JP2004212373A - リークテスト装置およびリークテスト方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で、ワークの漏洩の有無を確実に判定することが可能なリークテスト装置およびリークテスト方法を提供する。
【解決手段】リークテスト装置は、外側に開口する開口部Woを有する中空状のワークWの漏洩を検査するための装置であって、ワークWの開口部Woを密閉する密閉手段としてのマスキング治具1と、このマスキング治具1により密閉されたワークW内に検査流体を供給する供給手段2と、ワークWの周囲を囲繞してワークW内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集するチャンバ3と、収集された検査流体の濃度を測定することにより検査流体を検知する検知手段4と、検査流体を検知手段4に向けて強制的に流動させる流動手段としてのファン5と、を備えている。
【選択図】 図3
【解決手段】リークテスト装置は、外側に開口する開口部Woを有する中空状のワークWの漏洩を検査するための装置であって、ワークWの開口部Woを密閉する密閉手段としてのマスキング治具1と、このマスキング治具1により密閉されたワークW内に検査流体を供給する供給手段2と、ワークWの周囲を囲繞してワークW内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集するチャンバ3と、収集された検査流体の濃度を測定することにより検査流体を検知する検知手段4と、検査流体を検知手段4に向けて強制的に流動させる流動手段としてのファン5と、を備えている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リークテスト装置およびリークテスト方法に関し、さらに詳しくは中空状のワークの漏洩を検査するためのリークテスト装置およびリークテスト方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば自動車のエンジンにおいては、シリンダヘッドやシリンダブロックなどに、燃料ガスおよび燃焼ガス、潤滑オイル、冷却水などを流通させるために外部に開口する開口部を有しており、中空状の通路が形成されている。そして、これら通路を有するシリンダヘッドやシリンダブロックなどの部材は、成形誤差や組立て精度などによって通路にリークが発生する場合がある。また、これらシリンダヘッドやシリンダブロックなどの部材は一般に鋳造によって成形されているが、その鋳造時に鋳巣などの欠陥が存在していると、この欠陥によって通路にリークが発生する場合がある。
また、例えば自動車の燃料タンクのような中空状の容器においては、接合部分の接合不良や曲げ加工部分の割れなどの欠陥によってリークが発生する場合がある。
そこで、このような中空状の部材(ワーク)に欠陥が生じて漏洩が発生しないか、ワークの気密性あるいは液密性をテストするためのリークテストが従来から行われている。
【0003】
リークテストに関する従来の技術としては、例えば、取付開口を有する気体容器に対し前記取付開口を閉塞するように被験対象部品を接合して前記気体容器内に密閉室を郭成し、検出用ガスを所定の濃度且つ所定の圧力で前記密閉室内に注入し、前記気体容器の外面に露出する前記被験対象部品を覆うように測定容器を接合して測定室を郭成し、該測定室内の気体を吸引しつつ、該気体に混入した前記検出用ガスの当該気体に対する濃度を測定し、測定結果に応じて前記被験対象部品を介した流体洩れの有無を判定することを特徴とするなどの漏洩検査方法が知られている(特許文献1)。
【0004】
また、当該特許文献1には、被験対象部品を取付開口に接合したときに密閉室を郭成する気体容器と、検出用ガスを所定の濃度且つ所定の圧力で前記密閉室に供給する検出用ガス供給装置と、前記気体容器の外面に露出する前記被験対象部品を覆うように接合して測定室を郭成する測定容器と、該測定容器に連通接続し前記測定室内の気体を吸引する真空ポンプを有し、該真空ポンプによって前記測定室内の気体を吸引しつつ該気体に混入した前記検出用ガスの前記気体に対する濃度を測定する濃度測定器を備え、前記検出用ガス供給装置を前記気体容器に連通接続し、前記気体容器内に前記検出用ガスを注入し、前記濃度測定器の測定結果に応じて前記被験対象部品を介した流体洩れの有無を判定することを特徴とする漏洩検査装置も開示されている。
【0005】
さらに、リークテストに関する従来の別の技術としては、例えば、中空容器形状の被験対象を収容する測定室と、前記被験対象に所定濃度の検出用ガスを注入するガス供給装置と、前記測定室内の気体を吸引しつつ該気体に混入した前記検出用ガスの当該気体に対する濃度を測定する濃度測定器を備え、該濃度測定器によって前記被験対象の流体洩れを検出する漏洩検査装置において、前記被験対象を囲繞し各々の開口端部を衝合するように配置して前記測定室を郭成する一対の筐体と、前記被験対象方向に移動可能に支持する接触子を有し、前記一対の筐体の少くとも一方の内側に配設する複数の検出部材と、前記接触子が前記被験対象に当接したときに前記測定室を前記濃度測定器に連通し、前記接触子が前記被験対象から離隔したときに前記測定室と前記濃度測定器との連通を遮断する連通切換手段を備えたこと特徴とする漏洩検査装置が知られている(特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−15082号公報
【特許文献2】
特開平8‐21782号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術のうち、特許文献1にあっては、特に自動車のフューエルタンク等の容器に装着する部品に対する漏洩検査に好適な漏洩検査方法及び装置に係る発明であることが記載されている(段落番号0001)。すなわち、特許文献1は、気体容器自体の漏洩検査を対象としたものではなく、そのため、測定容器が気体容器の全体を覆うことなくその外面に露出する前記被験対象部品のみを覆うものであった。そして特許文献1における測定容器にあっては、連通管を介して濃度測定器と接続される測定容器の上部は、平坦な形状が図示されているにすぎず、気体容器から漏出した検出用ガスを収集する機能を備えていないため、その漏出した検出用ガスを有効に濃度測定器へ導入させることができないことから、検出用ガスの濃度を測定した測定結果に応じて被験対象部品を介した流体洩れの有無を短時間で正確に判定することができなかった。
【0008】
また、上記従来の技術のうち、特許文献2にあっては、被験対象を囲繞するための筐体が各々の開口端部を衝合するように配置されることから一対で構成する必要があり、また、この筐体の各々の開口を衝合することにより密閉された状態で郭成された測定室に外部空気を導入するための連通孔が必要であった(段落番号0022)。そして、特許文献2にあっては、検出部材を筐体の内側に複数配設する必要があり、しかも、各検出部材に濃度測定器のセンサを接続する必要があるため(段落番号0021)、装置の構成が複雑で大型化すると共に製作コストがかかるという問題があった。そして、特許文献2に開示された装置では、検出部材を介して測定容器と濃度測定器と接続するものであるため、筐体が気体容器から漏出した検出用ガスを収集する機能を備えていないものであった。さらに、特許文献2にあっては、連通切換手段によって被験対象に接触子が当接していない検出部材を介して測定室と濃度測定器との連通が遮断されるため、例えば被験対象が接合されたフューエルタンクである場合にその接合部からの漏洩を検出することができないという問題があった。
【0009】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、ワークの漏洩の有無を確実に判定することが可能なリークテスト装置およびリークテスト方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、ワークの漏洩を簡単な構成で安定して検査することができるリークテスト装置およびリークテスト方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、上記目的に加えて、短時間で効率よくワークの漏洩を検査することができるリークテスト装置およびリークテスト方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、上記目的に加えて、ワークの開口部を密閉するための密閉手段からの漏洩による誤判定を防止して、正確な検査を行うことができるリークテスト装置およびリークテスト方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、上記目的に加えて、ワークの漏洩の判定だけでなく、漏洩がある場合にその箇所を検知することができるリークテスト装置およびリークテスト方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1のリークテスト装置に係る発明は、上記目的を達成するため、中空状のワークの漏洩を検査するリークテスト装置であって、ワークの開口部を密閉する密閉手段と、該密閉手段により密閉されたワーク内に検査流体を供給する供給手段と、ワーク全体の周囲を囲繞してワーク内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集するチャンバと、該チャンバによって収集された検査流体を検知する検知手段と、を備えたことを特徴とするものである。
請求項2のリークテスト装置に係る発明は、上記目的を達成するため、中空状のワークの漏洩を検査するリークテスト装置であって、ワークの開口部を密閉する密閉手段と、該密閉手段により密閉されたワーク内に検査流体を供給する供給手段と、ワーク全体の周囲を囲繞してワーク内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集するチャンバと、チャンバで収集された検査流体を受け入れて収容する収容部と、該収容部に設けられてその内部に収容された検査流体を検知する検知手段と、を備えたことを特徴とするものである。
請求項3のリークテスト装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項2に記載の発明において、検査流体を収容部の内部に封止する封止手段を備えたことを特徴とするものである。
請求項4のリークテスト装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、検査流体を強制的に流動させる流動手段を備えたことを特徴とするものである。
請求項5のリークテスト装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、密閉手段のワークに当接されるシール部材の外側に配設されて、該シール部材から漏洩した検査流体を収集する検査流体収集部と、該検査流体収集部で収集された検査流体を検知する検知手段と、を有するリーク誤判定防止手段を設けたことを特徴とするものである
請求項6のリークテスト装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項5に記載の発明において、シール部材が密閉手段に形成された溝に保持されており、検査流体収集部を前記溝と一体に形成したことを特徴とするものである。
請求項7のリークテスト装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項5または6に記載の発明において、検査流体収集部のワークからはみ出た部分の開口を覆うカバー部材を設けたことを特徴とするものである。
請求項8のリークテスト装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、ワークの部位に応じてチャンバ内を複数のゾーンに分割する仕切壁を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項9のリークテスト方法に係る発明は、上記目的を達成するため、中空状のワークの漏洩を検査するリークテスト方法であって、ワークの開口部を密閉手段により密閉する工程と、該密閉手段により密閉されたワーク内に検査流体を供給する工程と、ワーク全体の周囲をチャンバにより囲繞してワーク内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集する工程と、チャンバにより収集された検査流体を検知してその結果に基づいてワークの漏洩の有無を判定する工程と、を行うことを特徴とするものである。
請求項10のリークテスト方法に係る発明は、上記目的を達成するため、中空状のワークの漏洩を検査するリークテスト方法であって、ワークの開口部を密閉手段により密閉する工程と、該密閉手段により密閉されたワーク内に検査流体を供給する工程と、ワーク全体の周囲をチャンバにより囲繞してワーク内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集する工程と、チャンバから検査流体を収容部に受け入れて収容する工程と、該収容部に収容された検査流体を検知してその結果に基づいてワークの漏洩の有無を判定する工程と、を行うことを特徴とするものである。
請求項11のリークテスト方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項10に記載の発明において、検査流体を収容部の内部に封止することを特徴とするものである。
請求項12のリークテスト方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項9〜11のいずれかに記載の発明において、検査流体を強制的に流動させることを特徴とするものである。
請求項13のリークテスト方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項9〜12のいずれかに記載の発明において、密閉手段のワークに当接されるシール部材から漏洩した検査流体を収集し、この収集された検査流体を検知することによりシール部材からの検査流体の漏洩を判定することを特徴とするものである。
請求項14のリークテスト方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項9〜13のいずれかに記載の発明において、ワークの部位に応じてチャンバ内に仕切壁を設けてチャンバ内を複数のゾーンに分割し、該分割されたゾーン毎に検査流体を検知することによりワークの漏洩箇所を特定することを特徴とするものである。
【0012】
請求項1の発明では、中空状のワークの開口部を密閉手段によって密閉し、その全体の周囲をチャンバによって囲繞した状態で、供給手段によってワーク内に検査流体を供給する。ワークにリークが発生する場合には、ワークから漏洩した検査流体は、チャンバによって拡散が防止されて収集された状態となって検知手段により検知される。検知手段として、検査流体の濃度を定量的に測定するものを使用することにより、検査流体がワークから漏出したことを判定することができる。そのため、簡単な構成でワーク自体の漏洩の有無が容易に且つ正確に判定され、また必要に応じて、漏洩の規模も検知される。
請求項2の発明では、中空状のワークの開口部を密閉手段によって密閉し、その全体の周囲をチャンバによって囲繞した状態で、供給手段によってワーク内に検査流体を供給する。ワークにリークが発生する場合には、ワークから漏洩した検査流体は、チャンバによって拡散が防止されて収集された状態となり、収容部に収容されて安定した状態で検知手段によって検知される。検知手段として、収容部の検査流体の濃度を定量的に測定するものを使用することにより、検査流体がワークから漏出したことを判定することができる。そのため、簡単な構成でワーク自体の漏洩の有無が容易に且つ正確に安定して判定され、また必要に応じて、漏洩の規模も検知される。
請求項3の発明では、請求項2の発明において、収容部に収容された検査流体を封止手段によってその内部に封止することにより、検査流体がより安定した状態で検知手段によって検知される。
請求項4の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、ワークから漏洩した検査流体は、流動手段によって強制的に検知手段へ流動されて、その濃度を測定することなどにより検知されて、ワークの漏洩の有無が判定される。そのため、検査にかかる時間が短縮されてリークテストの効率化が図られる。
請求項5の発明では、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、密閉手段によって中空状のワークの開口部を密閉したときに、その密閉手段のワークに当接されるシール部材が損傷していたり、ワークとシール部材とに間に異物が挟まって密閉が不完全な状態となる場合がある。かかる状態のままでリークテストを行うと、ワーク自体から検査流体が漏洩していなくても、シール部材から漏洩した検査流体が検知手段によって検知されてワークの漏洩の有無を誤って判定するおそれがある。しかしながら、シール部材から漏洩した検査流体は、その外側に配設された検査流体収集部によって収集され、検知手段によって検知されて、検知手段によって検知された検査流体の漏洩判定をキャンセルし、誤った漏洩判定を防止すると共に、密閉が不完全であることを知らせる。なお、リーク誤判定手段は、検査流体収集部で収集された誤判定の原因となる検査流体を収容する誤判定検査流体収容キャビティをさらに含み、検知手段が誤判定検査流体収容キャビティに収容された検査流体を検知するよう構成することもできる。
請求項6の発明では、請求項5に記載の発明において、密閉手段に形成されたシール部材を保持する溝と検査流体収集部とを一体とすることにより、シール部材に検査流体収集部が隣接するため、検査流体収集部のワークからはみ出た部分の発生が抑止されて、シール部材とワークの表面との間から漏洩した検査流体を拡散させることなく収集して精度良く検知し、確実に誤った漏洩判定を防止すると共に、密閉が不完全であることを知らせる。
請求項7の発明では、請求項5または6に記載の発明において、検査流体収集部のワークと重なる部分いついてはシール部材から漏洩した検査流体がワークによってその拡散を防止されて検査流体収集部によって収集されるが、検査流体収集部のワークからはみ出た部分についてはシール部材から漏洩した検査流体が検査流体収集部の開口から拡散する場合があるため、かかる部分の開口をカバー部材によって覆うことにより、シール部材から漏洩した検査流体を拡散させることなくより精度良く検知し、確実に誤った漏洩判定を防止すると共に、密閉が不完全であることを知らせる。
請求項8の発明では、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、仕切壁を設けてチャンバ内をワークの部位に応じて複数のゾーンに分割し、各ゾーン毎にワークからの検査流体を検知することにより、ワークの漏洩の有無が判定されると共に、漏洩がある場合にその漏洩箇所も特定される。
【0013】
また、請求項9の発明では、中空状のワークの開口部を密閉手段によって密閉する工程と、その全体の周囲をチャンバによって囲繞する工程とを行い、供給手段によってワーク内に検査流体を供給する工程を行う。ワークにリークが発生する場合には、その全体の周囲がチャンバによって囲繞されているため、検査流体の拡散が防止されて収集された状態となり、この状態で検査流体を検知してその結果に基づいてワークの漏洩の有無を判定する工程が行われる。
請求項10の発明では、中空状のワークの開口部を密閉手段によって密閉する工程と、その全体の周囲をチャンバによって囲繞する工程とを行い、供給手段によってワーク内に検査流体を供給する工程を行う。ワークにリークが発生する場合には、ワークから漏洩した検査流体の拡散をチャンバによって防止すると共に収集し、収容部に収容して安定した状態で検査流体を検知し、その結果に基づいてワークの漏洩の有無を判定する工程が行われる。そのため、簡単な構成でワーク自体の漏洩の有無を安定して容易に且つ正確に判定し、また必要に応じて、漏洩の規模も検知する。
請求項11の発明では、請求項10の発明において、収容部に収容された検査流体を封止手段によってその内部に封止することにより、検査流体がより安定した状態で検知手段によって検知される。
請求項12の発明では、請求項9〜11のいずれかに記載の発明において、ワークから漏洩した検査流体を流動手段によって強制的に検知手段へ流動させて検知することにより、検査にかかる時間が短縮されてリークテストの効率化が図られる。
請求項13の発明では、請求項9〜12のいずれかに記載の発明において、密閉手段によって中空状のワークの開口部を密閉したときに、ワークに当接されるシール部材が損傷していたり、ワークとシール部材とに間に異物が挟まって密閉が不完全な状態となる場合がある。かかる状態のままでリークテストを行うと、ワーク自体から検査流体が漏洩していなくても、シール部材から漏洩した検査流体が検知手段によって検知されてワークの漏洩の有無を誤って判定するおそれがある。しかしながら、シール部材から漏洩した検査流体を収集して、検知手段によって検知することにより、検査流体検知手段によって検知された検査流体の漏洩判定をキャンセルして、リークの誤った判定を防止すると共に、密閉が不完全であることを知らせる。なお、シール部材から漏洩し収集された誤判定の原因となる検査流体を誤判定検査流体収容キャビティに収容する工程を行って、該誤判定検査流体収容キャビティに収容された検査流体を検知するよう構成することもできる。
請求項14の発明では、請求項9〜13のいずれかに記載の発明において、仕切壁を設けてチャンバ内をワークの部位に応じて複数のゾーンに分割し、各ゾーン毎にワークからの検査流体を検知手段によって検知することにより、ワークの漏洩の有無を判定すると共に、漏洩がある場合にその漏洩箇所も特定する。
【0014】
【発明の実施の形態】
最初に、本発明のリークテスト装置の第1の実施の形態を図1〜図3に基づいて詳細に説明する。なお、同一符号は、同様または相当する部分を示すものとする。
本発明のリークテスト装置は、概略、外側に開口する開口部Woを有する中空状のワークWの漏洩を検査するための装置であって、ワークWの開口部Woを密閉する密閉手段としてのマスキング治具1と、このマスキング治具1により密閉されたワークW内に検査流体を供給する供給手段2と、ワークWの周囲を囲繞してワークW内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集するチャンバ3と、収集された検査流体の濃度を測定することにより検査流体を検知する検知手段4と、検査流体を検知手段4に向けて強制的に流動させる流動手段としてのファン5と、を備えている。
【0015】
ワークWは、例えば、燃料ガスおよび燃焼ガス、潤滑オイル、冷却水などを流通させるために通路が中空状に形成されたシリンダヘッドやシリンダブロックなどの部材からなる組み立て過程または組み立て完了のエンジン、あるいは、接合部分や曲げ加工部分を有する燃料タンクのように、中空状で且つ外部に開口する開口部Woを有するものである。
【0016】
マスキング治具1は、略板状に形成されてなるもので、ワークWに当接される面には、その開口部に応じた形状および大きさでシール部材としてのマスキングゴム31が設けられている(図6および図7を参照)。この実施の形態では、ワークWを搬送するためのローラコンベア6、6が搬送経路に沿って前後方向(図2における左右方向)にそれぞれ配設されており、両ローラコンベア6、6の間には、ワークWの下方の開口部WoAを閉塞するためのマスキング治具1Aが配置されており、このマスキング治具1Aを昇降移動させるアクチュエータ7が設けられている。また、両ローラコンベア6、6の間には、ワークWの搬送経路を跨ぐようにフレーム8が設けられており、このフレーム8には、マスキング治具1Aと対向するように配置されてワークWの上方の開口部WoBを閉塞するためのマスキング治具1Bと、ワークWの側方の開口部WoC、WoDを閉塞するように互いに対向して配置されたマスキング治具1C、1D、および、このマスキング治具1C、1DをワークWの側方の開口部WoC、WoDに対して近接・遠退移動させるアクチュエータ9、9と、が設けられている。ワークWがローラコンベア6によって搬送されて来ると、アクチュエータ7が伸長駆動されてワークWがマスキング治具1Aに載置され、ワークWは、上昇移動されてその下方の開口部WoAおよび上方の開口部WoBがマスキング治具1A、1Bの間に挟持されて閉塞される。その後、アクチュエータ9、9が伸長駆動されてワークWの側方の開口部WoC、WoDをマスキング治具1C、1Dが閉塞すると、中空状のワークWが密閉されることとなる。
【0017】
密閉されたワークWの内部に検査流体を供給するための供給手段2は、この実施の形態の場合図1のみに示したように、検査流体が充填されたボンベ10と、開閉バルブ11と、所定の圧力でワークW内へと検査流体を送るポンプまたはレギュレータ12と、所定のマスキング治具1(図1に示した実施の形態では1B)に接続された管路13と、を備えている。さらに、供給手段2は、検査流体を供給するに先だってワークW内を減圧する減圧手段と、リークテストが終了したワークW内から検査流体をボンベ10に回収する回収手段と、ワークW内をエアパージするエアパージ手段と、などが必要に応じて設けられている(図示は省略する)。この実施の形態では、検査流体として水素ガスが使用される。したがって、以下の説明では、検査流体のことを水素ガスという。検査流体は、水素ガスに限定されることはなく、他の流体を採用することもできるが、ワークWの材質に影響することがなく、分子が小さく、粘度が低く、比重の軽い気体であることが好ましい。
【0018】
チャンバ3は、ワークWの全体を収容してその周囲を取り囲みワークW内から漏洩した水素ガスの拡散を防止するワーク収容室3Aと、このワーク収容室3Aから水素ガスを集めるようにロート状に形成された収集室3Bとにより構成されている。そして、この実施の形態では検査流体として空気よりも比重が軽い水素ガスを使用しているため、ワーク収容室3Aの下方は開口しており、ワーク収容室3Aの上方に収集室3Bが配置されており、収集室3Bはその断面がワーク収容室3Aから上方に向かって漸次縮小するように形成されている。また、チャンバ3は、フレーム8に固定・支持されている。なお、チャンバ3を設ける向き、すなわち、ワーク収容部3Aが開口する方向や収集室3Bの断面が漸次縮小する方向、通路15(後述する)が設けられる位置は、使用される検査流体の比重などの特質によって設定することができる。
【0019】
チャンバ3の収集室3Bの上方には通路15が設けられており、この通路15には検知手段として水素の濃度を測定する水素センサ4と、流動手段としてのファン5と、が順次配設されている。ファン5を駆動することにより、チャンバ3の下方の開口から空気が吸込まれ、チャンバ3内を通路15に向かって流動する。ワークW内に供給されてそこから漏出した水素ガスは、チャンバ3内を流動する空気と共に、センサ4が配設された通路15に導入されて、その濃度を測定される。
【0020】
なお、本発明のリークテスト装置は、上述した実施の形態に限定されることはない。例えば、ローラコンベア6、6によって搬送されるワークWをチャンバ3のワーク収容室3Aに位置させるために、上述した実施の形態のように固定配置されたチャンバ3に対してワークWを昇降移動させる構成ではなく、ワークWに対してチャンバ3を昇降移動させる構成とすることもできる。
また、ファン5は、通路15のセンサ4よりもチャンバ3に近い側に配設してもよい。さらに、図4に示すように、流動手段としてのファン5は、チャンバ3の収集室3Bの上方の通路15に配置するのに加えて、または、チャンバ3の収集室3Bの上方の通路15に配置するのに替えて、チャンバ3のワーク収容室3Aの下方に設けることもできる(この下方に設けられるファンを特定するために符号を5aとする)。かかる場合には、チャンバ3内でワークWの周囲に対流が起きることなく上方気流を生成させることができるように、ファン5aは複数設けることが望ましい。また、チャンバ3のワーク収容室3Aの下方を開放させることなく、図4に示したように、チャンバ3の下方の開口を覆うように閉塞する蓋部材3Cをマスキング治具1Aと共に昇降移動するようにアクチュエータ7に設けることもできる。この場合においては、ファン5aは、蓋部材3Cの上面に支持される。蓋部材3Cによってチャンバ3の下方を閉塞することにより、周囲の空気がチャンバ3内に流入するのが制限されるため、ワークWから水素ガスが漏出する場合にチャンバ3内の空気の比率が低下する、すなわち、その水素ガスの濃度が濃くなるため、水素センサ4の測定精度を向上させることができる。このように、ファン5aをチャンバ3の下方に設けることや、チャンバ3の開口を閉塞する蓋部材3Cを設けることについては、後述する別の実施の形態にも適用することができる。
【0021】
次に、本発明のリークテスト方法の実施の一形態を、上述したように構成されたリークテスト装置を用いた場合により、その作動と共に説明する。
本発明のリークテスト方法は、概略、外側に開口する開口部Woを有する中空状のワークWの漏洩を検査するための方法であって、ワークWの開口部Woを密閉手段としてのマスキング治具1により密閉する工程と、このマスキング治具1により密閉されたワークW内に検査流体である水素ガスを供給する工程と、ワークW全体の周囲をチャンバ3により囲繞してワークW内から漏洩した水素ガスの拡散を防止して収集する工程と、チャンバ3により収集された検査流体としての水素ガスの濃度を検査流体測定手段としての水素センサ4により測定して、この測定結果の基づいてワークの漏洩の有無を判定する工程と、を行うものである。
【0022】
中空状のワークWのリークテストを行うにあたっては、最初に、ワークWをローラコンベア6によって搬入して適切な位置に位置決めし、アクチュエータ7を伸長駆動する。これにより、ワークWはマスキング治具1Aに載置されて上昇移動し、チャンバ3のワーク収容室3Aに収容される(すなわち、ワークW全体の周囲をチャンバ3により囲繞する)と共に、その下方の開口部WoAおよび上方の開口部WoBがマスキング治具1A、1Bの間に挟持されて閉塞される。続いて、両アクチュエータ9、9を伸長駆動してマスキング治具1C、1DによりワークWの側方の開口部WoC、WoDを閉塞すると、中空状のワークWが密閉されることとなる(図3)。
【0023】
その後、必要に応じてワークW内を減圧してから、供給手段2の開閉バルブ11を開放してポンプなど12によって水素ガスをタンク10から管路13を介してワークW内に所定の圧力となるまで供給する。
この実施の形態で使用される水素ガスは、分子が比較的小さく粘度が比較的低いため、成形誤差や組立て精度、あるいは、鋳巣や割れなどの欠陥が僅かに発生している場合であっても、ワークW外にリークし易い。そのため、ワークW内に供給する水素ガスの圧力を比較的低く設定することができる。したがって、ワークWに対してマスキング治具1を押しつける力が小さくて済むため、アクチュエータ7や9などを小型化することができ、ひいてはリークテスト装置全体の大きさを小型化することができる。そして、ワークW内から漏洩した水素ガスは、その全体の周囲がチャンバ3によって囲繞されているため、拡散が防止される。
また、水素ガスは、比較的比重が小さいため、ワークW外にリークすると、チャンバ3のワーク収容室3Aから収集室3Bへと自然に上昇して収集され、通路15に導入されて水素センサ4によってその濃度を定量的に測定することができる。また、水素ガスの上昇速度が緩やかである場合には、この実施の形態ではファン5を駆動する。これにより、チャンバ3の下方の開口から空気が吸込まれ、チャンバ3内から通路15に向かって流動する。ワークW外にリークしチャンバ3によって収集された水素ガスは、チャンバ3内を流動する空気と共に、センサ4が配設された通路15に強制的に流動されることとなり、短時間で、空気と共に導入された水素ガスの濃度測定を行うことができる。そして、空気に含まれる水素ガスの濃度を定量的に測定することにより、ワークWの成形誤差や組立て精度、あるいは、鋳巣や割れなどの欠陥の存在の有無を検査することができることは勿論のこと、これらのリークの要因がある場合にその程度や規模を検知することができる。水素ガスの濃度が所定の値を超過している場合には、そのワークWにはリークが発生しているものと判定され、水素ガスの濃度が所定の値以下である場合には、そのワークWにはリークが発生していないものと判定される。
なお、ファン5の駆動は、水素ガスがワークW内に供給されてからその外部に漏出するに充分な時間が経過してから行うことが望ましい。
【0024】
リークテストが終了すると、ワークW内に供給された水素ガスを必要に応じて回収し、あるいは、ワークW内をエアパージすると共に、アクチュエータ9、9を退縮駆動してマスキング治具1C、1Dを退避させてワークWの側部の開口部WoC、WoDを開放し、その後、アクチュエータ7を退縮駆動してマスキング治具1Aを下降させる。ワークWは、マスキング治具1Aに伴って下降し、マスキング治具1Bから離間すると共にチャンバ3から出て、ローラコンベア6に載置されて搬出される。
【0025】
以上に説明した工程は自動的に繰り返し行われ、各ワークWのリーク発生の有無を順次判定し、また、必要に応じてリークが発生している場合にはそのリークの程度や規模の度合を検知する。リークが発生しているものと判定されたワークWは、自動的または手作業によりリークが発生していないものと判定されたワークWと異なる場所に搬送されて仕分けされる。
【0026】
次に、本発明のリークテスト装置の別の実施の形態を図5に基づいて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
本発明のリークテスト装置は、概略、外側に開口する開口部Woを有する中空状のワークWの漏洩を検査するための装置であって、ワークWの開口部Woを密閉する密閉手段としてのマスキング治具1と、このマスキング治具1により密閉されたワークW内に検査流体として水素ガスを供給する供給手段2と、ワークW全体の周囲を囲繞してワークW内から漏洩した水素ガスH2の拡散を防止して収集するチャンバ3と、チャンバ3で収集された水素ガスH2を受け入れて収容する収容部としてのキャビティ20と、このキャビティ20に設けられて内部に収容された水素ガスH2の濃度を測定することにより水素ガスH2を検知する検知手段としての水素センサ4と、を備えている。
そして、本発明のリークテスト装置はさらに、水素ガスをキャビティ20の内部に封止するための封止手段としての開閉バルブ21、22と、ワークW内から漏洩した水素ガスH2を水素センサ4が設けられているキャビティ20内に向けて強制的に流動させる流動手段としてのファン5と、を備えている。
【0027】
キャビティ20は、所定の容量を有するタンク状のもので、チャンバ3の通路15と排出通路16との間に接続されており、キャビティ20内に導入された水素ガスH2の濃度を測定することができるように水素センサ4が設けられている。
封止手段としての開閉バルブ21と22は、キャビティ20の上流側(チャンバ3側)の通路15と下流側(反チャンバ側)の通路16にそれぞれ設けられている。
ファン5は、この実施の形態においては、キャビティ20の下流側の通路16に設けられている。ファン5を駆動することにより、チャンバ3の下方の開口から空気が吸込まれ、チャンバ3内を通路15に向かってキャビティ20を通って通路16から排出されるように強制的に流動される。ワークW内に供給されてそこから漏出した水素ガスH2は、チャンバ3内を流動する空気と共に、通路15を介してセンサ4が設けられたキャビティ20内に導入されて、その濃度を測定されて、ワークWの漏洩の有無が判定される。ファン5は、キャビティ20の上流側の通路15に設け、あるいは、チャンバ3のワーク収容室3Aの下方の開口部に複数設けることもできる。
【0028】
次に、本発明のリークテスト方法の別の実施の形態を、図5に示したように構成されたリークテスト装置を用いた場合により、その作動と共に説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
本発明のリークテスト方法は、概略、外側に開口する開口部Woを有する中空状のワークWの漏洩を検査するための方法であって、ワークWの開口部Woをマスキング治具1により密閉する工程と、このマスキング治具1により密閉されたワークW内に水素ガスを供給する工程と、ワークW全体の周囲をチャンバ3により囲繞してワークW内から漏洩した水素ガスH2の拡散を防止して収集する工程と、チャンバ3から水素ガスH2をキャビティ20に受け入れて収容する工程と、このキャビティ20内に収容された水素ガスH2の濃度を水素センサ4により測定してワークの漏洩の有無を判定する工程と、を行うものである。
さらに、本発明のリークテスト方法は、キャビティ20内に収容された水素ガスH2を封止した状態でその濃度を測定し、また、ファン5を駆動することによって水素ガスH2を強制的に流動させて、チャンバ3からキャビティ20への水素ガスH2の導入とキャビティ20からの水素ガスH2の排出との少なくとも一方を行うものである。
【0029】
この実施の形態では、上述した実施の形態と同様に、アクチュエータ7を伸長駆動してローラコンベア6によって搬入されたワークWを上昇移動させて、チャンバ3のワーク収容室3Aに収容してその周囲を囲繞すると共に、ワークWの開口部Woをマスキング治具1により密閉する。
次いで、供給手段2により管路13を介してワークW内に水素ガスを所定の圧力となるまで供給する。ワークW内から漏洩した水素ガスH2は、周囲がチャンバ3によって囲繞されているために拡散が防止され、ワーク収容室3Aから収集室3Bへと上昇して収集される。この実施の形態では、ワークW内への水素ガスの供給から所定時間が経過してファン5の駆動によって水素ガスH2が空気と共に通路15からキャビティ20内に導入されると、下流側の開閉バルブ22を閉鎖し、続いて上流側の開閉バルブ21を閉鎖してキャビティ20内に水素ガスH2を空気と共に封止する。ワークWからリークした水素ガスH2は、キャビティ20内に封止されて安定した状態で空気に含まれる濃度が水素センサ4によって精度良く定量的に測定される。したがって、ワークWにリークが発生しているか否かの判定を精度良く行うことができる。そして、リークテストが終了すると、ワークWをチャンバ3から出して開閉バルブ21、22を開放してファン5を駆動し、封止されていた水素ガスH2をキャビティ20内から排出させて次のワークWのリークテストサイクルに備える。これらの工程は自動的に繰り返し行われ、各ワークWのリーク発生の有無を判定する。
【0030】
次に、本発明のリークテスト装置のさらに別の実施の形態を図6および図7に基づいて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
本発明のリークテスト装置は、概略、上述した第1または第2の実施の形態におけるリークテスト装置に加えて、リーク誤判定防止手段30が設けられており、このリーク誤判定防止手段30は、マスキング治具1のワークWに当接されるマスキングゴム31の外側に配設されて、このマスキングゴム31から漏洩した水素ガスを収集する検査流体収集部32と、この検査流体収集部32で収集された水素ガスを検知する検知手段としての水素センサ33と、を有する構成としてなるものである。
【0031】
図7に示すように、各マスキング治具1のワークWに接する面には、その開口部Woよりも大きく且つ開口部Woと対応する形状に溝35がそれぞれ形成されており、溝35内にはマスキングゴム31が配置されている。このマスキングゴム31の外側には、検査流体収集部としての溝32が配設されている。そして、溝32には管路36が接続されており、各管路36は開閉バルブ37を介して吸引ポンプ38と接続されている。そして、この実施の形態の場合、吸引ポンプ38には誤判定水素ガス収容キャビティ39が接続されており、この誤判定水素ガス収容キャビティ39に水素センサ33が設けられている。また、誤判定水素ガス収容キャビティ39には、その内部に導入された空気や水素ガスを排気するための管路40が接続されており、管路40の中間には開閉バルブ41が介装されている。
【0032】
次に、本発明のリークテスト方法のさらに別の実施の形態を、図6および図7に示したように構成されたリークテスト装置を用いた場合により、その作動と共に説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
本発明のリークテスト方法は、概略、マスキング治具1のワークWに当接されるシール部材としてのマスキングゴム31から漏洩した水素ガスを収集して検知するものである。
【0033】
マスキングゴム31は、ワークWに繰り返し当接されて摩耗したり損傷し、あるいは溝35から外れるなどしてシール性が損なわれる場合がある。かかる場合には、図10に参照されるように、ワークWに欠陥がなくてもマスキング治具1のシール性が損なわれた部分31aから水素ガスH2が漏洩してそのワークWにリークが発生しているものと誤判定されることとなる。そこで、この実施の形態では、密閉されたワークWに水素ガスを供給してから、ワークWからチャンバ3内に漏洩する水素ガスの濃度測定を行う前に、マスキング治具1の溝32を吸引ポンプ38により吸引して誤判定の原因となるマスキング治具1から漏洩した水素ガスを誤判定水素ガス収容キャビティ39に収容し、水素センサ33によって水素ガスH2の濃度を安定した状態で測定して、水素ガスH2の濃度が所定の値を超過している場合には、そのマスキング治具1のマスキングゴム31に問題があると判定されてワークWのリークテストを中止させてマスキングゴム31を点検して必要に応じて交換し、水素ガスH2の濃度が所定の値以下である場合には、そのマスキング治具1のマスキングゴム31に問題がないと判定されてワークWのリークテストが続行される。そして、排気用の管路40の開閉バルブ41の開閉と各マスキング治具1の開閉バルブ37の順次開閉とにより、マスキング治具1毎に誤判定が生じないかを順次判断することができる。さらに、水素センサ33で誤判定水素ガス収容キャビティ39に収容された水素ガスH2の濃度を測定するときに、誤判定水素ガス収容キャビティ39に接続された排気用の管路40の開閉バルブ41を閉鎖することにより、図5に示した実施の形態におけるキャビティ20と同様に、水素ガスH2が誤判定水素ガス収容キャビティ39内に封止されてさらに安定した状態で測定されるため、マスキング治具1での漏洩による誤判定を正確に防止することができる。さらにまた、誤判定水素ガス収容キャビティ39を設けることなく、管路36や40などに水素センサ33を設ける構成とすることもできる。
【0034】
次に、本発明のリークテスト装置のさらに別の実施の形態を図8〜図10に基づいて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
図8に鎖線で示すように、ワークWがエンジンのシリンダブロックであり、リークテストを行う対象となる開口WoJがそのウォータジャケットである場合、このウォータジャケットWoJは一般に、シリンダボアWoSの配列に応じて曲線を描くように環状に形成される。そのため、図6および図7に示されたように、マスキング治具1のワークWに接する面に設けられる溝35およびマスキングゴム31と検査流体収集部としての溝32とは、ウォータジャケットWoJの形状と対応して曲線を描くようにして相似形で、ウォータジャケットWoJから所定の間隔を有する状態で形成される。なお、リークテストを行う対象が図8に示したように環状である場合には、マスキングゴム31がウォータジャケットWoJの外周側と内周側の双方に沿って配設されるため、溝32が配設されるマスキングゴム31の外側とは、ウォータジャケットWoJに対する外周側と内周側の双方を意味する。
一方、ワークWとしてのシリンダブロックの外径形状は、ウォータジャケットの形状に関わりなく形成される場合がある。このような場合には、マスキング治具1によってワークWの開口部を密閉させた際に、マスキングゴム31の外側に配設される溝32にワークWからはみ出た部分32aが発生し、その溝のはみ出た部分32aの開口部がワークWと重ならずに露出して開放した状態となることがある。
図6に示したように、溝32のワークに覆われて蓋がされた部分では、マスキングゴム31から漏洩した検査流体としての水素ガスH2が収集されて適切に検知される。しかしながら、図9の中央鎖線から左方に示すように、溝32のワークWからはみ出て開放した状態となっている部分32aでは、マスキングゴム31から漏洩した水素ガスH2は、溝32の部分32aに収集されることなく拡散するため、適切に検知することができない。
【0035】
そこで、この実施の形態における本発明のリークテスト装置では、図9の中央鎖線から右方および図10に示すように、マスキング治具1に形成されてシール部材31を保持する溝35と検査流体収集部としての溝32とを一体に形成することとした。すなわち、図7に示したように、上述した実施の形態ではシール部材31を保持する溝35と検査流体収集部としての溝32とは所定の間隔を有する状態で離れて設けられていたのに対し、この実施の形態ではシール部材31を保持する溝35と検査流体収集部としての溝32との間に間隔が設けられていない。当然のことながら、シール部材31は、その目的からワークWの形状に合わせて配設される。したがって、溝32がシール部材31に隣接して配置されてワークWに覆われるようになることから、溝32のワークWからはみ出て開放した状態となっている部分32aがなくなり、したがって、マスキングゴム31から漏洩した水素ガスH2を拡散させることなく溝32で確実に収集して検知することができる。なお、マスキングゴム31の断面形状は、図6に示したものの場合にはマスキング治具1とワークWとが近接するように構成されていたのに対して、図9および図10においては、マスキング治具1とワークWとが僅かに離間するように構成されたものを示したが、必要に応じて変更することができる。
【0036】
次に、本発明のリークテスト装置のさらに別の実施の形態を図11および図12に基づいて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
この実施の形態におけるリークテスト装置は、概略、図6および図7に示したように、マスキング治具1のマスキングゴム31の外側に検査流体収集部となる溝32が設けられており、この溝32がワークからはみ出てその開口部がワークWと重ならずに露出して開放した状態となった部分が発生している場合に、溝32のワークWからはみ出た部分32aの開口を覆うカバー部材60を設けたものである。
【0037】
図11は、マスキングゴム31および溝35が図6に示したような断面形状の場合を示したものであり、図12は、マスキングゴム31および溝35が図9および図10に示した断面形状の場合を示したものである。そして、図11および図12の中央鎖線から左方は、溝32がマスキングゴム31を保持する溝35から所定の間隔を有するように形成された場合を、右方は、溝32がマスキングゴム31を保持する溝35と隣接して一体に形成された場合を、それぞれ示している。
【0038】
図11に示したように、マスキング治具1とワークWとが近接するようにマスキングゴム31および溝35が構成されている場合には、検査流体収集部としての溝32のワークWからはみ出た部分32aの開口を覆うように、カバー部材60がマスキング治具1の表面に固設される。この実施の形態におけるカバー部材60は、ワークWの外形形状に応じて成形された板状のものにより構成されている。カバー部材60は、水素ガスなど検査流体を透過させないものであればよく、マスキング治具1に対して接着剤やビスなどによって固設することができる。なお、図11の中央鎖線から左方に示したように、溝32がマスキングゴム31を保持する溝35から所定の間隔を有するように形成された場合には、マスキングゴム31から漏出した水素ガスH2が溝32に流動し易いように、マスキング治具1の溝32、35の間の表面をわずかに削るなどして、溝32、35間に通路を形成することもできる。
【0039】
図12に示したように、マスキング治具1とワークWとがわずかに離間するようにマスキングゴム31および溝35が構成されている場合には、ワークWの表面から溝32のはみ出た部分32aの開口までの空間を覆うように、カバー部材60がマスキング治具1の表面に固設される。この実施の形態におけるカバー部材60は、ワークWの外形形状に応じて成形された板状のものを屈曲成形することにより構成されている。
【0040】
このように、溝32のワークからはみ出た部分32aを覆うカバー部材60が設けられていることにより、ワークWの外形形状やマスキングゴム31の形状に影響されることなく、マスキングゴム31から漏出した水素ガスH2を確実に検知することができる。そして、図11および図12の中央鎖線から右方に示したように、マスキングゴム31を保持する溝35に隣接させて溝32を一体に形成した場合には、マスキングゴム31をマスキング治具1の端縁近傍に配置させることができるため、マスキング治具1の小型化を図ることもできる。
【0041】
次に、本発明のリークテスト装置のさらに別の実施の形態を図13に基づいて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
本発明のリークテスト装置は、概略、上述した第1〜第4の実施の形態におけるリークテスト装置に加えて、チャンバ3内を複数のゾーンに分割する仕切壁50がワークWの部位に応じて設けられている。
【0042】
この実施の形態におけるリークテスト装置は、仕切壁50は、ワークWの形状に応じて形成されたカーテン状のもので、ワーク収容室3Aから収集室3Bにかけて延在されており、収集室3Bと管路15との間に、選択されたゾーンを管路15と切り替え可能に接続するためのダンパ51が設けられている。
【0043】
次に、本発明のリークテスト方法のさらに別の実施の形態を、図13に示したように構成されたリークテスト装置を用いた場合により、その作動と共に説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
本発明のリークテスト方法は、概略、ワークWの部位に応じてチャンバ3内に仕切壁50を設けてチャンバ3内を複数のゾーンに分割し、この分割されたゾーン毎に検査流体としての水素ガスH2の濃度を測定するものである。
【0044】
ワークWをリークテストする際には、漏洩箇所を特定する必要がある場合がある。このような場合にあっては、チャンバ3の仕切壁50によって仕切られたゾーンのうちの一つをダンパ51により管路15と選択・接続し、ワークWからの水素ガスH2の濃度を水素センサ4(図3や図5を参照)によって測定する。そして、このリークテストをゾーン毎に繰り返し行うことにより、ワークWに漏洩が発生している場合に、そのゾーンの水素ガスH2の測定濃度が高くなるため、そのゾーンに位置するワークWの個所に漏洩が発生しているものと判断することができる。このように、本発明では、従来の技術における特開平8‐21782号公報(特許文献2)に開示された漏洩検査装置のように、多数のセンサを設けることなく、単一の水素センサによってワークWの漏洩の発生の有無だけでなく、漏洩箇所も特定することができる。
【0045】
なお、本発明は、検査するワークWとして、図には概念的に示したが、たとえばシリンダ室や、潤滑油、クーラントなどの流通路を有する内燃機関のシリンダブロック、または、燃料供給口や燃料排出口を有するフューエルタンクなどのように、中空で且つ外側に開放する開口部を有しており且つ鋳巣や割れなどの欠陥が発生するおそれがあるために、リークしないかを検査する必要があるものであれば適用することができる。
【0046】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ワークの開口部を密閉する密閉手段と、この密閉手段により密閉されたワーク内に検査流体を供給する供給手段と、ワーク全体の周囲を囲繞してワーク内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集するチャンバと、該チャンバによって収集された検査流体を検知する検知手段と、を備えたという簡単な構成で、ワークの漏洩の有無を確実に判定することが可能なリークテスト装置を提供することができる。
請求項2の発明によれば、ワークの開口部を密閉する密閉手段と、この密閉手段により密閉されたワーク内に検査流体を供給する供給手段と、ワーク全体の周囲を囲繞してワーク内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集するチャンバと、チャンバで収集された検査流体を受け入れて収容する収容部と、この収容部に設けられてその内部に収容された検査流体を検知する検知手段と、を備えたという簡単な構成で、ワークの漏洩を簡単な構成で安定して検査することが可能なリークテスト装置を提供することができる。
請求項3の発明によれば、請求項2に記載の発明において、検査流体を収容部の内部に封止する封止手段を備えたことにより、さらに安定した状態で検査することが可能なリークテスト装置を提供することができる。
請求項4の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、検査流体を強制的に流動させる流動手段を備えたことにより、短時間で効率よくワークの漏洩を検査することが可能なリークテスト装置を提供することができる。
請求項5の発明では、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、密閉手段のワークに当接されるシール部材の外側に配設されて、該シール部材から漏洩した検査流体を収集する検査流体収集部と、該検査流体収集部で収集された検査流体を検知する検知手段と、を有するリーク誤判定防止手段を設けたことにより、ワークの開口部を密閉するための密閉手段からの漏洩による誤判定を防止して、正確な検査を行うことが可能なリークテスト装置を提供することができる。
請求項6の発明では、請求項5に記載の発明において、シール部材を保持する溝に隣接して検査流体収集部を一体に形成したことにより、シール部材と隣接して検査流体収集部を配置することができるため、シール部材から漏洩した検査流体を精度良く検知することが可能なリークテスト装置を提供することができる。請求項7の発明では、請求項5または6に記載の発明において、検査流体収集部のワークからはみ出た部分の開口をカバー部材によって覆うことにより、シール部材から漏洩した検査流体の拡散を防止し、シール部材から漏洩した検査流体をより精度良く検知することが可能なリークテスト装置を提供することができる。
請求項8の発明では、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、ワークの部位に応じてチャンバ内を複数のゾーンに分割する仕切壁を設けたことにより、ワークの漏洩の判定だけでなく、漏洩がある場合にその箇所を特定することが可能なリークテスト装置を提供することができる。
【0047】
また、請求項9の発明によれば、ワークの開口部を密閉手段により密閉する工程と、この密閉手段により密閉されたワーク内に検査流体を供給する工程と、ワーク全体の周囲をチャンバにより囲繞してワーク内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集する工程と、チャンバにより収集された検査流体を検知してその結果に基づいてワークの漏洩の有無を判定する工程と、を行うという簡単な構成で、ワークの漏洩の有無を確実に判定することが可能なリークテスト方法を提供することができる。
請求項10の発明によれば、ワークの開口部を密閉手段により密閉する工程と、この密閉手段により密閉されたワーク内に検査流体を供給する工程と、ワーク全体の周囲をチャンバにより囲繞してワーク内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集する工程と、チャンバから検査流体を収容部に受け入れて収容する工程と、この収容部に収容された検査流体を検知してその結果に基づいてワークの漏洩の有無を判定する工程と、を行うという簡単な構成で、ワークの漏洩を簡単な構成で安定して検査することが可能なリークテスト方法を提供することができる。
請求項11の発明によれば、請求項10に記載の発明において、検査流体を収容部の内部に封止することにより、さらに安定した状態で検査することが可能なリークテスト方法を提供することができる。
請求項12の発明によれば、請求項9〜11のいずれかに記載の発明において、検査流体を強制的に流動させることにより、短時間で効率よくワークの漏洩を検査することが可能なリークテス方法を提供することができる。
請求項13の発明によれば、請求項9〜12のいずれかに記載の発明において、密閉手段のワークに当接されるシール部材から漏洩した検査流体を収集し、この収集された検査流体を検知することによりシール部材からの検査流体の漏洩を判定することにより、ワークの開口部を密閉するための密閉手段からの漏洩による誤判定を防止して、正確な検査を行うことが可能なリークテスト方法を提供することができる。
請求項14の発明では、請求項9〜13のいずれかに記載の発明において、ワークの部位に応じてチャンバ内に仕切壁を設けてチャンバ内を複数のゾーンに分割し、この分割されたゾーン毎に検査流体を検知することにより、ワークの漏洩箇所を特定することが可能なリークテスト方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示した概念図である。
【図2】図1の側面図である
【図3】図1に示した状態から、ワークの開口部をマスキング治具により閉塞して密閉すると共にワーク全体をチャンバ内に配置させた状態を示す説明図である。
【図4】第1の実施の形態の変形例を図3と対応させて示した説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態示した概念図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示した概念図である。
【図7】図6に示したマスキング治具のワークと接触する面を示した平面図である。
【図8】ワークの外形形状とシール部材の配置によって検査流体収集部がワークからはみ出た状態を説明するための平面図である。
【図9】検査流体収集部がシール部材を保持する溝と離れて形成された場合と隣接して一体に形成された場合を説明するための断面図である。
【図10】検査流体収集部がシール部材を保持する溝に隣接して一体に形成された場合を説明するための拡大断面図である。
【図11】検査流体収集部のワークからはみ出た部分を覆うカバー部材を設けた実施の形態を示す断面図である。
【図12】図11とは別の形状のシール部材とカバー部材の実施の形態を示す断面図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態示した概念図である。
【符合の説明】
W ワーク
Wo 開口部
1 マスキング治具(密閉手段)
2 検査流体供給手段
3 チャンバ
3A ワーク収容室
3B 収集室
4 水素センサ(検査流体測定手段)
5 ファン(流動手段)
20 キャビティ(収容部)
21 開閉バルブ(封止手段)
22 開閉バルブ(封止手段)
30 リーク誤判定防止手段
31 マスキングゴム(シール部材)
32 溝(検査流体収集部)
32a ワークからはみ出た部分
33 センサ(検知手段)
50 仕切壁
51 ダンパ
60 カバー部材
【発明の属する技術分野】
本発明は、リークテスト装置およびリークテスト方法に関し、さらに詳しくは中空状のワークの漏洩を検査するためのリークテスト装置およびリークテスト方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば自動車のエンジンにおいては、シリンダヘッドやシリンダブロックなどに、燃料ガスおよび燃焼ガス、潤滑オイル、冷却水などを流通させるために外部に開口する開口部を有しており、中空状の通路が形成されている。そして、これら通路を有するシリンダヘッドやシリンダブロックなどの部材は、成形誤差や組立て精度などによって通路にリークが発生する場合がある。また、これらシリンダヘッドやシリンダブロックなどの部材は一般に鋳造によって成形されているが、その鋳造時に鋳巣などの欠陥が存在していると、この欠陥によって通路にリークが発生する場合がある。
また、例えば自動車の燃料タンクのような中空状の容器においては、接合部分の接合不良や曲げ加工部分の割れなどの欠陥によってリークが発生する場合がある。
そこで、このような中空状の部材(ワーク)に欠陥が生じて漏洩が発生しないか、ワークの気密性あるいは液密性をテストするためのリークテストが従来から行われている。
【0003】
リークテストに関する従来の技術としては、例えば、取付開口を有する気体容器に対し前記取付開口を閉塞するように被験対象部品を接合して前記気体容器内に密閉室を郭成し、検出用ガスを所定の濃度且つ所定の圧力で前記密閉室内に注入し、前記気体容器の外面に露出する前記被験対象部品を覆うように測定容器を接合して測定室を郭成し、該測定室内の気体を吸引しつつ、該気体に混入した前記検出用ガスの当該気体に対する濃度を測定し、測定結果に応じて前記被験対象部品を介した流体洩れの有無を判定することを特徴とするなどの漏洩検査方法が知られている(特許文献1)。
【0004】
また、当該特許文献1には、被験対象部品を取付開口に接合したときに密閉室を郭成する気体容器と、検出用ガスを所定の濃度且つ所定の圧力で前記密閉室に供給する検出用ガス供給装置と、前記気体容器の外面に露出する前記被験対象部品を覆うように接合して測定室を郭成する測定容器と、該測定容器に連通接続し前記測定室内の気体を吸引する真空ポンプを有し、該真空ポンプによって前記測定室内の気体を吸引しつつ該気体に混入した前記検出用ガスの前記気体に対する濃度を測定する濃度測定器を備え、前記検出用ガス供給装置を前記気体容器に連通接続し、前記気体容器内に前記検出用ガスを注入し、前記濃度測定器の測定結果に応じて前記被験対象部品を介した流体洩れの有無を判定することを特徴とする漏洩検査装置も開示されている。
【0005】
さらに、リークテストに関する従来の別の技術としては、例えば、中空容器形状の被験対象を収容する測定室と、前記被験対象に所定濃度の検出用ガスを注入するガス供給装置と、前記測定室内の気体を吸引しつつ該気体に混入した前記検出用ガスの当該気体に対する濃度を測定する濃度測定器を備え、該濃度測定器によって前記被験対象の流体洩れを検出する漏洩検査装置において、前記被験対象を囲繞し各々の開口端部を衝合するように配置して前記測定室を郭成する一対の筐体と、前記被験対象方向に移動可能に支持する接触子を有し、前記一対の筐体の少くとも一方の内側に配設する複数の検出部材と、前記接触子が前記被験対象に当接したときに前記測定室を前記濃度測定器に連通し、前記接触子が前記被験対象から離隔したときに前記測定室と前記濃度測定器との連通を遮断する連通切換手段を備えたこと特徴とする漏洩検査装置が知られている(特許文献2)。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−15082号公報
【特許文献2】
特開平8‐21782号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術のうち、特許文献1にあっては、特に自動車のフューエルタンク等の容器に装着する部品に対する漏洩検査に好適な漏洩検査方法及び装置に係る発明であることが記載されている(段落番号0001)。すなわち、特許文献1は、気体容器自体の漏洩検査を対象としたものではなく、そのため、測定容器が気体容器の全体を覆うことなくその外面に露出する前記被験対象部品のみを覆うものであった。そして特許文献1における測定容器にあっては、連通管を介して濃度測定器と接続される測定容器の上部は、平坦な形状が図示されているにすぎず、気体容器から漏出した検出用ガスを収集する機能を備えていないため、その漏出した検出用ガスを有効に濃度測定器へ導入させることができないことから、検出用ガスの濃度を測定した測定結果に応じて被験対象部品を介した流体洩れの有無を短時間で正確に判定することができなかった。
【0008】
また、上記従来の技術のうち、特許文献2にあっては、被験対象を囲繞するための筐体が各々の開口端部を衝合するように配置されることから一対で構成する必要があり、また、この筐体の各々の開口を衝合することにより密閉された状態で郭成された測定室に外部空気を導入するための連通孔が必要であった(段落番号0022)。そして、特許文献2にあっては、検出部材を筐体の内側に複数配設する必要があり、しかも、各検出部材に濃度測定器のセンサを接続する必要があるため(段落番号0021)、装置の構成が複雑で大型化すると共に製作コストがかかるという問題があった。そして、特許文献2に開示された装置では、検出部材を介して測定容器と濃度測定器と接続するものであるため、筐体が気体容器から漏出した検出用ガスを収集する機能を備えていないものであった。さらに、特許文献2にあっては、連通切換手段によって被験対象に接触子が当接していない検出部材を介して測定室と濃度測定器との連通が遮断されるため、例えば被験対象が接合されたフューエルタンクである場合にその接合部からの漏洩を検出することができないという問題があった。
【0009】
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、簡単な構成で、ワークの漏洩の有無を確実に判定することが可能なリークテスト装置およびリークテスト方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、ワークの漏洩を簡単な構成で安定して検査することができるリークテスト装置およびリークテスト方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、上記目的に加えて、短時間で効率よくワークの漏洩を検査することができるリークテスト装置およびリークテスト方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、上記目的に加えて、ワークの開口部を密閉するための密閉手段からの漏洩による誤判定を防止して、正確な検査を行うことができるリークテスト装置およびリークテスト方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたもので、上記目的に加えて、ワークの漏洩の判定だけでなく、漏洩がある場合にその箇所を検知することができるリークテスト装置およびリークテスト方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1のリークテスト装置に係る発明は、上記目的を達成するため、中空状のワークの漏洩を検査するリークテスト装置であって、ワークの開口部を密閉する密閉手段と、該密閉手段により密閉されたワーク内に検査流体を供給する供給手段と、ワーク全体の周囲を囲繞してワーク内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集するチャンバと、該チャンバによって収集された検査流体を検知する検知手段と、を備えたことを特徴とするものである。
請求項2のリークテスト装置に係る発明は、上記目的を達成するため、中空状のワークの漏洩を検査するリークテスト装置であって、ワークの開口部を密閉する密閉手段と、該密閉手段により密閉されたワーク内に検査流体を供給する供給手段と、ワーク全体の周囲を囲繞してワーク内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集するチャンバと、チャンバで収集された検査流体を受け入れて収容する収容部と、該収容部に設けられてその内部に収容された検査流体を検知する検知手段と、を備えたことを特徴とするものである。
請求項3のリークテスト装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項2に記載の発明において、検査流体を収容部の内部に封止する封止手段を備えたことを特徴とするものである。
請求項4のリークテスト装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、検査流体を強制的に流動させる流動手段を備えたことを特徴とするものである。
請求項5のリークテスト装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、密閉手段のワークに当接されるシール部材の外側に配設されて、該シール部材から漏洩した検査流体を収集する検査流体収集部と、該検査流体収集部で収集された検査流体を検知する検知手段と、を有するリーク誤判定防止手段を設けたことを特徴とするものである
請求項6のリークテスト装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項5に記載の発明において、シール部材が密閉手段に形成された溝に保持されており、検査流体収集部を前記溝と一体に形成したことを特徴とするものである。
請求項7のリークテスト装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項5または6に記載の発明において、検査流体収集部のワークからはみ出た部分の開口を覆うカバー部材を設けたことを特徴とするものである。
請求項8のリークテスト装置に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、ワークの部位に応じてチャンバ内を複数のゾーンに分割する仕切壁を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
また、請求項9のリークテスト方法に係る発明は、上記目的を達成するため、中空状のワークの漏洩を検査するリークテスト方法であって、ワークの開口部を密閉手段により密閉する工程と、該密閉手段により密閉されたワーク内に検査流体を供給する工程と、ワーク全体の周囲をチャンバにより囲繞してワーク内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集する工程と、チャンバにより収集された検査流体を検知してその結果に基づいてワークの漏洩の有無を判定する工程と、を行うことを特徴とするものである。
請求項10のリークテスト方法に係る発明は、上記目的を達成するため、中空状のワークの漏洩を検査するリークテスト方法であって、ワークの開口部を密閉手段により密閉する工程と、該密閉手段により密閉されたワーク内に検査流体を供給する工程と、ワーク全体の周囲をチャンバにより囲繞してワーク内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集する工程と、チャンバから検査流体を収容部に受け入れて収容する工程と、該収容部に収容された検査流体を検知してその結果に基づいてワークの漏洩の有無を判定する工程と、を行うことを特徴とするものである。
請求項11のリークテスト方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項10に記載の発明において、検査流体を収容部の内部に封止することを特徴とするものである。
請求項12のリークテスト方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項9〜11のいずれかに記載の発明において、検査流体を強制的に流動させることを特徴とするものである。
請求項13のリークテスト方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項9〜12のいずれかに記載の発明において、密閉手段のワークに当接されるシール部材から漏洩した検査流体を収集し、この収集された検査流体を検知することによりシール部材からの検査流体の漏洩を判定することを特徴とするものである。
請求項14のリークテスト方法に係る発明は、上記目的を達成するため、請求項9〜13のいずれかに記載の発明において、ワークの部位に応じてチャンバ内に仕切壁を設けてチャンバ内を複数のゾーンに分割し、該分割されたゾーン毎に検査流体を検知することによりワークの漏洩箇所を特定することを特徴とするものである。
【0012】
請求項1の発明では、中空状のワークの開口部を密閉手段によって密閉し、その全体の周囲をチャンバによって囲繞した状態で、供給手段によってワーク内に検査流体を供給する。ワークにリークが発生する場合には、ワークから漏洩した検査流体は、チャンバによって拡散が防止されて収集された状態となって検知手段により検知される。検知手段として、検査流体の濃度を定量的に測定するものを使用することにより、検査流体がワークから漏出したことを判定することができる。そのため、簡単な構成でワーク自体の漏洩の有無が容易に且つ正確に判定され、また必要に応じて、漏洩の規模も検知される。
請求項2の発明では、中空状のワークの開口部を密閉手段によって密閉し、その全体の周囲をチャンバによって囲繞した状態で、供給手段によってワーク内に検査流体を供給する。ワークにリークが発生する場合には、ワークから漏洩した検査流体は、チャンバによって拡散が防止されて収集された状態となり、収容部に収容されて安定した状態で検知手段によって検知される。検知手段として、収容部の検査流体の濃度を定量的に測定するものを使用することにより、検査流体がワークから漏出したことを判定することができる。そのため、簡単な構成でワーク自体の漏洩の有無が容易に且つ正確に安定して判定され、また必要に応じて、漏洩の規模も検知される。
請求項3の発明では、請求項2の発明において、収容部に収容された検査流体を封止手段によってその内部に封止することにより、検査流体がより安定した状態で検知手段によって検知される。
請求項4の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、ワークから漏洩した検査流体は、流動手段によって強制的に検知手段へ流動されて、その濃度を測定することなどにより検知されて、ワークの漏洩の有無が判定される。そのため、検査にかかる時間が短縮されてリークテストの効率化が図られる。
請求項5の発明では、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、密閉手段によって中空状のワークの開口部を密閉したときに、その密閉手段のワークに当接されるシール部材が損傷していたり、ワークとシール部材とに間に異物が挟まって密閉が不完全な状態となる場合がある。かかる状態のままでリークテストを行うと、ワーク自体から検査流体が漏洩していなくても、シール部材から漏洩した検査流体が検知手段によって検知されてワークの漏洩の有無を誤って判定するおそれがある。しかしながら、シール部材から漏洩した検査流体は、その外側に配設された検査流体収集部によって収集され、検知手段によって検知されて、検知手段によって検知された検査流体の漏洩判定をキャンセルし、誤った漏洩判定を防止すると共に、密閉が不完全であることを知らせる。なお、リーク誤判定手段は、検査流体収集部で収集された誤判定の原因となる検査流体を収容する誤判定検査流体収容キャビティをさらに含み、検知手段が誤判定検査流体収容キャビティに収容された検査流体を検知するよう構成することもできる。
請求項6の発明では、請求項5に記載の発明において、密閉手段に形成されたシール部材を保持する溝と検査流体収集部とを一体とすることにより、シール部材に検査流体収集部が隣接するため、検査流体収集部のワークからはみ出た部分の発生が抑止されて、シール部材とワークの表面との間から漏洩した検査流体を拡散させることなく収集して精度良く検知し、確実に誤った漏洩判定を防止すると共に、密閉が不完全であることを知らせる。
請求項7の発明では、請求項5または6に記載の発明において、検査流体収集部のワークと重なる部分いついてはシール部材から漏洩した検査流体がワークによってその拡散を防止されて検査流体収集部によって収集されるが、検査流体収集部のワークからはみ出た部分についてはシール部材から漏洩した検査流体が検査流体収集部の開口から拡散する場合があるため、かかる部分の開口をカバー部材によって覆うことにより、シール部材から漏洩した検査流体を拡散させることなくより精度良く検知し、確実に誤った漏洩判定を防止すると共に、密閉が不完全であることを知らせる。
請求項8の発明では、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、仕切壁を設けてチャンバ内をワークの部位に応じて複数のゾーンに分割し、各ゾーン毎にワークからの検査流体を検知することにより、ワークの漏洩の有無が判定されると共に、漏洩がある場合にその漏洩箇所も特定される。
【0013】
また、請求項9の発明では、中空状のワークの開口部を密閉手段によって密閉する工程と、その全体の周囲をチャンバによって囲繞する工程とを行い、供給手段によってワーク内に検査流体を供給する工程を行う。ワークにリークが発生する場合には、その全体の周囲がチャンバによって囲繞されているため、検査流体の拡散が防止されて収集された状態となり、この状態で検査流体を検知してその結果に基づいてワークの漏洩の有無を判定する工程が行われる。
請求項10の発明では、中空状のワークの開口部を密閉手段によって密閉する工程と、その全体の周囲をチャンバによって囲繞する工程とを行い、供給手段によってワーク内に検査流体を供給する工程を行う。ワークにリークが発生する場合には、ワークから漏洩した検査流体の拡散をチャンバによって防止すると共に収集し、収容部に収容して安定した状態で検査流体を検知し、その結果に基づいてワークの漏洩の有無を判定する工程が行われる。そのため、簡単な構成でワーク自体の漏洩の有無を安定して容易に且つ正確に判定し、また必要に応じて、漏洩の規模も検知する。
請求項11の発明では、請求項10の発明において、収容部に収容された検査流体を封止手段によってその内部に封止することにより、検査流体がより安定した状態で検知手段によって検知される。
請求項12の発明では、請求項9〜11のいずれかに記載の発明において、ワークから漏洩した検査流体を流動手段によって強制的に検知手段へ流動させて検知することにより、検査にかかる時間が短縮されてリークテストの効率化が図られる。
請求項13の発明では、請求項9〜12のいずれかに記載の発明において、密閉手段によって中空状のワークの開口部を密閉したときに、ワークに当接されるシール部材が損傷していたり、ワークとシール部材とに間に異物が挟まって密閉が不完全な状態となる場合がある。かかる状態のままでリークテストを行うと、ワーク自体から検査流体が漏洩していなくても、シール部材から漏洩した検査流体が検知手段によって検知されてワークの漏洩の有無を誤って判定するおそれがある。しかしながら、シール部材から漏洩した検査流体を収集して、検知手段によって検知することにより、検査流体検知手段によって検知された検査流体の漏洩判定をキャンセルして、リークの誤った判定を防止すると共に、密閉が不完全であることを知らせる。なお、シール部材から漏洩し収集された誤判定の原因となる検査流体を誤判定検査流体収容キャビティに収容する工程を行って、該誤判定検査流体収容キャビティに収容された検査流体を検知するよう構成することもできる。
請求項14の発明では、請求項9〜13のいずれかに記載の発明において、仕切壁を設けてチャンバ内をワークの部位に応じて複数のゾーンに分割し、各ゾーン毎にワークからの検査流体を検知手段によって検知することにより、ワークの漏洩の有無を判定すると共に、漏洩がある場合にその漏洩箇所も特定する。
【0014】
【発明の実施の形態】
最初に、本発明のリークテスト装置の第1の実施の形態を図1〜図3に基づいて詳細に説明する。なお、同一符号は、同様または相当する部分を示すものとする。
本発明のリークテスト装置は、概略、外側に開口する開口部Woを有する中空状のワークWの漏洩を検査するための装置であって、ワークWの開口部Woを密閉する密閉手段としてのマスキング治具1と、このマスキング治具1により密閉されたワークW内に検査流体を供給する供給手段2と、ワークWの周囲を囲繞してワークW内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集するチャンバ3と、収集された検査流体の濃度を測定することにより検査流体を検知する検知手段4と、検査流体を検知手段4に向けて強制的に流動させる流動手段としてのファン5と、を備えている。
【0015】
ワークWは、例えば、燃料ガスおよび燃焼ガス、潤滑オイル、冷却水などを流通させるために通路が中空状に形成されたシリンダヘッドやシリンダブロックなどの部材からなる組み立て過程または組み立て完了のエンジン、あるいは、接合部分や曲げ加工部分を有する燃料タンクのように、中空状で且つ外部に開口する開口部Woを有するものである。
【0016】
マスキング治具1は、略板状に形成されてなるもので、ワークWに当接される面には、その開口部に応じた形状および大きさでシール部材としてのマスキングゴム31が設けられている(図6および図7を参照)。この実施の形態では、ワークWを搬送するためのローラコンベア6、6が搬送経路に沿って前後方向(図2における左右方向)にそれぞれ配設されており、両ローラコンベア6、6の間には、ワークWの下方の開口部WoAを閉塞するためのマスキング治具1Aが配置されており、このマスキング治具1Aを昇降移動させるアクチュエータ7が設けられている。また、両ローラコンベア6、6の間には、ワークWの搬送経路を跨ぐようにフレーム8が設けられており、このフレーム8には、マスキング治具1Aと対向するように配置されてワークWの上方の開口部WoBを閉塞するためのマスキング治具1Bと、ワークWの側方の開口部WoC、WoDを閉塞するように互いに対向して配置されたマスキング治具1C、1D、および、このマスキング治具1C、1DをワークWの側方の開口部WoC、WoDに対して近接・遠退移動させるアクチュエータ9、9と、が設けられている。ワークWがローラコンベア6によって搬送されて来ると、アクチュエータ7が伸長駆動されてワークWがマスキング治具1Aに載置され、ワークWは、上昇移動されてその下方の開口部WoAおよび上方の開口部WoBがマスキング治具1A、1Bの間に挟持されて閉塞される。その後、アクチュエータ9、9が伸長駆動されてワークWの側方の開口部WoC、WoDをマスキング治具1C、1Dが閉塞すると、中空状のワークWが密閉されることとなる。
【0017】
密閉されたワークWの内部に検査流体を供給するための供給手段2は、この実施の形態の場合図1のみに示したように、検査流体が充填されたボンベ10と、開閉バルブ11と、所定の圧力でワークW内へと検査流体を送るポンプまたはレギュレータ12と、所定のマスキング治具1(図1に示した実施の形態では1B)に接続された管路13と、を備えている。さらに、供給手段2は、検査流体を供給するに先だってワークW内を減圧する減圧手段と、リークテストが終了したワークW内から検査流体をボンベ10に回収する回収手段と、ワークW内をエアパージするエアパージ手段と、などが必要に応じて設けられている(図示は省略する)。この実施の形態では、検査流体として水素ガスが使用される。したがって、以下の説明では、検査流体のことを水素ガスという。検査流体は、水素ガスに限定されることはなく、他の流体を採用することもできるが、ワークWの材質に影響することがなく、分子が小さく、粘度が低く、比重の軽い気体であることが好ましい。
【0018】
チャンバ3は、ワークWの全体を収容してその周囲を取り囲みワークW内から漏洩した水素ガスの拡散を防止するワーク収容室3Aと、このワーク収容室3Aから水素ガスを集めるようにロート状に形成された収集室3Bとにより構成されている。そして、この実施の形態では検査流体として空気よりも比重が軽い水素ガスを使用しているため、ワーク収容室3Aの下方は開口しており、ワーク収容室3Aの上方に収集室3Bが配置されており、収集室3Bはその断面がワーク収容室3Aから上方に向かって漸次縮小するように形成されている。また、チャンバ3は、フレーム8に固定・支持されている。なお、チャンバ3を設ける向き、すなわち、ワーク収容部3Aが開口する方向や収集室3Bの断面が漸次縮小する方向、通路15(後述する)が設けられる位置は、使用される検査流体の比重などの特質によって設定することができる。
【0019】
チャンバ3の収集室3Bの上方には通路15が設けられており、この通路15には検知手段として水素の濃度を測定する水素センサ4と、流動手段としてのファン5と、が順次配設されている。ファン5を駆動することにより、チャンバ3の下方の開口から空気が吸込まれ、チャンバ3内を通路15に向かって流動する。ワークW内に供給されてそこから漏出した水素ガスは、チャンバ3内を流動する空気と共に、センサ4が配設された通路15に導入されて、その濃度を測定される。
【0020】
なお、本発明のリークテスト装置は、上述した実施の形態に限定されることはない。例えば、ローラコンベア6、6によって搬送されるワークWをチャンバ3のワーク収容室3Aに位置させるために、上述した実施の形態のように固定配置されたチャンバ3に対してワークWを昇降移動させる構成ではなく、ワークWに対してチャンバ3を昇降移動させる構成とすることもできる。
また、ファン5は、通路15のセンサ4よりもチャンバ3に近い側に配設してもよい。さらに、図4に示すように、流動手段としてのファン5は、チャンバ3の収集室3Bの上方の通路15に配置するのに加えて、または、チャンバ3の収集室3Bの上方の通路15に配置するのに替えて、チャンバ3のワーク収容室3Aの下方に設けることもできる(この下方に設けられるファンを特定するために符号を5aとする)。かかる場合には、チャンバ3内でワークWの周囲に対流が起きることなく上方気流を生成させることができるように、ファン5aは複数設けることが望ましい。また、チャンバ3のワーク収容室3Aの下方を開放させることなく、図4に示したように、チャンバ3の下方の開口を覆うように閉塞する蓋部材3Cをマスキング治具1Aと共に昇降移動するようにアクチュエータ7に設けることもできる。この場合においては、ファン5aは、蓋部材3Cの上面に支持される。蓋部材3Cによってチャンバ3の下方を閉塞することにより、周囲の空気がチャンバ3内に流入するのが制限されるため、ワークWから水素ガスが漏出する場合にチャンバ3内の空気の比率が低下する、すなわち、その水素ガスの濃度が濃くなるため、水素センサ4の測定精度を向上させることができる。このように、ファン5aをチャンバ3の下方に設けることや、チャンバ3の開口を閉塞する蓋部材3Cを設けることについては、後述する別の実施の形態にも適用することができる。
【0021】
次に、本発明のリークテスト方法の実施の一形態を、上述したように構成されたリークテスト装置を用いた場合により、その作動と共に説明する。
本発明のリークテスト方法は、概略、外側に開口する開口部Woを有する中空状のワークWの漏洩を検査するための方法であって、ワークWの開口部Woを密閉手段としてのマスキング治具1により密閉する工程と、このマスキング治具1により密閉されたワークW内に検査流体である水素ガスを供給する工程と、ワークW全体の周囲をチャンバ3により囲繞してワークW内から漏洩した水素ガスの拡散を防止して収集する工程と、チャンバ3により収集された検査流体としての水素ガスの濃度を検査流体測定手段としての水素センサ4により測定して、この測定結果の基づいてワークの漏洩の有無を判定する工程と、を行うものである。
【0022】
中空状のワークWのリークテストを行うにあたっては、最初に、ワークWをローラコンベア6によって搬入して適切な位置に位置決めし、アクチュエータ7を伸長駆動する。これにより、ワークWはマスキング治具1Aに載置されて上昇移動し、チャンバ3のワーク収容室3Aに収容される(すなわち、ワークW全体の周囲をチャンバ3により囲繞する)と共に、その下方の開口部WoAおよび上方の開口部WoBがマスキング治具1A、1Bの間に挟持されて閉塞される。続いて、両アクチュエータ9、9を伸長駆動してマスキング治具1C、1DによりワークWの側方の開口部WoC、WoDを閉塞すると、中空状のワークWが密閉されることとなる(図3)。
【0023】
その後、必要に応じてワークW内を減圧してから、供給手段2の開閉バルブ11を開放してポンプなど12によって水素ガスをタンク10から管路13を介してワークW内に所定の圧力となるまで供給する。
この実施の形態で使用される水素ガスは、分子が比較的小さく粘度が比較的低いため、成形誤差や組立て精度、あるいは、鋳巣や割れなどの欠陥が僅かに発生している場合であっても、ワークW外にリークし易い。そのため、ワークW内に供給する水素ガスの圧力を比較的低く設定することができる。したがって、ワークWに対してマスキング治具1を押しつける力が小さくて済むため、アクチュエータ7や9などを小型化することができ、ひいてはリークテスト装置全体の大きさを小型化することができる。そして、ワークW内から漏洩した水素ガスは、その全体の周囲がチャンバ3によって囲繞されているため、拡散が防止される。
また、水素ガスは、比較的比重が小さいため、ワークW外にリークすると、チャンバ3のワーク収容室3Aから収集室3Bへと自然に上昇して収集され、通路15に導入されて水素センサ4によってその濃度を定量的に測定することができる。また、水素ガスの上昇速度が緩やかである場合には、この実施の形態ではファン5を駆動する。これにより、チャンバ3の下方の開口から空気が吸込まれ、チャンバ3内から通路15に向かって流動する。ワークW外にリークしチャンバ3によって収集された水素ガスは、チャンバ3内を流動する空気と共に、センサ4が配設された通路15に強制的に流動されることとなり、短時間で、空気と共に導入された水素ガスの濃度測定を行うことができる。そして、空気に含まれる水素ガスの濃度を定量的に測定することにより、ワークWの成形誤差や組立て精度、あるいは、鋳巣や割れなどの欠陥の存在の有無を検査することができることは勿論のこと、これらのリークの要因がある場合にその程度や規模を検知することができる。水素ガスの濃度が所定の値を超過している場合には、そのワークWにはリークが発生しているものと判定され、水素ガスの濃度が所定の値以下である場合には、そのワークWにはリークが発生していないものと判定される。
なお、ファン5の駆動は、水素ガスがワークW内に供給されてからその外部に漏出するに充分な時間が経過してから行うことが望ましい。
【0024】
リークテストが終了すると、ワークW内に供給された水素ガスを必要に応じて回収し、あるいは、ワークW内をエアパージすると共に、アクチュエータ9、9を退縮駆動してマスキング治具1C、1Dを退避させてワークWの側部の開口部WoC、WoDを開放し、その後、アクチュエータ7を退縮駆動してマスキング治具1Aを下降させる。ワークWは、マスキング治具1Aに伴って下降し、マスキング治具1Bから離間すると共にチャンバ3から出て、ローラコンベア6に載置されて搬出される。
【0025】
以上に説明した工程は自動的に繰り返し行われ、各ワークWのリーク発生の有無を順次判定し、また、必要に応じてリークが発生している場合にはそのリークの程度や規模の度合を検知する。リークが発生しているものと判定されたワークWは、自動的または手作業によりリークが発生していないものと判定されたワークWと異なる場所に搬送されて仕分けされる。
【0026】
次に、本発明のリークテスト装置の別の実施の形態を図5に基づいて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
本発明のリークテスト装置は、概略、外側に開口する開口部Woを有する中空状のワークWの漏洩を検査するための装置であって、ワークWの開口部Woを密閉する密閉手段としてのマスキング治具1と、このマスキング治具1により密閉されたワークW内に検査流体として水素ガスを供給する供給手段2と、ワークW全体の周囲を囲繞してワークW内から漏洩した水素ガスH2の拡散を防止して収集するチャンバ3と、チャンバ3で収集された水素ガスH2を受け入れて収容する収容部としてのキャビティ20と、このキャビティ20に設けられて内部に収容された水素ガスH2の濃度を測定することにより水素ガスH2を検知する検知手段としての水素センサ4と、を備えている。
そして、本発明のリークテスト装置はさらに、水素ガスをキャビティ20の内部に封止するための封止手段としての開閉バルブ21、22と、ワークW内から漏洩した水素ガスH2を水素センサ4が設けられているキャビティ20内に向けて強制的に流動させる流動手段としてのファン5と、を備えている。
【0027】
キャビティ20は、所定の容量を有するタンク状のもので、チャンバ3の通路15と排出通路16との間に接続されており、キャビティ20内に導入された水素ガスH2の濃度を測定することができるように水素センサ4が設けられている。
封止手段としての開閉バルブ21と22は、キャビティ20の上流側(チャンバ3側)の通路15と下流側(反チャンバ側)の通路16にそれぞれ設けられている。
ファン5は、この実施の形態においては、キャビティ20の下流側の通路16に設けられている。ファン5を駆動することにより、チャンバ3の下方の開口から空気が吸込まれ、チャンバ3内を通路15に向かってキャビティ20を通って通路16から排出されるように強制的に流動される。ワークW内に供給されてそこから漏出した水素ガスH2は、チャンバ3内を流動する空気と共に、通路15を介してセンサ4が設けられたキャビティ20内に導入されて、その濃度を測定されて、ワークWの漏洩の有無が判定される。ファン5は、キャビティ20の上流側の通路15に設け、あるいは、チャンバ3のワーク収容室3Aの下方の開口部に複数設けることもできる。
【0028】
次に、本発明のリークテスト方法の別の実施の形態を、図5に示したように構成されたリークテスト装置を用いた場合により、その作動と共に説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
本発明のリークテスト方法は、概略、外側に開口する開口部Woを有する中空状のワークWの漏洩を検査するための方法であって、ワークWの開口部Woをマスキング治具1により密閉する工程と、このマスキング治具1により密閉されたワークW内に水素ガスを供給する工程と、ワークW全体の周囲をチャンバ3により囲繞してワークW内から漏洩した水素ガスH2の拡散を防止して収集する工程と、チャンバ3から水素ガスH2をキャビティ20に受け入れて収容する工程と、このキャビティ20内に収容された水素ガスH2の濃度を水素センサ4により測定してワークの漏洩の有無を判定する工程と、を行うものである。
さらに、本発明のリークテスト方法は、キャビティ20内に収容された水素ガスH2を封止した状態でその濃度を測定し、また、ファン5を駆動することによって水素ガスH2を強制的に流動させて、チャンバ3からキャビティ20への水素ガスH2の導入とキャビティ20からの水素ガスH2の排出との少なくとも一方を行うものである。
【0029】
この実施の形態では、上述した実施の形態と同様に、アクチュエータ7を伸長駆動してローラコンベア6によって搬入されたワークWを上昇移動させて、チャンバ3のワーク収容室3Aに収容してその周囲を囲繞すると共に、ワークWの開口部Woをマスキング治具1により密閉する。
次いで、供給手段2により管路13を介してワークW内に水素ガスを所定の圧力となるまで供給する。ワークW内から漏洩した水素ガスH2は、周囲がチャンバ3によって囲繞されているために拡散が防止され、ワーク収容室3Aから収集室3Bへと上昇して収集される。この実施の形態では、ワークW内への水素ガスの供給から所定時間が経過してファン5の駆動によって水素ガスH2が空気と共に通路15からキャビティ20内に導入されると、下流側の開閉バルブ22を閉鎖し、続いて上流側の開閉バルブ21を閉鎖してキャビティ20内に水素ガスH2を空気と共に封止する。ワークWからリークした水素ガスH2は、キャビティ20内に封止されて安定した状態で空気に含まれる濃度が水素センサ4によって精度良く定量的に測定される。したがって、ワークWにリークが発生しているか否かの判定を精度良く行うことができる。そして、リークテストが終了すると、ワークWをチャンバ3から出して開閉バルブ21、22を開放してファン5を駆動し、封止されていた水素ガスH2をキャビティ20内から排出させて次のワークWのリークテストサイクルに備える。これらの工程は自動的に繰り返し行われ、各ワークWのリーク発生の有無を判定する。
【0030】
次に、本発明のリークテスト装置のさらに別の実施の形態を図6および図7に基づいて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
本発明のリークテスト装置は、概略、上述した第1または第2の実施の形態におけるリークテスト装置に加えて、リーク誤判定防止手段30が設けられており、このリーク誤判定防止手段30は、マスキング治具1のワークWに当接されるマスキングゴム31の外側に配設されて、このマスキングゴム31から漏洩した水素ガスを収集する検査流体収集部32と、この検査流体収集部32で収集された水素ガスを検知する検知手段としての水素センサ33と、を有する構成としてなるものである。
【0031】
図7に示すように、各マスキング治具1のワークWに接する面には、その開口部Woよりも大きく且つ開口部Woと対応する形状に溝35がそれぞれ形成されており、溝35内にはマスキングゴム31が配置されている。このマスキングゴム31の外側には、検査流体収集部としての溝32が配設されている。そして、溝32には管路36が接続されており、各管路36は開閉バルブ37を介して吸引ポンプ38と接続されている。そして、この実施の形態の場合、吸引ポンプ38には誤判定水素ガス収容キャビティ39が接続されており、この誤判定水素ガス収容キャビティ39に水素センサ33が設けられている。また、誤判定水素ガス収容キャビティ39には、その内部に導入された空気や水素ガスを排気するための管路40が接続されており、管路40の中間には開閉バルブ41が介装されている。
【0032】
次に、本発明のリークテスト方法のさらに別の実施の形態を、図6および図7に示したように構成されたリークテスト装置を用いた場合により、その作動と共に説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
本発明のリークテスト方法は、概略、マスキング治具1のワークWに当接されるシール部材としてのマスキングゴム31から漏洩した水素ガスを収集して検知するものである。
【0033】
マスキングゴム31は、ワークWに繰り返し当接されて摩耗したり損傷し、あるいは溝35から外れるなどしてシール性が損なわれる場合がある。かかる場合には、図10に参照されるように、ワークWに欠陥がなくてもマスキング治具1のシール性が損なわれた部分31aから水素ガスH2が漏洩してそのワークWにリークが発生しているものと誤判定されることとなる。そこで、この実施の形態では、密閉されたワークWに水素ガスを供給してから、ワークWからチャンバ3内に漏洩する水素ガスの濃度測定を行う前に、マスキング治具1の溝32を吸引ポンプ38により吸引して誤判定の原因となるマスキング治具1から漏洩した水素ガスを誤判定水素ガス収容キャビティ39に収容し、水素センサ33によって水素ガスH2の濃度を安定した状態で測定して、水素ガスH2の濃度が所定の値を超過している場合には、そのマスキング治具1のマスキングゴム31に問題があると判定されてワークWのリークテストを中止させてマスキングゴム31を点検して必要に応じて交換し、水素ガスH2の濃度が所定の値以下である場合には、そのマスキング治具1のマスキングゴム31に問題がないと判定されてワークWのリークテストが続行される。そして、排気用の管路40の開閉バルブ41の開閉と各マスキング治具1の開閉バルブ37の順次開閉とにより、マスキング治具1毎に誤判定が生じないかを順次判断することができる。さらに、水素センサ33で誤判定水素ガス収容キャビティ39に収容された水素ガスH2の濃度を測定するときに、誤判定水素ガス収容キャビティ39に接続された排気用の管路40の開閉バルブ41を閉鎖することにより、図5に示した実施の形態におけるキャビティ20と同様に、水素ガスH2が誤判定水素ガス収容キャビティ39内に封止されてさらに安定した状態で測定されるため、マスキング治具1での漏洩による誤判定を正確に防止することができる。さらにまた、誤判定水素ガス収容キャビティ39を設けることなく、管路36や40などに水素センサ33を設ける構成とすることもできる。
【0034】
次に、本発明のリークテスト装置のさらに別の実施の形態を図8〜図10に基づいて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
図8に鎖線で示すように、ワークWがエンジンのシリンダブロックであり、リークテストを行う対象となる開口WoJがそのウォータジャケットである場合、このウォータジャケットWoJは一般に、シリンダボアWoSの配列に応じて曲線を描くように環状に形成される。そのため、図6および図7に示されたように、マスキング治具1のワークWに接する面に設けられる溝35およびマスキングゴム31と検査流体収集部としての溝32とは、ウォータジャケットWoJの形状と対応して曲線を描くようにして相似形で、ウォータジャケットWoJから所定の間隔を有する状態で形成される。なお、リークテストを行う対象が図8に示したように環状である場合には、マスキングゴム31がウォータジャケットWoJの外周側と内周側の双方に沿って配設されるため、溝32が配設されるマスキングゴム31の外側とは、ウォータジャケットWoJに対する外周側と内周側の双方を意味する。
一方、ワークWとしてのシリンダブロックの外径形状は、ウォータジャケットの形状に関わりなく形成される場合がある。このような場合には、マスキング治具1によってワークWの開口部を密閉させた際に、マスキングゴム31の外側に配設される溝32にワークWからはみ出た部分32aが発生し、その溝のはみ出た部分32aの開口部がワークWと重ならずに露出して開放した状態となることがある。
図6に示したように、溝32のワークに覆われて蓋がされた部分では、マスキングゴム31から漏洩した検査流体としての水素ガスH2が収集されて適切に検知される。しかしながら、図9の中央鎖線から左方に示すように、溝32のワークWからはみ出て開放した状態となっている部分32aでは、マスキングゴム31から漏洩した水素ガスH2は、溝32の部分32aに収集されることなく拡散するため、適切に検知することができない。
【0035】
そこで、この実施の形態における本発明のリークテスト装置では、図9の中央鎖線から右方および図10に示すように、マスキング治具1に形成されてシール部材31を保持する溝35と検査流体収集部としての溝32とを一体に形成することとした。すなわち、図7に示したように、上述した実施の形態ではシール部材31を保持する溝35と検査流体収集部としての溝32とは所定の間隔を有する状態で離れて設けられていたのに対し、この実施の形態ではシール部材31を保持する溝35と検査流体収集部としての溝32との間に間隔が設けられていない。当然のことながら、シール部材31は、その目的からワークWの形状に合わせて配設される。したがって、溝32がシール部材31に隣接して配置されてワークWに覆われるようになることから、溝32のワークWからはみ出て開放した状態となっている部分32aがなくなり、したがって、マスキングゴム31から漏洩した水素ガスH2を拡散させることなく溝32で確実に収集して検知することができる。なお、マスキングゴム31の断面形状は、図6に示したものの場合にはマスキング治具1とワークWとが近接するように構成されていたのに対して、図9および図10においては、マスキング治具1とワークWとが僅かに離間するように構成されたものを示したが、必要に応じて変更することができる。
【0036】
次に、本発明のリークテスト装置のさらに別の実施の形態を図11および図12に基づいて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
この実施の形態におけるリークテスト装置は、概略、図6および図7に示したように、マスキング治具1のマスキングゴム31の外側に検査流体収集部となる溝32が設けられており、この溝32がワークからはみ出てその開口部がワークWと重ならずに露出して開放した状態となった部分が発生している場合に、溝32のワークWからはみ出た部分32aの開口を覆うカバー部材60を設けたものである。
【0037】
図11は、マスキングゴム31および溝35が図6に示したような断面形状の場合を示したものであり、図12は、マスキングゴム31および溝35が図9および図10に示した断面形状の場合を示したものである。そして、図11および図12の中央鎖線から左方は、溝32がマスキングゴム31を保持する溝35から所定の間隔を有するように形成された場合を、右方は、溝32がマスキングゴム31を保持する溝35と隣接して一体に形成された場合を、それぞれ示している。
【0038】
図11に示したように、マスキング治具1とワークWとが近接するようにマスキングゴム31および溝35が構成されている場合には、検査流体収集部としての溝32のワークWからはみ出た部分32aの開口を覆うように、カバー部材60がマスキング治具1の表面に固設される。この実施の形態におけるカバー部材60は、ワークWの外形形状に応じて成形された板状のものにより構成されている。カバー部材60は、水素ガスなど検査流体を透過させないものであればよく、マスキング治具1に対して接着剤やビスなどによって固設することができる。なお、図11の中央鎖線から左方に示したように、溝32がマスキングゴム31を保持する溝35から所定の間隔を有するように形成された場合には、マスキングゴム31から漏出した水素ガスH2が溝32に流動し易いように、マスキング治具1の溝32、35の間の表面をわずかに削るなどして、溝32、35間に通路を形成することもできる。
【0039】
図12に示したように、マスキング治具1とワークWとがわずかに離間するようにマスキングゴム31および溝35が構成されている場合には、ワークWの表面から溝32のはみ出た部分32aの開口までの空間を覆うように、カバー部材60がマスキング治具1の表面に固設される。この実施の形態におけるカバー部材60は、ワークWの外形形状に応じて成形された板状のものを屈曲成形することにより構成されている。
【0040】
このように、溝32のワークからはみ出た部分32aを覆うカバー部材60が設けられていることにより、ワークWの外形形状やマスキングゴム31の形状に影響されることなく、マスキングゴム31から漏出した水素ガスH2を確実に検知することができる。そして、図11および図12の中央鎖線から右方に示したように、マスキングゴム31を保持する溝35に隣接させて溝32を一体に形成した場合には、マスキングゴム31をマスキング治具1の端縁近傍に配置させることができるため、マスキング治具1の小型化を図ることもできる。
【0041】
次に、本発明のリークテスト装置のさらに別の実施の形態を図13に基づいて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
本発明のリークテスト装置は、概略、上述した第1〜第4の実施の形態におけるリークテスト装置に加えて、チャンバ3内を複数のゾーンに分割する仕切壁50がワークWの部位に応じて設けられている。
【0042】
この実施の形態におけるリークテスト装置は、仕切壁50は、ワークWの形状に応じて形成されたカーテン状のもので、ワーク収容室3Aから収集室3Bにかけて延在されており、収集室3Bと管路15との間に、選択されたゾーンを管路15と切り替え可能に接続するためのダンパ51が設けられている。
【0043】
次に、本発明のリークテスト方法のさらに別の実施の形態を、図13に示したように構成されたリークテスト装置を用いた場合により、その作動と共に説明する。なお、上述した実施の形態と同様または相当する部分については同じ符号を付してその説明を省略し、異なる部分についてのみ説明することとする。
本発明のリークテスト方法は、概略、ワークWの部位に応じてチャンバ3内に仕切壁50を設けてチャンバ3内を複数のゾーンに分割し、この分割されたゾーン毎に検査流体としての水素ガスH2の濃度を測定するものである。
【0044】
ワークWをリークテストする際には、漏洩箇所を特定する必要がある場合がある。このような場合にあっては、チャンバ3の仕切壁50によって仕切られたゾーンのうちの一つをダンパ51により管路15と選択・接続し、ワークWからの水素ガスH2の濃度を水素センサ4(図3や図5を参照)によって測定する。そして、このリークテストをゾーン毎に繰り返し行うことにより、ワークWに漏洩が発生している場合に、そのゾーンの水素ガスH2の測定濃度が高くなるため、そのゾーンに位置するワークWの個所に漏洩が発生しているものと判断することができる。このように、本発明では、従来の技術における特開平8‐21782号公報(特許文献2)に開示された漏洩検査装置のように、多数のセンサを設けることなく、単一の水素センサによってワークWの漏洩の発生の有無だけでなく、漏洩箇所も特定することができる。
【0045】
なお、本発明は、検査するワークWとして、図には概念的に示したが、たとえばシリンダ室や、潤滑油、クーラントなどの流通路を有する内燃機関のシリンダブロック、または、燃料供給口や燃料排出口を有するフューエルタンクなどのように、中空で且つ外側に開放する開口部を有しており且つ鋳巣や割れなどの欠陥が発生するおそれがあるために、リークしないかを検査する必要があるものであれば適用することができる。
【0046】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、ワークの開口部を密閉する密閉手段と、この密閉手段により密閉されたワーク内に検査流体を供給する供給手段と、ワーク全体の周囲を囲繞してワーク内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集するチャンバと、該チャンバによって収集された検査流体を検知する検知手段と、を備えたという簡単な構成で、ワークの漏洩の有無を確実に判定することが可能なリークテスト装置を提供することができる。
請求項2の発明によれば、ワークの開口部を密閉する密閉手段と、この密閉手段により密閉されたワーク内に検査流体を供給する供給手段と、ワーク全体の周囲を囲繞してワーク内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集するチャンバと、チャンバで収集された検査流体を受け入れて収容する収容部と、この収容部に設けられてその内部に収容された検査流体を検知する検知手段と、を備えたという簡単な構成で、ワークの漏洩を簡単な構成で安定して検査することが可能なリークテスト装置を提供することができる。
請求項3の発明によれば、請求項2に記載の発明において、検査流体を収容部の内部に封止する封止手段を備えたことにより、さらに安定した状態で検査することが可能なリークテスト装置を提供することができる。
請求項4の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、検査流体を強制的に流動させる流動手段を備えたことにより、短時間で効率よくワークの漏洩を検査することが可能なリークテスト装置を提供することができる。
請求項5の発明では、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、密閉手段のワークに当接されるシール部材の外側に配設されて、該シール部材から漏洩した検査流体を収集する検査流体収集部と、該検査流体収集部で収集された検査流体を検知する検知手段と、を有するリーク誤判定防止手段を設けたことにより、ワークの開口部を密閉するための密閉手段からの漏洩による誤判定を防止して、正確な検査を行うことが可能なリークテスト装置を提供することができる。
請求項6の発明では、請求項5に記載の発明において、シール部材を保持する溝に隣接して検査流体収集部を一体に形成したことにより、シール部材と隣接して検査流体収集部を配置することができるため、シール部材から漏洩した検査流体を精度良く検知することが可能なリークテスト装置を提供することができる。請求項7の発明では、請求項5または6に記載の発明において、検査流体収集部のワークからはみ出た部分の開口をカバー部材によって覆うことにより、シール部材から漏洩した検査流体の拡散を防止し、シール部材から漏洩した検査流体をより精度良く検知することが可能なリークテスト装置を提供することができる。
請求項8の発明では、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、ワークの部位に応じてチャンバ内を複数のゾーンに分割する仕切壁を設けたことにより、ワークの漏洩の判定だけでなく、漏洩がある場合にその箇所を特定することが可能なリークテスト装置を提供することができる。
【0047】
また、請求項9の発明によれば、ワークの開口部を密閉手段により密閉する工程と、この密閉手段により密閉されたワーク内に検査流体を供給する工程と、ワーク全体の周囲をチャンバにより囲繞してワーク内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集する工程と、チャンバにより収集された検査流体を検知してその結果に基づいてワークの漏洩の有無を判定する工程と、を行うという簡単な構成で、ワークの漏洩の有無を確実に判定することが可能なリークテスト方法を提供することができる。
請求項10の発明によれば、ワークの開口部を密閉手段により密閉する工程と、この密閉手段により密閉されたワーク内に検査流体を供給する工程と、ワーク全体の周囲をチャンバにより囲繞してワーク内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集する工程と、チャンバから検査流体を収容部に受け入れて収容する工程と、この収容部に収容された検査流体を検知してその結果に基づいてワークの漏洩の有無を判定する工程と、を行うという簡単な構成で、ワークの漏洩を簡単な構成で安定して検査することが可能なリークテスト方法を提供することができる。
請求項11の発明によれば、請求項10に記載の発明において、検査流体を収容部の内部に封止することにより、さらに安定した状態で検査することが可能なリークテスト方法を提供することができる。
請求項12の発明によれば、請求項9〜11のいずれかに記載の発明において、検査流体を強制的に流動させることにより、短時間で効率よくワークの漏洩を検査することが可能なリークテス方法を提供することができる。
請求項13の発明によれば、請求項9〜12のいずれかに記載の発明において、密閉手段のワークに当接されるシール部材から漏洩した検査流体を収集し、この収集された検査流体を検知することによりシール部材からの検査流体の漏洩を判定することにより、ワークの開口部を密閉するための密閉手段からの漏洩による誤判定を防止して、正確な検査を行うことが可能なリークテスト方法を提供することができる。
請求項14の発明では、請求項9〜13のいずれかに記載の発明において、ワークの部位に応じてチャンバ内に仕切壁を設けてチャンバ内を複数のゾーンに分割し、この分割されたゾーン毎に検査流体を検知することにより、ワークの漏洩箇所を特定することが可能なリークテスト方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示した概念図である。
【図2】図1の側面図である
【図3】図1に示した状態から、ワークの開口部をマスキング治具により閉塞して密閉すると共にワーク全体をチャンバ内に配置させた状態を示す説明図である。
【図4】第1の実施の形態の変形例を図3と対応させて示した説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態示した概念図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示した概念図である。
【図7】図6に示したマスキング治具のワークと接触する面を示した平面図である。
【図8】ワークの外形形状とシール部材の配置によって検査流体収集部がワークからはみ出た状態を説明するための平面図である。
【図9】検査流体収集部がシール部材を保持する溝と離れて形成された場合と隣接して一体に形成された場合を説明するための断面図である。
【図10】検査流体収集部がシール部材を保持する溝に隣接して一体に形成された場合を説明するための拡大断面図である。
【図11】検査流体収集部のワークからはみ出た部分を覆うカバー部材を設けた実施の形態を示す断面図である。
【図12】図11とは別の形状のシール部材とカバー部材の実施の形態を示す断面図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態示した概念図である。
【符合の説明】
W ワーク
Wo 開口部
1 マスキング治具(密閉手段)
2 検査流体供給手段
3 チャンバ
3A ワーク収容室
3B 収集室
4 水素センサ(検査流体測定手段)
5 ファン(流動手段)
20 キャビティ(収容部)
21 開閉バルブ(封止手段)
22 開閉バルブ(封止手段)
30 リーク誤判定防止手段
31 マスキングゴム(シール部材)
32 溝(検査流体収集部)
32a ワークからはみ出た部分
33 センサ(検知手段)
50 仕切壁
51 ダンパ
60 カバー部材
Claims (14)
- 中空状のワークの漏洩を検査するリークテスト装置であって、
ワークの開口部を密閉する密閉手段と、
該密閉手段により密閉されたワーク内に検査流体を供給する供給手段と、
ワーク全体の周囲を囲繞してワーク内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集するチャンバと、
該チャンバによって収集された検査流体を検知する検知手段と、
を備えたことを特徴とするリークテスト装置。 - 中空状のワークの漏洩を検査するリークテスト装置であって、
ワークの開口部を密閉する密閉手段と、
該密閉手段により密閉されたワーク内に検査流体を供給する供給手段と、
ワーク全体の周囲を囲繞してワーク内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集するチャンバと、
チャンバで収集された検査流体を受け入れて収容する収容部と、
該収容部に設けられてその内部に収容された検査流体を検知する検知手段と、を備えたことを特徴とするリークテスト装置。 - 検査流体を収容部の内部に封止する封止手段を備えたことを特徴とする請求項2に記載のリークテスト装置。
- 検査流体を強制的に流動させる流動手段を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリークテスト装置。
- 密閉手段のワークに当接されるシール部材の外側に配設されて、該シール部材から漏洩した検査流体を収集する検査流体収集部と、
該検査流体収集部で収集された検査流体を検知する検知手段と、
を有するリーク誤判定防止手段を設けたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のリークテスト装置。 - シール部材が密閉手段に形成された溝に保持されており、検査流体収集部を前記溝と一体に形成したことを特徴とする請求項5に記載のリークテスト装置。
- 検査流体収集部のワークからはみ出た部分の開口を覆うカバー部材を設けたことを特徴とする請求項5または6に記載のリークテスト装置。
- ワークの部位に応じてチャンバ内を複数のゾーンに分割する仕切壁を設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のリークテスト装置。
- 中空状のワークの漏洩を検査するリークテスト方法であって、
ワークの開口部を密閉手段により密閉する工程と、
該密閉手段により密閉されたワーク内に検査流体を供給する工程と、
ワーク全体の周囲をチャンバにより囲繞してワーク内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集する工程と、
チャンバにより収集された検査流体を検知してその結果に基づいてワークの漏洩の有無を判定する工程と、
を行うことを特徴とするリークテスト方法。 - 中空状のワークの漏洩を検査するリークテスト方法であって、
ワークの開口部を密閉手段により密閉する工程と、
該密閉手段により密閉されたワーク内に検査流体を供給する工程と、
ワーク全体の周囲をチャンバにより囲繞してワーク内から漏洩した検査流体の拡散を防止して収集する工程と、
チャンバから検査流体を収容部に受け入れて収容する工程と、
該収容部に収容された検査流体を検知してその結果に基づいてワークの漏洩の有無を判定する工程と、
を行うことを特徴とするリークテスト方法。 - 検査流体を収容部の内部に封止することを特徴とする請求項10に記載のリークテスト方法。
- 検査流体を強制的に流動させることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載のリークテスト方法。
- 密閉手段のワークに当接されるシール部材から漏洩した検査流体を収集し、この収集された検査流体を検知することによりシール部材からの検査流体の漏洩を判定することを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載のリークテスト方法。
- ワークの部位に応じてチャンバ内に仕切壁を設けてチャンバ内を複数のゾーンに分割し、
該分割されたゾーン毎に検査流体を検知することによりワークの漏洩箇所を特定することを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載のリークテスト方法。
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