JP2004206758A - 光ディスク装置及びその状態測定方法並びに状態測定位置設定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の記録速度で信号をディスクに記録できる光ディスク装置及びその状態測定方法並びに状態測定位置設定方法に関し、正確に光ディスクの特性を測定できる光ディスク装置及びその状態測定方法並びに状態測定位置設定方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、ディスク(2)に光ビーム(L)を照射して信号を、複数の記録速度で記録可能な光ディスク装置(1)において、最高記録速度で、状態測定位置を任意に設定し、最高記録速度に設定された状態測定位置より所定時間経過した位置にその下位の記録速度での状態測定位置を設定し、上位の記録速度に設定された状態測定位置より所定時間経過した位置にその下位の記録速度での状態測定位置を順次に設定することを特徴とする。
【選択図】 図3
【解決手段】本発明は、ディスク(2)に光ビーム(L)を照射して信号を、複数の記録速度で記録可能な光ディスク装置(1)において、最高記録速度で、状態測定位置を任意に設定し、最高記録速度に設定された状態測定位置より所定時間経過した位置にその下位の記録速度での状態測定位置を設定し、上位の記録速度に設定された状態測定位置より所定時間経過した位置にその下位の記録速度での状態測定位置を順次に設定することを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光ディスク装置及びその状態測定方法並びに状態測定位置設定方法に係り、特に、複数の記録速度で信号をディスクに記録できる光ディスク装置及びその状態測定方法並びに状態測定位置設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD−R(compact disk-recordable) やCD−RW(compact disk-rewritable)ディスクは、製造会社などによって、レーザの最適な記録パワーが異なる。このため、CD−R(compact disk-recordable)やCD−RW(compact disk-rewritable)ディスクに情報を記録するための光ディスク装置では、ディスクが装着され、記録指示があると、OPC(optimum power control)処理が実行される。OPC処理は、最適な記録レーザパワーを測定するための処理であり、光ディスクの内周に設定されたPCA(power calibration area)を用いて実施される。
【0003】
ここで、OPCについて説明する。
【0004】
OPCでは、まず、所定の記録速度でレーザの記録パワーを15段階に変化させつつ、所定の信号をPCAに記録にする。次に、PCAに記録された信号を再生し、再生信号のピーク値及びボトム値から15種類のβ値を求める。
【0005】
図10はβ値の測定方法を説明するための図を示す。
【0006】
β値は、図7において信号のS1のピーク値をA1、ボトム値をA2とすると、下記の式(1)に基づいて求められる。
【0007】
β=(A1+A2)/(A1−A2) ・・・(1)
図11は記録パワーとβ値との関係を示す図である。
【0008】
図11に示すようにβ値は、2次関数的に変化しており、最もβ値が小さくなる記録パワーpw0が最適記録パワーとなる。
【0009】
したがって、式(1)に基づいて求められた15種類のβ値のうち最小のβ値得られる記録パワーを所定記録速度における最適記録パワーに設定する。
【0010】
上記動作を各記録速度で行うことにより各記録速度における最適記録パワーを求める。求められた各記録速度毎の最適記録パワーは、マイコンのレジスタにセットされ、信号の記録時に使用される(例えば、特許文献1参照。)。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−298356号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光ディスク装置では、上記OPCで設定された最適記録パワーに基づいて記録パワーが設定されており、光ディスクの半径位置などは考慮されていなかった。よって、正確に記録パワーを設定することができないなどの問題点があった。
【0013】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、正確に光ディスクの特性を測定できる光ディスク装置及びその状態測定方法並びに状態測定位置設定方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ディスク(2)に光ビーム(L)を照射して信号を、複数の記録速度で記録可能な光ディスク装置(1)において、最高記録速度で、状態測定位置を任意に設定し、最高記録速度に設定された状態測定位置より所定時間経過した位置にその下位の記録速度での状態測定位置を設定し、上位の記録速度に設定された状態測定位置より所定時間経過した位置にその下位の記録速度での状態測定位置を順次に設定することを特徴とする。
【0015】
本発明のよれば、上位の記録速度に設定された状態測定位置より所定時間経過した位置にその下位の記録速度での状態測定位置を設定することにより、上位の記録速度の状態測定位置での状態測定結果に基づいて記録速度が低減されたときに低減された記録速度で直ぐに、かつ、正確に状態測定を行い、記録パワーを補正できる。したがって、記録動作を正確に行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の光ディスク装置の一実施例のブロック構成図を示す。
【0017】
本実施例の光ディスク装置1は、例えば、CD−R、CD−RWなどを記録及び/又は再生可能なドライブであり、主に、ターンテーブル11、スピンドルモータ12、光ピックアップ13、スレッドモータ14、インタフェース15、メモリ16、メモリコントローラ17、エンコーダ18、レーザコントローラ19、リードアンプ20、デコーダ21、サーボコントローラ22、ドライバ23、マイコン24、WPC位置テーブル25を含む構成とされている。
【0018】
なお、WPC(write power compensation)とは、所定の位置で記録を中断し、記録状態の検証を行い、その程度により、記録パワーの補正を行う、又は、記録速度の減速(Reduce)を行う機能のことである。
【0019】
ターンテーブル11には、光ディスク2が装着される。ターンテーブル11はスピンドルモータ12により回転されて光ディスク2を例えば、矢印A方向に回転させる。スピンドルモータ12は、ドライバ23からの駆動信号に応じて回転する。
【0020】
光ピックアップ13は、光ディスク2に対面するように配置され、対物レンズ31により光ビームLを収束させて光ディスク2に照射する。光ピックアップ13には、対物レンズ31を矢印B方向に揺動させてトラッキング制御を行うとともに、対物レンズ31を矢印C方向に揺動させてフォーカス制御を行うための図示しないアクチュエータが内蔵されている。このアクチュエータはドライバ23からの駆動信号によって駆動され、対物レンズ31を矢印B、C方向に揺動させて、トラッキング及びフォーカス制御を行う。
【0021】
ドライバ23は、サーボコントローラ22からの制御信号によりスピンドルモータ12、スレッドモータ14、上記トラッキング及びフォーカス制御を行うための図示しないアクチュエータに駆動信号を供給する。スレッドモータ14は、光ピックアップ13を光ディスク2の半径方向、すなわち、矢印B方向に移動させるためのモータである。
【0022】
サーボコントローラ22は、リードアンプ20から供給されるトラッキングエラー信号及びフォーカスエラー信号に基づいてトラッキング及びフォーカス制御を行うためのアクチュエータ及びスレッドモータ14を制御するための制御信号を生成し、ドライバ23に供給する。また、サーボコントローラ22は、マイコン24からの指示に基づいてスピンドルモータ12の回転を制御したり、アクチュエータ及びスレッドモータ14を制御したりする。例えば、マイコン24から指示された記録速度に応じてスピンドルモータ12の回転速度を制御する。また、マイコン24からの指示に基づいてトラッキングアクチュエータ及びスレッドモータ13が駆動され、シーク動作が行われる。
【0023】
また、光ピックアップ13には、図示しない光検出器が内蔵されている。光検出器は、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号並びに記録信号を検出し、リードアンプ20に供給する。リードアンプ20は、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を増幅してサーボコントローラ22に供給する。また、リードアンプ20は、記録信号を増幅してデコーダ21及びマイコン24に供給する。
【0024】
デコーダ21は、リードアンプ20からの記録信号をデコードする。デコーダ21によりデコードされたデータは、メモリコントローラ17によりメモリ16に一旦記憶される。メモリ16に記憶されたデータは、ホストコンピュータとのインタフェースをとるインタフェース15を介してホストコンピュータに供給される。なお、メモリ16は、RAM(random access memory)から構成され、バッファメモリとして用いられる。メモリコントローラ17は、インタフェース15、メモリ16、エンコーダ18、デコーダ21間における通信の制御を行う。
【0025】
ホストコンピュータからの記録データは、インタフェース15を介してメモリ16に一旦記憶された後、エンコーダ18に供給される。エンコーダ18は、記録データをエンコードし、記録信号を生成する。エンコーダ18でエンコードされた記録信号は、レーザコントローラ19に供給される。レーザコントローラ19は、光ピックアップ13に内蔵された図示しない、レーザダイオードを駆動する。
【0026】
レーザダイオードは、レーザコントローラ19から供給される駆動信号に応じて発光する。レーザダイオードから出射された光は、対物レンズ31により収束されて光ディスク2に照射される。
【0027】
レーザコントローラ19は、記録時には、エンコーダ18からの記録信号に基づいて駆動信号を生成し、光ピックアップ13に内蔵されたレーザダイオードを発光させる。レーザダイオードは、例えば、レーザコントローラ19から供給される記録信号のレベルがハイレベルのときに光の強度を強くし、記録信号のレベルがローレベルのときに光の強度を弱くする。光ディスク2には、レーザダイオードからの光の強度が強いときに、その熱によってピットが形成される。また、光の強度が弱いときには、ピットは形成されない。以上の動作によって、光ディスク2に記録信号に応じたピットが形成される。なお、レーザコントローラ19は、再生時には、光ディスク2に、ピットが形成されない強度の光を一定の強度で照射する。
【0028】
このとき、レーザコントローラ19は、記録動作時にマイコン24からの指示に基づいてレーザダイオードから出射される光の振幅が制御可能とされている。例えば、レーザコントローラ19は、マイコン24から光の振幅を大きくする指示があると、レーザダイオードに供給する駆動信号の振幅を大きくすることによって、レーザダイオードから出射される光に強度を強くする。また、レーザコントローラ19は、マイコン24から光の振幅を弱くする指示があると、レーザダイオードに供給する駆動信号の振幅を小さくすることによって、レーザダイオードから出射される光の振幅を弱くする。マイコン24は、例えば、OPC及びWPCの結果に基づいて光の振幅を制御している。
【0029】
WPC位置テーブル25には、記録速度毎にWPCを実施する位置が記憶されている。
【0030】
図2はWPC位置テーブル25のデータ構成図を示す。
【0031】
図2に示すようにWPC位置テーブル25は、WPC位置を絶対時間(min)で表している。記録速度が48倍速を最高記録速度とした場合、まず、光ディスク2上の絶対時間で8分、24分、36分、48分、64分の位置でWPCが実行されるように設定される。このとき、最高記録速度の48倍速におけるWPC位置は、任意に設定される。
【0032】
次に記録速度が48倍速の下位の記録速度、すなわち、48倍速から1ステップ減速した記録速度が42倍速であるとすると、42倍速の記録速度では、その上位の48倍速でのWPCの位置から絶対時間で所定時間、例えば、2分経過した位置に設定される。絶対時間で2分間は、記録速度が32倍速での4秒間に相当している。絶対時間で2分間経過した後にWPCを行うことにより安定、かつ、短い時間でWPCを実行できる。したがって、記録速度が42倍速のWPC位置は、10分、26分、38分、66分となる。
【0033】
次に記録速度が42倍速の下位の記録速度、すなわち、42倍速から1ステップ減速した記録速度が36倍速であるとすると、36倍速の記録速度では、その上位の42倍速でのWPCの位置から絶対時間で所定時間、例えば、4分経過した位置に設定される。したがって、記録速度が36倍速のWPC位置は、絶対時間で12分、28分、40分、68分の位置となる。
【0034】
なお、本実施例では、説明を簡単にするために、48倍速、42倍速、36倍速を例に説明したが、他の速度もこれに準じて設定される。すなわち、最高記録速度で、状態測定位置を任意に設定し、最高記録速度に設定された状態測定位置より所定時間ΔT経過した位置にその下位の記録速度での状態測定位置を設定し、上位の記録速度に設定された状態測定位置より所定時間経過した位置にその下位の記録速度での状態測定位置を順次に設定するようにしている。
【0035】
なお、本実施例では、所定時間ΔTを2分に設定したが、これに限定されるものではなく、記録速度によって異ならせるようにしてもよい。
【0036】
図3は、光ディスク2上での絶対時間に対する記録速度の変化を示す図である。図4は、光ディスク2上での半径に対する記録速度の変化を示す図である。
【0037】
図3、図4において「●」は、WPC位置を示す。
【0038】
図3に示すように記録速度42倍速のWPC位置は、48倍速のWPC位置に対して所定時間ΔT経過した位置に設定されており、また、36倍速のWPC位置は、42倍速のWPC位置に対して所定時間ΔT経過した位置に設定されている。なお、半径位置では、図4に示すようなずれとなる。
【0039】
マイコン24は、記録動作時に上記のWPC位置テーブル25に設定された位置に到達すると、WPC処理を実行する。
【0040】
図5はマイコン24の記録動作時のフローチャートを示す。
【0041】
マイコン24は、ステップS1−1で光ディスク2が挿入され、ステップS1−2で挿入された光ディスク2への信号の記録が指示されると、ステップS1−3でOPC(optimum power control)を実行する。OPCは、光ディスク2の内周側に設けられたPCA(power calibration area)を用いて実行される。
【0042】
OPCでは、従来と同様に、所定の記録速度で、PCAに記録パワーを15段階に変化させつつ所定の信号を記録する。次に、PCAに記録した信号を生成して、そのピーク値及びボトム値から式(1)に従って各記録パワーにおけるβ値を求める。次に、OPC処理では、求められた15段階のβ値のうち最小のβ値が得られた記録パワーを最適記録パワーとしてマイコン24に内蔵されたレジスタにセットする。上記処理を各記録速度で行い、各記録速度における最適記録パワーを求め、マイコン24に内蔵されたレジスタにセットする。以上によりOPC処理は終了する。なお、OPCにより記録するパワーの段階の数はこれに限定されるものではなく、さらに細分化するようにしてもよい。
【0043】
次に、マイコン24は、ステップS1−4で記録動作を開始する。このとき、マイコン24は、ステップS1−3のOPCで求められた最適記録パワーのうち記録速度に対応して設定された最適記録パワーにて記録動作を行う。マイコン24は、ステップS1−5でWPC位置テーブル25に予め設定されたWPC位置になると、ステップS1−6でWPC処理を行う。なお、このとき、マイコン24は、光ディスク2に予め形成されているウォブルから抽出されるウォブル信号に含まれる絶対時間を検出し、WPC位置テーブル25に設定された絶対時間と比較することによりWPC位置であるか否かを判定している。
【0044】
WPC処理は、予め設定された位置で、β値を求め、最適記録パワーを求める処理である。WPC処理は、例えば、ディスク2の内周と外周とでβ値の特性が異なるため、OPCで求められた最適記録パワーだけではディスク2の外周側で最適な記録が行えないため、予め設定された位置で最適記録パワーを補正するために行われる処理である。
【0045】
マイコン24は、ステップS1−7で記録終了指示があるまで、ステップS1−4〜S1−6を繰り返し、ステップS1−7で記録終了指示があると、ステップS1−8で記録動作を停止して処理を終了する。
【0046】
次に、WPC処理について詳細説明する。
【0047】
図6はマイコン24のWPC処理時のフローチャートを示す。
【0048】
マイコン24は、WPC処理が開始されると、まず、ステップS2−1で記録動作を停止させる。次に、マイコン24は、ステップS2−2で所定時間前の記録信号をシークする。
【0049】
図7はWPC処理の動作説明図を示す。
【0050】
図7において時刻t1でWPC処理が開始され、記録動作が停止し、時刻t1から動作待ち時間Δt1経過した時刻t2で時間Δt3前の時刻t3にシークし、既記録信号S1を読み出す。このとき、既記録信号S1は記録動作が停止した時刻t1から時間Δt0より前の時刻t0に記録された信号である。これによって、所定時間T=(Δt0+Δt1+Δt2)経過した後の信号S1を読み出すことができる。なお、所定時間Tは4sec程度とすることにより、略すべての光ディスクに対応可能である。なお、所定時間Tは、4secに限定されるものではなく、特性、すなわち、β値が安定するのに必要な時間が経過しており、かつ、β値を取得できる時間が最小限にできるように設定する。
【0051】
また、光ディスクのメーカーなどに応じて所定時間Tを切り換えるようにしてもよい。
【0052】
マイコン24は、ステップS2−3で所定時間Tより前に記録された信号S1のピーク値A1及びボトム値A2を取得し、β値を求める。所定時間Tより前の信号S1からβ値を取得することにより、β値が安定した後に値を取得することになるため、正確なβ値を取得できる。このため、正確に適切な記録パワーを求めることができる。
【0053】
このとき、記録時間Δt0、動作待ち時間Δt1及びシーク時間Δt2を必要最小限に設定することにより、短い時間でWPC処理を行うことができる。
【0054】
図6に戻って説明を続ける
次にマイコン24は、ステップS2−4でβ値が記録パワー制御の許容範囲である、制限範囲内か否かを判定する。
【0055】
マイコン24はステップS2−4でβ値が制限範囲内にある場合には、ステップS2−5でβ値が許容範囲か否かを判定する。
【0056】
マイコン24は、ステップS2−5でβ値が許容範囲内にあれば、記録パワーを変更することなくステップS2−6で記録動作を再開する。また、マイコン24は、ステップS2−5でβ値が許容範囲外であれば、ステップS2−7で記録パワーをβ値が小さくなるように変更した後、ステップS2−6で記録動作を再開する。
【0057】
また、マイコン24は、ステップS2−4でβ値が制限範囲外である場合には、記録パワーの変更では対応できないので、ステップS2−8で記録速度を1ステップ低減させる。例えば、24倍速であれば、20倍速にするなどの制御を行った後、ステップS2−2に戻って、低減した記録速度で、再び最適記録パワーを求める。
【0058】
以上により、常に最適記録パワーで信号を記録することが可能となる。
【0059】
なお、本実施例では、所定時間T以前に記録された信号を再生することによりβ値が安定した後にβ値を取得して記録パワーなどの制御を行ったが、所定時間待機した後に最新の信号を再生することによりβ値を取得するようにしてもよい。
【0060】
図8はマイコン24のWPC処理の変形例のフローチャートを示す。同図中、図6と同一処理部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0061】
本実施例では、マイコン24は、ステップS2−1で記録動作を停止した後、ステップS3−1でタイマを起動し、ステップS3−2で所定時間経過するまで待機する。マイコン24は、ステップS3−2で所定時間経過した後、ステップS3−3で最新の記録信号をシークして、最新の記録信号のピーク値とボトム値を読み取り、ステップS2−3でβ値を測定する。
【0062】
図9はWPC処理の変形例の動作説明図を示す。
【0063】
ポジションp0で記録動作が終了した後、時間Δt11経過したポジションp1で最新の信号S11のポジションp2をシークし、最新の信号S11を読み取り、そのポーク値とボトム値とからβ値を測定する。
【0064】
このとき、ポジションp1からポジションp2までにかかるシーク時間Δt12を考慮して所定時間Δt11を設定することにより、必要最小限の時間で信号を読み取ることができる。
【0065】
なお、本実施例では、CD−R(compact disk-recordable) やCD−RW(compact disk-rewritable)ディスクに信号を記録するための光ディスク装置につてい説明したが、DVD−RAM、MO(magneto optical)など記録可能な他の光ディスク装置に提供することは可能である。
【0066】
また、本実施例の特性測定方法は、CLV方式、CAV方式、ゾーンCLV方式など記録方式に限定されずに適用できる。
【0067】
【発明の効果】
上述の如く、本発明によれば、上位の記録速度に設定された状態測定位置より所定時間経過した位置にその下位の記録速度での状態測定位置を設定することにより、上位の記録速度の状態測定位置での状態測定結果に基づいて記録速度が低減されたときに低減された記録速度で直ぐに、かつ、正確に状態測定を行い、記録パワーを補正できる。したがって、記録動作を正確に行うことができるなどの特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ディスク装置の一実施例のブロック構成図である。
【図2】WPC位置テーブル25のデータ構成図を示す。
【図3】光ディスク2上での絶対時間に対する記録速度の変化を示す図である。
【図4】光ディスク2上での半径に対する記録速度の変化を示す図である。
【図5】マイコン24の記録動作時のフローチャートである。
【図6】マイコン24のWPC処理時のフローチャートである。
【図7】WPC処理の動作説明図である。
【図8】マイコン24のWPC処理の変形例のフローチャートである。
【図9】WPC処理の変形例の動作説明図である。
【図10】βの測定動作を説明するための図である。
【図11】記録パワーとβ値との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 光ディスク装置、2 光ディスク
11 ターンテーブル、12 スピンドルモータ、13 光ピックアップ
14 スレッドモータ、15 インタフェース、16 メモリ
17 メモリコントローラ、18 エンコーダ、19 レーザコントローラ
20 リードアンプ、21 デコーダ、22 サーボコントローラ
23 ドライバ、24 マイコン、25 WPC位置テーブル
31 対物レンズ
【発明の属する技術分野】
本発明は光ディスク装置及びその状態測定方法並びに状態測定位置設定方法に係り、特に、複数の記録速度で信号をディスクに記録できる光ディスク装置及びその状態測定方法並びに状態測定位置設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD−R(compact disk-recordable) やCD−RW(compact disk-rewritable)ディスクは、製造会社などによって、レーザの最適な記録パワーが異なる。このため、CD−R(compact disk-recordable)やCD−RW(compact disk-rewritable)ディスクに情報を記録するための光ディスク装置では、ディスクが装着され、記録指示があると、OPC(optimum power control)処理が実行される。OPC処理は、最適な記録レーザパワーを測定するための処理であり、光ディスクの内周に設定されたPCA(power calibration area)を用いて実施される。
【0003】
ここで、OPCについて説明する。
【0004】
OPCでは、まず、所定の記録速度でレーザの記録パワーを15段階に変化させつつ、所定の信号をPCAに記録にする。次に、PCAに記録された信号を再生し、再生信号のピーク値及びボトム値から15種類のβ値を求める。
【0005】
図10はβ値の測定方法を説明するための図を示す。
【0006】
β値は、図7において信号のS1のピーク値をA1、ボトム値をA2とすると、下記の式(1)に基づいて求められる。
【0007】
β=(A1+A2)/(A1−A2) ・・・(1)
図11は記録パワーとβ値との関係を示す図である。
【0008】
図11に示すようにβ値は、2次関数的に変化しており、最もβ値が小さくなる記録パワーpw0が最適記録パワーとなる。
【0009】
したがって、式(1)に基づいて求められた15種類のβ値のうち最小のβ値得られる記録パワーを所定記録速度における最適記録パワーに設定する。
【0010】
上記動作を各記録速度で行うことにより各記録速度における最適記録パワーを求める。求められた各記録速度毎の最適記録パワーは、マイコンのレジスタにセットされ、信号の記録時に使用される(例えば、特許文献1参照。)。
【0011】
【特許文献1】
特開2002−298356号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光ディスク装置では、上記OPCで設定された最適記録パワーに基づいて記録パワーが設定されており、光ディスクの半径位置などは考慮されていなかった。よって、正確に記録パワーを設定することができないなどの問題点があった。
【0013】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、正確に光ディスクの特性を測定できる光ディスク装置及びその状態測定方法並びに状態測定位置設定方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ディスク(2)に光ビーム(L)を照射して信号を、複数の記録速度で記録可能な光ディスク装置(1)において、最高記録速度で、状態測定位置を任意に設定し、最高記録速度に設定された状態測定位置より所定時間経過した位置にその下位の記録速度での状態測定位置を設定し、上位の記録速度に設定された状態測定位置より所定時間経過した位置にその下位の記録速度での状態測定位置を順次に設定することを特徴とする。
【0015】
本発明のよれば、上位の記録速度に設定された状態測定位置より所定時間経過した位置にその下位の記録速度での状態測定位置を設定することにより、上位の記録速度の状態測定位置での状態測定結果に基づいて記録速度が低減されたときに低減された記録速度で直ぐに、かつ、正確に状態測定を行い、記録パワーを補正できる。したがって、記録動作を正確に行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の光ディスク装置の一実施例のブロック構成図を示す。
【0017】
本実施例の光ディスク装置1は、例えば、CD−R、CD−RWなどを記録及び/又は再生可能なドライブであり、主に、ターンテーブル11、スピンドルモータ12、光ピックアップ13、スレッドモータ14、インタフェース15、メモリ16、メモリコントローラ17、エンコーダ18、レーザコントローラ19、リードアンプ20、デコーダ21、サーボコントローラ22、ドライバ23、マイコン24、WPC位置テーブル25を含む構成とされている。
【0018】
なお、WPC(write power compensation)とは、所定の位置で記録を中断し、記録状態の検証を行い、その程度により、記録パワーの補正を行う、又は、記録速度の減速(Reduce)を行う機能のことである。
【0019】
ターンテーブル11には、光ディスク2が装着される。ターンテーブル11はスピンドルモータ12により回転されて光ディスク2を例えば、矢印A方向に回転させる。スピンドルモータ12は、ドライバ23からの駆動信号に応じて回転する。
【0020】
光ピックアップ13は、光ディスク2に対面するように配置され、対物レンズ31により光ビームLを収束させて光ディスク2に照射する。光ピックアップ13には、対物レンズ31を矢印B方向に揺動させてトラッキング制御を行うとともに、対物レンズ31を矢印C方向に揺動させてフォーカス制御を行うための図示しないアクチュエータが内蔵されている。このアクチュエータはドライバ23からの駆動信号によって駆動され、対物レンズ31を矢印B、C方向に揺動させて、トラッキング及びフォーカス制御を行う。
【0021】
ドライバ23は、サーボコントローラ22からの制御信号によりスピンドルモータ12、スレッドモータ14、上記トラッキング及びフォーカス制御を行うための図示しないアクチュエータに駆動信号を供給する。スレッドモータ14は、光ピックアップ13を光ディスク2の半径方向、すなわち、矢印B方向に移動させるためのモータである。
【0022】
サーボコントローラ22は、リードアンプ20から供給されるトラッキングエラー信号及びフォーカスエラー信号に基づいてトラッキング及びフォーカス制御を行うためのアクチュエータ及びスレッドモータ14を制御するための制御信号を生成し、ドライバ23に供給する。また、サーボコントローラ22は、マイコン24からの指示に基づいてスピンドルモータ12の回転を制御したり、アクチュエータ及びスレッドモータ14を制御したりする。例えば、マイコン24から指示された記録速度に応じてスピンドルモータ12の回転速度を制御する。また、マイコン24からの指示に基づいてトラッキングアクチュエータ及びスレッドモータ13が駆動され、シーク動作が行われる。
【0023】
また、光ピックアップ13には、図示しない光検出器が内蔵されている。光検出器は、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号並びに記録信号を検出し、リードアンプ20に供給する。リードアンプ20は、フォーカスエラー信号及びトラッキングエラー信号を増幅してサーボコントローラ22に供給する。また、リードアンプ20は、記録信号を増幅してデコーダ21及びマイコン24に供給する。
【0024】
デコーダ21は、リードアンプ20からの記録信号をデコードする。デコーダ21によりデコードされたデータは、メモリコントローラ17によりメモリ16に一旦記憶される。メモリ16に記憶されたデータは、ホストコンピュータとのインタフェースをとるインタフェース15を介してホストコンピュータに供給される。なお、メモリ16は、RAM(random access memory)から構成され、バッファメモリとして用いられる。メモリコントローラ17は、インタフェース15、メモリ16、エンコーダ18、デコーダ21間における通信の制御を行う。
【0025】
ホストコンピュータからの記録データは、インタフェース15を介してメモリ16に一旦記憶された後、エンコーダ18に供給される。エンコーダ18は、記録データをエンコードし、記録信号を生成する。エンコーダ18でエンコードされた記録信号は、レーザコントローラ19に供給される。レーザコントローラ19は、光ピックアップ13に内蔵された図示しない、レーザダイオードを駆動する。
【0026】
レーザダイオードは、レーザコントローラ19から供給される駆動信号に応じて発光する。レーザダイオードから出射された光は、対物レンズ31により収束されて光ディスク2に照射される。
【0027】
レーザコントローラ19は、記録時には、エンコーダ18からの記録信号に基づいて駆動信号を生成し、光ピックアップ13に内蔵されたレーザダイオードを発光させる。レーザダイオードは、例えば、レーザコントローラ19から供給される記録信号のレベルがハイレベルのときに光の強度を強くし、記録信号のレベルがローレベルのときに光の強度を弱くする。光ディスク2には、レーザダイオードからの光の強度が強いときに、その熱によってピットが形成される。また、光の強度が弱いときには、ピットは形成されない。以上の動作によって、光ディスク2に記録信号に応じたピットが形成される。なお、レーザコントローラ19は、再生時には、光ディスク2に、ピットが形成されない強度の光を一定の強度で照射する。
【0028】
このとき、レーザコントローラ19は、記録動作時にマイコン24からの指示に基づいてレーザダイオードから出射される光の振幅が制御可能とされている。例えば、レーザコントローラ19は、マイコン24から光の振幅を大きくする指示があると、レーザダイオードに供給する駆動信号の振幅を大きくすることによって、レーザダイオードから出射される光に強度を強くする。また、レーザコントローラ19は、マイコン24から光の振幅を弱くする指示があると、レーザダイオードに供給する駆動信号の振幅を小さくすることによって、レーザダイオードから出射される光の振幅を弱くする。マイコン24は、例えば、OPC及びWPCの結果に基づいて光の振幅を制御している。
【0029】
WPC位置テーブル25には、記録速度毎にWPCを実施する位置が記憶されている。
【0030】
図2はWPC位置テーブル25のデータ構成図を示す。
【0031】
図2に示すようにWPC位置テーブル25は、WPC位置を絶対時間(min)で表している。記録速度が48倍速を最高記録速度とした場合、まず、光ディスク2上の絶対時間で8分、24分、36分、48分、64分の位置でWPCが実行されるように設定される。このとき、最高記録速度の48倍速におけるWPC位置は、任意に設定される。
【0032】
次に記録速度が48倍速の下位の記録速度、すなわち、48倍速から1ステップ減速した記録速度が42倍速であるとすると、42倍速の記録速度では、その上位の48倍速でのWPCの位置から絶対時間で所定時間、例えば、2分経過した位置に設定される。絶対時間で2分間は、記録速度が32倍速での4秒間に相当している。絶対時間で2分間経過した後にWPCを行うことにより安定、かつ、短い時間でWPCを実行できる。したがって、記録速度が42倍速のWPC位置は、10分、26分、38分、66分となる。
【0033】
次に記録速度が42倍速の下位の記録速度、すなわち、42倍速から1ステップ減速した記録速度が36倍速であるとすると、36倍速の記録速度では、その上位の42倍速でのWPCの位置から絶対時間で所定時間、例えば、4分経過した位置に設定される。したがって、記録速度が36倍速のWPC位置は、絶対時間で12分、28分、40分、68分の位置となる。
【0034】
なお、本実施例では、説明を簡単にするために、48倍速、42倍速、36倍速を例に説明したが、他の速度もこれに準じて設定される。すなわち、最高記録速度で、状態測定位置を任意に設定し、最高記録速度に設定された状態測定位置より所定時間ΔT経過した位置にその下位の記録速度での状態測定位置を設定し、上位の記録速度に設定された状態測定位置より所定時間経過した位置にその下位の記録速度での状態測定位置を順次に設定するようにしている。
【0035】
なお、本実施例では、所定時間ΔTを2分に設定したが、これに限定されるものではなく、記録速度によって異ならせるようにしてもよい。
【0036】
図3は、光ディスク2上での絶対時間に対する記録速度の変化を示す図である。図4は、光ディスク2上での半径に対する記録速度の変化を示す図である。
【0037】
図3、図4において「●」は、WPC位置を示す。
【0038】
図3に示すように記録速度42倍速のWPC位置は、48倍速のWPC位置に対して所定時間ΔT経過した位置に設定されており、また、36倍速のWPC位置は、42倍速のWPC位置に対して所定時間ΔT経過した位置に設定されている。なお、半径位置では、図4に示すようなずれとなる。
【0039】
マイコン24は、記録動作時に上記のWPC位置テーブル25に設定された位置に到達すると、WPC処理を実行する。
【0040】
図5はマイコン24の記録動作時のフローチャートを示す。
【0041】
マイコン24は、ステップS1−1で光ディスク2が挿入され、ステップS1−2で挿入された光ディスク2への信号の記録が指示されると、ステップS1−3でOPC(optimum power control)を実行する。OPCは、光ディスク2の内周側に設けられたPCA(power calibration area)を用いて実行される。
【0042】
OPCでは、従来と同様に、所定の記録速度で、PCAに記録パワーを15段階に変化させつつ所定の信号を記録する。次に、PCAに記録した信号を生成して、そのピーク値及びボトム値から式(1)に従って各記録パワーにおけるβ値を求める。次に、OPC処理では、求められた15段階のβ値のうち最小のβ値が得られた記録パワーを最適記録パワーとしてマイコン24に内蔵されたレジスタにセットする。上記処理を各記録速度で行い、各記録速度における最適記録パワーを求め、マイコン24に内蔵されたレジスタにセットする。以上によりOPC処理は終了する。なお、OPCにより記録するパワーの段階の数はこれに限定されるものではなく、さらに細分化するようにしてもよい。
【0043】
次に、マイコン24は、ステップS1−4で記録動作を開始する。このとき、マイコン24は、ステップS1−3のOPCで求められた最適記録パワーのうち記録速度に対応して設定された最適記録パワーにて記録動作を行う。マイコン24は、ステップS1−5でWPC位置テーブル25に予め設定されたWPC位置になると、ステップS1−6でWPC処理を行う。なお、このとき、マイコン24は、光ディスク2に予め形成されているウォブルから抽出されるウォブル信号に含まれる絶対時間を検出し、WPC位置テーブル25に設定された絶対時間と比較することによりWPC位置であるか否かを判定している。
【0044】
WPC処理は、予め設定された位置で、β値を求め、最適記録パワーを求める処理である。WPC処理は、例えば、ディスク2の内周と外周とでβ値の特性が異なるため、OPCで求められた最適記録パワーだけではディスク2の外周側で最適な記録が行えないため、予め設定された位置で最適記録パワーを補正するために行われる処理である。
【0045】
マイコン24は、ステップS1−7で記録終了指示があるまで、ステップS1−4〜S1−6を繰り返し、ステップS1−7で記録終了指示があると、ステップS1−8で記録動作を停止して処理を終了する。
【0046】
次に、WPC処理について詳細説明する。
【0047】
図6はマイコン24のWPC処理時のフローチャートを示す。
【0048】
マイコン24は、WPC処理が開始されると、まず、ステップS2−1で記録動作を停止させる。次に、マイコン24は、ステップS2−2で所定時間前の記録信号をシークする。
【0049】
図7はWPC処理の動作説明図を示す。
【0050】
図7において時刻t1でWPC処理が開始され、記録動作が停止し、時刻t1から動作待ち時間Δt1経過した時刻t2で時間Δt3前の時刻t3にシークし、既記録信号S1を読み出す。このとき、既記録信号S1は記録動作が停止した時刻t1から時間Δt0より前の時刻t0に記録された信号である。これによって、所定時間T=(Δt0+Δt1+Δt2)経過した後の信号S1を読み出すことができる。なお、所定時間Tは4sec程度とすることにより、略すべての光ディスクに対応可能である。なお、所定時間Tは、4secに限定されるものではなく、特性、すなわち、β値が安定するのに必要な時間が経過しており、かつ、β値を取得できる時間が最小限にできるように設定する。
【0051】
また、光ディスクのメーカーなどに応じて所定時間Tを切り換えるようにしてもよい。
【0052】
マイコン24は、ステップS2−3で所定時間Tより前に記録された信号S1のピーク値A1及びボトム値A2を取得し、β値を求める。所定時間Tより前の信号S1からβ値を取得することにより、β値が安定した後に値を取得することになるため、正確なβ値を取得できる。このため、正確に適切な記録パワーを求めることができる。
【0053】
このとき、記録時間Δt0、動作待ち時間Δt1及びシーク時間Δt2を必要最小限に設定することにより、短い時間でWPC処理を行うことができる。
【0054】
図6に戻って説明を続ける
次にマイコン24は、ステップS2−4でβ値が記録パワー制御の許容範囲である、制限範囲内か否かを判定する。
【0055】
マイコン24はステップS2−4でβ値が制限範囲内にある場合には、ステップS2−5でβ値が許容範囲か否かを判定する。
【0056】
マイコン24は、ステップS2−5でβ値が許容範囲内にあれば、記録パワーを変更することなくステップS2−6で記録動作を再開する。また、マイコン24は、ステップS2−5でβ値が許容範囲外であれば、ステップS2−7で記録パワーをβ値が小さくなるように変更した後、ステップS2−6で記録動作を再開する。
【0057】
また、マイコン24は、ステップS2−4でβ値が制限範囲外である場合には、記録パワーの変更では対応できないので、ステップS2−8で記録速度を1ステップ低減させる。例えば、24倍速であれば、20倍速にするなどの制御を行った後、ステップS2−2に戻って、低減した記録速度で、再び最適記録パワーを求める。
【0058】
以上により、常に最適記録パワーで信号を記録することが可能となる。
【0059】
なお、本実施例では、所定時間T以前に記録された信号を再生することによりβ値が安定した後にβ値を取得して記録パワーなどの制御を行ったが、所定時間待機した後に最新の信号を再生することによりβ値を取得するようにしてもよい。
【0060】
図8はマイコン24のWPC処理の変形例のフローチャートを示す。同図中、図6と同一処理部分には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0061】
本実施例では、マイコン24は、ステップS2−1で記録動作を停止した後、ステップS3−1でタイマを起動し、ステップS3−2で所定時間経過するまで待機する。マイコン24は、ステップS3−2で所定時間経過した後、ステップS3−3で最新の記録信号をシークして、最新の記録信号のピーク値とボトム値を読み取り、ステップS2−3でβ値を測定する。
【0062】
図9はWPC処理の変形例の動作説明図を示す。
【0063】
ポジションp0で記録動作が終了した後、時間Δt11経過したポジションp1で最新の信号S11のポジションp2をシークし、最新の信号S11を読み取り、そのポーク値とボトム値とからβ値を測定する。
【0064】
このとき、ポジションp1からポジションp2までにかかるシーク時間Δt12を考慮して所定時間Δt11を設定することにより、必要最小限の時間で信号を読み取ることができる。
【0065】
なお、本実施例では、CD−R(compact disk-recordable) やCD−RW(compact disk-rewritable)ディスクに信号を記録するための光ディスク装置につてい説明したが、DVD−RAM、MO(magneto optical)など記録可能な他の光ディスク装置に提供することは可能である。
【0066】
また、本実施例の特性測定方法は、CLV方式、CAV方式、ゾーンCLV方式など記録方式に限定されずに適用できる。
【0067】
【発明の効果】
上述の如く、本発明によれば、上位の記録速度に設定された状態測定位置より所定時間経過した位置にその下位の記録速度での状態測定位置を設定することにより、上位の記録速度の状態測定位置での状態測定結果に基づいて記録速度が低減されたときに低減された記録速度で直ぐに、かつ、正確に状態測定を行い、記録パワーを補正できる。したがって、記録動作を正確に行うことができるなどの特長を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ディスク装置の一実施例のブロック構成図である。
【図2】WPC位置テーブル25のデータ構成図を示す。
【図3】光ディスク2上での絶対時間に対する記録速度の変化を示す図である。
【図4】光ディスク2上での半径に対する記録速度の変化を示す図である。
【図5】マイコン24の記録動作時のフローチャートである。
【図6】マイコン24のWPC処理時のフローチャートである。
【図7】WPC処理の動作説明図である。
【図8】マイコン24のWPC処理の変形例のフローチャートである。
【図9】WPC処理の変形例の動作説明図である。
【図10】βの測定動作を説明するための図である。
【図11】記録パワーとβ値との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 光ディスク装置、2 光ディスク
11 ターンテーブル、12 スピンドルモータ、13 光ピックアップ
14 スレッドモータ、15 インタフェース、16 メモリ
17 メモリコントローラ、18 エンコーダ、19 レーザコントローラ
20 リードアンプ、21 デコーダ、22 サーボコントローラ
23 ドライバ、24 マイコン、25 WPC位置テーブル
31 対物レンズ
Claims (9)
- ディスクに光ビームを照射して信号を、複数の記録速度で記録可能な光ディスク装置において、
前記複数の記録速度毎に、前記信号の状態を測定する状態測定位置を記憶した状態測定位置記憶部と、
前記状態測定位置記憶部に記憶された前記状態測定位置で記録動作を停止して、信号の状態を測定する信号状態測定部とを有し、
前記状態測定位置記憶部には、所定記録速度での状態測定位置から所定時間経過した位置に前記所定記録速度の下位の記録速度での状態測定位置が設定されたことを特徴とする光ディスク装置。 - 前記所定時間は、前記所定記録速度からその下位の記録速度に移行した後、下位の記録速度で記録が再開され、記録動作が安定して行われるまでの時間に設定されたことを特徴とする請求項1記載の光ディスク装置。
- 前記所定時間は、前記ディスクに予め設定された絶対時間で、略4分に設定されたことを特徴とする請求項2記載の光ディスク装置。
- ディスクに光ビームを照射して信号を、複数の記録速度で記録可能な光ディスク装置の状態測定方法において、
所定記録速度での状態測定位置から所定時間経過した位置に前記所定記録速度の下位の記録速度での状態測定位置が設定され、
前記状態測定位置で記録動作を停止して、信号の状態を測定することを特徴とする光ディスク装置の状態測定方法。 - 前記所定時間は、前記所定記録速度からその下位の記録速度に移行した後、下位の記録速度で記録が再開され、記録動作が安定して行われるまでの時間に設定されたことを特徴とする請求項4記載の光ディスク装置の状態測定方法。
- 前記所定時間は、前記ディスクに予め設定された絶対時間で、略4分に設定されたことを特徴とする請求項2記載の光ディスク装置の状態測定方法。
- ディスクに光ビームを照射して信号を、複数の記録速度で記録可能な光ディスク装置の状態測定位置設定方法において、
最高記録速度で、状態測定位置を任意に設定し、
前記最高記録速度に設定された状態測定位置より所定時間経過した位置にその下位の記録速度での状態測定位置を設定し、
上位の記録速度に設定された状態測定位置より所定時間経過した位置にその下位の記録速度での状態測定位置を順次に設定することを特徴とする光ディスク装置の状態測定位置設定方法。 - 前記所定時間は、前記所定記録速度からその下位の記録速度に移行した後、下位の記録速度で記録が再開され、記録動作が安定して行われるまでの時間に設定されたことを特徴とする請求項7記載の光ディスク装置の状態測定位置設定方法。
- 前記所定時間は、前記ディスクに予め設定された絶対時間で、略4分に設定されたことを特徴とする請求項8記載の光ディスク装置の状態測定位置設定方法。
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