JP2004205595A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】装置本体のエネルギー消費効率が120Wh/h未満であり,運転状態に応じて,所定の印字モードと待機モードとが切り替わるよう構成された画像形成装置において,処理を煩雑にすることなく,不必要な冷却ファンの駆動を停止し,省電力,低騒音,冷却ファンの長寿命化を実現し得る画像形成装置を提供すること。
【解決手段】その運転モードが待機モードに移行した場合,印字モードへ復帰する場合を除いて,予め設定された所定時間だけ冷却手段を駆動させた後に停止させる。
また,前記冷却手段が駆動されている間に,装置本体の電源オフ操作が行われた場合においても,前記冷却手段を前記所定時間駆動させた後に,装置本体の電源遮断処理を実行する。
更には,前記制御手段により前記冷却手段が駆動されている間に,運転モードが待機モードから省電力モードに移行した場合においても,前記冷却手段を前記所定時間駆動させた後に停止する。
【選択図】図1
【解決手段】その運転モードが待機モードに移行した場合,印字モードへ復帰する場合を除いて,予め設定された所定時間だけ冷却手段を駆動させた後に停止させる。
また,前記冷却手段が駆動されている間に,装置本体の電源オフ操作が行われた場合においても,前記冷却手段を前記所定時間駆動させた後に,装置本体の電源遮断処理を実行する。
更には,前記制御手段により前記冷却手段が駆動されている間に,運転モードが待機モードから省電力モードに移行した場合においても,前記冷却手段を前記所定時間駆動させた後に停止する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は,通常の印字モードと待機モードとを,運転状態に応じて切り替えることで消費エネルギーの抑制する機能を有する熱定着方式の画像形成装置に係り,詳しくは,運転モードが待機モードである場合には,冷却が必要な場合のみ冷却手段を駆動させることで,更なる省電力を実現し得る画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年,熱定着方式の画像形成装置においては,高画質化,高速化に対する要求が強く,転写材上に画像を形成するためのトナーの小径(微粒子)化,高定着化が促進され,融点の低温化傾向が進んでいる。
一方で,装置本体に対する小型化の要求も強く,熱源たる定着器と,フレッシュトナー(未使用のトナー)を収容している現像器,トナーカートリッジとの間を遮熱するのに十分な距離をとることが困難な状況となっている。
その結果として,フレッシュトナーの融着傾向が問題とならざるを得ず,装置の設計段階においては,その融着傾向を抑制する冷却機構を実現することが重要となる。
しかしながら,環境問題への配慮,それを受けての市場の省電力に対する要求も強く,不必要な電力消費を削減し,電力効率を向上させることも重要であるため,フレッシュトナーの融着傾向を回避するために,冷却機構(例えば,冷却ファン)を駆動し続けることは現実的ではない。
そこで,このような課題を解決するものとして,特許文献1により開示された技術がある。
この技術は,装置内の温度情報(例えば,定着装置の温度)に基づいて,電源オフ操作が行われた後の冷却手段(冷却ファン)の駆動時間を可変制御するものである。
このような技術によれば,必要以上の冷却ファンの駆動を防止することが可能であり,省電力化に寄与し得る。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−010995号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,特許文献1により開示された技術では,以下のような問題が生じ得る。
具体的には,特許文献1により開示された技術においては,通電時における冷却ファンの制御(一般的には,温度一定制御が行われる)と,電源オフ操作後における冷却ファンの制御(装置内の温度情報に基づいた所定時間だけ運転継続される)とが一致しておらず,更には,電源オフ操作が行われた後に,冷却ファンの運転時間の判定処理等を行うことは処理の煩雑化を招き,実用上好ましくない。
そこで,本発明は,前記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,処理を煩雑にすることなく,不必要な冷却ファンの駆動を停止し,省電力,低騒音,冷却ファンの長寿命化を実現し得る画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために,本発明は,装置本体のエネルギー消費効率が120Wh/h未満であり,運転状態に応じて,所定の印字モードと待機モードとが切り替わるよう構成された画像形成装置において,運転モードが前記待機モードに移行した場合,前記印字モードへ復帰する場合を除いて,予め設定された所定時間だけ冷却手段を駆動させた後に停止させる制御手段を具備してなることを特徴とする画像形成装置として構成される。
このように構成することによって,本発明によれば,前記冷却手段(例えば,冷却ファン)を,当該画像形成装置内を冷却するのに必要な最小の駆動時間で駆動した後に停止させることが可能であり,省電力,低騒音,前記冷却ファンの長寿命化を実現し得る。
更には,そのような機能の実現する処理としては,前記待機モードに移行後から所定時間経過したことを条件に前記冷却手段を停止させるという,従来公知の演算処理に較べて,極めて簡単な処理であるため,プログラム容量(回路規模)を縮小することが可能となり,ひいては,製作コストの低減に寄与し得る。
【0006】
また,前記制御手段により前記冷却手段が駆動されている間に,装置本体の電源オフ操作が行われた場合においても,前記制御手段は,前記冷却手段を前記所定時間駆動させた後に,装置本体の電源遮断処理を実行することが望ましい。
更には,運転モードとして前記印字モード及び前記待機モードに加え,更に省電力モードを有する画像形成装置であって,前記制御手段により前記冷却手段が駆動されている間に,運転モードが前記待機モードから前記省電力モードに移行した場合においても,前記制御手段は,前記冷却手段を前記所定時間駆動させた後に停止させてなることが望ましい。
このような構成により,電源オフ操作の有無,或いは運転モード(前記待機モード或いは前記省電力モードのいずれか)の推移に拘わらず,前記冷却手段を停止させるための演算処理を共通化することが可能であり,前記冷却手段に関する処理の更なる簡略化(共通化)を推進することが可能となり,より生産コストの面で優れる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態及び実施例について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施形態に係るカラープリンタの概略構成を示す側断面図,図2は冷却ファンに関する処理の流れを示すフローチャート,図3はカラープリンタの運転状態と冷却ファンの駆動状態とを表す図である。
【0008】
本発明の実施の形態に係る画像形成装置は図1に示す如く具現化される。
ここに,図1は,本発明の実施形態に係る画像形成装置であるカラープリンタ1の概略構成を示す側断面図である。
同図に示す如く,前記カラープリンタ1は,大別すると,複数の転写材(例えば,記録紙等)を収容し,収容された転写材を供給する転写材供給部7と,該転写材供給部7の上方に配置され,供給された転写材上に所定の画像を形成し,しかる後に排出する画像形成部11に分けられる。
ここでは,先ず,前記画像形成部11の内部構成,並びにその機能について概略説明する。
2は感光体ドラムであり,OPC(Organic Photo Conductor:有機感光体)又はa−Si(アモルファスシリコン)感光体が用いられる。
3は帯電チヤージャであり,不図示の電源からの給電を受け,前記感光体ドラム2表面に所定の帯電電圧を印加する。
31はイレーサであり,前記帯電チヤージャ3により前記感光体ドラム2表面に所定の帯電電圧を印加する前に,前記感光体ドラム2の表面電位を下げることができるように構成される。
4は露光機構であり,前記感光体ドラム2に帯電された表面側に外部端末からの画像情報がレーザ光で照射され静電潜像を形成する。尚,該露光手段としては,レーザ光以外にも,LED光を用いることを可能である。
5は形成された潜像にカラートナーを現像する現像器であり,前記感光体ドラム2の回転方向上流側からイエローを現像する現像器5a,マゼンタを現像する現像器5b,シアンを現像する現像器5c,プラックを現像する現像器5dの順にを配列される。また,各色の現像器5の近傍には,イエロートナーが収納されたトナー容器50a,マゼンタトナーが収納されたトナー容器50b,シアントナーが収納されたトナー容器50c,及びブラックトナーが収納されたトナー容器50dが配置されている。
32はクリーニング装置であり,後述する中間転写ドラム6で未転写となった残留トナーを前記感光体ドラム2上から除去する機能を有する。
6は中間転写ドラムであり,所定のバイアス電圧が印加されることで前記感光体ドラム2に現像されたトナーを一次的に転写させる作業を全色のトナーに対して繰り返すことによって,その表面には全色のトナーが色重ねされる。
6aは二次転写ローラ,6bはクリーニングブラシである。なお,前記中間転写ドラム6に対して色重ねが行われている場合には,該二次転写ローラ6a及びクリーニングローラ6bは,不図示である退避機構により,全色の色重ねが完了するまで前記中間転写ドラム6から退避した退避位置に移動される。
次に,前記転写材供給部7について説明する。
該転写材供給部7は,転写材の給紙並びに両面印刷に係る機能を実現するものであり,大容量の用紙が積載され,最上段の用紙を給紙ローラによって順次搬送する給紙・両面印刷ユニット7aと,外部から一枚づつ用紙を搬送する手差しユニット7bとからなる。
前記給紙・両面印刷ユニット7aから送り込まれた転写材は所定の搬送路に沿ってレジストローラ60まで搬送され,該レジストローラ60により先端揃えがなされた後,所定のタイミングで前記画像形成部11に搬送される。
具体的には,前記中間転写ドラム6上への色重ねさが完了したタイミングにより二次転写ローラ6aに送り込まれる。
そして,その表面にトナーが二次転写された転写材は,搬送べルト8によって出口側に向かって搬送させる。
9は定着装置であり,前記搬送ベルト8からの転写材が搬送され,該転写材上に二次転写されたトナーを熱と圧力によって定着させる。
前記定着装置9により熱定着された転写材は,所定の搬送路を経由して,装置側面に設けられる印字面を上にして排紙するフェイスアップトレイ10a,若しくは,装置上面に設けられる印字面を下にして排紙するフェイスダウントレイ10bへと搬送され,排紙される。尚,10cは両面印刷のためのパス10cであり,片面に画像形成された転写材を,前記転写材供給部7を経由して,再び前記画像形成部11へと搬送することで,今度は裏面に画像形成するためのものである。
以上説明したようなカラープリンタの基本的構成,並びにその基本的動作については,従来公知のカラープリンタと同一である。
しかしながら,本実施形態に係るカラープリンタ1は,機内温度を冷却する冷却ファンを制御するに当たり,確実に機内温度を前記冷却ファンによる強制冷却が不要となる飽和温度まで冷却した後に前記冷却ファンを停止させる冷却機能の実現を,運転状態の変位や電源オフ操作の有無に拘わらず達成するべく前記冷却ファンが制御される点で従来構成と異なり,この差異(特徴点)により,前記冷却ファンに関する制御を共通化することで演算処理の簡単化を推し進めると共に,その駆動時間を最小限に留めることを可能とし,省電力化,低騒音化,更には冷却ファンの長寿命化を実現し得るものである。
以下に,その特徴点について詳説する。
【0009】
ところで,近年の画像形成装置(本実施形態ではカラープリンタ)においては,利用者からの印刷要求(印刷データ)に応じて即時的に画像形成処理を行ういわゆる印字モードと,利用者によって一定時間以上何らの操作もなされなかった場合には,定着装置(図1では9により示す)が備えるヒータの制御温度を印字モードの制御温度(例えば,150℃)に較べて低温(例えば,80℃)に温度制御することにより,装置の消費電力を抑制する待機モードと,更には,該待機モードに移行した後に,更に一定時間以上何らの操作もなされなかった場合には,前記定着装置のヒータ或いはタッチパネル等の表示操作部等への電源供給を停止することにより,装置の消費電力を最小限に抑制する省電力モードとを有することが一般的である。
このような複数の運転モードを用意することにより,当該カラープリンタを使用状況に応じて,その運転モードは待機モード或いは省電力モードへと切り替えられ,ユーザの使用性(作業効率)を損なうことなく,省電力を達成することができる。
尚,このような各種運転モードは,前回の画像形成処理が終了してから操作がされずに経過した時間に応じて遷移するように,所定のプログラムに従って図1には図示しない制御装置により制御設定される。
【0010】
ここで,上述した待機モードにおいては,前記定着装置の前記ヒータが低温度で制御されるため,装置内の冷却装置(本実施形態では,冷却ファンを考える)を駆動することで一定時間冷却した後には,前記冷却ファンによる強制冷却を必要としない温度で機内温度が飽和する状況が考えられる。
ここで,前記カラープリンタの機内温度を決定する要因としては,待機時における前記定着装置のヒータの制御温度が占める割合が非常に大きい。即ち,前記ヒータの制御温度を高めに設定した場合には,前記ヒータは頻繁に点灯するため装置内の温度は高くなり,逆に,前記ヒータの制御温度を低めに設定した場合には,前記ヒータの点灯する頻度は下がるため装置内の温度は低くなる。
一方で,前記ヒータの制御温度を決定する要素としては,印字モード(つまりは,印刷可能な制御温度)への復帰時間に対する要求に応じて決定されることは言うまでも無いが,ここでは,装置の消費電力と相関性があることに注目する。
なぜならば,前記ヒータの制御温度を高くすると,上述の如く,その点灯頻度が増大するため消費電力は大きくなり,制御温度を低くすると,その点灯頻度は減少するため消費電力は小さくなるからである。
従って,待機モードにおいて,機内温度が飽和する状況に陥る装置かどうかを前記制御装置が判定する基準としては,前記ヒータの点灯頻度に応じて増減する,装置のエネルギー消費効率を目安にすることができる。
このような観点から試行錯誤の結果,本出願人は,装置のエネルギー効率が120Wh/h未満の装置において,待機モードにおいては,機内温度が前記冷却ファンによる強制冷却を必要としない温度(つまりは,フレッシュトナーが融着傾向を回避し得る温度)で飽和することを確認した。
【0011】
そこで,このような条件(エネルギー効率が120Wh/h未満)のカラープリンタにおいて,前記制御装置によって,前記冷却ファンを図2に示すフローチャートの如く制御することにより,前記冷却ファンの無駄な駆動を防止して省電力を推し進めると共に,その演算処理の簡易化を実現することが可能である。
以下に,図2を参照しつつ,本実施形態の特徴点である,前記制御装置によるプログラムに従った冷却ファンの制御動作について,詳説する。尚,以下S1,S2,,は処理手順(ステップ)の番号であり,図2に示す番号と対応するものである。
(S1)
先ず,前記冷却ファンの制御を行うに当たり,その運転モードの判定が行われる。このステップS1において,運転モードが待機モードではない(図中ではNoで示す)と判定された場合(つまりは,印字モード或いは省電力モード)には,夫々の運転モードに応じた前記冷却ファンの制御が行われる。具体的には,印字モードにおいては,前記冷却ファンは前記定着装置の前記ヒータの温度を所定の制御温度(例えば,150℃)に保つべく温度一定制御が行われ,省電力モードにおいては,前記定着装置の前記ヒータは停止しているため,前記冷却ファンは停止される。
(S2)
前記ステップS1においてYesの判定がなされた場合(つまりは,待機モードが選択されている場合)には,待機モードに応じた前記冷却ファンの駆動制御が開始される。ここで,待機モードに応じた駆動制御とは,待機モードに移行する前(つまりは,印字モード)に上昇した機内温度を所定温度近傍まで冷却するべく,前記冷却ファンを回転制御することであり,低騒音或いは該冷却ファンの長寿命化を達成するべく,予め定められた低速回転(一定回転)での回転制御を行うことが一般的である。
(S3)
前記ステップS2において,前記冷却ファンが回転開始された時点で,所定の計時回路により,その駆動時間の計時が開始される。
(S4)〜(S6)
次に,ステップS4において,運転モードが印字モードに復帰しているかどうかの確認が行われる。
つまり,このステップS4においてYesと判定された場合には,利用者からの印刷要求に応じて運転モードが待機モードから印字モードに復帰したことを示しているため,その処理が通常の印字処理に移行され,印刷要求(印刷データ)に応じた画像形成処理が行われる(S5)。
一方,前記ステップS4においてNoと判定された場合には,利用者からの印刷要求はなく待機モードが継続していることを示しているため,前記ステップS3により計時開始された前記冷却ファンの駆動時間が所定時間経過したかどうかの判定処理を行うステップS6に移行される(S6)。
尚,前記ステップS6による判定処理は,前記冷却ファンの駆動時間が所定時間未満であれば処理を前記ステップS4に戻し,前記冷却ファンの駆動時間が所定時間を経過した時点でその処理を次のステップS7に移行させる。
つまり,当該カラープリンタ1において待機モードが選択されている場合であって,且つ前記冷却ファンを駆動すべき所定の駆動時間(例えば,20分)の間は,前記ステップS4〜S6の処理が繰り返される。
(S7)
前記ステップS6における判定結果がYesであった場合(つまりは,前記冷却ファンの駆動時間が所定時間経過した場合),前記冷却ファンが停止される。
尚,このステップS7において前記冷却ファンを停止させたとしても,当該カラープリンタ1の機内温度は,待機モードが選択されている限りにおいては,充分低い所定の温度で飽和するため,フレッシュトナーが融着傾向に陥ることはない。
(S8)〜(S9)
最後に,前記ステップS7において前記冷却ファンが停止された時点で,装置の電源オフ操作が行われたかどうかの判定処理が行われる。
このステップS7においてYesと判定された場合には,処理がステップS9に移行され,装置の電源を遮断する所定処理が実行された上で処理が終了されS9),Noと判定された場合には,そのまま処理が終了される。
【0012】
次に,上述説明した制御方法に基づいて前記冷却ファンを駆動した場合の該冷却ファンの駆動状態について図3を参照しつつ,詳説する。
ここに,図3は,当該カラープリンタ1において,各運転モードを推移させる所定時間と,当該装置に対する電源オフ指令を与える時間とを設定変更した場合における動作状態を示すものである。
具体的には,図3(a)は,待機モードから省電力モードに移行するまでの所定時間(例えば30分)が,前記冷却ファンの駆動時間(例えば20分)よりも長く設定されている場合を示す。
また,図3(b)は,待機モードから省電力モードに移行するまでの所定時間(例えば15分)が,前記冷却ファンの駆動時間(例えば20分)よりも短く設定されている場合を示す。
更に,図3(c)は,待機モードから省電力モードに移行するまでの間に,利用者による装置の電源オフ操作が行われた場合を示す。
各種運転モードを遷移させる所定時間は,前記制御装置内に予め設定された設定値が用いられ,その値は,使用状況/ユーザニーズに応じて任意に調整可能である。
以下,各図の場合毎に当該カラープリンタ1の動作状態の推移と,前記冷却ファンの駆動状態について説明する。
【0013】
(図3(a)の場合)
印字モードで運転されている当該カラープリンタ1において,利用者の不使用状態が所定時間継続した場合には,その運転モードが待機モードに移行される。
そして,運転モードが待機モードに移行した時点から,前記冷却ファンが駆動され(図2における前記ステップS2に該当),その駆動時間が所定時間(例えば20分)継続した後に停止される(図2における前記ステップS7に該当)。
更に,待機モードに移行した時点から,所定時間(例えば30分)経過した後に運転モードが省電力モードに移行される。
ここで,省電力モードとは,前述したように,前記定着装置に設けられる前記ヒータへの電源供給が停止され,当該カラープリンタ1の機内温度が上昇する虞のない運転モードであるため,前記冷却ファンを駆動する必要は無い。
更に,省電力モードにより運転されている当該カラープリンタ1において,利用者による電源オフ操作が行われた場合には,所定の電源断操作が行われ,当該カラープリンタ1の電源が遮断される(図2における前記ステップS9に該当)。
このように,同図に示す場合においては,前記冷却ファンは,機内温度を低下させるために必要な最小限の時間だけ駆動されており,省電力で且つ低騒音な駆動制御が実現されている。
【0014】
(図3(b)の場合)
印字モードで運転されている当該カラープリンタ1において,利用者の不使用状態が所定時間継続した場合には,その運転モードが待機モードに移行される。
そして,運転モードが待機モードに移行した時点から,前記冷却ファンが駆動され(図2における前記ステップS2に該当),その駆動時間が所定時間(例えば20分)継続した後に停止される(図2における前記ステップS7に該当)のは前述した場合と共通である。
しかしながら,同図に示す如く,この場合の当該カラープリンタ1は,待機モードから省電力モードに移行させるための所定時間が,前記冷却ファンの駆動時間(例えば20分)よりも短い時間(例えば15分)に設定されている点で前述した場合と異なる。尚,このように,待機モードによる待機状態が短くされる設定は,例えば,利用頻度が低いカラープリンタや,省電力に対するニーズが強いカラープリンタに対して施される設定である。
このような設定がなされた本実施形態に係る当該カラープリンタ1においては,運転モードは,その設定に応じて省電力モードに移行されるものの,前記冷却ファンは停止されることなく,所定時間だけ駆動された後に停止させるように制御される。
このような制御を行えば,装置に要求されている省電力機能と,当該カラープリンタ1の機内温度を前記冷却ファンによる強制冷却が不要となる飽和温度まで確実に冷却した後に前記冷却ファンを停止させるという冷却機能と,を両立させることが可能である。
ここで,省電力モードにより運転されている当該カラープリンタ1に電源オフ操作が行われた場合の処理については前述した場合と同様であるため,ここでは説明を省略する。
このように,同図に示す場合においても,前記冷却ファンは,機内温度を低下させるために必要な最小限の時間だけ駆動されており,省電力で且つ低騒音な駆動制御が実現されている。
【0015】
(図3(c)の場合)
印字モードで運転されている当該カラープリンタ1において,利用者の不使用状態が所定時間継続した場合には,その運転モードが待機モードに移行される。
そして,運転モードが待機モードに移行した時点から,前記冷却ファンが駆動され(図2における前記ステップS2に該当),その駆動時間が所定時間(例えば20分)継続した後に停止される(図2における前記ステップS7に該当)のは前述した場合と共通である。
しかしながら,同図に示す如く,この場合は,当該カラープリンタ1が待機モードで待機状態で運転している時点で,電源オフ操作が行われた点で前述した場合と異なる。
この時点で電源オフ操作がなされた本実施形態に係る当該カラープリンタ1においては,電源オフ操作に応じた電源遮断操作が行われるものの,前記冷却ファンは停止されることなく,所定時間だけ駆動された後に停止され,しかる後に,全ての電源が遮断される。
つまり,前記「電源オフ操作に応じた電源遮断操作」とは,前記冷却ファン等に代表される冷却機能に関連する機器にのみ電源を供給し,それ以外の機器(例えば,定着装置,或いは搬送ローラや給紙ローラ等を駆動する電動機に給電する駆動系その他)に対する電源供給を遮断する操作である。
このような制御を行えば,当該カラープリンタ1の機内温度を前記冷却ファンによる強制冷却が不要となる飽和温度まで確実に冷却した後に前記冷却ファンを停止させるという冷却機能を損なうことなく,電源遮断処理を行うことが可能となる。
このように,本実施形態に係る当該カラー装置1においては,前記冷却ファンを制御するに当たり,運転モードが省電力モードに移行した場合(図3(b)に示す場合),或いは待機モードで待機運転中に電源オフ操作がなされた場合(図3(c)に示す場合)であっても,前記冷却ファンに関する制御処理は共通している。
具体的な前記冷却ファンの制御思想としては,運転モードが待機モードに移行されたことを開始条件とし,運転開始から所定時間経過したことを停止条件とするものである。
このような制御思想に基づく制御を行うことで,本実施形態に係る当該カラープリンタ1によれば,機内温度を前記冷却ファンによる強制冷却が不要となる飽和温度まで確実に冷却した後に前記冷却ファンを停止させる冷却機能の実現と,前記冷却ファンの駆動時間の最小化とを,運転状態の推移や電源オフ操作の有無に拘わらず両立し得る。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,画像形成装置の運転モードの変異や電源オフ操作の有無に拘わらず,前記冷却ファンに関する制御を共通化することで演算処理の簡単化を推し進めると共に,その駆動時間を最小限に留めることが可能であり,省電力化,低騒音化,更には冷却ファンの長寿命化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るカラープリンタの概略構成を示す側断面図。
【図2】冷却ファンに関する処理の流れを示すフローチャート。
【図3】カラープリンタの運転状態と冷却ファンの駆動状態とを表す図。
【符号の説明】
1…カラープリンタ
2…感光体ドラム
3…帯電チヤージャ
4…露光機構
5…現像器
6…中間転写ドラム
6a…二次転写ローラ
6b…クリーニングブラシ
7…転写材供給部
7a…給紙・両面印刷ユニット
7b…手差しユニット
8…搬送べルト
9…定着装置
10a…フェイスアップトレイ
10b…フェイスダウントレイ
11…画像形成部
31…イレーサ
50…トナー容器
60…レジストローラ
S1,S2,,…処理手順(ステップ)の番号
【発明の属する技術分野】
本発明は,通常の印字モードと待機モードとを,運転状態に応じて切り替えることで消費エネルギーの抑制する機能を有する熱定着方式の画像形成装置に係り,詳しくは,運転モードが待機モードである場合には,冷却が必要な場合のみ冷却手段を駆動させることで,更なる省電力を実現し得る画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年,熱定着方式の画像形成装置においては,高画質化,高速化に対する要求が強く,転写材上に画像を形成するためのトナーの小径(微粒子)化,高定着化が促進され,融点の低温化傾向が進んでいる。
一方で,装置本体に対する小型化の要求も強く,熱源たる定着器と,フレッシュトナー(未使用のトナー)を収容している現像器,トナーカートリッジとの間を遮熱するのに十分な距離をとることが困難な状況となっている。
その結果として,フレッシュトナーの融着傾向が問題とならざるを得ず,装置の設計段階においては,その融着傾向を抑制する冷却機構を実現することが重要となる。
しかしながら,環境問題への配慮,それを受けての市場の省電力に対する要求も強く,不必要な電力消費を削減し,電力効率を向上させることも重要であるため,フレッシュトナーの融着傾向を回避するために,冷却機構(例えば,冷却ファン)を駆動し続けることは現実的ではない。
そこで,このような課題を解決するものとして,特許文献1により開示された技術がある。
この技術は,装置内の温度情報(例えば,定着装置の温度)に基づいて,電源オフ操作が行われた後の冷却手段(冷却ファン)の駆動時間を可変制御するものである。
このような技術によれば,必要以上の冷却ファンの駆動を防止することが可能であり,省電力化に寄与し得る。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−010995号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,特許文献1により開示された技術では,以下のような問題が生じ得る。
具体的には,特許文献1により開示された技術においては,通電時における冷却ファンの制御(一般的には,温度一定制御が行われる)と,電源オフ操作後における冷却ファンの制御(装置内の温度情報に基づいた所定時間だけ運転継続される)とが一致しておらず,更には,電源オフ操作が行われた後に,冷却ファンの運転時間の判定処理等を行うことは処理の煩雑化を招き,実用上好ましくない。
そこで,本発明は,前記事情に鑑みてなされたものであり,その目的とするところは,処理を煩雑にすることなく,不必要な冷却ファンの駆動を停止し,省電力,低騒音,冷却ファンの長寿命化を実現し得る画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために,本発明は,装置本体のエネルギー消費効率が120Wh/h未満であり,運転状態に応じて,所定の印字モードと待機モードとが切り替わるよう構成された画像形成装置において,運転モードが前記待機モードに移行した場合,前記印字モードへ復帰する場合を除いて,予め設定された所定時間だけ冷却手段を駆動させた後に停止させる制御手段を具備してなることを特徴とする画像形成装置として構成される。
このように構成することによって,本発明によれば,前記冷却手段(例えば,冷却ファン)を,当該画像形成装置内を冷却するのに必要な最小の駆動時間で駆動した後に停止させることが可能であり,省電力,低騒音,前記冷却ファンの長寿命化を実現し得る。
更には,そのような機能の実現する処理としては,前記待機モードに移行後から所定時間経過したことを条件に前記冷却手段を停止させるという,従来公知の演算処理に較べて,極めて簡単な処理であるため,プログラム容量(回路規模)を縮小することが可能となり,ひいては,製作コストの低減に寄与し得る。
【0006】
また,前記制御手段により前記冷却手段が駆動されている間に,装置本体の電源オフ操作が行われた場合においても,前記制御手段は,前記冷却手段を前記所定時間駆動させた後に,装置本体の電源遮断処理を実行することが望ましい。
更には,運転モードとして前記印字モード及び前記待機モードに加え,更に省電力モードを有する画像形成装置であって,前記制御手段により前記冷却手段が駆動されている間に,運転モードが前記待機モードから前記省電力モードに移行した場合においても,前記制御手段は,前記冷却手段を前記所定時間駆動させた後に停止させてなることが望ましい。
このような構成により,電源オフ操作の有無,或いは運転モード(前記待機モード或いは前記省電力モードのいずれか)の推移に拘わらず,前記冷却手段を停止させるための演算処理を共通化することが可能であり,前記冷却手段に関する処理の更なる簡略化(共通化)を推進することが可能となり,より生産コストの面で優れる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態及び実施例について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態及び実施例は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は本発明の実施形態に係るカラープリンタの概略構成を示す側断面図,図2は冷却ファンに関する処理の流れを示すフローチャート,図3はカラープリンタの運転状態と冷却ファンの駆動状態とを表す図である。
【0008】
本発明の実施の形態に係る画像形成装置は図1に示す如く具現化される。
ここに,図1は,本発明の実施形態に係る画像形成装置であるカラープリンタ1の概略構成を示す側断面図である。
同図に示す如く,前記カラープリンタ1は,大別すると,複数の転写材(例えば,記録紙等)を収容し,収容された転写材を供給する転写材供給部7と,該転写材供給部7の上方に配置され,供給された転写材上に所定の画像を形成し,しかる後に排出する画像形成部11に分けられる。
ここでは,先ず,前記画像形成部11の内部構成,並びにその機能について概略説明する。
2は感光体ドラムであり,OPC(Organic Photo Conductor:有機感光体)又はa−Si(アモルファスシリコン)感光体が用いられる。
3は帯電チヤージャであり,不図示の電源からの給電を受け,前記感光体ドラム2表面に所定の帯電電圧を印加する。
31はイレーサであり,前記帯電チヤージャ3により前記感光体ドラム2表面に所定の帯電電圧を印加する前に,前記感光体ドラム2の表面電位を下げることができるように構成される。
4は露光機構であり,前記感光体ドラム2に帯電された表面側に外部端末からの画像情報がレーザ光で照射され静電潜像を形成する。尚,該露光手段としては,レーザ光以外にも,LED光を用いることを可能である。
5は形成された潜像にカラートナーを現像する現像器であり,前記感光体ドラム2の回転方向上流側からイエローを現像する現像器5a,マゼンタを現像する現像器5b,シアンを現像する現像器5c,プラックを現像する現像器5dの順にを配列される。また,各色の現像器5の近傍には,イエロートナーが収納されたトナー容器50a,マゼンタトナーが収納されたトナー容器50b,シアントナーが収納されたトナー容器50c,及びブラックトナーが収納されたトナー容器50dが配置されている。
32はクリーニング装置であり,後述する中間転写ドラム6で未転写となった残留トナーを前記感光体ドラム2上から除去する機能を有する。
6は中間転写ドラムであり,所定のバイアス電圧が印加されることで前記感光体ドラム2に現像されたトナーを一次的に転写させる作業を全色のトナーに対して繰り返すことによって,その表面には全色のトナーが色重ねされる。
6aは二次転写ローラ,6bはクリーニングブラシである。なお,前記中間転写ドラム6に対して色重ねが行われている場合には,該二次転写ローラ6a及びクリーニングローラ6bは,不図示である退避機構により,全色の色重ねが完了するまで前記中間転写ドラム6から退避した退避位置に移動される。
次に,前記転写材供給部7について説明する。
該転写材供給部7は,転写材の給紙並びに両面印刷に係る機能を実現するものであり,大容量の用紙が積載され,最上段の用紙を給紙ローラによって順次搬送する給紙・両面印刷ユニット7aと,外部から一枚づつ用紙を搬送する手差しユニット7bとからなる。
前記給紙・両面印刷ユニット7aから送り込まれた転写材は所定の搬送路に沿ってレジストローラ60まで搬送され,該レジストローラ60により先端揃えがなされた後,所定のタイミングで前記画像形成部11に搬送される。
具体的には,前記中間転写ドラム6上への色重ねさが完了したタイミングにより二次転写ローラ6aに送り込まれる。
そして,その表面にトナーが二次転写された転写材は,搬送べルト8によって出口側に向かって搬送させる。
9は定着装置であり,前記搬送ベルト8からの転写材が搬送され,該転写材上に二次転写されたトナーを熱と圧力によって定着させる。
前記定着装置9により熱定着された転写材は,所定の搬送路を経由して,装置側面に設けられる印字面を上にして排紙するフェイスアップトレイ10a,若しくは,装置上面に設けられる印字面を下にして排紙するフェイスダウントレイ10bへと搬送され,排紙される。尚,10cは両面印刷のためのパス10cであり,片面に画像形成された転写材を,前記転写材供給部7を経由して,再び前記画像形成部11へと搬送することで,今度は裏面に画像形成するためのものである。
以上説明したようなカラープリンタの基本的構成,並びにその基本的動作については,従来公知のカラープリンタと同一である。
しかしながら,本実施形態に係るカラープリンタ1は,機内温度を冷却する冷却ファンを制御するに当たり,確実に機内温度を前記冷却ファンによる強制冷却が不要となる飽和温度まで冷却した後に前記冷却ファンを停止させる冷却機能の実現を,運転状態の変位や電源オフ操作の有無に拘わらず達成するべく前記冷却ファンが制御される点で従来構成と異なり,この差異(特徴点)により,前記冷却ファンに関する制御を共通化することで演算処理の簡単化を推し進めると共に,その駆動時間を最小限に留めることを可能とし,省電力化,低騒音化,更には冷却ファンの長寿命化を実現し得るものである。
以下に,その特徴点について詳説する。
【0009】
ところで,近年の画像形成装置(本実施形態ではカラープリンタ)においては,利用者からの印刷要求(印刷データ)に応じて即時的に画像形成処理を行ういわゆる印字モードと,利用者によって一定時間以上何らの操作もなされなかった場合には,定着装置(図1では9により示す)が備えるヒータの制御温度を印字モードの制御温度(例えば,150℃)に較べて低温(例えば,80℃)に温度制御することにより,装置の消費電力を抑制する待機モードと,更には,該待機モードに移行した後に,更に一定時間以上何らの操作もなされなかった場合には,前記定着装置のヒータ或いはタッチパネル等の表示操作部等への電源供給を停止することにより,装置の消費電力を最小限に抑制する省電力モードとを有することが一般的である。
このような複数の運転モードを用意することにより,当該カラープリンタを使用状況に応じて,その運転モードは待機モード或いは省電力モードへと切り替えられ,ユーザの使用性(作業効率)を損なうことなく,省電力を達成することができる。
尚,このような各種運転モードは,前回の画像形成処理が終了してから操作がされずに経過した時間に応じて遷移するように,所定のプログラムに従って図1には図示しない制御装置により制御設定される。
【0010】
ここで,上述した待機モードにおいては,前記定着装置の前記ヒータが低温度で制御されるため,装置内の冷却装置(本実施形態では,冷却ファンを考える)を駆動することで一定時間冷却した後には,前記冷却ファンによる強制冷却を必要としない温度で機内温度が飽和する状況が考えられる。
ここで,前記カラープリンタの機内温度を決定する要因としては,待機時における前記定着装置のヒータの制御温度が占める割合が非常に大きい。即ち,前記ヒータの制御温度を高めに設定した場合には,前記ヒータは頻繁に点灯するため装置内の温度は高くなり,逆に,前記ヒータの制御温度を低めに設定した場合には,前記ヒータの点灯する頻度は下がるため装置内の温度は低くなる。
一方で,前記ヒータの制御温度を決定する要素としては,印字モード(つまりは,印刷可能な制御温度)への復帰時間に対する要求に応じて決定されることは言うまでも無いが,ここでは,装置の消費電力と相関性があることに注目する。
なぜならば,前記ヒータの制御温度を高くすると,上述の如く,その点灯頻度が増大するため消費電力は大きくなり,制御温度を低くすると,その点灯頻度は減少するため消費電力は小さくなるからである。
従って,待機モードにおいて,機内温度が飽和する状況に陥る装置かどうかを前記制御装置が判定する基準としては,前記ヒータの点灯頻度に応じて増減する,装置のエネルギー消費効率を目安にすることができる。
このような観点から試行錯誤の結果,本出願人は,装置のエネルギー効率が120Wh/h未満の装置において,待機モードにおいては,機内温度が前記冷却ファンによる強制冷却を必要としない温度(つまりは,フレッシュトナーが融着傾向を回避し得る温度)で飽和することを確認した。
【0011】
そこで,このような条件(エネルギー効率が120Wh/h未満)のカラープリンタにおいて,前記制御装置によって,前記冷却ファンを図2に示すフローチャートの如く制御することにより,前記冷却ファンの無駄な駆動を防止して省電力を推し進めると共に,その演算処理の簡易化を実現することが可能である。
以下に,図2を参照しつつ,本実施形態の特徴点である,前記制御装置によるプログラムに従った冷却ファンの制御動作について,詳説する。尚,以下S1,S2,,は処理手順(ステップ)の番号であり,図2に示す番号と対応するものである。
(S1)
先ず,前記冷却ファンの制御を行うに当たり,その運転モードの判定が行われる。このステップS1において,運転モードが待機モードではない(図中ではNoで示す)と判定された場合(つまりは,印字モード或いは省電力モード)には,夫々の運転モードに応じた前記冷却ファンの制御が行われる。具体的には,印字モードにおいては,前記冷却ファンは前記定着装置の前記ヒータの温度を所定の制御温度(例えば,150℃)に保つべく温度一定制御が行われ,省電力モードにおいては,前記定着装置の前記ヒータは停止しているため,前記冷却ファンは停止される。
(S2)
前記ステップS1においてYesの判定がなされた場合(つまりは,待機モードが選択されている場合)には,待機モードに応じた前記冷却ファンの駆動制御が開始される。ここで,待機モードに応じた駆動制御とは,待機モードに移行する前(つまりは,印字モード)に上昇した機内温度を所定温度近傍まで冷却するべく,前記冷却ファンを回転制御することであり,低騒音或いは該冷却ファンの長寿命化を達成するべく,予め定められた低速回転(一定回転)での回転制御を行うことが一般的である。
(S3)
前記ステップS2において,前記冷却ファンが回転開始された時点で,所定の計時回路により,その駆動時間の計時が開始される。
(S4)〜(S6)
次に,ステップS4において,運転モードが印字モードに復帰しているかどうかの確認が行われる。
つまり,このステップS4においてYesと判定された場合には,利用者からの印刷要求に応じて運転モードが待機モードから印字モードに復帰したことを示しているため,その処理が通常の印字処理に移行され,印刷要求(印刷データ)に応じた画像形成処理が行われる(S5)。
一方,前記ステップS4においてNoと判定された場合には,利用者からの印刷要求はなく待機モードが継続していることを示しているため,前記ステップS3により計時開始された前記冷却ファンの駆動時間が所定時間経過したかどうかの判定処理を行うステップS6に移行される(S6)。
尚,前記ステップS6による判定処理は,前記冷却ファンの駆動時間が所定時間未満であれば処理を前記ステップS4に戻し,前記冷却ファンの駆動時間が所定時間を経過した時点でその処理を次のステップS7に移行させる。
つまり,当該カラープリンタ1において待機モードが選択されている場合であって,且つ前記冷却ファンを駆動すべき所定の駆動時間(例えば,20分)の間は,前記ステップS4〜S6の処理が繰り返される。
(S7)
前記ステップS6における判定結果がYesであった場合(つまりは,前記冷却ファンの駆動時間が所定時間経過した場合),前記冷却ファンが停止される。
尚,このステップS7において前記冷却ファンを停止させたとしても,当該カラープリンタ1の機内温度は,待機モードが選択されている限りにおいては,充分低い所定の温度で飽和するため,フレッシュトナーが融着傾向に陥ることはない。
(S8)〜(S9)
最後に,前記ステップS7において前記冷却ファンが停止された時点で,装置の電源オフ操作が行われたかどうかの判定処理が行われる。
このステップS7においてYesと判定された場合には,処理がステップS9に移行され,装置の電源を遮断する所定処理が実行された上で処理が終了されS9),Noと判定された場合には,そのまま処理が終了される。
【0012】
次に,上述説明した制御方法に基づいて前記冷却ファンを駆動した場合の該冷却ファンの駆動状態について図3を参照しつつ,詳説する。
ここに,図3は,当該カラープリンタ1において,各運転モードを推移させる所定時間と,当該装置に対する電源オフ指令を与える時間とを設定変更した場合における動作状態を示すものである。
具体的には,図3(a)は,待機モードから省電力モードに移行するまでの所定時間(例えば30分)が,前記冷却ファンの駆動時間(例えば20分)よりも長く設定されている場合を示す。
また,図3(b)は,待機モードから省電力モードに移行するまでの所定時間(例えば15分)が,前記冷却ファンの駆動時間(例えば20分)よりも短く設定されている場合を示す。
更に,図3(c)は,待機モードから省電力モードに移行するまでの間に,利用者による装置の電源オフ操作が行われた場合を示す。
各種運転モードを遷移させる所定時間は,前記制御装置内に予め設定された設定値が用いられ,その値は,使用状況/ユーザニーズに応じて任意に調整可能である。
以下,各図の場合毎に当該カラープリンタ1の動作状態の推移と,前記冷却ファンの駆動状態について説明する。
【0013】
(図3(a)の場合)
印字モードで運転されている当該カラープリンタ1において,利用者の不使用状態が所定時間継続した場合には,その運転モードが待機モードに移行される。
そして,運転モードが待機モードに移行した時点から,前記冷却ファンが駆動され(図2における前記ステップS2に該当),その駆動時間が所定時間(例えば20分)継続した後に停止される(図2における前記ステップS7に該当)。
更に,待機モードに移行した時点から,所定時間(例えば30分)経過した後に運転モードが省電力モードに移行される。
ここで,省電力モードとは,前述したように,前記定着装置に設けられる前記ヒータへの電源供給が停止され,当該カラープリンタ1の機内温度が上昇する虞のない運転モードであるため,前記冷却ファンを駆動する必要は無い。
更に,省電力モードにより運転されている当該カラープリンタ1において,利用者による電源オフ操作が行われた場合には,所定の電源断操作が行われ,当該カラープリンタ1の電源が遮断される(図2における前記ステップS9に該当)。
このように,同図に示す場合においては,前記冷却ファンは,機内温度を低下させるために必要な最小限の時間だけ駆動されており,省電力で且つ低騒音な駆動制御が実現されている。
【0014】
(図3(b)の場合)
印字モードで運転されている当該カラープリンタ1において,利用者の不使用状態が所定時間継続した場合には,その運転モードが待機モードに移行される。
そして,運転モードが待機モードに移行した時点から,前記冷却ファンが駆動され(図2における前記ステップS2に該当),その駆動時間が所定時間(例えば20分)継続した後に停止される(図2における前記ステップS7に該当)のは前述した場合と共通である。
しかしながら,同図に示す如く,この場合の当該カラープリンタ1は,待機モードから省電力モードに移行させるための所定時間が,前記冷却ファンの駆動時間(例えば20分)よりも短い時間(例えば15分)に設定されている点で前述した場合と異なる。尚,このように,待機モードによる待機状態が短くされる設定は,例えば,利用頻度が低いカラープリンタや,省電力に対するニーズが強いカラープリンタに対して施される設定である。
このような設定がなされた本実施形態に係る当該カラープリンタ1においては,運転モードは,その設定に応じて省電力モードに移行されるものの,前記冷却ファンは停止されることなく,所定時間だけ駆動された後に停止させるように制御される。
このような制御を行えば,装置に要求されている省電力機能と,当該カラープリンタ1の機内温度を前記冷却ファンによる強制冷却が不要となる飽和温度まで確実に冷却した後に前記冷却ファンを停止させるという冷却機能と,を両立させることが可能である。
ここで,省電力モードにより運転されている当該カラープリンタ1に電源オフ操作が行われた場合の処理については前述した場合と同様であるため,ここでは説明を省略する。
このように,同図に示す場合においても,前記冷却ファンは,機内温度を低下させるために必要な最小限の時間だけ駆動されており,省電力で且つ低騒音な駆動制御が実現されている。
【0015】
(図3(c)の場合)
印字モードで運転されている当該カラープリンタ1において,利用者の不使用状態が所定時間継続した場合には,その運転モードが待機モードに移行される。
そして,運転モードが待機モードに移行した時点から,前記冷却ファンが駆動され(図2における前記ステップS2に該当),その駆動時間が所定時間(例えば20分)継続した後に停止される(図2における前記ステップS7に該当)のは前述した場合と共通である。
しかしながら,同図に示す如く,この場合は,当該カラープリンタ1が待機モードで待機状態で運転している時点で,電源オフ操作が行われた点で前述した場合と異なる。
この時点で電源オフ操作がなされた本実施形態に係る当該カラープリンタ1においては,電源オフ操作に応じた電源遮断操作が行われるものの,前記冷却ファンは停止されることなく,所定時間だけ駆動された後に停止され,しかる後に,全ての電源が遮断される。
つまり,前記「電源オフ操作に応じた電源遮断操作」とは,前記冷却ファン等に代表される冷却機能に関連する機器にのみ電源を供給し,それ以外の機器(例えば,定着装置,或いは搬送ローラや給紙ローラ等を駆動する電動機に給電する駆動系その他)に対する電源供給を遮断する操作である。
このような制御を行えば,当該カラープリンタ1の機内温度を前記冷却ファンによる強制冷却が不要となる飽和温度まで確実に冷却した後に前記冷却ファンを停止させるという冷却機能を損なうことなく,電源遮断処理を行うことが可能となる。
このように,本実施形態に係る当該カラー装置1においては,前記冷却ファンを制御するに当たり,運転モードが省電力モードに移行した場合(図3(b)に示す場合),或いは待機モードで待機運転中に電源オフ操作がなされた場合(図3(c)に示す場合)であっても,前記冷却ファンに関する制御処理は共通している。
具体的な前記冷却ファンの制御思想としては,運転モードが待機モードに移行されたことを開始条件とし,運転開始から所定時間経過したことを停止条件とするものである。
このような制御思想に基づく制御を行うことで,本実施形態に係る当該カラープリンタ1によれば,機内温度を前記冷却ファンによる強制冷却が不要となる飽和温度まで確実に冷却した後に前記冷却ファンを停止させる冷却機能の実現と,前記冷却ファンの駆動時間の最小化とを,運転状態の推移や電源オフ操作の有無に拘わらず両立し得る。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,画像形成装置の運転モードの変異や電源オフ操作の有無に拘わらず,前記冷却ファンに関する制御を共通化することで演算処理の簡単化を推し進めると共に,その駆動時間を最小限に留めることが可能であり,省電力化,低騒音化,更には冷却ファンの長寿命化を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るカラープリンタの概略構成を示す側断面図。
【図2】冷却ファンに関する処理の流れを示すフローチャート。
【図3】カラープリンタの運転状態と冷却ファンの駆動状態とを表す図。
【符号の説明】
1…カラープリンタ
2…感光体ドラム
3…帯電チヤージャ
4…露光機構
5…現像器
6…中間転写ドラム
6a…二次転写ローラ
6b…クリーニングブラシ
7…転写材供給部
7a…給紙・両面印刷ユニット
7b…手差しユニット
8…搬送べルト
9…定着装置
10a…フェイスアップトレイ
10b…フェイスダウントレイ
11…画像形成部
31…イレーサ
50…トナー容器
60…レジストローラ
S1,S2,,…処理手順(ステップ)の番号
Claims (3)
- 装置本体のエネルギー消費効率が120Wh/h未満であり,運転状態に応じて,所定の印字モードと待機モードとが切り替わるよう構成された画像形成装置において,
運転モードが前記待機モードに移行した場合,前記印字モードへ復帰する場合を除いて,予め設定された所定時間だけ冷却手段を駆動させた後に停止させる制御手段を具備してなることを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段により前記冷却手段が駆動されている間に,装置本体の電源オフ操作が行われた場合においても,
前記制御手段は,
前記冷却手段を前記所定時間駆動させた後に,装置本体の電源遮断処理を実行してなる請求項1に記載の画像形成装置。 - 運転モードとして前記印字モード及び前記待機モードに加え,更に省電力モードを有する画像形成装置であって,
前記制御手段により前記冷却手段が駆動されている間に,運転モードが前記待機モードから前記省電力モードに移行した場合においても,
前記制御手段は,
前記冷却手段を前記所定時間駆動させた後に停止させてなる請求項1或いは2のいずれかに記載の画像形成装置。
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JP2009210665A (ja) * | 2008-02-29 | 2009-09-17 | Ricoh Co Ltd | 冷却ファン制御装置、冷却ファン制御装置を備えた画像形成装置、冷却ファン制御方法 |
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- 2002-12-24 JP JP2002371544A patent/JP2004205595A/ja active Pending
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20090224 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090623 |