JP2004211106A - メタクリル樹脂の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 連続溶液重合において、特定のラジカル重合開始剤の半減期とその濃度、連鎖移動剤濃度、モノマー濃度および溶媒濃度、重合温度、平均滞留時間の条件下で反応させるメタクリル樹脂の製造方法。
【選択図】 無
Description
しかしながら、前者の方法は「ゲル効果」と呼ばれる自動加速効果のため、高いモノマー転化率を維持しながら重合反応を安定に制御することは非常に難しく、ポリマー濃度の高い最終重合物を得るのは困難とされる。
10≧A1/2 ・B-1/2×103
3≧A・B×105
2.9≧A-1・(B+10.3)×10-6
ここで、A=モノマーフィード100g中のラジカル重合開始剤のモル数
B=ラジカル重合開始剤の重合温度における半減期(時間)
を満足するモノマー組成物を連続的にフィードしてモノマー転化率50〜78%に維持する方法が示され、1段完全混合型連続重合を行うに当たり、重合温度130〜160℃における半減期が0.5〜2分の開始剤を用い、重合温度でのラジカル開始剤の半減期と平均滞留時間の比が1/200〜1/10000となるように平均滞留時間を設定し、モノマー転化率が45〜70%とする方法が開示されている(特許文献5参照。)。
1段完全混合槽を使用して(以下、A法ということがある)、メチルメタクリレート単独、またはメチルメタクリレート75重量%以上とメチルアクリレート、エチルアクリレートもしくはブチルアクリレートから選ばれた少なくとも一種以上が25重量%以下のモノマー混合物71〜95重量%および溶媒29〜5重量%からなる混合物を、
(1)重合温度90〜180℃における半減期が0.05〜20分であるラジカル重合開始剤を使用し、かつ平均滞留時間がラジカル重合開始剤の半減期の5〜7000倍となるように調製し、
(2)該組成物に対するラジカル重合開始剤濃度が1.0×10-4〜0.16モル/リットル、連鎖移動剤濃度が1.0×10-4〜0.37モル/リットルとなるように調製し、
(3)更に反応組成物をモノマー転化率40〜90%に維持しながら
連続的に重合させ、該重合反応で得られたポリマーの熱分解率(重合反応終了後、脱揮工程や押出成形工程を経る前のポリマーを窒素気流中、30℃から300℃まで2℃/minの割合で加熱昇温したときの熱分解率)が、5重量%以下であることを特徴とするメタクリル樹脂の製造方法
(1)第1槽重合温度100〜170℃、第2槽重合温度130〜170℃における半減期が0.05〜20分であるラジカル重合開始剤を使用し、
(2)かつ平均滞留時間がラジカル重合開始剤の半減期の5〜7000倍となるように設定し、
(3)該組成物に対するラジカル重合開始剤濃度が5.0×10-5〜0.12モル/リットル、連鎖移動剤濃度が1.0×10-4〜0.1モル/リットルとなるように調製し、
(4)該反応組成物を第2槽目モノマー転化率70〜90%に維持しながら
連続的に重合させ、該重合反応で得られたポリマーの熱分解率(重合反応終了後、脱揮工程や押出成形工程を経る前のポリマーを窒素気流中、30℃から300℃まで2℃/minの割合で加熱昇温したときの熱分解率)が、5重量%以下であることを特徴とするメタクリル樹脂の製造方法
および
(1)重合温度が1段目完全混合槽100〜170℃、2段目プラグフロー型反応器100〜170℃にして、
(2)1段目完全混合槽の平均滞留時間が重合温度における開始剤の半減期の5〜7000倍、2段目プラグフロー型反応器での滞留時間が開始剤半減期の5〜50倍となるように設定し、
(3)該組成物に対するラジカル重合開始剤濃度1.0×10-4〜0.16モル/リットル、
(4)および連鎖移動剤濃度1.0×10-4〜0.1モル/リットルとなるように調製した反応組成物を
(5)2段目プラグフロー型反応器出口でのモノマー転化率を70〜90%に維持しながら
連続的に重合させ、該重合反応で得られたポリマーの熱分解率(重合反応終了後、脱揮工程や押出成形工程を経る前のポリマーを窒素気流中、30℃から300℃まで2℃/minの割合で加熱昇温したときの熱分解率)が、5重量%以下であることを特徴とするメタクリル樹脂の製造方法
に関する発明である。
1段完全混合槽を使用して行う場合(方法A)によれば、メチルメタクリレート単独、またはメチルメタクリレート75重量%以上とメチルアクリレート、エチルアクリレートもしくはブチルアクリレートから選ばれた少なくとも一種以上が25重量%以下のモノマー混合物71〜95重量%および溶媒29〜5重量%からなる混合物、ラジカル重合開始剤および連鎖移動剤からなる原料組成物を、該組成物中のラジカル重合開始剤濃度が1.0×10-4〜0.16モル/リットルおよび連鎖移動剤濃度が1.0×10-4〜0.37モル/リットルとなるように調製し、重合温度90〜180℃、該重合温度における半減期が0.05〜20分であるラジカル重合開始剤を使用し、かつ該半減期の5〜7000倍である平均滞留時間にて、モノマー転化率40〜90%に維持しながら前記モノマーを連続的に重合することによって、重合工程で生成し、かつ脱揮工程や押出成形工程を経る前のポリマーを窒素気流中、30℃から300℃まで2℃/minの割合で加熱昇温したときの熱分解率が5重量%以下の耐熱分解性を有するメタクリル樹脂を製造することができる。
7.0×107 ≦〔C2 (τ+θ)e4529/T〕/(I・θ2)≦3.0 ×109
式(2)
100 ≦ M/(D+E+F)≦ 40000
式(3)
4.0 ×10-7≦(I・G)/〔M・θ/(τ+θ)〕≦ 1.0 ×10-4
E=(423e-6021/T ・S)/〔100 +(423e-6021/T −1)・C〕
F=(1.13×10-4e4529/T・C)/〔θ・(100−C)2 〕
G= 2.0×10-3・H2 −8.5×10-2・H+1
(mはフィードモノマー中アクリレート濃度(モル%))
本発明でいう耐熱分解性は、重合槽中で得られた脱揮工程や押出成形工程を経る前の熱履歴を受けていないポリマーを、窒素気流中、30℃から300℃まで2℃/minの割合で加熱昇温したときの熱分解率で表す。本発明において、熱分解率は5%以下、好ましくは3%以下、さらに好ましくは2%以下とする。熱分解率が5%を越えると、成形時においてシルバーストリークスやボイド等の成形不良を生ずる。
本発明で使用する溶媒はトルエン、メタノール、アセトン、酢酸エチル等が挙げられるが、特にメタノールの使用が、重合反応後の処理等を考慮すると特に望ましい。溶媒の使用割合はモノマーもしくはモノマー混合物71〜95重量%に対し、溶媒29〜5重量%である。
連鎖移動剤としては通常のラジカル重合で用いられるt−ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン等が使用できる。
方法Aにおいては、原料組成物中の連鎖移動剤濃度は、1.0×10-4〜0.37モル/リットルの範囲である。連鎖移動剤濃度が1.0×10-4モル/リットル未満であると、生成ポリマー中の末端二重結合を有するポリマーの含有率が極端に大きくなり、耐熱分解性が低下する。
一方、連鎖移動剤濃度が0.37モル/リットルを越えると、生成ポリマーの分子量が小さくなり、成形材料としての使用に耐える機械的物性を得ることができない。
方法Aにおける重合温度は90〜180℃、好ましくは100〜170℃、さらに好ましくは110〜170℃である。重合温度が低すぎると生成ポリマー鎖中に200℃以下で断裂する熱的に極めて弱いヘッド−ヘッド結合が残存する(ハタダ、キタヤマ、マスダ,ポリマージャーナル(K.Hatada,T.Kitayama,E.Masuda,Polymer Jounal),第1巻,No.5,395(1986)および前述、マクロモレキュレス(Macromolecules),19,2160(1986))。一方、重合温度が高すぎると、ポリマーを着色させると考えられるオリゴマーの生成が著しい(井手文雄、高分子,27巻,11月号,819(1978))。
次に本発明を2段に直列結合された完全混合槽を使用して行う場合(方法B)、前述の原料組成物を、該組成物中のラジカル重合開始剤濃度が5.0×10-5〜0.12モル/リットルおよび連鎖移動剤濃度が1.0×10-4〜0.1モル/リットルとなるように調製し、2段直列結合完全混合槽において、第1槽重合温度90〜170℃、第2槽重合温度130〜180℃、および該重合温度における半減期が0.05〜20分であるラジカル重合開始剤を使用し、かつ該半減期の5〜7000倍である平均滞留時間にて、第2槽でのモノマー転化率を40〜90%に維持しながら前記モノマーを連続的に重合することによって、重合工程で生成し、かつ脱揮工程や押出成形工程を経る前のポリマーを窒素気流中、30℃から300℃まで2℃/minの割合で加熱昇温したときの熱分解率が5重量%以下である耐熱分解性を有するメタクリル樹脂を製造することができる。
7.0 ×107 ≦〔(C2 −C1)2・(τ1+θ1 )・(τ2 +θ2 )e4529/T〕/(
I・τ1 ・θ2 2)≦ 1.0×1010
式(5)
100 ≦ M/(D′+E′+F′)≦ 40000
式(6)
4 ×10-7≦(I・G′・θ1)/〔M・(τ1 +θ1 )〕≦ 1.0×10-4
D′=(7.75 ×103e-3674/T ・X)/[100+(7.75 ×103 e-3674/T -1)C1]
E′=( 423e-6021/T・S)/〔 100+(423e-6021/T −1)・C1 〕
F′=( 1.13 ×10-4e4529/T・C1)/〔θ1 ・(100 −C1 )2 〕
G′= 2.0×10-3・H1 2−8.5 ×10-2・H1 +1
H1 =m・(3.7×10-3・C1+0.63)
(mはフィードモノマー中アクリレート濃度(モル%))
方法Bにおいては、前述の原料組成物中の単量体混合物は第1槽目に供給されるが、一部を第2槽目にサイドフィードすることもできる。その際、1、2槽目に供給される単量体混合物組成は必ずしも一致させる必要はない。第2槽目から流出するポリマー中のアクリレート単位濃度が所望する濃度になるように供給される。サイドフィード量はメインフィード量に対して1/50〜1/5の割合が望ましい。
これら重合開始剤と連鎖移動剤の重合槽への供給は、フィードする原料組成物に対して所望の濃度となるようにそれぞれ単独に供給してもよいが、予めモノマーもしくはモノマー混合物、あるいは溶媒に溶解してから連続供給するのが望ましい。
一方、重合温度が高すぎると、ポリマーを着色させると考えられるオリゴマーの生成が著しい(前述、高分子,27巻,11月号,819(1978))。また、第2槽目での重合温度が上記120℃未満では反応液粘度が高くなり、充分な撹拌ができなくなる。
方法Bにおいて、モノマー転化率を第2槽目で70〜90%、好ましくは70〜80%に維持しながら連続的に重合する。第2槽目のモノマー転化率が上記70%未満では、単位時間当たりのポリマー収量が小さくなり、反応槽を二つ使用する優位性がなくなる。一方、第2槽目のモノマー転化率が上記90%を越えると、生成ポリマー中の末端二重結合を有するポリマーの含有率が急激に大きくなり、耐熱分解性が著しく低下する。
さらに、本発明の方法を2段に直列結合された第1段反応器の完全混合槽と第2段反応器のプラグフロー型反応器を使用して行う場合(方法C)、前述の原料組成物を、該組成物中のラジカル重合開始剤濃度が1.0×10-4〜0.16モル/リットルおよび連鎖移動剤濃度が1.0×10-4〜0.1モル/リットルとなるように調製し、2段に直列結合された第1段反応器の完全混合槽と第2段反応器のプラグフロー型反応器において、第1段反応器である完全混合槽での重合温度90〜180℃、および前記完全混合槽の平均滞留時間が重合時間における重合開始剤半減期の5〜7000倍、前記プラグフロー型反応器での滞留時間が重合温度における重合開始剤半減期の5〜50倍となるようにして、該プラグフロー型反応器出口でのモノマー転化率を70〜90%に維持しながら前記モノマーを連続的に重合することによって、重合工程で生成し、かつ脱揮工程や押出成形工程を経る前のポリマーを窒素気流中、30℃から300℃まで2℃/minの割合で加熱昇温したときの熱分解率が5重量%以下である耐熱分解性を有するメタクリル樹脂を製造することができる。
式(7)
7.0×107 ≦〔C2(τ+θ)e4529/T〕/(I・θ2 )≦ 3.0 ×109
式(8)
100 ≦ M/(D+E+F)≦ 40000
式(9)
4.0 ×10-7 ≦(I・G・θ)/〔M・(τ+θ)〕≦1.0 ×10-4
D=(7.75×103e-3674/T ・X)/[100+(7.75 ×103 e-3674/T -1) ・C]
E=( 423e-6021/T・S)/〔100 +(423e-6021/T −1)・C〕
F=(1.13×10-4e4529/T・C)/〔θ・( 100−C)2 〕
G= 2.0×10-3・H2−8.5×10-2・H+1
H=m・(3.7 ×10-3・C+0.63)
(mはフィードモノマー中 アクリレート濃度(モル%))
その際、1段目、2段目に供給される単量体混合物組成は必ずしも一致させる必要はない。2段目から流出するポリマー中のアクリレート単位濃度が所望する濃度になるように供給される。サイドフィード量はメインフィード量に対して1/50〜1/5の割合が望ましい。方法Cにおいては、前述の原料組成物中のラジカル重合開始剤濃度は、1.0×10-4〜0.16モル/リットル、好ましくは1.0×10-4〜0.12モル/リットルの範囲である。ラジカル重合開始剤濃度が、上記1.0×10-4モル/リットル未満では、1段目完全混合槽でのモノマー転化率が低く、結果的に2段目プラグフロー型反応器で生成したポリマーの割合が大きくなり分子量分布が広がってしまう。
本実施例、比較例において、「部」は「重量部」を示す。
(1)耐熱分解性の測定は熱重量分析によった。セイコー電子工業(株)製RTG220型熱重量分析(TGA)装置を用いて、メタクリル樹脂約5mgを白金パン上に置き、300ml/minの窒素気流中、30℃から300℃まで2℃/minの昇温速度で加熱し減量変化を測定した。
(2)モノマー転化率は、GLサイエンス製GC−380型ガスクロマトグラフィーを用いて重合槽から流出する反応液中の未反応モノマー濃度を測定することにより求めた。
(4)ポリマーの全光線透過率の測定には日本電色工業製Z−Sensor Σ80NDHを用いて、透過法で測定した。 以下、実施例1〜5、比較例1〜2に1段完全混合槽型連続重合について説明する。実施例6〜10、比較例3〜4には2段直列結合された完全混合槽型連続重合について、実施例11〜15、比較例5〜6には完全混合槽とプラグフロー型反応器を2段直列結合して行う連続重合について、それぞれ説明する。
1段完全混合槽型連続重合の実施例を示す。
メチルメタクリレート88.3部(8.11モル/リットル)、メチルアクリレート5.5部(0.69モル/リットル)、メタノール6.2部(1.79モル/リットル)、n−ドデシルメルカプタン0.15モル%(0.016モル/リットル)、2, 2’−アゾビスイソブチロニトリルを4.2×10-3モル%(0.45ミリモル/リットル)の濃度となるように配合して得られた組成物をヘリカルリボン翼付き10リットル完全混合槽に、1Kg/Hrで連続的にフィードして連続重合を行った。重合槽内の反応液量は5Kgとした。したがって、平均滞留時間は5時間とした。重合温度は150℃となるようにジャケット温度を調整した。モノマー転化率は61.5%、ポリマーの重量平均分子量は85,000でそれぞれ一定となり、安定に運転できた。
原料濃度(モル/リットル)
メチルメタクリレート 8.11
メチルアクリレート 0.69
メタノール 1.79
n−ドデシルメルカプタン 0.016
2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 4.5×10-4
重合開始剤半減期τ(分) 0.06
平均滞留時間θ(分) 300
θ/τ 4910
重合温度(℃) 150
到達モノマー転化率(%) 61.5
(1)式の値 1.3×109
(2)式の値 9.9×103
(3)式の値 2.0×10-5
熱履歴を受ける前のポリマーの熱分解率(%)0.5
実施例1と同様の方法により各種条件で1段完全混合槽型連続重合を実施した。いずれの実施例でも重合反応は安定に制御され耐熱分解性良好なポリマーが得られた。表2に原料組成、重合条件、モノマー転化率、樹脂の特性(重量平均分子量、熱分解率)を示した。
実施例番号 2 3 4 5
原料組成 MMA(部) 82.9 71.0 83.9 82.8
( mol/l ) 7.54 6.20 7.72 7.35
コモノマー MA EA MA BA
コモノマー(部) 3.8 6.8 6.3 7.0
( mol/l ) 0.46 0.80 0.78 0.85
溶媒 CH3OH CH3OH CH3OH CH3OH
(部) 13.3 22.2 3.6 3.6
( mol/l ) 3.81 6.25 1.00 1.02
重合開始剤 AIBN DTAP DTAP DTBP
重合開始剤(10-3モル%) 1.3 9.8 10.5 3.8
(ミリモル/リットル) 0.2 1.3 1.0 0.4
重合開始剤半減期τ(分) 0.06 5.26 15.0 4.4
連鎖移動剤 DM DM OM OM
連鎖移動剤(モル%) 0.13 0.03 0.14 0.13
(ミリモル/リットル) 15.4 4.0 13.0 12.0
重合条件 重合温度(℃) 150 160 150 170
平均滞留時間θ(分) 390 250 330 300
θ/τ 6373 48 22 69
モノマー転化率(%) 52.0 70.7 70.0 62.6
樹脂の特性
重量平均分子量(Mw ×10-4) 7.8 9.0 8.9 8.1
熱分解率(wt%) 0.6 1.4 1.4 0.5
成形品の特性
シルバーストリークスの発生 なし なし なし なし
ボイドの発生 なし なし なし なし
全光線透過率(%) 93 93 93 93
MMA:メチルメタクリレート MA:メチルアクリレート
EA :エチルアクリレート BA:ブチルアクリレート
AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
DTAP:ジ−t−アミルパーオキサイド
DTBP:ジ−t−ブチルパーオキサイド
DM :n−ドデシルメルカプタン
OM :n−オクチルメルカプタン
1段完全混合槽型連続重合例である。
メチルメタクリレート50.1部(4.29モル/リットル)、メチルアクリレート1.8部(0.21モル/リットル)、メタノール48.1部(12.91モル/リットル)、n−ドデシルメルカプタン5.7×10-4モル%(0.1ミリモル/リットル)、ジ−t−アミルパーオキサイド0.017モル%(3.0ミリモル/リットル)からなる組成物1.67Kg/Hrを実施例1と同様の重合槽に連続的にフィードして平均滞留時間180分 (θ/τ=4.0)、重合温度は140℃で連続重合を行ったところ、モノマー転化率67.7%、重量平均分子量73,000で運転維持できた。 表3に使用したモノマー濃度、モノマー中アクリレート濃度、メタノール濃度、重合開始剤濃度、連鎖移動剤濃度、使用した重合開始剤の半減期、設定した平均滞留時間、重合温度、到達したモノマー転化率、およびこれらを(1)式〜(3)式に代入した各々の値と熱重量分析によって測定した生成ポリマーの熱分解率を示す。
真空脱揮したポリマーをアーブルク製45t射出成形機を用いて260℃で150mmφ×3mmの円板を成形したが、シルバーストリークスが発生し、全光線透過率は91%であった。
原料濃度(モル/リットル)
メチルメタクリレート 4.29
メチルアクリレート 0.21
メタノール 12.9
n−ドデシルメルカプタン 1.0×10-4
ジ-t-アミルパーオキサイド 0.003
重合開始剤半減期(分) 44.9
平均滞留時間(分) 180
重合温度(℃) 140
到達モノマー転化率(%) 67.7
(1)式の値 6.7×108
(2)式の値 1.9×103
(3)式の値 2.8×10-4
熱履歴を受ける前のポリマーの熱分解率(%) 9.0
1段完全混合槽型連続重合例である。
メチルメタクリレート44.8部(3.85モル/リットル)、メチルアクリレート5.0部(0.50モル/リットル)、メタノール50.2部(13.43モル/リットル)、n−ドデシルメルカプタン0.011モル%(2.0ミリモル/リットル)、ラウロイルパーオキサイド0.028モル%(5.0ミリモル/リットル)からなる組成物を重合槽に連続的にフィードして平均滞留時間300分(θ/τ=6.7)、重合温度は90℃で連続重合を行ったところ、モノマー転化率64.0%、重量平均分子量80,000で安定に運転が維持できた。重合槽から流出する反応液より沈澱精製した熱履歴を受ける前のポリマー(PP )と270℃の真空脱揮した後の熱履歴を受けたポリマー(PH )の熱分解温度は、いずれも250℃であった。重合槽から流出するポリマー(PP )の300℃までの分解率は12.6であった。
2段に直列結合された完全混合槽型連続重合を行うに当たり、第1槽、第2槽ともにヘリカルリボン翼付き10リットル完全混合槽を使用した。 メチルメタクリレート84.6部、メチルアクリレート6.3部、メタノール9.1部、n−ドデシルメルカプタン0.148モル%、ジ−t−アミルパーオキサイド0.006モル%からなる組成物を第1槽目に1Kg/Hrで連続的にフィードするとともに第1槽液面レベルが一定となるように底部よりギヤポンプで抜き出して第2槽に流入させ、さらに第2槽の液面レベルが一定となるように第2槽底部よりギヤポンプで抜き出した。重合槽内の反応液量は両槽とも5Kg、平均滞留時間はともに5時間とした。重合温度は150℃となるようにジャケット温度を調整した。したがって、平均滞留時間は開始剤半減期の16.9倍となった。1段目のモノマー転化率61.5%、2段目はモノマー転化率73.4%、重量平均分子量85,000であった。
原料組成
第1槽メインフィード組成(モル/リットル)
メチルメタクリレート 7.82
メチルアクリレート 0.68
メタノール 2.61
n−ドデシルメルカプタン 0.014
ジーtーアミルパーオキサイド 5.4×10-4
第2槽サイドフィード組成 サイドフィードせず
第1槽
重合温度(℃) 150
平均滞留時間θ(分) 300
第1槽モノマー転化率(%) 60.5
第2槽
重合温度(℃) 150
平均滞留時間θ(分) 300
第2槽モノマー転化率(%) 74.0
(4)式の値 7.7×108
(5)式の値 9.8×103
(6)式の値 3.0×10-5
熱履歴を受ける前のポリマーの熱分解率(%) 0.5
実施例6と同様の方法により各種条件で2段に直列結合された完全混合槽型連続重合を実施した。いずれの実施例でも重合反応は安定に制御され耐熱分解性良好なポリマーが得られた。表5、6に原料組成、重合条件、モノマー転化率、樹脂の特性(重量平均分子量、熱分解率)を示した。
実施例番号 7 8 9 10
原料組成
第1槽メインフィード組成
MMA (部) 82.7 88.4 88.7 85.0
(モル/リットル) 7.68 8.18 8.23 7.65
コモノマー MA MA EA BA
コモノマー(部) 3.0 3.0 5.4 5.2
(モル/リットル) 0.32 0.32 0.57 0.55
溶媒 CH3OH CH3OH CH3OH CH3OH
溶媒 (部) 13.2 8.6 5.2 9.7
(モル/リットル) 3.78 2.47 1.51 2.79
重合開始剤 DTAP DTAP AIBN DTBP
重合開始剤(ミリモル/リットル)0.21 0.27 0.32 0.36
連鎖移動剤 DM DM DM OM
連鎖移動剤(ミリモル/リットル)12.0 11.0 17.0 9.4
第2槽サイドフィード組成
MMA (部) 70.0 73.1 90.0 90.0
(モル/リットル) 6.60 6.89 8.29 8.09
コモノマー(部) 30.0 26.9 10.0 10.0
(モル/リットル) 3.29 2.95 1.07 1.04
重合開始剤(ミリモル/リットル)10.2 10.2 3.1 2.1
連鎖移動剤(ミリモル/リットル)51.5 28.0 32.0 30.0
メイン/サイド−フィード重量比 20.0/1 33.4/1 13.9/1 13.9/1
実施例番号 7 8 9 10
重合条件
第1槽
重合温度(℃) 150 150 155 160
平均滞留時間θ(分) 300 180 180 180
重合開始剤半減期τ(分) 17.8 17.8 1.2 22.8
第1槽モノマー転化率(%) 49.1 47.1 56.2 54.3
第2槽
重合温度(℃) 150 150 155 160
平均滞留時間θ(分) 300 180 180 180
重合開始剤半減期τ(分) 17.8 17.8 1.2 22.8
第2槽モノマー転化率(%) 80.2 71.0 77.4 74.1
樹脂の特性
重量平均分子量(Mw ×10-4) 7.8 9.0 8.9 8.1
熱分解率(wt%) 0.9 1.4 1.4 0.5
成形品の特性
シルバーストリークスの発生 なし なし なし なし
ボイドの発生 なし なし なし なし
全光線透過率(%) 93 93 93 93
2段に直列結合された完全混合槽型連続重合を実施した。
メチルメタクリレート58.3部、メチルアクリレート2.0部、メタノール39.7部、n−ドデシルメルカプタン3.2ミリモル/リットル、ジ−t−アミルパーオキサイド2.0ミリモル/リットルからなる組成物を1.67Kg/Hrで第1槽に連続的にフィードし、さらに第2槽にメチルメタクリレート90.0部、メチルアクリレート10.0部、n−ドデシルメルカプタン1.2ミリモル/リットル、ジ−t−アミルパーオキサイド1.9ミリモル/リットルからなる組成物を120g/Hrでサイドフィードした。2槽とも重合温度140℃、平均滞留時間3時間で連続重合を行った。したがって、平均滞留時間は開始剤半減期の3.4倍となった。1段目のモノマー転化率63.8%、2段目のモノマー転化率82.2%、重量平均分子量86,000で運転維持した。
原料組成
第1槽メインフィード組成(モル/リットル)
メチルメタクリレート 5.10
メチルアクリレート 0.20
メタノール 10.82
n−ドデシルメルカプタン 0.003
ジーtーアミルパーオキサイド 0.002
第2槽サイドメインフィード組成(モル/リットル)
メチルメタクリレート 8.47
メチルアクリレート 1.10
n−ドデシルメルカプタン 0.001
ジーtーアミルパーオキサイド 0.002
メイン/サイド−フィード重量比 14.0/1
第1槽 重合温度(℃) 150
平均滞留時間θ(分) 300
第1槽モノマー転化率(%) 61.5
第2槽 重合温度(℃) 150
平均滞留時間θ(分) 300
第2槽モノマー転化率(%) 73.2
(4)式の値 3.4×108
(5)式の値 2.9×103
(6)式の値 2.0×10-4
熱履歴を受ける前のポリマーの熱分解率(%) 7.0
2段に直列結合された完全混合槽型連続重合の例である。
メチルメタクリレート62.0部(5.44モル/リットル)、メチルアクリレート0.6部(0.06モル/リットル)、メタノール37.4部(10.24モル/リットル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.007モル%(1.1ミリモル/リットル)からなる組成物を実施例1と同様の第1槽に1.67Kg/Hrで連続的にフィードし、さらに第2槽にメチルメタクリレート95.0部(8.93モル/リットル)、メチルアクリレート5.0部(0.55モル/リットル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.12モル%(11.5ミリモル/リットル)からなる組成物を120g/Hrでサイドフィードした。2槽とも重合温度130℃、平均滞留時間3時間で連続重合を行った。したがって、平均滞留時間は開始剤半減期の479倍となった。1段目のモノマー転化率60.3%、2段目のモノマー転化率82.7%、重量平均分子量79.000で運転維持した。
真空脱揮したポリマーをアーブルク製45t射出成形機を用いて260℃で150mmφ×3mmの円板を成形したが、シルバーストリークスが発生し、全光線透過率は91%であった。
直列結合された1段目完全混合槽と2段目プラグフロー型反応器を使用して連続重合を行うに当たり、1段目にヘリカルリボン翼付き10リットル完全混合槽、2段目に熱媒ジャケット付きスタティックミキサー(内径3/4インチ)を用いた。メチルメタクリレート84.6部(7.82モル/リットル)、メチルアクリレート6.4部(0.68モル/リットル)、メタノール9.1部(2.61モル/リットル)、n−ドデシルメルカプタン0.148モル%(0.14モル/リットル)、ジ−t−アミルパーオキサイド6ミリモル%(6ミリモル/リットル)からなる組成物を1段目完全混合槽に1Kg/Hrで連続的にフィードするとともに槽底部よりギヤポンプにて抜き出して2段目のスタティックミキサーに流入させた。
1段目の槽内の反応液量は5Kgとし、レベル一定となるように流量調整を行い、平均滞留時間は5時間とした。2段目のスタティックミキサーの滞留時間は2時間とした。重合温度はともに150℃となるようにジャケット温度を調整した。結果、1段目のモノマー転化率61.3%、2段目はモノマー転化率80.7%、重量平均分子量85,000であった。
熱履歴を受ける前の沈澱精製ポリマー(PP )と脱揮工程後の熱履歴を受けたポリマーの耐熱分解性を調べた結果を図9、図10にそれぞれ示す。両者とも実質的な熱分解開始温度は300℃であり、それらの熱分解率はPP で0.6%、PH で0.2%であり、重合工程、脱揮工程にかかわらず耐熱分解性良好なポリマーが得られたことがわかった。 真空脱揮したポリマーをアーブルク製45t射出成形機を用いて260℃で150mmφ×3mmの円板を成形したが、シルバーストリークスやボイドの発生は全くみられなかった。全光線透過率は93%であり、優れた透明性を有していた。
原料組成
第1槽メインフィード組成(モル/リットル)
メチルメタクリレート 7.82
メチルアクリレート 0.68
メタノール 2.61
n−ドデシルメルカプタン 0.14
ジーtーアミルパーオキサイド 6.0×10-4
第2段プラグフロー型反応器サイドフィード組成 サイドフィードなし
第1槽 重合温度(℃) 150
平均滞留時間θ(分) 300
重合開始剤半減期τ(分) 17.8
第1槽モノマー転化率(%) 61.3
第2段プラグフロー型反応器
重合温度(℃) 150
滞留時間(分) 120
重合開始剤半減期τ(分) 17.8
第2段プラグフロー型反応器
出口モノマー転化率(%) 81.5
(7)式の値 1.1×109
(8)式の値 3.7×103
(9)式の値 2.3×10-5
熱履歴を受ける前のポリマーの熱分解率(%) 0.6
実施例11と同様の方法により各種条件で2段直列結合された完全混合槽とプラグフロー型反応器を使用した連続重合を行った。第1段にヘリカルリボン翼付き10リットル完全混合槽、第2段にスタティックミキサーを用いた。いずれの実施例でも重合反応は安定に制御され耐熱分解性良好なポリマーが得られた。表9、10に原料組成、重合条件、モノマー転化率、樹脂の特性(重量平均分子量、熱分解率)を示した。
実施例番号 12 13 14 15
原料組成
第1槽メインフィード組成
MMA(部) 82.8 85.4 90.0 86.9
(モル/リットル) 7.58 7.89 8.17 7.87
コモノマー MA MA EA BA
コモノマー(部) 3.0 5.6 4.0 4.1
(モル/リットル) 0.32 0.61 0.43 0.43
溶媒 CH3OH CH3OH CH3OH CH3OH
溶媒 (部) 14.3 9.0 7.1 9.1
(モル/リットル) 4.05 2.58 2.04 2.60
重合開始剤 DTAP DTAP AIBN DTBP
重合開始剤(ミリモル/リットル)0.21 0.23 0.43 0.36
連鎖移動剤 DM OM OM DM
連鎖移動剤(ミリモル/リットル)12.0 11.0 17.0 9.4
実施例番号 12 13 14 15
第2段プラグフロー反応器サイドフィード組成
MMA(部) 93.8 93.5 90.0 80.0
(モル/リットル) 8.82 8.79 8.29 6.90
コモノマー(部) 6.2 6.5 10.0 20.0
(モル/リットル) 0.68 0.71 1.07 2.00
重合開始剤 DTAP DTAP DTAP DTBP
重合開始剤(ミリモル/リットル)21.0 10.5 10.5 10.3
連鎖移動剤(ミリモル/リットル) 0 10.5 2.1 20.6
メイン/サイド−フィード重量比 10.0/1 10.0/1 20.0/1 20.0/1
重合条件およびモノマー転化率
第1槽
重合温度(℃) 150 150 155 160
平均滞留時間θ(分) 300 180 180 300
重合開始剤半減期τ(分) 17.8 17.8 4.0 11.6
第1槽モノマー転化率(%) 49.0 45.7 56.4 56.6
第2段プラグフロー反応器
重合温度(℃) 150 150 155 160
滞留時間(分) 120 120 120 120
重合開始剤半減期τ(分) 17.8 17.8 4.0 11.6
第2段スタティックミキサー
出口モノマー転化率(%) 90.5 86.0 83.0 87.1
樹脂の特性
重量平均分子量(Mw ×10-4) 9.1 9.0 8.9 9.3
熱分解率(wt%) 1.8 1.4 1.4 0.9
成形品の特性
シルバーストリークスの発生 なし なし なし なし
ボイドの発生 なし なし なし なし
全光線透過率(%) 93 93 93 93
完全混合槽とプラグフロー型反応器とを直列結合して連続重合を行った。
メチルメタクリレート59.6(5.23モル/リットル)、メチルアクリレート2.6部(0.27モル/リットル)、メタノール37.7部(10.32モル/リットル)、ジ−t−アミルパーオキサイド0.021モル%(2.0ミリモル/リットル)、n−ドデシルメルカプタン0.021モル%(2.0ミリモル/リットル)からなる組成物を1.67kg/hrで1段目完全混合槽に連続的にフィードし、2段目反応器のスタティックミキサーに導入した。さらに、メチルメタクリレート80.0部(7.53モル/リットル)、メチルアクリレート20.0部(2.19モル/リットル)、ジ−t−アミルパーオキサイド0.051モル%(5.0ミリモル/リットル)、n−ドデシルメルカプタン0.051モル%(5.0ミリモル/リットル)からなる組成物を167g/hrでスタティックミキサー入口部サイドフィードした。
結果、1段目のモノマー転化率58.3%、2段目スタティックミキサー出口でのモノマー転化率88.2%、重量平均分子量79,000であった。 スタティックミキサー出口から流出する反応液より沈澱精製した熱履歴を受ける前のポリマー(PP )と270℃で真空脱揮した後の熱履歴を受けたポリマー(PH)の耐熱分解性を調べた結果を図11、図12にそれぞれ示す。熱分解開始温度は重合槽から流出するポリマー、270℃の真空脱揮した後のポリマーともに250℃であった。重合槽から流出するポリマー(PP )の300℃までの熱分解率は7.0であった。
真空脱揮したポリマーをアーブルク製45t射出成形機を用いて260℃で150mmφ×3mmの円板を成形したところ、シルバーストリークスが発生し、白濁した。全光線透過率は91%であった。
原料組成
第1槽メインフィード組成(モル/リットル)
メチルメタクリレート 5.23
メチルアクリレート 0.27
メタノール 10.32
n−ドデシルメルカプタン 2.0×10-3
ジーtーアミルパーオキサイド 2.0×10-3
プラグフロー反応器サイドフィード
メチルメタクリレート 7.53
メチルアクリレート 2.19
n−ドデシルメルカプタン 5.0×10-3
ジーtーアミルパーオキサイド 5.0×10-3
メイン/サイド−フィード比 10/1
第1槽 重合温度(℃) 140
平均滞留時間θ(分) 180
第1槽モノマー転化率(%) 58.3
プラグフロー反応器 重合温度(℃) 140
滞留時間(分) 120
第2段スタティックミキサー出口モノマー転化率(%) 88.2
(7)式の値 9.2×108
(8)式の値 2.8×103
(9)式の値 1.5×10-4
熱履歴を受ける前のポリマーの熱分解率(%) 7.0
2段直列結合された完全混合槽とプラグフロー型反応器を使用した連続重合を行った。メチルメタクリレート5.70モル/リットル、メチルアクリレート0.20モル/リットル、メタノール9.95モル/リットル、n−ドデシルメルカプタン2.1ミリモル/リットル、ジ−t−ブチルパーオキサイド3.2ミリモル/リットルからなる組成物を1.67Kg/Hrで第1槽に連続的にフィードし、さらに第2段スタティックミキサーにメチルメタクリレート8.47ル/リットル、メチルアクリレート1.09モル/リットル、n−ドデシルメルカプタン5.0ミリモル/リットル、ジ−t−ブチルパーオキサイド5.0ミリモル/リットルからなる組成物を110g/Hrでサイドフィードした。
重合槽から流出するポリマーの300℃までの熱分解率は9.5であった。
脱揮されたポリマーをアーブルク製45t射出成形機を用いて260℃で150mmφ×3mmの円板を成形したところ、シルバーストリークスが発生し、白濁した。全光線透過率は91%であった。
Claims (3)
- 2段に直列結合された第1段目反応器の完全混合槽と第2段目反応器のプラグフロー型反応器を使用して、メタクリレート単独、またはメタクリレート75重量%以上とメチルアクリレート、エチルアクリレートもしくはブチルアクリレートから選ばれた少なくとも一種以上が25重量%以下のモノマー混合物71〜95重量%および溶媒29〜5重量%からなる合物を、
(1)重合温度が1段目完全混合槽100〜170℃、2段目プラグフロー型反応器100〜170℃にして、
(2)1段目完全混合槽の平均滞留時間が重合温度における開始剤の半減期の5〜7000倍、2段目プラグフロー型反応器での滞留時間が開始剤半減期の5〜50倍となるように設定し、
(3)該組成物に対するラジカル重合開始剤濃度1.0×10-4〜0.16モル/リットル、
(4)および連鎖移動剤濃度1.0×10-4〜0.1モル/リットルとなるように調製した反応組成物を
(5)2段目プラグフロー型反応器出口でのモノマー転化率を70〜90%に維持しながら
連続的に重合させ、該重合反応で得られたポリマーの熱分解率(重合反応終了後、脱揮工程や押出成形工程を経る前のポリマーを窒素気流中、30℃から300℃まで2℃/minの割合で加熱昇温したときの熱分解率)が、5重量%以下であることを特徴とするメタクリル樹脂の製造方法。 - 重合反応終了後、脱揮工程や押出成形工程を経る前のポリマーの熱分解率(窒素気流中、30℃から300℃まで2℃/minの割合で加熱昇温したときの熱分解率)が2重量%以下である請求項1項記載のメタクリル樹脂の製造方法。
- 溶媒がメタノールである請求項1項記載のメタクリル樹脂の製造方法。
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