JP2004214370A - 耐プラズマ性ベローズ - Google Patents
耐プラズマ性ベローズ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004214370A JP2004214370A JP2002381294A JP2002381294A JP2004214370A JP 2004214370 A JP2004214370 A JP 2004214370A JP 2002381294 A JP2002381294 A JP 2002381294A JP 2002381294 A JP2002381294 A JP 2002381294A JP 2004214370 A JP2004214370 A JP 2004214370A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- bellows
- plasma
- film
- ring
- ring plates
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Drying Of Semiconductors (AREA)
Abstract
【課題】プラズマ(例えば酸素プラズマ)を含む雰囲気中で使用しても耐久性が高く、また、繰り返しの伸縮に対しても耐久性が高く、それにより自身が原因となる周囲汚染の発生を抑制できる耐プラズマ性ベローズを提供する。
【解決手段】ステンレス鋼材製のベローズ基体1又10の外表面及び(又は)内表面にシリコン中間膜2を介してダイアモンド状カーボン膜(例えばSiC含有DLC膜3)が形成されてなる耐プラズマ性ベローズB1又はB2。
【選択図】 図1
【解決手段】ステンレス鋼材製のベローズ基体1又10の外表面及び(又は)内表面にシリコン中間膜2を介してダイアモンド状カーボン膜(例えばSiC含有DLC膜3)が形成されてなる耐プラズマ性ベローズB1又はB2。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマを用いて成膜、エッチング等の処理を行うプラズマ処理装置において、可動部分等をプラズマから保護する等のために用いるベローズに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体デバイスを製造する分野では、プラズマCVD法等のプラズマによる成膜や、プラズマエッチング、プラズマアッシングといった処理が行われる。このようにプラズマを用いて目的とする処理を行うプラズマ処理装置においては、可動部分等をプラズマから保護する等のために用いる伸縮性を有する、蛇腹状のベローズが採用されている。
【0003】
図8はプラズマエッチング装置を例示している。この装置は図示省略の排気装置により排気して所定の減圧状態に設定することが可能な処理室91内に基板ホルダ92及びこれに対向する高周波電極93を設置したものである。ホルダ92上に被処理基板Sを配置し、処理室91内を所定の減圧状態に設定するとともに処理室91内に電極93のガス導入路からエッチング用ガスを導入し、電極93と基板ホルダ92との間に電源94から高周波電力を印加して、該ガスをプラズマ化し、該プラズマのもとで、基板上の膜をエッチング処理する。
【0004】
基板ホルダ92は基板Sのホルダ上への配置及び該ホルダからの取り出しのために昇降駆動されるようになっており、該昇降は処理室91に付設された昇降駆動装置95の昇降シャフト951により行われる。
【0005】
昇降駆動装置95の可動部分であるシャフト951等を含む部分はそのままではプラズマに曝されるため、そのような部分を伸縮性のベローズ96で囲ってプラズマから保護する。
【0006】
またプラズマ処理装置によっては、処理室内を高温に維持して処理用ガスを導入してプラズマ化するなどし、この高温反応性雰囲気において被処理基板に目的とする処理を施すこともある。このような場合も勿論、可動部分等が、反応性雰囲気からの保護のためにベローズで囲まれる。
【0007】
プラズマ処理装置において採用されるこのようなベローズは極めて反応性の高い雰囲気に耐え得るものでなければならない。それ故、かかるベローズは通常ステンレス鋼材などの耐蝕性の高い材料で形成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ベローズ作製に採用されているステンレス鋼材は、プラズマ処理時に反応性雰囲気と反応して腐食されることを十分に防ぐことはできない。
【0009】
また、プラズマの攻撃を受けたベローズ表面からニッケル、鉄或いはクロムといった各種重金属元素がチャンバ内の処理空間に飛び出して反応性雰囲気中に混入し、これが被処理基板に付着して該基板を利用する半導体製品等の収率を低下させたり、処理室内の表面等に重金属汚染を引き起こし、これがまた、被処理基板に付着するという問題がある。
【0010】
例えばプラズマ化される導入ガスに02 、F2 、NF3 、ClF3 のようなガスが含まれている場合、そのような汚染が顕著である。
【0011】
また、マンガンが微量でもステンレス鋼材表面に存在すると、ベローズ製作過程におけるステンレス鋼材の溶接時に「 ヒューム」 が生成し、これがプラズマ処理装置内での発塵源となるという問題や、プラズマ処理中におけるヒュームの再付着部分の耐腐食性が顕著に低下するという問題や、酸素や硫黄が微量でもステンレス鋼材に存在すると、ステンレス鋼材の溶接時に生成する「ビード」部の表面が凸凹になり、これがプラズマ処理装置内での発塵源となるという問題がある。
【0012】
このような問題を解消すべくベローズを構成するステンレス鋼材表面にセラミック等の不活性材料のコーティングを施すことが試みられているようであるが、コーティング材料であるセラミックなどはそれ自体の弾性が乏しいため、ベローズのように弾性を必要とする部材には適用し難い。特にベローズはプラズマ処理装置の運転時に伸縮して応力が絶えず変動するため、不活性材料でコーティングしても、該コーティングが剥がれやすく、耐久性が低いという問題や、剥がれ落ちたコーティング材料が基板を傷つけたり、汚染したりするという問題がある。
【0013】
そこで本発明は、プラズマを含む雰囲気中で使用しても耐久性が高く、また、繰り返しの伸縮に対しても耐久性が高く、それにより自身が原因となる周囲汚染の発生を抑制できる耐プラズマ性ベローズを提供することを課題とする。
【0014】
また本発明は、たとえ酸素プラズマ雰囲気中で使用しても極めて耐久性が高く、また、繰り返しの伸縮に対しても耐久性が高く、それにより自身が原因となる周囲汚染の発生を抑制できる耐プラズマ性ベローズを提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するため次の三つのタイプのベローズを提供する。
(1)第1のベローズ
金属製リング板を複数枚重ねるとともに第1枚目リング板と第2枚目リング板についてはリング板外周縁同士(又はリング板内周縁同士)、第2枚目リング板と第3枚目リング板についてはリング板内周縁同士(又はリング板外周縁同士)というように順次隣り合うリング板についてリング板外(又は内)周縁同士、リング板内(又は外)周縁同士を交互に気密に溶接して形成された蛇腹状筒形状のベローズ基体の外表面及び(又は)内表面にダイアモンド状カーボン膜が形成されてなる耐プラズマ性ベローズ。
(2)第2のベローズ
片面又は両面にダイアモンド状カーボン膜が形成された金属製リング板を複数枚重ねるとともに第1枚目リング板と第2枚目リング板についてはリング板外周縁同士(又はリング板内周縁同士)、第2枚目リング板と第3枚目リング板についてはリング板内周縁同士(又はリング板外周縁同士)というように順次隣り合うリング板についてリング板外(又は内)周縁同士、リング板内(又は外)周縁同士を交互に気密に溶接することで蛇腹状筒形状のベローズ基体の外表面及び(又は)内表面に前記ダイアモンド状カーボン膜を有する状態とされた耐プラズマ性ベローズ。
(3)第3のベローズ
金属製円筒状部材の周壁を大径部と小径部が交互に連続する蛇腹状周壁に成形したベローズ基体の外表面及び(又は)内表面にダイアモンド状カーボン膜が形成されてなる耐プラズマ性ベローズ。
【0016】
これら耐プラズマ性ベローズは、ベローズ基体が金属製であり、これに形成されたダイアモンド状カーボン膜はその形成にあたり膜厚を制御してベローズ基体の伸縮によっても剥がれ難いものとできるので、繰り返し伸縮に対して耐久性が高い。
【0017】
また、ベローズ基体のプラズマ雰囲気に向けられる外表面及び(又は)内表面がダイアモンド状カーボン(以下、「DLC」という。)の膜で被覆されており、該DLCは、良好な電気絶縁性材料であり、プラズマ処理装置において使用してもプラズマ処理に支障はない。
【0018】
また、DLCはスパッタイールドの小さい材料であり、各種プラズマ雰囲気中においても耐蝕性を示し、従って、ベローズ基体をこのようなDLC膜で被覆したベローズはプラズマ雰囲気中で用いても耐久性の高いものである。
【0019】
これらにより、そのようなダイアモンド状カーボン膜で被覆されていないならば、プラズマ雰囲気に曝されてベローズを構成する金属材料(代表的にはステンレス鋼材)中に含まれる重金属元素がスパッタにより放出され、飛散し、それにより被処理基板等が汚染されるところ、それが抑制される。
【0020】
DLC同様にスパッタイールドが小さく、酸素ガスプラズマに対して耐腐食性を示す材料として炭化シリコン(SiC)を挙げることができる。ベローズ基体に被覆されたダイアモンド状カーボン膜はSiCを含有していてもよい。
【0021】
このようにSiCを含有させることでDLC膜の化学的安定性がより優れたものとなり、例えば酸素ガスプラズマ雰囲気においてDLC膜の炭素と酸素が結合してDLC膜表面の荒れが生じ、ひいては該荒れによりベローズ基体が露出してくるというような事態の発生を長期にわたり抑制することができる。
【0022】
このように、プラズマ処理用ガスの中でも従来においては特にステンレス鋼材等の金属性のベローズの腐食、損傷を招いていた酸素ガス(02 )のプラズマに対してもSiC含有DLC膜は極めて良好な耐蝕性を示し、例えば02 、F2 、NF3 、ClF3 のような各種ガスプラズマに対して極めて高い耐腐食性を有している。従って、ベローズ基体をこのようなDLC膜で被覆したベローズはプラズマ雰囲気中で用いても耐久性の高いものとなる。SiCはDLC膜中にできるだけ均一に存在することが好ましい。
【0023】
このようにDLC膜がSiCを含有する場合、該DLC膜中におけるシリコンの濃度はこれが大きくなるにつれ、膜内部応力が低減されるとともに膜硬度も低下する傾向にある。従って、DLC膜中のシリコン濃度はDLC膜の内部応力を低減してDLC膜のベローズ基体からの剥離を抑制する観点から5Atom%程度以上が好ましく、膜硬度を著しく低下させない観点から30Atom%程度以下が好ましいといえる。
【0024】
また、DLC膜がSiCを含有する場合、ベローズ基体と該DLC膜との密着性を向上させるために、ベローズ基体(前記第2のベローズの場合は、より詳しく言えば、ベローズ基体の構成要素である前記金属製リング板)とDLC膜との間にシリコン中間膜が形成されていてもよい。
【0025】
いずれにしても、DLC膜の膜厚は、DLC膜によりベローズのプラズマ雰囲気中での耐腐食性を得るうえで略1μm以上であることが好ましく、また、DLC膜にも可撓性を保持させてベローズの伸縮に伴って該膜が剥離することをできるだけ抑制するために、厚くとも20μm以下、場合によっては支障のない範囲で5μm以下程度であることが好ましい。
【0026】
いずれにしても、膜形成方法の観点からすると、ベローズ基体表面上のDLC膜として、プラズマCVD法、スパッタ法又はアークイオンプレーディング法で形成された膜を代表例として挙げることができる。
【0027】
本発明に係るベローズはプラズマCVD装置、プラズマエッチング装置等や、これらを利用した半導体製造装置などの各種プラズマ処理装置に広く利用することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<第1実施形態のベローズ>
図1に第1実施形態のベローズB1の一部切欠状態の斜視図を示し、図2にベローズB1の一部の拡大断面図を示す。このベローズB1は蛇腹状筒形状のベローズ基体1とその表面にシリコン中間膜2を介して形成されたDLC膜3とからなっており、外力に応じて伸縮可能である。
【0029】
ベローズ基体1は、薄板状のステンレス鋼板からなる側面視(側面から見ると)やや台形状のドーナッツ状円形リング板11を複数枚重ね、第1枚目リング板11(11a)と第2枚目リング板11(11b)についてはリング板外周縁111同士、第2枚目リング板11(11b)と第3枚目リング板11(11c)についてはリング板内周縁112同士というように順次隣り合うリング板11、11についてリング板外周縁111同士、リング板内周縁112同士を交互に気密に溶接110して筒形状の蛇腹状に形成したものである。
【0030】
必ずしもそうである必要はないが、ここでの各リング板11は同心円状に起伏のある波板状を呈するように形成されており、それにより剛性が増し、変形し難くなっている。
【0031】
かかるベローズ基体1は例えば次のようにして形成できる。
【0032】
先ず、図3に例示するように薄板状のステンレス鋼板11’を図示省略のプレス機で打ち抜いて、側面視がやや台形状を呈するドーナッツ形状リング板11を複数枚形成する。各リング板の打ち抜き形成の際、同時にそれを既述のように波板状に成形する。なお、平板状のリング板を先ず打ち抜き、これを側面視台形状に成形したり、さらに波板状に成形するなどしてもよい。
【0033】
次にかかる複数枚のリング板11を図4に示すように向きを交互に反対にして重ね、第1枚目リング板11(11a)と第2枚目リング板11(11b)についてはリング板外周縁111同士が接触し、第2枚目リング板11(11b)と第3枚目リング板11(11c)についてはリング板内周縁112同士が接触するというように、順次隣り合うリング板11、11においてリング板外周縁111同士、リング板内周縁112同士が接触するように配置する。このような配置にあたっては図示省略のクランプなどの適当な固定具を用いて行い、適当なスペーサ12を各隣り合うリング板11間に配置するなどすればよい。
【0034】
次いでこの状態で接触し合っている内周縁112同士を溶接して連結するとともに両者間の隙間を気密に閉じ、さらに接触し合っている外周縁111同士を溶接して連結するとともに両者間の隙間を気密に閉じる。
【0035】
このようにして溶接が完了した後、例えばHeガスを用いてリークテストを行い溶接部の気密性の検査を行い、必要とあれば付設すべき金具(図示省略)の溶接を行う。
【0036】
しかる後に再びHe等のガスを用いてリークテストを行って気密性の検査をして気密性を確認しベローズ基体1を得る。
【0037】
その後該ベローズ基体1の、使用時にプラズマに曝される外側表面及び(又は)内側表面にDLC膜を形成するが、ここではベローズ基体1の外表面に膜形成する。
【0038】
該DLC膜は必ずしもSiCを含有するものでなくてもよいが、ここではDLC膜の耐久性を一層向上させるためにSiC含有のDLC膜3を形成する。また、必ずしもそうする必要はないが、ここではDLC膜のベローズ基体への密着性を向上させるためにベローズ基体1上に先ずシリコン中間膜2を形成し、その上にSiC含有DLC膜3を形成する。かくしてベローズB1を得る。
【0039】
膜形成は例えば図7に示すホローカソード型プラズマCVD装置により行える。該装置の詳細は後述する。
<第2実施形態のベローズ>
図5に第2実施形態のベローズB2の断面図を示す。このベローズB2も筒形状の蛇腹状ベローズ基体10とその表面にシリコン中間膜2を介して形成されたDLC膜3とからなっており、外力に応じて伸縮可能である。
【0040】
ベローズ基体10はステンレス鋼板製の円筒状部材の周壁を大径部と小径部が交互に連続する蛇腹状周壁に成形したものである。
【0041】
該ベローズ基体10は例えばつぎのようにして製作できる。
【0042】
先ず、薄板状の矩形のステンレス鋼板を円筒状に曲げ成形して突き合わせた両端を溶接し、その隙間を気密に閉じて円筒体10’(図6(A)参照)を得る。
【0043】
この円筒体10’を図6(A)に示すように、プレス成形用の二つ割り分解可能の型4内に収容する。この型4は図6(A)に示すように筒型の形状を備えており、内周壁面の半径が規則的に大小に変化して垂直断面が蛇腹状に形成されている。
【0044】
この型4の両端開口部及びこれに収めた円筒体10’の両端開口部を共に図示省略の蓋体で密閉するとともに該円筒体10’内に油や水などの圧力伝達媒体を高圧で送り込み、円筒体10’の周側面を型4の内壁面に押圧してプレスする。このプレスにより円筒体10’の周側面は図6(B)に示すように型4の内壁面に沿って変形し、蛇腹状になる。
【0045】
しかるのち蓋体を外して油や水などの圧力伝達媒体を取り除き、型4を解体して図6(C)に示すように蛇腹状にプレス成形されたベローズ基体10を取り出す。
【0046】
その後該ベローズ基体10の、使用時にプラズマに曝される外側表面及び(又は)内側表面にDLC膜を形成するが、ここではベローズ基体10の外表面に膜形成する。
【0047】
本実施形態においても、DLC膜は必ずしもSiCを含有するものでなくてもよいが、ここではDLC膜の耐久性を一層向上させるためにSiC含有のDLC膜3を形成する。また、必ずしもそうする必要はないが、ここでもDLC膜のベローズ基体への密着性を向上させるためにベローズ基体10上に先ずシリコン中間膜2を形成し、その上にSiC含有DLC膜3を形成する。かくしてベローズB2を得ることができる。膜形成は例えば図7に示すホローカソード型プラズマCVD装置により行える。
【0048】
このベローズB2はそのベローズ基体10が溶接部分の少ないものであるから、気密信頼性の高いものである。また、ベローズ基体10の製造工程が少なく済むのでその製造コストが低く抑えられ、ひいてはベローズB2の製造コストも安くつく。
【0049】
なお、以上の説明では円筒体10’の形成をステンレス鋼板の曲げ成形と溶接により行ったが、ステンレス鋼板を絞り加工して有底円筒体を形成し、この有底円筒体を型4で蛇腹状にプレス加工し、これを型4から取り出したのち底部分を切除してベローズ基体10を得てもよい。この場合には、継ぎ目のないベローズ基体が得られる。この方法によれば、溶接工程を省略でき、得られるベローズ基体の表面には溶接の継ぎ目など一切残らないので強度的にも均一で密閉性の高いベローズ基体が得られ、ひいては強度的にも均一で密閉性の高いベローズが得られる。
【0050】
次に中間シリコン膜2及びSiC含有DLC膜3を形成する図7のホローカソード型プラズマCVD装置について説明する。
【0051】
この装置は、イオンガン室51及び成膜室52を備えている。イオンガン室51には、ここに導入されるアルゴン等の不活性ガスをプラズマ化させるフィラメント511と、プラズマ中のイオンを加速する電極系(陽極512と注入電極513)が組み込まれている。図中、PW1、PW2、PW3はフィラメント511及び電極系への通電用電源である。
【0052】
成膜室52内には複数本のベローズ基体支持部521を有するホルダ522が設置されている。膜形成にあたっては、均一な膜形成のために、駆動装置523によりホルダ522の全体が回転駆動されるとともに各ベローズ基体支持部521が自転するように回転駆動される。
【0053】
また、成膜室52にはDLC膜のベローズ基体への密着性向上のためにシリコン中間膜2を形成するための、シリコンを含むスパッタカソード装置527が連設されている。
【0054】
さらに成膜室52には排気装置525が連設されているとともに成膜室52の周囲にイオンガン室51からのイオンを成膜室内の対向電極524へ収束させるためのソレノイドコイル526も設けられている。
【0055】
成膜にあたっては、先ず、ホルダ522の各ベローズ基体支持部521にベローズ基体1又は10を搭載し、成膜室52及びこれに連設されたイオンガン室51内を排気装置525で排気減圧して前処理用の所定減圧状態に維持しつつイオンガン室51に本例ではアルゴンガスを所定量導入する。このガスをフィラメント511への通電によりプラズマ化し、電極系によりアルゴンイオンを成膜室52内へ加速導入し、このイオンを電源PW4(+100V、−500V、周波数100kHz)にて500Vのバイアスを印加したベローズ基体支持部521の方へ所定時間照射することでベローズ基体の前処理を行う。
【0056】
その後、成膜室52及びこれに連設されたスパッタカソード装置527内を中間膜形成のための所定減圧状態に維持しつつ中間膜形成のための所定量のアルゴンガスを導入して装置527におけるシリコンをスパッタリングすることで各ベローズ基体1又は10にシリコン中間膜2を形成する。
【0057】
その後、イオンガン室51及び成膜室52内をDLC膜形成のための所定減圧状態に維持しつつイオンガン室51には中間膜形成時と同量のアルゴンガスを導入してこれをプラズマ化し、成膜室52内へアルゴンイオンを加速導入する一方、成膜室52内に成膜原料であるアセチレンガス(C2 H2 )とシリコン(Si)を添加するためのTMS(テトラメチルシラン) をそれぞれ所定量供給し、これをアルゴンイオンでプラズマ化し、該プラズマのもとで、中間膜形成時と同じバイアスを印加したベローズ基体1又は10にSiC含有DLC膜3を形成する。かくしてDLC膜被覆ベローズB1又はB2が形成される。
【0058】
以上の前処理、中間膜形成及びDLC膜形成時のガス供給流量、成膜室内圧力、形成膜厚の例を表1に示す。DLC膜については、厚さについてはいずれも5μmであるが、アセチレンガスとTMSそれぞれの供給流量を調整することで、シリコン濃度Atom%が0、5、10、20、30と異なるDLC膜を形成した。これら各シリコン濃度のDLC膜の膜硬度及び内部応力を表2に示す。
【0059】
なお、膜硬度についてはヌープ硬度計で計測し、膜内部応力については膜形成面の反り具合から内部応力をみるストレスアナライザーで計測した。
表2から分かるように、Si濃度が、5Atom%近傍までは、膜硬度は大きく低下せず、膜内部応力が低減されるが、10Atom%を超えてくると、硬度、内部応力ともに低下してくる。従ってDLC膜のベローズ基体からの剥離を抑制するうえではSi濃度が大きい方がよいが、膜硬度の観点からするとSi濃度は大き過ぎない方がよい、と言える。なお、Si濃度が5Atom%〜30Atom%程度の範囲は許容できる範囲である。
【0060】
次に、面積20mm×20mm、厚さ0.127mmで4隅角を曲率半径2mm(R2)で丸めたSUS316Lの試料片であって、DLC膜無しの試料と、シリコン濃度Atom%が0、5、10、20、30のSiC含有DLC膜を形成した5枚の試料につき、酸素プラズマ暴露試験を行い、試験後の表面粗さ、試験前後での膜厚減少を測定した。その結果を表3に示す。
【0061】
酸素プラズマ暴露試験は、平行平板型プラズマ処理装置(電極間ギャップGap(mm))に試料を設置し、酸素ガスを導入し、これに高周波電力を印加してプラズマ化し、該プラズマに試料を曝すことで行った。
シリコン濃度が10Atom%のSiC含有DLC膜で被覆した試料の酸素プラズマ暴露試験前の表面、同試料の酸素プラズマ暴露試験後の表面、SiCを含有していない一般的なDLC膜被覆試料の酸素プラズマ暴露試験後の表面のそれぞれについて顕微鏡で観察したところ、一般的なDLC膜については酸素プラズマによってDLC膜が僅かに表面に残る状態となることが確認されたが、SiC含有DLC膜については酸素プラズマ暴露試験後においても、多少表面状態が荒れているもののDLC膜の剥がれが生じていないことが確認された。また、前記サイズ及び材質の試料片にシリコン濃度が11.67Atom%のSiC含有DLC膜を形成した試料を前記と同条件で酸素プラズマ暴露試験を行った。そのときの試験前後のDLC膜表面の元素の定量分析結果を表4に示す。
表4から、基材であるSUS316Lの主成分である鉄(Fe)が検出されていないため、SiC含有DLC膜が剥がれて基材表面が露出する状態は発生せず、酸素プラズマに対してSiC含有DLC膜が良好な耐蝕性を示したことが分かる。
【0062】
以上、金属製ベローズ基体を先に形成し、これにダイアモンド状カーボン膜を形成して耐プラズマ製ベローズを得る例を説明したが、ベローズ基体を形成するための例えば前記ステンレス鋼板からなるリング板11のそれぞれに、先にDLC膜を形成し、そのようにDLC膜を形成したリング板11を複数枚重ねるとともに第1枚目リング板と第2枚目リング板についてはリング板外周縁同士(又はリング板内周縁同士)、第2枚目リング板と第3枚目リング板についてはリング板内周縁同士(又はリング板外周縁同士)というように順次隣り合うリング板についてリング板外(又は内)周縁同士、リング板内(又は外)周縁同士を交互に気密に溶接することで蛇腹状筒形状のベローズ基体を形成すると同時に該ベローズ基体の外表面及び(又は)内表面にダイアモンド状カーボン膜を有する耐プラズマ性ベローズを形成してもよい。
【0063】
この場合、例えばベローズ基体の外表面にDLC膜を有するベローズを得ようとする場合は、片面にDLC膜を形成した各リング板11を、溶接処理にてベローズに組み上げたとき、DLC膜がベローズ基体の外表面に位置するように重ねればよく、また、ベローズ基体の内表面にDLC膜を有するベローズを得ようとする場合は、片面にDLC膜を形成した各リング板11を、溶接処理にてベローズに組み上げたとき、DLC膜がベローズ基体の内表面に位置するように重ねればよい。
【0064】
また、隣り合うリング板同士の溶接は、ベローズ基体の外表面にDLC膜を有するベローズを得ようとする場合は、溶接部分ができるだけプラズマに曝されないようにベローズ基体の内側において行うことが望ましく、また、ベローズ基体の内表面にDLC膜を有するベローズを得ようとする場合は、溶接部分ができるだけプラズマに曝されないようにベローズ基体の外側において行うことが望ましい。
【0065】
いずれにしても、このように先にDLC膜を形成した金属製リング板を用いてベローズを形成する場合でも、DLC膜は例えば図7に示すような成膜装置を用いて形成でき、また、SiCを膜中に含有させて、或いはさらにシリコン中間膜を介して形成することもできる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、プラズマを含む雰囲気中で使用しても耐久性が高く、また、繰り返しの伸縮に対しても耐久性が高く、それにより自身が原因となる周囲汚染の発生を抑制できる耐プラズマ性ベローズを提供することができる。
【0067】
また本発明によると、たとえ酸素プラズマ雰囲気中で使用しても極めて耐久性が高く、また、繰り返しの伸縮に対しても耐久性が高く、それにより自身が原因となる周囲汚染の発生を抑制できる耐プラズマ性ベローズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のベローズの一部切欠状態の斜視図である。
【図2】図1に示すベローズの一部の拡大断面図である。
【図3】リング板をステンレス鋼板から打ち抜いて形成することを示す図である。
【図4】図1に示すベローズにおけるベローズ基体の形成方法を示す図である。
【図5】第2実施形態のベローズの断面図である。
【図6】図5に示すベローズにおけるベローズ基体の形成方法を示す図である。
【図7】ホローカソード型プラズマCVD装置の1例を示す図である。
【図8】プラズマエッチング装置の従来例を示す図である。
【符号の説明】
B1 ベローズ
1 ベローズ基体
2 シリコン中間膜
3 SiC含有DLC膜
11、11a、11b、11c 円形リング板
111 リング板外周縁
112 リング板内周縁
11’ステンレス鋼板
11’を図示省略のプレス機で打ち抜いて、側面視がやや台形状を呈するドーナ
110 溶接部
12 スペーサ
B2 ベローズ
10 ベローズ基体
10’ 円筒体
4 成形用型
51 イオンガン室
52 成膜室
511 フィラメント
512 陽極
513 注入電極
PW1、PW2、PW3、PW4 電源
521 ベローズ基体支持部
522 ホルダ
523 ホルダ駆動装置
524 スパッタカソード
525 排気装置
526 ソレノイドコイル
91 処理室
92 基板ホルダ
93 高周波電極
94 電源
95 ホルダ昇降駆動装置
951 昇降シャフト
96 ベローズ
S 被処理基板
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマを用いて成膜、エッチング等の処理を行うプラズマ処理装置において、可動部分等をプラズマから保護する等のために用いるベローズに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、半導体デバイスを製造する分野では、プラズマCVD法等のプラズマによる成膜や、プラズマエッチング、プラズマアッシングといった処理が行われる。このようにプラズマを用いて目的とする処理を行うプラズマ処理装置においては、可動部分等をプラズマから保護する等のために用いる伸縮性を有する、蛇腹状のベローズが採用されている。
【0003】
図8はプラズマエッチング装置を例示している。この装置は図示省略の排気装置により排気して所定の減圧状態に設定することが可能な処理室91内に基板ホルダ92及びこれに対向する高周波電極93を設置したものである。ホルダ92上に被処理基板Sを配置し、処理室91内を所定の減圧状態に設定するとともに処理室91内に電極93のガス導入路からエッチング用ガスを導入し、電極93と基板ホルダ92との間に電源94から高周波電力を印加して、該ガスをプラズマ化し、該プラズマのもとで、基板上の膜をエッチング処理する。
【0004】
基板ホルダ92は基板Sのホルダ上への配置及び該ホルダからの取り出しのために昇降駆動されるようになっており、該昇降は処理室91に付設された昇降駆動装置95の昇降シャフト951により行われる。
【0005】
昇降駆動装置95の可動部分であるシャフト951等を含む部分はそのままではプラズマに曝されるため、そのような部分を伸縮性のベローズ96で囲ってプラズマから保護する。
【0006】
またプラズマ処理装置によっては、処理室内を高温に維持して処理用ガスを導入してプラズマ化するなどし、この高温反応性雰囲気において被処理基板に目的とする処理を施すこともある。このような場合も勿論、可動部分等が、反応性雰囲気からの保護のためにベローズで囲まれる。
【0007】
プラズマ処理装置において採用されるこのようなベローズは極めて反応性の高い雰囲気に耐え得るものでなければならない。それ故、かかるベローズは通常ステンレス鋼材などの耐蝕性の高い材料で形成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ベローズ作製に採用されているステンレス鋼材は、プラズマ処理時に反応性雰囲気と反応して腐食されることを十分に防ぐことはできない。
【0009】
また、プラズマの攻撃を受けたベローズ表面からニッケル、鉄或いはクロムといった各種重金属元素がチャンバ内の処理空間に飛び出して反応性雰囲気中に混入し、これが被処理基板に付着して該基板を利用する半導体製品等の収率を低下させたり、処理室内の表面等に重金属汚染を引き起こし、これがまた、被処理基板に付着するという問題がある。
【0010】
例えばプラズマ化される導入ガスに02 、F2 、NF3 、ClF3 のようなガスが含まれている場合、そのような汚染が顕著である。
【0011】
また、マンガンが微量でもステンレス鋼材表面に存在すると、ベローズ製作過程におけるステンレス鋼材の溶接時に「 ヒューム」 が生成し、これがプラズマ処理装置内での発塵源となるという問題や、プラズマ処理中におけるヒュームの再付着部分の耐腐食性が顕著に低下するという問題や、酸素や硫黄が微量でもステンレス鋼材に存在すると、ステンレス鋼材の溶接時に生成する「ビード」部の表面が凸凹になり、これがプラズマ処理装置内での発塵源となるという問題がある。
【0012】
このような問題を解消すべくベローズを構成するステンレス鋼材表面にセラミック等の不活性材料のコーティングを施すことが試みられているようであるが、コーティング材料であるセラミックなどはそれ自体の弾性が乏しいため、ベローズのように弾性を必要とする部材には適用し難い。特にベローズはプラズマ処理装置の運転時に伸縮して応力が絶えず変動するため、不活性材料でコーティングしても、該コーティングが剥がれやすく、耐久性が低いという問題や、剥がれ落ちたコーティング材料が基板を傷つけたり、汚染したりするという問題がある。
【0013】
そこで本発明は、プラズマを含む雰囲気中で使用しても耐久性が高く、また、繰り返しの伸縮に対しても耐久性が高く、それにより自身が原因となる周囲汚染の発生を抑制できる耐プラズマ性ベローズを提供することを課題とする。
【0014】
また本発明は、たとえ酸素プラズマ雰囲気中で使用しても極めて耐久性が高く、また、繰り返しの伸縮に対しても耐久性が高く、それにより自身が原因となる周囲汚染の発生を抑制できる耐プラズマ性ベローズを提供することを課題とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するため次の三つのタイプのベローズを提供する。
(1)第1のベローズ
金属製リング板を複数枚重ねるとともに第1枚目リング板と第2枚目リング板についてはリング板外周縁同士(又はリング板内周縁同士)、第2枚目リング板と第3枚目リング板についてはリング板内周縁同士(又はリング板外周縁同士)というように順次隣り合うリング板についてリング板外(又は内)周縁同士、リング板内(又は外)周縁同士を交互に気密に溶接して形成された蛇腹状筒形状のベローズ基体の外表面及び(又は)内表面にダイアモンド状カーボン膜が形成されてなる耐プラズマ性ベローズ。
(2)第2のベローズ
片面又は両面にダイアモンド状カーボン膜が形成された金属製リング板を複数枚重ねるとともに第1枚目リング板と第2枚目リング板についてはリング板外周縁同士(又はリング板内周縁同士)、第2枚目リング板と第3枚目リング板についてはリング板内周縁同士(又はリング板外周縁同士)というように順次隣り合うリング板についてリング板外(又は内)周縁同士、リング板内(又は外)周縁同士を交互に気密に溶接することで蛇腹状筒形状のベローズ基体の外表面及び(又は)内表面に前記ダイアモンド状カーボン膜を有する状態とされた耐プラズマ性ベローズ。
(3)第3のベローズ
金属製円筒状部材の周壁を大径部と小径部が交互に連続する蛇腹状周壁に成形したベローズ基体の外表面及び(又は)内表面にダイアモンド状カーボン膜が形成されてなる耐プラズマ性ベローズ。
【0016】
これら耐プラズマ性ベローズは、ベローズ基体が金属製であり、これに形成されたダイアモンド状カーボン膜はその形成にあたり膜厚を制御してベローズ基体の伸縮によっても剥がれ難いものとできるので、繰り返し伸縮に対して耐久性が高い。
【0017】
また、ベローズ基体のプラズマ雰囲気に向けられる外表面及び(又は)内表面がダイアモンド状カーボン(以下、「DLC」という。)の膜で被覆されており、該DLCは、良好な電気絶縁性材料であり、プラズマ処理装置において使用してもプラズマ処理に支障はない。
【0018】
また、DLCはスパッタイールドの小さい材料であり、各種プラズマ雰囲気中においても耐蝕性を示し、従って、ベローズ基体をこのようなDLC膜で被覆したベローズはプラズマ雰囲気中で用いても耐久性の高いものである。
【0019】
これらにより、そのようなダイアモンド状カーボン膜で被覆されていないならば、プラズマ雰囲気に曝されてベローズを構成する金属材料(代表的にはステンレス鋼材)中に含まれる重金属元素がスパッタにより放出され、飛散し、それにより被処理基板等が汚染されるところ、それが抑制される。
【0020】
DLC同様にスパッタイールドが小さく、酸素ガスプラズマに対して耐腐食性を示す材料として炭化シリコン(SiC)を挙げることができる。ベローズ基体に被覆されたダイアモンド状カーボン膜はSiCを含有していてもよい。
【0021】
このようにSiCを含有させることでDLC膜の化学的安定性がより優れたものとなり、例えば酸素ガスプラズマ雰囲気においてDLC膜の炭素と酸素が結合してDLC膜表面の荒れが生じ、ひいては該荒れによりベローズ基体が露出してくるというような事態の発生を長期にわたり抑制することができる。
【0022】
このように、プラズマ処理用ガスの中でも従来においては特にステンレス鋼材等の金属性のベローズの腐食、損傷を招いていた酸素ガス(02 )のプラズマに対してもSiC含有DLC膜は極めて良好な耐蝕性を示し、例えば02 、F2 、NF3 、ClF3 のような各種ガスプラズマに対して極めて高い耐腐食性を有している。従って、ベローズ基体をこのようなDLC膜で被覆したベローズはプラズマ雰囲気中で用いても耐久性の高いものとなる。SiCはDLC膜中にできるだけ均一に存在することが好ましい。
【0023】
このようにDLC膜がSiCを含有する場合、該DLC膜中におけるシリコンの濃度はこれが大きくなるにつれ、膜内部応力が低減されるとともに膜硬度も低下する傾向にある。従って、DLC膜中のシリコン濃度はDLC膜の内部応力を低減してDLC膜のベローズ基体からの剥離を抑制する観点から5Atom%程度以上が好ましく、膜硬度を著しく低下させない観点から30Atom%程度以下が好ましいといえる。
【0024】
また、DLC膜がSiCを含有する場合、ベローズ基体と該DLC膜との密着性を向上させるために、ベローズ基体(前記第2のベローズの場合は、より詳しく言えば、ベローズ基体の構成要素である前記金属製リング板)とDLC膜との間にシリコン中間膜が形成されていてもよい。
【0025】
いずれにしても、DLC膜の膜厚は、DLC膜によりベローズのプラズマ雰囲気中での耐腐食性を得るうえで略1μm以上であることが好ましく、また、DLC膜にも可撓性を保持させてベローズの伸縮に伴って該膜が剥離することをできるだけ抑制するために、厚くとも20μm以下、場合によっては支障のない範囲で5μm以下程度であることが好ましい。
【0026】
いずれにしても、膜形成方法の観点からすると、ベローズ基体表面上のDLC膜として、プラズマCVD法、スパッタ法又はアークイオンプレーディング法で形成された膜を代表例として挙げることができる。
【0027】
本発明に係るベローズはプラズマCVD装置、プラズマエッチング装置等や、これらを利用した半導体製造装置などの各種プラズマ処理装置に広く利用することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<第1実施形態のベローズ>
図1に第1実施形態のベローズB1の一部切欠状態の斜視図を示し、図2にベローズB1の一部の拡大断面図を示す。このベローズB1は蛇腹状筒形状のベローズ基体1とその表面にシリコン中間膜2を介して形成されたDLC膜3とからなっており、外力に応じて伸縮可能である。
【0029】
ベローズ基体1は、薄板状のステンレス鋼板からなる側面視(側面から見ると)やや台形状のドーナッツ状円形リング板11を複数枚重ね、第1枚目リング板11(11a)と第2枚目リング板11(11b)についてはリング板外周縁111同士、第2枚目リング板11(11b)と第3枚目リング板11(11c)についてはリング板内周縁112同士というように順次隣り合うリング板11、11についてリング板外周縁111同士、リング板内周縁112同士を交互に気密に溶接110して筒形状の蛇腹状に形成したものである。
【0030】
必ずしもそうである必要はないが、ここでの各リング板11は同心円状に起伏のある波板状を呈するように形成されており、それにより剛性が増し、変形し難くなっている。
【0031】
かかるベローズ基体1は例えば次のようにして形成できる。
【0032】
先ず、図3に例示するように薄板状のステンレス鋼板11’を図示省略のプレス機で打ち抜いて、側面視がやや台形状を呈するドーナッツ形状リング板11を複数枚形成する。各リング板の打ち抜き形成の際、同時にそれを既述のように波板状に成形する。なお、平板状のリング板を先ず打ち抜き、これを側面視台形状に成形したり、さらに波板状に成形するなどしてもよい。
【0033】
次にかかる複数枚のリング板11を図4に示すように向きを交互に反対にして重ね、第1枚目リング板11(11a)と第2枚目リング板11(11b)についてはリング板外周縁111同士が接触し、第2枚目リング板11(11b)と第3枚目リング板11(11c)についてはリング板内周縁112同士が接触するというように、順次隣り合うリング板11、11においてリング板外周縁111同士、リング板内周縁112同士が接触するように配置する。このような配置にあたっては図示省略のクランプなどの適当な固定具を用いて行い、適当なスペーサ12を各隣り合うリング板11間に配置するなどすればよい。
【0034】
次いでこの状態で接触し合っている内周縁112同士を溶接して連結するとともに両者間の隙間を気密に閉じ、さらに接触し合っている外周縁111同士を溶接して連結するとともに両者間の隙間を気密に閉じる。
【0035】
このようにして溶接が完了した後、例えばHeガスを用いてリークテストを行い溶接部の気密性の検査を行い、必要とあれば付設すべき金具(図示省略)の溶接を行う。
【0036】
しかる後に再びHe等のガスを用いてリークテストを行って気密性の検査をして気密性を確認しベローズ基体1を得る。
【0037】
その後該ベローズ基体1の、使用時にプラズマに曝される外側表面及び(又は)内側表面にDLC膜を形成するが、ここではベローズ基体1の外表面に膜形成する。
【0038】
該DLC膜は必ずしもSiCを含有するものでなくてもよいが、ここではDLC膜の耐久性を一層向上させるためにSiC含有のDLC膜3を形成する。また、必ずしもそうする必要はないが、ここではDLC膜のベローズ基体への密着性を向上させるためにベローズ基体1上に先ずシリコン中間膜2を形成し、その上にSiC含有DLC膜3を形成する。かくしてベローズB1を得る。
【0039】
膜形成は例えば図7に示すホローカソード型プラズマCVD装置により行える。該装置の詳細は後述する。
<第2実施形態のベローズ>
図5に第2実施形態のベローズB2の断面図を示す。このベローズB2も筒形状の蛇腹状ベローズ基体10とその表面にシリコン中間膜2を介して形成されたDLC膜3とからなっており、外力に応じて伸縮可能である。
【0040】
ベローズ基体10はステンレス鋼板製の円筒状部材の周壁を大径部と小径部が交互に連続する蛇腹状周壁に成形したものである。
【0041】
該ベローズ基体10は例えばつぎのようにして製作できる。
【0042】
先ず、薄板状の矩形のステンレス鋼板を円筒状に曲げ成形して突き合わせた両端を溶接し、その隙間を気密に閉じて円筒体10’(図6(A)参照)を得る。
【0043】
この円筒体10’を図6(A)に示すように、プレス成形用の二つ割り分解可能の型4内に収容する。この型4は図6(A)に示すように筒型の形状を備えており、内周壁面の半径が規則的に大小に変化して垂直断面が蛇腹状に形成されている。
【0044】
この型4の両端開口部及びこれに収めた円筒体10’の両端開口部を共に図示省略の蓋体で密閉するとともに該円筒体10’内に油や水などの圧力伝達媒体を高圧で送り込み、円筒体10’の周側面を型4の内壁面に押圧してプレスする。このプレスにより円筒体10’の周側面は図6(B)に示すように型4の内壁面に沿って変形し、蛇腹状になる。
【0045】
しかるのち蓋体を外して油や水などの圧力伝達媒体を取り除き、型4を解体して図6(C)に示すように蛇腹状にプレス成形されたベローズ基体10を取り出す。
【0046】
その後該ベローズ基体10の、使用時にプラズマに曝される外側表面及び(又は)内側表面にDLC膜を形成するが、ここではベローズ基体10の外表面に膜形成する。
【0047】
本実施形態においても、DLC膜は必ずしもSiCを含有するものでなくてもよいが、ここではDLC膜の耐久性を一層向上させるためにSiC含有のDLC膜3を形成する。また、必ずしもそうする必要はないが、ここでもDLC膜のベローズ基体への密着性を向上させるためにベローズ基体10上に先ずシリコン中間膜2を形成し、その上にSiC含有DLC膜3を形成する。かくしてベローズB2を得ることができる。膜形成は例えば図7に示すホローカソード型プラズマCVD装置により行える。
【0048】
このベローズB2はそのベローズ基体10が溶接部分の少ないものであるから、気密信頼性の高いものである。また、ベローズ基体10の製造工程が少なく済むのでその製造コストが低く抑えられ、ひいてはベローズB2の製造コストも安くつく。
【0049】
なお、以上の説明では円筒体10’の形成をステンレス鋼板の曲げ成形と溶接により行ったが、ステンレス鋼板を絞り加工して有底円筒体を形成し、この有底円筒体を型4で蛇腹状にプレス加工し、これを型4から取り出したのち底部分を切除してベローズ基体10を得てもよい。この場合には、継ぎ目のないベローズ基体が得られる。この方法によれば、溶接工程を省略でき、得られるベローズ基体の表面には溶接の継ぎ目など一切残らないので強度的にも均一で密閉性の高いベローズ基体が得られ、ひいては強度的にも均一で密閉性の高いベローズが得られる。
【0050】
次に中間シリコン膜2及びSiC含有DLC膜3を形成する図7のホローカソード型プラズマCVD装置について説明する。
【0051】
この装置は、イオンガン室51及び成膜室52を備えている。イオンガン室51には、ここに導入されるアルゴン等の不活性ガスをプラズマ化させるフィラメント511と、プラズマ中のイオンを加速する電極系(陽極512と注入電極513)が組み込まれている。図中、PW1、PW2、PW3はフィラメント511及び電極系への通電用電源である。
【0052】
成膜室52内には複数本のベローズ基体支持部521を有するホルダ522が設置されている。膜形成にあたっては、均一な膜形成のために、駆動装置523によりホルダ522の全体が回転駆動されるとともに各ベローズ基体支持部521が自転するように回転駆動される。
【0053】
また、成膜室52にはDLC膜のベローズ基体への密着性向上のためにシリコン中間膜2を形成するための、シリコンを含むスパッタカソード装置527が連設されている。
【0054】
さらに成膜室52には排気装置525が連設されているとともに成膜室52の周囲にイオンガン室51からのイオンを成膜室内の対向電極524へ収束させるためのソレノイドコイル526も設けられている。
【0055】
成膜にあたっては、先ず、ホルダ522の各ベローズ基体支持部521にベローズ基体1又は10を搭載し、成膜室52及びこれに連設されたイオンガン室51内を排気装置525で排気減圧して前処理用の所定減圧状態に維持しつつイオンガン室51に本例ではアルゴンガスを所定量導入する。このガスをフィラメント511への通電によりプラズマ化し、電極系によりアルゴンイオンを成膜室52内へ加速導入し、このイオンを電源PW4(+100V、−500V、周波数100kHz)にて500Vのバイアスを印加したベローズ基体支持部521の方へ所定時間照射することでベローズ基体の前処理を行う。
【0056】
その後、成膜室52及びこれに連設されたスパッタカソード装置527内を中間膜形成のための所定減圧状態に維持しつつ中間膜形成のための所定量のアルゴンガスを導入して装置527におけるシリコンをスパッタリングすることで各ベローズ基体1又は10にシリコン中間膜2を形成する。
【0057】
その後、イオンガン室51及び成膜室52内をDLC膜形成のための所定減圧状態に維持しつつイオンガン室51には中間膜形成時と同量のアルゴンガスを導入してこれをプラズマ化し、成膜室52内へアルゴンイオンを加速導入する一方、成膜室52内に成膜原料であるアセチレンガス(C2 H2 )とシリコン(Si)を添加するためのTMS(テトラメチルシラン) をそれぞれ所定量供給し、これをアルゴンイオンでプラズマ化し、該プラズマのもとで、中間膜形成時と同じバイアスを印加したベローズ基体1又は10にSiC含有DLC膜3を形成する。かくしてDLC膜被覆ベローズB1又はB2が形成される。
【0058】
以上の前処理、中間膜形成及びDLC膜形成時のガス供給流量、成膜室内圧力、形成膜厚の例を表1に示す。DLC膜については、厚さについてはいずれも5μmであるが、アセチレンガスとTMSそれぞれの供給流量を調整することで、シリコン濃度Atom%が0、5、10、20、30と異なるDLC膜を形成した。これら各シリコン濃度のDLC膜の膜硬度及び内部応力を表2に示す。
【0059】
なお、膜硬度についてはヌープ硬度計で計測し、膜内部応力については膜形成面の反り具合から内部応力をみるストレスアナライザーで計測した。
表2から分かるように、Si濃度が、5Atom%近傍までは、膜硬度は大きく低下せず、膜内部応力が低減されるが、10Atom%を超えてくると、硬度、内部応力ともに低下してくる。従ってDLC膜のベローズ基体からの剥離を抑制するうえではSi濃度が大きい方がよいが、膜硬度の観点からするとSi濃度は大き過ぎない方がよい、と言える。なお、Si濃度が5Atom%〜30Atom%程度の範囲は許容できる範囲である。
【0060】
次に、面積20mm×20mm、厚さ0.127mmで4隅角を曲率半径2mm(R2)で丸めたSUS316Lの試料片であって、DLC膜無しの試料と、シリコン濃度Atom%が0、5、10、20、30のSiC含有DLC膜を形成した5枚の試料につき、酸素プラズマ暴露試験を行い、試験後の表面粗さ、試験前後での膜厚減少を測定した。その結果を表3に示す。
【0061】
酸素プラズマ暴露試験は、平行平板型プラズマ処理装置(電極間ギャップGap(mm))に試料を設置し、酸素ガスを導入し、これに高周波電力を印加してプラズマ化し、該プラズマに試料を曝すことで行った。
シリコン濃度が10Atom%のSiC含有DLC膜で被覆した試料の酸素プラズマ暴露試験前の表面、同試料の酸素プラズマ暴露試験後の表面、SiCを含有していない一般的なDLC膜被覆試料の酸素プラズマ暴露試験後の表面のそれぞれについて顕微鏡で観察したところ、一般的なDLC膜については酸素プラズマによってDLC膜が僅かに表面に残る状態となることが確認されたが、SiC含有DLC膜については酸素プラズマ暴露試験後においても、多少表面状態が荒れているもののDLC膜の剥がれが生じていないことが確認された。また、前記サイズ及び材質の試料片にシリコン濃度が11.67Atom%のSiC含有DLC膜を形成した試料を前記と同条件で酸素プラズマ暴露試験を行った。そのときの試験前後のDLC膜表面の元素の定量分析結果を表4に示す。
表4から、基材であるSUS316Lの主成分である鉄(Fe)が検出されていないため、SiC含有DLC膜が剥がれて基材表面が露出する状態は発生せず、酸素プラズマに対してSiC含有DLC膜が良好な耐蝕性を示したことが分かる。
【0062】
以上、金属製ベローズ基体を先に形成し、これにダイアモンド状カーボン膜を形成して耐プラズマ製ベローズを得る例を説明したが、ベローズ基体を形成するための例えば前記ステンレス鋼板からなるリング板11のそれぞれに、先にDLC膜を形成し、そのようにDLC膜を形成したリング板11を複数枚重ねるとともに第1枚目リング板と第2枚目リング板についてはリング板外周縁同士(又はリング板内周縁同士)、第2枚目リング板と第3枚目リング板についてはリング板内周縁同士(又はリング板外周縁同士)というように順次隣り合うリング板についてリング板外(又は内)周縁同士、リング板内(又は外)周縁同士を交互に気密に溶接することで蛇腹状筒形状のベローズ基体を形成すると同時に該ベローズ基体の外表面及び(又は)内表面にダイアモンド状カーボン膜を有する耐プラズマ性ベローズを形成してもよい。
【0063】
この場合、例えばベローズ基体の外表面にDLC膜を有するベローズを得ようとする場合は、片面にDLC膜を形成した各リング板11を、溶接処理にてベローズに組み上げたとき、DLC膜がベローズ基体の外表面に位置するように重ねればよく、また、ベローズ基体の内表面にDLC膜を有するベローズを得ようとする場合は、片面にDLC膜を形成した各リング板11を、溶接処理にてベローズに組み上げたとき、DLC膜がベローズ基体の内表面に位置するように重ねればよい。
【0064】
また、隣り合うリング板同士の溶接は、ベローズ基体の外表面にDLC膜を有するベローズを得ようとする場合は、溶接部分ができるだけプラズマに曝されないようにベローズ基体の内側において行うことが望ましく、また、ベローズ基体の内表面にDLC膜を有するベローズを得ようとする場合は、溶接部分ができるだけプラズマに曝されないようにベローズ基体の外側において行うことが望ましい。
【0065】
いずれにしても、このように先にDLC膜を形成した金属製リング板を用いてベローズを形成する場合でも、DLC膜は例えば図7に示すような成膜装置を用いて形成でき、また、SiCを膜中に含有させて、或いはさらにシリコン中間膜を介して形成することもできる。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、プラズマを含む雰囲気中で使用しても耐久性が高く、また、繰り返しの伸縮に対しても耐久性が高く、それにより自身が原因となる周囲汚染の発生を抑制できる耐プラズマ性ベローズを提供することができる。
【0067】
また本発明によると、たとえ酸素プラズマ雰囲気中で使用しても極めて耐久性が高く、また、繰り返しの伸縮に対しても耐久性が高く、それにより自身が原因となる周囲汚染の発生を抑制できる耐プラズマ性ベローズを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のベローズの一部切欠状態の斜視図である。
【図2】図1に示すベローズの一部の拡大断面図である。
【図3】リング板をステンレス鋼板から打ち抜いて形成することを示す図である。
【図4】図1に示すベローズにおけるベローズ基体の形成方法を示す図である。
【図5】第2実施形態のベローズの断面図である。
【図6】図5に示すベローズにおけるベローズ基体の形成方法を示す図である。
【図7】ホローカソード型プラズマCVD装置の1例を示す図である。
【図8】プラズマエッチング装置の従来例を示す図である。
【符号の説明】
B1 ベローズ
1 ベローズ基体
2 シリコン中間膜
3 SiC含有DLC膜
11、11a、11b、11c 円形リング板
111 リング板外周縁
112 リング板内周縁
11’ステンレス鋼板
11’を図示省略のプレス機で打ち抜いて、側面視がやや台形状を呈するドーナ
110 溶接部
12 スペーサ
B2 ベローズ
10 ベローズ基体
10’ 円筒体
4 成形用型
51 イオンガン室
52 成膜室
511 フィラメント
512 陽極
513 注入電極
PW1、PW2、PW3、PW4 電源
521 ベローズ基体支持部
522 ホルダ
523 ホルダ駆動装置
524 スパッタカソード
525 排気装置
526 ソレノイドコイル
91 処理室
92 基板ホルダ
93 高周波電極
94 電源
95 ホルダ昇降駆動装置
951 昇降シャフト
96 ベローズ
S 被処理基板
Claims (8)
- 金属製リング板を複数枚重ねるとともに第1枚目リング板と第2枚目リング板についてはリング板外周縁同士(又はリング板内周縁同士)、第2枚目リング板と第3枚目リング板についてはリング板内周縁同士(又はリング板外周縁同士)というように順次隣り合うリング板についてリング板外(又は内)周縁同士、リング板内(又は外)周縁同士を交互に気密に溶接して形成された蛇腹状筒形状のベローズ基体の外表面及び(又は)内表面にダイアモンド状カーボン膜が形成されてなることを特徴とする耐プラズマ性ベローズ。
- 片面又は両面にダイアモンド状カーボン膜が形成された金属製リング板を複数枚重ねるとともに第1枚目リング板と第2枚目リング板についてはリング板外周縁同士(又はリング板内周縁同士)、第2枚目リング板と第3枚目リング板についてはリング板内周縁同士(又はリング板外周縁同士)というように順次隣り合うリング板についてリング板外(又は内)周縁同士、リング板内(又は外)周縁同士を交互に気密に溶接することで蛇腹状筒形状のベローズ基体の外表面及び(又は)内表面に前記ダイアモンド状カーボン膜を有する状態とされたことを特徴とする耐プラズマ性ベローズ。
- 金属製円筒状部材の周壁を大径部と小径部が交互に連続する蛇腹状周壁に成形したベローズ基体の外表面及び(又は)内表面にダイアモンド状カーボン膜が形成されてなることを特徴とする耐プラズマ性ベローズ。
- 前記ダイアモンド状カーボン膜は膜厚が1μm〜20μmである請求項1、2又は3記載の耐プラズマ性ベローズ。
- 前記ダイアモンド状カーボン膜は炭化シリコン(SiC)を含有している請求項1から4のいずれかに記載の耐プラズマ性ベローズ。
- 前記ダイアモンド状カーボン膜は前記ベローズ基体上にシリコン中間膜を介して形成されている請求項5記載の耐プラズマ性ベローズ。
- 前記ダイアモンド状カーボン膜におけるシリコン濃度は5Atom%〜30Atom%である請求項5又は6記載の耐プラズマ性ベローズ。
- 前記ダイアモンド状カーボン膜はプラズマCVD法、スパッタ法又はアークイオンプレーディング法で形成された膜である請求項1から7のいずれかに記載の耐プラズマ性ベローズ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002381294A JP2004214370A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 耐プラズマ性ベローズ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002381294A JP2004214370A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 耐プラズマ性ベローズ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004214370A true JP2004214370A (ja) | 2004-07-29 |
Family
ID=32817265
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002381294A Withdrawn JP2004214370A (ja) | 2002-12-27 | 2002-12-27 | 耐プラズマ性ベローズ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004214370A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009123795A (ja) * | 2007-11-13 | 2009-06-04 | Hitachi Kokusai Electric Inc | 半導体装置の製造方法及び基板処理装置 |
KR20180002840A (ko) * | 2015-05-07 | 2018-01-08 | 어플라이드 머티어리얼스, 인코포레이티드 | 챔버 컴포넌트들을 위한 부식 제어 |
CN110079759A (zh) * | 2019-03-11 | 2019-08-02 | 安徽格斯波纹管有限公司 | 一种金属波纹管表面处理方法 |
-
2002
- 2002-12-27 JP JP2002381294A patent/JP2004214370A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009123795A (ja) * | 2007-11-13 | 2009-06-04 | Hitachi Kokusai Electric Inc | 半導体装置の製造方法及び基板処理装置 |
KR20180002840A (ko) * | 2015-05-07 | 2018-01-08 | 어플라이드 머티어리얼스, 인코포레이티드 | 챔버 컴포넌트들을 위한 부식 제어 |
JP2018515691A (ja) * | 2015-05-07 | 2018-06-14 | アプライド マテリアルズ インコーポレイテッドApplied Materials,Incorporated | チャンバ部品のための腐食制御 |
JP6993881B2 (ja) | 2015-05-07 | 2022-01-14 | アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド | チャンバ部品のための腐食制御 |
KR102554832B1 (ko) * | 2015-05-07 | 2023-07-11 | 어플라이드 머티어리얼스, 인코포레이티드 | 챔버 컴포넌트들을 위한 부식 제어 |
CN110079759A (zh) * | 2019-03-11 | 2019-08-02 | 安徽格斯波纹管有限公司 | 一种金属波纹管表面处理方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
TWI656556B (zh) | 電漿處理室中具有能延伸彈性密封件的使用壽命之適當尺寸的邊緣環、下電極組件、以及蝕刻半導體基板的方法 | |
JP4608159B2 (ja) | 半導体処理装置の耐腐食性部材およびその製造方法 | |
JP4628900B2 (ja) | プラズマ処理装置 | |
KR101204160B1 (ko) | 진공 처리 장치 | |
JP5544907B2 (ja) | ガスシャワー用の構造体及び基板処理装置 | |
US20130098757A1 (en) | Sputtering deposition apparatus and adhesion preventing member | |
KR102215801B1 (ko) | 성막 장치 | |
WO2017221829A1 (ja) | プラズマ処理装置 | |
WO1998046808A1 (fr) | Processeur | |
TW200841390A (en) | Quartz guard ring centering features | |
JP2004214370A (ja) | 耐プラズマ性ベローズ | |
KR102344265B1 (ko) | 본딩 보호 부재 및 이를 구비하는 기판 처리 시스템 | |
JP6727338B2 (ja) | 非シャドウフレーム式プラズマ処理チャンバ | |
JP3335010B2 (ja) | 処理装置 | |
KR101486553B1 (ko) | 진공처리장치 | |
JP4268798B2 (ja) | シール部材及びプラズマ処理装置 | |
JP2002313780A (ja) | 半導体製造装置用石英チャンバー及びその製造方法 | |
KR20170006807A (ko) | 공정 챔버의 부품파트 및 화학기상증착에 의해 이트리아를 부품파트에 증착하는 방법 | |
JP2000124197A (ja) | プラズマ処理装置 | |
TW202213429A (zh) | 射頻接地系統和方法 | |
TW202204684A (zh) | 用於沉積應用的高溫面板 | |
TWI673797B (zh) | 製程零件、半導體製造設備及半導體製造方法 | |
JP2000268995A (ja) | プラズマ処理装置 | |
JPH11236971A (ja) | 表面処理が施されたベローズ | |
JP4617701B2 (ja) | Oリング取り外し用窪み構造を有する容器部材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060307 |