JP2004208108A - 集積回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】待機動作等で電源の供給が制御される回路ブロックを有する集積回路で、電源が切られた回路ブロックから出力されるの不安定な信号による貫通電流を防止する。
【解決手段】回路ブロック10の電源切断に先立ってマスク信号MASKが“L”にされると、NAND24aとインバータ24bで構成されるラッチ回路24によってノードN1が“L”に保持される。その後、電源が切断されて電源電圧VDD1が“L”レベルに低下すると、NAND24aの出力信号は“H”に固定される。この状態で回路ブロック10から不安定なマスク信号MASKが出力されても、ノードN1のレベルは“L”に保持される。これにより、ゲート回路21〜21は閉じられたままとなり、論理ブロック10からの不安定な信号SIG1〜SIBnによる論理回路22の貫通電流が防止できる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、待機動作等で電源の供給が制御される回路ブロックを有する集積回路に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【0003】
【特許文献1】
特開平5−57064号公報
【0004】
従来、待機動作等で電源供給が制御される回路ブロックを有する集積回路では、電源が切れた第1の回路ブロックからの出力信号を入力する第2の回路ブロックの入力回路で、入力信号がフローティング状態になることによって貫通電流が発生して消費電流が増大するという問題があり、その対策が必要であった。
【0005】
図2は、入力信号のフローティング対策が施された従来の集積回路の一例を示す構成図である。
【0006】
この集積回路は、電源供給が制御される回路ブロック10と、常時電源が投入されている回路ブロック20を有している。
【0007】
回路ブロック10は、電源電圧VDD1で動作する論理回路11とインバータ12を有している。論理回路11は、回路ブロック20に対するデータ等の信号SIG1〜SIGnと、電源の切断を直前に通知するための制御信号CONを出力する機能を有している。また、インバータ12は、PチャネルMOSトランジスタ(以下、「PMOS」という)12aとNチャネルMOSトランジスタ(以下、「NMOS」という)12bを直列接続して構成されたもので、入力側に制御信号CONが与えられ、出力側からこの制御信号CONが反転されてマスク信号MASKが出力されるようになっている。
【0008】
一方、回路ブロック20は、それぞれ回路ブロック10から信号SIG1〜SIGnが与えられる2入力の論理積ゲート(以下、「AND」という)21〜21と、これらのAND21〜21の出力信号が与えられる論理回路22を有している。更に、回路ブロック20は、回路ブロック10からマスク信号MASKが与えられるノードN1を有している。ノードN1には、インバータ23a,23bをループ状に接続したラッチ回路23が接続されると共に、AND21〜21の第2の入力側が接続されている。なお、ラッチ回路23の出力インピーダンスは、回路ブロック10のインバータ12の出力インピーダンスに比べて十分大きく設定されている。
【0009】
このような集積回路において、回路ブロック10に有効な電源電圧VDD1が供給されている場合、制御信号CONはレベル“L”となり、マスク信号MASKはレベル“H”となっている。回路ブロック20のノードN1には、このマスク信号MASKが与えられるので、ラッチ回路23の保持内容は、強制的に“H”にセットされる。これにより、ノードN1は“H”となり、論理回路11から出力された信号SIG1〜SIGnは、AND21〜21を通して論理回路22へ与えられる。
【0010】
次に、回路ブロック10の電源を切る準備として、有効な電源電圧VDD1が供給された状態で、制御信号CONが“H”となり、これに従ってマスク信号MASKは“L”となる。これにより、回路ブロック20のノードN1は“L”となり、ラッチ回路23の保持内容は強制的に“L”となる。このため、AND21〜21の出力信号はすべて“L”となる。
【0011】
その後、回路ブロック10の電源電圧VDD1の供給が停止される。これにより、回路ブロック10のインバータ12の出力側がハイインピーダンス状態となるが、ノードN1にはラッチ回路23から“L”の信号が出力されているので、論理回路22へ与えられる信号は“L”に保持され、この論理回路22の入力信号がハイインピーダンス状態になることはない。
【0012】
なお、回路ブロック10に対する電源電圧VDD1の供給を再開する時には、リセット等の動作によってマスク信号MASKが“L”に固定された状態で起動され、その後、マスク信号MASKが“H”に切り替えられる。これにより、回路ブロック20のラッチ回路23の保持内容は、強制的に“H”にセットされ、論理回路11から出力される信号SIG1〜SIGnは、AND21〜21を通して論理回路22へ与えられる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の集積回路では、次のような課題があった。
【0014】
(1) マスク信号MASKは、回路ブロック10の電源が完全に切れてしまえばハイインピーダンス状態になるが、電源電圧VDD1が動作保証範囲よりも低下し、かつ完全に0Vになるまでの間の動作については保証されない。従って、電源電圧VDD1の低下中に、マスク信号MASKがラッチ回路23を“H”にセットするようなレベルとなり、電源が切れた後もノードN1が“H”に保持されるおそれがある。これにより、回路ブロック20内の論理回路22に不安定な信号が入力され、貫通電流が増大する。
【0015】
(2) 電源が切断された状態で、マスク信号MASKに雑音が重畳されると、不安定な信号SIG1〜SIGnが論理回路22に入力され、貫通電流が発生する。
【0016】
(3) マスク信号MASKが変化する時のノードN1の信号は、ラッチ回路23の出力信号との衝突によって、マスク信号MASKの変化タイミングよりも遅れるという現象が生ずる。従って、ノードN1のマスク信号MASKをマスク制御以外の目的で使用する場合に、正確なタイミングをとることができない。
【0017】
(4) 集積回路の良否判定では、スキャン試験を行う事が一般的であるが、このスキャン試験では、回路ブロック10のマスク信号MASKは、電源電圧VDD1が供給されていても、“L”や“H”のレベルに変化する。このため、マスク信号MASKが“L”になると、回路ブロック20側のAND21〜21が閉じられ、回路ブロック10からの信号SIG1〜SIGnが入力できなくなり、十分なスキャン試験を行うことができない。
【0018】
(5) 回路ブロック10への電源の再投入の時、リセット等の動作によってマスク信号MASKを“L”に固定するように構成していても、電源電圧VDD1が動作保証電圧に達するまでの信号レベルは保証されない。このため、ノードN1の電圧が、一瞬でもラッチ回路23によって“H”と判断されるレベルになると、このノードN1は“H”にセットされる。これにより、回路ブロック10の不安定な信号SIG1〜SIGnが論理回路22に入力され、誤動作の原因となるおそれがあった。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、第1の電源の供給が制御される第1の回路ブロックと第2の電源が常時供給される論理回路を持つ第2の回路ブロックとを有し、前記第1の電源を切る場合、前記第1の回路ブロックから前記第2の回路ブロックの出力するマスク信号を“H”から“L”に切り替えて、前記第1の回路ブロックの出力信号を遮断する集積回路において、前記第2の回路ブロックは、前記マスク信号が与えられる第1のノードと、第1の論理ゲートと第2の論理ゲートからなり、前記第1の論理ゲートは前記第1の電源と前記マスク信号とを入力とし、前記第2の論理ゲートは前記第1の論理ゲートの出力を入力とし、また、前記第2の論理ゲートの出力と前記第1の論理ゲートの入力は前記第1のノードで接続されていて、前記第2の論理ゲートにとって前記第1の回路ブロックの第1の電源が有効な時には前記第1のノードのレベルを保持し、前記第1の回路ブロックの第1の電源が無効の時には前記第1のノードに“L”を出力するラッチ回路とを備えている。
【0020】
本発明によれば、以上のように集積回路を構成したので、次のような作用が行われる。
【0021】
第1の回路ブロックの電源切断に先立って、マスク信号が“H”から“L”に切り替えられると、第2の回路ブロックのラッチ回路によって“L”のレベルが保持されてノードに出力される。これにより、第1の回路ブロックの出力信号の入力が停止される。次に、第1の回路ブロックの電源が切断され、その電源電位が無効な状態になると、マスク信号のレベルに拘らず、ラッチ回路からノードに“L”が出力される。従って、第1の回路ブロックの電源切断時に、不安定なマスク信号によって第1の回路ブロックの信号が第2の回路ブロックに入力されてしまうというおそれがない。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図1(a),(b)は、本発明の第1の実施形態を示す集積回路の説明図であり、同図(a)は構成図、及び同図(b)は信号波形図を示している。なお、図2中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0023】
この集積回路は、電源供給が制御される第1の回路ブロック10と、常時電源が投入されている第2の回路ブロック20Aを有している。
【0024】
図1(a)に示すように、回路ブロック10は、電源電圧VDD1で動作する論理回路11とインバータ12を有している。論理回路11は、回路ブロック20に対するデータ等の信号SIG1〜SIGnと、電源の切断を直前に通知するための制御信号CONを出力する機能を有している。また、インバータ12は、PMOS12aとNMOS12bを直列接続して構成されたもので、入力側に制御信号CONが与えられ、出力側からこの制御信号CONが反転されてマスク信号MASKとして出力されるようになっている。
【0025】
一方、回路ブロック20Aは、それぞれ回路ブロック10から信号SIG1〜SIGnが与えられる2入力のAND21〜21と、これらのAND21〜21の出力信号が与えられる論理回路22を有している。更に、回路ブロック20Aは、回路ブロック10からマスク信号MASKが与えられるノードN1を有しており、このノードN1にAND21〜21の第2の入力側が接続されている。
【0026】
更に、ノードN1には、否定的論理積ゲート(以下、「NAND」という)24aとインバータ24bで構成されたラッチ回路24が接続されている。NAND24aの第1の入力側はノードN1に接続され、第2の入力側は回路ブロック10の電源電圧VDD1に接続されている。なお、NAND24aの第2の入力側の閾値電圧は、電源電圧VDD1の低下を直ちに検出するために、通常(一般的には電源電圧の1/2)よりも高く設定されている。NAND24aの出力側はインバータ24bの入力側に接続され、このインバータ24bの出力側がノードN1に接続されている。また、ラッチ回路24の出力インピーダンス(即ち、インバータ24bの出力インピーダンス)は、回路ブロック10のインバータ12の出力インピーダンスに比べて十分大きく設定されている。
【0027】
次に、図1(b)を参照しつつ、図1(a)の集積回路の動作を説明する。
【0028】
このような集積回路において、回路ブロック10に有効な電源電圧VDD1が供給されている場合、制御信号CONは“L”、マスク信号MASKは“H”となっている。回路ブロック20AのノードN1には、このマスク信号MASKが与えられるので、ラッチ回路24の保持内容は、“H”にセットされる。これにより、ノードN1は“H”となり、論理回路11から出力された信号SIG1〜SIGnは、AND21〜21を通して論理回路22へ与えられる。
【0029】
次に、回路ブロック10の電源を切る準備として、有効な電源電圧VDD1が供給された状態で、制御信号CONが“H”となる。これに従ってマスク信号MASKは“L”となり、回路ブロック20AのノードN1に与えられる。この時、ノードN1には、インバータ24bから“H”の信号S24bが出力されているが、インバータ12の駆動能力はインバータ24bに比べて十分大きいので、ノードN1のレベルは、このインバータ12から出力されるマスク信号MASKで置き換えられる。これにより、ノードN1は“L”となり、NAND24aから出力される信号S24aは“H”となる。更に、インバータ24bから出力される信号S24bは“L”となり、ラッチ回路24の保持内容は強制的に“L”となる。従って、AND21〜21の出力信号はすべて“L”となる。
【0030】
その後、回路ブロック10の電源電圧VDD1の供給が停止される。これにより、電源電圧VDD1は“H”から徐々に低下し、まず、NAND24aの第2の入力側の閾値電圧以下まで低下すると、このNAND24aから出力される信号S24aは、ノードN1のレベルに拘らず“H”になる。これにより、インバータ24bの信号S24bは“L”となる。
【0031】
更に、電源電圧VDD1が動作保証範囲よりも低下し、マスク信号MASKにラッチ回路24を“H”にセットするようなレベルが出力されたとする。この場合、マスク信号MASKは、インバータ24bから出力される信号S24bと衝突するが、回路ブロック10の電源電圧VDD1は既に切断されているため、ノードN1に対する駆動能力は無く、このノードN1は“L”に維持される。従って、論理回路22へ与えられる信号は“L”に保持され、この論理回路22の入力信号がハイインピーダンス状態になることはない。
【0032】
なお、回路ブロック10に対する電源電圧VDD1の供給を再開する時には、リセット等の動作によってマスク信号MASKが“L”に固定された状態で起動され、その後、マスク信号MASKが“H”に切り替えられる。これにより、回路ブロック20のラッチ回路23の保持内容は、強制的に“H”にセットされ、論理回路11から出力される信号SIG1〜SIGnは、AND21〜21を通して論理回路22へ与えられる。
【0033】
以上のように、この第1の実施形態の集積回路は、電源供給が制御される回路ブロック10の電源電圧VDD1が“L”になったときに、この回路ブロック10から出力されるマスク信号MASKのレベルに拘らず、ノードN1に“L”を出力するラッチ回路24を有している。これにより、電源供給を停止しているときに不安定なマスク信号MASKが出力されても、ノードN1のレベルが“L”に固定され、不安定な信号SIG1〜SIGnによる貫通電流を防止することができるという利点がある。
【0034】
(第2の実施形態)
図3は、本発明の第2の実施形態を示す集積回路の構成図であり、図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0035】
この集積回路では、図1の集積回路にバッファ25,26と、2入力のAND27を追加している。バッファ25は、回路ブロック10から出力されるマスク信号MASKの電力を増幅してノードN1へ出力するものである。また、バッファ26は、回路ブロック10から出力されるマスク信号MASKの電力を、バッファ25とは別に増幅してAND27の第1の入力側に与えるものである。AND27の第2の入力側はノードN1に接続され、このAND27の出力側には、図示していないが、マスク制御とは別の目的でマスク信号MASKを使用する回路が接続されている。その他の構成は、図1と同様である。
【0036】
次に、バッファ25,26を挿入したことによる動作について説明する。
【0037】
回路ブロック10から出力されるマスク信号MASKが“L”から“H”へ変化するとき、及び“H”から“L”へ変化するときに、ラッチ回路24からノードN1に出力される信号とバッファ25からこのノードN1に出力される信号が瞬間的に衝突する。バッファ25の駆動能力はインバータ24bの駆動能力よりも大きいので、ノードN1のレベルはマスク信号MASKのレベルに変化するが、これらのバッファ25とインバータ24bの出力信号の衝突により、このノードN1のレベルの変化は若干遅れる。
【0038】
このような状況で、遅延ライブラリに基づいてタイミングの設計を行うと、バッファ25の出力の変化がライブラリに登録された値とは異なるが、マスク制御に使用する信号なので、特に問題はない。また、マスク信号MASKをマスク制御とは別の目的で使用しているバッファ26とAND27では、バッファ25とは独立してマスク信号MASKを使用しているので、このバッファ25とインバータ24bの信号の衝突の影響を受けることがない。
【0039】
以上のように、この第2の実施形態の集積回路は、回路ブロック10から出力されるマスク信号MASKを別々に増幅するバッファ25,26を有している。これにより、ノードN1に出力されるマスク信号MASKと、マスク制御以外の目的で使用する回路に与えられるマスク信号MASKを別の経路で出力することができる。従って、マスク制御以外の目的で使用する回路には、マスク信号MASKとラッチ回路24の出力信号の衝突による遅延の影響がないので、遅延ライブラリに基づいたタイミング設計を行うことができるという利点がある。
【0040】
(第3の実施形態)
図4は、本発明の第3の実施形態を示す集積回路の構成図であり、図2中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0041】
この集積回路は、図2中の回路ブロック20に代えて、構成の異なる回路ブロック20Cを設けている。この回路ブロック20Cは、回路ブロック20に、マスク信号MASKを増幅してノードN1に出力するバッファ25と、ノードN1と接地電圧GNDの間に接続されたNMOS28と、電源電圧VDD1のレベルを反転してNMOS28のゲートに与えるインバータ29とを追加したものである。その他の構成は、図2と同様である。
【0042】
次に、動作を説明する。
【0043】
回路ブロック10の電源を切る場合、まずマスク信号MASKが“L”に設定され、その後、回路ブロック10の電源電圧VDD1の供給が停止される。これにより、電源電圧VDD1は“H”から徐々に低下し、インバータ29の閾値電圧以下まで低下すると、このインバータ29の出力信号が“H”となる。これによりNMOS28がオンとなり、ノードN1は“L”に固定される。
【0044】
ここで、電源電圧VDD1が動作保証範囲よりも低下し、マスク信号MASKにラッチ回路24を“H”にセットするようなレベルが出力されたとする。しかし、ノードN1はオン状態のNMOS28によって接地電圧GNDに接続されているため、このノードN1は“L”に維持される。従って、論理回路22へ与えられる信号は“L”に保持され、この論理回路22の入力信号がハイインピーダンス状態になることはない。
【0045】
次に、回路ブロック10に対する電源電圧VDD1の供給を再開する場合、リセット等の動作によってマスク信号MASKが“L”に固定された状態で起動される。電源電圧VDD1が徐々に上昇してインバータ29の閾値電圧を越えると、このインバータ29の出力信号が“H”となる。これによりNMOS28がオフとなり、ノードN1と接地電圧GNDとの接続が切られる。
【0046】
その後、マスク信号MASKが“H”に切り替えられる。これにより、回路ブロック20Cのラッチ回路23の保持内容は、強制的に“H”にセットされ、回路ブロック10から出力される信号SIG1〜SIGnは、AND21〜21を通して論理回路22へ与えられる。
【0047】
以上のように、この第3の実施形態の集積回路は、電源供給が制御される回路ブロック10の電源電圧VDD1が“L”になったときに、ノードN1を接地電圧GNDに接続するNMOS28を有している。これにより、第1の実施形態と同様の利点がある。更に、回路ブロック10に有効な電源が供給されていないときにはノードN1が接地電圧GNDに固定されるので、マスク信号MASKに雑音が重畳しても不安定な信号SIG1〜SIGnが論理回路22へ与えられることがないという利点がある。
【0048】
(第4の実施形態)
図5は、本発明の第4の実施形態を示す集積回路の構成図であり、図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0049】
この集積回路はスキャン試験対応の機能を追加したもので、マスク信号MASKを保持するラッチ回路24に加えて、スキャンモード信号SCANを保持するラッチ回路30と、2つのラッチ回路24,30の出力信号の論理和をとる論理和ゲート(以下、「OR」という)31を備えた回路ブロック20Dを有している。
【0050】
回路ブロック10側から出力されるスキャンモード信号SCANは、回路ブロック20DのノードN2に与えられ、このノードN2にラッチ回路30のNAND30aの第1の入力側が接続されている。NAND30aの出力側は、インバータ30bを介してノードN2に接続され、このNAND30aの第2の入力側には、回路ブロック10の電源電圧VDD1が与えられるようになっている。
【0051】
ノードN1,N2は、2入力のOR31の入力側に接続され、このOR31の出力側がノードN3に接続されている。ノードN3には、AND21〜21の第2の入力側が接続されている。その他の構成は、図1と同様である。
【0052】
このような集積回路では、回路ブロック10に電源電圧VDD1が与えられ、かつスキャン試験モードとなっている場合、この回路ブロック10から出力されるスキャンモード信号SCANは“H”となる。従って、スキャンモード信号SCANがラッチ回路30で保持されて、ノードN2のレベルは“H”となり、ノードN3も“H”となる。これにより、マスク信号MASKのレベルに拘らずAND21〜21のゲートが開き、回路ブロック10からの信号SIG1〜SIGnは、このAND21〜21を介して論理回路22に入力される。これにより、スキャン試験が可能になる。
【0053】
一方、スキャン試験モードでないときには、スキャンモード信号SCANが“L”となり、ノードN2のレベルは“L”となる。これにより、ノードN1のレベルがそのままノードN3に出力され、第1の実施形態と同様の動作が行われる。
【0054】
以上のように、この第4の実施形態の集積回路は、スキャン試験に対応するためのラッチ回路30及びOR31を有しているので、十分なスキャン試験ができるという利点がある。
【0055】
(第5の実施形態)
図6は、本発明の第5の実施形態を示す集積回路の構成図であり、図1中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
【0056】
この集積回路は、図1中の回路ブロック20Aに代えて、構成の異なる回路ブロック20Eを設けている。回路ブロック20Eは、ノードN1とAND21〜21の第2の入力側との間に、フリップフロップ(以下、「FF」という)32,33,35とAND34とで構成されるフィルタ回路を設けたものである。このフィルタ回路は、ノードN1が“L”になったときには所定のタイミング(例えば、クロック信号の次の立ち上がり)で“L”の信号S35を出力し、このノードN1が一定時間継続して(例えば、2クロック連続して)“H”になったときに、“H”の信号S35を出力するものである。
【0057】
フィルタ回路のFF32の入力端子DはノードN1に接続され、このFF32の出力端子QがFF34の入力端子DとAND34の第1の入力側に接続されている。FF33の出力端子QはAND34の第2の入力側に接続され、このAND34の出力側がFF35の入力端子Dとリセット端子Rに接続されている。そして、FF35の出力端子Qから出力される信号S35が、ノードN3を介してAND21〜21の第2の入力側に与えられている。また、FF32,33,35のクロック端子Cには、クロック信号CLKが共通に与えられるようになっている。その他の構成は、図1と同様である。
【0058】
図7は、図6の動作を示す信号波形図である。以下、この図7を参照しつつ、図6の動作を説明する。
【0059】
回路ブロック10に電源電圧VDD1が供給されてるとき、この回路ブロック10から出力されるマスク信号MASKは、回路ブロックのラッチ回路24で保持される。ラッチ回路24で保持されてノードN1に出力された信号は、クロック信号CLKの立ち上がりに同期して、FF32,33で構成されるシフトレジスタにシフトして保持される。
【0060】
FF32,33から出力される信号S32,S33は、AND34によって論理積がとられ、FF35の入力端子Dとリセット端子Rに与えられる。従って、マスク信号MASKが“H”で連続している間は、信号S32,S33は“H”であり、更にFF35から出力される信号S35も“H”である。
【0061】
マスク信号MASKが“L”に変化すると、信号S32は、次のクロック信号CLKの立ち上がりのタイミングで“L”に変化し、AND34の出力信号が“L”となって信号S35は“L”となる。これにより、AND21〜21の出力信号はすべて“L”となる。
【0062】
次に、回路ブロック10の電源電圧VDD1の供給が停止される。電源電圧VDD1は“H”から徐々に低下し、NAND24aの閾値電圧以下まで低下すると、このNAND24aの信号S24aは、ノードN1のレベルに拘らず“H”になる。これにより、インバータ24bの信号S24bは“L”となる。
【0063】
ここで、電源電圧VDD1が動作保証範囲よりも低下し、マスク信号MASKにラッチ回路24を“H”にセットするようなレベルが出力され、ノードN1が一時的に“H”になったとする。この状態でクロック信号CLKが立ち上がると、FF32の信号S32は“H”となる。しかし、FF33の信号S33は“L”であるので、信号S35は“L”のままで変化しない。
【0064】
電源電圧VDD1は更に低下するので、次のクロック信号CLKの立ち上がり時点では、マスク信号MASKは“L”になる。これにより、信号S32,S33は、それぞれ“L”,“H”となるが、信号S35は“L”のままで変化しない。これにより、マスク信号MASKの一時的な変動に影響されない信号S35が得られ、不安定な信号SIG1〜SIGnが論理回路22に与えられることがない。
【0065】
一方、回路ブロック10に対する電源電圧VDD1の供給を再開する時には、リセット等の動作によってマスク信号MASKが“L”に固定された状態で起動され、その後、マスク信号MASKが“H”に切り替えられる。マスク信号MASKが“H”に切り替えられて、更に2クロック経過後に、信号S35が“H”となり、その後、論理回路11から出力される信号SIG1〜SIGnが、AND21〜21を通して論理回路22へ与えられる。
【0066】
以上のように、この第5の実施形態の集積回路は、ノードN1のマスク信号MASKが2クロック以上連続して“H”になったときに、AND21〜21を開くための信号S35を出力するフィルタ回路を有している。これにより、電源供給を停止しているときに不安定なマスク信号MASKが出力されたり、電源電圧VDD1の停止中にマスク信号MASKに雑音が重畳されても、これらの雑音の影響を排除して、不安定な信号SIG1〜SIGnによる貫通電流を防止することができるという利点がある。
【0067】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。この変形例としては、例えば、次のようなものがある。
(a) 図4中のバッファ25は、省略することができる。
(b) 図6中のフィルタ回路の構成は、例示したものに限定されない。同様の機能を有するものであれば、どのような回路構成でも適応可能である。
【0068】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、第1の回路ブロックに供給される第1の電源が有効なときには第1のノードに与えられるマスク信号のレベルを保持し、この第1の電源が無効のときにはこの第1のノードに“L”を出力するラッチ回路を有している。これにより、電源切断時の不安定なマスク信号や電源切断後にマスク信号に重畳される雑音等によって第1の回路ブロックから第2の回路ブロックに信号が入力されることがなくなり、不安定な入力信号による貫通電流の発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す集積回路の説明図である。
【図2】従来の集積回路の一例を示す構成図である。
【図3】本発明の第2の実施形態を示す集積回路の構成図である。
【図4】本発明の第3の実施形態を示す集積回路の構成図である。
【図5】本発明の第4の実施形態を示す集積回路の構成図である。
【図6】本発明の第5の実施形態を示す集積回路の構成図である。
【図7】図6の動作を示す信号波形図である。
【符号の説明】
10,20 回路ブロック
21,34 AND
22 論理回路
24 ラッチ回路
24a,30a NAND
24b,29,30b インバータ
25,26 バッファ
28 NMOS
32,33,35 FF

Claims (8)

  1. 第1の電源の供給が制御される第1の回路ブロックと第2の電源が常時供給される論理回路を持つ第2の回路ブロックとを有し、前記第1の電源を切る場合、前記第1の回路ブロックから前記第2の回路ブロックの出力するマスク信号をハイレベルからローレベルに切り替えて、前記第1の回路ブロックの出力信号を遮断する集積回路において、
    前記第2の回路ブロックは、
    前記マスク信号が与えられる第1のノードと、
    第1の論理ゲートと第2の論理ゲートからなり、前記第1の論理ゲートは前記第1の電源と前記マスク信号とを入力とし、前記第2の論理ゲートは前記第1の論理ゲートの出力を入力とし、また、前記第2の論理ゲートの出力と前記第1の論理ゲートの入力は前記第1のノードで接続されていて、前記第2の論理ゲートにとって前記第1の回路ブロックの第1の電源が有効な時には前記第1のノードのレベルを保持し、前記第1の回路ブロックの第1の電源が無効の時には前記第1のノードにローレベルを出力するラッチ回路とを、
    備えたことを特徴とする集積回路。
  2. 前記第1の回路ブロックの出力と前記第1のノードと接続され、前記第1のノードがハイレベルの時は前記第1の回路ブロックの出力信号を入力し、前記第1のノードがローレベルの時は前記出力信号の入力を停止するゲート回路を備えたことを特徴とする請求項1記載の集積回路。
  3. 前記第1のノードがローレベルの時は所定の期間でローレベルを出力し、前記第1のノードが一定時間継続してハイレベルの時はハイレベルを出力する前記第1のノードに接続されたフィルタ回路と、
    前記フィルタ回路の出力が与えられる第2のノードと、
    前記第1の回路ブロックの出力と前記第2のノードと接続され、前記第2のノードがハイレベルの時は前記第1の回路ブロックの出力信号を入力し、前記第2のノードがローレベルの時は前記出力信号の入力を停止するゲート回路とを、
    備えたことを特徴とする請求項1記載の集積回路。
  4. 前記第1の回路ブロックから試験モード信号が与えられる第3のノードと、
    第3の論理ゲートと第4の論理ゲートからなり、前記第3の論理ゲートは前記第1の回路ブロックの前記第1の電源と前記試験モード信号とを入力とし、前記第4の論理ゲートは前記第3の論理ゲートの出力を入力とし、また、前記第4の論理ゲートの出力と前記第3の論理ゲートの入力は前記第3のノードで接続されていて、前記第3の論理ゲートにとって前記第1の回路ブロックの第1の電源が有効な時には前記第3の論理ゲートのレベルを保持し、前記第1の回路ブロックの第1の電源が無効の時には前記第3のノードにローレベルを出力するラッチ回路と、
    前記第1のノードのレベルと前記第3のノードのレベルに応じて制御信号を出力する入力制御回路と、
    前記入力制御回路の出力が与えられる第4のノードと、
    前記第1の回路ブロックの出力と前記第4のノードと接続され、前記第4のノードがハイレベルの時は前記第1の回路ブロックの出力信号を入力し、前記第4のノードがローレベルの時は前記出力信号の入力を停止するゲート回路とを、
    備えたことを特徴とする請求項1記載の集積回路。
  5. 前記第1の論理ゲート及び前記第3の論理ゲートはNAND回路、前記第2の論理ゲート及び第4の論理ゲートはインバータ回路であることを特徴とする請求項2、3または4記載の集積回路。
  6. 前記第2の回路ブロックは、前記第1の回路ブロックから与えられる前記マスク信号を増幅して前記第1のノードに出力する第1のバッファを有することを特徴とする請求項2、3、4または5記載の集積回路。
  7. 前記第2の回路ブロックは、前記第1の回路ブロックから与えられる前記マスク信号を増幅して出力する第2のバッファと、前記第1の回路ブロックから与えられる前記マスク信号と前記第2のバッファに基づいて出力する任意制御ゲートを有し、前記任意制御ゲートには任意の回路が接続されていることを特徴とする請求項6記載の集積回路。
  8. 第1の電源の供給が制御される第1の回路ブロックと第2の電源が常時供給される論理回路を持つ第2の回路ブロックとを有し、前記第1の電源を切る場合、前記第1の回路ブロックから前記第2の回路ブロックの出力するマスク信号をハイレベルからローレベルに切り替えて、前記第1の回路ブロックの出力信号を遮断する集積回路において、
    前記第2の回路ブロックは、
    前記マスク信号が与えられる第1のノードと、
    前記第1の回路ブロックの第1の電源が有効な時にはオフ状態となり、前記第1の回路ブロックの第1の電源が無効の時にはオン状態となって前記第1のノードをローレベルに接続するスイッチ回路と、
    第1の論理ゲートと第2の論理ゲートからなり、前記第1の論理ゲートは前記第1の電源と前記マスク信号とを入力とし、前記第2の論理ゲートは前記第1の論理ゲートの出力を入力とし、また、前記第2の論理ゲートの出力と前記第1の論理ゲートの入力は前記第1のノードで接続されていて、前記第2の論理ゲートにとって前記第1の回路ブロックの第1の電源が有効な時には前記第1のノードのレベルを保持し、前記第1の回路ブロックの第1の電源が無効の時には前記第1のノードにローレベルを出力するラッチ回路と、
    前記第1のノードがハイレベルの時は前記第1の回路ブロックの出力信号を入力し、前記第1のノードがローレベルの時は前記出力信号の入力を停止するゲート回路とを、
    備えたことを特徴とする集積回路。
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