JP2004208642A - 釣竿用穂先保護具 - Google Patents

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満男 今井
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Abstract

【課題】耐衝撃性および耐屈曲性に優れ、釣竿の穂先部分を確実に保護することのできる穂先保護具を提供すること
【解決手段】釣竿の穂先部をこの先端から所定長さにわたって内側に挟み込み、この穂先部を保護するため、穂先部の竿管方向に沿って延設され、穂先部を外力から保護する柔軟部材24と、竿管方向に沿って間隔をおいて配置され、それぞれがこの柔軟部材24を竿管に締付ける複数の固定用止め具16とを有する穂先保護具10。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、釣竿用穂先保護具に関し、特に、釣竿を仕舞った状態で搬送するときの耐衝撃性および耐屈曲性を向上させる穂先保護具に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、磯竿や渓流竿等の大径の振出式釣竿を収納状態で持ち歩く際、元竿管の先端から突出する先端を保護するためのガイドキャップが開発されている(例えば特許文献1参照)。
このガイドキャップは、円筒状キャップに長手方向の切り割り部とヒンジ部とを設け、内壁部に張り付けたスポンジ片でガイドを保護し、元竿管よりも突出するガイドを切り割り部に沿って形成した開口に収容し、掛け止め部によって、この円筒状キャップを元竿管に固定する。元竿管から抜出るのを防止するため、このガイドキャップは釣竿の竿口を受け止める突起部を内側部に形成してある。 このガイドキャップによれば、振出式釣竿を収納状態に保持し、収納した細径の竿管がある程度移動しても、内部に設けたスポンジ片で衝撃を緩和され、大きな力が作用しても、細径の竿管の損傷を防止することができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、例えば一体構造のルアーロッドあるいは船竿のように、仕舞った状態でも長いままの釣竿の場合には、その取扱いが困難であり、釣竿の輸送時あるいは釣場への移動時に、予想できないほど大きな衝撃が加わることがある。このような衝撃を受けた場合には、特に穂先部のような細径部が折れあるいは曲がりなどの破損を生じる。また、並継ぎ竿のように、元竿内に穂先竿を収納できない釣竿についても、これと同様な問題を生じる。
【0004】
本発明は、このような事情に基づいてなされたもので、耐衝撃性および耐屈曲性に優れ、釣竿の穂先部分を確実に保護することのできる穂先保護具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の穂先保護具は、釣竿の穂先部をこの先端から所定長さにわたって内側に挟み込み、この穂先部を保護する穂先保護具であって、穂先部の竿管方向に沿って延設され、穂先部を外力から保護する柔軟部材と、竿管方向に沿って間隔をおいて配置され、それぞれがこの柔軟部材を竿管に締付ける複数の固定用止め具とを有することを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1の(A)は本発明の好ましい実施形態による穂先保護具10を取外した状態の一体構造の釣竿8の全体を魚釣用リール6と共に示し、同(B)は穂先保護具10をこの釣竿8の穂先部を挟み込んで取付けた状態を示し、同(C)は釣竿8から魚釣用リール6も取外した状態すなわち釣竿8を仕舞った状態で釣場に携行しあるいは釣場から戻るときの状態を示す。
【0007】
図2に示すように、本実施形態の穂先保護具10は、例えばポリアミド、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)あるいはポリエチレン‐テレフタレート(PET)等の好適な布材あるいはシート材でその全体を袋状に形成された柔軟な外包部材12を有する。この外包部材12は、内側すなわち穂先部を挟み込む側の幅方向に沿う略中央部に、穂先部の竿管に対する摩擦抵抗を増大する滑り止め部材14を縫付けあるいは接着して配置し、外側すなわち釣竿8に取付けたときに外側となる側で、各滑り止め部材14と対応する位置に、この穂先保護具10を穂先部の竿管に締付ける固定用止め具16を取付けてある。本実施形態では、滑り止め部材14は、外包部材12の長手方向に沿って間隔をおいて3つ配置され、これに対応する3つの止め具16が滑り止め部材14の反対側に取り付けられている。この滑り止め部材は、竿管の表面に損傷を与えることなく、摩擦力を増大する例えば天然ゴム、合成ゴム、ポリ塩化ビニル(PVC)シート等の材料で形成するのが好ましい。
【0008】
また、本実施形態の止め具16のそれぞれは、基端部を外包部材12に固着された可撓性の帯状部材16aと、竿管に巻掛けた帯状部材16aの先端を保持する固定部材16bとを有する。この帯状部材16aは、外包部材12と同じ材料で形成しても良く、あるいは、別個の材料で形成してもよい。この止め具16は、フック状およびパイル状の布テープを帯状部材16aおよび固定部材16bに取付けた面ファスナーで形成するのが好ましい。これに代え、例えばジッパーファスナー、錠前、ボタン、紐、あるいはゴム等で形成することも可能である。これらの帯状部材16aおよび固定部材16bは、滑り止め部材14と同様に、縫付けあるいは接着等の適宜の手段で、この外包部材12に固定することができる。
【0009】
この外包部材12は、滑り止め部材14が取付けられた内側部と、止め具16が取付けられた外側部とを、幅方向の中央部で長手方向に沿って互いに固着され、後述する柔軟部材を収容するための2つの収容チャンバ18を形成されている。符号20は、これらの収容チャンバ18を区画する仕切り線を示す。
【0010】
これらの収容チャンバ18は、外包部材12の外側部を大きく弛ませ、これにより、この外包部材12を開いたときに、内側部すなわち滑り止め部材14を配置した側が平坦な状態となるように形成してある。換言すると、後述する柔軟部材をこの収容チャンバ18に収容したときに、これらの収容チャンバ18間に、外側に開口する溝22を形成し、これにより、仕切り線20を中心として、滑り止め部材14と共に外包部材12を内側に折畳むことができ、逆に、外側に折畳もうとしても、収容チャンバ18内に収容された柔軟部材が干渉し合って、折畳むことができないように形成してある。
なお、このような収容チャンバ18は、その両端部を例えば縫付けあるいは接着する等の適宜の手段で閉じておくことが好ましい。
【0011】
図2の(C)に示すように、収容チャンバ18内に収容される柔軟部材24は、略矩形の断面形状を有し、滑り止め部材14側を平坦面に形成されている。この柔軟部材24は、大きな衝撃あるいは力を受けても、挟み込んだ竿管を損傷させない耐衝撃性を有するものであれば、適宜の材料で形成することができ、例えばエチレン酢酸ビニル(EVA)、ポリエチレン(PE)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ウレタン等の発泡体で形成するのが好ましい。この他にも、例えば天然・合成ゴム、柔軟なポリ塩化ビニル(PVC)、あるいはコルク等を用いてもよい。更に、ポリアミド、ポリプロピレン(PP)、PE、PETあるいは綿(めん)等の繊維布を重ね合わせて形成してもよい。また、エアパッキン等の樹脂フィルム、あるいは線(わた)等の柔軟繊維で形成してもよい。いずれの材料で形成する場合も、穂先部に取り付けたときに、この穂先部にダレすなわち曲がり癖を与えない軽量構造に形成できることが好ましい。
【0012】
更に、この収容チャンバ18内には、柔軟部材24よりも硬質でかつこの柔軟部材24のほぼ全長に沿う保護部材26が、止め具16に隣接する側に収容してあり、この穂先保護具10に耐屈曲性を付与する。この硬質部材26は、柔軟部材24よりも薄肉の板状で軽量構造に形成するのが好ましい。このような硬質部材26を形成する材料は、木、鉄、銅、アルミニュームあるいは真鍮等の天然材料の他、PET、PP、ポリスチレン(PS)、ポリカーボネートあるいは硬質PVC等の合成樹脂で形成してもよい。更に、カーボン板等の繊維に樹脂を含浸させて加熱成形した複合材料で形成してもよい。
【0013】
この穂先保護具10は、釣竿8の仕舞ったときの釣竿の全長寸法すなわち全体が一方の竿管で形成された一体構造の釣竿の場合には、その全長、並継ぎ竿の場合には、穂先竿の全長に沿う略3〜50%の範囲で穂先部を覆うように形成するのが好ましい。これは、穂先部分の竿管径が細い竿の場合は、竿管自体が柔らかく、したがって穂先保護具10の重さで、先がダレる可能性があるためである。このため、竿、特に穂先部の調子が硬い場合は、10%以下に形成してもよく、逆に、柔らかければ30%以上に形成することが好ましい。
【0014】
この穂先保護具10を釣竿8に取付ける場合は、滑り止め部材14が配置されている内側を開き、先端のトップガイドがこの穂先保護具10から突出しないように、穂先部をこの外包部材12の内側部上に載置する。次いで、仕切り線20を中心としてこの穂先保護具10を折畳み、穂先部を挟み込んだ状態で、止め具16により、この穂先保護具10を釣竿8に締付け、図1の(B)および(C)に示す状態に固定する。取外す場合は、止め具16を解放するだけでよく、したがって、穂先部に対する着脱を簡単に行うことができる。
【0015】
このように、穂先保護具10を釣竿8に締付けて固定した状態では、柔軟部材24が止め具16と穂先部との間に介挿されているため、穂先部は点当たりではなく、面当たりの状態で穂先保護具10と接触し、釣糸ガイドが取付けられて凹凸が形成されている場合でも、釣糸ガイドを損傷することなく、穂先部を確実に保持する。また、軸方向に間隔をおいて配置された複数の止め具16により、穂先部の軸方向に沿ってほぼ均等に保持力が作用し、強固に固定することができると共に、大きな衝撃力にも耐えることができる。また、柔軟部材24よりも硬質の保護部材26がこの柔軟部材24と止め具16との間に配置されているため、柔軟部材24の広い範囲にわたって締付け力を作用させると共に、この穂先保護具10に耐屈曲性を付与し、これにより、穂先部が容易に折れ曲って破損するのを防止する。
【0016】
このような柔軟部材24と保護部材26とを収容する外包部材12が柔軟構造に形成されているため、穂先保護具10の端部が穂先部に集中荷重を作用させることもなく、これによる穂先部の破損が防止される。そして、このような外包部材12に形成した収容チャンバ18内に柔軟部材24と保護部材26とを収容することで穂先保護具10を形成することができることにより、この穂先保護具10を簡単かつ安価に製造することができ、しかも、柔軟部材24および保護部材26の損傷が防止されることにより、長期にわたって繰返し使用することができ、極めて経済的である。
【0017】
また、止め具16に対応して滑り止め部材14が配置されているため、止め具16の締付け力が滑り止め部材に効果的に作用し、穂先部に対してこの穂先保護具10が軸方向にずれ難く、したがって移動中に穂先部あるいは穂先保護具10が抜出ることもない。釣竿の調子に合わせて、硬い場合は短くし、柔らかい場合は長くすることにより、竿先のダレを防止しつつ好適に保護する。
したがって、この穂先保護具10は、耐衝撃性および耐屈曲性に優れ、釣竿の穂先部分を確実に保護することができる。
【0018】
次に、図3から図12に示す種々の実施形態について説明する。なお、これらの実施形態も、上述の実施形態と基本的には同じであるため、同様な部位には同様な符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0019】
図3は、滑り止め部材14および止め具16をそれぞれ長手方向に間隔をおいた2箇所に配置した実施形態を示す。他は、上述と同様である。また、図4は、収容チャンバ18内の柔軟部材24の種々配置例を示し、図4の(A)は柔軟部材24と保護部材26とを入換えた例、同(B)は柔軟部材24の両側に保護部材26を配置した例、同(C)は柔軟部材24のみを配置した例を示す。なお、図4の(B)とは逆に、保護部材の両側に柔軟部材を配置してもよく、図4の(C)とは逆に、保護部材のみを配置してもよい。
【0020】
図5は、図2に示す実施形態と同様であるが、収容チャンバ18を3つ設けてある。この場合には、より太い径の竿管に取付けることができる。勿論、収容チャンバ18を4つ以上設けることも可能である。図6は、これとは逆に、収容チャンバ18を1つのみ設けた実施形態を示す。この実施形態では、硬質の保護部材26に、この穂先保護具10の幅方向に間隔をおいて、長さ方向に延びる切込みを多数形成し、これにより、穂先部の竿管に巻き付け、止め具16で締め付け固定することができる。
【0021】
図7は、穂先保護具10の軽量化を図ったものであり、滑り止め部材14と止め具16とを2箇所に設け、収容チャンバ18は、長手方向に区画し、一端側の収容チャンバ18には保護部材26のみを収容し、他端側の収容チャンバ18には、柔軟部材24と保護部材26とを収容し、その中間の収容チャンバは空となっている。これにより、必要最低限度の柔軟部材24のみを配置する。この場合は、より軽量の保護部材26のみを配置した収容チャンバ18が穂先側となるように取付けることが好ましい。
【0022】
図8は、図7とは逆に、穂先部の最も弱い部分の屈曲性を考慮し、穂先側に対応する部分に硬質の保護部材26を2枚あるいはそれ以上設けたものである。保護部材26の枚数を増やすことに代え、その厚さを増大してもよく、柔軟部材24の数あるいは厚さを増やしてもよい。
【0023】
図9は、外包部材12を省略し、柔軟部材24の両側に保護部材26を固定すると共に、柔軟部材24に切り込み25を形成したものである。この切り込み25に穂先部を挟み込み、止め具16で締め付けることができる。この柔軟部材24が穂先部に接触し、滑り止め部材として作用する。この場合の止め具16は、帯状部材16aを切り込み25を設けた側から巻き付けることが好ましい。あるいは、複数回にわたって巻き付けてもよい。柔軟部材24と保護部材26とは一体成形することが望ましいが、別個に形成して縫製、接着、カシメ等の手段で一体物として使用することもできる。
図10から図12は、図9と同様な実施形態を示す。
図10の実施形態は、切り込み25の両側に保護部材26を埋設し、図11の実施形態では、保護部材26を断面半円状に形成し、その内部に柔軟部材24を収容してある。また、図12に示す実施形態では、図11の柔軟部材24と保護部材26とを外包部材12に収容してある。
【0024】
なお、上述の各実施形態は、それぞれ組合せることも可能であり、例えば、図12に示す断面半円状の柔軟部材24と保護部材26とを収容する収容チャンバ18を長手方向に沿って複数のチャンバに区画することも可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上明らかなように、本発明によると、極めて簡単かつ安価に製造可能でありながらも、耐衝撃性および耐屈曲性に優れ、釣竿の穂先部分を確実に保護することのできる穂先保護具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい実施形態による穂先保護具を取付ける釣竿およびこの釣竿に取付けた状態を示す概略図。
【図2】図1に示す穂先保護具の詳細を示し、(A)は内側から見た展開図、(B)は外側から見た展開図、(C)は(A)のC−C線に沿う断面図。
【図3】他の実施形態による穂先保護具の図2と同様な詳細説明図。
【図4】種々の実施形態による穂先保護具の収容チャンバ内を示す断面図。
【図5】更に他の実施形態による穂先保護具の図2と同様な詳細説明図。
【図6】更に他の実施形態による穂先保護具の図2と同様な詳細説明図。
【図7】更に他の実施形態による穂先保護具の詳細を示し、(A)は内側から見た展開図、(B)は外側から見た展開図、(C)は(A)のC−C線に沿う断面図、(D)は(A)のD−D線に沿う断面図。
【図8】他の実施形態による穂先保護具の図7と同様な詳細説明図。
【図9】更に他の実施形態による穂先保護具の詳細を示し、(A)は内側から見た展開図、(B)は外側から見た展開図、(C)は(B)のC−C線に沿う断面図。
【図10】他の実施形態による穂先保護具の図9と同様な詳細説明図。
【図11】他の実施形態による穂先保護具の図9と同様な詳細説明図。
【図12】更に他の実施形態による穂先保護具の図2と同様な詳細説明図。
【符号の説明】
10…穂先保護具、12…外包部材、14…滑り止め部材、16…止め具、24…柔軟部材、26…保護部材。

Claims (6)

  1. 釣竿の穂先部をこの先端から所定長さにわたって内側に挟み込み、この穂先部を保護する穂先保護具であって、穂先部の竿管方向に沿って延設され、穂先部を外力から保護する柔軟部材と、竿管方向に沿って間隔をおいて配置され、それぞれがこの柔軟部材を竿管に締付ける複数の固定用止め具とを有することを特徴とする穂先保護具。
  2. 前記柔軟部材が穂先部を挟み込んだときに、この柔軟部材の外側に配置され、この柔軟部材よりも硬質の保護部材を有し、前記止め具は、この保護部材を介して前記柔軟部材を竿管に締め付けることを特徴とする請求項1に記載の穂先保護具。
  3. 前記柔軟部材を単独で、又は、柔軟部材と保護部材との双方を収容する外包部材を有し、この外包部材が屈曲することで、前記柔軟部材を竿管の周部に配置可能であることを特徴とする請求項1又は2に記載の穂先保護具。
  4. 前記外包部材は、それぞれが前記柔軟部材を単独で、又は、柔軟部材と保護部材との双方を一緒に収容する複数の収容チャンバを有する袋状に形成されることを特徴とする請求項3に記載の穂先保護具。
  5. 前記竿管に接触する側で、前記外包部材の外面に取付けられた滑り止め部材を有することを特徴とする請求項3又は4に記載の穂先保護具。
  6. 釣竿を仕舞ったときのこの釣竿の全長寸法に対して3〜50%の範囲の長さを有することを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の穂先保護具。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008245627A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Daiwa Seiko Inc 外ガイド付き釣竿の穂先部保護具
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