JP2004205582A - 画像形成装置 - Google Patents

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寧 竹内
Yuichi Ikeda
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Abstract

【課題】中間転写ベルト上の二次転写残トナーを感光ドラムに回収するために感光ドラムに印加する一次転写バイアス、一次帯電バイアスを低減して、中間転写体のクリーニング性を損なうことなく感光ドラムの寿命を延ばす。
【解決手段】1枚の転写材Pに、又は連続画像形成時の最後の転写材Pに画像形成を行う場合は、二次転写終了後(S5)、画像形成動作を終了し、ステップS8に示すように、感光ドラム帯電バイアス及び一次転写バイアスをoffし、このまま画像形成を終了する(S10)。このとき中間転写ベルト7上に残った二次転写残トナーは、次の画像形成開始時の前回転時にICLローラによってトナーの極性とは逆極性に帯電し、一次転写部T1を通過する際に、一次転写電流によって感光ドラムに逆転写して回収する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、中間転写体を有するプリンタ,複写機等の画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、電子写真方式の4色フルカラーのプリンタ,複写機等の画像形成装置において、中間転写ベルト(中間転写体)の回転方向に沿って複数の画像形成ステーションを配設したものが知られている。
【0003】
この画像形成装置においては、各画像形成ステーションの感光ドラム上にそれぞれ異なる色のトナー像を形成し、これらトナー像を中間転写ベルト上に順次に一次転写して、中間転写ベルト上で重ね合わせ、その後、4色のトナー像を中間転写ベルト上から転写材(紙、透明フィルム)上に一括で二次転写するものである。
【0004】
この種の中間転写方式の画像形成装置は、使用する転写材の種類や厚さについての制約が少なく、かつカラーレジストレーションに優れている、という利点を有する。
【0005】
この中間転写方式の画像形成装置においては、トナー像を中間転写ベルトから転写材に二次転写する際の転写効率を100%にすることができないため、トナー像転写後は、中間転写ベルト上に微量のトナーが残ることになる。この二次転写残トナーは、そのまま残しておくと次の画像形成に悪影響を及ぼす。
【0006】
そこで、クリーニング手段によって二次転写残トナーを除去するようにしている。二次転写残トナーに対してのクリーニング手段としては、二次転写残トナーを強制的に帯電させて感光ドラムに回収させる手法が考案されており、一定の効果を挙げている。
【0007】
二次転写残トナーを感光ドラムに回収するための回収手段としては、接触帯電部材である二次残留トナー帯電ローラ(以下「ICLローラ)という。)が使用される。ICLローラは、中間転写ベルトに接触配置されるとともに、帯電バイアス印加電源によって帯電バイアスが印加される。これにより、中間転写ベルト上の二次転写残トナーを帯電させて、感光ドラム表面に電気的に付着させる。
【0008】
画像形成に使用されるトナーが絶縁性トナーの場合、ICLローラによる転写残トナーの帯電は放電によって行われる。絶縁性トナーは、中抵抗の中間転写ベルトやICLローラから電荷の注入はほとんど受けず、ICLローラの表面からの放電によってしか帯電を受けない。
【0009】
ICLローラは、通常、DC電流や、DC電流にAC電流を重畳させることによって放電させている。
【0010】
ICLローラを通過した二次転写残トナーは、通常の帯電極性とは逆極性に帯電されており、一次転写部にて次の画像形成を行うための一次転写電流によって、感光ドラム表面に逆転写される。こうして、感光ドラムに回収された二次転写残トナーは、感光ドラム表面を清掃するクリーニング装置によって除去される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上述の画像形成装置にあっては、画像形成終了時、最後の転写材へ二次転写をした後の二次転写残トナーに対しても、ICLローラで逆帯電させた後、感光ドラム側へ逆転写して、中間転写ベルトのクリーニングを行うというシーケンスを繰り返していた。
【0012】
しかし、最後の転写材に対する二次転写残トナーのクリーニングを常に画像形成後に行うと、次の画像形成動作開始までの時間が長くなってしまう。さらには、二次転写残トナーをクリーニングするためには、感光ドラムに帯電バイアスや、一次転写バイアスを印加する必要がある。一般的に、感光ドラム表面の削れ量は、AC帯電時間と大きく相関があり、このため毎回、クリーニングする時間分だけ余分に感光ドラム表面の削れ量が増加してしまい、感光ドラム寿命が短くなってしまっていた。
【0013】
本発明は、上述事情に鑑みてなされたものであり、中間転写体の二次転写残トナーを効率的に回収でき、しかも像担持体(感光ドラム)を長寿命化することのできる画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、表面にトナー像が形成される像担持体と、前記像担持体との間に一次転写部を形成する中間転写体と、前記一次転写部に一次転写バイアスを印加して前記像担持体上のトナー像を前記中間転写体上に一次転写する一次転写手段と、前記中間転写体上に一次転写されたトナー像を転写材に二次転写する二次転写手段と、前記転写材に転写されないで前記中間転写体上に残った二次転写残トナーを一次転写時のトナーの極性とは逆極性に帯電する二次転写残トナー帯電手段とを備え、前記二次転写残トナー帯電手段によって逆極性に帯電された中間転写体上の転写残トナーを、前記一次転写バイアスによって前記像担持体上に逆転写させる画像形成装置において、最後に画像形成に供される転写材に前記中間転写体上のトナー像が二次転写された後、前記中間転写体のうちの前記二次転写部と前記一次転写部との間に位置する部分に前記二次転写残トナーが残った状態で、前記二次転写残トナーを前記像担持体上に逆転写させるための帯電動作を停止する、ことを特徴とする。
【0015】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記停止する帯電動作が、前記像担持体に対する前記一次転写バイアスの印加である、ことを特徴とする。
【0016】
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記停止する帯電動作が、前記像担持体表面の露光に先立って前記像担持体表面を一様に帯電する一次帯電動作である、ことを特徴とする。
【0017】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、次の画像形成の開始時における画像形成動作の開始前の前回転時に、前記二次転写残トナー帯電手段に帯電バイアスを印加した状態で、前記前回転を開始する、ことを特徴とする。
【0018】
請求項5に係る発明は、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置において、次の画像形成の開始時における画像形成動作の開始前の前回転時に、前記一次転写部において前記一次転写バイアスを印加した状態で、前記前回転を開始する、ことを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って、本発明の実施の形態について説明する。なお、各図面において同一の符号を付したものは、同一の構成又は作用をなすものであり、これらについての重複説明は適宜省略した。
【0020】
<実施の形態1>
図1に、本発明に係る画像形成装置の一例として実施の形態1に係る画像形成装置を示す。同図に示す画像形成装置は、中間転写体を使用した電子写真方式の4色フルカラーの画像形成装置であり、同図はその概略構成を示す縦断面図である。
【0021】
同図に示す画像形成装置は、中間転写体として、矢印R7方向に回転(走行)する無端状の中間転写ベルト7を備えている。この中間転写ベルト7は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリフッ化ビニリデンなどの誘電体樹脂のフィルムによって形成されている。中間転写ベルト7は、駆動ローラ8、従動ローラ9、二次転写対向ローラ10に掛け渡されており、駆動ローラ8の図1中の時計回りの回転によって矢印R7方向に回転する。
【0022】
中間転写ベルト7の上方には、4個の画像形成ステーション(画像形成部)Pa,Pb,Pc,Pdが中間転写ベルト7の回転方向の上流側から順に配設されている。これらの画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdは、ほぼ同様の構成をしており、それぞれマゼンタ,シアン,イエロー,ブラックのトナー像を形成するものである。
【0023】
各画像形成ステーションPa,Pb,Pc,Pdは、回転可能に配設された感光ドラム1a,1b,1c,1dを備えている。感光ドラム1a,1b,1c,1dの周囲には、その回転方向(矢印方向)に沿ってほぼ順に一次帯電ローラ(帯電手段)2a,2b,2c,2d、露光装置(露光手段)3a,3b,3c,3d、現像装置4a,4b,4c,4d、一次転写ローラ(一次転写手段)5a,5b,5c,5d、クリーニング装置6a,6b,6c,6d等のプロセス機器が配置されている。
【0024】
感光ドラム1aは、駆動手段(不図示)によって矢印方向に回転駆動され、その表面が一次帯電ローラ2aによって所定の極性・電位に均一に帯電(一次帯電)される。帯電後の感光ドラム1a表面は、原稿のマゼンタ成分色の画像信号によるレーザ光がポリゴンミラー(不図示)等を介して照射され、照射部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。
【0025】
この静電潜像は、現像装置4aによってマゼンタのトナーが付着されてトナー像として現像される。このトナー像は、感光ドラム1aの回転に伴って感光ドラム1aと中間転写ベルト7とが当接(接触)する一次転写部(一次転写ニップ部)T1に到達すると、一次転写バイアス印加電源(不図示)によって転写ローラ5aに印加された一次転写バイアスにより、感光ドラム1a上から中間転写ベルト7上に一次転写される。
【0026】
他の3色の画像形成ステーションPb,Pc,Pdも、上述のマゼンタの画像形成ステーションPaと同様に、それぞれ感光ドラム1b,1c,1d、一次帯電ローラ2b,2c,2d、露光装置3b,3c,3d、現像装置4b,4c,4d、一次転写ローラ5b,5c,5d、クリーニング装置6b,6c,6dを備えている。
【0027】
これら画像形成ステーションPb,Pc,Pdにおいては、上述の画像形成ステーションPaと同様にして、それぞれの感光ドラム1b,1c,1d上に、シアン,イエロー,ブラックのトナー像が形成される。
【0028】
中間転写ベルト7は、矢印R7方向の回転により、マゼンタのトナー像を担持した部分が画像形成ステーションPbと中間転写ベルト7との間の一次転写部T1に移動すると、このときまでに画像形成ステーションPbの感光ドラム1b上に形成されたシアンのトナー像が、マゼンタのトナー像の上から一次転写される。
【0029】
同様に、中間転写ベルト7が回転するのに伴って、画像形成ステーションPc,Pdのそれぞれの一次転写部T1においてイエローのトナー像,ブラックのトナー像が、上述のマゼンタのトナー像,シアントのトナー像上に一次転写され、中間転写ベルト7上で4色のトナー像が重ね合わされる。中間転写ベルト7上の4色のトナー像は、中間転写ベルト7の回転に伴って、中間転写ベルト7と二次転写ローラ(二次転写手段)14との間の二次転写部(二次転写ニップ部)T2に向かって移動する。
【0030】
一方、中間転写ベルト7と二次転写ローラ14との間に形成された二次転写部(二次転写ニップ部)T2には、所定のタイミングで転写材P(例えば紙、透明フィルム)が供給される。この転写材Pは、給紙カセット11に収納されていたものが、給紙ローラ12によって給紙され、搬送ローラ(不図示)によって搬送され、さらにレジストローラ13によって、中間転写ベルト7上のトナー像にタイミングを合わせるようにして二次転写部T2に供給されるものである。
【0031】
転写材Pが二次転写部T2に供給されると、二次転写ローラ14に二次転写バイアス印加電源(不図示)によって二次転写バイアスが印加され、これにより、中間転写ベルト7上の4色のトナー像が一括で転写材P上に二次転写される。
【0032】
4色のトナー像が転写された転写材Pは、中間転写ベルト7から分離された後、搬送ベルト15によって定着装置16に向けて矢印R15方向に搬送される。定着装置16では、定着ローラ16aとこれに下方から圧接された加圧ローラ16bとの間に定着ニップ部が形成されていて、記録材Pは定着ニップ部にて挟持搬送されながら、加熱・加圧されて表面にトナー像が定着される。
【0033】
一方、トナー像転写後の中間転写ベルト7は、前述したように、転写材Pに転写されなかったトナー(転写残トナー)が表面に残る。この転写残トナーは、中間転写体クリーニング装置(二次転写残トナー帯電手段)20によって除去される。中間転写体クリーニング装置20は、帯電部材である前述のICLローラ(二次転写残トナー帯電ローラ)18と、これにバイアスを印加するバイアス印加電源19とを有している。
【0034】
以下、図3に示す従来の中間転写ベルトのクリーニングシーケンスと比較しながら、図2に示す本実施の形態のクリーニングシーケンスについて詳述する。
【0035】
図2に示す本実施の形態のクリーニングシーケンスと図3に示すクリーニングシーケンスは、連続画像形成のシーケンスは同じであるが、画像形成終了時と画像形成開始前のシーケンスが異なる。
【0036】
すなわち、従来のクリーニングシーケンスは、図3に示すように、コピースタート(画像形成スタート)ボタンが押されると(S1)、前回転が開始される(S2)。前回転の終了後、画像形成が開始され(S3)、前述のように帯電、露光、現像によって各感光ドラム1a,1b,1c,1d上にそれぞれマゼンタ,シアン,イエロー,ブラックの4色のトナー像が形成される。これら4色のトナー像は、順次に中間転写ベルト7上の一次転写されて(S4)、中間転写ベルト7上で重ね合わされる。その後、中間転写ベルト7上の4色のトナー像は、転写材P上に一括で二次転写される(S5)。複数枚の転写材Pに対して連続的に画像形成を行う場合は、中間転写ベルトクリーニング装置20のバイアス印加電源19によってICLローラが帯電され(S6)、中間転写ベルト7上の転写残トナーが正規の帯電極性と逆極性に帯電される。逆極性に帯電された転写残トナーは、一次転写部T1において一次転写同時クリーニング(S7)により、中間転写ベルト7上から感光ドラム1a,1b,1c,1d上に逆転写される。こうして感光ドラム1a,1b,1c,1d上に逆転写された転写残トナーは、クリーニング装置6a,6b,6c,6dによって除去される。
【0037】
連続画像形成時には、上述のステップS4〜S7が繰り返される。
【0038】
これに対して、1枚の転写材Pに画像形成を行う場合、又は連続画像形成時の最後の転写材Pに画像形成を行う場合は、二次転写終了後(S5)、画像形成動作を終了し、ステップS9に示すように、二次転写残トナーをICLローラ18で帯電後、一次転写部T1にて回収し、その後、画像形成を終了する(S10)。なお、1枚の転写材Pに画像形成を行う場合は、その転写材Pが最後の転写材Pに相当する。
【0039】
このように、従来のクリーニングシーケンスによると、画像形成動作を終了する際には、常に、二次転写残トナーをICLローラ18で帯電して、一次転写部にて回収するようにしている。
【0040】
つづいて、本実施の形態1に係るクリーニングシーケンスについて説明する。本実施の形態のクリーニングシーケンスは、図2に示すように、コピースタート(画像形成スタート)ボタンが押されると(S1)、前回転が開始される(S2)。この前回転時に従来とは異なり、バイアス印加電源19によってICLローラ18に帯電バイアスを印加し、中間転写ベルト7上の転写残トナーを逆極性に帯電する。これは、本実施の形態では、後述するように、従来とは異なり、画像形成開始時には、中間転写ベルト7上に転写残トナーが残っているからである。画像形成が開始され(S3)、前述のように帯電、露光、現像によって各感光ドラム1a,1b,1c,1d上にそれぞれマゼンタ,シアン,イエロー,ブラックの4色のトナー像が形成される。これら4色のトナー像は、順次に中間転写ベルト7上に一次転写されて(S4)、中間転写ベルト7上で重ね合わされる。その後、中間転写ベルト7上の4色のトナー像は、転写材P上に一括で二次転写される(S5)。複数枚の転写材Pに対して連続的に画像形成を行う場合は、中間転写ベルトクリーニング装置20のバイアス印加電源19によってICLローラが帯電され(S6)、中間転写ベルト7上の転写残トナーが正規の帯電極性と逆極性に帯電される。逆極性に帯電された転写残トナーは、一次転写部T1において一次転写同時クリーニング(S7)により、中間転写ベルト7上から感光ドラム1a,1b,1c,1d上に逆転写される。こうして感光ドラム1a,1b,1c,1d上に逆転写された転写残トナーは、クリーニング装置6a,6b,6c,6dによって除去される。
【0041】
連続画像形成時には、上述のステップS4〜S7が繰り返される。
【0042】
これに対して、1枚の転写材Pに画像形成を行う場合、又は連続画像形成時の最後の転写材Pに画像形成を行う場合は、二次転写終了後(S5)、画像形成動作を終了し、ステップS8に示すように、感光ドラム帯電バイアス及び一次転写バイアスをoffし、このまま画像形成を終了する(S10)。
【0043】
このように、本実施の形態のクリーニングシーケンスによると、二次転写終了後に直ちに画像形成を終了して、感光ドラム帯電バイアス及び一次転写バイアスをoffにして画像形成を終了するようにしている。したがって、中間転写ベルト7のうちの、二次転写部の下流側でかつICLローラ18の上流側に位置する部分に付着している転写残トナーは、そのまま中間転写ベルト上に残ることになる。この転写残トナーは、ステップS2に示すように、次のコピースタートボタンが押された(S1)後の前回転時にICLローラ18によってトナーの極性とは逆極性に帯電し、一次転写部T1を通過する際に、一次転写電流によって感光ドラム1a,1b,1c,1dに逆転写して回収することで、中間転写ベルト7のクリーニングを行う。その後に、画像形成を開始し(S3)、通常の画像形成動作にはいる。
【0044】
本出願人らの検討によると、帯電ローラ2a,2b,2c,2dにACバイアスを印加して感光ドラム1a,1b,1c,1dを回転した場合と、ACバイアスを印加しないまま感光ドラム1a,1b,1c,1dを回転した場合とでは、感光ドラム表面の削れ量は、ACバイアスを印加したときの方が約10倍余分に削れることが分かっている。
【0045】
そこで、A4Rの転写材Pのコピースピードが毎分9枚、プロセススピードが55mm/secの4ドラム方式、中間転写方式の画像形成装置を用いた場合にどの程度削れ量に差がでるかを計算した。このとき、感光ドラム1a,1b,1c,1dは直径30mm、中間転写ベルト7の周長が700mmである。計算方法は、画像形成中に感光ドラム1a,1b,1c,1dにACバイアスが印加されている時間と感光ドラム1a,1b,1c,1dにACバイアスが印加されない時間に対してそれぞれ、削れ量の比率(ACあり:ACなし=10:1)を掛けたときの削れ量を算出した。
【0046】
従来例に対して本実施の形態では、最後の転写材Pに対する中間転写ベルト7上の二次転写残トナーのクリーニングを実施する時間だけ感光ドラムにACバイアスを印加する時間をなくすことができる。すなわち、少なくとも中間転写ベルト7を1周分回転させる時間は短縮することとなる。この結果、本実施の形態は、従来例に比べて感光ドラム1a,1b,1c,1dの削れ量を約40%も少なくすることができることが分かった。
【0047】
以上のように、最後の転写材Pに対する二次転写動作を終了後、中間転写ベルト7のクリーニングをすることなく、画像形成を終了し、次の前回転時に中間転写ベルト7のクリーニングを行うことで、中間転写ベルト上のクリーニング性能を損なうことなく、かつ感光ドラムの寿命を大幅に伸ばすことが可能となった。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によると、最後に画像形成に供される転写材に中間転写体上のトナー像が二次転写された後、中間転写体のうちの二次転写部と一次転写部との間に位置する部分に二次転写残トナーが残った状態で、二次転写残トナーを像担持体上に逆転写させるための帯電動作を停止することにより、像担持体に対して印加される帯電バイアスを低減することができるので、中間転写体のクリーニング性を損なうことなく、像担持体の帯電バイアスに起因する削れを低減して像担持体の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の画像形成装置の概略構成を示す縦断面図である。
【図2】実施の形態1の画像形成装置における中間転写ベルトのクリーニングシーケンスを説明する図である。
【図3】従来の画像形成装置における中間転写ベルトのクリーニングシーケンスを説明する図である。
【符号の説明】
1a,1b,1c,1d像担持体(感光ドラム)
5a,5b,5c,5d一次転写手段(一次転写ローラ)
7 中間転写体(中間転写ベルト)
14 二次転写手段(二次転写ローラ)
18 二次転写残トナー帯電ローラ(ICLローラ)
19 バイアス印加電源
20 二次転写残トナー帯電手段(中間転写体クリーニング装置)
P 転写材
T1 一次転写部
T2 二次転写部

Claims (5)

  1. 表面にトナー像が形成される像担持体と、前記像担持体との間に一次転写部を形成する中間転写体と、前記一次転写部に一次転写バイアスを印加して前記像担持体上のトナー像を前記中間転写体上に一次転写する一次転写手段と、前記中間転写体上に一次転写されたトナー像を転写材に二次転写する二次転写手段と、前記転写材に転写されないで前記中間転写体上に残った二次転写残トナーを一次転写時のトナーの極性とは逆極性に帯電する二次転写残トナー帯電手段とを備え、前記二次転写残トナー帯電手段によって逆極性に帯電された中間転写体上の転写残トナーを、前記一次転写バイアスによって前記像担持体上に逆転写させる画像形成装置において、
    最後に画像形成に供される転写材に前記中間転写体上のトナー像が二次転写された後、前記中間転写体のうちの前記二次転写部と前記一次転写部との間に位置する部分に前記二次転写残トナーが残った状態で、前記二次転写残トナーを前記像担持体上に逆転写させるための帯電動作を停止する、
    ことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記停止する帯電動作が、前記像担持体に対する前記一次転写バイアスの印加である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記停止する帯電動作が、前記像担持体表面の露光に先立って前記像担持体表面を一様に帯電する一次帯電動作である、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 次の画像形成の開始時における画像形成動作の開始前の前回転時に、前記二次転写残トナー帯電手段に帯電バイアスを印加した状態で、前記前回転を開始する、
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 次の画像形成の開始時における画像形成動作の開始前の前回転時に、前記一次転写部において前記一次転写バイアスを印加した状態で、前記前回転を開始する、
    ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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