JP2004208580A - 消泡装置付きタンク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液体5を収容するタンク本体2と,タンク本体2に発生する泡6を吸引して消泡する消泡部9を有する消泡装置4とを備える消泡装置付きタンク1において、消泡装置4はタンク本体2の内部に上下方向に設置された複数の吸引口7aを備えるようにした。タンク本体2の液面5aの高さを検出する検出部14と、検出部の出力に基づいて複数の吸引口7aのうちいずれかを選択する選択部15とを備えるようにした。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体を収容するタンク本体内に発生する泡を消泡する消泡装置付きタンクに関する。
【0002】
【従来の技術】
タンク内に収容した液体と好気性微生物とを反応させて工業的に薬や食品などの有用物の生産を行う生物反応タンクが知られている。このような生物反応タンクにおいては、タンク内に空気を吹き込み、又、反応液を攪拌して生物反応を活性化しているため、微生物は盛んに代謝物を生成し、タンク内の液面上に泡を常時発生させることになる。この泡の発生を放置すると、蓄積された泡がタンク内に充満して排気口から噴出したり、タンクと接続された次工程へのラインを閉塞させるだけでなく、泡が発生した分だけ反応液が減少して生産性が低下していた。更に、無菌反応タンクの場合には、排気管やフィルターなどに付着した泡がタンク内に戻ることにより、雑菌汚染を引き起こす原因となっていた。
【0003】
このため、従来は、様々な方法でタンク内に発生する泡を消すような技術が提案されている。例えば、タンク内に界面活性剤やシリコン系またはアルコール系薬剤などの消泡剤を添加することで消泡する方法、特殊な羽根形状を持つ攪拌機で消泡する方法、特開平11−9903号公報で示すような、タンク外に取り付けたサイクロンや邪魔板などを用いた消泡装置で破泡してからタンク内に戻す方法、流水またはスプレー水で消泡する方法などがある。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−9903号公報(第3頁、第1図)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、消泡剤により消泡する方法では、消泡剤が非常に高価であるためランニングコストが増大する。また、残留した消泡剤が後処理工程等に悪影響を与えてしまう問題があった。また、撹拌羽根により消泡する方法、及び槽外に消泡装置を取り付けた方法は、効率のよい消泡方法であるが、消泡装置がタンクの上部に取り付けられるために、例えば、流加培養法の様に液面が時間経過と共に変化して液面が低くなった場合には、泡がタンクの上部まで達しないため消泡できないという問題があった。更に、流水やスプレー水による消泡では、消泡能力が低く、常時発生する泡に対応できないという問題があった。また、泡の蓄積をある程度予定しなければならないので、タンクの容積のうち、泡でとられる容積を確保する分だけ処理液を減らす必要があるので効率的なタンクの利用が難しいという問題があった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みて、液面の高さに対応して泡を吸引し、消泡することを可能とし、また、消泡剤を不要としてランニングコストを低く抑えることが可能な消泡装置付きタンクを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の消泡装置付きタンクでは、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
請求項1の発明は、液体を収容するタンク本体とタンク本体に発生する泡を吸引して消泡する消泡部を有する消泡装置とを備える消泡装置付きタンクにおいて、消泡装置が、タンク本体の内部に、上下方向に配置された複数の吸引口を備えるようにした。この発明によれば、上下方向に配置された複数の吸引口のいずれかから、タンク本体内に発生した泡が吸引されるため、タンク本体内の液面が低い場合や液面の高さが変動した場合であっても、液面に対応する吸引口を用いることで確実に消泡を行うことができる。
【0008】
請求項2の発明は、消泡装置が、タンク本体内の液面の高さを検出する検出部と、検出部の出力に基づいて複数の吸引口のうちいずれかを選択する選択部とを備えるようにした。この発明によれば、タンク本体内の液面の高さが変動しても検出部により、これを検出し、検出結果から吸引口を選ぶため、消泡の自動化を容易かつ簡単に実現できる。
【0009】
請求項3の発明は、消泡装置が、複数の吸引口毎に消泡部を備えるようにした。この発明によれば、各吸引口が消泡部を備えるため、いずれの吸引口から泡を吸引しても独立した消泡部で消泡されることになり、消泡を確実に行うことが可能となる。
【0010】
請求項4の発明は、液体を収容するタンク本体とタンク本体に発生する泡を吸引して消泡する消泡部を有する消泡装置とを備える消泡装置付きタンクにおいて、消泡装置が、タンク本体の内部に設けた吸引口を上下方向に移動させる移動機構を備えるようにした。この発明によれば、移動機構を操作することにより、吸引口を液面から所望の高さとなる位置まで移動できるため、タンク本体内の液面が低い場合や液面の高さが変動した場合でも吸引口の高さを移動させることで効率よく消泡することができる。
【0011】
請求項5の発明は、移動機構が、タンク本体内の液面の高さを検出する検出部を備え、検出部の出力に基づいて駆動するようにした。この発明によれば、タンク本体内の液面が低い場合や液面の高さが変動した場合には、液面の高さを検出部で検出し、その出力に応じて移動機構が吸引口を液面から一定の高さとなる位置に容易に移動させることができ、消泡の自動化を容易かつ簡単に実現できる。
【0012】
請求項6の発明は、移動機構が、吸引口を液体から所定の高さで保持するように浮かんだ状態の浮体構造物を有するようにした。この発明によれば、液面の高さの変動に従って浮体構造物が上下するので、消泡装置の吸引口を液面から一定の高さとなる位置に容易に保持することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。図1は本発明に係る第1の実施形態を示す消泡装置付きタンクの断面図である。図1において符号1は消泡装置付きタンクである。消泡装置付きタンク1は、内部に液体5を収容するタンク本体2と、タンク本体2の上壁に固着されてタンク本体2内の液体5を攪拌する攪拌装置3と、タンク本体2内に充満する泡6を消泡する消泡装置4とからなる。
【0014】
タンク本体2は、略円柱形に形成され、その内部に液体5を収容する。タンク本体2の大きさは、その液体5の種類、量などにより様々な大きさのものが用いられ、材質も金属、プラスチックなど様々なものが用いられる。図示しないが、タンク本体2には、液体5をタンク本体2内に注入する注入口、液体5を次工程に送り出す排出口が設けられ、また、液体5と反応させる微生物や触媒などを投入する投入口、微生物に酸素を送るための吸気口、タンク本体2の上部に溜まったガスを外部に放出する排気口などが設けられる。
【0015】
攪拌装置3は、モータ3aとシャフト3bと攪拌羽根3cとからなる。攪拌装置3は、タンク本体2の上部に取り付けられ、モータ3aからシャフト3bが延び、その先端に取り付けた攪拌羽根3cがタンク本体2内の液体5に浸るようになっている。そして、モータ3aでシャフト3bを回転させることにより、攪拌羽根3cが回転し、液体5を攪拌できるようになっている。攪拌羽根3cの形状、枚数、取り付け位置は、液体5の種類や用途などにより変えることができる。また、タンク本体2の大きさにより、攪拌装置3を複数用いる場合もある。攪拌運転も常時行う場合や定期的に一定時間運転させる場合などがある。
【0016】
消泡装置4は、吸引部7、泡受入タンク8、消泡部9、液化受け部10、処理液タンク11、処理液移送ポンプ12、移送管13からなる。タンク本体2内に発生した泡5は、吸引部7から吸引されて泡受入タンク8内に溜められる。泡受入タンク8内に溜まった泡6が消泡部9によって消泡されて液体にもどる。その液体は液化受け部10内を通って処理液タンク11内に流れ込む。そして、処理液液タンク11内に溜まった液体は、処理液移送ポンプ12により移送部13からタンク本体2内に戻るようになっている。
【0017】
吸引部7は、タンク本体2の上壁及び側壁に複数の吸引口7aを備え、各吸引口7aは上下方向に高さが異なるように配置される。そして、夫々の吸引口7aから外部に連結された管7bには、開閉弁7cが備えられ、これら全ての管7bが一本の管に接続された後に泡受入タンク8に連結する。これにより、生物反応によりタンク本体2内に泡6が大量に発生し、充満すると、タンク本体2内に発生した泡6は、泡6と接している吸引口7aから管7bを通って泡受入タンク8に流れ込むようになっている。なお、泡6は、後述する消泡部9の消泡羽根9cが回転することにより吸引されるが、この吸引力が弱い場合には、泡受入タンク8の直前に吸引ポンプを設けて、強制的に泡6を吸引する場合もある。
【0018】
また、各吸引口7aから連結された管7bに開閉弁7cを設けたため、例えば、タンク本体2内の液体5の液面5aが低い場合には、上方及び液体5中の吸引口7aにつながる開閉弁7cを閉めて、下方の吸引口7aのみから泡6を吸引するなど、液面5aの高さに応じて泡6を吸引する吸引口7aを選択できるようになっている。なお、選択された吸引口7a以外のものを閉じることにより、泡6の吸引力低下等が防止される。
【0019】
開閉弁7cの開閉は、タンク本体2の上面に設けたセンサ(検出部)14により液面5aを感知し、センサ14からの信号S1を選択部15で処理して、各開閉弁7cに信号S2を送って自動で行うようになっている。なお、センサ14には、超音波センサ、レーザセンサ等が用いられる。また、これらのセンサに代えて、タンク本体2の下方にロードセルを配置し、液体5の重量を計測して液面5aの高さを計算することも可能である。また、センサ14や選択部15を用いることに限定されず、開閉弁7cの開閉は手動で行うことも可能である。なお、開閉弁7cを設けるか否かは任意である。
【0020】
また、吸引口7aの数は、例えば、液面5aの高さの変化量が大きい場合には、配置間隔を狭くして、その数を多くするなど、泡6の発生の程度に応じて変更できる。更に、吸引口7aの設置位置は、一定間隔で設ける必要はなく、不均等に配置する場合もある。そして、液面5aの変動が予測できる場合には、その変動する範囲に吸引口7aを配置すれば足りる。
【0021】
図2は、図1の消泡装置付きタンク1における泡受入タンク8、消泡部9、液化受け部10部分を拡大した断面図である。泡受入タンク8は、円筒形の側壁と下方に向けた円錐形の底部を有する。泡受入タンク8の側壁には、吸引部7から送られてくる泡6を導入する泡導入口8aが設けられている。そして、泡受入タンク8の上面には、導入された泡6を消泡部9に送り出すために大きく開けられた泡送出口8bが設けられている。一方、底部の最下部には、泡受入タンク8内に溜まった泡6がつぶれて液化したものを処理液タンク11に排出できるように排液口8cが設けられている。
【0022】
消泡部9は、モータ9aとシャフト9bと消泡羽根9cとからなり、消泡羽根9cが泡受入タンク8の泡送出口8bから送り出される泡6と接触する位置に配置される。そして、モータ9aでシャフト9bを回転させることにより、シャフト9b先端の消泡羽根9cを高速に回転させて、消泡羽根9cに接触した泡6を吹き飛ばすようになっている。このように、泡6が消泡羽根6cにより吹き飛ばされ、破泡して液体にもどる。
【0023】
液化受け部10は、円筒形の側壁10aを有し、その側壁10aが消泡部9の消泡羽根9cの外周方向に位置するように設置される。また、その底部は傾斜を持つように形成され、最下部に液体を排出する排液口10bが設けられている。これにより、消泡羽根9cにより泡6が破泡して液化すると共に消泡羽根9cの回転により放射状に飛び散って、側壁10aに衝突するようになっている。そして、その液体が側壁10aに沿って流れ落ち、底部の排液口10bから処理液タンク11へ排出されるようになっている。なお、底部が傾斜を持つのは、液体が液化受け部10内に溜まらずに流れやすくするためである。
【0024】
図1に戻り、処理液タンク11は、泡受入タンク8および液化受け部10の下方に設けられ、泡受入タンク8および液化受け部10から排出された液体が上部から流れ込み、処理液タンク11内に収容されるようになっている。そして、処理液タンク11の下方に移送管13が接続され、処理液移送ポンプ12を経由してタンク本体2の上壁に連結される。これにより、処理液タンク11内の液体は、処理液移送ポンプ13により強制的に移送管13を通ってタンク本体2内に戻されるようになっている。
【0025】
このような構成により、タンク本体2内の液面5aが低い場合や、液面5aの高さが変動した場合には、その液面5aの高さに応じて、上下方向に配置された複数の吸引口7aのうちの液面5aより上方かつ近い吸引口7aを手動または自動で開くとともに他の吸引口7aを閉じて、タンク本体2内に発生した泡6を吸引し、消泡することができる。従って、泡6を効率よく消すことができるため、液面5aを高くして運転可能となり、タンク本体2の処理効率を高めることができる。なお、泡6の発生が多い場合など、2以上の吸引口7aを開いて泡6を吸引することは任意である。
【0026】
そして、消泡剤を使用しないので、ランニングコストを低く抑え、かつ、後処理工程等に悪影響を与えることが無くなる。更に、消泡部9に消泡能力の高い羽根式消泡装置を用いているので、効率よくタンク本体2内に発生する泡6を液化することができ、結果として、生物反応が良好に行われ、生産効率を高くすることができる。
【0027】
図3は、本発明に係る第2の実施形態を示す消泡装置付きタンクの断面図である。消泡装置付きタンク21は、タンク本体22、攪拌装置23、消泡装置24からなる。タンク本体22、攪拌装置23は、第1の実施形態で用いられたタンク2、攪拌装置3と同様の構成を持つものが用いられる(図1参照)。そして、複数の消泡装置24がタンク本体22の側壁に上下方向に設置高さが異なるように複数設けられる。
【0028】
図4は、図3における消泡装置24の拡大図である。消泡装置24は、吸引部27、消泡部28、液化受け部29とからなる。吸引部27から吸引された泡26が、消泡部28および液化受け部29において液化されてタンク本体22に戻るようになっている。
【0029】
吸引部27は、L字形に形成された管であり、一方の端部が下方に向けられた吸引口27aとなってタンク本体22内に発生した泡26を吸引する。そして、吸引された泡26が泡送出口27bを介して消泡部28に向けて送り出されるようになっている。
【0030】
消泡部28は、モータ28aとシャフト28bと消泡羽根28cとからなり、第1の実施形態で用いられた消泡部9とほぼ同一の構成を持つものが用いられる(図2参照)。そして、消泡羽根28cが吸引部27から送り出される泡26に接触する位置に配置され、水平方向を回転軸とした状態でタンク本体22に固定される。なお、第1の実施形態の場合と同様に、泡26が回転する消泡羽根28cに接触することにより、吹き飛んで液化するようになっている。
【0031】
液化受け部29は、壁面29aが消泡羽根28cの外周方向に位置するように設けられ、消泡羽根28cに接触して吹き飛んだ泡26が、液体となって壁面29aに衝突するようになっている。そして、液化受け部29の最下部には排出口29bが設けられ、液体が壁面29aに沿って流れ落ち、排出口29bからタンク本体22に戻るようになっている。
【0032】
このような構成により、タンク本体22内の液面25aが低い場合や、液面25aの高さが変動した場合には、上下方向に設けた複数の消泡装置24のうちの吸引口27aが液面25aより上方かつ近い消泡装置24により、確実にタンク本体22内の泡26を吸引し、消泡することができる。なお、タンク本体22に設けたセンサ(検出部)30が出力する信号S3(液面25aの高さ)に基づいて選択部31で運転させる消泡装置24を選び、信号S4を出力して消泡装置24を切り替える場合の他、運転させる消泡装置24を手動で切り替えたり、2台以上の消泡装置24を同時に運転させる場合もある。
【0033】
そして、複数の消泡装置24を用いたことで、タンク本体22外に1台の消泡装置を設けた場合にくらべて、消泡装置24自体を小型化することができる。また、タンク本体22に、直接、消泡装置24を取り付けることで、パイプ類が省略でき、構造を簡素化できてラインの汚染を防止することが可能となる。
【0034】
図5は、本発明に係る第3の実施形態を示す消泡装置付きタンクの断面図である。消泡装置付きタンク41は、タンク本体42、攪拌装置43、消泡装置44、移動機構47とからなる。タンク本体42、攪拌装置43は、第1の実施形態で用いられたタンク2、攪拌装置3と同一の構成をもつものが用いられる(図1参照)。そして、消泡装置44は、消泡装置44を上下方向に移動させる移動機構47を介してタンク本体42の内部に設置される。
【0035】
図6は、図5における消泡装置44と移動機構47の拡大図である。消泡装置44は、第2の実施形態で用いられた消泡装置34を垂直方向に設置するように変形させたものである。すなわち、吸引部48は真っ直ぐな管であり、吸引口48aの上方に泡送出口48bが設けられる。そして、その上方には消泡部49が設けられている。消泡部49及び液化受け部50は、第2の実施形態で用いられた消泡部28、液化受け部29と同一の構成のものが用いられる(図4参照)。そして、液化受け部50の排出口50bは、液化受け部50の最下部に設けられ、消泡された液体をタンク本体42に戻すようになっている。
【0036】
なお、消泡部49のモータ49aに空気圧モータを用いることにより、無菌反応槽内であっても使用することができる。このとき、フッ素樹脂製のチューブ等を用いて駆動源に空気を送ることにより、タンク本体42内の汚染を防止してもよい。なお、モータ49aとして油圧モータ、電気モータを用いることも可能である。
【0037】
移動機構47は、消泡装置44を固定するステージ47a、ステージ47aを案内するガイド軸47b、ステージ47aおよび消泡装置44を上下方向に移動させるネジ軸47c、ネジ軸を駆動するモータ47dとからなる。ステージ47aには、ガイド軸47bに嵌合するガイド穴部47eと、ネジ軸47cに嵌合するナット部47fとが備えられる。
【0038】
図5に戻り、タンク本体42の上部には、ネジ軸47cと連結するモータ47dが設置される。モータ47dが回転するとネジ軸47cが回転し、その回転によりナット部47fを設けたステージ47aが消泡装置34とともに水平状態を維持しながら、上下方向に移動できるようになっている。そして、タンク本体42に設けたセンサ(検出部)51が出力する信号S5(液面45aの高さ)に基づいて制御部52からの信号S6がモータ47dに出力され、消泡装置44の吸入口48aが液面45aから所定の高さに位置するようにモータ47dの駆動を制御している。
【0039】
また、移動機構47には、図示のものに代えてリニアモータを用いる他に、ラックピニオン方式やワイヤを使って上下させるクレーン方式の移動機構を用いることもできる。
【0040】
このような構成により、タンク本体42内の液面45aが低い場合や、液面45aの高さが変動した場合には、移動機構47が消泡装置44を液面近くまで移動させることにより、消泡装置44の吸入口48aが液面45aから所定の高さに位置するようになるので、タンク本体42内の泡46を確実に吸引し、消泡することができる。なお、移動機構47の位置は、センサ51及び制御部52を用いて自動で設定する他、手動によっても行うことができる。
【0041】
図7は、本発明に係る第4の実施形態を示す消泡装置付きタンクの断面図である。消泡装置付きタンク61は、タンク本体62、攪拌装置63、消泡装置64、移動機構としてのフロート部(浮体構造物)67とからなる。タンク本体62、攪拌装置63、消泡装置64は、第3の実施形態で用いられたタンク本体42、攪拌装置43、消泡装置44と同一の構成のものが用いられる(図5及び図6参照)。そして、タンク本体62内の液面65a上に、消泡装置64が浮かべられた状態で設置される。
【0042】
フロート部67は、消泡装置64を固定するステージ67aと浮体部67bとガイド部67cとからなる。ステージ67aの下方に浮体部67bが配置され、その浮力により消泡装置64の吸引口64aが常に液面65aから一定の高さに保持されるようになっている。そして、ステージ67aの一部と嵌合するようにガイド部67cがほぼ垂直方向に設けられ、消泡装置64が液面65aの揺れに影響されずに消泡運転を行えるようになっている。なお、浮体部67bには、内部を空洞にした浮きの他、発砲スチロール、木材などの比重が軽い材質からなるものが用いられる。
【0043】
このような構成により、タンク本体62内の液面65aが低い場合や、液面65aの高さが変動した場合であっても、フロート部67が液面65aと共に上下して消泡装置64の吸引口64aを常に液面65aから所定の高さに位置させることができる。従って、簡単な構造で、タンク本体62内の泡66を確実に消泡装置64により吸引し、消泡することができる。
【0044】
なお、第3及び第4の実施形態において、消泡装置44,64をタンク本体42、62の内部に設置することに代えて、消泡装置44,64をタンク本体42、62外に設置してもよい。この場合、消泡装置44、64から伸縮可能なチューブまたはフレキシブルチューブからなる吸引管をタンク本体42、62内に延ばし、そのチューブの先端をそれぞれのステージ47a、67aに固定するような形態も可能である。
【0045】
また、上記した第1〜第4の実施形態において、消泡装置4,24,44,64の駆動検として、油圧モータ、電気モータ、空気モータ等を用いることが可能である。更に、消泡装置4,24,44,64の駆動検として個別にモータを用いることに限定されず、例えば、攪拌装置3,23,43,63の駆動源(モータ)を用いるようにしてもよい。この場合、駆動力の伝達にベルト、ギア等が用いられる。
なお、本発明では、生物反応タンクに限らず、機械加工を行う際に用いられるクーラント液を回収するタンクや、し尿や汚水を浄化する浄化槽など泡の発生が問題となる全てのタンクに適用することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上、説明したように、請求項1に係る発明は、液体を収容するタンク本体とタンク本体に発生する泡を吸引して消泡する消泡部を有する消泡装置とを備える消泡装置付きタンクにおいて、消泡装置が、タンク本体の内部に、上下方向に配置された複数の吸引口を備えるようにした。このため、タンク本体内に発生した泡が複数の引口のいずれかから吸引され、タンク本体内の液面が低い場合や液面の高さが変動した場合であっても、液面の高さに対応する吸引口を用いることで確実に消泡を行うことができる。
【0047】
また、消泡剤を使用しないので、ランニングコストを低く抑え、かつ、後処理工程等に悪影響を与えることが無くなる。その結果、生物反応が良好に行われるようになるので生産効率を高くすることができる。更に、効率よく消泡されるため、液面上の泡の高さを低く維持することができ、タンク本体内の液面を高くした状態で運転することが可能となって、タンク本体内を効率よく使用することができる。
【0048】
請求項2の発明は、消泡装置が、タンク本体内の液面の高さを検出する検出部と、検出部の出力に基づいて複数の吸引口のうちいずれかを選択する選択部とを備えるようにした。このため、タンク本体内の液面の高さが変動しても、検出部により、これを検出し、検出結果から吸引口を選ぶため、消泡の自動化を容易かつ簡単に実現できる。
【0049】
請求項3の発明は、消泡装置が、複数の吸引口毎に消泡部を備えるようにした。このため、いずれの吸引口から泡を吸引しても独立した消泡部で消泡されることになり、消泡を確実に行うことができる。また、複数の吸引口毎に消泡部を備えるようにしたので、タンク本体外に1台の消泡部を設けた場合にくらべて、消泡部自体を小型化することができる。また、タンク本体に、直接、消泡部を取り付けることで、パイプ類が省略でき、構造を簡素化できてラインの汚染を防止することができる。
【0050】
請求項4の発明は、液体を収容するタンク本体とタンク本体に発生する泡を吸引して消泡する消泡部を有する消泡装置とを備える消泡装置付きタンクにおいて、消泡装置が、タンク本体の内部に設けた吸引口を上下方向に移動させる移動機構を備えるようにした。このため、移動機構を操作することによって、吸引口を液面から所望の高さとなる位置まで移動でき、タンク本体内の液面が低い場合や液面の高さが変動した場合でも吸引口の高さを移動させることで効率よく消泡することができる。
【0051】
また、消泡剤を使用しないので、ランニングコストを低く抑え、かつ、後処理工程等に悪影響を与えることが無くなる。その結果、生物反応が良好に行われるようになるので生産効率を高くすることができる。
【0052】
請求項5の発明は、移動機構が、タンク本体内の液面の高さを検出する検出部を備え、検出部の出力に基づいて駆動するようにした。このため、タンク本体内の液面が低い場合や液面の高さが変動した場合には、液面の高さを検出部で検出し、その出力に応じて移動機構が吸引口を液面から一定の高さとなる位置に容易に移動させることができ、消泡の自動化を容易かつ簡単に実現できる。
【0053】
請求項6の発明は、移動機構が、吸引口を液面から所定の高さで保持するように浮かんだ状態の浮体構造物を有するようにした。このため、液面の高さの変動に従って浮体構造物が上下し、消泡装置の吸引口を液面から一定の高さとなる位置に容易に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る消泡装置付きタンクを示す断面図である。
【図2】図1における消泡装置付きタンクの要部を拡大した断面図である。
【図3】本発明の第2の一実施形態に係る消泡装置付きタンクを示す断面図である。
【図4】図3における消泡装置付きタンクの要部を拡大した断面図である。
【図5】本発明の第3の一実施形態に係る消泡装置付きタンクを示す断面図である。
【図6】図5における消泡装置付きタンクの要部を拡大した断面図である。
【図7】本発明の第4の実施形態に係る消泡装置付きタンクを示す断面図である。
【符号の説明】
1、21、41、61 消泡装置付きタンク
2,22,42,62 タンク本体
4,24,44,64 消泡装置
5a、25a、45a,65a 液面
6,26,46,66 泡
7a、27a、48a、64a 吸引口
9、28、49 消泡部
14、30,51 センサ(検出部)
15、31 選択部
47 移動機構
67 フロート部(浮体構造物)
Claims (6)
- 液体を収容するタンク本体と該タンク本体に発生する泡を吸引して消泡する消泡部を有する消泡装置とを備える消泡装置付きタンクにおいて、前記消泡装置は、前記タンク本体の内部に、上下方向に配置された複数の吸引口を備えることを特徴とする消泡装置付きタンク。
- 前記消泡装置は、前記タンク本体内の液面の高さを検出する検出部と、該検出部の出力に基づいて前記複数の吸引口のうちいずれかを選択する選択部とを備えることを特徴とする請求項1に記載に消泡装置付きタンク。
- 前記消泡装置は、前記複数の吸引口毎に前記消泡部を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載に消泡装置付きタンク。
- 液体を収容するタンク本体と該タンク本体に発生する泡を吸引して消泡する消泡部を有する消泡装置とを備える消泡装置付きタンクにおいて、前記消泡装置は、前記タンク本体の内部に設けた吸引口を上下方向に移動させる移動機構を備えることを特徴とする消泡装置付きタンク。
- 前記移動機構は、前記タンク本体内の液面の高さを検出する検出部を備え、該検出部の出力に基づいて駆動することを特徴とする請求項4に記載の消泡装置付きタンク。
- 前記移動機構は、前記吸引口を液面から所定の高さで保持するように浮かんだ状態の浮体構造物を有することを特徴とする請求項4に記載の消泡装置付きタンク。
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