JP2004205051A - 太陽電池式換気装置及びそれを用いた換気システム - Google Patents

太陽電池式換気装置及びそれを用いた換気システム Download PDF

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Abstract

【課題】起動が早く、発電電力を有効に活用することができるとともに換気総量を増加させ、異音の発生を防止し、任意の場所の換気を優先させることで家屋の劣化を防止する優れた太陽電池式換気装置及びそれを用いた換気システムを提供すること。
【解決手段】太陽電池式換気装置Sは、太陽電池(2A,2B)の発電電力をファンモーター(1A,1B)へ供給してこれらを作動させる換気手段の複数を並列接続して成るものであり、太陽電池とファンモーターとを、太陽電池からファンモーターへの電力供給制御をファンモーターが置かれた環境状況に応じて行なう制御部(3A,3B)回路を介して電気的に接続して、特定のファンモーターへ他のファンモーターより多くの電力供給がなされるようにした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば住宅の床下、屋根裏、及び屋内用として好適に使用される、ファンモーターを備え太陽電池を電源とした換気手段の複数を並列接続した太陽電池式換気装置に関し、特にファンモーターに供給する電力を複数の換気手段の間で制御可能な太陽電池式換気装置及びそれを用いた換気システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
図6に示すように、従来、家屋8の屋根裏9に設けた太陽電池式換気装置J1,床下10に設けた太陽電池式換気装置J2は、それぞれ太陽電池(2A,2B)の発電電力を不図示の制御回路を介して、並列接続された複数個の直流式又は交流式のファンモーター(6A,6B)に供給し、これらファンモーターの作動によりファン(羽根)を回転させて、屋根裏や床下の換気を行わせてきた。
【0003】
ここで、上記制御回路は、ファンモーター(6A,6B)に一定の直流電力が供給されるようにしたり、ファンモーター(6A,6B)のロック状態や電気回路の短絡状態を検知する等の機能を有するものが一般的である。なお、このような制御回路の一部機能をファンモーターに内蔵させたものもある。
【0004】
この種の太陽電池式換気装置において、図示のように、屋根裏9に並列接続した3台のファンモーターを有する太陽電池式換気装置J1、床下10に3台のファンモーターを並列接続した太陽電池式換気装置J2を配した場合、朝に太陽が昇ると太陽電池2A,2Bの発電電力が上昇し、屋根裏9のファンモーター6Aは太陽電池2Aの電力により、また床下10のファンモーター6Bは太陽電池2Bの電力により、それぞれ回転を開始しようとする。
【0005】
しかし、ファンモーターのような誘導機器は、その起動開始時に定常状態よりも大きな起動電流を必要とする性質があるので、太陽電池の発電電力がファンモーターの定格電力に達しても、さらに上昇するまで開始を待つことになる。このとき、ファンモーターには、これが回転しない状態であっても通常なら回転継続が可能な電力が印加されているため、高周波音などの異音を生じさせることがある。
【0006】
一方、太陽電池の発電電力が上昇していくと、ファンモーターの個体差(起動に必要な電力量)により、まず3台中1台が回転を開始する。すると、1台分の起動用電力が定格電力に減少するので、余った電力が次の1台の起動用電力として利用できるようになり、起動用電力の不足が連鎖的に解消されていく。こうして、順次ファンモーターが起動していく。
【0007】
このように、一旦ファンモーターが回転し始めると、回転継続が可能な電力は少なくてよいので、多少の日照変動ではファンモーターは停止しない。図6の場合、日中、ファンモーター6Aは屋根裏9の換気を、ファンモーター6Bは床下10の換気を行い、夕方に太陽電池の発電がファンモーターの回転継続が可能な電力を下回るとファンモーターは停止する。
【0008】
こうして、屋根裏9や床下10の空気の排出、及び外気の吸入が助勢され、高温多湿による建築材の腐食・劣化の防止や、木材への白蟻繁殖の防止、さらには、屋根裏や床下のスペースへ収納されるダンボール箱などの収納物の劣化等の防止を図っている。
【0009】
しかしながら、上述したような制御方法では、ファンモーターの個体差を利用しており、起動用電力が少なくてよいものが先に起動完了することで、他のファンモーターが必要とする起動用電力が早く得られるというものであるから、起動用電力が多めな個体がシステムとして集まった場合にはなかなか起動が開始せず、日射光が強くなって発電電力が増加するのを待たなければならないので、その待ち時間分は換気しない。また、ファンモーターの起動開始前は起動時の突入電流が足りずファンが回転し切れない。このとき、ファンモーターのコイル部分や制御回路から高周波などの大変耳障りな異音が発生する場合がある。
【0010】
以上の問題を解決するために、太陽電池の発電量が不足しているときには、商用電源から駆動できるようにしたり(例えば、特許文献1を参照)、耳障りな異音が発生しないように、太陽電池の発電電力を監視・起動判断する回路を設けるなどの対策を講じている(例えば、特許文献2を参照)。
【0011】
【特許文献1】
特開平11−168834号公報(第2−3頁、第1図)
【特許文献2】
実用新案登録第2507217号公報(第2−3頁、第1−3図)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した換気装置では、交流を直流に変換する回路や切替回路が必要となり、装置全体が大型化する。また、屋根裏と床下といった離れた複数の箇所・装置に交流電源からの電力供給を行なう場合、交流電源が家屋内や家屋の地上付近に配されていることが多く、交流電源からの配線引き回しが長距離になったり、引き回し施工の複雑化や家屋の外観を悪くするなどの問題が生じやすい。
【0013】
また、電力不足による起動不安定状態での異音発生防止のために、太陽電池からの電力供給を停止させている間は、電力は捨てられているだけであり換気に貢献しない。
【0014】
そこで本発明は、例えば住宅の床下、屋根裏、屋内等に設置される、太陽電池を電源とする複数の換気手段を用い、ファンモーターの起動が早く、太陽電池の発電電力を有効に活用できるとともに、換気総量を増加させ、異音の発生を極力防止し、しかも任意の場所の換気を優先させることにより家屋の劣化を防止できる太陽電池式換気装置及びそれを用いた換気システムを提供すること、さらには新たに敷設する配線の距離が短く、家屋の外観に影響を及ぼしにくい、優れた太陽電池式換気装置及びそれを用いた換気システムを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の太陽電池式換気装置は、太陽電池の発電電力をファンモーターへ供給して該ファンモーターを作動させる換気手段の複数を並列接続して成る太陽電池式換気装置であって、各換気手段における前記太陽電池と前記ファンモーターとを、前記太陽電池から前記ファンモーターへの電力供給制御を前記ファンモーターが置かれた環境状況に応じて行なう制御部を介して電気的に接続するとともに、各換気手段の制御部どうしを接続して、特定のファンモーターへ他のファンモーターより多くの電力供給がなされるように制御可能としたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の換気システムは、家屋の屋根裏に前記太陽電池式換気装置を構成する第1の換気手段を設置するとともに、床下に前記太陽電池式換気装置を構成する第2の換気手段を設置して成る。
【0017】
これにより、起動が早く、発電電力を有効に活用することができるとともに換気総量を増加させ、異音の発生を防止し、任意の場所の換気を優先させることで家屋の劣化を防止することができる。
また、新たに敷設する配線の距離が短く、家屋の外観に影響を及ぼしにくい換気システムを提供することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る太陽電池式換気装置及びそれを用いた住宅用の換気システムの実施形態について、模式的に図示した図面に基づき詳細に説明する。なお、既に説明した同様な部材には同一符号を付すものとし重複した説明を省略する。
【0019】
図1に、複数の太陽電池を電源とし、住宅における床下、屋根裏、または屋内を換気することが可能な太陽電池式換気装置Sの概略回路構成を示す。この太陽電池式換気装置Sは独立した複数の換気手段S1,S2で構成される。換気手段(S1,S2)は、それぞれ太陽電池(2A,2B)の発電電力を、これに接続されたファンモーター(1A,1B)に供給し、ファンモーター(1A,1B)の回転により換気を行なうものである。すなわち、太陽電池式換気装置Sは、太陽電池(2A,2B)の発電電力をファンモーター(1A,1B)へ供給してこれらを作動させる換気手段の複数を並列接続して成るものであり、各換気手段における太陽電池とファンモーターとを、太陽電池からファンモーターへの電力供給制御をファンモーターが置かれた環境状況に応じて行なう制御部(3A,3B)回路を介して電気的に接続するとともに、各換気手段の制御部(3A,3B)どうしを接続して、特定のファンモーターへ他のファンモーターより多くの電力供給がなされるように制御可能としている。
【0020】
ここで、太陽電池(2A,2B)としては、多結晶シリコン太陽電池、単結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン等の薄膜太陽電池などが好適に使用される。また、ファンモーター(1A,1B)としては、ブラシレス軸流ファンモーター、クロスフローファンモーターなどが好適に使用できる。なお、接続するファンモーターの数は、前記太陽電池の発電電力と前記ファンモーターの消費電力により決定されるが、本例では簡単のため2つの太陽電池、及びこれら太陽電池のそれぞれに接続された合計2つのファンモーターを図示する。
【0021】
第1及び第2の換気手段S1,S2は各々が独立しているが、太陽電池2Aとファンモーター1Bの間、及び太陽電池2Bとファンモーター1Bの間に負荷制御回路3を設ける。この負荷制御回路3は太陽電池からファンモーターへの電力供給制御を行うものであって、負荷制御回路3は単体で負荷への電力供給量を調節でき、太陽電池やファンモーター側に制御信号を受けてそれを実行する機構を必要としないように構成されているので、換気手段S1,S2に改造を施す必要がない。これにより、既に設置済みの太陽電池式換気装置に後から追加接続することができ、複数の太陽電池式換気装置の連係を止めたい場合にも容易に切り離しが容易である。
【0022】
負荷制御回路3は換気手段S1の太陽電池2Aとファンモーター1Aとの間に直列に接続される制御部3Aと、換気手段S2の太陽電池2Bとファンモーター1Bの間に直列に接続される制御部3Bとからなる。
【0023】
制御部3A,3Bは各々別の換気手段にあり、これら制御部は設置場所が離れているが、連絡ケーブル17で接続されている。また、制御部3A,3Bは、トランジスタやFET(電界効果トランジスタ)などで構成されたスイッチ素子4A,4Bを備え、ファンモーター1A,1Bへの供給電圧もしくは電流を、制御できるようにしている。これらファンモーターが電圧により回転数が可変するものである場合は、電力不足側の電圧が上昇するように制御でき、また、ファンモーターが電圧一定(パルス制御など)のものである場合は、電流値が上昇するように制御できるようにしている。
【0024】
さらに制御部3A,3B内には、屋根裏や床下などの湿度や温度などの環境データーを受信する受信部7A,7Bを設けており、ファンモーター1A,1B内、もしくはその付近に設置された湿度や温度を測定するセンサー11A,11Bからのデーターを受信し、スイッチ素子4A,4Bの制御を行なう判定部12(12A,12B)へデーターを転送し、屋根裏の湿度や温度が高い場合は、屋根裏側のファンモーター1Aへの電力供給を多くするように制御し、また、床下の湿度や温度が高い場合は、床下側のファンモーター1Bへの電力供給を多くするように制御できるようにしている。ここで、環境データーによる判断は湿度をまず優先させて湿度が同じ場合は温度の高低で判断する。
【0025】
なお、判定部12は図示のように必ず2つ(12A,12B)設ける必要はなく、いずれか片方をなくして処理信号を送受信するだけの回路としてもよい。また、ファンモーター1A,1B内の13A,13Bはそれぞれモーターを示す。
【0026】
また、制御部3Aと3Bとはスイッチ素子4A,4Bの入力側どうしを発電電力合成用の(太陽電池の発電電力を共有するための)配線17Aで電気的に接続し、さらにスイッチ素子4A,4Bの駆動用制御信号出力側どうしを配線17Bで電気的に接続して連絡ケーブル17が構成されている。
【0027】
次に、太陽電池式換気装置Sの具体的な制御方法について説明する。なお、負荷制御回路3の動作は昇圧回路と同様とするが、他の制御方法、例えばパルス制御などであっても問題はない。
まず、起動開始時において、その初期段階ではファンモーター1A,1Bがいずれも停止状態であり、太陽電池2A,2Bが発電を開始すると、発電電力は負荷制御回路3に供給されてこの制御回路が作動を開始する。このとき負荷制御回路3の判定部12に予めファンモーターの起動電流値を設定しておけば、それ以下の電力の場合はスイッチ素子4A,4Bは停止状態となり、ファンモーター1A,1Bへ電力は供給されない。これにより、突入電流が足りずファンが回転し切れないために、制御回路から高周波などの耳障りな異音が発生するといった問題は生じない。
【0028】
また、ファンモーター1A,1Bのいずれの側を先に起動させるかを、判定部12A,12Bに予め設定しておく必要があるが、本実施形態ではファンモーター1A側に設定されているものとする。この理由は、換気の目的を考えたとき、屋根裏は温度を下げるため、床下は湿度を下げるためであって、家屋へのダメージは湿度の要素が大きいが、朝早くから床下換気を開始すると、逆に朝の湿気を吸い込むことになり問題であるからである。また、屋根裏は太陽が出て発電が始まる状態のときには湿度も下がっているため、これによる悪影響は少ないからである。なお、ファンモータの起動の優先は、環境データーに応じて判定部12で判断するようにしてもよい。
【0029】
また、太陽電池2A,2Bの出力はスイッチ素子4A,4Bの前段で並列接続されているので、太陽電池1Aと1Bの合成電力がファンモーター1Aの起動用電力よりも上昇した時点で、判定部12Aから駆動制御信号が出るようにしてスイッチ素子4AをON状態にすれば、ファンモーター1Aが回転し換気を開始することができる。
【0030】
次に、ファンモーター1Aが起動完了すると、判定部12はスイッチ素子4Bにファンモーター1Bへ電力を供給してよいかどうかについて監視する。この監視作動は具体的には、例えば、太陽電池の発電電力がファンモーター1Bに起動電力が供給されても、ファンモーター1Aが停止しない電力量であるかを測定して行なう。そして、太陽電池1Aと1Bの合成発電電力が、ファンモーター1Aの定格電力とファンモーター1Bの起動用電力の合成電力を上回った時点でスイッチ素子4BをON状態にして起動をかける。
【0031】
また、ファンモーター1Aの起動完了後に、ファンモーター1Aへの電力供給を、モーター13Aの回転を維持できる限度近くまで削減するように、負荷制御回路3の作動により供給電圧や電流を制限する。これにより、より多くの電力をファンモーター1B側に供給することができる。また、太陽電池2Aがファンモーター1Aを、及び太陽電池2Bがファンモーター1Bを単独で起動させるよりも早い時点からいずれかのファンモーターによる換気を開始させ、1日の総換気量を増加させることができる。
【0032】
さらに、ファンモーター1A、1Bの起動後は、換気手段S1、S2は2つの太陽電池の合成電力から電力供給を受けて換気を行なうようになるので、一方の太陽電池に影などにより発電量が落ちても、合成電力はファンモーターの回転維持に必要な電力を下回りにくくなり、再起動に必要な時間や電力を有効に活用できるようになる。
【0033】
また、ファンモーター1A,1Bに温度センサー11A,11B、もしくは湿度センサーを配し、その検知データーが受信部7A,7Bに伝達できるようにして、これら検知データに基づいて判定部12が屋根裏の環境悪化が著しいと判断した場合には、例えば屋根裏の換気を行なわせる換気手段S1側の換気風量を増加させるべく、例えば床下の換気を行なわせる換気手段S2の電力を割いて換気手段S1のファンモーターへ供給させることが可能となる。
【0034】
具体的には、温度センサー11Aの温度データーを受信部7Aが検知もしくは受信し、そのデーターを判定部12へ送る。同様に温度センサー11B、受信部7Bを通じて床下の温度データーも判定部12に送られることにより、判定部12は屋根裏、床下の状況を確認し、屋根裏の換気を優先して行なう必要有りと判断すると、スイッチ素子4Bに対しファンモーター1Bへの電力供給を制限するように制御する。
【0035】
このような電力供給の制限の方法としては、ファンモーターへの印加電圧を低下させ、ファンモーターの消費電力を減少させることで太陽電池の発電電力に余剰電力を生じさせる方法や、電流を制限してファンモーターの回転力を落す方法を採用してもよいが、ファンモーターによる換気を中断して2倍の電力を得る方法を採用することができる。
【0036】
床下のファンモーター1Bへの電力供給の制限により、太陽電池2Bに余剰電力が生まれると、太陽電池の特性上、発電電圧は上昇する。太陽電池2A,2Bは負荷制御回路3で接続されているので、太陽電池2Bの電圧上昇によって余剰電力は太陽電池2A側に流れ、太陽電池2A,2Bの合成電圧を上昇させ、その結果、ファンモーター1Aへの印加電圧が上昇したために、ファンモーター1Aは通常よりも回転力を高め、換気風量を増加させる。なお、温度センサー11A,11Bからの温度データーの伝達は、省電力電波などを使用して新たな信号線を必要としないようにしてもよいが、ファンモーター1A,1Bへの電力線に信号を乗せて伝搬してもよい。
【0037】
また、近年、家屋では屋根裏が収納スペースとして活用されているが、夏場などの屋根裏は温度や湿度が高く、作業を行なうには適さない。そこで、この場所に換気扇などを設け、屋根裏に入る前に屋根裏に溜まった熱を外に排出するなどしているが、換気扇では後付け設置や防水対策に手間がかかる上、非作動時には温度が上昇してしまうため、屋根裏に収納された収納物が温度や湿気でダメージを受ける可能性がある。また、太陽電池式換気扇などは独立電源であり設置がしやすいが、一定の風量しか確保できず、急速な空気の入れ替えができないといった問題がある。
【0038】
そこで、図2に示すように、太陽電池式換気装置Sに急速換気を指示するスイッチ16を設け、このスイッチ16を判定部12に接続して、手動で優先換気の動作を行なえるようにすることにより、指定された場所のファンモーターに発電電力が優先供給されるようにして、他に換気扇がなくとも急速換気を実現させることが可能になる。
【0039】
図2にこのようにして構成した住宅用換気システムの一例を示す。ここで換気手段S1は屋根裏9を換気させ、換気手段S2は床下を換気させる。なお、この住宅用換気システムの回路構成については図1に示すものと同様である。この場合、屋根裏9の換気が完了するまで床下10側のファンモーター1Bは停止させておくとよい。
【0040】
このように、特に環境の良くない場所を優先的に換気を強化することによって、家屋の立地条件などで、過剰換気や換気不足であった屋根裏、床下の換気状況を改善することができる。また、換気と急速換気を行なわせることができるので、換気扇などを増設せずに済み、施工の手間や場所、機器の削減が可能となる。
また、ファンモータの起動開始時の異音発生を防止する回路が不要とできるので、装置の部品点数の削減にもなる。
【0041】
さらに、図3に示す住宅用換気システムのように、負荷制御回路3を太陽電池2A,2Bの裏面に設けたジョイントボックス(太陽電池を構成する太陽電池素子(セル)どうしを接続する配線を一箇所に集めて出力できるように設けた接続箱)内に設置することにより、ファンモーター1A,1Bの間に電力ケーブルを這わせたりする必要がなく、制御部3A,3B間の接続ケーブル17も短くできるので、配線作業が簡単で、しかも家屋への設置外観を損なわない。特に、図示のように負荷制御回路3を太陽電池2A,2Bと一体化すれば、より小型化、部品点数の削減を図ることができるとともに、異音発生を防止する回路も不要とできる。
【0042】
また、図4に示すように、太陽電池2A,2Bとファンモーター1A,1Bの間に、太陽電池の発電電圧の昇圧・降圧を行なうための制御回路5A,5Bを設け、各換気手段において設けた制御回路5A,5Bに昇圧回路や降圧回路を組み込むようにした。この場合においても、昇圧回路や降圧回路があるとファンモーターに一定電力を供給されて電力の割り振りの弊害になることがなく、制御回路5A、5Bとファンモーター1の間に負荷制御回路3をおくことで従来システムにも容易に装着することができる。なお、他の構成は図1に示す実施形態と同様である。
【0043】
このようにして構成した太陽電池式換気装置S3,S4の場合にも、上述した実施形態と同様にファンモーターの起動時、及び太陽電池の低発電電力時において、優先的換気の制御に効果を期待できる。
次に、図5に示す住宅用換気システムの他の実施形態について説明する。この実施形態では、負荷制御回路3において、一方の換気手段に太陽電池からの電流の方向を制御できる、すなわち、太陽電池の発電電力の供給先を選択、もしくは供給割合を可変できるスイッチング素子(例えば、サイリスタ)21を設けて、太陽電池の発電電力を集中させたいファンモーターへの印加電圧が不用意に低減しないようにすることもできる。なお、他の構成については図1のシステムと同様とする。
【0044】
このような図5に示す住宅用換気システムにおいては、例えば太陽電池2A,2Bに影等により発電電力が低下しても、スイッチング素子21による発電電力の合成方向を指定する作用により、例えば両方の太陽電池2A,2Bの発電電力を集中させたい床下を換気するためのファンモーター1Bへの印加電圧が低減することなく、効果的な床下換気を行なわせることができる。
【0045】
また、屋根裏や床下に設置するセンサーを温度センサーや湿度センサー以外に、図7に示すように、木材平衡含水率を利用したセンサーとしてもよい。換気を行わない場合の屋根裏や床下の湿度は一般的には89%程度であり、木材害虫や菌類の繁殖に適した環境である。そのため、湿度センサーでこの湿度以下になるように換気装置を制御することが望ましいが、湿度センサーは空気中の湿度を計測する性質上、家屋の木材部が吸収した水分が十分に放出されているかどうかは正確に把握できないことがあり、このような状況で換気を終了させてしまうことが考えられる。
【0046】
そこで、木材の平衡含水率を重量変化で捉え、換気の必要性の有無を判断することによって本来の目的である建築材の保護を図るとよい。具体的には、木材平衡含水率が20%以下であれば、木材害虫や菌類の繁殖が鈍化することから、円錐状もしくは角錐状の木材片18を電子式の計量器19上に配し、その重量変化のデーターを木材平衡含水率に換算して送信する送信部20を設け、換気の必要性を判断するための信号送信を行うのである。
【0047】
ここで、木材片18には建築材に使用される松、桜、杉、檜などが好適であるが、木材平衡含水率が判明していて基準とできるものであればその他の種類でも構わない。また、錐状にするのは木材片18上に砂や埃が積もりにくくして、基準重量が変化してしまうのを極力防止するためであるから、先端が尖っていればどのような錐状でもよい。また、同じ理由により、木材片18の底面を支持する計量器19の支持部21は、木材片18の底面と等しいか、もしくはそれよりも小さな面積であることが望ましい。
【0048】
また、木材片18と計量器19は、砂の吹き込みや昆虫の侵入を防止するために、小さな孔22を多数設けたカバー部23に納められる。カバー部23は内部と外気との温度が同じになるように、熱伝導性の良好なアルミニウムなどの金属材料が好ましいが、湿度の高い環境でも腐食して孔22を塞いでしまわないように耐蝕性を持たせておく。
【0049】
このようにすることにより、湿度が高くなると、木材片18が吸湿した水分により木材片18の重量が増加して換気の必要性を知らせ、換気により床下湿度が低下した後も木材片18からの水分蒸発が十分でなければ、木材平衡含水率が20%以下にならないので換気を続行させる。そして、木材片18から水分が十分に抜けたことを確認した時点で換気を停止することで、床下湿度による家屋へのダメージを軽減させることができるとともに、木材片18内に残る湿気が木材害虫や菌類を寄せ付けることがなくなる。
【0050】
なお、本実施形態では太陽光を利用した太陽電池式換気装置の2つの接続を例にとり説明したが、これに限定されるものではなく、3以上の太陽電池式換気装置に複数の負荷制御回路を設けてもよく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更し実施が可能である。
【0051】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の太陽電池式換気装置及び換気システムによれば、通常よりも早い時点からファンモーターによる換気を開始することができ、1日の総換気量を増加させるとともに、ファンモーターの回転維持に必要な電力を下回りにくくなり、再起動に必要な時間や電力を有効に活用でき、しかも配線作業が簡単で、家屋への設置外観が損なわれない。
また、過剰換気や換気不足であった屋根裏や床下の換気状況を改善し、適正な換気制御とすることができる。さらに、通常の換気と急速換気を行なわせることができるので、これにより、他の換気扇などを増設せずに済み、施工の手間を省き、省スペース化、及び機器等の部材の削減を図ることができる。しかも、異音発生を防止する回路も不要とできるので部品点数の削減にもなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る太陽電池式換気装置の実施形態を模式的に説明する概略回路構成図である。
【図2】本発明に係る住宅用換気システムの実施形態を模式的に説明する概略構成図である。
【図3】本発明に係る他の住宅用換気システムの実施形態を模式的に説明する概略構成図である。
【図4】本発明に係る他の太陽電池式換気装置の実施形態を模式的に説明する概略回路構成図である。
【図5】本発明に係る他の太陽電池式換気装置の実施形態を模式的に説明する概略回路構成図である。
【図6】従来の太陽電池式換気装置の一例を模式的に説明する概略構成図である。
【図7】本発明に係る他の太陽電池式換気装置の実施形態におけるセンサー部を模式的に説明する概略構成図であり、(a)は上面図、(b)は側面図、(c)は断面図である。
【符号の説明】
1A,1B:ファンモーター
2B,2B:太陽電池
3:負荷制御回路
3A,3B:制御部
4A,4B:スイッチ素子
5A,5B:制御回路
6A,6B:ファンモーター
7A,7B:受信部
8:家屋
9:屋根裏
10:床下
11a,11b:センサー
12:判定部
15:電力供給部
16:スイッチ
17:接続ケーブル
18:木材片
19:計量器
20:送信部
21:支持部
22:孔
23:カバー部
S1,S2,S3,S4,S5,S6:換気手段
S:太陽電池式換気装置

Claims (2)

  1. 太陽電池の発電電力をファンモーターへ供給して該ファンモーターを作動させる換気手段の複数を並列接続して成る太陽電池式換気装置であって、各換気手段における前記太陽電池と前記ファンモーターとを、前記太陽電池から前記ファンモーターへの電力供給制御を前記ファンモーターが置かれた環境状況に応じて行なう制御部を介して電気的に接続するとともに、各換気手段の制御部どうしを接続して、特定のファンモーターへ他のファンモーターより多くの電力供給がなされるように制御可能としたことを特徴とする太陽電池式換気装置。
  2. 家屋の屋根裏に請求項1に記載の太陽電池式換気装置を構成する第1の換気手段を設置するとともに、床下に前記太陽電池式換気装置を構成する第2の換気手段を設置して成る換気システム。
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