JP2004222655A - 釣竿用カバー部材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】このカバー部材1は、魚釣りに用いる釣竿を構成する竿体に装着するための部材であり、内部に竿体を収納するための空間を有する略筒状体であり長手方向の一方が開口している本体部2と、本体部2の開口側周縁に設けられたこの開口を締め付けて本体部1を竿体上に固定する面ファスナ3とを有する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚釣りに用いる釣竿を構成する竿体の周面に装着するカバー部材に関する。特に、このカバー部材は釣人が竿体を把持する部分に装着するためのものである。
【0002】
【従来の技術】
最近の魚釣りに用いる釣竿を構成する竿体は、炭素繊維などの強化繊維に合成樹脂を含浸させたプリプレグ素材から構成されている。これらの竿体の周面にはリールを装着するためのリールシートや、このリールからの釣糸を案内する釣糸ガイドなどが設けられている。また、釣人はこのような釣竿によって釣りを行う際にはリールシート付近や竿体の竿元側端部を把持するので、これらリールシート付近若しくは竿元側端部には弾性体からなるグリップが装着されていることもある。
【0003】
ところで、釣竿を操作する際に釣人が把持する位置は人によって異なり、また、釣人によってはこのようなグリップが装着されることを逆に欲しない者もある。そこで、このようなグリップを釣人が任意に装着できるように、脱着式のグリップ片も提供されている(特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−206281号公報(図2.図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記グリップ片は竿体の周面に接着固定するものであり、釣りをおこなう機会毎のグリップ片の脱着は必ずしも容易ではない。また、係るグリップ片は竿体周面を全周にわたって覆うものではなく、全周面にわたってグリップ感を演出しているものでもない。
【0006】
さらに、上述のように繊維強化樹脂からなる竿体は、屋外で用いるものであり特に冬場などでは直接把持すると冷たい。このような冷感も排除できるようなグリップの提供が求められている。
本発明の課題は、グリップ感に優れ脱着も容易なグリップとなるカバー部材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
発明1のカバー部材は、魚釣りに用いる釣竿を構成する竿体に装着するための部材であって、内部に竿体を収納するための空間を有する略筒状体であり長手方向の一方が開口している本体部と、本体部の開口側周縁に設けられた開口を締め付けて本体部を竿体上に固定する締着部材とを備える。
【0008】
釣人は、必要に応じて、カバー部材の本体部開口からその内に、釣竿の中で最も竿元側に位置する竿体の竿元側端部を挿入し、締着部材で開口を締め付けて、本体部を竿体上に固定する。このようにして取り付けたカバー部材を介して、釣人は釣竿の竿元側端部を把持し、釣り操作を円滑に行うことができる。
発明2のカバー部材は、魚釣りに用いる釣竿を構成し周面にリールを脱着自在に装着可能なリールシートを有する竿体に装着するための部材であって、竿体の周面を覆う屈曲自在な略矩形型であり長手方向の中央付近が最も幅狭である本体部と、本体部の長手方向両端にそれぞれ設けられた本体部を幅方向に締め付けて本体部を竿体上に固定する締着部材とを備える。
【0009】
釣人は、必要に応じて、カバー部材の本体部をその長手方向を竿体の軸方向にあわせて、竿体のリールシート付近に巻き付けて固定する。即ち、竿体のリールシートの載置面にリールの脚部を載置して固定し、その載置面と反対側から竿体を覆うようにして本体部を巻き付ける。本体部の長手方向中央付近の最も幅狭な部分をリールの脚部にあわせ、本体部の長手方向両端の締着部材で本体部を締め付けて、竿体上に固定する。このようにして取り付けたカバー部材を介して、釣人は釣竿のリールシート付近を把持し、釣り操作を円滑に行うことができる。
【0010】
発明3のカバー部材は、発明1又は2の部材であって、本体部の内周面には滑止部材が設けられている。
本体部内の滑止部材が、本体部を竿体周面に装着した際の不要なズレを抑える。
発明4のカバー部材は、発明1〜3の何れかの部材であって、締着部材は、紐体若しくは本体部の周面に配置された面ファスナである。
【0011】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1及び図2に示すように、本発明の第1実施形態を採用したカバー部材1は、釣竿Rの竿元側端部に装着する部材である。この釣竿Rは、筒状体である竿体を複数個連結して一本の釣竿となっており、例えば、最も手元側に大径の元竿が配置され、順次、その穂先側に元上竿,中竿,穂先竿等が連結される。各竿体は炭素繊維やガラス繊維にエポキシ樹脂等を含浸させてプリプレグ素材を焼成してなり、並継形式若しくは振出形式で連結される。
【0012】
カバー部材1は、本体部2と、本体部2の表面及び裏面の所定の位置それぞれ貼り付け固定されている面ファスナ3とからなる。
本体部2は、表面(外側面)にレザー、裏面(内側面)にウレタンゴム等ゴム材を貼り合わせた屈曲自在なものである。両面の間に中間層を介在させてもよい。裏面のゴム材はその面状に細かい凹凸を形成しエンボス加工などを施しても良い。後述のようにこの裏面側に竿体Rを収納するので、竿体Rとの滑り止めの趣旨である。また、表面にも釣人が把持する際の滑り止めのために、凹凸を型押しなどしてもよく、さらに、本体部2には滑り止め乃至汗蒸れ防止のために通気孔を貫通させてもよい。この場合、裏面側の摩擦係数が表面側の摩擦係数より大きくなるように設定しておく。
【0013】
この本体部2は、内部に竿体Rを収納するための空間を有する略筒状体であり長手方向の一方が開口している。この開口から長手方向に大きなスリットが入り込んでいる。このスリットは長手方向長さの60〜80%程度の距離まで入り込む。なお、本体部2の開口及びスリットなどの端縁は破損防止のために縁取りを施してもよい。
【0014】
このような本体部2の開口周縁には一対の面ファスナ3が貼り付けられている。一方の面ファスナ3がスリットの入った一方側の裏面に、他方の面ファスナ3がスリットの入った他方側の表面にそれぞれ貼り付けられている。なお、この面ファスナ3は相互に貼り合わせた際に、外表面に面ファスナの一部が露出しないように、外側に被覆する側を内側に位置する面より大きめに設定するのがよい。面ファスナを相互に貼り合わせた後にも面ファスナの一部が外部に露出していると、糸絡みやゴミの付着等の問題が生じるからである。
【0015】
図2に示すように、釣人は、必要に応じて、本体部2のスリットを開いて開口からその内に釣竿Rの中で最も竿元側に位置する竿体の竿元側端部を挿入する。そして、スリットの入った幅方向両側から本体部を締め、開口を締め付けて、面ファスナ3を貼り合わせて、本体部2を釣竿Rの竿体上に固定する。このようにして取り付けたカバー部材1を介して、釣人は釣竿Rの竿元側端部を把持し、釣り操作を行う。
【0016】
このようなカバー部材1は、釣人のグリップ感を向上させると共に釣竿Rの竿元側端部を保護することにもなる。また、このカバー部材1は釣竿Rの竿元側端部を覆っており、この竿元側端部を腹部などに当てて釣人が釣り操作を行う際にも、滑り止め効果や腹部が痛くなることなどを抑える効果を奏する。
【0017】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図3及び図4に示すように、本発明の第2実施形態を採用したカバー部材5は、釣竿Rのリールシート10付近に装着する部材である。この釣竿Rの最も竿元側に位置する元竿の周面には、リールを脱着自在に装着するためのリールシート10が取り付けられている。一般に、リールシート10は、リールの脚部を載置するために釣竿Rの軸方向に延びる載置面、載置面の軸方向一端に形成されたフード状の固定フード、載置面の軸方向他端に軸方向にスライド移動自在に設けられた移動フードを有する。載置面にリールの脚部を載せて、固定フードと移動フードとでリールの脚部を挟持して固定する。
【0018】
カバー部材5は、本体部6と、本体部6の表面及び裏面の所定の位置それぞれ貼り付け固定されている面ファスナ7とからなる。
本体部6は、釣竿Rの竿体の周面を覆う略矩形型でありって、第1実施形態と同様の屈曲自在な部材である。本体部6の長手方向の中央付近が最も幅狭となるように、本体部6の長辺は長手方向中央付近が凹入するように湾曲している。なお、裏面のゴム材には第1実施形態と同様にエンボス加工などを施しても良く、さらに、表面にも凹凸や通気孔を設けても良い。
【0019】
このような本体部6の長手方向両端には、それぞれ一対の面ファスナ7が貼り付けられている。具体的には、一対の面ファスナ7のうちの一方の面ファスナが幅方向一端側の裏面に、他方の面ファスナが幅方向他端側の表面にそれぞれ貼り付けられている。この面ファスナが相互に貼り合わせた際にファスナ面が外部に露出しないように工夫するのが好ましい点も、第1実施形態と同様である。
【0020】
図4に示すように、釣人は、リールシート10にリール(図示せず)を所定の方法で装着した後に、必要に応じて、カバー部材5の本体部6をその長手方向を釣竿Rの軸方向にあわせて、竿体のリールシート10付近に巻き付けて固定する。詳しく述べれば、竿体のリールシート10の載置面にリールの脚部を載置して固定し、その載置面と反対側から竿体を覆うようにして本体部6を巻き付ける。本体部6の長手方向中央付近の最も幅狭な部分(長辺の凹入している部分)をリールの脚部にあわせ、本体部6の長手方向両端で本体部を締め付けて、面ファスナ7をそれぞれ貼り合わせて、本体部6を竿体上に固定する。このようにして取り付けたカバー部材5を介して、釣人は釣竿のリールシート10付近を把持し、釣り操作を円滑に行うことができる。
【0021】
[他の実施形態]
(a)上記実施形態では、面ファスナを用いた場合を例示しているが、これに代えて紐体を利用することもできる。例えば、上記第1実施形態において、本体部2の開口の端縁を折り返して縫い合わせ、紐収納空間を形成する。この紐収納空間内に紐体を挿通させて、紐体の両端はそれぞれ外部に露出させておく。この紐を締め付けることで、本体部2を竿体上に固定することができる。
若しくは、本体部2の開口周縁に周方向にベルトを配置する手法もある。ベルトの一端を本体部に連結しておき、他端には面ファスナを設けておく。このベルを本体部2と共に竿体に巻き付けて、本体部2を竿体上に締付できる。
【0022】
(b)釣竿の竿元側に装着するカバー部材にあっては、その厚さを部分的に変化させてもよい。例えば、図5及び図6に示すように、このカバー部材11は、本体部12のスリットが形成される方向の断面視において、このスリットの形成される方向(長手方向)の竿元側の一部分がこの長手方向を長辺とする断面楕円型となっている(図6(A)参照)。また、この長手方向に対して直交する方向の断面視においても、この方向を長辺とするような断面楕円型にする(図6(B)参照)。釣竿にカバー部材11を装着した後のグリップ感を向上させる。カバー部材11の厚肉化はポリウレタン素材等のゴム素材,プラスチック,金属,木材,粘土などを本体部12内に介在させる方法、又は内面側に別途貼り付ける等の方法で実現可能である。
【0023】
(c)リールシート付近に装着するカバー部材にあっては、本体部にスリットを形成して、このスリットからリールシートに装着したリールの脚部を外部に露出可能にすることも可能である。例えば、図7に示すように、このカバー部材15では、略矩形型の本体部16の中央付近に長さ方向に延びるスリット16aが形成される。このスリット16aの長さは、リールの脚部の取り付け面のおよそ2分の1程度の長さとするのがよい。このスリット16aの周縁は補強用に縫合してもよい。また、このスリット15aは単なる割りではなく、長さ方向中央付近が最も幅広となるような楕円型としてもよい。さらに、スリット16aは本体部16の中央付近に幅方向に延びるように形成してもよい。
リールシートにリールを装着しておき、このスリット16aにリールのスプールや脚部を挿通させた上で、本体部16をリールシート付近の竿体周面に装着する。
【0024】
【発明の効果】
本発明にかかるカバー部材は、グリップ感に優れ脱着も容易なグリップとなり、これを竿体に装着することで釣り操作を円滑に為し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を採用したカバー部材1を示した図。
【図2】図1のカバー部材1を釣竿Rに装着した図。
【図3】本発明の第2実施形態を採用したカバー部材5を示した図。
【図4】図3のカバー部材5を釣竿Rに装着した図。
【図5】他の実施形態を採用したカバー部材11を示した図。
【図6】図5のカバー部材11のA−A断面図(A)と、B−B断面図(B)。
【図7】他の実施形態を採用したカバー部材11を示した図。
【符号の説明】
1,5,11,15 カバー部材
10 リールシート
R 釣竿
Claims (4)
- 魚釣りに用いる釣竿を構成する竿体に装着するための部材であって、
内部に前記竿体を収納するための空間を有する略筒状体であり長手方向の一方が開口している本体部と、
前記本体部の開口側周縁に設けられた前記開口を締め付けて前記本体部を前記竿体上に固定する締着部材と、
を備えるカバー部材。 - 魚釣りに用いる釣竿を構成し周面にリールを脱着自在に装着可能なリールシートを有する竿体に装着するための部材であって、
前記竿体の周面を覆う屈曲自在な略矩形型であり長手方向の中央付近が最も幅狭である本体部と、
前記本体部の長手方向両端にそれぞれに設けられ前記本体部を幅方向に締め付けて前記本体部を前記竿体上に固定する締着部材と、
を備えるカバー部材。 - 前記本体部の内周面には滑止部材が設けられている、請求項1又は2に記載のカバー部材。
- 前記締着部材は、紐体若しくは前記本体部の周面に配置された面ファスナである、請求項1〜3の何れかに記載のカバー部材。
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