JP2004210655A - 凹凸部隠し用化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】含油量が飽和吸油量未満の状態の膨潤型吸油性ポリマーを含有する、凹凸部隠し用化粧料、及びさらに、バインダーを含有する凹凸部隠し用化粧料、並びにこれらの凹凸部隠し用化粧料を皮膚上に塗布後、膨潤型吸油性ポリマーを膨潤させることが出来る油性成分を含む化粧料を、前記塗布部位に接触させる、皮膚の凹凸部隠し方法。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は皮膚の凹凸部隠しとして有用な化粧料に関し、更に詳しくは、シワや毛穴を簡単に隠蔽するための凹凸部隠し用化粧料及び凹凸部隠し方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から女性のシワに関する悩みは多く、シワ隠しの様々な化粧料が開発されてきた。例えば、特許文献1では、高重合度メチルポリシロキサンと揮発性油剤と半透明粉体を含有することを特徴とする、シワ隠し用の乳化化粧料を開示しており、不自然さのないシワ隠しを課題としている。また、特許文献2では、粉体、被膜形成剤、揮発性溶剤を含有し、一定の乾燥皮膚表面の表面粗さを有する化粧料を開示しており、肌上でのつきがよく、自然な仕上がりで、肌の凹凸を見えにくくすることができる。しかしこれらは、小さなシワは隠れるものの、女性が最も気にしている、例えば250μm以上の皮溝を有する大きなシワまで隠すことは困難であった。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−7551号公報
【特許文献2】
特開2002−179530号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、大きなシワや毛穴迄きれいに隠し、見た目や感触の違和感のない凹凸部隠し用化粧料及び凹凸部隠し方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、含油量が飽和吸油量未満の状態の膨潤型吸油性ポリマーを含有する、凹凸部隠し用化粧料、及びさらに、バインダーを含有する凹凸部隠し用化粧料、並びにこれらの凹凸部隠し用化粧料を皮膚上に塗布後、膨潤型吸油性ポリマーを膨潤させることが出来る油性成分を含む化粧料を、前記塗布部位に接触させる、皮膚の凹凸部隠し方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
[膨潤型吸油性ポリマー]
本発明に用いられる膨潤型吸油性ポリマーとしては、油を吸収し膨潤するようなポリマーであれば組成は特に限定されない。油を吸収するために、架橋構造を有していることが好ましい。
【0007】
本発明に用いられる膨潤型吸油性ポリマーは、形状に限定されず、真球状、卵型、塊状等の粒子状が好ましく挙げられるが、その他、燐片状、板状、繊維状、微粒子集合体状(造粒状)、不定形状のいずれも用いることができる。これらの粒子は、多孔性であってもよい。
【0008】
粒子状膨潤型吸油性ポリマーの未膨潤状態の平均粒径は、好ましくは0.01μm以上、更に好ましくは0.1μm以上であり、特に好ましくは1μm以上である。上限は、100μm以下が好ましく、更に好ましくは50μm以下である。この範囲内では、ポリマー粒子の粒状感が感じられず、外観上不自然に見えない。ここで未膨潤状態の平均粒径とは、光散乱式粒径測定装置(例えば、コールター社製LS−230型(分散媒:膨潤しない溶剤)、堀場製作所製LA−910(分散媒:水))にて、測定することにより得られる未膨潤状態での平均粒径である。
【0009】
粒子状膨潤型吸油性ポリマーの飽和膨潤状態の平均粒径は、好ましくは0.01μm以上、更に好ましくは0.1μm以上であり、特に好ましくは1μm以上である。上限は、100μm以下が好ましく、更に好ましくは30μm以下である。この範囲内では、ポリマー粒子がシワ等の皮溝に入り、シワを隠す効果に優れると共に、外観上不自然に見えない。飽和膨潤状態の平均粒径は、吸油性ポリマー粒子をスライドグラスに取り、過剰のスクアラン(ポリマーを構成する繰り返し単位の50質量%以上がケイ素原子を含有するシリコーン系ポリマーの場合は、デカメチルシクロペンタシロキサン)を滴下し、吸油性ポリマー粒子を飽和膨潤させ、キーエンス社製デジタルマイクロスコープVH−8000を用い拡大画像を取り、粒子50個の粒径を計測し、求めることができる。
【0010】
膨潤型吸油性ポリマーの吸油量は、以下に示す測定方法により、膨潤型吸油性ポリマー1gあたり、1g以上の膨潤可能な油を保持できるもの(吸油量:1g/g以上)が好ましく、2g/g以上のものが更に好ましく、5g/g以上のものが特に好ましい。上限は、200g/g以下のものが好ましく、100g/g以下のものが更に好ましい。この範囲内では、シワを隠す効果に優れ、外観上不自然に見えない。
【0011】
<吸油量の測定方法>
膨潤型吸油性ポリマーの吸油量は、膨潤型吸油性ポリマー1gを遠心分離用遠心管に入れ、添加量を秤量し、正確に秤量した大過剰の膨潤可能な油を加え、12時間振とうした後、遠心分離器によりポリマー相と液体相を分離し、液体相のみを取り出し秤量し、ポリマーに吸収された油の量を算出し、ポリマー1gあたりの吸油量を求めた。吸油量の測定は、基本的に、油としてスクアランを用いるが、ポリマーを構成する繰り返し単位の50質量%以上がケイ素原子を含有するシリコーン系ポリマーの場合、油としてデカメチルシクロペンタシロキサンを用いる。
【0012】
具体的な吸油性ポリマーとしては、架橋ポリ(メタ)アクリル酸エステル(但し、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸、メタクリル酸又はそれらの混合物を意味する)に代表されるアクリル系(共)重合体;ポリウレタン、アクリル−ポリウレタン、ポリビニルピロリドン−ポリウレタン、ポリエステル−ポリウレタン、ポリエーテル−ポリウレタン等のウレタン系(共)重合体;スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム等の合成ゴムや天然ゴムのゴム類;高重合度架橋メチルポリシロキサン、アクリル−シリコーン等のシリコーン系重合体及びその誘導体等が挙げられる。
【0013】
吸油性ポリマーが吸油出来る油としては化粧品に使用できる油であれば特に組成は限定されない。具体的にはスクアラン、スクアレンに代表される炭化水素系油;ミリスチン酸イソプロピルに代表されるエステル油;ポリジメチルシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のシクロメチコン等に代表されるシリコーン油;フッ素変性エーテルに代表されるフッ素系オイル;アルコール類の親水性油剤等の油性成分が挙げられる。油性成分は、好ましくは、溶解パラメーターδ[(MPa)1/2](Polymer Handbook 1989 by John Wiley & Sons, Inc.記載)が、20未満であることが好ましい。
【0014】
[バインダー]
本発明の化粧料は、前述の吸水性ポリマーをシワ等の皮溝中に固定するためにも、更にバインダーを含有することが好ましい。バインダーとしては、皮膜形成性を有するポリマー又は粘着性を有するポリマーが挙げられる。
【0015】
皮膜形成性を有するポリマーとしては、好ましくは36℃付近で成膜性を有するポリマーを用いることが出来、溶液型、水分散型に関わらない。皮膜形成性は、最低造膜温度測定装置により測定することが出来る。
【0016】
粘着性を有するポリマーとしては、Tgが0℃以下のポリマーの架橋体粒子や、溶剤や可塑剤を含んだポリマー架橋粒子が挙げられる。ここで架橋体とは、粒子100質量部に対して、0.001〜5質量部の架橋剤を使用して得られる架橋体を言う。ポリマーのTgは示差走査熱量計により測定することができる。
【0017】
例えば、部分架橋オルガノポリシロキサンや、オルガノポリシロキサンをポリ(N−アシルアルキレンイミン)又は糖で変性した特開2002−179530号公報記載の変性オルガノポリシロキサン等のポリシロキサンエラストマー;ポリビニルピロリドン系ポリマー;ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリレート共重合体、その部分四級化ポリマー等のカチオン系高分子;ポリスチレンスルホン酸ナトリウム、メチルビニルエーテル・マレイン酸共重合体等のアニオン系高分子;(メタ)アクリル系共重合体;ポリビニルアルコール及びその誘導体・共重合体;ポリ酢酸ビニル及び共重合体;ポリウレタン、アクリル−ポリウレタン、ポリビニルピロリドン−ポリウレタン、ポリエステル−ポリウレタン、ポリエーテル−ポリウレタン等のウレタン系高分子;スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム等の合成ゴムや天然ゴム;アクリル−シリコーン等のシリコーンゴム及びその誘導体等が挙げられる。あるいは、これらの架橋体を用いることができる。
【0018】
これらのバインダーは単独あるいは2種以上の組み合わせで使用することが出来る。これらのバインダーが、吸油性を有する場合は、前述の膨潤型吸油性ポリマーを兼ねることができる。
【0019】
[凹凸部隠し用化粧料]
本発明の凹凸部隠し用化粧料中、膨潤型吸油性ポリマーの未膨潤状態での含有量は、低すぎると、体積膨張によるシワ・毛穴隠しの効果が弱くなり、多すぎると塗布し難くなるので、好ましくは0.5〜80質量%、更に好ましくは6〜70質量%、特に好ましくは10〜60質量%である。
【0020】
本発明の凹凸部隠し用化粧料中、バインダーの含有量は、化粧の持続性及び化粧持ちを良好にし、よれの発生を防止する観点から、好ましくは1〜60質量%、更に好ましくは10〜50質量%である。
【0021】
膨潤型吸油性ポリマー(未膨潤状態)は、バインダー100質量部に対し、好ましくは10〜2000質量部であり、更に好ましくは50〜1000質量部である。
【0022】
本発明の凹凸部隠し用化粧料中、吸油性ポリマーは、多少膨潤していてもよいが、後述する膨潤型吸油性ポリマーの皮膚上への定着を早く行うために、更に化粧料中均一系で保持するために、膨潤型吸油性ポリマーの含油量が、飽和吸油量未満の状態で存在する必要があり、実質的に未膨潤状態(好ましくは飽和吸油量の1/10以下の含油量)であることが好ましい。膨潤型吸油性ポリマーの化粧料中の平均粒径は、好ましくは0.01μm以上、更に好ましくは0.1μm以上であり、特に好ましくは1μm以上である。上限は、100μm以下が好ましく、更に好ましくは50μm以下、特に好ましくは30μm以下である。化粧料中の平均粒径は、キーエンス社製デジタルマイクロスコープVH−8000によって測定することができる。
【0023】
本発明の凹凸部隠し用化粧料は、油中水型又は水中油型の乳化化粧料、油性化粧料、スプレー化粧料、スティック状化粧料、ゲル状化粧料、水性化粧料等のいずれでもよい。
【0024】
本発明の凹凸部隠し用化粧料は、前述の吸油性ポリマー、バインダーの他に、油剤、粉体、保湿剤、着色剤、界面活性剤、pH緩衝剤、増粘剤、抗菌剤、防腐剤、美白剤、収斂剤、皮膚軟化剤等を配合することが出来る。油剤としてはジメチルポリシロキサンに代表されるシリコーン系オイル、イソパラフィン、スクアラン等に代表される炭化水素系オイル、ミリスチン酸イソプロピル等に代表されるエステル系オイル、フォンブリン等に代表されるフッ素系オイル等化粧品に使用できるようなオイルが挙げられる。保湿剤としては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール等が挙げられる。粉体としては、無機物、有機物に限定されず化粧品に使用できる粉体であれば配合することが出来る。着色剤としては、法定色素に代表される有機系の染料、顔料やベンガラ等に代表される無機系の顔料等が挙げられる。また、界面活性剤に関しては、アニオン系、ノニオン系、カチオン系に関わらず、化粧品に使用できるような界面活性剤を使用することが出来る。
【0025】
更に本発明の凹凸部隠し用化粧料は、エタノール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜3の低級アルコール;水等の溶媒を含有することが、剤の乾燥性を早めると共に、さっぱりした感触を与え、更に膨潤型吸油性ポリマーの膨潤を調節することもでき、好ましい。このような溶媒の含有量は、本発明の化粧料中、好ましくは5〜60質量%、更に好ましくは10〜50質量%である。本発明の化粧料が油性成分を含有している場合、油性成分100質量部に対して、溶媒は、好ましくは100質量部以上、より好ましくは200質量部以上である。
【0026】
[皮膚の凹凸部隠し方法]
本発明の凹凸部隠し用化粧料は、ファンデーション(おしろいを含む)の塗布前又は塗布後に、シワ・毛穴、傷等の皮膚の凹部分に塗布する。皮膚の凸部に用いる場合、凸部の先端と平面部との間に出来る隙間部分に塗布することが出来る。好ましくは、ファンデーションを塗布する前に、本発明の凹凸部隠し用化粧料を塗布する。しばらく塗布部を乾燥させ、膨潤型吸油性ポリマー及びバインダーを皮膚上に定着させた後に、膨潤型吸油性ポリマーを膨潤させることが出来る油性成分を含む化粧料を、前記塗布部位に接触させ、吸油性ポリマーを膨潤させることで、皮膚の凹凸部を隠す方法が好ましい。その後、ファンデーション等を塗布してもよい。バインダーを定着させることで、吸油性ポリマーをより固定化することができる。吸油性ポリマーを定着させた後、膨潤させることにより、シワ・毛穴等の表面をより平らに、滑らかにすることができる。
【0027】
前記吸油性ポリマーを膨潤させることが出来る油性成分を含む化粧料(以下、膨潤剤用化粧料という)とは、好ましくは膨潤させることができる油性成分を含む化粧料であるが、更に好ましくは10質量%以上、特に好ましくは15質量%以上の油性成分を含有する。この化粧料は、油中水型又は水中油型の乳化化粧料、あるいは油性化粧料等が挙げられる。ここで油性成分としては化粧品に使用できる油性成分であれば特に限定されない。具体的には、前記の膨潤型吸油性ポリマーの欄に記載した油性成分が挙げられる。
【0028】
更に、膨潤剤用化粧料は、膨潤後の吸油性ポリマーを固定するために、前述のバインダーを、1〜50質量%含有することが好ましい。水、粉体、着色剤、安定剤、防腐剤、界面活性剤等も含有していてもよい。
【0029】
また、本発明の凹凸部隠し用化粧料の塗布後に、膨潤剤用化粧料を用いずに、その後、ファンデーション等を塗布し、完成させることも出来る。
【0030】
塗布の方法は、例えば、指、あるいは筆、スポンジ等の道具を用いた塗布、スプレー等を用いた噴霧による塗布方法等が挙げられる。
【0031】
【実施例】
例中の%は、特記しない限り質量%である。
【0032】
合成例1(吸油性ポリマー粒子1の合成)
ビーカーに、水100g、ポリビニルアルコール(GH−17、日本合成(株)製)1gを入れ混合した。別のビーカーにメタクリル酸ステアリルを20g、エチレングリコールジメタクリレートを0.2g、過酸化ラウロイルを0.4g入れ攪拌した。過酸化ラウロイルを溶解した後、前述のポリビニルアルコール水溶液と混合し、ホモミキサーにより乳化を行った。乳化物を反応容器に入れ、窒素ガスにより溶存酸素を除去した後、乳化液を70℃に昇温し、6時間重合を行った。冷却後、デカンテーション、水洗を数回行った後、吸油性ポリマー粒子(以下吸油性ポリマー粒子1という)の水分散液を得た。この吸油性ポリマー1の固形分は50%、平均粒径は25μmであった(堀場製作所LA−910で測定)。また、一部を乾燥させ、スクアランを用いて吸油量を測定した結果、吸油量は4g/gであった。スクアランを用いた飽和膨潤状態の平均粒径は、37.5μmであった。
【0033】
合成例2(吸油性ポリマー粒子2の合成)
合成例1で得られた、吸油性ポリマー1/水分散液を濾過し、真空乾燥機(減圧、100℃、12時間)により乾燥した後、コーヒーミル、ジェットミルを用いて解砕、粉体化して、吸油性ポリマー粒子(以下吸油性ポリマー粒子2という)を得た。
【0034】
合成例3(バインダー1の合成)
反応容器に水150g、過硫酸アンモニウム0.5gを仕込み、窒素ガスを流して溶存酸素を除去した。滴下ロートにメタクリル酸メチル17g、アクリル酸n−ブチル80g、アクリル酸3gを仕込んだ。攪拌下に反応容器を75℃まで昇温し、滴下ロートより上記モノマーを3時間かけて滴下後、3時間熟成を行った。冷却後、NaOH水溶液によりアクリル酸の35%を中和し、濃縮した後、若干の凝集物を除去し、固形分50%のポリマーエマルジョン(以下バインダー1という)を得た。このエマルジョンの最低成膜温度を測定した結果、4℃以下であった。
【0035】
合成例4(バインダー2の合成)
ビーカーに水100g、アルキル硫酸エステル塩(エマール0、花王(株)製)2gを入れ混合した。別のビーカーにアクリル酸イソステアリル(大阪有機化学製)20g、エチレングリコールジメタクリレート0.2g、過酸化ラウロイル0.4gを入れ攪拌した。過酸化ラウロイルを溶解した後、前述のアルキル硫酸エステル塩水溶液と混合し、ホモミキサーにより乳化を行った。乳化物を反応容器に入れ、窒素ガスにより溶存酸素を除去した後、乳化液を70℃に昇温し、6時間重合を行った。冷却後、濾過によりポリマーを取り出し、水洗、アセトン洗浄を数回行った後、乾燥させ、粘着性のバインダー(以下バインダー2という)を得た。重合後、水分散液の状態での平均粒径は7μmであった(堀場製作所LA−910で測定)。
【0036】
処方例1
ビーカーに、バインダー1(固形分50%)を40g、合成例1で得られた吸油性ポリマー粒子1の水分散液(固形分50%)を120g加え、攪拌し、凹凸部隠し用化粧料を調製した。
【0037】
処方例2
ビーカーに、バインダー2を40g、デカメチルシクロペンタシロキサン(SH245、東レダウコーニング・シリコーン社製)を160g加え、6時間攪拌した後、合成例2で得られた吸油性ポリマー粒子2を40g加え、更に攪拌し、凹凸部隠し用化粧料を調製した。この化粧料をスライドグラスに塗布し、その上にスクワランを添加した所、キーエンス社製デジタルマイクロスコープVH−8000により、吸油性ポリマー粒子が膨潤するのが観察された。
【0038】
比較処方例1
ビーカーに、バインダー2を40g、デカメチルシクロペンタシロキサン(SH245)を160g加え、6時間攪拌した。別のビーカーに合成例2で得られた吸油性ポリマー粒子2を40g、スクワランを160g加え、6時間攪拌し、吸油性ポリマー粒子2を完全に膨潤させた後、前述のバインダー2のSH245溶液と混合し、更に攪拌し、比較の凹凸部隠し用化粧料を調製した。
【0039】
比較処方例2
ビーカーに、バインダー1(固形分50%)を40g、ポリエーテル変性シリコーン(SH3771、東レダウコーニング・シリコーン社製)を0.5g入れ、ホモディスパーにより攪拌しながら、ジメチルシロキサン塊状重合体(トスパール145A、GE東芝シリコーン社製)60gを加え、更に攪拌し、比較の凹凸部隠し用化粧料を調製した。
【0040】
処方例1〜2及び比較処方例1〜2で得られた凹凸部隠し用化粧料の組成をまとめて表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
処方例3
混合容器に、攪拌下、精製水59g、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(レオドールTW−S120、花王(株)製)1g、スクアラン20g、ジメチルシロキサン塊状重合体(トスパール145A)を20g順次ゆっくり滴下し、O/W乳化型の膨潤剤用化粧料を得た。
【0043】
実施例1〜2及び比較例1〜2
表2に示す凹凸部隠し用化粧料及び膨潤剤用化粧料を用い、下記の化粧法A及び化粧法Bにより化粧を行い、下記方法で、仕上がり、シワの隠蔽性、使用感を評価した。結果を表2に示す。
【0044】
<化粧法A>
洗顔後、凹凸部隠し用化粧料を目尻の大シワに適量(約米粒大)塗布し、乾燥後(約5分後)、その上から膨潤剤用化粧料を、筆を用いて適量塗布した。その後、おしろい(花王ソフィーナ・ファインフィット・フェースパウダー)を塗布し、化粧を完成させた。
【0045】
<化粧法B>
洗顔後、凹凸部隠し用化粧料を目尻の大シワに適量(約米粒大)塗布し、その後、前記おしろいを適量塗布し、化粧を完成させた。
【0046】
<評価方法>
・仕上がり
2名の専門パネラーにより、化粧後の仕上がり、すなわち、毛穴による肌の凹凸を以下の5段階で評価した。その平均点を求め、平均点が4以上を「◎」、3以上4未満を「○」、2以上3未満を「△」、2未満を「×」とした。
5:ほとんど目立たない
4:あまり目立たない
3:どちらともいえない
2:目立つ
1:非常に目立つ。
【0047】
・シワの隠蔽性
化粧を行った後、目尻のシワの隠蔽性を、2名の専門パネラーにより以下の5段階で評価した。その平均点を求め、平均点が4以上を「◎」、3以上4未満を「○」、2以上3未満を「△」、2未満を「×」とした。
5:ほとんど目立たない
4:あまり目立たない
3:どちらともいえない
2:目立つ
1:非常に目立つ。
【0048】
・使用感
2名の専門パネラーにより、化粧を行ったときの感触(皮膜感の有無)を以下の5段階で評価した。その平均点を求め、平均点が4以上を「◎」、3以上4未満を「○」、2以上3未満を「△」、2未満を「×」とした。
5:非常に良い
4:良い
3:どちらともいえない
2:やや悪い
1:悪い。
【0049】
【表2】
【0050】
【発明の効果】
含油量が飽和吸油量未満の状態の膨潤型吸油性ポリマーを含有する本発明の凹凸部隠し用化粧料は、小じわばかりか、250μm以上の大きなしわや毛穴、傷痕等も隠蔽することができる。更に、膨潤剤用化粧料を用いることにより、表面をより自然に平らに、滑らかに仕上げることができる。
Claims (8)
- 含油量が飽和吸油量未満の状態の膨潤型吸油性ポリマーを含有する、凹凸部隠し用化粧料。
- さらに、バインダーを含有する請求項1記載の凹凸部隠し用化粧料。
- 膨潤型吸油性ポリマーの飽和膨潤状態の平均粒径が、0.01〜100μmである請求項1又は2記載の凹凸部隠し用化粧料。
- 化粧料中の膨潤型吸油性ポリマーの含有量が、0.5〜80質量%である請求項1〜3いずれかの項記載の凹凸部隠し用化粧料。
- 膨潤型吸油性ポリマーの含有量が、バインダー100質量部に対して10〜2000質量部である、請求項2〜4いずれかの項記載の凹凸部隠し用化粧料。
- 膨潤型吸油性ポリマーが、架橋ポリ(メタ)アクリル酸エステルである、請求項1〜5いずれかの項記載の凹凸部隠し用化粧料。
- シワ及び/又は毛穴隠し用である請求項1〜6いずれかの項記載の凹凸部隠し用化粧料。
- 請求項1〜7いずれかの項記載の凹凸部隠し用化粧料を皮膚上に塗布後、膨潤型吸油性ポリマーを膨潤させることが出来る油性成分を含む化粧料を、前記塗布部位に接触させる、皮膚の凹凸部隠し方法。
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