JP2004213946A - 非水電解質二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】サイクル特性を損なうことなく、過放電による電池性能の劣化を防止できる非水電解質二次電池を提供する。
【解決手段】正極と、炭素材料を活物質とする負極と、非水溶媒と電解質塩とを含む非水電解質と、を有する非水電解質二次電池において、前記負極の芯体が、銅からなり、前記負極芯体上及び/または負極活物質上の少なくとも一部がリチウムと合金化する金属で被覆されていることを特徴とする非水電解質二次電池。
【選択図】 図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、過放電による電池特性の劣化を防止することを目的とする非水電解質二次電池の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話、ノートパソコン、PDA等の移動情報端末の小型・軽量化が急速に進展しており、その駆動電源としての電池にはさらなる高容量化が要求されている。リチウムイオン二次電池に代表される非水電解質二次電池は、高いエネルギー密度を有し、高容量であるので、上記のような移動情報端末の駆動電源として広く利用されている。
【0003】
このような非水電解質二次電池は、通常、リチウム含有遷移金属複合酸化物等を活物質とする正極と、黒鉛等の炭素材料からなる活物質を銅箔に塗布した負極と、有機化合物からなる非水溶媒にリチウム塩を溶解した非水電解質とが用いられている。しかし、上述した非水電解質二次電池は、過放電により負極芯体である銅が非水電解質に溶解し、著しく電池特性が低下するという問題があった。
【0004】
このことは、次のように考えられる。放電により電池の出力電圧が低下すると、それに伴って負極活物質の電位が上昇する。リチウムを基準とした電位が0〜1Vであると銅は安定であるが、過放電によって負極活物質である炭素材料が完全に放電した状態になると、負極活物質の電位が急激に上昇し、これに伴い負極全体としての電位(負極電位)が上昇する。そして、負極電位が1Vを超えて負極芯体の銅の溶出限界電位に達すると、銅が非水電解質に溶解し、さらにはこの溶解した銅が正極表面上に析出する。よって、負極の集電特性の低下や、正負極間の短絡を引き起こし、さらに、過放電後、充電すると、負極活物質上にも銅が析出する。よって、リチウムイオンの挿入・脱離が阻害され、電池特性の低下を招くこととなる。
【0005】
このような銅の溶出を防止するための技術としては、炭素材料を主体とする負極活物質に、リチウムイオンを吸蔵放出可能な金属や金属酸化物の粒子を副負極材料として混合する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−21392号公報(第2頁〜第4頁)
【0007】
上記副負極材料は炭素材料よりも不可逆容量が大きいため、上記技術によると、負極の放電速度が低下し、負極電位の上昇が抑制されるので、銅の溶出を防止することができるとされる。しかしながら、この技術では、副負極材料が充放電に伴うリチウムイオンの挿入脱離により膨張収縮し、この膨張収縮がその周囲にある負極活物質と負極芯体との密着性を低下させ、さらには負極活物質を負極芯体から脱離させる。このため、この技術はサイクル特性を劣化させるという課題を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は以上の事情に鑑みなされたものであって、非水電解質二次電池において、サイクル特性を損なうことなく、過放電による電池性能の劣化を防止することのできる手段を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は正極と、炭素材料を活物質とする負極と、非水溶媒と電解質塩とを含む非水電解質と、を有する非水電解質二次電池において、前記負極の芯体が、銅からなり、前記負極芯体上及び/または負極活物質上の少なくとも一部が、リチウムと合金化する金属で被覆されていることを特徴とする。
【0010】
上記構成によると、負極芯体及び/または負極活物質の表面の少なくとも一部を被覆しているリチウムと合金化する金属は、電池の充電により正極由来のリチウムと合金化してリチウム合金となる。この合金は負極活物質である炭素材料よりも不可逆容量(充放電に関与しない容量)が大きいため、上記構成によると、負極の放電反応速度が低下し、過放電による負極活物質の電位の急速な上昇が抑制される。また、リチウム合金の電位は充電状態の炭素材料の電位よりも高く、過放電時に負極活物質である炭素材料の電位がリチウム合金の電位に達すると、当該リチウム合金の電位の存在がさらなる電位の上昇を抑制する。これにより、負極電位の上昇も抑制され、銅の非水電解質中への溶出が防止されることになる。
【0011】
また、前記リチウムと合金化する金属を負極活物質と混合する場合、当該金属は充放電に伴うリチウムイオンの挿入脱離によって膨張収縮して、負極芯体と負極活物質との密着性に与える影響が大きくなる。しかし、前記リチウムと合金化する金属により負極が被覆されている上記本願構成であると、上述した影響が極めて小さくサイクル特性を損なうことがほとんどない。
【0012】
ここで、本明細書中で用いるリチウムと合金化する金属とは、アルミニウム、亜鉛、ケイ素等の金属単体のみを示すものではなく、アルミニウム−亜鉛合金等のリチウムと合金化する合金類を含むものである。
【0013】
上記構成において、前記リチウムと合金化する金属の厚みが1mm以下であるとすることができる。
【0014】
前記リチウムと合金化する金属の厚みが1mmよりも大きいと、充放電に伴う金属の膨張収縮が周囲の活物質等に与える影響が大きくなり、負極活物質と負極芯体との密着性が低下するおそれがある。また、リチウムと合金化する金属の厚みが1mmよりも大きいと、負極上の凹凸が大きくなるので、渦巻型の電極体を製造する場合、巻回工程においてずれなく良好に渦巻電極体を作製することが困難になるおそれがある。このため、前記リチウムと合金化する金属の厚みは上記範囲に規制することが好ましい。
【0015】
上記構成において、前記リチウムと合金化する金属がアルミニウムである、とすることができる。
【0016】
アルミニウムはリチウムと合金化しやすいので好ましい。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は下記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することができる。
【0018】
図1は本発明の実施の形態に係るラミネート外装体を用いた非水電解質二次電池の正面図、図2は図1のA−A線矢視断面図、図3は非水電解質二次電池に用いるラミネート外装体の断面図、図4は非水電解質二次電池に用いる電極体の斜視図である。
【0019】
図2に示すように、本発明の非水電解質二次電池は電極体1を有しており、この電極体1は収納空間2内に配置されている。この収納空間2は、図1に示すように、ラミネート外装体3の上下端と中央部とをそれぞれ封止部4a・4b・4cで封口することにより形成される。また、収納空間2には、非水溶媒に電解質塩を溶解した電解液が注入されている。また、図4に示すように、上記電極体1は、正極5と、負極6と、これら両電極を離間するセパレータ(図4においては図示せず)とを偏平渦巻き状に巻回することにより作製される。
【0020】
ここで、前記正極5は、正極芯体にリチウム含有金属酸化物等からなる正極活物質が保持された構造であり、前記負極6は、銅からなる負極芯体に炭素材料からなる負極活物質が塗布され、その負極芯体及び/または負極活物質上がリチウムと合金化する金属により被覆された構造をしている。
【0021】
更に、上記正極5はアルミニウムから成る正極リード8に、また上記負極6は銅から成る負極リード7にそれぞれ接続され、電池内部で生じた化学エネルギーが電気エネルギーとして外部へ取り出し得るようになっている。
【0022】
尚、図3に示すように、上記ラミネート外装体3の具体的な構造は、アルミニウム層11(厚み:30μm)の両面に、各々、変性ポリプロピレンから成る接着剤層12・12(厚み:5μm)を介してポリプロピレンから成る樹脂層13・13(厚み:30μm)が接着された構造である。
【0023】
【実施例】
以下、実施例によりさらに詳細に本発明を説明する。
【0024】
(実施例1)
〈正極の作製〉
コバルト酸リチウム(LiCoO2)からなる正極活物質90質量部と、アセチレンブラックからなる導電剤5質量部と、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)からなる結着剤5質量部と、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)とを混合し、活物質スラリーとした。
【0025】
この活物質スラリーを、ドクターブレードにより厚み15μmのアルミニウム箔からなる正極芯体の両面に均一に塗布した後、加熱した乾燥機中を通過させて乾燥することにより、スラリー作製時に必要であった有機溶媒を除去した。次いで、この極板を厚みが0.17mmになるようにロールプレス機により圧延して正極を作製した。
【0026】
〈負極の作製〉
黒鉛からなる負極活物質90質量部と、ポリビニリデンフルオライド(PVdF)からなる結着剤10質量部と、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)とを混合し、活物質スラリーとした。この活物質スラリーを、ドクターブレードにより負極芯体としての銅箔(厚み10μm)の両面に均一に塗布した後、乾燥機中を通過させて乾燥することにより、スラリー作製時に必要であった有機溶媒を除去した。次いで、この極板を厚みが0.12mmになるようにロールプレス機により圧延して負極を作製した。次に、60mm×10mm×厚み15μmのアルミニウム箔11を超音波溶接により図5に示すように、負極の片面の負極活物質塗布部9及び負極活物質非塗布部10上に溶接した。
【0027】
〈プレゲル溶液の作製〉
エチレンカーボネート(EC)と、プロピレンカーボネート(PC)と、ジエチルカーボネート(DEC)とを体積比1:1:8で混合した混合溶媒に、電解質塩としてLiPF6を1M(モル/リットル)になるよう溶解させ、電解液を作製した。この電解液90質量部にポリエチレングリコールジアクリレート10質量部添加し、さらに重合開始剤を加えプレゲル溶液とした。
【0028】
〈電極体の作成〉
上記のように作成した正極と負極に、それぞれ正極リード8あるいは負極リード7を取り付けた後、ポリエチレン製の微多孔膜(厚み:0.020mm)からなるセパレータを間にし、かつ各極板の幅方向の中心線を一致させて重ね合わせた。この後、巻き取り機により巻回し、最外周をテープ止めすることにより偏平渦巻状電極体1を作成した。
【0029】
樹脂層(ポリプロピレン)/接着剤層/アルミニウム合金層/接着剤層/樹脂層(ポリプロピレン)の5層構造から成るシート状のラミネート材を用意した後、このアルミラミネート材における端部近傍同士の樹脂層を重ね合わせ、重ね合わせ部を溶着して封止部4cを形成した。次に、この筒状アルミラミネート材の収納空間2内に電極体1を挿入した。この際、筒状アルミラミネート材の一方の開口部から両リード7、8が突出するように電極体1を配置した。この後、両リードが突出している開口部のアルミラミネート材の内側の樹脂層を溶着して封止し、封止部4aを形成した。この際、溶着は高周波誘導溶着装置を用いて行った。
【0030】
もう一方の開口部から上記非水電解質を注液した後、当該開口部を同様に加熱溶着して封止部4bを形成し、実施例1に係る非水電解質二次電池を作製した。
【0031】
(実施例2)
図6に示すように、負極活物質非塗布部10上に、20mm×30mm×厚み15μmのアルミニウム箔11を溶接したこと以外は、上記実施例1と同様にして、実施例2に係る本発明電池を作製した。
【0032】
(比較例1)
負極にアルミニウム箔を溶着しなかったこと以外は、上記実施例1と同様にして、比較例1に係る比較電池を作製した。
【0033】
(比較例2)
黒鉛の重量の1%を副負極材料であるアルミニウム粉末(平均粒径10μm)に置きかえた(黒鉛89.1質量部、アルミニウム粉末0.9質量部、PVdF10質量部とした)こと以外は上記比較例1と同様にして、比較例2に係る比較電池を作製した。
【0034】
(電池特性試験)
上記のように作製した電池、実施例1、2、比較例1、2について、下記に示す条件で過放電特性試験、サイクル特性試験を行った。なお、上記で作製した電池の容量は全て600mAhであり、以下の試験は全て室温(25℃)で行った。
【0035】
(過放電特性試験)
充電条件:定電流1It(600mA)で4.2Vまで、その後定電圧4.2Vで30mAまで充電。
過放電条件:定電流1It(600mA)で2.75Vまで放電、その後定電流1mAで0Vまで過放電。
過放電容量維持率(%):100×3サイクル後の放電容量(2.75Vカットオフ)/1サイクル目の放電容量(2.75Vカットオフ)
【0036】
(サイクル特性試験)
充電条件:定電流1It(600mA)で4.2Vまで、その後定電圧4.2Vで30mAまで充電。
放電条件:定電流1It(600mA)で2.75Vまで放電。
サイクル容量維持率(%):100×500サイクル後の放電容量/1サイクル目の放電容量
【0037】
アルミニウムの形状と、過放電特性、サイクル特性との関係を下記表1に示す。
【0038】
【表1】
Figure 2004213946
【0039】
上記表1から、負極芯体または負極活物質上がアルミニウム箔で被覆されている実施例1、2及び副負極材料としてアルミニウムを含む比較例2では、過放電容量維持率が68〜95%と、アルミニウムを負極に含まない比較例1の52%と比較し、はるかに優れた特性が得られていることがわかる。
【0040】
このことは、次のように考えられる。放電により電池の出力電圧が低下すると、それに伴って負極活物質の電位が上昇する。リチウムを基準とした電位が0〜1Vであると銅は安定であるが、過放電によって負極の炭素材料が完全に放電した状態になると、負極活物質の電位が急激に上昇し、それに伴い負極電位が上昇する。負極にアルミニウムを含まない比較例1では、負極電位が1Vを超えて負極芯体の銅の溶出限界電位に達するため、銅からなる負極芯体中から銅が非水電解質中に溶解し、この銅が正極表面に析出し、これにより、負極の集電特性の低下や、正負極間の短絡を引き起こし、電池容量の低下を招く。
【0041】
他方、負極にアルミニウムを含む実施例1、2、比較例2においては、アルミニウムは充電によりリチウム合金となる。この合金は活物質である黒鉛よりも不可逆容量(充放電に関与しない容量)が大きく、負極の放電反応速度を低下させるように作用する。このため、過放電による負極活物質の電位の急速な上昇が抑制される。また、リチウム合金の電位は充電状態の黒鉛の電位より高く、負極活物質の電位上昇時にリチウム合金の電位に達すると、この電位に影響を受けて負極活物質の電位のさらなる上昇が抑制される。したがって、負極電位の上昇が抑制され、それに伴う銅の溶出が防止できる。この結果、電池特性の低下を防止することができる。
【0042】
また、負極活物質と粒子状のアルミニウムとが混合されている比較例2では、サイクル容量維持率が17%と、負極に粒子状のアルミニウムを含まない実施例1、2、比較例1の75〜82%と比べ著しくサイクル容量維持率が低下していることがわかる。
【0043】
このことは、次のように考えられる。粒子状のアルミニウムが負極活物質と混合して用いられている比較例2では、充放電に伴うアルミニウム粒子の膨張収縮がその周囲にある活物質と負極芯体との密着性を低下させるように作用する結果、負極芯体から活物質が脱離する。このため、サイクル容量維持率が大幅に低下する。他方、負極活物質上及び/または負極芯体上がアルミニウム箔により被覆されている実施例1、2においては、アルミニウムが箔状であるため充放電による膨張収縮が周囲の活物質に与える影響が、比較例2の場合と比較して極めて小さい。したがって、実施例1、2は、アルミニウムを負極に含まない比較例1における場合と同様に、十分なサイクル容量維持率が得られたものと考えられる。
【0044】
また、アルミニウム箔の溶着位置の異なる実施例1、2では、過放電容量維持率が95%と68%、サイクル容量維持率が75%と80%と、大きな差が確認された。このことは、次のように考えられる。
【0045】
実施例2では、アルミニウム箔が活物質と密着しない状態で溶着されているので、リチウム合金が活物質の電位上昇を抑制する作用が、負極芯体を介して伝えられることとなり、活物質の電位上昇を間接的にしか抑制できない。他方、実施例1ではアルミニウム箔が活物質と密着した状態で溶着されているので、リチウム合金が活物質の電位上昇を抑制する作用が直接活物質に伝わり、実施例2に比べてより効果的に活物質の電位上昇を抑制する。このため、過放電容量維持率が実施例1では95%、実施例2では68%と、大きな差が生じたものと考えられる。
【0046】
また、実施例1では、アルミニウム箔が負極活物質上に存在するので、この部分では、リチウムイオンはアルミニウムに挿入脱離され、その下部の炭素材料には、リチウムイオンが挿入・脱離され難い。そして、アルミニウムはリチウムイオンの不可逆容量が大きいので、挿入されたリチウムイオンは完全には、脱離できなくなり、充放電効率が悪くなる。したがって、アルミニウム箔が活物質上に存在する実施例1に比べて、アルミニウム箔が活物質上に存在しない実施例2の方が、サイクル容量維持率が良くなったと考えられる。
【0047】
尚、上記実施例ではリチウムと合金化する金属またはその合金としてアルミニウムを用いたが、これに限定されることはなく、ケイ素、マグネシウム、鉛、亜鉛、すず、カドミウムや、前述した金属の合金等を用いることができる。
【0048】
また、上記実施例ではアルミニウム箔を溶着することにより被覆したが、この方法に限定されることはなく、例えば電気的メッキ法等を用いて被覆することができる。
【0049】
また、上記実施例ではラミネート電池を作製したが、本発明はこの形状に限定されるものではなく、コイン型、角型、円筒形電池等に種々の形状の電池に利用することができる。また、ゲル状非水電解質二次電池だけではなく、ゲルを用いない非水電解液電池にも利用することができる。
【0050】
また、上記実施例ではドクターブレードによりスラリーを塗布したが、ダイコーターを用いてもよい。また、活物質スラリーのかわりに活物質ペーストを用い、ローラコーティング法等により塗布することもできる。また、アルミニウム箔のかわりにアルミニウムメッシュを用いても同様に作製することができる。
【0051】
また、正極活物質としては、リチウム含有遷移金属複合酸化物から選択される一種の化合物、あるいは二種以上の化合物を混合して用いることができ、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、鉄酸リチウム、またはこれらの酸化物に含まれる遷移金属の一部を他の元素で置換した酸化物等が用いることができる。また、リチウム含有オリビン型リン酸化合物であってもよい。
【0052】
また、負極活物質としては、天然黒鉛、カーボンブラック、コークス、ガラス状炭素、炭素繊維、あるいはこれらの焼成体等の炭素質物を用いることができる。
【0053】
また、電解質に使用する非水溶媒としては、カーボネート類、ラクトン類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、アミド類、スルホン系化合物、エステル類、芳香族炭化水素等から選択される化合物の一種、あるいは二種以上混合して用いることができる。これらの内でも、カーボネート類、ラクトン類、エーテル類、ケトン類、ニトリル類が好ましく、特にカーボネート類がさらに好ましい。これらの具体例としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、アニソール、1,4−ジオキサン、4−メチル−2−ペンタノン、シクロヘキサノン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジメチルホルムアミド、スルホラン、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸エチルなどがあげられる。
【0054】
また、電解質塩としては、LiN(C25SO22、LiN(CF3SO22、LiCF3SO3、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4等のリチウム塩から選択される化合物の一種単独で、あるいは二種以上混合して使用することができる。また、前記非水溶媒に対する電解質塩の溶解量は0.5〜2.0モル/リットルとすることが好ましい。
【0055】
【発明の効果】
上記の結果から明らかなように、本発明によると、サイクル特性を損なうことなく、過放電による性能劣化を防止し得た非水電解質二次電池を提供することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非水電解質二次電池の正面図である。
【図2】図1のA−A線矢視断面図である。
【図3】本発明に係る非水電解質二次電池に用いるラミネート外装体の断面図である。
【図4】本発明に係る非水電解質二次電池に用いる電極体の斜視図である。
【図5】実施例1で用いた負極のアルミニウムが溶接されている状態を示す模式図である。
【図6】実施例2で用いた負極のアルミニウムが溶接されている状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 電極体
2 収納空間
3 アルミラミネート外装体
4a、4b、4c 封止部
5 正極
6 負極
7 負極リード
8 正極リード
9 負極活物質塗布部
10 負極活物質非塗布部
11 アルミニウム箔

Claims (3)

  1. 正極と、炭素材料を活物質とする負極と、非水溶媒と電解質塩とを含む非水電解質と、を有する非水電解質二次電池において、
    前記負極の芯体が、銅からなり、
    前記負極芯体上及び/または負極活物質上の少なくとも一部が、リチウムと合金化する金属で被覆されている非水電解質二次電池。
  2. 請求項1記載の非水電解質二次電池において、
    前記リチウムと合金化する金属の厚みが1mm以下である非水電解質二次電池。
  3. 請求項1または2記載の非水電解質二次電池において、
    前記リチウムと合金化する金属がアルミニウムである非水電解質二次電池。
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