JP2004208553A - 半固形食品盛り付け装置 - Google Patents

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薫 星出
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Abstract

【課題】盛り付け機構を構成する部材の洗浄を極力不要として、販売効率の向上等を可能とした半固形食品盛り付け装置を提供すること。
【解決手段】半固形食品盛り付け装置において、盛り付け装置1は、盛り付け容器Cを保持して略水平面内において移動させる容器移動手段6と、容器移動手段6を昇降させる昇降手段とを具備し、容器移動手段6は、盛り付け容器Cを保持する保持部15を有する保持機構と、該保持機構を駆動する駆動手段とを具備し、保持機構の保持部15は、食品(ソフトクリーム)供給部3から食品が垂下状態で供給される供給位置と該供給位置から離脱した離脱位置との間で移動可能となっている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソフトクリーム、ホイップクリーム、ムース、ババロアなどの半固形状の冷果等の半固形食品を盛り付け容器に自動的に盛り付ける半固形食品盛り付け装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の半固形食品、例えばソフトクリーム等は、その盛り付け作業は人手に頼ることが殆どであり、しかも常に形良く一定量盛り付けるには熟練が要求される。すなわち、盛り付け容器であるコーン(円錐状盛り付け容器)に対して例えば「とぐろ巻き」にして形良く一定量のソフトクリームを盛り付ける場合、その形状を一定にすることが難しい。加えて、多量に販売するには一つの製品の盛り付けに長時間を割く訳にはいかず、迅速且つ確実に盛り付けを行うことを要求され、販売員は盛り付け作業に熟練していることが要求される。
【0003】
ところが、販売店の事情によっては販売員にアルバイト等の短期間雇用の労働者をあてることが多く、ソフトクリームの盛り付けに十分な熟練度を期待することができないという問題がある。また、熟練を積んだ販売員が少数である場合には販売員のローテーションを十分に調整できないおそれがあり、又、熟練を積んだ販売員が退職してしまうと当該作業を引継ぐ販売員の養成に長時間を要し、効率的な販売が阻害されるという不都合が生ずる。
【0004】
そこで、従来から、ソフトクリーム等冷菓の盛り付けを自動化する試みがなされており、それを実現させる装置として、例えば特許文献1に開示された半固形食品盛り付け装置がある。図8はこの半固形食品盛り付け装置の要部を示す図である。
【0005】
図示するように、半固形食品盛り付け装置は、半固形食品としての冷菓を押し出す冷菓押出機構100、及び盛り付け機構110を備えている。盛り付け機構110は冷菓押出機構100の下方に配置されており、冷菓を盛り付けるコーンを保持する容器保持台111と、この容器保持台111を駆動する駆動部112とを有している。この駆動部112は、容器保持台111を上下方向に駆動するための上下方向駆動部と、容器保持台111を回転駆動するための回転方向駆動部とを具備している。容器保持台111は図9に示すように、コーンを支持する容器支持枠113と冷菓受け皿114からなる。
【0006】
上記構成の装置においては、冷菓押出機構100から冷菓、例えばソフトクリームを押し出し、同時に上記駆動部112によってコーン120を図10(a)に示すように螺旋状軌跡を描きつつ下降させる。このようにコーン120を動かすためには、図10(b)に示すように上下移動(矢印M1)と回転方向移動(矢印M2)との二つの動きで行う。これにより、コーン120にソフトクリームがとぐろをなすように盛り付けられる。
【0007】
上記した半固形食品盛り付け装置においては、冷菓受け皿114が設けられ、冷菓押出機構100から漏洩する冷菓を受け止めるようになっている。この冷菓受け皿114は盛り付け機構110本体に対して着脱自在とされ、漏洩し溶けた冷菓が溜まったら取り外して洗浄することができるようになっている。
【0008】
一方、容器支持枠113に関しては、冷菓押出機構100から漏洩した冷菓が落下する位置にあることから、漏洩冷菓の接触を回避する形状に形成されている。しかしながら、漏洩冷菓の付着を完全に防止することは困難であるため、冷菓受け皿114と同様にこの容器支持枠113も盛り付け機構110本体に対して着脱自在として洗浄することができるようになっている。
【0009】
しかしながら、冷菓受け皿114の洗浄が可能であっても、比較的複雑な形状の容器支持枠113を逐一取り外して洗浄し、再び取り付ける作業は、繁忙期には煩わしく、洗浄作業中は盛り付け・販売を停止しなければならず、販売効率の低下となるという問題がある。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−209526号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであって、その目的は盛り付け機構を構成する部材の洗浄を極力不要として、繁忙期に洗浄のため盛り付け作業及び販売停止等販売効率の低下となる原因を排除し、販売効率の向上等を可能とした半固形食品盛り付け装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、半固形状態の食品を供給する食品供給手段、前記食品を盛り付ける盛り付け容器を保持して前記食品供給手段から供される食品を該盛り付け容器に盛り付ける盛り付け手段、及び前記食品供給手段及び盛り付け手段の動作を制御する制御部とを備えた半固形食品盛り付け装置において、前記盛り付け手段は、前記盛り付け容器を保持して略水平面内において移動する容器移動手段と、該容器移動手段を昇降させる昇降手段とを具備し、前記容器移動手段は、前記盛り付け容器を保持する保持部を有する保持機構と、該保持機構を駆動する駆動手段とを具備し、前記保持機構の前記保持部は、前記食品供給手段から食品が垂下状態で供給される供給位置と該供給位置から離脱した離脱位置との間で移動可能となっていることを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の半固形食品盛り付け装置において、前記保持機構は、略水平面内で揺動自在でその自由端部に前記盛り付け容器を支えるアーム部材を具備することを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載の半固形食品盛り付け装置において、前記保持機構は、前記昇降手段の作動部に略水平面内で揺動自在に装着された第1アーム部材と、該第1アーム部材の自由端部に略水平面内で揺動自在に装着された第2アーム部材と、前記作動部に略水平面内で揺動自在に装着された第3アーム部材と、該第3アーム部材の自由端部に略水平面内で揺動自在に装着されて自由端部にて前記第1アーム部材の自由端部に対して略水平面内において枢動自在に装着された第4アーム部材とを具備し、前記駆動手段は前記第1アーム部材に駆動力を付与する第1駆動力付与手段と、前記第3アーム部材に駆動力を付与する第2駆動力付与手段とを具備することを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半固形食品盛り付け装置において、前記容器移動手段は前記盛り付け容器をしてすりこぎ運動を行わせるすりこぎ運動手段を有することを特徴とする。
【0016】
請求項1に記載の発明においては、前記保持機構の前記保持部が、前記食品供給手段から食品が垂下状態で供給される供給位置と該供給位置から離脱した離脱位置との間で移動可能となっているから、保持部が該離脱位置にあるとき、食品供給手段から食品が漏洩して落下しようとも、該保持部に付着しないで通過する。
【0017】
また、請求項2に記載の発明においては、請求項1記載の半固形食品盛り付け装置において、前記保持機構が、略水平面内で揺動自在にしてその自由端部にて前記盛り付け容器を支えるアーム部材を具備する。このアーム部材は比較的細い部材であるから、アーム部材の自由端部(保持部)に対して落下する食品の付着を回避するためになされる移動は僅かである。
【0018】
また、請求項3に記載の発明においては、請求項2記載の半固形食品盛り付け装置において、前記保持機構が、第1アーム部材、第2アーム部材、第3アーム部材、第4アーム部材の4本のアーム部材を有することから、盛り付け容器及びこれに盛り付けられる食品をしっかりと支えることが可能となる。
【0019】
また、請求項4に記載の発明においては、前記容器移動手段が、その具備するすりこぎ運動手段によって前記盛り付け容器をすりこぎ運動させるから、半固形食品を盛り付け容器にとぐろ巻き状態で盛り付けるに好適である。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態例を図面に基づいて説明する。なお、本実施形態例においては、半固形状の食品としてソフトクリームを例に説明するが、本発明における半固形食品とは、ソフトクリームの他、ホイップクリーム、ムース、ババロアなどといった他のクリーム状の冷菓や、餡などの練り製品系の菓子、あるいは水ようかんなどの寒天またはゼラチンを用いた菓子等が含まれる。つまり、上記半固形食品とは、ある程度の保形性を有しているものの、外力によって容易にその形状を変えることができる変形性(可塑性)を有する食品を指すものとする。
【0021】
図1及び図2は、本発明に係る半固形食品盛り付け装置の一例であるソフトクリーム盛り付け装置の全体構成例を示す図で、図1は外観斜視図、図2は側面図である。図示するように、当該ソフトクリーム盛り付け装置1はケーシング2を具備して、該ケーシング2内の上部には食品供給手段としてのソフトクリーム供給部3を設けており、該ソフトクリーム供給部3の下方には盛り付け手段4が配置されている。
【0022】
上記ソフトクリーム供給部3の構成は一般的なものである。すなわち、ソフトクリームを製造し、又製造したソフトクリームSをノズル3aを通じて押し出して供給する機能を有しており、その構成及び機能はよく知られている故に、ここでは説明を省略する。
【0023】
上記盛り付け手段4は、食品、つまりソフトクリームが盛り付けられるべき盛り付け容器としてのコーンCを保持して上記ソフトクリーム供給部3から供されるソフトクリームSを該コーンCに盛り付けるためのものであり、昇降手段5と、容器移動手段6とを具備する。昇降手段5は容器移動手段6を昇降させるものであり、ケーシング2内の下部から中央部にかけて延存して配置されている。これら昇降手段5及び容器移動手段6は次のように構成されている。
【0024】
先ず、容器移動手段6について説明する。図3は盛り付け手段4の構成、すなわち昇降手段5及び容器移動手段6等の構成を示す図で、図3(a)は平面図、図3(b)は側面図である。容器移動手段6は、コーンCを保持して水平面内又は略水平面内において移動させるものであり、ここでは5角形スカラー型ロボットである。5角形スカラー型ロボットは、ちょうど人間の胸から両腕と同様の動きをなすもので、本実施例の場合、右腕の手首を左腕の手でつかんだ形態である。
【0025】
具体的には、5角形の1辺として人間の胸に相当する基体部10、5角形の他の2辺として右腕に相当する第1アーム部材11及び第2アーム部材12、5角形の残る2辺として左腕に相当する第3アーム部材13及び第4アーム部材14を有している。これら基体部10、第1アーム部材11、第2アーム部材12、第3アーム部材13及び第4アーム部材14を、コーンCを保持するものとして、保持機構と総称する。コーンCは、第2アーム部材12の自由端部に設けられた保持部15により保持される。該保持部15は、例えば合成樹脂等を素材として円筒状に形成され、その中空部にコーンCの下端部を挿入できるようになっている。
【0026】
上記保持機構の構成を更に詳しく説明する。図3(a)、(b)から明らかなように、上記基体部10は当該ソフトクリーム盛り付け装置を側面から見た形状がL字状となっており、水平に伸びる下端部10aを有している。この下端部10aには支持ピン10bが植設されており、上記第1アーム部材11は、該支持ピン10bに対し、一端部にて、ベアリングを介して水平面内、又は略水平面で揺動自在に取り付けられている。また、上記第2アーム部材12は、その一端部に支持ピン12bが植設されており、該支持ピン12bにより、ベアリングを介して第1アーム部材11の自由端部に水平面内又は略水平面内で揺動自在に装着されている。
【0027】
一方、上記第3アーム部材13及び第4アーム部材14も、上記第1アーム部材11及び第2アーム部材12とほぼ同様に基体部10に対して取り付けられている。すなわち、上記基体部10の下端部10aには、上記支持ピン10bに隣接してもう一本の支持ピン(図示せず)が植設されており、第3アーム部材13は、該支持ピンに対し、一端部にて、ベアリングを介して水平面内、又は略水平面で揺動自在に取り付けられている。また、第4アーム部材14は、その一端部に支持ピン14bが植設されており、該支持ピン14bにより、ベアリングを介して第3アーム部材13の自由端部に水平面内又は略水平面内で揺動自在に装着されている。
【0028】
そして、上記第4アーム部材14は、その自由端部が、上記第2アーム部材12の自由端部近傍に設けられた支持ピン12cに対し、ベアリングを介して水平面内又略水平面内において枢動自在に装着されている。
【0029】
次に、上記のように構成された保持機構を駆動する駆動手段に関して説明する。なお、上記容器移動手段6は、これら保持機構及び駆動手段からなる。該駆動手段は、図3(a)、(b)に示す第1駆動力付与手段21及び第2駆動力付与手段22とからなる。第1駆動力付与手段21は上記第1アーム部材11に駆動力を付与し、第2駆動力付与手段22は第3アーム部材13に駆動力を付与する。
【0030】
上記第1駆動力付与手段21は、第1アーム部材11を軸支する支持ピン10bの上方に該支持ピン10bと同軸に配置された動力伝達軸21aを有する。この動力伝達軸21aは、その下端部にて第1アーム部材11にボルトにより固定されている。なお、図3(a)に示すように、動力伝達軸21aは、その上端部近傍において上記基体部10により、ベアリングを介して回転自在に支持されている。動力伝達軸21aの上端部にはウォームホィール21bが嵌着されており、該ウォームホィール21bにウォーム21cが噛合している。該ウォーム21cは、モータ21dの出力軸21eに嵌着されている。該モータ21dは、上記基体部10に取り付けられている。第1駆動力付与手段21は、これら動力伝達軸21a、ウォームホィール21b、ウォーム21c及びモータ21dにより構成される。
【0031】
上記第2駆動力付与手段22は、第1駆動力付与手段21と同様に構成されている。すなわち、第2駆動力付与手段22は、第3アーム部材13を軸支する支持ピン(図示せず)の上方に該支持ピンと同軸に配置された動力伝達軸22aを有する。この動力伝達軸22aは、その下端部にて第3アーム部材13にボルトにより固定されている。なお、動力伝達軸22aは、その上端部近傍において上記基体部10により、ベアリングを介して回転自在に支持されている。動力伝達軸22aの上端部にはウォームホィール22bが嵌着されており、該ウォームホィール22bにウォーム22cが噛合している。該ウォーム22cは、モータ22dの出力軸22eに嵌着されている。該モータ22dは、上記基体部10に取り付けられている。第2駆動力付与手段22は、これら動力伝達軸22a、ウォームホィール22b、ウォーム22c及びモータ22dにより構成される。
【0032】
上述した構成の5角形スカラー型ロボットすなわち容器移動手段6においては、上記モータ21d及びモータ22dを適宜作動させることにより、第1アーム部材11、第2アーム部材12、第3アーム部材13及び第4アーム部材14が動く。容器移動手段6の動作において、第2アーム部材12の先端に設けられた保持部15の中心が動き得る最大のエリアを、図3(a)において参照符号A(二点鎖線にて囲まれる範囲)で示す。なお、参照符号23で示すのは、第1アーム部材11及び第3アーム部材13と当接して両アーム部材の動く範囲を画定するストッパーである。
【0033】
図3(a)から明らかなように、保持部15は、前述したソフトクリーム供給部3からソフトクリームSが垂下状態で供給される供給位置P1と、該供給位置P1から離脱した位置、例えば位置P2、P3との間で移動可能となっている。
よって、盛り付け作業完了後には上記保持部15を上記離脱位置P2又はP3に位置させるようにすれば、ソフトクリーム供給部3から溶けたソフトクリームが漏洩して落下しても、保持部15を含む保持機構には接触・付着せずに通過する。従って、頻繁な洗浄は受け皿(図示せず)のみを行えばよく、保持機構に関する洗浄は不要となる。従って、販売員は頻繁に必要とされる洗浄作業が不要となり販売に力を注ぐことができ、販売効率が向上する。
【0034】
続いて、上記容器移動手段6を昇降させる昇降手段5(容器移動手段6と共に盛り付け手段4を構成する)の構成について詳述する。
【0035】
図3(a)、(b)に示すように、昇降手段5は、水平に延在するベース部材25と、該ベース部材25上に垂直に固設されたフレーム26とを有している。
図4(a)〜(e)は昇降手段5の要部を示す図である。図4(a)〜(e)から明らかなように、フレーム26の内側面には一対の案内プレート26aが互いに対応して設けられており、これら案内プレート26aにより昇降自在に案内される作動部としてのテーブル27を有する。上記容器移動手段6は、このテーブル27に取り付けられる。具体的には、容器移動手段6が具備する基体部10が該テーブル27に対してボルトにて締結・固定される。
【0036】
上記フレーム26内に、ねじ軸28aが垂直に設けられている。このねじ軸28aは、その上端部においてフレーム26に対してベアリングを介して回転自在に取り付けられている。該ねじ軸28aに該ねじ軸28aと共に送りねじを構成するナット28bが螺合しており、このナット28bは上記テーブル27に対して固定されている。なお、送りねじとしては、すべりねじ又はボールねじが採用される。
【0037】
図3(a)、(b)に示すように、上記フレーム26の上端に、ブラケット29が側方に張り出すようにして設けられている。このブラケット29の先端部下面にはモータ30が取り付けられている。そして、該モータ30の出力軸に歯付ベルト車31aが嵌着されている。一方、上記ねじ軸28aの上端部にも歯付ベルト車31bが嵌着されており、両歯付ベルト車31a、31bとには歯付ベルト31cが掛け回されている。
【0038】
上記した構成の昇降手段5においては、上記モータ30を正回転又は逆回転させることにより、ねじ軸28aが正回転又は逆回転し、ナット28b及びテーブル27が一体に昇降し、従って容器移動手段(5角形スカラー型ロボット)6が昇降する。
【0039】
図5は、当該ソフトクリーム盛り付け装置の動作制御系を示す図である。図示のように、上記ソフトクリーム供給部(食品供給手段)3、盛り付け手段4(容器移動手段6及び昇降手段5からなる)の動作を制御するCPU(制御部)35を有する。該CPU35は、具体的には、ソフトクリーム供給手段3、盛り付け手段4が備える各モータの動作制御をなす。
【0040】
次に、上述した構成のソフトクリーム盛り付け装置1全体としての動作を、図6を参照しつつ説明する。
【0041】
販売員が当該ソフトクリーム盛り付け装置1の操作パネル(図示せず)上の盛り付け開始スイッチを押すと、容器移動手段6すなわち5角形スカラー型ロボットが作動し、図3(a)における離脱位置P2又はP3に位置決めされていた保持部15がソフトクリーム供給部3のノズル3aの下、つまり、ソフトクリームSが垂下状態で供給される供給位置P1に移動する。
【0042】
この状態で、販売員が、上記保持部15上にコーンCを置く。コーンCが保持部15上に装着されたことが図示しないセンサー等により検出されると、ソフトクリームの盛り付けが開始される。すなわち、上記昇降手段5が作動し、容器移動手段6の上昇に伴ってコーンCが上昇し、コーンCの開口部がソフトクリーム供給部3のノズル3aの近傍の所定位置まで上昇する。すると、ソフトクリーム供給部3が作動してノズル3aからソフトクリームSが供給され始める。このソフトクリームSの供給に伴って容器移動手段6及び昇降手段5が適宜作動し、コーンCが図10(b)に示すように下移動(矢印M1)と回転方向移動(矢印M2)の二つの動きで、図10(a)に示すように螺旋状軌跡を描きつつ下降し、その結果、図6に示すように、コーンCにソフトクリームSが盛り付けられる。
【0043】
ソフトクリームSの盛り付けが完了すると、容器移動手段6が作動して、その製品、つまりソフトクリームSが盛り付けられたコーンCが離脱位置(例えば図3(a)で示すP2)に運ばれて位置決めされる。販売員は、このコーンCを保持部15から外して客に渡せばよい。
【0044】
販売員が再び盛り付け開始スイッチを押すまでは、保持部15は上記離脱位置P2に待機する。
【0045】
なお、上述した実施例においては、コーンCを保持して略水平面内で移動させる容器移動手段が5角形スカラー型ロボットである場合を示したが、これに限定するものではない。例えば、人間の右腕と同様の動きをするスカラー型ロボットを使用してもよいし、アーム部材を有する他の種々の構成のロボットを用いることが可能である。つまり、水平面内又は略水平面内において揺動自在で、その自由端部にてコーンCを支えるアーム部材を含むタイプであることが好ましい。アーム部材は比較的細い部材であるから、アーム部材の自由端部(保持部)に対して落下する食品の付着を回避するためになされる移動は僅かである。従って、装置全体としての小型化が図られる。
【0046】
但し、上記5角形スカラー型ロボットは、第1アーム部材、第2アーム部材、第3アーム部材、第4アーム部材の4本のアーム部材を有することから、コーンC及びこれに盛り付けられるソフトクリームSをしっかりと支え得る。つまり頑丈であり、装置を長期間使用しても故障等を起こすおそれがない。
【0047】
また、上述した実施形態例の構成に対し、下記の構成を付加することが好ましい。
【0048】
即ち、容器移動手段6が備える保持部15に、コーンCをしてすりこぎ運動を行わせるすりこぎ運動手段を有するようにする。ここで、すりこぎ運動とは、図7に示すように、コーンCをその中心軸に垂直な状態から傾けつつ、コーンCの上端開口部が公転するが如き運動を言う。なお、すりこぎ運動手段としては種々の公知の構成が採用可能であり、ここではその詳細な説明は省略する。
【0049】
上記すりこぎ運動手段によってコーンCをすりこぎ運動させるから、ソフトクリームSをコーンCにとぐろ巻き状態で盛り付けるに好適である。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、各請求項に記載の発明によれば、下記のような優れた効果が得られる。
【0051】
請求項1に記載の発明によれば、盛り付け容器を保持する保持機構の保持部が、食品供給手段から食品が供給される供給位置と該供給位置から離脱した離脱位置との間で移動可能となるので、盛り付け作業後には上記保持部を上記離脱位置に位置させるようにすれば、食品供給手段から食品が漏洩して落下しても保持機構には接触・付着せずに通過する。従って、頻繁な洗浄作業は受け皿のみに関してでよく、保持機構に関する洗浄作業は不要となり、販売員は販売に力を注ぐことができ、販売効率が向上する。
【0052】
請求項2に記載の発明によれば、保持機構は、略水平面内で揺動自在にしてその自由端部にて上記盛り付け容器を支えるアーム部材を具備する。該アーム部材は比較的細い部材であるから、アーム部材の自由端部(保持部)に対して落下する食品の付着を回避するためになされる移動は僅かである。従って、装置全体としての小型化が図られる。
【0053】
請求項3に記載の発明によれば、上記保持機構が、第1アーム部材、第2アーム部材、第3アーム部材、第4アーム部材の4本のアーム部材を有することから、盛り付け容器及びこれに盛り付けられる食品をしっかりと支え得ることができる。つまり頑丈であり、装置を長期間使用しても故障等を起こすおそれがない。
【0054】
また、請求項4に記載の発明によれば、容器移動手段が、その具備するすりこぎ運動手段によって前記盛り付け容器をすりこぎ運動させるから、半固形食品を盛り付け容器にとぐろ巻き状態で盛り付けるに好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る半固形食品盛り付け装置の一例としてのソフトクリーム盛り付け装置の全体構成を示す斜視図である。
【図2】図1に示すソフトクリーム盛り付け装置の一部断面を含む側面図である。
【図3】図1に示すソフトクリーム盛り付け装置が具備する容器移動手段及び昇降手段を示す平面図及び一部断面を含む側面図である。
【図4】図3に示す昇降手段の要部を示す図である。
【図5】図1乃至図4に示したソフトクリーム盛り付け装置の動作制御系を示すブロック図である。
【図6】図1乃至図5に示したソフトクリーム盛り付け装置の動作を説明するための図である。
【図7】コーンをすりこぎ運動させている状態を示す図である。
【図8】従来のソフトクリーム盛り付け装置の正面図である。
【図9】図8に示す装置の要部を示す斜視図である。
【図10】図8及び図9に示した装置の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1 ソフトクリーム盛り付け装置
2 ケーシング
3 ソフトクリーム供給部
4 盛り付け手段
5 昇降手段
6 容器移動手段
10 基体部
11 第1アーム部材
12 第2アーム部材
13 第3アーム部材
14 第4アーム部材
15 保持部
21 第1駆動力付与手段
22 第2駆動力付与手段
23 ストッパー
25 ベース部材
26 フレーム
27 テーブル
28a ねじ軸
28b ナット
29 ブラケット
30 モータ
31a 歯付ベルト車
31b 歯付ベルト車
31c 歯付ベルト
35 CPU(制御部)

Claims (4)

  1. 半固形状態の食品を供給する食品供給手段、前記食品を盛り付ける盛り付け容器を保持して前記食品供給手段から供される食品を該盛り付け容器に盛り付ける盛り付け手段、及び前記食品供給手段及び盛り付け手段の動作を制御する制御部を備えた半固形食品盛り付け装置において、
    前記盛り付け手段は、前記盛り付け容器を保持して略水平面内において移動する容器移動手段と、該容器移動手段を昇降させる昇降手段とを具備し、
    前記容器移動手段は、前記盛り付け容器を保持する保持部を有する保持機構と、該保持機構を駆動する駆動手段とを具備し、
    前記保持機構の前記保持部は、前記食品供給手段から食品が垂下状態で供給される供給位置と該供給位置から離脱した離脱位置との間で移動可能となっていることを特徴とする半固形食品盛り付け装置。
  2. 前記保持機構は、略水平面内で揺動自在でその自由端部に前記盛り付け容器を支えるアーム部材を具備することを特徴とする請求項1記載の半固形食品盛り付け装置。
  3. 前記保持機構は、前記昇降手段の作動部に略水平面内で揺動自在に装着された第1アーム部材と、該第1アーム部材の自由端部に略水平面内で揺動自在に装着された第2アーム部材と、前記作動部に略水平面内で揺動自在に装着された第3アーム部材と、該第3アーム部材の自由端部に略水平面内で揺動自在に装着されて自由端部にて前記第1アーム部材の自由端部に対して略水平面内において枢動自在に装着された第4アーム部材とを具備し、
    前記駆動手段は、前記第1アーム部材に駆動力を付与する第1駆動力付与手段と、前記第3アーム部材に駆動力を付与する第2駆動力付与手段とを具備することを特徴とする請求項2記載の半固形食品盛り付け装置。
  4. 前記容器移動手段は、前記盛り付け容器をしてすりこぎ運動を行わせるすりこぎ運動手段を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半固形食品盛り付け装置。
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