたグリッドの数によってパターンデータに含まれる図形を表現し、描画装置側においても描画データは仮想的に設けられたグリッドの数によってパターンデータに含まれる各図形の描画を行うようにし、CADによって仮想的に設けられたグリッドの間隔と描画装置側における描画データに仮想的に設けられたグリッドの間隔との比が整数でない場合、CADによって設計された描画パターンデータを描画装置用のパターンデータに変換するに際し、変換されたパターンデータにスケーリング値を付加させ、描画装置においてパターンデータに含まれる各図形のサイズや図形の位置データにスケーリング値を乗じ、乗算された各値に基づいて所望の図形の描画を行うようにした請求項1記載の荷電粒子ビーム描画方法。
  4. CADデータのデータアドレス単位をAU‐C、描画装置のアドレス単位をAU‐Eとした場合、AU−C/AU−Eを求め、これが整数でない場合には、整数に丸め、この丸められた値をAU−C2とすると、AU−C/AU−C2をスケーリング値とした請求項1〜3の何れかに記載の荷電粒子ビーム描画方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008244196A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Nuflare Technology Inc 描画データ作成方法及び描画データファイルを格納した記憶媒体

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