JP2004206925A - スイッチ装置 - Google Patents

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功 前田
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Abstract

【課題】押釦式で、かつ、押釦の非操作時に可動接点が常閉側固定接点に接触し、押釦の押圧操作時に可動接点が常開側固定接点に接触する構成のものにおいて、押釦の非操作時において、可動接点の常閉側固定接点に対する必要な接点荷重を得ることができると共に、押釦のがたつきも防止できるようにする。
【解決手段】押釦8の非操作時に可動接点17の接点部17a,17bが常閉共通接点12a、常閉接点13に接触し、押釦8の押圧操作時にその接点部17a,17bが常開共通接点12b、常開接点14に接触する構成のものにおいて、可動接点ホルダ16と押釦8との間に、ばね力が、可動接点ホルダ16を押圧方向である矢印A方向とは反対方向へ付勢する接点用スプリング18のばね力よりは小さく設定されたがた抑え用スプリング20を設ける。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、押釦式で、かつ、押釦の非操作時に可動接点が常閉側固定接点に接触し、押釦の押圧操作時に可動接点が常開側固定接点に接触する構成のスイッチ装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
例えば自動車のステアリングコラム部分に設けられるレバースイッチ装置において、押釦式のスイッチを設けたものがある。この種の押釦スイッチとしては、従来では、次のような構成が一般的である。レバーの内部に、固定接点を有した固定接点ベースが固定状態に設けられている。押釦は、レバーに押圧操作可能に設けられている。この押釦と上記固定接点との間に位置させて可動接点が、固定接点と対向する状態で設けられている。可動接点は、復帰用スプリングにより押釦側に付勢されていて、押釦が操作されていない非操作時には固定接点から離間している。
【0003】
上記構成において、押釦が押圧操作されると、その押釦により可動接点が押圧され、復帰用スプリングの付勢力に抗し押圧方向へ移動して固定接点に接触し、スイッチがオン状態となる。そして、押釦に対する押圧操作力を解除すると、復帰用スプリングの付勢力により可動接点及び押釦が押圧方向とは反対方向へ移動して元位置へ復帰する。このとき、可動接点が固定接点から離間することに伴いスイッチがオフ状態となる。
【0004】
一方、このような押釦式のスイッチにおいて、押釦の非操作時に可動接点が常閉側固定接点に接触し、押釦の押圧操作時に可動接点が常開側固定接点に接触する構成のスイッチが要望されている。この場合、常閉側固定接点と常開側固定接点とは、押釦の押圧方向に所定距離離間させて対向する状態に配置し、可動接点をこれら両固定接点間に移動可能に設け、復帰用スプリングを兼ねる接点用スプリングにより、その可動接点を押圧方向とは反対方向へ付勢して、押釦の非操作時には常閉側固定接点に接触させておく構成が考えられる。このとき、押釦は、押圧方向とは反対方向へ抜け止めされている。
【0005】
ところで、上記したような構成としたスイッチ装置において、可動接点が押釦に直接または可動接点ホルダを介して接触していると、可動接点の押圧方向とは反対方向への移動が規制されるために、可動接点が常閉側固定接点に接触する接点荷重が弱くなり、必要な接点荷重が得られなくなるおそれがある。また、可動接点と押釦との間に隙間があると、可動接点の常閉側固定接点に対する必要な接点荷重は得られても、押釦ががたつきやすくなり、振動などで押釦ががたついたり、異音が発生したりするおそれがある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、押釦式で、かつ、押釦の非操作時に可動接点が常閉側固定接点に接触し、押釦の押圧操作時に可動接点が常開側固定接点に接触する構成のものにおいて、押釦の非操作時において、可動接点の常閉側固定接点に対する必要な接点荷重を得ることができると共に、押釦のがたつきも防止できるスイッチ装置を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明のスイッチ装置は、押圧方向及びこれとは反対方向へ往復移動が可能で、かつ前記押圧方向とは反対方向へ抜け止めされた押釦と、前記押圧方向に所定距離離間して対向するように配置された常閉側固定接点及び常開側固定接点と、これら両固定接点間に前記押圧方向及びこれとは反対方向へ移動可能に配置され、前記押釦の非操作時には接点用スプリングにより前記押圧方向とは反対方向へ付勢されて前記常閉側固定接点に接触し、前記押釦が押圧操作されたときには前記押釦により前記接点用スプリングの付勢力に抗して前記押圧方向へ押圧移動されて前記常開側固定接点に接触する可動接点と、この可動接点と前記押釦との間に当該押釦を前記押圧方向とは反対方向へ付勢するように設けられ、ばね力が前記接点用スプリングのばね力よりも小さく設定されたがた抑え用スプリングとを具備したことを特徴とする。
【0008】
上記した構成において、押釦の非操作時には、可動接点は、接点用スプリングの付勢力により押圧方向とは反対方向へ付勢されて常閉側固定接点に接触している。このとき、可動接点と押釦との間にはがた抑え用スプリングが配置されているが、そのがた抑え用スプリングのばね力は、上記接点用スプリングのばね力よりも小さく設定されているので、可動接点の常閉側固定接点に対して必要な接点荷重を得ることができる。可動接点と押釦との間にがた抑え用スプリングを配置しているので、押釦のがたつきを防止できる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。
図1ないし図4において、レバー1は、自動車の図示しないステアリングコラム部分に設けられるものであり、レバーアッパー2とレバーロアー3とを組み合わせて中空状に構成されている。このレバー1の先端側(図1〜図4において右側)に、本発明に係る押釦式のスイッチ装置として、フロントウオッシャ用スイッチ4が配設され、このフロントウオッシャ用スイッチ4の左側にロータリスイッチからなる、ワイパー用スイッチ5(図4参照)が配設されている。
【0010】
まず、フロントウオッシャ用スイッチ4について説明する。ホルダ6は、レバーロアー3に固定状態に設けられていて、このホルダ6の右側に、フロントウオッシャ用スイッチ4のインシュレータ7が配置されている。ホルダ6には、押釦8の押圧方向(矢印A方向)に延びるガイド孔9が形成されていて、インシュレータ7に設けられた係合凸部10がそのガイド孔9に挿入されている。従って、インシュレータ7は、そのガイド孔9に沿って押圧方向である矢印A方向及びこれとは反対方向へ移動可能となっていると共に、係合凸部10がガイド孔9の端部に係合することにより矢印Aとは反対方向へ抜け止めされている。このインシュレータ7とホルダ6との間には、圧縮コイルばねからなるダンパ用スプリング11が2個配設されていて、このダンパ用スプリング11により矢印Aとは反対方向へ付勢された状態で図1ないし図3に示す所定位置に支持されている。
【0011】
インシュレータ7には、上方から見て一方側(図1で下側)に常閉共通接点12aと常開共通接点12bが押圧方向に所定距離離間した状態で対向配置されている。これら常閉及び常開共通接点12a及び12bは、コ字形をなすようにつながっている。インシュレータ7において、常閉及び常開共通接点12a及び12bが配置された側とは反対側(図1で上側)には、常閉接点13と常開接点14とが、押圧方向に所定距離離間した状態で対向配置されている。この場合、常閉共通接点12aと常閉接点13とが、本発明における常閉側固定接点に相当し、常開共通接点12bと常開接点14とが、本発明における常開側固定接点に相当している。
【0012】
インシュレータ7の収容凹部15には、可動接点ホルダ16が矢印A方向及びその反対方向に移動可能に収容されている。この可動接点ホルダ16には可動接点17が設けられていて、この可動接点17の両側部の接点部17a,17bが側方へ突出している。これら接点部17a,17bのうち、一方の接点部17aは、上記常閉及び常開共通接点12a及び12b間に配置され、他方の接点部17bは、常閉及び常開接点13及び14間に配置されている。可動接点ホルダ16とインシュレータ7との間には、圧縮コイルばねからなる接点用スプリング18が配設されていて、この接点用スプリング18により可動接点ホルダ16を矢印Aとは反対方向へ付勢している。従って、通常状態では、可動接点17の接点部17aが常閉共通接点12aに接触していると共に、接点部17bが常閉接点13に接触している。
【0013】
押釦8は、矢印A方向及びこれとは反対方向への移動が可能に設けられていて、上記インシュレータ7に設けられた係合凸部19により矢印Aとは反対方向への抜け止めがなされている。この押釦8と上記可動接点ホルダ16との間には、圧縮コイルばねからなる、がた抑え用スプリング20が配設されている。ここで、このがた抑え用スプリング20のばね力は、上記接点用スプリング18のばね力より小に設定され、上記ダンパ用スプリング11のばね力は、その接点用スプリング18のばね力より大に設定されている。また、可動接点ホルダ16とインシュレータ7との間、及び可動接点ホルダ16と押釦8との間には、矢印A方向及びこれと反対方向に若干の隙間が形成されている。
【0014】
図5には、上記したフロントウオッシャ用スイッチ4に関連した電気回路が示されている。この図5において、常閉及び常開共通接点12a及び12bは、ウオッシャ用モータ21の一方の端子に接続され、常閉接点13はバッテリのプラス端子に接続され、常開接点14はアース接続されている。この場合、ウオッシャ用モータ21は、フロントウオッシャ用とリヤウオッシャ用のモータを共用していて、電流の流れる方向によって回転方向が逆になり、フロントウオッシャ用とリヤウオッシャ用とに切り替えられる構成となっている。
【0015】
リヤウオッシャ用スイッチ22の共通接点23は、ウオッシャ用モータ21の他方の端子に接続されている。常閉接点24はバッテリのプラス端子に接続され、常開接点25はアース接続されている。リヤウオッシャ用スイッチ22は、この場合、レバー1を引き上げ操作することに伴い、共通接点23が常開接点25に接触するように切り替えられ、その操作を解除すると、レバー1が元位置に復帰することに伴い、共通接点23が常閉接点24に接触するように構成されている。
【0016】
一方、図4において、ワイパー用スイッチ5について簡単に説明する。上記ホルダ6の左側には筒部30が突設されていて、この筒部30にロータリノブ31が回転可能に装着されている。このロータリノブ31の左側面には、可動接点32が当該ロータリノブ31と一体に回転するように取り付けられている。可動接点32の左側には、インシュレータ33が固定状態に取り付けられていて、このインシュレータ33の右側面(可動接点32と対向する側の面)に図示しない固定接点が設けられている。ホルダ6の左側面には節度面34が設けられていて、この節度面34とロータリノブ31との間に、節度面34と共に節度機構を構成する節度ボール35と節度用スプリング36が設けられている。
【0017】
このワイパー用スイッチ5において、ロータリノブ31を回転操作することに基づき、可動接点32がインシュレータ33の右側面に対し摺動して、固定接点に対して接離することによりスイッチが切り替えられる構成となっている。
【0018】
次に、上記フロントウオッシャ用スイッチ4の作用について説明する。
押釦8を押圧していない非操作時においては、図1及び図2に示すように、インシュレータ7はダンパ用スプリング11により矢印Aとは反対方向に付勢されて所定位置に支持されている。可動接点ホルダ16は、接点用スプリング18により矢印Aとは反対方向に付勢されていて、可動接点17の接点部17a及び17bが常閉共通接点12a及び常閉接点13に接触している。このとき、可動接点ホルダ16と押釦8との間にがた抑え用スプリング20が配置されているが、そのがた抑え用スプリング20のばね力は接点用スプリング18のばね力よりも小さく設定されているから、可動接点17の接点部17a及び17bが常閉共通接点12a及び常閉接点13に対して接触するのに必要な接点荷重を得ることができる。また、押釦8は、がた抑え用スプリング20により矢印Aとは反対方向に付勢されていて、がたつくことが押えられている。また、この状態では、電気回路的には、図5に示すように、ウオッシャ用モータ21には電流は流れない状態となっている。
【0019】
図1及び図2の状態で、押釦8が矢印A方向へ押圧操作されると、がた抑え用スプリング20の付勢力に抗して押釦8により可動接点ホルダ16が矢印A方向へ押圧され、これらが接点用スプリング18の付勢力に抗して矢印A方向へ移動する。すると、可動接点17の接点部17a及び17bが常閉共通接点12a及び常閉接点13から離間した後、常開共通接点12b及び常開接点14に接触した状態に切り替わる(図3、図5の二点鎖線参照)。これに伴い、図5において、ウオッシャ用モータ21には矢印B1方向への電流が流れ、当該ウオッシャ用モータ21が正回転し、フロントガラスにウオッシャ液が吐出される。
【0020】
図3の状態で、押釦8に対する押圧操作力を解除すると、接点用スプリング18の付勢力により可動接点ホルダ16及び押釦8が矢印Aとは反対方向へ移動する。これに伴い、可動接点17の接点部17a及び17bが常開共通接点12b及び常開接点14から離間した後、常閉共通接点12a及び常閉接点13に接触した状態に切り替わる(図1、図2、図5の実線参照)。
【0021】
図1及び図2に示す状態において、レバー1を引き上げ操作して、図5におけるリヤウオッシャ用スイッチ22の共通接点23が常開接点25に接触するように切り替わると、ウオッシャ用モータ21には矢印B2方向への電流が流れ、当該ウオッシャ用モータ21は逆回転し、リヤガラスにウオッシャ液が吐出される。
【0022】
ところで、上記構成において、押釦8の押圧操作時に、当該押釦8対して過剰に大きな押圧操作力が加わり、押釦8により押圧された可動接点17の接点部17a及び17bが常開共通接点12b及び常開接点14に接触した状態で、インシュレータ33(共通接点12a及び常開接点14)に矢印A方向へ所定以上の圧力が作用すると、インシュレータ33を所定位置に支持していたダンパ用スプリング11が弾性変形し、インシュレータ33が矢印A方向へ逃げるように移動するようになる。このため、可動接点17の接点部17a及び17bと常開共通接点12b及び常開接点14との間の接点圧力が過剰に大きくなることが防止され、これにより、可動接点17の接点部17a,17bや常開共通接点12b及び常開接点14が変形したり、破損したりしてしまうことを防止できるようになる。
【0023】
上記した実施例においては、可動接点ホルダ16と押釦8との間に、ばね力が接点用スプリング18よりも小さい、がた抑え用スプリング20を設けた構成としているので、押釦8を操作しない非操作時において、可動接点17の接点部17a及び17bの常閉共通接点12a及び常閉接点13に対する必要な接点荷重を得ることができると共に、押釦8のがたつきも防止することができる。
【0024】
本発明は、上記した実施例にのみ限定されるものではなく、次のように変形または拡張できる。
本発明の押釦式のスイッチは、フロントウオッシャ用スイッチ4以外にも適用することができ、さらに、レバー1以外に設けることも可能である。
【0025】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、押釦式で、かつ、押釦の非操作時に可動接点が常閉側固定接点に接触し、押釦の押圧操作時に可動接点が常開側固定接点に接触する構成のものにおいて、可動接点と押釦との間に、ばね力が接点用スプリングよりも小さいがた抑え用スプリングを設けた構成としたことにより、押釦の非操作時において、可動接点の常閉側固定接点に対する必要な接点荷重を得ることができると共に、押釦のがたつきも防止できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、レバーアッパーを外した状態で示す非操作状態での要部の横断平面図
【図2】非操作状態での縦断側面図
【図3】押釦を押圧操作した状態での縦断側面図
【図4】分解斜視図
【図5】電気回路図
【符号の説明】
1はレバー、2はレバーアッパー、3はレバーロアー、4はフロントウオッシャ用スイッチ(スイッチ装置)、8は押釦、12aは常閉共通接点(常閉側固定接点)、12bは常開共通接点(常開側固定接点)、13は常閉接点(常閉側固定接点)、14は常開接点(常開側固定接点)、16は可動接点ホルダ、17は可動接点、17a,17bは接点部、18は接点用スプリングを示す。

Claims (1)

  1. 押圧方向及びこれとは反対方向へ往復移動が可能で、かつ前記押圧方向とは反対方向へ抜け止めされた押釦と、
    前記押圧方向に所定距離離間して対向するように配置された常閉側固定接点及び常開側固定接点と、
    これら両固定接点間に前記押圧方向及びこれとは反対方向へ移動可能に配置され、前記押釦の非操作時には接点用スプリングにより前記押圧方向とは反対方向へ付勢されて前記常閉側固定接点に接触し、前記押釦が押圧操作されたときには前記押釦により前記接点用スプリングの付勢力に抗して前記押圧方向へ押圧移動されて前記常開側固定接点に接触する可動接点と、
    この可動接点と前記押釦との間に当該押釦を前記押圧方向とは反対方向へ付勢するように設けられ、ばね力が前記接点用スプリングのばね力よりも小さく設定されたがた抑え用スプリングとを具備したことを特徴とするスイッチ装置。
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