JP2004212542A - 中間転写体・カラー画像形成方法・画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】対策的に相反する逆転写とプレ転写の双方を同時に且つコスト上昇を来たすことなく抑制でき、カラー画像形成における画質の向上を図ることができるようにする。
【解決手段】各感光体40Y、40C、40M、40Bに形成されたトナー像は無端ベルト状の中間転写体10に順次転写されて重ね合わされ、重ね合わされたトナー像(フルカラー画像)は2次転写装置22によりシートSに転写される。2色目以降の画像形成手段18C、18M、18Bkには、現像工程後で且つ中間転写体10への転写前に、感光体40C、40M、40Bkの表面電位を除電する像担持体除電手段101C、101M、101Bkが設けられており、中間転写体10は、1次転写手段としての1次転写ローラ62Y、62C、62M、62Bkにより印加される転写バイアスの回り込みを抑制可能な高抵抗ベルトにより構成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】各感光体40Y、40C、40M、40Bに形成されたトナー像は無端ベルト状の中間転写体10に順次転写されて重ね合わされ、重ね合わされたトナー像(フルカラー画像)は2次転写装置22によりシートSに転写される。2色目以降の画像形成手段18C、18M、18Bkには、現像工程後で且つ中間転写体10への転写前に、感光体40C、40M、40Bkの表面電位を除電する像担持体除電手段101C、101M、101Bkが設けられており、中間転写体10は、1次転写手段としての1次転写ローラ62Y、62C、62M、62Bkにより印加される転写バイアスの回り込みを抑制可能な高抵抗ベルトにより構成されている。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等のカラー画像形成が可能な画像形成装置、該画像形成装置に用いられる中間転写体、及びカラー画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、電子写真装置では、市場からの要求に伴い、カラー画像を形成可能なカラー複写機やカラープリンタなどの普及が拡大している。
カラー電子写真装置には、1つの像担持体としての感光体の周りに複数色の現像装置を備え、それらの現像装置で例えばトナーなどのような荷電着色粒子(現像剤)を感光体上に付着させて画像を形成し、その感光体上のトナー画像を中間転写体に1次転写し、その中間転写体上の重ね合わされたトナー画像をさらに記録媒体に2次転写して画像を記録する、いわゆる1ドラム・中間転写タイプのものがある。
また、複数の感光体にそれぞれ個別に現像装置を備え、それらの現像装置により各感光体上にトナー画像を形成し、それらのトナー画像を順次中間転写体に1次転写し、さらに中間転写体上の重ね合わされたトナー画像を記録媒体に2次転写して記録する、いわゆるタンデム・中間転写タイプのものもある。
【0003】
この種のカラー画像形成装置において、従来、逆転写の問題がある。この逆転写現象とは、中間転写体の上流側の画像形成部で一次転写されたトナーの一部が、より下流側の画像形成部の像担持体に戻ってしまうというものである。
このような逆転写は、下流側の画像形成部で転写バイアス電圧を印加し、像担持体上のトナー像を中間転写体へ移動させるときに発生し、特に像担持体の非画像部領域において逆転写が発生する。
逆転写が発生するメカニズムは次のように考えられている。像担持体と同極性のトナーを付着させてトナー像を得るネガ・ポジ反転現像方式を用いた画像形成装置の場合、像担持体表面は帯電手段により、トナーと同極性に帯電されている。一方、中間転写体の表面電位はトナーと逆極性、あるいは0[V]となっている。
【0004】
像担持体と中間転写体の表面との電位差が大きいと、特に像担持体の非画像部領域では電位差が更に大きくなるため、一次転写部近傍で両者が接近したときに放電が発生し、このときに発生する電離イオンにより、中間転写体に担持されているトナーの一部の帯電極性が反転する。
その結果、一次転写部分において極性が反転したトナーは、像担持体側へ向かう静電引力を受け、像担持体側へと移動してしまうのである。
このような逆転写の問題に対して、特開平5−165383号公報では、像担持体上のトナー像を中間転写体上に転写する直前の位置に光除電器を設置し、現像工程後、転写工程前の像担持体表面を除電することにより、像担持体と中間転写体間の電位差を減少させることで放電を抑制し、逆転写を低減させる対策をとっている。
【0005】
特開2001−125399号公報には、現像工程後、転写工程前に像担持体の表面を除電する除電手段を設け、像担持体表面と中間転写体表面の電位差を各画像形成部の作像状況に基づいて制御する制御手段を設置する構成が開示されている。
現像工程後、転写工程前の像担持体を除電手段により除電すると、像担持体と中間転写体間の電位差が小さくなり、放電量は微小か、または放電しないので、反転極性トナーがほとんどなく、逆転写は発生しなくなる。
特開2002−55544号公報には、現像工程後、且つ転写工程前に感光体の帯電極性と同極性の電荷を付与する転写前電荷付与装置と、電荷を付与された感光体を除電する転写前除電ランプを設けたモノクロ画像形成の構成が開示されている。
感光体上の電荷を転写前に除電してしまうと、文字画像の周辺部でトナーチリという現象が発生するため、これに対処したものである。感光体上のトナーの電荷量を増大させることによって、感光体の導電性基体とトナー間の鏡像力が増加して感光体へのトナーの吸着力が大きくなり、その結果、転写ムラを防止できるとともに文字画像周辺部におけるトナーチリを低減できる。
【0006】
【特許文献1】
特公平6−23915号公報
【特許文献2】
特開平5−165383号公報
【特許文献3】
特開平11−30557号公報
【特許文献4】
特開2001−125399号公報
【特許文献5】
特開2002−55544号公報
【特許文献6】
特開2002−244444号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現像工程後、転写工程前の像担持体を除電すると、像担持体上の画像部領域と非画像部領域の電位差が減少することに起因する画質劣化が発生する。
この画質劣化は、「プレ転写」と呼ばれる現象で、中間転写体に対する転写領域前で1次転写のための転写電界が形成されることによってトナーが転写前に像担持体から中間転写体へ移動してしまう現象であり、像担持体上では発生していない。
具体的に説明すると、図16に示すように、感光体40の画像部領域と非画像部領域の電位差が小さくなることにより、感光体40へのトナーTの吸着力が弱くなり、1次転写電界によってトナーTが転写前に中間転写ベルト500の非画像部領域に飛んで付着する。これがいわゆるチリトナーとなって画質劣化を招く。
【0008】
さらに詳細に説明すると、感光体40上の画像部領域と非画像部領域の電位差が大きい場合、図17(a)に示すように、転写前に電位の高い非画像部領域が中間転写ベルト500と放電することにより、中間転写ベルト500に感光体40に対応した潜像(ポテンシャル井戸)が形成されることになり、トナーTが1次転写電界によりプレ転写しても中間転写ベルト500上の非画像部領域には移動せず、形成されたポテンシャル井戸(画像部領域)に強制的に吸着される。
逆に、感光体40上の画像部領域と非画像部領域の電位差が小さい場合、図17(b)に示すように、中間転写ベルト500にポテンシャル井戸がしっかりと形成されずに画像部領域と非画像部領域との境界が電界的に曖昧となり、プレ転写時にトナーTが画像部領域にも非画像部領域にも関係なく移動するようになる。
【0009】
その結果、画質劣化は激しくなる。図17において、Vopcは感光体40の電位を、Vtonerはトナーの電位を、Vbeltは中間転写ベルト500の電位をそれぞれ示している。
このように、逆転写対策とプレ転写対策は相反する関係にあり、両者を望ましい状態に両立させることは困難な現状にあった。
特開2002−55544号公報に記載の構成では、感光体の導電性基体とトナー間の鏡像力が増加するため、プレ転写対策に有効であるが、転写前電荷付与装置という新たな要素が必要であるとともに、電荷付与のために余分なエネルギーが必要であり、コスト上昇を避けられなかった。
【0010】
本発明は、上述した逆転写とプレ転写の双方を同時に且つコスト上昇を来たすことなく抑制でき、カラー画像形成における画質の向上を図ることができる画像形成装置、中間転写体、カラー画像形成方法の提供を、その主な目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
従来技術においては、逆転写を防止するのが主眼でありながらも転写前の除電によりプレ転写(チリトナーの発生)という副作用が生じるため、両者の両立を考慮して転写前の除電レベルが設定されている。換言すれば、逆転写とプレ転写を関係付けて双方を同時に防止する観点から一元的アプローチにより除電レベルが設定されていると言える。逆転写とプレ転写の対策は相反するので、両者の両立が得られる除電レベルは、画質の観点からすれば共に不安定なレベルである。
プレ転写の防止を逆転写とは切り離して考え、全く別個にプレ転写を防止することができれば、逆転写のための安定した転写前の除電レベルを得ることができるとともにプレ転写を防止できることになる。これが本発明の趣旨である。
【0012】
具体的には、請求項1記載の発明では、像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により中間転写体に転写し、該中間転写体上の重ね合わされたトナー像を2次転写手段により記録媒体に転写する画像形成装置において、上記像担持体から上記中間転写体にトナー像を転写する前に上記像担持体の表面電位を除電するための像担持体除電手段を有し、上記1次転写手段は、上記像担持体と上記中間転写体が接触した位置の、上記中間転写体の裏面側から転写バイアスを印加する構成を有し、且つ、上記中間転写体の抵抗値が、上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制するレベルに設定されている、という構成を採っている。
【0013】
請求項2記載の発明では、像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により中間転写体に転写し、該中間転写体上の重ね合わされたトナー像を2次転写手段により記録媒体に転写する画像形成装置において、上記像担持体から上記中間転写体にトナー像を転写する前に上記像担持体の表面電位を除電するための像担持体除電手段を有し、上記1次転写手段は、上記像担持体と上記中間転写体が接触した位置の、上記中間転写体の裏面側から転写バイアスを印加する構成を有し、且つ、上記中間転写体が、上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制可能な高抵抗ベルトにより構成されていることとした。
【0014】
請求項3記載の発明では、請求項1または2記載の画像形成装置において、上記中間転写体の裏面の面積抵抗率が、109[Ω/□]以上である、という構成を採っている。
【0015】
請求項4記載の発明では、請求項1乃至3のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体の体積抵抗率が、1013[Ωcm]以上である、という構成を採っている。
【0016】
請求項5記載の発明では、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段によって除電した後の転写前における上記像担持体の表面電位における画像部と非画像部との電位差が、0[V]以上200[V]以内に設定されている、という構成を採っている。
【0017】
請求項6記載の発明では、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段が、光照射により上記像担持体を除電する機能を有している、という構成を採っている。
【0018】
請求項7記載の発明では、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段がイオン発生機能を有し、発生したイオンを供給することによって上記像担持体を除電する、という構成を採っている。
【0019】
請求項8記載の発明では、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段による除電位置は、上記像担持体上の静電潜像をトナー像として可視化する現像工程の後であって、且つ、上記中間転写体への転写工程の前である、という構成を採っている。
【0020】
請求項9記載の発明では、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段による上記像担持体の除電量を、該像担持体上に形成される画像の情報に応じて制御する制御手段を有している、という構成を採っている。
【0021】
請求項10記載の発明では、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体上に形成される画像の情報に応じて、上記中間転写体に印加される転写バイアスを制御する制御手段を有している、という構成を採っている。
【0022】
請求項11記載の発明では、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段による除電が、上記中間転写体にトナー像を重ね合わせる際の2色目以降に実施される、という構成を採っている。
【0023】
請求項12記載の発明では、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体の転写面に沿って上記像担持体が複数配置され、2色目以降の各像担持体に対応して上記像担持体除電手段がそれぞれ設けられている、という構成を採っている。
【0024】
請求項13記載の発明では、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体の転写面に沿って上記像担持体が複数配置され、各像担持体除電手段に対応して上記像担持体除電手段がそれぞれ設けられ、これらの像担持体除電手段のうち、1色目の像担持体に対応する像担持体除電手段及び使用されない色の像担持体に対応する像担持体除電手段の除電機能を制御する制御手段を有している、という構成を採っている。
【0025】
請求項14記載の発明では、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体に蓄積した電荷を除電する中間転写体除電手段を有している、という構成を採っている。
【0026】
請求項15記載の発明では、請求項14記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が、コロトロン方式の構成を有している、という構成を採っている。
【0027】
請求項16記載の発明では、請求項14記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が、導電性のブラシに電圧を印加する構成を有している、という構成を採っている。
【0028】
請求項17記載の発明では、請求項14記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が、導電性のブレードに電圧を印加する構成を有している、という構成を採っている。
【0029】
請求項18記載の発明では、請求項14記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が、導電性のローラに電圧を印加する構成を有している、という構成を採っている。
【0030】
請求項19記載の発明では、請求項14記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が、導電性の鋸歯状の放電針に電圧を印加する構成を有している、という構成を採っている。
【0031】
請求項20記載の発明では、請求項14乃至19のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が上記中間転写体に接触して除電する、という構成を採っている。
【0032】
請求項21記載の発明では、請求項14乃至19のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が上記中間転写体に非接触状態で除電する、という構成を採っている。
【0033】
請求項22記載の発明では、請求項14乃至21のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段による除電位置は、上記中間転写体から記録媒体への転写工程の後であって、且つ、上記像担持体から上記中間転写体への転写工程の前である、という構成を採っている。
【0034】
請求項23記載の発明では、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、使用するトナーは、円形度が0.94以上である、という構成を採っている。
【0035】
請求項24記載の発明では、請求項12または13記載の画像形成装置において、上記各像担持体に対応してそれぞれ、該像担持体上の静電潜像をトナー像として可視化する現像手段と、上記中間転写体への転写後に残留したトナーを除去・回収するクリーニング手段が設けられ、上記各像担持体のうち少なくとも1つの像担持体について、上記クリーニング手段により回収されたトナーを該像担持体に対応する上記現像手段へ戻すトナーリサイクル手段が設けられている、という構成を採っている。
【0036】
請求項25記載の発明では、像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により重ね合わせて転写され、該重ね合わされたトナー象を2次転写手段により記録媒体に転写するのに用いられる中間転写体において、上記1次転写手段は、上記像担持体と上記中間転写体が接触した位置の、上記中間転写体の裏面側から転写バイアスを印加するように用いられ、抵抗値が、上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制するレベルに設定されている、という構成を採っている。
【0037】
請求項26記載の発明では、像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により重ね合わせて転写され、該重ね合わされたトナー象を2次転写手段により記録媒体に転写するのに用いられる中間転写体において、上記1次転写手段は、上記像担持体と上記中間転写体が接触した位置の、上記中間転写体の裏面側から転写バイアスを印加するように用いられ、且つ、上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制可能な高抵抗ベルトにより構成されている、という構成を採っている。
【0038】
請求項27記載の発明では、請求項25または26記載の中間転写体において、裏面の面積抵抗率が、109[Ω/□]以上である、という構成を採っている。
【0039】
請求項28記載の発明では、請求項25乃至27のうちの何れか1つに記載の中間転写体において、体積抵抗率が、1013[Ωcm]以上である、という構成を採っている。
【0040】
請求項29記載の発明では、像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により中間転写体に転写し、該中間転写体上の重ね合わされたトナー像を該中間転写体に2次転写手段により記録媒体に転写するカラー画像形成方法において、上記像担持体から上記中間転写体にトナー像を転写する前に上記像担持体の表面電位を除電し、その後、抵抗値が上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制するレベルに設定された中間転写体に転写することとした。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図10に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて本実施形態における画像形成装置としてのタンデム型中間転写方式のカラー複写機の構成及び画像形成動作の概要を説明する。
カラー複写機は、複写装置本体1と、該複写装置本体1が載置された給紙テーブル2と、複写装置本体1の上面に設けられたスキャナ300と、該スキャナ3の上部に設けられた原稿自動搬送装置(ADF)4を有している。
複写装置本体1には、略中央に、無端ベルト状の中間転写体(中間転写ベルト)10が配置されている。中間転写体10は、3つの支持ローラ14、15、16に掛け回されて支持されており、図示しない駆動源により図中時計回りに方向に回転駆動される。
本実施形態では、3つの支持ローラ14、15、16のうち、第2の支持ローラ15の近傍には、画像転写(2次転写)後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17が設けられている(図2参照、図1では省略)。
3つの支持ローラ14、15、16のうちで第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡された中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の4つの画像形成手段18Y、18C、18M、18Bkが横に並べられて配置され、タンデム画像形成装置20が構成されている。但し、これら4つの色順は一例であり、これに限定される趣旨ではない。
【0042】
図2は、タンデム画像形成部20の部分の拡大図である。タンデム画像形成部20において、個々のトナー像形成手段である画像形成手段18Y、18C、18M、18Bkでは、図2に示すように、像担持体としてのドラム状の感光体40Y、40C、40M、40Bkの周りに、帯電装置としての帯電ローラ60Y、60C、60M、60Bk、現像装置61Y、61C、60M、60Bk、一次転写装置としての1次転写ローラ62Y、62C、62M、62Bk、感光体クリーニング装置63Y、63C、63M、63Bk、感光体の表面電位を初期化する除電装置64Y、64C、64M、64Bkなどが設けられている。
本実施形態では帯電ローラ60Y、60C、60M、60Bkを感光体40Y、40C、40M、40Bkに接触させて電圧を印加することにより感光体40Y、40C、40M、40Bkの帯電を行うようにしているが、勿論、非接触のスコロトロンチャージャで帯電を行うようにしてもよい。
【0043】
図1に示すように、タンデム画像形成装置20の上方には、露光装置21が配置されている。中間転写体10を挟んでタンデム画像形成装置20と反対の側には、2次転写装置22が配置されている。2次転写装置22は、2つのローラ23間に、無端ベルト状の2次転写ベルト24を掛け渡して構成され、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に一方のローラ23側を押し当てて配置されている。2次転写装置22により中間転写体10上の画像が、給紙テーブル2から給紙される記録媒体としてのシートS(図2参照)に転写される。
2次転写装置22の左側には、シート上の転写画像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置25は、無端ベルト状の定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てる構成を有している。
【0044】
2次転写装置22は、画像転写後のシートSを定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。もちろん、2次転写装置22として、転写ローラや非接触の転写チャージャを配置してもよいが、上記のようにベルト搬送構成とすれば定着装置25へのシート搬送機能を同時に得ることができる利点がある。
本実施形態では、2次転写装置22及び定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と略平行に、シートSの両面に画像を記録する場合にシートSを反転するシート反転装置28が備えられている。
【0045】
上記したカラー複写機を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置4の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置4を開いてスキャナ3のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置4を閉じてそれで押さえる。
不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置4に原稿をセットしたときは、原稿が自動的に搬送されてコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ3が駆動され、第1走行体33及び第2走行体34が走行を開始する。
第1走行体33で光源から光が照射されるとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
【0046】
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動手段としての駆動モータにより支持ローラ14、15、16のうちの1つが回転駆動され、他の2つの支持ローラが従動回転し、中間転写体10が回転駆動される。同時に、個々の画像形成手段18Y、18C、18M、18Bkではそれぞれに対応した感光体40Y、40C、40M、40Bkが回転し、各感光体40Y、40C、40M、40Bk上にそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの単色画像が形成される。画像形成は、周知のプロセスで行なわれる。
すなわち、まず、帯電ローラ60Y、60C、60M、60Bkで感光体40Y、40C、40M、40Bkの表面を一様に帯電し、次いでスキャナ3の読み取り内容に応じて上述した露光装置21からレーザやLED等による書込み光LY、LC、LM、LBkを照射して感光体40Y、40C、40M、40Bk上に静電潜像を形成する。その後、現像装置61Y、61C、61M、61Bkによりトナーが付着され、静電潜像を可視像化することで各感光体40Y、40C、40M、40Bk上にそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの単色画像を形成する。
中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次1次転写手段としての各1次転写ローラ62Y、62C、62M、62Bkにより転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
画像を転写された後の感光体40Y、40C、40M、40Bkの表面に残留したトナーは感光体クリーニング装置63Y、63C、63M、63Bkにより清掃される。その後、感光体40Y、40C、40M、40Bkの表面電位が除電装置64Y、64C、64M、64Bkにより初期化され、再度の画像形成に備える。
【0047】
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル2の給紙ローラ42の1つが選択回転され、ペーパーバンク43に多段に備えられた給紙カセット44のうちの1つからシートSが繰り出され、分離ローラ45で1枚ずつ分離されて給紙路46に搬送される。シートSは搬送ローラ47で搬送されて複写機本体1内の給紙路48に導かれ、レジストローラ対49にて一旦止められる。ここで所定の過剰送りによってレジストローラ対49のニップ部にシートSの先端が突き当てられ、スキューが修正される。
あるいは、給紙ローラ50が回転されて手差しトレイ51上のシートSが繰り出され、分離ローラ52で1枚ずつ分離されて手差し給紙路53に搬送される。搬送されたシートSは同じくレジストローラ対49にて一旦止められる。
【0048】
中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ対49が回転駆動され、中間転写体10と2次転写装置22との間にシートSが送り込まれ、2次転写装置22によりシートS上にカラー画像が転写される。
画像転写後のシートSは、2次転写装置22で搬送されて定着装置25へと送り込まれ、定着装置25で熱と圧力とを加えられて転写画像を定着された後、切換爪55で搬送方向を切り換えられて排出ローラ対56で排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。または、切換爪55で搬送路を切り換えられてシート反転装置28に入れられ、そこで反転されて再び転写位置へと導かれ、裏面にも画像を記録された後、排出ローラ対56で排紙トレイ57上に排出される。
画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去され、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
【0049】
図2に基づいて、現像装置61Y、61C、60M、60Bk、感光体クリーニング装置63Y、63C、63M、63Bkの構成をさらに詳細に説明する。なお、代表してイエロー画像に対応する構成を説明し、その他は同様の構成であるので対応する色の欧文字を付記して説明は省略する。
現像装置61Yは、感光体40Yにトナーを供給する現像スリーブ61Y−1と、第1の攪拌搬送部材61Y−2と、第2の攪拌搬送部材61Y−3を有している。第1の攪拌搬送部材61Y−2と、第2の攪拌搬送部材61Y−3はその長手方向(感光体回転軸方向)における手前側と奥側で現像剤を互いに受け渡して循環させるようになっており、第2の攪拌搬送部材61Y−3側において新しいトナーまたは後述する回収トナーを補給して循環する現像剤流れに混ぜ合わせるようになっている。
【0050】
感光体クリーニング装置63Yは、先端を感光体40Yに押し当てて設けられたクリーニングブレード63Y−1と、クリーニング性を高めるために外周が感光体40Yに接触するように設けられた導電性のファーブラシ(クリーニングブラシ)63Y−2と、トナー回収コイル63Y−3等を有している。クリーニングブレード63Y−1は、例えばポリウレタンゴムで形成することができる。ファーブラシ63Y−2は感光体40Yに対してカウンタ方向に回転するように設けられている。
クリーニングブレード63Y−1及びファーブラシ63Y−2で除去された感光体40Y上の残留トナーは、トナー回収コイル63Y−3で搬送され、Bk画像形成手段に示すように、現像剤補給部を兼ねる第2の攪拌搬送部材61Y−3側とを繋ぐトナーリサイクル手段80により現像装置61Yへ戻され、再び現像に使用される。図中省略しているが、トナーリサイクル手段80は、各画像形成手段18Y、18C、18M、18Bkに個別に設けられている。
【0051】
また、本実施形態では、図2に示すように、2色目以降の感光体40C、40M、40Bkの現像工程後、転写工程前の位置に、逆転写を抑制するための像担持体除電手段101C、101M、101Bkが設けられている。第1色目の転写には逆転写の問題は生じないので、第1色目のイエロー画像に対応する画像形成手段には像担持体除電手段は設けられていない。
支持ローラ15に対向する位置には、中間転写体除電手段としてのコロトロン102が設けられている(図1では省略)。
【0052】
感光体40Cから中間転写体10にシアンのトナー像を転写する前に像担持体除電手段101Cにより感光体40Cの表面電位が除電され、感光体40Mから中間転写体10にマゼンタのトナー像を転写する前に像担持体除電手段101Mにより感光体40Mの表面電位が除電され、感光体40Bkから中間転写体10にブラックのトナー像を転写する前に像担持体除電手段101Bkにより感光体40Bkの表面電位が除電される。
【0053】
像担持体除電手段(光照射デバイス)101としてはLEDやLD、キセノンランプなどを採用できる。予めLEDやLDに流れる電流や印加電圧と発光(露光)光量の関係を把握しておき、発光光量を調整して除電電荷量を制御することで、感光体表面電位を任意の値に制御可能である。
図3は、感光体の画像部と非画像部の表面電位差と逆転写量との関係を示す実験結果のグラフである。通常、現像工程後且つ転写工程前に感光体上を除電し、電位の絶対値を低くすると、図3に示すように、感光体表面電位の絶対値を低く抑えた場合の方が逆転写を抑えることができる。
図3に示した実験において、除電には赤色のLEDを用いて光除電した。また、画像部の感光体上表面電位は−150[V]であった。このように、電位の低い画像部にはトナーは逆転写しないことからも、感光体表面電位差を望ましくは200[V]以下に抑えることで、逆転写を防止して画像が乱れることのない良好な画像を得ることができる。
【0054】
基本的には図3に示すように、感光体の表面の電位は低ければ低いほど逆転写が生じにくいが、あまりに光量を上げ感光体に照射すると、感光体を痛め寿命を著しく縮めるおそれがあるため、適切な範囲に設定する必要がある。
周知のように、感光体として用いられる材質の中には、光を照射することによって光導電層の静電容量が増大し、電気抵抗が減少する光疲労現象を示すものがある。可視像のフィルター効果によって画像下部の感光体部分はそれほど強い光を受けないが、非画像部では露光光の数倍の強い光が照射されることになる。従って、書込露光以外の光照射は極力避けたい場合もある。
感光体上での除電工程は、現像工程の後、転写行程の前に行うことが望ましい。非画像部電位が低ければ逆転写が発生しにくいが、現像工程では画像部と非画像部の電位コントラストが大きい方が地汚れなどが無く良好に現像できるからである。よって、現像工程の後で除電を行うことで、良好な現像と、逆転写防止を両立することができるようになる。
【0055】
本実施形態では、予め像担持体除電手段101に流れる電流や印加電圧と発光(露光)光量の関係を実験等(コンピュータシミュレーションを含む)により把握しておき、発光光量と除電電荷量との関係データテーブルを図示しない制御手段の例えばROMに格納し、色毎に最適な除電を行うようにしている。
像担持体除電手段101による除電量は、中間転写体10の帯電量とも関係し、中間転写体10の帯電量は転写回数が増えるにつれて変化するので、上記関係データテーブルはこの点も考慮して実験的データを得るのが望ましい。
ここで、制御手段とは、CPU、RAM、ROM、I/Oインターフェース等を含むマイクロコンピュータであり、カラー複写機のメインコントローラが兼ねることができるものである。
【0056】
本実施形態では、中間転写体10として、裏面の面積抵抗率が109[Ω/□]以上、体積抵抗率が1013[Ωcm]以上であるベルトを採用している。ここで、面積抵抗率の単位は無次元系であるが、通常の抵抗率と区別するため、便宜上、単位を[Ω/□]と記述している。
図3に示したように、感光体表面電位の絶対値を低く抑えた場合の方が逆転写を抑えることができる。しかし、非画像部電位を除電し過ぎると、プレ転写するトナーが中間転写体上の非画像部領域に付着することによるチリトナーが増加してしまう。
このような画質劣化の発生は、図4に示すように、感光体を除電すればするほど顕著になることが本発明者らの実験によって確認されている。そのため、画像部電位と非画像部電位はほぼ等しいか、または絶対値を比較した場合において、非画像部電位の方が大きいことが望ましい。
【0057】
このように、転写工程前の除電は逆転写の防止には効果があるが、プレ転写によるチリトナーが増加する。このチリトナーを抑制するためには、その原因となるプレ転写自体を防止すればよい。
プレ転写は、主に転写工程前の中間転写体に印加するバイアスの回り込みによって形成される不必要な電界のために発生する。このプレ転写が起こらないようにするために、本実施形態では上述のように、中間転写体10として、裏面の面積抵抗率が109[Ω/□]以上、体積抵抗率が1013[Ωcm]以上であるベルト(以下、「高抵抗ベルト」という)を採用した。
【0058】
ここで、プレ転写を引き起こす「中間転写体に印加するバイアスの回り込み」と、プレ転写対策として高抵抗ベルトを用いる意義について説明する。
図5は、中間転写体として中抵抗ベルトを採用した間接バイアス印加転写方式(従来例)における電界の様子を示す模式図である。
図6は、中間転写体として高抵抗ベルトを採用した直接バイアス印加転写方式(本実施形態)における電界の様子を示す模式図である。図5及び図6において、符号40は感光体を、500、10は中間転写体を、62、501はバイアスローラ(転写ローラ)を、502はアースローラをそれぞれ示している。
【0059】
中間転写体として中抵抗ベルトを用いた場合に、間接バイアス転写方式にしなければならない理由は、ベルトの抵抗が低いために、電荷が回り込みやすいからである。このため、ニップ下側から直接バイアスを印加することを避ける構成が採られる。
しかしながら、中抵抗ベルトを用いた間接バイアス転写方式でも、図5にハッチングで示すように、プレ転写電界の発生は抑えきれない。
これに対し、中間転写体として高抵抗ベルトを用いた場合には、図6に示すように、電荷の回り込みが起こりにくいため、バイアスを印加した位置から遠ざかるにつれて急激に電界が減少する。このため、中抵抗ベルトを用いた間接バイアス転写方式に比べ、同じ部位におけるプレ転写電界の発生量が少なく、プレ転写を抑制することができる。
中間転写体10の抵抗値を、その裏面の抵抗値として上記のように設定した理由は、感光体40から中間転写体10にトナーを転写する際、通常、ベルト裏面よりバイアスを印加するからである。特に、ベルトが材質の違う複数の層で構成されている場合、バイアスを印加したときに最初に電流が流れる、バイアス印加部材に最も近い層(ベース層)の抵抗を考慮すべきであるからである。
【0060】
図7は、上述した中抵抗ベルト・間接転写方式と、高抵抗ベルト・直接転写方式におけるドットチリの発生との関係を、像担持体除電手段により転写前に除電した場合としない場合とに分けて実験した結果を示すグラフである。
図7から明らかなように、高抵抗ベルトの場合には、より抵抗の低い中抵抗ベルト(面積抵抗率が108[Ω/□]以下、体積抵抗率が1012[Ωcm]以下)に比べ、チリ量が少ない。
これは、高抵抗ベルトが、抵抗が高いために電荷の回り込みが少なく、転写電界が漏洩しないために、転写工程前にトナーが飛び移ってしまうプレ転写が発生しないからである。チリの原因の一つであるプレ転写現象自体が発生しないため、良好な画像が得ることができる。
さらに、現像工程後、且つ転写工程前の位置に赤色のLED(像担持体除電手段)を設置し、感光体を光除電した際のチリ量の比較を行った結果においては、高抵抗ベルトではプレ転写がほぼ発生しないため、トナーチリの原因となるものが少なく、チリがほぼ発生していない。中抵抗ベルトに比べその効果は歴然である。
【0061】
上述のように、カラー画像を作成する際には、感光体から中間転写体に転写する画像にチリが発生しない条件を保ちながら且つ逆転写を生じないようにするのであるが、カラー画像の中にはある色を用いない場合もある。このような場合には、感光体上にトナー像が形成されていないため、チリを考慮しなくてもよい。よって、全ての、もしくは個別のプロセス条件を通常の条件と異なるように設定して、最も逆転写しないような条件に設定することが可能である。
例えば、感光体の非画像部電位は0[V]に近ければ近いほどよい。画像がある場合には画像部電位の−150〜−250[V]程度と同等までしか下げることができないが、画像がない場合にはより強く感光体を除電することにより、逆転写は更に防止しやすくなる。
また、転写バイアスも必要以上に印加すると逆転写を生じやすくなるため、低目の設定値に変更することも効果がある。
【0062】
このような観点からの制御の一例を図8に示す。上記制御手段は、スキャナ3による原稿の読み取り情報に基づいて使用しない色があるかどうかを判断し、使用しない色がある場合には、その色に対応した像担持体除電手段101を最も逆転写しないような条件に設定して制御する。図8において、通常制御とは、4色フルカラーの場合の制御手段による上記データテーブルに基づく像担持体除電手段101C、101M、101Bkの制御である。
【0063】
カラー画像を作成する場合において、最初の第1色目の転写には逆転写の問題はない。よって像担持体除電手段はコストダウンのためにも、2色目以降の感光体ユニット(画像形成手段)に設置することが望ましい。但し、4つの感光体ユニットを共通に使えるようにするには、第1色目のユニットにLEDを設置してもかまわず、この場合は制御手段からの制御によって第1色目のユニットに対応するLEDを点灯しないようにすればよい。
【0064】
次に、中間転写体除電手段について説明する。
通常、タンデム方式の画像形成装置においては、転写工程が複数存在するため、転写を終えて転写位置から下流に移動したベルト部分は転写時に受けた電荷で帯電しており、このまま次回のトナー像の転写を行うと、前回の転写帯電の影響により転写性能が損なわれることがある。
特に高抵抗ベルトの場合、自己除電が困難であるので、除電手段の必要性は高い。このような観点から、本実施形態では図2に示すように、中間転写体除電手段としてのコロトロン102が設けられている。
【0065】
コロトロン102に対向する駆動ローラとしての支持ローラ15を用いて、DCにACを重畳し、ACバイアス5.8[kV]、DCバイアス600[V]で除電したところ、良好な結果が得られた。ACバイアスのPeak to Peak 電圧がある値以上になると帯電電位は飽和し、その飽和電位はDC成分とほぼ一致するため、均一でかつ制御性のよい除電が可能となる。
対向部材として駆動ローラ15を用いなくとも、他の対向部材を設置することで他の場所でもコロトロン102を設置可能である。コロトロン102の設置位置は、望ましくは、中間転写体クリーニング装置17の後、且つ転写部最上流部位(図1で示した構成ではイエロー画像に対応する画像形成手段の上流側)がよい。コロトロン102は中間転写体10の裏面側に設けてもよい。
【0066】
また、本実施形態では、逆転写の発生をより一層抑制するために、円形度の高いトナー(平均円形度が0.94以上)を用いている。その理由を以下に説明する。
トナーの円形度は、例えば、走査型電子顕微鏡や光学顕微鏡で観察された任意に選択された、多数のトナー粒子の形状を、市販の画像解析装置やフロー式粒子像分析装置、例えばSysmex社製のFPIA−1000などにより評価すれば良く、下記計算式で与えられる。これは液中にある数千個の粒子を撮像し、画像解析と粒度解析を行う装置である。
円形度=Σ[(4・π・Si)/Li2]/N
ここで、Liは各粒子の投影像における周囲長、Siは各粒子の投影面積、Nは評価総粒子数を表わす。円形度が1に近づくほどトナーは真球に近づく。
【0067】
平均円形度が0.94以上の球形トナーの方が、逆転写が少ないのは、トナーと感光体との付着力が逆転写に大きく寄与しており、球形に近いトナーほど、感光体表面とのファンデルワールス力が小さくなるためである。
図9(a)に示すように、平均円形度が0.94以下のトナーT1では感光体40に対する接触面積がA1であるのに対し、図9(b)に示すように、平均円形度が0.94以上のトナーT2では感光体40に対する接触面積がA2と小さくなる。
ファンデルワールス力は一般に相対する物体(この場合は感光体)との接触面積が小さくなればなるほど小さくなる。球形に近いトナーであればあるほどトナー自身の接触面積も小さくなる。
【0068】
一般に、トナーの流動性を上げ、トナー間の付着力(凝集力)を下げるためにトナーにはシリカや酸化チタンなどの添加剤が添加されているが、図10に示すように、平均円形度が0.94以上のトナーT2の場合、添加剤adのトナーT2の表面についている部分が感光体40と接触する部分になる確率が上がり、それら外添剤はトナー粒径に比べて十分に小さいため、見かけ上のファンデルワールス力が小さくなる。
【0069】
トナーは平均円形度が0.94以上の、球形に近いトナーであるほど、逆転写の発生が防止できることが本発明者らの実験により確認されている。
球形に近いトナーの方が、付着力が小さいのは上述のようにトナーに添加されている外添剤の効果がより強く出るためと考えられる。感光体との付着力が小さければ転写率も良好となり、さらに逆転写も発生しにくくなることが予想される。
実際に形状を変えたトナーを試作し、通常の条件で逆転写率を測定した結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
表1の結果から、平均円形度が0.94以上のものであれば、逆転写はそれ以下のものに比べて格段によくなっており、望ましいトナーの形状として、平均円形度の値が0.94以上ということが導かれる。
【0072】
上述した構成・方式によって、画像を良好に保ったまま、すなわち、チリトナーの発生を高精度に抑制したまま、逆転写の発生を高精度に抑えることできるようになった。
このため、逆転写による廃トナーの混色の問題が解決できるようになった。そこで、感光体1つにつき1色の現像装置を備えたいわゆるタンデム型画像形成装置では、感光体クリーニング装置63に回収される廃トナーは、その感光体で現像された色のトナーがほとんどとなり、トナーを再び現像装置61に戻して再利用しても、色味が変化するなどの画質上の問題が無くなり、トナーリサイクルが可能となった。これにより廃トナーの排出量を大幅に低減できるとともに、環境負荷を低減でき、ユーザーにおいてもコスト手間の削減などのメリットが生じる。
但し、逆転写トナーがなくとも、1つの感光体に複数個の現像装置を備える、いわゆる1ドラムタイプの画像形成装置(後述)では、感光体が1つであるため、各色の作像時に感光体上に残った転写残トナーが1つのクリーニング装置に回収されてしまい、それぞれの色が混色されるため再利用することが難しくなる。すなわち、上述したトナーリサイクル手段80が有効に使用できるのは実質的にタンデムタイプに限られる。
【0073】
以下に他の実施形態を説明する。なお上記実施形態と同一部分(同一部分とみなせる部分を含む)は同一符号で示し、特に必要が無い限り既にした構成上及び機能上の説明は省略し、要部のみ説明する。
第1の実施形態では、像担持体除電手段としてLEDやLD、キセノンランプなどの光照射デバイスを用いたが、感光体上の電位の高い部分にイオンを照射して除電する方式もある。例えばコロトロンなどを使用して、ACバイアスなどを印加して正負のイオンを作り出し、非画像部領域に正イオンを供給することで除電することが可能である(第2の実施形態)。
トナーの付着している画像部領域に対して非画像部領域の電位が高いため、発生したイオンは選択的に非画像部に吸着され、除電される。
また、スコロトロンなどを使用して、トナーの付着した画像部電位と同極性で、且つ絶対値を少し高めにグリッド電位を設定し、トナーと極性の反対のイオンを発生させて除電することも可能である(第3の実施形態)。
【0074】
また、第1の実施形態では、中間転写体除電手段としてコロトロン102を用いたが、導電繊維を刷毛状に束ねた固定ブラシを用いてもよい(第4の実施形態)。
あるいは図11に示すように、例えば導電性繊維を布に植毛したものを導電性のローラにロール状に巻いた回転ブラシ82を用いてもよい(第5の実施形態)。いずれも図示しない電源によりブラシに0.5〜2[kV]程度の直流電圧を印加して、その先端を中間転写ベルト10に接触させる。
先端部では中間転写ベルト10との摩擦による電荷の発生や、電荷注入、あるいは微少領域における放電により、電子、イオンの移動が起こり、中間転写ベルト10が除電される。
図12に示すように、導電性のブレード83に図示しない電源により電圧を印加する構成としてもよい(第6の実施形態)。
【0075】
中間転写体除電手段として、導電性のローラに電圧を印加する構成としてもよい(第7の実施形態)。ローラを用いる場合には、導電性のゴムローラに電圧を印加し、中間転写ベルト10に押し付けて除電を行う。基本的には微少空隙での放電による電荷移動であり、DCバイアス印加方式、AC重畳方式のどちらでも可能である。望ましくは、均一帯電が比較的容易なAC重畳方式がよい。
以上接触式の中間転写体除電方式について述べたが、中間転写体除電手段を中間転写体10に対して非接触状態に保持するようにしてもよい。この場合、中間転写体除電手段が中間転写体10上のトナー等の異物によって汚染されないので、汚れによる経時的な帯電性能の低下を抑制でき、中間転写体除電機能の高品質を得ることができるとともに、中間転写体除電手段の耐久性の向上を図ることができる。
【0076】
例えば図13に示すように、導電性ローラ84の端部(中間転写体10の非画像領域に対応する部分)の外周面に、間隔保持部材としての例えば厚みが均一な粘着層付き樹脂テープ85を周方向に貼り、中間転写体10との間に空隙gを保持するようにする(第8の実施形態)。この場合、空隙g分だけ除電電位は低下するので、樹脂テープ85の厚みは85[μm]程度までが望ましい。
また、中間転写体除電手段としてローラを用いる場合には、中間転写体10と等速で駆動し、中間転写体10に対する摩擦を極力少なくするようにする。
図14に示すように、鋸歯状の放電針86を中間転写体10に非接触状態に設け、図示しない電源により電圧を印加する構成としてもよい(第9の実施形態)。
回転ブラシ82、ブレード83、導電性ローラ84、放電針86等の中間転写体除電手段は、中間転写体10の裏面側に設けてもよい。このようにした場合、中間転写体10の内側スペースを利用できるので、構成のコンパクト化を図ることができる。また、中間転写体除電手段として上記導電性ローラ84等のようにローラを用いる場合には、該ローラを中間転写体10の支持ローラを兼ねるように設けてもよい。
【0077】
次に、図15に基づいて、1つの感光体に複数個の現像装置を備えたいわゆる1ドラムタイプのカラー画像形成装置への適用例(第10の実施形態)を説明する。
本実施形態における画像形成装置としてのカラー複写機において、露光手段としての書き込み光学ユニット400は、カラースキャナ200からのカラー画像データを光信号に変換して原稿画像に対応した光書き込みを行い、像担持体である感光体ドラム402上に静電潜像を形成する。
該書き込み光学ユニット400は、レーザーダイオード404、ポリゴンミラー406とその回転用モータ408、f/θレンズ410や反射ミラー412等により構成されている。
感光体ドラム402は、矢印で示すように反時計回りの向きに回転され、その周囲には、感光体クリーニングユニット414、除電ランプ416、電位センサ420、回転式現像装置422のうちの選択された現像器(図15では現像器438)、現像濃度パターン検知器424、像担持体除電手段425、中間転写体としての中間転写ベルト426等が配置されている。中間転写ベルト426は、第1の実施形態における中間転写体10と同様の高抵抗ベルトである。
【0078】
回転式現像装置422は、ブラック用現像器428、シアン用現像器430、マゼンタ用現像器432、イエロー用現像器434と、各現像器を回転させる図示しない回転駆動部を有している。
待機状態では、回転式現像装置422は、ブラック現像の位置にセットされており、コピー動作が開始されると、カラースキャナ200で所定のタイミングからブラック画像のデータの読み取りがスタートし、この画像データに基づいてレーザ光による光書き込み・静電潜像(ブラック潜像)の形成が始まる。
【0079】
このブラック潜像の先端部から現像するために、ブラック用現像器428の現像位置に潜像先端部が到達する前に、現像スリーブを回転開始してブラック潜像をブラックトナーで現像する。感光体ドラム402にはマイナス極性のトナーが作像される。
そして、以後、ブラック潜像領域の現像動作を続けるが、潜像後端部がブラック現像位置を通過した時点で、速やかにブラックのための現像位置から次の色の現像位置まで、回転式現像装置422が回転する。当該動作は、少なくとも、次の画像データによる潜像先端部が到達する前に完了させる。
【0080】
像形成サイクルが開始されると、まず、感光体ドラム402は矢印で示すように反時計回りの向きに、中間転写ベルト426は時計回りの向きに、図示しない駆動モータによって回転させられる。中間転写ベルト426の回転に伴って、ブラックトナー像形成、シアントナー像形成、マゼンタトナー像形成、イエロートナー像形成が行われ、最終的にブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に、中間転写ベルト426上に重ねられ(1次転写)、トナー像が形成される。
第1の実施形態と同様に、各トナー像の現像工程の後、且つ、中間転写体426への転写工程の前に像担持体除電手段425により感光体ドラム402の表面の電位が除電される。
【0081】
中間転写ベルト426は、感光体ドラム402に対向する1次転写手段としての1次転写バイアスローラ450、駆動ローラ444、2次転写ローラ454に対向する2次転写対向ローラ446、中間転写ベルト426の表面を清掃するクリーニング手段452に対向するクリーニング対向ローラ448Aの各支持部材間に張架されており、図示しない駆動モータにより駆動制御されるようになっている。
感光体ドラム402に順次形成されるブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像が中間転写ベルト426上で正確に順次位置合わせされ、これによって4色重ねのベルト転写画像が形成される。このベルト転写画像は2次転写対向ローラ446により記録媒体としての用紙に一括転写される。
【0082】
給紙バンク456内の各記録紙カセット458、460、462には装置本体内のカセット464に収容された用紙のサイズとは異なる各種サイズの用紙が収容されており、これらのうち、指定されたサイズ紙の収容カセットから、該指定された用紙が給紙コロ466によってレジストローラ対470方向に給紙・搬送される。図15において、符号468はOHP用紙や厚紙等のための手差し給紙トレイを示す。
像形成が開始される時期に、用紙は上記いずれかのカセットの給紙口から給送され、レジストローラ対470のニップ部で待機する。そして、2次転写対向ローラ446に中間転写ベルト426上のトナー像の先端がさしかかるときに、丁度用紙先端がこの像先端に一致するようにレジストローラ対470が駆動され、用紙と像のレジスト合わせが行われる。
【0083】
このようにして、用紙が中間転写ベルト426と重ねられて、トナーと同極性の電圧が印加される2次転写対向ローラ446の下を通過する。このとき、トナー画像が用紙に転写される。続いて、用紙は除電され、中間転写ベルト426から剥離して紙搬送ベルト472に移る。
中間転写ベルト426から4色重ねトナー像を一括転写された用紙は、紙搬送ベルト472によりベルト定着方式の定着装置470へ搬送され、この定着装置470で熱と圧力によりトナー像を定着される。定着を終えた用紙は排出ローラ対480で機外へ排出され、図示しないトレイにスタックされる。これにより、フルカラーコピーが得られる。
高抵抗ベルトの特性上、1次転写バイアスローラ450による転写バイアスは、感光体ドラム402と中間転写ベルト426が接触した位置の裏面に直接印加する方式が望ましい。像担持体除電手段の変形例、中間転写ベルト426の除電構成は、上述したものと同様に実施することができる。
【0084】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により中間転写体に転写し、該中間転写体上の重ね合わされたトナー像を2次転写手段により記録媒体に転写する画像形成装置において、上記像担持体から上記中間転写体にトナー像を転写する前に上記像担持体の表面電位を除電するための像担持体除電手段を有し、上記1次転写手段は、上記像担持体と上記中間転写体が接触した位置の、上記中間転写体の裏面側から転写バイアスを印加する構成を有し、且つ、上記中間転写体の抵抗値が、上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制するレベルに設定されている構成としたので、逆転写防止のための安定した除電レベルを得ることができるとともに、プレ転写を抑制でき、コスト上昇を来たすことなくカラー画像形成における画質の向上を図ることができる。
【0085】
請求項2記載の発明によれば、像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により中間転写体に転写し、該中間転写体上の重ね合わされたトナー像を2次転写手段により記録媒体に転写する画像形成装置において、上記像担持体から上記中間転写体にトナー像を転写する前に上記像担持体の表面電位を除電するための像担持体除電手段を有し、上記1次転写手段は、上記像担持体と上記中間転写体が接触した位置の、上記中間転写体の裏面側から転写バイアスを印加する構成を有し、且つ、上記中間転写体が、上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制可能な高抵抗ベルトにより構成されている構成としたので、逆転写防止のための安定した除電レベルを得ることができるとともに、プレ転写を抑制でき、コスト上昇を来たすことなくカラー画像形成における画質の向上を図ることができる。
【0086】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の画像形成装置において、上記中間転写体の裏面の面積抵抗率が、109[Ω/□]以上である構成としたので、プレ転写を高精度に抑制することができ、チリトナーの少ない高画質化を実現できる。
【0087】
請求項4記載の発明によれば、請求項1乃至3のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体の体積抵抗率が、1013[Ωcm]以上である構成としたので、プレ転写を一層高精度に抑制することができ、一層チリトナーの少ない高画質化を実現できる。
【0088】
請求項5記載の発明によれば、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段によって除電した後の転写前における上記像担持体の表面電位における画像部と非画像部との電位差が、0[V]以上200[V]以内に設定されている構成としたので、画像を良好に保ったまま逆転写を高精度に防止することができる。
【0089】
請求項6記載の発明によれば、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段が、光照射により上記像担持体を除電する機能を有している構成としたので、狭い領域でも簡単に像担持体を除電でき、構成の嵩張りを来たすことなく逆転写の発生を防止できる。
【0090】
請求項7記載の発明によれば、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段がイオン発生機能を有し、発生したイオンを供給することによって上記像担持体を除電する構成としたので、像担持体を必要以上に光疲労させることなく除電でき、逆転写の発生を防止できるとともに、像担持体の長寿命化を図ることができる。
【0091】
請求項8記載の発明によれば、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段による除電位置は、上記像担持体上の静電潜像をトナー像として可視化する現像工程の後であって、且つ、上記中間転写体への転写工程の前である構成としたので、現像工程前には十分な画像部領域と非画像部領域との電位差が存在することにより地汚れなどの副作用が極力少ない状態で現像でき、良好な画像を得ることができる。
【0092】
請求項9記載の発明によれば、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段による上記像担持体の除電量を、該像担持体上に形成される画像の情報に応じて制御する制御手段を有している構成としたので、像担持体の不要な光疲労を抑制できるとともに除電の最適化によって逆転写を高精度に防止でき、また、逆転写防止のためのエネルギーロスを最小限に止めることができる。
【0093】
請求項10記載の発明によれば、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体上に形成される画像の情報に応じて、上記中間転写体に印加される転写バイアスを制御する制御手段を有している構成としたので、転写バイアスの最適化によって逆転写を高精度に防止でき、また、逆転写防止のためのエネルギーロスを最小限に止めることができる。
【0094】
請求項11記載の発明によれば、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段による除電が、上記中間転写体にトナー像を重ね合わせる際の2色目以降に実施される構成としたので、逆転写防止のためのエネルギーロスを最小限に止めることができる。
【0095】
請求項12記載の発明によれば、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体の転写面に沿って上記像担持体が複数配置され、2色目以降の各像担持体に対応して上記像担持体除電手段がそれぞれ設けられている構成としたので、像担持体除電手段の効率的配置数による低コスト化を実現できるとともに、逆転写防止のためのエネルギーロスを最小限に止めることができる。
【0096】
請求項13記載の発明によれば、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体の転写面に沿って上記像担持体が複数配置され、各像担持体除電手段に対応して上記像担持体除電手段がそれぞれ設けられ、これらの像担持体除電手段のうち、1色目の像担持体に対応する像担持体除電手段及び使用されない色の像担持体に対応する像担持体除電手段の除電機能を制御する制御手段を有している構成としたので、逆転写防止のためのエネルギーロスを最小限に止めることができる。
【0097】
請求項14記載の発明によれば、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体に蓄積した電荷を除電する中間転写体除電手段を有している構成としたので、中間転写体に残留した電荷による次の転写工程への悪影響を排除でき、良好な画像を得ることができる。
【0098】
請求項15記載の発明によれば、請求項14記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が、コロトロン方式の構成を有している構成としたので、確立された方式により、所定の電位の印加を容易に行うことができる。
【0099】
請求項16記載の発明によれば、請求項14記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が、導電性のブラシに電圧を印加する構成を有していることとしたので、省スペースで且つ摩擦による傷発生を極力防止して電圧を印加することができるので、構成の簡易化と中間転写体の長寿命化を図ることができる。
【0100】
請求項17記載の発明によれば、請求項14記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が、導電性のブレードに電圧を印加する構成を有している構成としたので、中間転写体の裏面にも容易に配置でき、構成の簡易化と中間転写体除電構成のレイアウト上の自由度を向上させることができる。
【0101】
請求項18記載の発明によれば、請求項14記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が、導電性のローラに電圧を印加する構成を有している構成としたので、中間転写体と等速に駆動することにより、中間転写体との摩擦を極力抑制しながら電圧を印加することができ、中間転写体の長寿命化を図ることができる。
【0102】
請求項19記載の発明によれば、請求項14記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が、導電性の鋸歯状の放電針に電圧を印加する構成を有している構成としたので、構成の簡易化と中間転写体の長寿命化を図ることができる。
【0103】
請求項20記載の発明によれば、請求項14乃至19のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が上記中間転写体に接触して除電する構成としたので、放電によるオゾンの発生量を少なくすることができ、作業環境の安全性の向上を図ることができる。
【0104】
請求項21記載の発明によれば、請求項14乃至19のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が上記中間転写体に非接触状態で除電する構成としたので、汚れによる帯電性能の低下を抑制でき、信頼性の高い除電機能を長期に亘って得ることができる。
【0105】
請求項22記載の発明によれば、請求項14乃至21のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段による除電位置は、上記中間転写体から記録媒体への転写工程の後であって、且つ、上記像担持体から上記中間転写体への転写工程の前である構成としたので、最も効果的な位置で除電を行うことができ、除電効率を向上させることができる。
【0106】
請求項23記載の発明によれば、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、使用するトナーは、円形度が0.94以上である構成としたので、逆転写を高精度に抑制することができ、高画質化を一層向上させることができる。
【0107】
請求項24記載の発明によれば、請求項12または13記載の画像形成装置において、上記各像担持体に対応してそれぞれ、該像担持体上の静電潜像をトナー像として可視化する現像手段と、上記中間転写体への転写後に残留したトナーを除去・回収するクリーニング手段が設けられ、上記各像担持体のうち少なくとも1つの像担持体について、上記クリーニング手段により回収されたトナーを該像担持体に対応する上記現像手段へ戻すトナーリサイクル手段が設けられている構成としたので、廃棄トナーの低減化により無駄なトナー消費の抑制、環境負荷の低減に寄与することができる。
【0108】
請求項25記載の発明によれば、像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により重ね合わせて転写され、該重ね合わされたトナー象を2次転写手段により記録媒体に転写するのに用いられる中間転写体において、上記1次転写手段は、上記像担持体と上記中間転写体が接触した位置の、上記中間転写体の裏面側から転写バイアスを印加するように用いられ、抵抗値が、上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制するレベルに設定されている構成としたので、逆転写防止のための安定した除電レベルを得ることができるとともに、プレ転写を抑制でき、コスト上昇を来たすことなくカラー画像形成における画質の向上を図ることができる。
【0109】
請求項26記載の発明によれば、像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により重ね合わせて転写され、該重ね合わされたトナー象を2次転写手段により記録媒体に転写するのに用いられる中間転写体において、上記1次転写手段は、上記像担持体と上記中間転写体が接触した位置の、上記中間転写体の裏面側から転写バイアスを印加するように用いられ、且つ、上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制可能な高抵抗ベルトにより構成されている構成としたので、逆転写防止のための安定した除電レベルを得ることができるとともに、プレ転写を抑制でき、コスト上昇を来たすことなくカラー画像形成における画質の向上を図ることができる。
【0110】
請求項27記載の発明によれば、請求項25または26記載の中間転写体において、裏面の面積抵抗率が、109[Ω/□]以上である構成としたので、プレ転写を高精度に抑制することができ、チリトナーの少ない高画質化を実現できる。
【0111】
請求項28記載の発明によれば、請求項25乃至27のうちの何れか1つに記載の中間転写体において、体積抵抗率が、1013[Ωcm]以上である構成としたので、プレ転写を一層高精度に抑制することができ、一層チリトナーの少ない高画質化を実現できる。
【0112】
請求項29記載の発明によれば、像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により中間転写体に転写し、該中間転写体上の重ね合わされたトナー像を該中間転写体に2次転写手段により記録媒体に転写するカラー画像形成方法において、上記像担持体から上記中間転写体にトナー像を転写する前に上記像担持体の表面電位を除電し、その後、抵抗値が上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制するレベルに設定された中間転写体に転写することとしたので、逆転写防止のための安定した除電レベルを得ることができるとともに、プレ転写を抑制でき、コスト上昇を来たすことなくカラー画像形成における画質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における画像形成装置としてのカラー複写機の概要正面図である。
【図2】画像形成部と中間転写体の拡大図である。
【図3】感光体の画像部と非画像部の表面電位差と逆転写量との関係を示す実験結果のグラフである。
【図4】感光体の非画像部電位とドットチリとの関係を示す実験結果のグラフである。
【図5】中間転写体として中抵抗ベルトを用いた間接バイアス印加転写方式における転写周りの電界の様子を示す模式図である。
【図6】中間転写体として高抵抗ベルトを用いた間接バイアス印加転写方式における転写周りの電界の様子を示す模式図である。
【図7】中抵抗ベルトを用いた間接バイアス印加転写方式と高抵抗ベルトを用いた間接バイアス印加転写方式とにおけるドットチリとの関係を示す実験結果のグラフである。
【図8】像担持体除電手段の制御例を示すフローチャートである。
【図9】円形度の違いによるトナーと感光体との接触面積の違いを示す図である。
【図10】添加剤を介したトナーと感光体との接触状態を示す図である。
【図11】第5の実施形態における中間転写体除電手段を示す図である。
【図12】第6の実施形態における中間転写体除電手段を示す図である。
【図13】第8の実施形態における中間転写体除電手段を示す図である。
【図14】第9の実施形態における中間転写体除電手段を示す図である。
【図15】第10の実施形態における画像形成装置としての1ドラムタイプのカラー複写機の概要正面図である。
【図16】プレ転写の発生状態を示す図である。
【図17】感光体の画像部と非画像部の表面電位差が大きい場合と小さい場合におけるプレ転写の発生状態の差異を示す図である。
【符号の説明】
10、426 中間転写体
17 クリーニング手段としての中間転写体クリーニング装置
22 2次転写手段としての2次転写装置
40Y、40C、40M、40Bk、402 像担持体としての感光体
61Y、61C、60M、60Bk 現像手段としての現像装置
62 1次転写手段としての1次転写ローラ
80 トナーリサイクル手段
101C、101M、101Bk、425 像担持体除電手段
454 2次転写手段としての2次転写ローラ
S 記録媒体としてのシート
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、プロッタ等のカラー画像形成が可能な画像形成装置、該画像形成装置に用いられる中間転写体、及びカラー画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、電子写真装置では、市場からの要求に伴い、カラー画像を形成可能なカラー複写機やカラープリンタなどの普及が拡大している。
カラー電子写真装置には、1つの像担持体としての感光体の周りに複数色の現像装置を備え、それらの現像装置で例えばトナーなどのような荷電着色粒子(現像剤)を感光体上に付着させて画像を形成し、その感光体上のトナー画像を中間転写体に1次転写し、その中間転写体上の重ね合わされたトナー画像をさらに記録媒体に2次転写して画像を記録する、いわゆる1ドラム・中間転写タイプのものがある。
また、複数の感光体にそれぞれ個別に現像装置を備え、それらの現像装置により各感光体上にトナー画像を形成し、それらのトナー画像を順次中間転写体に1次転写し、さらに中間転写体上の重ね合わされたトナー画像を記録媒体に2次転写して記録する、いわゆるタンデム・中間転写タイプのものもある。
【0003】
この種のカラー画像形成装置において、従来、逆転写の問題がある。この逆転写現象とは、中間転写体の上流側の画像形成部で一次転写されたトナーの一部が、より下流側の画像形成部の像担持体に戻ってしまうというものである。
このような逆転写は、下流側の画像形成部で転写バイアス電圧を印加し、像担持体上のトナー像を中間転写体へ移動させるときに発生し、特に像担持体の非画像部領域において逆転写が発生する。
逆転写が発生するメカニズムは次のように考えられている。像担持体と同極性のトナーを付着させてトナー像を得るネガ・ポジ反転現像方式を用いた画像形成装置の場合、像担持体表面は帯電手段により、トナーと同極性に帯電されている。一方、中間転写体の表面電位はトナーと逆極性、あるいは0[V]となっている。
【0004】
像担持体と中間転写体の表面との電位差が大きいと、特に像担持体の非画像部領域では電位差が更に大きくなるため、一次転写部近傍で両者が接近したときに放電が発生し、このときに発生する電離イオンにより、中間転写体に担持されているトナーの一部の帯電極性が反転する。
その結果、一次転写部分において極性が反転したトナーは、像担持体側へ向かう静電引力を受け、像担持体側へと移動してしまうのである。
このような逆転写の問題に対して、特開平5−165383号公報では、像担持体上のトナー像を中間転写体上に転写する直前の位置に光除電器を設置し、現像工程後、転写工程前の像担持体表面を除電することにより、像担持体と中間転写体間の電位差を減少させることで放電を抑制し、逆転写を低減させる対策をとっている。
【0005】
特開2001−125399号公報には、現像工程後、転写工程前に像担持体の表面を除電する除電手段を設け、像担持体表面と中間転写体表面の電位差を各画像形成部の作像状況に基づいて制御する制御手段を設置する構成が開示されている。
現像工程後、転写工程前の像担持体を除電手段により除電すると、像担持体と中間転写体間の電位差が小さくなり、放電量は微小か、または放電しないので、反転極性トナーがほとんどなく、逆転写は発生しなくなる。
特開2002−55544号公報には、現像工程後、且つ転写工程前に感光体の帯電極性と同極性の電荷を付与する転写前電荷付与装置と、電荷を付与された感光体を除電する転写前除電ランプを設けたモノクロ画像形成の構成が開示されている。
感光体上の電荷を転写前に除電してしまうと、文字画像の周辺部でトナーチリという現象が発生するため、これに対処したものである。感光体上のトナーの電荷量を増大させることによって、感光体の導電性基体とトナー間の鏡像力が増加して感光体へのトナーの吸着力が大きくなり、その結果、転写ムラを防止できるとともに文字画像周辺部におけるトナーチリを低減できる。
【0006】
【特許文献1】
特公平6−23915号公報
【特許文献2】
特開平5−165383号公報
【特許文献3】
特開平11−30557号公報
【特許文献4】
特開2001−125399号公報
【特許文献5】
特開2002−55544号公報
【特許文献6】
特開2002−244444号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、現像工程後、転写工程前の像担持体を除電すると、像担持体上の画像部領域と非画像部領域の電位差が減少することに起因する画質劣化が発生する。
この画質劣化は、「プレ転写」と呼ばれる現象で、中間転写体に対する転写領域前で1次転写のための転写電界が形成されることによってトナーが転写前に像担持体から中間転写体へ移動してしまう現象であり、像担持体上では発生していない。
具体的に説明すると、図16に示すように、感光体40の画像部領域と非画像部領域の電位差が小さくなることにより、感光体40へのトナーTの吸着力が弱くなり、1次転写電界によってトナーTが転写前に中間転写ベルト500の非画像部領域に飛んで付着する。これがいわゆるチリトナーとなって画質劣化を招く。
【0008】
さらに詳細に説明すると、感光体40上の画像部領域と非画像部領域の電位差が大きい場合、図17(a)に示すように、転写前に電位の高い非画像部領域が中間転写ベルト500と放電することにより、中間転写ベルト500に感光体40に対応した潜像(ポテンシャル井戸)が形成されることになり、トナーTが1次転写電界によりプレ転写しても中間転写ベルト500上の非画像部領域には移動せず、形成されたポテンシャル井戸(画像部領域)に強制的に吸着される。
逆に、感光体40上の画像部領域と非画像部領域の電位差が小さい場合、図17(b)に示すように、中間転写ベルト500にポテンシャル井戸がしっかりと形成されずに画像部領域と非画像部領域との境界が電界的に曖昧となり、プレ転写時にトナーTが画像部領域にも非画像部領域にも関係なく移動するようになる。
【0009】
その結果、画質劣化は激しくなる。図17において、Vopcは感光体40の電位を、Vtonerはトナーの電位を、Vbeltは中間転写ベルト500の電位をそれぞれ示している。
このように、逆転写対策とプレ転写対策は相反する関係にあり、両者を望ましい状態に両立させることは困難な現状にあった。
特開2002−55544号公報に記載の構成では、感光体の導電性基体とトナー間の鏡像力が増加するため、プレ転写対策に有効であるが、転写前電荷付与装置という新たな要素が必要であるとともに、電荷付与のために余分なエネルギーが必要であり、コスト上昇を避けられなかった。
【0010】
本発明は、上述した逆転写とプレ転写の双方を同時に且つコスト上昇を来たすことなく抑制でき、カラー画像形成における画質の向上を図ることができる画像形成装置、中間転写体、カラー画像形成方法の提供を、その主な目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
従来技術においては、逆転写を防止するのが主眼でありながらも転写前の除電によりプレ転写(チリトナーの発生)という副作用が生じるため、両者の両立を考慮して転写前の除電レベルが設定されている。換言すれば、逆転写とプレ転写を関係付けて双方を同時に防止する観点から一元的アプローチにより除電レベルが設定されていると言える。逆転写とプレ転写の対策は相反するので、両者の両立が得られる除電レベルは、画質の観点からすれば共に不安定なレベルである。
プレ転写の防止を逆転写とは切り離して考え、全く別個にプレ転写を防止することができれば、逆転写のための安定した転写前の除電レベルを得ることができるとともにプレ転写を防止できることになる。これが本発明の趣旨である。
【0012】
具体的には、請求項1記載の発明では、像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により中間転写体に転写し、該中間転写体上の重ね合わされたトナー像を2次転写手段により記録媒体に転写する画像形成装置において、上記像担持体から上記中間転写体にトナー像を転写する前に上記像担持体の表面電位を除電するための像担持体除電手段を有し、上記1次転写手段は、上記像担持体と上記中間転写体が接触した位置の、上記中間転写体の裏面側から転写バイアスを印加する構成を有し、且つ、上記中間転写体の抵抗値が、上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制するレベルに設定されている、という構成を採っている。
【0013】
請求項2記載の発明では、像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により中間転写体に転写し、該中間転写体上の重ね合わされたトナー像を2次転写手段により記録媒体に転写する画像形成装置において、上記像担持体から上記中間転写体にトナー像を転写する前に上記像担持体の表面電位を除電するための像担持体除電手段を有し、上記1次転写手段は、上記像担持体と上記中間転写体が接触した位置の、上記中間転写体の裏面側から転写バイアスを印加する構成を有し、且つ、上記中間転写体が、上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制可能な高抵抗ベルトにより構成されていることとした。
【0014】
請求項3記載の発明では、請求項1または2記載の画像形成装置において、上記中間転写体の裏面の面積抵抗率が、109[Ω/□]以上である、という構成を採っている。
【0015】
請求項4記載の発明では、請求項1乃至3のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体の体積抵抗率が、1013[Ωcm]以上である、という構成を採っている。
【0016】
請求項5記載の発明では、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段によって除電した後の転写前における上記像担持体の表面電位における画像部と非画像部との電位差が、0[V]以上200[V]以内に設定されている、という構成を採っている。
【0017】
請求項6記載の発明では、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段が、光照射により上記像担持体を除電する機能を有している、という構成を採っている。
【0018】
請求項7記載の発明では、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段がイオン発生機能を有し、発生したイオンを供給することによって上記像担持体を除電する、という構成を採っている。
【0019】
請求項8記載の発明では、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段による除電位置は、上記像担持体上の静電潜像をトナー像として可視化する現像工程の後であって、且つ、上記中間転写体への転写工程の前である、という構成を採っている。
【0020】
請求項9記載の発明では、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段による上記像担持体の除電量を、該像担持体上に形成される画像の情報に応じて制御する制御手段を有している、という構成を採っている。
【0021】
請求項10記載の発明では、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体上に形成される画像の情報に応じて、上記中間転写体に印加される転写バイアスを制御する制御手段を有している、という構成を採っている。
【0022】
請求項11記載の発明では、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段による除電が、上記中間転写体にトナー像を重ね合わせる際の2色目以降に実施される、という構成を採っている。
【0023】
請求項12記載の発明では、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体の転写面に沿って上記像担持体が複数配置され、2色目以降の各像担持体に対応して上記像担持体除電手段がそれぞれ設けられている、という構成を採っている。
【0024】
請求項13記載の発明では、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体の転写面に沿って上記像担持体が複数配置され、各像担持体除電手段に対応して上記像担持体除電手段がそれぞれ設けられ、これらの像担持体除電手段のうち、1色目の像担持体に対応する像担持体除電手段及び使用されない色の像担持体に対応する像担持体除電手段の除電機能を制御する制御手段を有している、という構成を採っている。
【0025】
請求項14記載の発明では、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体に蓄積した電荷を除電する中間転写体除電手段を有している、という構成を採っている。
【0026】
請求項15記載の発明では、請求項14記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が、コロトロン方式の構成を有している、という構成を採っている。
【0027】
請求項16記載の発明では、請求項14記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が、導電性のブラシに電圧を印加する構成を有している、という構成を採っている。
【0028】
請求項17記載の発明では、請求項14記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が、導電性のブレードに電圧を印加する構成を有している、という構成を採っている。
【0029】
請求項18記載の発明では、請求項14記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が、導電性のローラに電圧を印加する構成を有している、という構成を採っている。
【0030】
請求項19記載の発明では、請求項14記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が、導電性の鋸歯状の放電針に電圧を印加する構成を有している、という構成を採っている。
【0031】
請求項20記載の発明では、請求項14乃至19のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が上記中間転写体に接触して除電する、という構成を採っている。
【0032】
請求項21記載の発明では、請求項14乃至19のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が上記中間転写体に非接触状態で除電する、という構成を採っている。
【0033】
請求項22記載の発明では、請求項14乃至21のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段による除電位置は、上記中間転写体から記録媒体への転写工程の後であって、且つ、上記像担持体から上記中間転写体への転写工程の前である、という構成を採っている。
【0034】
請求項23記載の発明では、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、使用するトナーは、円形度が0.94以上である、という構成を採っている。
【0035】
請求項24記載の発明では、請求項12または13記載の画像形成装置において、上記各像担持体に対応してそれぞれ、該像担持体上の静電潜像をトナー像として可視化する現像手段と、上記中間転写体への転写後に残留したトナーを除去・回収するクリーニング手段が設けられ、上記各像担持体のうち少なくとも1つの像担持体について、上記クリーニング手段により回収されたトナーを該像担持体に対応する上記現像手段へ戻すトナーリサイクル手段が設けられている、という構成を採っている。
【0036】
請求項25記載の発明では、像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により重ね合わせて転写され、該重ね合わされたトナー象を2次転写手段により記録媒体に転写するのに用いられる中間転写体において、上記1次転写手段は、上記像担持体と上記中間転写体が接触した位置の、上記中間転写体の裏面側から転写バイアスを印加するように用いられ、抵抗値が、上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制するレベルに設定されている、という構成を採っている。
【0037】
請求項26記載の発明では、像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により重ね合わせて転写され、該重ね合わされたトナー象を2次転写手段により記録媒体に転写するのに用いられる中間転写体において、上記1次転写手段は、上記像担持体と上記中間転写体が接触した位置の、上記中間転写体の裏面側から転写バイアスを印加するように用いられ、且つ、上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制可能な高抵抗ベルトにより構成されている、という構成を採っている。
【0038】
請求項27記載の発明では、請求項25または26記載の中間転写体において、裏面の面積抵抗率が、109[Ω/□]以上である、という構成を採っている。
【0039】
請求項28記載の発明では、請求項25乃至27のうちの何れか1つに記載の中間転写体において、体積抵抗率が、1013[Ωcm]以上である、という構成を採っている。
【0040】
請求項29記載の発明では、像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により中間転写体に転写し、該中間転写体上の重ね合わされたトナー像を該中間転写体に2次転写手段により記録媒体に転写するカラー画像形成方法において、上記像担持体から上記中間転写体にトナー像を転写する前に上記像担持体の表面電位を除電し、その後、抵抗値が上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制するレベルに設定された中間転写体に転写することとした。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至図10に基づいて説明する。
まず、図1に基づいて本実施形態における画像形成装置としてのタンデム型中間転写方式のカラー複写機の構成及び画像形成動作の概要を説明する。
カラー複写機は、複写装置本体1と、該複写装置本体1が載置された給紙テーブル2と、複写装置本体1の上面に設けられたスキャナ300と、該スキャナ3の上部に設けられた原稿自動搬送装置(ADF)4を有している。
複写装置本体1には、略中央に、無端ベルト状の中間転写体(中間転写ベルト)10が配置されている。中間転写体10は、3つの支持ローラ14、15、16に掛け回されて支持されており、図示しない駆動源により図中時計回りに方向に回転駆動される。
本実施形態では、3つの支持ローラ14、15、16のうち、第2の支持ローラ15の近傍には、画像転写(2次転写)後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去する中間転写体クリーニング装置17が設けられている(図2参照、図1では省略)。
3つの支持ローラ14、15、16のうちで第1の支持ローラ14と第2の支持ローラ15間に張り渡された中間転写体10上には、その搬送方向に沿って、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の4つの画像形成手段18Y、18C、18M、18Bkが横に並べられて配置され、タンデム画像形成装置20が構成されている。但し、これら4つの色順は一例であり、これに限定される趣旨ではない。
【0042】
図2は、タンデム画像形成部20の部分の拡大図である。タンデム画像形成部20において、個々のトナー像形成手段である画像形成手段18Y、18C、18M、18Bkでは、図2に示すように、像担持体としてのドラム状の感光体40Y、40C、40M、40Bkの周りに、帯電装置としての帯電ローラ60Y、60C、60M、60Bk、現像装置61Y、61C、60M、60Bk、一次転写装置としての1次転写ローラ62Y、62C、62M、62Bk、感光体クリーニング装置63Y、63C、63M、63Bk、感光体の表面電位を初期化する除電装置64Y、64C、64M、64Bkなどが設けられている。
本実施形態では帯電ローラ60Y、60C、60M、60Bkを感光体40Y、40C、40M、40Bkに接触させて電圧を印加することにより感光体40Y、40C、40M、40Bkの帯電を行うようにしているが、勿論、非接触のスコロトロンチャージャで帯電を行うようにしてもよい。
【0043】
図1に示すように、タンデム画像形成装置20の上方には、露光装置21が配置されている。中間転写体10を挟んでタンデム画像形成装置20と反対の側には、2次転写装置22が配置されている。2次転写装置22は、2つのローラ23間に、無端ベルト状の2次転写ベルト24を掛け渡して構成され、中間転写体10を介して第3の支持ローラ16に一方のローラ23側を押し当てて配置されている。2次転写装置22により中間転写体10上の画像が、給紙テーブル2から給紙される記録媒体としてのシートS(図2参照)に転写される。
2次転写装置22の左側には、シート上の転写画像を定着する定着装置25が設けられている。定着装置25は、無端ベルト状の定着ベルト26に加圧ローラ27を押し当てる構成を有している。
【0044】
2次転写装置22は、画像転写後のシートSを定着装置25へと搬送するシート搬送機能も備えている。もちろん、2次転写装置22として、転写ローラや非接触の転写チャージャを配置してもよいが、上記のようにベルト搬送構成とすれば定着装置25へのシート搬送機能を同時に得ることができる利点がある。
本実施形態では、2次転写装置22及び定着装置25の下に、上述したタンデム画像形成装置20と略平行に、シートSの両面に画像を記録する場合にシートSを反転するシート反転装置28が備えられている。
【0045】
上記したカラー複写機を用いてコピーをとるときは、原稿自動搬送装置4の原稿台30上に原稿をセットする。または、原稿自動搬送装置4を開いてスキャナ3のコンタクトガラス32上に原稿をセットし、原稿自動搬送装置4を閉じてそれで押さえる。
不図示のスタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置4に原稿をセットしたときは、原稿が自動的に搬送されてコンタクトガラス32上へと移動して後、他方コンタクトガラス32上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ3が駆動され、第1走行体33及び第2走行体34が走行を開始する。
第1走行体33で光源から光が照射されるとともに原稿面からの反射光をさらに反射して第2走行体34に向け、第2走行体34のミラーで反射して結像レンズ35を通して読み取りセンサ36に入れ、原稿内容を読み取る。
【0046】
また、不図示のスタートスイッチを押すと、不図示の駆動手段としての駆動モータにより支持ローラ14、15、16のうちの1つが回転駆動され、他の2つの支持ローラが従動回転し、中間転写体10が回転駆動される。同時に、個々の画像形成手段18Y、18C、18M、18Bkではそれぞれに対応した感光体40Y、40C、40M、40Bkが回転し、各感光体40Y、40C、40M、40Bk上にそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの単色画像が形成される。画像形成は、周知のプロセスで行なわれる。
すなわち、まず、帯電ローラ60Y、60C、60M、60Bkで感光体40Y、40C、40M、40Bkの表面を一様に帯電し、次いでスキャナ3の読み取り内容に応じて上述した露光装置21からレーザやLED等による書込み光LY、LC、LM、LBkを照射して感光体40Y、40C、40M、40Bk上に静電潜像を形成する。その後、現像装置61Y、61C、61M、61Bkによりトナーが付着され、静電潜像を可視像化することで各感光体40Y、40C、40M、40Bk上にそれぞれ、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの単色画像を形成する。
中間転写体10の搬送とともに、それらの単色画像を順次1次転写手段としての各1次転写ローラ62Y、62C、62M、62Bkにより転写して中間転写体10上に合成カラー画像を形成する。
画像を転写された後の感光体40Y、40C、40M、40Bkの表面に残留したトナーは感光体クリーニング装置63Y、63C、63M、63Bkにより清掃される。その後、感光体40Y、40C、40M、40Bkの表面電位が除電装置64Y、64C、64M、64Bkにより初期化され、再度の画像形成に備える。
【0047】
一方、不図示のスタートスイッチを押すと、給紙テーブル2の給紙ローラ42の1つが選択回転され、ペーパーバンク43に多段に備えられた給紙カセット44のうちの1つからシートSが繰り出され、分離ローラ45で1枚ずつ分離されて給紙路46に搬送される。シートSは搬送ローラ47で搬送されて複写機本体1内の給紙路48に導かれ、レジストローラ対49にて一旦止められる。ここで所定の過剰送りによってレジストローラ対49のニップ部にシートSの先端が突き当てられ、スキューが修正される。
あるいは、給紙ローラ50が回転されて手差しトレイ51上のシートSが繰り出され、分離ローラ52で1枚ずつ分離されて手差し給紙路53に搬送される。搬送されたシートSは同じくレジストローラ対49にて一旦止められる。
【0048】
中間転写体10上の合成カラー画像にタイミングを合わせてレジストローラ対49が回転駆動され、中間転写体10と2次転写装置22との間にシートSが送り込まれ、2次転写装置22によりシートS上にカラー画像が転写される。
画像転写後のシートSは、2次転写装置22で搬送されて定着装置25へと送り込まれ、定着装置25で熱と圧力とを加えられて転写画像を定着された後、切換爪55で搬送方向を切り換えられて排出ローラ対56で排出され、排紙トレイ57上にスタックされる。または、切換爪55で搬送路を切り換えられてシート反転装置28に入れられ、そこで反転されて再び転写位置へと導かれ、裏面にも画像を記録された後、排出ローラ対56で排紙トレイ57上に排出される。
画像転写後の中間転写体10は、中間転写体クリーニング装置17で、画像転写後に中間転写体10上に残留する残留トナーを除去され、タンデム画像形成装置20による再度の画像形成に備える。
【0049】
図2に基づいて、現像装置61Y、61C、60M、60Bk、感光体クリーニング装置63Y、63C、63M、63Bkの構成をさらに詳細に説明する。なお、代表してイエロー画像に対応する構成を説明し、その他は同様の構成であるので対応する色の欧文字を付記して説明は省略する。
現像装置61Yは、感光体40Yにトナーを供給する現像スリーブ61Y−1と、第1の攪拌搬送部材61Y−2と、第2の攪拌搬送部材61Y−3を有している。第1の攪拌搬送部材61Y−2と、第2の攪拌搬送部材61Y−3はその長手方向(感光体回転軸方向)における手前側と奥側で現像剤を互いに受け渡して循環させるようになっており、第2の攪拌搬送部材61Y−3側において新しいトナーまたは後述する回収トナーを補給して循環する現像剤流れに混ぜ合わせるようになっている。
【0050】
感光体クリーニング装置63Yは、先端を感光体40Yに押し当てて設けられたクリーニングブレード63Y−1と、クリーニング性を高めるために外周が感光体40Yに接触するように設けられた導電性のファーブラシ(クリーニングブラシ)63Y−2と、トナー回収コイル63Y−3等を有している。クリーニングブレード63Y−1は、例えばポリウレタンゴムで形成することができる。ファーブラシ63Y−2は感光体40Yに対してカウンタ方向に回転するように設けられている。
クリーニングブレード63Y−1及びファーブラシ63Y−2で除去された感光体40Y上の残留トナーは、トナー回収コイル63Y−3で搬送され、Bk画像形成手段に示すように、現像剤補給部を兼ねる第2の攪拌搬送部材61Y−3側とを繋ぐトナーリサイクル手段80により現像装置61Yへ戻され、再び現像に使用される。図中省略しているが、トナーリサイクル手段80は、各画像形成手段18Y、18C、18M、18Bkに個別に設けられている。
【0051】
また、本実施形態では、図2に示すように、2色目以降の感光体40C、40M、40Bkの現像工程後、転写工程前の位置に、逆転写を抑制するための像担持体除電手段101C、101M、101Bkが設けられている。第1色目の転写には逆転写の問題は生じないので、第1色目のイエロー画像に対応する画像形成手段には像担持体除電手段は設けられていない。
支持ローラ15に対向する位置には、中間転写体除電手段としてのコロトロン102が設けられている(図1では省略)。
【0052】
感光体40Cから中間転写体10にシアンのトナー像を転写する前に像担持体除電手段101Cにより感光体40Cの表面電位が除電され、感光体40Mから中間転写体10にマゼンタのトナー像を転写する前に像担持体除電手段101Mにより感光体40Mの表面電位が除電され、感光体40Bkから中間転写体10にブラックのトナー像を転写する前に像担持体除電手段101Bkにより感光体40Bkの表面電位が除電される。
【0053】
像担持体除電手段(光照射デバイス)101としてはLEDやLD、キセノンランプなどを採用できる。予めLEDやLDに流れる電流や印加電圧と発光(露光)光量の関係を把握しておき、発光光量を調整して除電電荷量を制御することで、感光体表面電位を任意の値に制御可能である。
図3は、感光体の画像部と非画像部の表面電位差と逆転写量との関係を示す実験結果のグラフである。通常、現像工程後且つ転写工程前に感光体上を除電し、電位の絶対値を低くすると、図3に示すように、感光体表面電位の絶対値を低く抑えた場合の方が逆転写を抑えることができる。
図3に示した実験において、除電には赤色のLEDを用いて光除電した。また、画像部の感光体上表面電位は−150[V]であった。このように、電位の低い画像部にはトナーは逆転写しないことからも、感光体表面電位差を望ましくは200[V]以下に抑えることで、逆転写を防止して画像が乱れることのない良好な画像を得ることができる。
【0054】
基本的には図3に示すように、感光体の表面の電位は低ければ低いほど逆転写が生じにくいが、あまりに光量を上げ感光体に照射すると、感光体を痛め寿命を著しく縮めるおそれがあるため、適切な範囲に設定する必要がある。
周知のように、感光体として用いられる材質の中には、光を照射することによって光導電層の静電容量が増大し、電気抵抗が減少する光疲労現象を示すものがある。可視像のフィルター効果によって画像下部の感光体部分はそれほど強い光を受けないが、非画像部では露光光の数倍の強い光が照射されることになる。従って、書込露光以外の光照射は極力避けたい場合もある。
感光体上での除電工程は、現像工程の後、転写行程の前に行うことが望ましい。非画像部電位が低ければ逆転写が発生しにくいが、現像工程では画像部と非画像部の電位コントラストが大きい方が地汚れなどが無く良好に現像できるからである。よって、現像工程の後で除電を行うことで、良好な現像と、逆転写防止を両立することができるようになる。
【0055】
本実施形態では、予め像担持体除電手段101に流れる電流や印加電圧と発光(露光)光量の関係を実験等(コンピュータシミュレーションを含む)により把握しておき、発光光量と除電電荷量との関係データテーブルを図示しない制御手段の例えばROMに格納し、色毎に最適な除電を行うようにしている。
像担持体除電手段101による除電量は、中間転写体10の帯電量とも関係し、中間転写体10の帯電量は転写回数が増えるにつれて変化するので、上記関係データテーブルはこの点も考慮して実験的データを得るのが望ましい。
ここで、制御手段とは、CPU、RAM、ROM、I/Oインターフェース等を含むマイクロコンピュータであり、カラー複写機のメインコントローラが兼ねることができるものである。
【0056】
本実施形態では、中間転写体10として、裏面の面積抵抗率が109[Ω/□]以上、体積抵抗率が1013[Ωcm]以上であるベルトを採用している。ここで、面積抵抗率の単位は無次元系であるが、通常の抵抗率と区別するため、便宜上、単位を[Ω/□]と記述している。
図3に示したように、感光体表面電位の絶対値を低く抑えた場合の方が逆転写を抑えることができる。しかし、非画像部電位を除電し過ぎると、プレ転写するトナーが中間転写体上の非画像部領域に付着することによるチリトナーが増加してしまう。
このような画質劣化の発生は、図4に示すように、感光体を除電すればするほど顕著になることが本発明者らの実験によって確認されている。そのため、画像部電位と非画像部電位はほぼ等しいか、または絶対値を比較した場合において、非画像部電位の方が大きいことが望ましい。
【0057】
このように、転写工程前の除電は逆転写の防止には効果があるが、プレ転写によるチリトナーが増加する。このチリトナーを抑制するためには、その原因となるプレ転写自体を防止すればよい。
プレ転写は、主に転写工程前の中間転写体に印加するバイアスの回り込みによって形成される不必要な電界のために発生する。このプレ転写が起こらないようにするために、本実施形態では上述のように、中間転写体10として、裏面の面積抵抗率が109[Ω/□]以上、体積抵抗率が1013[Ωcm]以上であるベルト(以下、「高抵抗ベルト」という)を採用した。
【0058】
ここで、プレ転写を引き起こす「中間転写体に印加するバイアスの回り込み」と、プレ転写対策として高抵抗ベルトを用いる意義について説明する。
図5は、中間転写体として中抵抗ベルトを採用した間接バイアス印加転写方式(従来例)における電界の様子を示す模式図である。
図6は、中間転写体として高抵抗ベルトを採用した直接バイアス印加転写方式(本実施形態)における電界の様子を示す模式図である。図5及び図6において、符号40は感光体を、500、10は中間転写体を、62、501はバイアスローラ(転写ローラ)を、502はアースローラをそれぞれ示している。
【0059】
中間転写体として中抵抗ベルトを用いた場合に、間接バイアス転写方式にしなければならない理由は、ベルトの抵抗が低いために、電荷が回り込みやすいからである。このため、ニップ下側から直接バイアスを印加することを避ける構成が採られる。
しかしながら、中抵抗ベルトを用いた間接バイアス転写方式でも、図5にハッチングで示すように、プレ転写電界の発生は抑えきれない。
これに対し、中間転写体として高抵抗ベルトを用いた場合には、図6に示すように、電荷の回り込みが起こりにくいため、バイアスを印加した位置から遠ざかるにつれて急激に電界が減少する。このため、中抵抗ベルトを用いた間接バイアス転写方式に比べ、同じ部位におけるプレ転写電界の発生量が少なく、プレ転写を抑制することができる。
中間転写体10の抵抗値を、その裏面の抵抗値として上記のように設定した理由は、感光体40から中間転写体10にトナーを転写する際、通常、ベルト裏面よりバイアスを印加するからである。特に、ベルトが材質の違う複数の層で構成されている場合、バイアスを印加したときに最初に電流が流れる、バイアス印加部材に最も近い層(ベース層)の抵抗を考慮すべきであるからである。
【0060】
図7は、上述した中抵抗ベルト・間接転写方式と、高抵抗ベルト・直接転写方式におけるドットチリの発生との関係を、像担持体除電手段により転写前に除電した場合としない場合とに分けて実験した結果を示すグラフである。
図7から明らかなように、高抵抗ベルトの場合には、より抵抗の低い中抵抗ベルト(面積抵抗率が108[Ω/□]以下、体積抵抗率が1012[Ωcm]以下)に比べ、チリ量が少ない。
これは、高抵抗ベルトが、抵抗が高いために電荷の回り込みが少なく、転写電界が漏洩しないために、転写工程前にトナーが飛び移ってしまうプレ転写が発生しないからである。チリの原因の一つであるプレ転写現象自体が発生しないため、良好な画像が得ることができる。
さらに、現像工程後、且つ転写工程前の位置に赤色のLED(像担持体除電手段)を設置し、感光体を光除電した際のチリ量の比較を行った結果においては、高抵抗ベルトではプレ転写がほぼ発生しないため、トナーチリの原因となるものが少なく、チリがほぼ発生していない。中抵抗ベルトに比べその効果は歴然である。
【0061】
上述のように、カラー画像を作成する際には、感光体から中間転写体に転写する画像にチリが発生しない条件を保ちながら且つ逆転写を生じないようにするのであるが、カラー画像の中にはある色を用いない場合もある。このような場合には、感光体上にトナー像が形成されていないため、チリを考慮しなくてもよい。よって、全ての、もしくは個別のプロセス条件を通常の条件と異なるように設定して、最も逆転写しないような条件に設定することが可能である。
例えば、感光体の非画像部電位は0[V]に近ければ近いほどよい。画像がある場合には画像部電位の−150〜−250[V]程度と同等までしか下げることができないが、画像がない場合にはより強く感光体を除電することにより、逆転写は更に防止しやすくなる。
また、転写バイアスも必要以上に印加すると逆転写を生じやすくなるため、低目の設定値に変更することも効果がある。
【0062】
このような観点からの制御の一例を図8に示す。上記制御手段は、スキャナ3による原稿の読み取り情報に基づいて使用しない色があるかどうかを判断し、使用しない色がある場合には、その色に対応した像担持体除電手段101を最も逆転写しないような条件に設定して制御する。図8において、通常制御とは、4色フルカラーの場合の制御手段による上記データテーブルに基づく像担持体除電手段101C、101M、101Bkの制御である。
【0063】
カラー画像を作成する場合において、最初の第1色目の転写には逆転写の問題はない。よって像担持体除電手段はコストダウンのためにも、2色目以降の感光体ユニット(画像形成手段)に設置することが望ましい。但し、4つの感光体ユニットを共通に使えるようにするには、第1色目のユニットにLEDを設置してもかまわず、この場合は制御手段からの制御によって第1色目のユニットに対応するLEDを点灯しないようにすればよい。
【0064】
次に、中間転写体除電手段について説明する。
通常、タンデム方式の画像形成装置においては、転写工程が複数存在するため、転写を終えて転写位置から下流に移動したベルト部分は転写時に受けた電荷で帯電しており、このまま次回のトナー像の転写を行うと、前回の転写帯電の影響により転写性能が損なわれることがある。
特に高抵抗ベルトの場合、自己除電が困難であるので、除電手段の必要性は高い。このような観点から、本実施形態では図2に示すように、中間転写体除電手段としてのコロトロン102が設けられている。
【0065】
コロトロン102に対向する駆動ローラとしての支持ローラ15を用いて、DCにACを重畳し、ACバイアス5.8[kV]、DCバイアス600[V]で除電したところ、良好な結果が得られた。ACバイアスのPeak to Peak 電圧がある値以上になると帯電電位は飽和し、その飽和電位はDC成分とほぼ一致するため、均一でかつ制御性のよい除電が可能となる。
対向部材として駆動ローラ15を用いなくとも、他の対向部材を設置することで他の場所でもコロトロン102を設置可能である。コロトロン102の設置位置は、望ましくは、中間転写体クリーニング装置17の後、且つ転写部最上流部位(図1で示した構成ではイエロー画像に対応する画像形成手段の上流側)がよい。コロトロン102は中間転写体10の裏面側に設けてもよい。
【0066】
また、本実施形態では、逆転写の発生をより一層抑制するために、円形度の高いトナー(平均円形度が0.94以上)を用いている。その理由を以下に説明する。
トナーの円形度は、例えば、走査型電子顕微鏡や光学顕微鏡で観察された任意に選択された、多数のトナー粒子の形状を、市販の画像解析装置やフロー式粒子像分析装置、例えばSysmex社製のFPIA−1000などにより評価すれば良く、下記計算式で与えられる。これは液中にある数千個の粒子を撮像し、画像解析と粒度解析を行う装置である。
円形度=Σ[(4・π・Si)/Li2]/N
ここで、Liは各粒子の投影像における周囲長、Siは各粒子の投影面積、Nは評価総粒子数を表わす。円形度が1に近づくほどトナーは真球に近づく。
【0067】
平均円形度が0.94以上の球形トナーの方が、逆転写が少ないのは、トナーと感光体との付着力が逆転写に大きく寄与しており、球形に近いトナーほど、感光体表面とのファンデルワールス力が小さくなるためである。
図9(a)に示すように、平均円形度が0.94以下のトナーT1では感光体40に対する接触面積がA1であるのに対し、図9(b)に示すように、平均円形度が0.94以上のトナーT2では感光体40に対する接触面積がA2と小さくなる。
ファンデルワールス力は一般に相対する物体(この場合は感光体)との接触面積が小さくなればなるほど小さくなる。球形に近いトナーであればあるほどトナー自身の接触面積も小さくなる。
【0068】
一般に、トナーの流動性を上げ、トナー間の付着力(凝集力)を下げるためにトナーにはシリカや酸化チタンなどの添加剤が添加されているが、図10に示すように、平均円形度が0.94以上のトナーT2の場合、添加剤adのトナーT2の表面についている部分が感光体40と接触する部分になる確率が上がり、それら外添剤はトナー粒径に比べて十分に小さいため、見かけ上のファンデルワールス力が小さくなる。
【0069】
トナーは平均円形度が0.94以上の、球形に近いトナーであるほど、逆転写の発生が防止できることが本発明者らの実験により確認されている。
球形に近いトナーの方が、付着力が小さいのは上述のようにトナーに添加されている外添剤の効果がより強く出るためと考えられる。感光体との付着力が小さければ転写率も良好となり、さらに逆転写も発生しにくくなることが予想される。
実際に形状を変えたトナーを試作し、通常の条件で逆転写率を測定した結果を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】
表1の結果から、平均円形度が0.94以上のものであれば、逆転写はそれ以下のものに比べて格段によくなっており、望ましいトナーの形状として、平均円形度の値が0.94以上ということが導かれる。
【0072】
上述した構成・方式によって、画像を良好に保ったまま、すなわち、チリトナーの発生を高精度に抑制したまま、逆転写の発生を高精度に抑えることできるようになった。
このため、逆転写による廃トナーの混色の問題が解決できるようになった。そこで、感光体1つにつき1色の現像装置を備えたいわゆるタンデム型画像形成装置では、感光体クリーニング装置63に回収される廃トナーは、その感光体で現像された色のトナーがほとんどとなり、トナーを再び現像装置61に戻して再利用しても、色味が変化するなどの画質上の問題が無くなり、トナーリサイクルが可能となった。これにより廃トナーの排出量を大幅に低減できるとともに、環境負荷を低減でき、ユーザーにおいてもコスト手間の削減などのメリットが生じる。
但し、逆転写トナーがなくとも、1つの感光体に複数個の現像装置を備える、いわゆる1ドラムタイプの画像形成装置(後述)では、感光体が1つであるため、各色の作像時に感光体上に残った転写残トナーが1つのクリーニング装置に回収されてしまい、それぞれの色が混色されるため再利用することが難しくなる。すなわち、上述したトナーリサイクル手段80が有効に使用できるのは実質的にタンデムタイプに限られる。
【0073】
以下に他の実施形態を説明する。なお上記実施形態と同一部分(同一部分とみなせる部分を含む)は同一符号で示し、特に必要が無い限り既にした構成上及び機能上の説明は省略し、要部のみ説明する。
第1の実施形態では、像担持体除電手段としてLEDやLD、キセノンランプなどの光照射デバイスを用いたが、感光体上の電位の高い部分にイオンを照射して除電する方式もある。例えばコロトロンなどを使用して、ACバイアスなどを印加して正負のイオンを作り出し、非画像部領域に正イオンを供給することで除電することが可能である(第2の実施形態)。
トナーの付着している画像部領域に対して非画像部領域の電位が高いため、発生したイオンは選択的に非画像部に吸着され、除電される。
また、スコロトロンなどを使用して、トナーの付着した画像部電位と同極性で、且つ絶対値を少し高めにグリッド電位を設定し、トナーと極性の反対のイオンを発生させて除電することも可能である(第3の実施形態)。
【0074】
また、第1の実施形態では、中間転写体除電手段としてコロトロン102を用いたが、導電繊維を刷毛状に束ねた固定ブラシを用いてもよい(第4の実施形態)。
あるいは図11に示すように、例えば導電性繊維を布に植毛したものを導電性のローラにロール状に巻いた回転ブラシ82を用いてもよい(第5の実施形態)。いずれも図示しない電源によりブラシに0.5〜2[kV]程度の直流電圧を印加して、その先端を中間転写ベルト10に接触させる。
先端部では中間転写ベルト10との摩擦による電荷の発生や、電荷注入、あるいは微少領域における放電により、電子、イオンの移動が起こり、中間転写ベルト10が除電される。
図12に示すように、導電性のブレード83に図示しない電源により電圧を印加する構成としてもよい(第6の実施形態)。
【0075】
中間転写体除電手段として、導電性のローラに電圧を印加する構成としてもよい(第7の実施形態)。ローラを用いる場合には、導電性のゴムローラに電圧を印加し、中間転写ベルト10に押し付けて除電を行う。基本的には微少空隙での放電による電荷移動であり、DCバイアス印加方式、AC重畳方式のどちらでも可能である。望ましくは、均一帯電が比較的容易なAC重畳方式がよい。
以上接触式の中間転写体除電方式について述べたが、中間転写体除電手段を中間転写体10に対して非接触状態に保持するようにしてもよい。この場合、中間転写体除電手段が中間転写体10上のトナー等の異物によって汚染されないので、汚れによる経時的な帯電性能の低下を抑制でき、中間転写体除電機能の高品質を得ることができるとともに、中間転写体除電手段の耐久性の向上を図ることができる。
【0076】
例えば図13に示すように、導電性ローラ84の端部(中間転写体10の非画像領域に対応する部分)の外周面に、間隔保持部材としての例えば厚みが均一な粘着層付き樹脂テープ85を周方向に貼り、中間転写体10との間に空隙gを保持するようにする(第8の実施形態)。この場合、空隙g分だけ除電電位は低下するので、樹脂テープ85の厚みは85[μm]程度までが望ましい。
また、中間転写体除電手段としてローラを用いる場合には、中間転写体10と等速で駆動し、中間転写体10に対する摩擦を極力少なくするようにする。
図14に示すように、鋸歯状の放電針86を中間転写体10に非接触状態に設け、図示しない電源により電圧を印加する構成としてもよい(第9の実施形態)。
回転ブラシ82、ブレード83、導電性ローラ84、放電針86等の中間転写体除電手段は、中間転写体10の裏面側に設けてもよい。このようにした場合、中間転写体10の内側スペースを利用できるので、構成のコンパクト化を図ることができる。また、中間転写体除電手段として上記導電性ローラ84等のようにローラを用いる場合には、該ローラを中間転写体10の支持ローラを兼ねるように設けてもよい。
【0077】
次に、図15に基づいて、1つの感光体に複数個の現像装置を備えたいわゆる1ドラムタイプのカラー画像形成装置への適用例(第10の実施形態)を説明する。
本実施形態における画像形成装置としてのカラー複写機において、露光手段としての書き込み光学ユニット400は、カラースキャナ200からのカラー画像データを光信号に変換して原稿画像に対応した光書き込みを行い、像担持体である感光体ドラム402上に静電潜像を形成する。
該書き込み光学ユニット400は、レーザーダイオード404、ポリゴンミラー406とその回転用モータ408、f/θレンズ410や反射ミラー412等により構成されている。
感光体ドラム402は、矢印で示すように反時計回りの向きに回転され、その周囲には、感光体クリーニングユニット414、除電ランプ416、電位センサ420、回転式現像装置422のうちの選択された現像器(図15では現像器438)、現像濃度パターン検知器424、像担持体除電手段425、中間転写体としての中間転写ベルト426等が配置されている。中間転写ベルト426は、第1の実施形態における中間転写体10と同様の高抵抗ベルトである。
【0078】
回転式現像装置422は、ブラック用現像器428、シアン用現像器430、マゼンタ用現像器432、イエロー用現像器434と、各現像器を回転させる図示しない回転駆動部を有している。
待機状態では、回転式現像装置422は、ブラック現像の位置にセットされており、コピー動作が開始されると、カラースキャナ200で所定のタイミングからブラック画像のデータの読み取りがスタートし、この画像データに基づいてレーザ光による光書き込み・静電潜像(ブラック潜像)の形成が始まる。
【0079】
このブラック潜像の先端部から現像するために、ブラック用現像器428の現像位置に潜像先端部が到達する前に、現像スリーブを回転開始してブラック潜像をブラックトナーで現像する。感光体ドラム402にはマイナス極性のトナーが作像される。
そして、以後、ブラック潜像領域の現像動作を続けるが、潜像後端部がブラック現像位置を通過した時点で、速やかにブラックのための現像位置から次の色の現像位置まで、回転式現像装置422が回転する。当該動作は、少なくとも、次の画像データによる潜像先端部が到達する前に完了させる。
【0080】
像形成サイクルが開始されると、まず、感光体ドラム402は矢印で示すように反時計回りの向きに、中間転写ベルト426は時計回りの向きに、図示しない駆動モータによって回転させられる。中間転写ベルト426の回転に伴って、ブラックトナー像形成、シアントナー像形成、マゼンタトナー像形成、イエロートナー像形成が行われ、最終的にブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に、中間転写ベルト426上に重ねられ(1次転写)、トナー像が形成される。
第1の実施形態と同様に、各トナー像の現像工程の後、且つ、中間転写体426への転写工程の前に像担持体除電手段425により感光体ドラム402の表面の電位が除電される。
【0081】
中間転写ベルト426は、感光体ドラム402に対向する1次転写手段としての1次転写バイアスローラ450、駆動ローラ444、2次転写ローラ454に対向する2次転写対向ローラ446、中間転写ベルト426の表面を清掃するクリーニング手段452に対向するクリーニング対向ローラ448Aの各支持部材間に張架されており、図示しない駆動モータにより駆動制御されるようになっている。
感光体ドラム402に順次形成されるブラック、シアン、マゼンタ、イエローの各トナー像が中間転写ベルト426上で正確に順次位置合わせされ、これによって4色重ねのベルト転写画像が形成される。このベルト転写画像は2次転写対向ローラ446により記録媒体としての用紙に一括転写される。
【0082】
給紙バンク456内の各記録紙カセット458、460、462には装置本体内のカセット464に収容された用紙のサイズとは異なる各種サイズの用紙が収容されており、これらのうち、指定されたサイズ紙の収容カセットから、該指定された用紙が給紙コロ466によってレジストローラ対470方向に給紙・搬送される。図15において、符号468はOHP用紙や厚紙等のための手差し給紙トレイを示す。
像形成が開始される時期に、用紙は上記いずれかのカセットの給紙口から給送され、レジストローラ対470のニップ部で待機する。そして、2次転写対向ローラ446に中間転写ベルト426上のトナー像の先端がさしかかるときに、丁度用紙先端がこの像先端に一致するようにレジストローラ対470が駆動され、用紙と像のレジスト合わせが行われる。
【0083】
このようにして、用紙が中間転写ベルト426と重ねられて、トナーと同極性の電圧が印加される2次転写対向ローラ446の下を通過する。このとき、トナー画像が用紙に転写される。続いて、用紙は除電され、中間転写ベルト426から剥離して紙搬送ベルト472に移る。
中間転写ベルト426から4色重ねトナー像を一括転写された用紙は、紙搬送ベルト472によりベルト定着方式の定着装置470へ搬送され、この定着装置470で熱と圧力によりトナー像を定着される。定着を終えた用紙は排出ローラ対480で機外へ排出され、図示しないトレイにスタックされる。これにより、フルカラーコピーが得られる。
高抵抗ベルトの特性上、1次転写バイアスローラ450による転写バイアスは、感光体ドラム402と中間転写ベルト426が接触した位置の裏面に直接印加する方式が望ましい。像担持体除電手段の変形例、中間転写ベルト426の除電構成は、上述したものと同様に実施することができる。
【0084】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により中間転写体に転写し、該中間転写体上の重ね合わされたトナー像を2次転写手段により記録媒体に転写する画像形成装置において、上記像担持体から上記中間転写体にトナー像を転写する前に上記像担持体の表面電位を除電するための像担持体除電手段を有し、上記1次転写手段は、上記像担持体と上記中間転写体が接触した位置の、上記中間転写体の裏面側から転写バイアスを印加する構成を有し、且つ、上記中間転写体の抵抗値が、上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制するレベルに設定されている構成としたので、逆転写防止のための安定した除電レベルを得ることができるとともに、プレ転写を抑制でき、コスト上昇を来たすことなくカラー画像形成における画質の向上を図ることができる。
【0085】
請求項2記載の発明によれば、像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により中間転写体に転写し、該中間転写体上の重ね合わされたトナー像を2次転写手段により記録媒体に転写する画像形成装置において、上記像担持体から上記中間転写体にトナー像を転写する前に上記像担持体の表面電位を除電するための像担持体除電手段を有し、上記1次転写手段は、上記像担持体と上記中間転写体が接触した位置の、上記中間転写体の裏面側から転写バイアスを印加する構成を有し、且つ、上記中間転写体が、上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制可能な高抵抗ベルトにより構成されている構成としたので、逆転写防止のための安定した除電レベルを得ることができるとともに、プレ転写を抑制でき、コスト上昇を来たすことなくカラー画像形成における画質の向上を図ることができる。
【0086】
請求項3記載の発明によれば、請求項1または2記載の画像形成装置において、上記中間転写体の裏面の面積抵抗率が、109[Ω/□]以上である構成としたので、プレ転写を高精度に抑制することができ、チリトナーの少ない高画質化を実現できる。
【0087】
請求項4記載の発明によれば、請求項1乃至3のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体の体積抵抗率が、1013[Ωcm]以上である構成としたので、プレ転写を一層高精度に抑制することができ、一層チリトナーの少ない高画質化を実現できる。
【0088】
請求項5記載の発明によれば、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段によって除電した後の転写前における上記像担持体の表面電位における画像部と非画像部との電位差が、0[V]以上200[V]以内に設定されている構成としたので、画像を良好に保ったまま逆転写を高精度に防止することができる。
【0089】
請求項6記載の発明によれば、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段が、光照射により上記像担持体を除電する機能を有している構成としたので、狭い領域でも簡単に像担持体を除電でき、構成の嵩張りを来たすことなく逆転写の発生を防止できる。
【0090】
請求項7記載の発明によれば、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段がイオン発生機能を有し、発生したイオンを供給することによって上記像担持体を除電する構成としたので、像担持体を必要以上に光疲労させることなく除電でき、逆転写の発生を防止できるとともに、像担持体の長寿命化を図ることができる。
【0091】
請求項8記載の発明によれば、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段による除電位置は、上記像担持体上の静電潜像をトナー像として可視化する現像工程の後であって、且つ、上記中間転写体への転写工程の前である構成としたので、現像工程前には十分な画像部領域と非画像部領域との電位差が存在することにより地汚れなどの副作用が極力少ない状態で現像でき、良好な画像を得ることができる。
【0092】
請求項9記載の発明によれば、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段による上記像担持体の除電量を、該像担持体上に形成される画像の情報に応じて制御する制御手段を有している構成としたので、像担持体の不要な光疲労を抑制できるとともに除電の最適化によって逆転写を高精度に防止でき、また、逆転写防止のためのエネルギーロスを最小限に止めることができる。
【0093】
請求項10記載の発明によれば、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体上に形成される画像の情報に応じて、上記中間転写体に印加される転写バイアスを制御する制御手段を有している構成としたので、転写バイアスの最適化によって逆転写を高精度に防止でき、また、逆転写防止のためのエネルギーロスを最小限に止めることができる。
【0094】
請求項11記載の発明によれば、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記像担持体除電手段による除電が、上記中間転写体にトナー像を重ね合わせる際の2色目以降に実施される構成としたので、逆転写防止のためのエネルギーロスを最小限に止めることができる。
【0095】
請求項12記載の発明によれば、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体の転写面に沿って上記像担持体が複数配置され、2色目以降の各像担持体に対応して上記像担持体除電手段がそれぞれ設けられている構成としたので、像担持体除電手段の効率的配置数による低コスト化を実現できるとともに、逆転写防止のためのエネルギーロスを最小限に止めることができる。
【0096】
請求項13記載の発明によれば、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体の転写面に沿って上記像担持体が複数配置され、各像担持体除電手段に対応して上記像担持体除電手段がそれぞれ設けられ、これらの像担持体除電手段のうち、1色目の像担持体に対応する像担持体除電手段及び使用されない色の像担持体に対応する像担持体除電手段の除電機能を制御する制御手段を有している構成としたので、逆転写防止のためのエネルギーロスを最小限に止めることができる。
【0097】
請求項14記載の発明によれば、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体に蓄積した電荷を除電する中間転写体除電手段を有している構成としたので、中間転写体に残留した電荷による次の転写工程への悪影響を排除でき、良好な画像を得ることができる。
【0098】
請求項15記載の発明によれば、請求項14記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が、コロトロン方式の構成を有している構成としたので、確立された方式により、所定の電位の印加を容易に行うことができる。
【0099】
請求項16記載の発明によれば、請求項14記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が、導電性のブラシに電圧を印加する構成を有していることとしたので、省スペースで且つ摩擦による傷発生を極力防止して電圧を印加することができるので、構成の簡易化と中間転写体の長寿命化を図ることができる。
【0100】
請求項17記載の発明によれば、請求項14記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が、導電性のブレードに電圧を印加する構成を有している構成としたので、中間転写体の裏面にも容易に配置でき、構成の簡易化と中間転写体除電構成のレイアウト上の自由度を向上させることができる。
【0101】
請求項18記載の発明によれば、請求項14記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が、導電性のローラに電圧を印加する構成を有している構成としたので、中間転写体と等速に駆動することにより、中間転写体との摩擦を極力抑制しながら電圧を印加することができ、中間転写体の長寿命化を図ることができる。
【0102】
請求項19記載の発明によれば、請求項14記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が、導電性の鋸歯状の放電針に電圧を印加する構成を有している構成としたので、構成の簡易化と中間転写体の長寿命化を図ることができる。
【0103】
請求項20記載の発明によれば、請求項14乃至19のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が上記中間転写体に接触して除電する構成としたので、放電によるオゾンの発生量を少なくすることができ、作業環境の安全性の向上を図ることができる。
【0104】
請求項21記載の発明によれば、請求項14乃至19のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段が上記中間転写体に非接触状態で除電する構成としたので、汚れによる帯電性能の低下を抑制でき、信頼性の高い除電機能を長期に亘って得ることができる。
【0105】
請求項22記載の発明によれば、請求項14乃至21のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、上記中間転写体除電手段による除電位置は、上記中間転写体から記録媒体への転写工程の後であって、且つ、上記像担持体から上記中間転写体への転写工程の前である構成としたので、最も効果的な位置で除電を行うことができ、除電効率を向上させることができる。
【0106】
請求項23記載の発明によれば、請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、使用するトナーは、円形度が0.94以上である構成としたので、逆転写を高精度に抑制することができ、高画質化を一層向上させることができる。
【0107】
請求項24記載の発明によれば、請求項12または13記載の画像形成装置において、上記各像担持体に対応してそれぞれ、該像担持体上の静電潜像をトナー像として可視化する現像手段と、上記中間転写体への転写後に残留したトナーを除去・回収するクリーニング手段が設けられ、上記各像担持体のうち少なくとも1つの像担持体について、上記クリーニング手段により回収されたトナーを該像担持体に対応する上記現像手段へ戻すトナーリサイクル手段が設けられている構成としたので、廃棄トナーの低減化により無駄なトナー消費の抑制、環境負荷の低減に寄与することができる。
【0108】
請求項25記載の発明によれば、像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により重ね合わせて転写され、該重ね合わされたトナー象を2次転写手段により記録媒体に転写するのに用いられる中間転写体において、上記1次転写手段は、上記像担持体と上記中間転写体が接触した位置の、上記中間転写体の裏面側から転写バイアスを印加するように用いられ、抵抗値が、上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制するレベルに設定されている構成としたので、逆転写防止のための安定した除電レベルを得ることができるとともに、プレ転写を抑制でき、コスト上昇を来たすことなくカラー画像形成における画質の向上を図ることができる。
【0109】
請求項26記載の発明によれば、像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により重ね合わせて転写され、該重ね合わされたトナー象を2次転写手段により記録媒体に転写するのに用いられる中間転写体において、上記1次転写手段は、上記像担持体と上記中間転写体が接触した位置の、上記中間転写体の裏面側から転写バイアスを印加するように用いられ、且つ、上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制可能な高抵抗ベルトにより構成されている構成としたので、逆転写防止のための安定した除電レベルを得ることができるとともに、プレ転写を抑制でき、コスト上昇を来たすことなくカラー画像形成における画質の向上を図ることができる。
【0110】
請求項27記載の発明によれば、請求項25または26記載の中間転写体において、裏面の面積抵抗率が、109[Ω/□]以上である構成としたので、プレ転写を高精度に抑制することができ、チリトナーの少ない高画質化を実現できる。
【0111】
請求項28記載の発明によれば、請求項25乃至27のうちの何れか1つに記載の中間転写体において、体積抵抗率が、1013[Ωcm]以上である構成としたので、プレ転写を一層高精度に抑制することができ、一層チリトナーの少ない高画質化を実現できる。
【0112】
請求項29記載の発明によれば、像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により中間転写体に転写し、該中間転写体上の重ね合わされたトナー像を該中間転写体に2次転写手段により記録媒体に転写するカラー画像形成方法において、上記像担持体から上記中間転写体にトナー像を転写する前に上記像担持体の表面電位を除電し、その後、抵抗値が上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制するレベルに設定された中間転写体に転写することとしたので、逆転写防止のための安定した除電レベルを得ることができるとともに、プレ転写を抑制でき、コスト上昇を来たすことなくカラー画像形成における画質の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態における画像形成装置としてのカラー複写機の概要正面図である。
【図2】画像形成部と中間転写体の拡大図である。
【図3】感光体の画像部と非画像部の表面電位差と逆転写量との関係を示す実験結果のグラフである。
【図4】感光体の非画像部電位とドットチリとの関係を示す実験結果のグラフである。
【図5】中間転写体として中抵抗ベルトを用いた間接バイアス印加転写方式における転写周りの電界の様子を示す模式図である。
【図6】中間転写体として高抵抗ベルトを用いた間接バイアス印加転写方式における転写周りの電界の様子を示す模式図である。
【図7】中抵抗ベルトを用いた間接バイアス印加転写方式と高抵抗ベルトを用いた間接バイアス印加転写方式とにおけるドットチリとの関係を示す実験結果のグラフである。
【図8】像担持体除電手段の制御例を示すフローチャートである。
【図9】円形度の違いによるトナーと感光体との接触面積の違いを示す図である。
【図10】添加剤を介したトナーと感光体との接触状態を示す図である。
【図11】第5の実施形態における中間転写体除電手段を示す図である。
【図12】第6の実施形態における中間転写体除電手段を示す図である。
【図13】第8の実施形態における中間転写体除電手段を示す図である。
【図14】第9の実施形態における中間転写体除電手段を示す図である。
【図15】第10の実施形態における画像形成装置としての1ドラムタイプのカラー複写機の概要正面図である。
【図16】プレ転写の発生状態を示す図である。
【図17】感光体の画像部と非画像部の表面電位差が大きい場合と小さい場合におけるプレ転写の発生状態の差異を示す図である。
【符号の説明】
10、426 中間転写体
17 クリーニング手段としての中間転写体クリーニング装置
22 2次転写手段としての2次転写装置
40Y、40C、40M、40Bk、402 像担持体としての感光体
61Y、61C、60M、60Bk 現像手段としての現像装置
62 1次転写手段としての1次転写ローラ
80 トナーリサイクル手段
101C、101M、101Bk、425 像担持体除電手段
454 2次転写手段としての2次転写ローラ
S 記録媒体としてのシート
Claims (29)
- 像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により中間転写体に転写し、該中間転写体上の重ね合わされたトナー像を2次転写手段により記録媒体に転写する画像形成装置において、
上記像担持体から上記中間転写体にトナー像を転写する前に上記像担持体の表面電位を除電するための像担持体除電手段を有し、上記1次転写手段は、上記像担持体と上記中間転写体が接触した位置の、上記中間転写体の裏面側から転写バイアスを印加する構成を有し、且つ、上記中間転写体の抵抗値が、上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制するレベルに設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により中間転写体に転写し、該中間転写体上の重ね合わされたトナー像を2次転写手段により記録媒体に転写する画像形成装置において、
上記像担持体から上記中間転写体にトナー像を転写する前に上記像担持体の表面電位を除電するための像担持体除電手段を有し、上記1次転写手段は、上記像担持体と上記中間転写体が接触した位置の、上記中間転写体の裏面側から転写バイアスを印加する構成を有し、且つ、上記中間転写体が、上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制可能な高抵抗ベルトにより構成されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1または2記載の画像形成装置において、
上記中間転写体の裏面の面積抵抗率が、109[Ω/□]以上であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至3のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、
上記中間転写体の体積抵抗率が、1013[Ωcm]以上であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、
上記像担持体除電手段によって除電した後の転写前における上記像担持体の表面電位における画像部と非画像部との電位差が、0[V]以上200[V]以内に設定されていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、
上記像担持体除電手段が、光照射により上記像担持体を除電する機能を有していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、
上記像担持体除電手段がイオン発生機能を有し、発生したイオンを供給することによって上記像担持体を除電することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、
上記像担持体除電手段による除電位置は、上記像担持体上の静電潜像をトナー像として可視化する現像工程の後であって、且つ、上記中間転写体への転写工程の前であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、
上記像担持体除電手段による上記像担持体の除電量を、該像担持体上に形成される画像の情報に応じて制御する制御手段を有していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、
上記像担持体上に形成される画像の情報に応じて、上記中間転写体に印加される転写バイアスを制御する制御手段を有していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、
上記像担持体除電手段による除電が、上記中間転写体にトナー像を重ね合わせる際の2色目以降に実施されることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、
上記中間転写体の転写面に沿って上記像担持体が複数配置され、2色目以降の各像担持体に対応して上記像担持体除電手段がそれぞれ設けられていることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、
上記中間転写体の転写面に沿って上記像担持体が複数配置され、各像担持体除電手段に対応して上記像担持体除電手段がそれぞれ設けられ、これらの像担持体除電手段のうち、1色目の像担持体に対応する像担持体除電手段及び使用されない色の像担持体に対応する像担持体除電手段の除電機能を制御する制御手段を有していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、
上記中間転写体に蓄積した電荷を除電する中間転写体除電手段を有していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14記載の画像形成装置において、
上記中間転写体除電手段が、コロトロン方式の構成を有していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14記載の画像形成装置において、
上記中間転写体除電手段が、導電性のブラシに電圧を印加する構成を有していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14記載の画像形成装置において、
上記中間転写体除電手段が、導電性のブレードに電圧を印加する構成を有していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14記載の画像形成装置において、
上記中間転写体除電手段が、導電性のローラに電圧を印加する構成を有していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14記載の画像形成装置において、
上記中間転写体除電手段が、導電性の鋸歯状の放電針に電圧を印加する構成を有していることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14乃至19のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、
上記中間転写体除電手段が上記中間転写体に接触して除電することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14乃至19のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、
上記中間転写体除電手段が上記中間転写体に非接触状態で除電することを特徴とする画像形成装置。 - 請求項14乃至21のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、
上記中間転写体除電手段による除電位置は、上記中間転写体から記録媒体への転写工程の後であって、且つ、上記像担持体から上記中間転写体への転写工程の前であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項1乃至4のうちの何れか1つに記載の画像形成装置において、
使用するトナーは、円形度が0.94以上であることを特徴とする画像形成装置。 - 請求項12または13記載の画像形成装置において、
上記各像担持体に対応してそれぞれ、該像担持体上の静電潜像をトナー像として可視化する現像手段と、上記中間転写体への転写後に残留したトナーを除去・回収するクリーニング手段が設けられ、上記各像担持体のうち少なくとも1つの像担持体について、上記クリーニング手段により回収されたトナーを該像担持体に対応する上記現像手段へ戻すトナーリサイクル手段が設けられていることを特徴とする画像形成装置。 - 像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により重ね合わせて転写され、該重ね合わされたトナー象を2次転写手段により記録媒体に転写するのに用いられる中間転写体において、
上記1次転写手段は、上記像担持体と上記中間転写体が接触した位置の、上記中間転写体の裏面側から転写バイアスを印加するように用いられ、抵抗値が、上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制するレベルに設定されていることを特徴とする中間転写体。 - 像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により重ね合わせて転写され、該重ね合わされたトナー象を2次転写手段により記録媒体に転写するのに用いられる中間転写体において、
上記1次転写手段は、上記像担持体と上記中間転写体が接触した位置の、上記中間転写体の裏面側から転写バイアスを印加するように用いられ、且つ、上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制可能な高抵抗ベルトにより構成されていることを特徴とする中間転写体。 - 請求項25または26記載の中間転写体において、
裏面の面積抵抗率が、109[Ω/□]以上であることを特徴とする中間転写体。 - 請求項25乃至27のうちの何れか1つに記載の中間転写体において、
体積抵抗率が、1013[Ωcm]以上であることを特徴とする中間転写体。 - 像担持体上に形成されたトナー像を1次転写手段により中間転写体に転写し、該中間転写体上の重ね合わされたトナー像を該中間転写体に2次転写手段により記録媒体に転写するカラー画像形成方法において、
上記像担持体から上記中間転写体にトナー像を転写する前に上記像担持体の表面電位を除電し、その後、抵抗値が上記1次転写手段により印加される転写バイアスの回り込みを抑制するレベルに設定された中間転写体に転写することを特徴とするカラー画像形成方法。
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