JP2004210956A - 洗剤粒子群の製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機能性粒子を用いて洗剤組成の設計自由度の向上を可能にし、かつ、品質,特に低温での溶解性に優れた洗剤粒子の製造方法を手供する。
【解決手段】洗剤粒子群の製造方法は、a)水溶性ポリマー及び水溶性塩類を含む、界面活性剤担持能が0.3ml/g以上である粒子群(a粒子群)、並びにb)円形度が0.73以上、かつ、アスペクト比が1.68以下である水溶性塩類粒子群(b粒子群)をc)液状界面活性剤含有組成物と混合して、a)粒子群及びb)粒子群に界面活性剤を担持させる工程を有する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、界面活性剤担持用顆粒とともに、洗剤組成物の配合物として必要となる成分を粒子形状で加えることで得られる洗剤粒子群の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年上市されている洗濯機は、「洗濯を簡単に済ませたい」という消費者ニーズに対応し、大容量化(一度に多くの衣類が洗える)傾向にあり、また洗濯時間に短時間洗濯モードの設定などがなされている。更に、「衣類を大切に洗いたい」というニーズに対し、弱攪拌モードの設定が行われ、衣類いたみの軽減を訴求している。加えて、環境、エネルギーや経済性への対応から、節水、低温洗濯、運転時間の短縮への潮流がある。
【0003】
この潮流は、いずれも洗濯機の仕事量(機械力×時間の意)を低下させる方向にあり、その結果、洗剤粒子の溶解速度の低下によって洗浄力の劣化が生じ、洗濯終了時に粉末洗剤の溶け残り、洗剤粒子の衣類残留が増大することがある。
【0004】
例えば、水への投入後素早く溶解し得る高速溶解性の洗剤粒子群及びその製法、並びにその洗剤粒子群を含有する洗剤組成物が開示されており(例えば、特許文献1参照)、該技術により得られる洗剤粒子群は、低温での溶け残り頻度を著しく低下させるものである。また、それ以前に解決を試みた従来技術の例は、同特許文献1に記載されている。しかしながら、かかる従来技術には下記のごとく多量の水溶性塩類をそのまま配合すると溶解性が低下する、あるいは水溶性塩類を処理して配合するなど追加の製造設備を要するという問題がある。
【0005】
一方、粉末洗剤の製造プロセス、商品への性能付与の点からは、既存の洗剤粒子群に、アルカリビルダーなどの機能性粒子を混合することで、新たな性能、価値を付与することが考えられる。しかしながら、代表的な機能性粒子である水溶性塩類は、乾式混合することで、低温での洗濯時に発生する洗剤ペーストの溶解性を著しく下げ、溶け残りを発生させる。この課題を解決させる試みとして、水溶性の無機塩について水和を抑制しうる有機物で処理した後、洗剤生地に乾式混合することにより、冷水における分散溶解性、及び洗浄性能の優れた洗剤粒子群を得る技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。該技術により水溶性かつ結晶性の無機塩を多量に添加できるが、この有機物処理は、専ら洗剤の製造設備とは別設備での処理となり、特にこれらの機能性粒子を多量に使用する場合には、製造工程や貯蔵設備が、甚だ複雑になるだけでなく、経済性の面からも不利である。
【0006】
これらの課題を解決するためには、上記機能性粒子を、洗剤の既存製造工程の中で、処理をすることが考えられる。例えば、前記特許文献1には、該洗剤粒子群の製造工程中、工程(c)(界面活性剤の担持工程)において、粉末のビルダー及び界面活性剤を添加することができるとの記載がある。しかしながら、配合量の点でa)界面活性剤担持用顆粒群量100重量部に対し、12重量部までといった添加範囲の記載がある通り、その他の条件を規定しない場合には、これら機能性粒子を多量に添加することで、得られる粒子群の低温溶解性等、品質が著しく悪化する。特に、前記特許文献1に記載のベース顆粒のように、界面活性剤溶液を担持する能力をもち、またその吸引速度が一定値を超えて早い粒子との同時混合においては、この傾向が顕著になる。
【0007】
【特許文献1】
特許第3123757号明細書
【特許文献2】
特許第1709759号明細書
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、上記課題を解決すべく、機能性粒子の形状を規定し、これと液状界面活性剤含有組成物と、界面活性剤溶液担持用粒子群とを同時に混合することで、該機能性粒子群を多量に配合しながら、かつ、低温溶解性に優れる洗剤粒子群を得られることを見いだした。
【0009】
従って、本発明の目的は、機能性粒子を用いて洗剤組成の設計自由度を向上させることを簡便に可能にし、かつ、品質、特に低温での溶解性に優れた洗剤粒子群の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明の要旨は、a)水溶性ポリマー及び水溶性塩類を含む、界面活性剤担持能が0.3ml/g以上である粒子群〔以下、a)粒子群〕、並びにb)円形度が0.73以上、かつ、アスペクト比が1.68以下である水溶性塩類粒子群〔以下、b)粒子群〕をc)液状界面活性剤含有組成物と混合して、a)粒子群及びb)粒子群に界面活性剤を担持させる工程を有する、洗剤粒子群の製造方法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
<洗剤粒子群の製造方法>
本発明の洗剤粒子群の製造方法は、前記のように、a)粒子群及びb)粒子群をc)液状界面活性剤含有組成物と混合してa)粒子群及びb)粒子群に界面活性剤を担持させる工程を有するものであり、かかる工程を有することで、機能性粒子を用いて洗剤組成の設計自由度を向上させることを簡便に可能にし、かつ、品質、特に低温での溶解性に優れた洗剤粒子群を得ることができるという効果が発現される。
【0012】
例えば、洗剤粒子群の製造方法は、以下〔1〕〜〔3〕に示す工程を含むものが好ましい。
【0013】
〔1〕a)粒子群の調製工程
a)粒子群は、以下に示す工程により製造することができる。
工程1.水溶性ポリマー及び水溶性塩類を含有するスラリーであって、該水溶性ポリマー及び該水溶性塩類である水溶性成分の60重量%以上が溶解したスラリーを調製する工程
工程2.工程1.で得られたスラリーを噴霧乾燥してa)粒子群を調製する工程
【0014】
(工程1:スラリーの調製工程)
本工程1は、a)粒子群を調製するためのスラリーを調製する工程である。本発明に用いられる調製液はポンプでの送液が可能で、非硬化性の溶液であればよい。また、成分の添加方法、順序についても状況に応じて適宜選択することができる。調製液には必要に応じて水不溶性成分を含むことができる。水不溶性成分を含む場合には、調製スラリー中の水不溶性成分は6〜63重量%、スラリー中の水溶性成分は2.1〜56重量%が好ましい。
【0015】
スラリーの水分量は、好ましくは35〜65重量%である。また、該水分量は、担持量粒子群の界面活性剤担持能を大きくする観点から、35重量%以上、好ましくは37重量%、より好ましくは39重量%以上、更に好ましくは41重量%以上、特に好ましくは43重量%以上、最も好ましくは45重量%以上であることが望ましい。また、水分量は液滴の温度上昇による破裂を抑制する観点から、65重量%以下、62.5重量%以下、より好ましくは60重量%以下、更に好ましくは57.5重量%以下、最も好ましくは55重量%以下であることが望ましい。
【0016】
また、前記スラリー中には、水溶性塩類の一部が未溶解の状態で存在していることが好ましい。このようにスラリー中に水溶性塩類の一部が未溶解の状態で存在していることにより、界面活性剤組成物の担持能を高めることができるという利点がある。水溶性塩類の一部を未溶解の状態にしておく方法としては、スラリー中の水分量と水溶性塩類の量比を調整する、あるいはスラリーの温度を調整して未溶解物を発生させる等が挙げられる。
【0017】
スラリーを形成する方法としては、例えば、最初に水の全て又は殆ど全てを混合槽に加え、好ましくは水温が操作温度にほぼ到達した後に、他の成分を逐次又は同時に添加する。スラリー中に全成分を添加した後に、好ましくは10分以上、さらに好ましくは30分以上混合して均質なスラリーを得る。
【0018】
(工程2:a)粒子群の調製工程)
本工程2は、前記工程1で得られたスラリーを乾燥してa)粒子群を調製する工程である。乾燥条件の制御については、噴霧された液滴を速く乾燥させる条件、即ち噴霧した直後の液滴周辺の温度を100℃以上とすることが望ましい。但し、乾燥液滴の燃焼の観点から、送風温度は、好ましくは400℃以下、より好ましくは350℃以下、更に好ましくは325℃以下、中でも好ましくは300℃以下、最も好ましくは275℃以下に制御することが望ましい。
【0019】
本発明に用いられるa)粒子群の嵩密度は、界面活性剤組成物の担持を確保する観点及び界面活性剤組成物を担持した後の嵩密度を確保する観点から、JIS K 3362:1998により規定された方法で測定する嵩密度が、300〜1000g/Lが好ましく、350〜800g/Lがより好ましく、400〜700g/Lが更に好ましく、450〜600g/Lが特に好ましい。
【0020】
b)粒子群:b)粒子群として使用する機能性粒子群は、予め円形度とアスペクト比等の球形性を測定し、適宜選定して用いる。必要に応じて、分級等の操作を行う。その方法としては、一般には、空気輸送工程(例えば、高密度(圧送式)輸送)により、球形性、特に円形度が向上するので、空気輸送工程は好ましい。また、粉砕後、水をバインダーにして造粒することにより球形性を高めても良い。
【0021】
〔2〕界面活性剤担持工程(以下、単に担持工程ともいう)
本工程は、a)粒子群、b)粒子群にc)液状界面活性剤含有組成物を担持させる工程である。本発明においては、a)及びb)粒子群をc)液状界面活性剤含有組成物と混合しa)、b)粒子の各表面、又は各表面と内部に界面活性剤を担持させて洗剤粒子群を得る。これは、例えば、回分式や連続式の公知の混合機を用いて行うことができる。本発明により、a)、b)粒子群へのc)液担持が同混合槽内で同時に行われることで、製造プロセスが簡便になる。即ち本発明においては、c)液状界面活性剤含有組成物は添加時にはa)粒子にもb)粒子にも担持される可能性をもつ。
【0022】
a)粒子群、b)粒子群、c)液状界面活性剤含有組成物を混合する方法は、以下のような種々の方法をとることができる。
(1)混合機にまずa)粒子群、b)粒子群を仕込んだ後、c)液状界面活性剤含有組成物を添加する。
(2)混合機にa)粒子群、b)粒子群とc)液状界面活性剤組成物とを少量ずつ仕込む。
(3)a)粒子群、b)粒子群の一部を混合機に仕込んだ後、残りのa)粒子群、b)粒子群とc)液状界面活性剤含有組成物とを少量ずつ仕込む。
【0023】
これらの方法の中で、特に(1)が好ましい。また、c)液状界面活性剤含有組成物は噴霧して供給することが好ましい。前記担持工程は、バッチ式でも、連続式、いずれの方式も選択できる。
【0024】
本工程で好ましく用いられる装置としては、公知の混合機を用いることができる。例えば、ヘンシェルミキサー(三井三池工機(株)製)、ハイスピードミキサー(深江工業(株)製)、バーチカルグラニュレーター((株)パウレック製)、レディゲミキサー(松坂技研(株)製)、プロシェアミキサー(太平洋機工(株)製)、ナウターミキサー(ホソカワミクロン(株)製)、SVミキサー(神鋼パンテック(株)製)、リボンミキサー(ホソカワミクロン(株)製)などがある。
【0025】
好ましい混合機としては、a)、b)粒子群の形状を崩壊させない観点から、強いせん断力がかかりにくい装置が好ましく、c)液状界面活性剤の分散効率の観点から混合効率の良い装置が好ましい。上記の混合機の中で特に好ましくは、横型の混合槽で円筒の中心に攪拌軸を有し、この軸に攪拌羽を取りつけて粉末の混合を行う形式のミキサー(横型混合機)でレディゲミキサー、プロシェアミキサー等がある。
【0026】
混合時の混合機内の温度は、液状界面活性剤組成物の融点以上に昇温することがより好ましい。ここで、昇温させる温度としては、c)液状界面活性剤含有組成物の担持を促進させるために添加する液状界面活性剤組成物の融点より高ければ良いが、実用的な範囲を挙げると融点を超えて融点より50℃高い温度までが好ましく、融点より10℃〜30℃高い温度がより好ましい。
【0027】
好適な洗剤粒子群を得るための回分式の混合時間は、1〜20分が好ましく、2〜10分が更に好ましい。
【0028】
また、得られる洗剤粒子群としては、b)機能性粒子群を配合しつつ、優れた低温溶解性を発現する観点から、a)粒子群20〜70重量%、b)粒子群1〜35重量%、及びc)液状界面活性剤含有組成物10〜40重量%を含有してなる洗剤粒子群が好ましい。
【0029】
〔3〕表面改質工程
本発明においては、界面活性剤担持工程で得られた洗剤粒子群の粒子表面を改質するために、添加時の形態として(d)微粉体、(e)液状物(改質助剤)のような種々の表面被覆剤を用いて表面改質を一工程あるいは二工程重複して行ってもよい。
【0030】
表面改質で使用される装置は、特に限定されず、公知の混合機を使用することができるが、界面活性剤担持工程で例示した混合機が好ましい。また、表面改質を行う際の条件としては、特に限定されない。
【0031】
<用語の説明>
本発明における洗剤粒子とは、界面活性剤及び/又はビルダー等を含有してなる粒子であり、洗剤粒子群とはその集合体を意味する。そして、洗剤組成物は、洗剤粒子群を含有し、さらに洗剤粒子群以外に別途添加された洗剤成分(例えば、蛍光染料、酵素、香料、消泡剤、漂白剤、漂白活性化剤等)を含有する組成物を意味する。
【0032】
<a)粒子群>
a)水溶性ポリマー及び水溶性塩類を含む、界面活性剤担持能が0.3ml/g以上である粒子群〔a)粒子群〕は、主として、水溶性ポリマー(A)、水溶性塩類(B)から構成されているものであって、必要に応じて、水不溶性無機物(C)を含有し、界面活性剤を担持し得る顆粒の集合体である。その担持能、及び担持速度については、後述する。
【0033】
(A)成分の水溶性ポリマーとしては、カルボン酸系ポリマー、カルボキシメチルセルロース、可溶性澱粉、糖類等が挙げられるが、カルボン酸系ポリマーが好ましい。
【0034】
水溶性ポリマーのa)粒子群中の含有量は2〜30重量%が好ましく、6〜26重量%がより好ましく、10〜22重量%が最も好ましい。前記含有量がこの範囲内であると、粒子の強度が十分なものとなり、これを用いて得られる洗剤粒子群に単核性を与えることができる。単核性については、後述する。
【0035】
(B)成分の水溶性塩類としては、炭酸、炭酸水素、硫酸、亜硫酸、硫酸水素、硫化水素、リン酸等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、又は塩化物、臭化物、よう化物、ふっ化物等のハロゲン化金属塩及びアルカリ土類金属塩に代表される水溶性の無機塩類や、クエン酸塩やフマル酸塩等の低分子量の水溶性有機酸塩類を挙げることができる。中でも炭酸塩、硫酸塩等のアルカリ金属塩が好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及び硫酸ナトリウムがより好ましく、炭酸ナトリウムが洗浄性の点からさらに好ましい。また、非晶質の珪酸塩(水ガラス)を配合することもできるが、非晶質の珪酸塩を配合すると、難溶性の不溶物塊を形成することがあり、基剤の種類や配合量には十分注意しなければならない。またトリポリリン酸ナトリウムも、(B)成分として好適に使用できる。
【0036】
水溶性塩類のa)粒子群中の含有量は、20〜90重量%が好ましく、30〜80重量%がより好ましく、40〜70重量%が最も好ましい。
【0037】
(C)成分の水不溶性無機物としては、1次粒子の平均粒径が0.1〜20.0μmのものが好ましく、例えば、結晶性もしくは非晶性のアルミノ珪酸塩や二酸化ケイ素、水和珪酸化合物、パーライト、ベントナイト等の粘土化合物が挙げられる。中でも結晶性又は非晶質のアルミノ珪酸塩が好ましい。
【0038】
水不溶性無機塩のa)粒子群中の含有量は、0〜49重量%が好ましく、10〜45重量%がより好ましく、20〜40重量%が最も好ましい。
【0039】
また、a)粒子群中には、蛍光染料、顔料、染料、酵素等の補助成分を含むことができる。該補助成分のa)粒子群中の含有量は10重量%以下が好ましく、より好ましくは5重量%以下、特に好ましくは2重量%以下である。
【0040】
<担持能と担持速度>
a)粒子群の界面活性剤担持能とその担持速度は、以下の方法で測定する。
内部に攪拌翼を備えた内径約5cm×長さ約15cmの円筒型混合槽にa)粒子群100gを入れ、350r/minで攪拌しながら30℃でポリオキシエチレンアルキルエーテル(C12/C14(重量比)=6/4、エチレンオキサイド(EO)=7.7(重量平均モル)、融点25℃)を10ml/minの速度で滴下し、攪拌動力の経時変化を測定する。攪拌動力が最も高くなった時のポリオキシエチレンアルキルエーテルの投入量をa)粒子群の重量(100g)で除した値を該a)粒子群の界面活性剤担持能(ml/g)とする。また、担持速度は、攪拌動力が最大値を示すまでに攪拌動力が上昇する過程において単位時間あたりの変化量が最も大きくなる時点でのポリオキシエチレンアルキルエーテルの投入量をa)粒子群の重量(100g)で除した値(mL/g)で表現され、この数値が大きいほど吸収性に優れる、即ち、担持速度が速くなる。吸収速度の速い粒子ほど粒子表面でのポリオキシエチレンアルキルエーテルの余剰が抑制される結果、攪拌動力が上昇するまでの時間が遅延される。
【0041】
界面活性剤をより多く含有させることにより洗浄力を高める観点から、本発明に用いられるa)粒子群の担持能は、0.3ml/g以上が必要であり、好ましくは0.35ml/g以上、より好ましくは0.4ml/g以上、特に好ましくは0.45ml/g以上である。また、担持工程の効率性の観点から、担持速度は、0.1ml/g以上が好ましく、より好ましくは0.2ml/g以上、更に好ましくは0.3ml/g以上である。
【0042】
<b)粒子群>
b)円形度が0.73以上、かつ、アスペクト比が1.68以下であるような水溶性塩類粒子群〔b)粒子群〕は、アルカリ緩衝能や、金属イオン封鎖能等の機能性を有する水溶性塩類粒子で構成されるものであり、これを含む洗剤組成物の配合設計の必要に応じて水溶性塩類の種類を選択することができる。円形度及びアスペクト比はb)粒子群の球形性を示す指標であり、本発明においては、かかる特定の円形度及びアスペクト比を有するb)粒子群を使用することにより、a)粒子群に界面活性剤を担持させる工程で、b)粒子群の表面を効率よく界面活性剤を含む表面層で被覆することができ、得られる洗剤粒子群の品質を大幅に向上できるという効果が発現される。
【0043】
水溶性塩類とは、25℃の水に対する溶解度が1g/100g以上且つ分子量1千未満のものをいい、例えば、炭酸、炭酸水素、硫酸、亜硫酸、硫酸水素、硫化水素、リン酸等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩、又は塩化物、臭化物、よう化物、ふっ化物等のハロゲン化金属塩及びアルカリ土類金属塩に代表される水溶性の無機塩類や、クエン酸塩やフマル酸塩等の低分子量の水溶性有機酸塩類を挙げることができる。中でも炭酸塩、硫酸塩等のアルカリ金属塩が好ましく、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、、硫酸ナトリウム、及びセスキ炭酸ナトリウムがより好ましい。これを含む洗剤粒子群の低温溶解性及び洗浄性の点からも、炭酸ナトリウムは最も好ましい。また、トリポリリン酸ナトリウムもb)粒子群として好適に使用できる。また、b)粒子群が単一組成の粒子群でない場合も、上で定義した界面活性剤担持能の少ないb)粒子群に関して本発明の製造方法を適用することで、品質に優れた洗剤粒子群を得ることができる。水溶性塩類が潮解性をもつ場合には、その表面がc)液状界面活性剤含有組成物によって被覆されることにより、耐ケーキング性効果も付与される。この場合、d)微粉体による表面改質が施されることで、耐ケーキング性は更に向上する。
【0044】
本発明に用いられるb)粒子群は、一定以上の球形性を有する必要がある。具体的には、以上のことから、b)粒子群の円形度としては、0.73以上が必要であるが、0.74以上が好ましく、0.75以上が最も好ましい。また、アスペクト比としては、1.68以下が必要であるが、1.67以下が好ましく、1.66以下が最も好ましい。b)粒子群の円形度、アスペクト比の測定法は後述する。
【0045】
本発明において、a)粒子群の存在下で、c)液状界面活性剤含有組成物を担持する場合、球形性が一定以下のb)粒子群では、c)液状界面活性剤含有組成物による表面処理が均一でないために、被覆効果が十分でない部位が発生する。このため、得られた洗剤粒子群の低温での溶解性が低下する。本発明におけるa)粒子群の界面活性剤担持能が大きく、担持速度が高いほど、この傾向が顕著になる。これを回避するために、c)液状界面活性剤含有組成物を多量に配合すると、界面活性剤のしみだしが起こり、品質上の弊害が発生する。
【0046】
<b)粒子群の円形度・アスペクト比の測定方法>
b)粒子群の円形度及びアスペクト比は、以下のように測定することができる。該b)粒子群を適当な頻度で自由落下させ、落下中のb)粒子群の水平方向への投影像をCCDカメラ等で取りこむ。粒子像を2値化処理、連結成分処理するなど適当な画像処理を施した後、その粒子図形に関し、円相当演算処理、楕円短径/長径演算処理を行う。円相当周囲長は、図形と同面積の円の周囲長として求められる。楕円近似の条件は、該図形と近似楕円の間に以下の▲1▼〜▲3▼の関係が成立することである:▲1▼重心の一致、▲2▼長軸L周りの慣性モーメントが等しく、短軸S周りの慣性モーメントと慣性主軸と重心で直行する軸周りの慣性モーメントが等しい、及び▲3▼面積が等しい。
【0047】
円形度は円相当径処理時の円相当周囲長/計測周囲長、また、アスペクト比は楕円処理時の長径/短径比である。これらの指数は、例えば、日機装(株)ミリトラックJPA(商品名)を用いて測定することができる。なお、前記計測周囲長とは実測された周囲長をいう。
【0048】
円形度、アスペクト比を求める際に測定する粒子数は、b)粒子群の球形性を表現するために、十分な標本の大きさであれば良い。例えば、日機装(株)ミリトラックJPA(商品名)を用いて測定する場合、通常4000個〜7000個の粒子について測定を行う。
【0049】
なお、b)粒子群の円形度及びアスペクト比を前記範囲になるように調整する方法としては、使用する原料を決定する際に、原料粒子について上記測定を行い、使用原料〔b)粒子群〕を選択する。輸送や混合操作によって粒子の円形度及びアスペクト比を所望の範囲内に調整する等が挙げられる。
【0050】
<b)粒子群の配合量>
低温水溶液中での溶解性の観点から、b)粒子群の洗剤粒子群中への配合量は、a)粒子群100重量部に対して、50重量部以下が好ましく、40重量部以下がより好ましい。
【0051】
<a)、b)粒子群の粒径>
また、得られた洗剤粒子群を含む洗剤組成物を使用した際の粉立ち性及び溶解性の観点から、a)、b)粒子群の平均粒径としては、それぞれ140〜600μmが好ましく、180〜400μmがより好ましい。これらの平均粒径は、JIS Z 8801−1:2000の標準篩を用いて求める。例えば、目開き2000μm、1400μm、1000μm、710μm、500μm、355μm、250μm、180μm、125μmである9段の篩と受け皿を用い、ロータップマシン(HEIKO SEISAKUSHO製、タッピング:156回/分、ロータリング:290回/分)に取り付け、100gの試料を10分間振動して篩い分けを行った後、受け皿、125μm、180μm、250μm、355μm、500μm、710μm、1000μm、1400μm、2000μmの順番に受け皿及び各篩上に重量頻度を積算していくと、積算の重量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きをαμmとし、またαμmよりも一段大きい篩の目開きをβμmとした時、受け皿からαμmの篩までの重量頻度の積算をγ%、またαμmの篩上の重量頻度をθ%とした場合、以下の式で求めることができる。
【0052】
【数1】
Figure 2004210956
【0053】
<c)液状界面活性剤含有組成物>
本発明の製造方法においては、界面活性剤を、これを含有する液状組成物とし、a)粒子群、b)粒子群に担持させて洗剤粒子群を得る。これにより、各粒子の表面が被覆され、品質、特には低温での溶解性の点で優れた洗剤粒子群が得られる。c)液状界面活性剤含有組成物に含有される界面活性剤としては、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤の1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができるが、好ましくは、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤である。界面活性剤の中で、実用上の温度範囲内において昇温しても固体あるいはペースト状で存在するものについては、これらを予め、粘性の低い例えば非イオン性界面活性剤水溶液又は水中に、分散又は溶解させて界面活性剤の混合液又は水溶液を調製し、該混合液又は水溶液の形態とすることで好適に使用することができる。上記c)液状界面活性剤含有組成物の製法は、例えば、粘性の低い界面活性剤又は水に固体あるいはペースト状の界面活性剤を投入して混合する方法や、粘性の低い界面活性剤中又は水中で界面活性剤の酸前駆体をアルカリ剤(例えば苛性ソーダ水溶液や苛性カリ水溶液)で中和することにより界面活性剤混合液を調製する方法が挙げられる。
【0054】
陰イオン性界面活性剤としては、炭素数10〜18のアルコールの硫酸エステル塩、炭素数8〜20のアルコールのアルコキシル化物の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩又は脂肪酸塩が好ましい。本発明では特に、アルキル鎖の炭素数が10〜14、更に12〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩が好ましく、対イオンとしては、アルカリ金属類やアミン類が好ましく、特にナトリウム及び/又はカリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンが好ましい。非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキル(炭素数8〜20)エーテル、アルキルポリグルコシド、ポリオキシアルキレンアルキル(炭素数8〜20)フェニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸(炭素数8〜22)エステル、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸(炭素数8〜22)、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシアルキレンアルキロール(炭素数8〜22)アミドが好ましい。
【0055】
非イオン性界面活性剤としては、HLB値が10.5〜15.0、更に11.0〜14.5のものが好ましい。
【0056】
特に、非イオン性界面活性剤としては、炭素数10〜18のアルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドなどのアルキレンオキシドを4〜20モル付加したポリオキシアルキレンアルキロールエーテル、ポリオキシアルキレンアルキロールアミドの中で、下記式:
【0057】
【化1】
Figure 2004210956
【0058】
〔式中、Rが平均炭素数11〜13の飽和の炭化水素基、R、Rが共に水素原子、JOはオキシエチレン基又はオキシプロピレン基又はこれらの混合物であるオキシアルキレン基を表し、xが1≦x≦5であるもの〕
で表される化合物が好ましく、これらのうち、上記HLB値(グリフィン法で算出した値)が10.5〜15.0、更に11.0〜14.5を有するものが好ましい。
【0059】
洗浄性能の点で、非イオン性界面活性剤と陰イオン性界面活性剤を併用することが好ましく、その場合の質量比は、非イオン性界面活性剤/陰イオン性界面活性剤=10/1〜1/10が好ましく、5/1〜1/5がより好ましく、2/1〜1/2が更に好ましい。
【0060】
また、c)液状界面活性剤含有組成物には水溶性ポリマーや脂肪酸、又はその塩等を含有できる。
水溶性ポリマーとしては、カルボキシルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアクリル酸ナトリウム、アクリル酸とマレイン酸のコポリマー又はその塩等のポリカルボン酸塩等が挙げられる。
【0061】
脂肪酸としては、例えば、炭素数10〜22の脂肪酸、及びその塩等が挙げられる。当該脂肪酸及びその塩の量としては、2.5〜25重量%が好ましく、2.5〜15重量%が特に好ましい。常温で固体のものの場合は、流動性を示す温度まで加温した後に供給することが好ましい。
【0062】
水溶性ポリマー、脂肪酸及びその塩の総量は、c)液状界面活性剤含有組成物中の0.5〜50重量%が好ましく、1〜25重量%が更に好ましく、2.5〜10重量%が最も好ましい。
【0063】
<表面改質>
本発明においては、a)粒子群及びb)粒子群にc)液状界面活性剤含有組成物が担持されて得られた洗剤粒子群に対して、d)微粉体、e)液状物(改質助剤)のような種々の表面被覆剤を用いて表面改質をすることが以下の理由から好ましい。即ち、表面被覆剤を用いることで、a)粒子群、b)粒子群が表面に保持できるc)液状界面活性剤含有組成物の量が向上する。また本発明の洗剤粒子群を表面改質すると、洗剤粒子群の流動性と耐ケーキング性も向上する利点がある。これらの表面被覆剤は、a)粒子群、b)粒子群、c)液状界面活性剤含有組成物が同時に混合される担持工程で添加しても良いし、後に表面改質工程が存在する場合には、その工程で添加しても良い。また、両工程において重複して添加しても良い。
【0064】
d)微粉体としては、1次粒子の平均粒径が0.1〜20.0μmのものが好ましい。平均粒径がこの範囲内において、洗剤粒子群の被覆率が向上し、洗剤粒子群の流動性、耐ケーキング性が向上して好適である。該d)微粉体としては、例えば、結晶性もしくは非晶性のアルミノ珪酸塩や二酸化ケイ素、水和珪酸化合物、パーライト、ベントナイト等の粘土化合物が挙げられる。中でも結晶性又は非晶質のアルミノ珪酸塩、結晶性アルカリ金属珪酸塩が好ましく、結晶性アルミノ珪酸塩、結晶性アルカリ金属珪酸塩がより好ましく、4A型ゼオライト、下記式(I)及び/又は(II)で表される結晶性アルカリ金属珪酸塩が洗浄性能の点でさらに好ましい。特に4A型ゼオライト(b1)と、下記式(I)及び/又は(II)で表される結晶性アルカリ金属珪酸塩(b2)とを、(b1)/(b2)=10/1〜1/10の質量比で併用することが好ましく、5/1〜1/3がより好ましく、3/1〜1/1が更に好ましい。
【0065】
x(MO)・y(SiO)・z(Me)・w(HO) (I)
(式中、Mは周期律表のIa族元素を表し、Meは周期律表のIIa族元素、IIb族元素、III a族元素、IVa族元素又はVIII族元素から選ばれる1種以上を示し、y/x=1.5〜2.6、z/x=0.001〜1.0、w=0〜20、n/m=0.5〜2.0である。)
【0066】
O・x´(SiO)・y´(HO) (II)
(式中、Mはアルカリ金属を表し、x´=1.5〜2.6、y´=0〜20である。)。
【0067】
水不溶性無機化合物は、ケーキング防止性、溶解性の点で、平均粒子径が0.5〜50μmのものが好ましく、1〜20μmがより好ましく、1〜10μmが更に好ましく、1〜5μmが特に好ましい。
【0068】
d)微粉体の使用量としては、a)粒子群とb)粒子群の総量100重量部に対して、1〜60重量部が好ましく、7.5〜50重量部がより好ましい。
【0069】
<単核性>
本発明における洗剤粒子群は、溶解時に形成されるペーストの溶解性の観点から、単核性洗剤粒子を多く含有することが好ましい。「単核性洗剤粒子」 とは、1粒の洗剤粒子の中に、1粒のa)粒子又はb)粒子を核として有する洗剤粒子をいう。洗剤粒子が単核性を有することで、界面活性剤、微粉体による表面被覆が効率的になり、低温での溶解性が良好となる。
【0070】
単核性を表現する因子として、以下の式で定義される粒子成長度を用いることができる。単核性粒子群とは粒子成長度が1.5以下のものをいい、好ましくは1.4以下、より好ましくは1.3以下、更に好ましくは1.2以下、特に好ましくは1.1以下である。
粒子成長度=(最終洗剤粒子群の平均粒径)/(<a)粒子群+b)粒子群>の平均粒径)
【0071】
最終の洗剤粒子群とは、a)粒子群又はb)粒子群にc)界面活性剤含有組成物を担持させた後の洗剤粒子群、又は該粒子群に表面改質処理を施した洗剤粒子群のことをいう。また、<a)粒子群+b)粒子群>の平均粒径とは、界面活性剤含有組成物を担持させる前のa)粒子群とb)粒子群を合わせた粒子(担持前の粒子)平均粒径をいう。
【0072】
<洗剤組成物の製法>
以上のようにして得られた洗剤粒子群は、他の洗剤成分(例えば、蛍光染料、酵素、香料、消泡剤、漂白剤、漂白活性化剤等)と混合して洗剤組成物を調製することができる。
【0073】
洗剤組成物の製法としては、特に限定はなく、例えば、前記洗剤粒子群及び別途添加された洗剤成分を混合する方法が挙げられる。このようにして得られた洗剤組成物は、界面活性剤の担持量の多い洗剤粒子を含有しているため、少量でも十分な洗浄効果を発現しうるものである。かかる洗剤組成物の用途としては粉末洗剤を用いる用途であれば特に限定はないが、例えば、衣料用粉末洗剤、自動食器用洗剤等が挙げられる。
【0074】
【実施例】
実施例1〜3、比較例1
攪拌装置を具備したジャケット付き混合槽に水539.3重量部を入れ、温度を50℃に調整した。これに硫酸ナトリウム(無水中性芒硝、四国化成(株)製)129.6重量部、亜硫酸ナトリウム(亜硫酸ソーダ、三井東圧(株)製)6重量部、蛍光染料(チノパールCBS−X、チバガイギー社製)2.4重量部を添加した。10分間攪拌後、炭酸ナトリウム(デンス灰、セントラル硝子(株)製)153.6重量部を添加した後に40重量%ポリアクリル酸ナトリウム水溶液(特公平2−24283号公報の実施例に記載の方法に従って製造した。尚、反応は、中和度95%、濃度37.7重量%のアクリル酸ナトリウム水溶液を3.11kg/Hrで供給し、濃度35重量%の亜硫酸水素ナトリウム水溶液を0.13kg/Hrで供給し、空気供給量を3m/Hrとして、ジャケットの平均温度20℃で行った。平均分子量10000、花王(株)製)195重量部を添加し、更に10分間攪拌後、塩化ナトリウム(やき塩、日本製塩(株)製)48重量部を添加し、ゼオライト(トヨビルダー(4A型、平均粒径:3.5μm)、東ソー(株)製)164.4重量部を加えた。更に30分間攪拌してスラリーを得た。このスラリーの最終温度は50℃に調整した。尚、このスラリーは水溶性塩類の一部が未溶解の状態で存在し、このスラリーの水分量は53重量%であった。
【0075】
スラリーをポンプで噴霧乾燥塔(向流式)に供給し、塔頂付近に設置した圧力噴霧ノズルから噴霧圧2.5MPaで噴霧を行った。噴霧乾燥塔に供給する高温ガスは塔下部より温度が225℃で供給され、塔頂より105℃で排出された。得られたa)粒子群の水分量が3重量%であった。表1にa)粒子群の組成及び物性を示す。前述の方法で求めた界面活性剤の担持能は0.60ml/g、担持速度は0.45ml/gであった。
【0076】
【表1】
Figure 2004210956
【0077】
b)粒子群としては、実施例1〜3では炭酸ナトリウム1(デンス灰、セントラル硝子(株)製、円形度0.75、アスペクト比1.65)を使用し、比較例1では、炭酸ナトリウム2(デンス灰、株式会社トクヤマ製、円形度0.71、アスペクト比1.70)を使用した。なお、炭酸ナトリウム1、2の粒子の走査型電子顕微鏡像(SEM)像をそれぞれ図1、図2に示す。
【0078】
c)液状界面活性剤含有組成物として、表2に記載の組成にて調製した組成物1、2を使用した。ウォーターバスで70℃に加温しながら、ポリエチレングリコールを添加し、非イオン性界面活性剤中で石鹸又は陰イオン性界面活性剤を48%苛性ソーダ水溶液で中和して調製した。担持工程で添加するまで、75℃に保持した。
【0079】
【表2】
Figure 2004210956
【0080】
レディゲミキサー(松坂技研(株)、容量20L、ジャケット付)に上記a)粒子群、b)粒子群を投入し、主軸(150rpm)とチョッパー(4000rpm)の攪拌を開始した。尚、ジャケットに70℃の温水を10L/分で流した。そこに、上記c)液状界面活性剤含有組成物を2分間で投入し、その後4分間攪拌を行い粒子群を排出した。更に、得られた粒子群の粒子表面に表3記載の結晶性アルミノ珪酸塩で表面改質を行い、実施例1〜3、比較例1の洗剤粒子群を得た。なお、表3に各成分の配合量を示す。
【0081】
得られた洗剤粒子群の低温溶解性については、以下のようにして測定、評価した。
【0082】
低温溶解性の測定
(株)日立製作所製全自動洗濯機NW−8PAM(商品名)を用い、洗濯槽底部一端に洗剤粒子群40gをまとめて置き、その上に衣料(木綿肌着60重量部とポリエステル/綿混のワイシャツ40重量部)を2kg投入し、5℃の水道水を毎分8Lの流速で洗剤に直接水があたらないように、40Lになるまで5分間かけてゆっくり注水する。その後、攪拌を開始し、3分間攪拌した後、攪拌を止め、排水し、3分間脱水後、衣料及び洗濯槽に残留する洗剤を目視判定する。判定基準を以下に示す
○:残留洗剤なし
×:残留洗剤あり
【0083】
比較例2
a)粒子群、c)液状界面活性剤粒子群を表3に記載の組成で混合、上記と同様の方法で液担持を行い、10重量部の結晶性アルミノ珪酸塩で表面被覆を行った後、炭酸ナトリウム2(デンス灰、セントラル硝子(株)製)を乾式混合して洗剤粒子群を作製した。
【0084】
実施例1〜3で得られた洗剤粒子群が満足な低温溶解性を示したのに対して、比較例1、2で得られた洗剤粒子群では、いずれも溶解しきれないペースト状残留物が発生した。即ち、使用する炭酸ナトリウムの形状が特定のものとすることで、配合量の増加と低温溶解製という品質の両方を満足するものであることから実施例1〜3で得られた洗剤粒子は洗剤組成の設計自由度が向上されたものであることがわかる。
【0085】
【表3】
Figure 2004210956
【0086】
【発明の効果】
本発明により、機能性粒子を用いて洗剤組成の設計自由度を向上させることを簡便に可能にし、かつ、品質、特に低温での溶解性に優れた洗剤粒子群を得ることができるという効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1〜3及び比較例2で使用した炭酸ナトリウム1の走査型電子顕微鏡像(SEM)像を示す。
【図2】図2は、比較例1で使用した炭酸ナトリウム2の走査型電子顕微鏡像(SEM)像を示す。

Claims (6)

  1. a)水溶性ポリマー及び水溶性塩類を含む、界面活性剤担持能が0.3ml/g以上である粒子群〔以下、a)粒子群〕、並びに
    b)円形度が0.73以上、かつ、アスペクト比が1.68以下である水溶性塩類粒子群〔以下、b)粒子群〕をc)液状界面活性剤含有組成物と混合して、a)粒子群及びb)粒子群に界面活性剤を担持させる工程を有する、洗剤粒子群の製造方法。
  2. さらに表面改質を行う工程を有する請求項1記載の洗剤粒子群の製造方法。
  3. 得られる洗剤粒子群が単核性を有する、請求項1又は2に記載の洗剤粒子群の製造方法。
  4. b)粒子群の水溶性塩類が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム及びトリポリリン酸ナトリウムからなる群より選ばれる、1種又はそれ以上の化合物である請求項1〜3いずれかに記載の洗剤粒子群の製造方法。
  5. a)粒子群が噴霧乾燥によって得られる粒子である、請求項1〜4いずれかに記載の洗剤粒子群の製造方法。
  6. 洗剤粒子群がa)粒子群20〜70重量%、
    b)粒子群1〜35重量%、及び
    c)液状界面活性剤含有組成物10〜40重量%
    を含有してなる、請求項1〜5いずれかに記載の洗剤粒子群の製造方法。
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