JP2004204188A - 低温加工特性、耐擦り傷性に優れるメタクリル系樹脂組成物 - Google Patents

低温加工特性、耐擦り傷性に優れるメタクリル系樹脂組成物 Download PDF

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Kimihide Nishimura
公秀 西村
Kazuhito Wada
一仁 和田
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Abstract

【課題】金属、プラスチックス、木材等に積層され、低温加工特性および耐擦り傷性に優れ、特に耐衝撃性が改善されたフィルム、シ−ト等を得るための樹脂組成物を提供する。
【解決手段】メタクリル酸エステル系重合体(A)を特定の組成のアクリル酸エステル系重合体(A−1)とメタクリル酸エステル系重合体(A−2)の混合物とし、更に該樹脂中に分散するアクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)を特定の組成のメタクリル酸エステル系架橋重合体(B−1)とアクリル酸エステル系架橋重合体(B−2)の混合物で、かつ(B−2)の一部または全部を最後に重合し、かつアクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)を特定の重合開始剤を用いて重合し、メタクリル酸エステル系重合体(A)を特定のグラフト率でアクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)にグラフト共重合せしめることにより、上記の樹脂組成物を得た。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属、プラスチックス、木材等に積層され、低温加工特性および耐擦り傷性に優れ、特に耐衝撃性が改善されたフィルム、シ−ト等を得るための樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】
メタクリル系樹脂はプラスチックの中でも特に耐候性及び透明性に優れ、種々の産業分野、例えばシ−トまたはフィルム状に成形し、金属、プラスチック、木材など種々の材料にラミネ−トして基材の劣化を防止する、美観を維持する分野等に広く用いられている。
【0003】
一方、塩ビ鋼板といわれるような鋼板に軟質塩化ビニルフィルムをラミネ−トしたものは塩化ビニルフィルムの光に対する耐久性等に心配があり、建築材等として使用されることが難しい状況である。
【0004】
これらのことより、軟質塩化ビニルフィルムの代替として、メタクリル系樹脂のフィルムを鋼板にラミネ−トして使用しようとする試みがなされているが、ラミネ−トした鋼板を加工する際、特に低温高速下で折り曲げるとフィルムが応力白化したり破れが生じたりして使用できなかった。これらの応力白化、破れを防止する目的で、低温での伸びのよいフィルムが試みられているが、この場合は、耐熱性が低いためにフィルムがべとつくブロッキングを生じる、表面硬度が低いために耐擦り傷性が低下する、および耐衝撃強度が低いため、好ましいものではなかった(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−106742号公報
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような状況に鑑み、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、メタクリル酸エステル系重合体(A)を特定の組成をもつアクリル酸エステル系重合体(A−1)とメタクリル酸エステル系重合体(A−2)の混合物とし、更に該樹脂中に分散するアクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)を特定の組成で多官能性化合物の含有量が特定の範囲であるメタクリル酸エステル系架橋重合体(B−1)とアクリル酸エステル系架橋重合体(B−2)の混合物で、かつ(B−2)の一部または全部を最後に重合し、かつアクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)を特定の重合開始剤を用いて重合し、メタクリル酸エステル系重合体(A)を特定のグラフト率でアクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)にグラフト共重合せしめることにより、金属等に積層され2次加工される際に低温で高速で折り曲げても応力白化、破れがなく、かつ耐熱性が高く、耐衝撃強度、硬度も高いフィルムを形成しうる樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、
(A)メタクリル酸エステル系重合体85〜45重量部及び(B)アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子15〜55重量部〔(A)と(B)合わせて100重量部〕からなるメタクリル系樹脂組成物であって、
(1)メタクリル酸エステル系重合体(A)が、アクリル酸アルキルエステル100〜30重量%、メタクリル酸アルキルエステル0〜70重量%、及び該単量体と共重合可能なエチレン系不飽和単量体0〜20重量%からなる単量体(混合物)を重合してなるガラス転移温度が25℃以下であるアクリル酸エステル系重合体(A−1)15〜60重量部、
及びメタクリル酸アルキルエステル100〜71重量%、アクリル酸アルキルエステル29〜0重量%、及び該単量体と共重合可能なエチレン系不飽和単量体0〜20重量%からなる単量体(混合物)を重合してなるガラス転移温度が40℃以上であるメタクリル酸エステル系重合体(A−2)15〜55重量部〔(A−1)と(A−2)合わせて85〜45重量部〕からなり、
(2)アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)が、アクリル酸アルキルエステル0〜50重量%、メタクリル酸アルキルエステル99.5〜49.5重量%、該単量体と共重合可能なエチレン系不飽和単量体0〜20重量%、及び該単量体と共重合可能な1分子あたり2個以上の非共役2重結合を有する多官能性化合物0.5〜5.0重量%からなる単量体(混合物)を重合してなるメタクリル酸エステル系架橋重合体(B−1)1.5〜50重量部、
及びアクリル酸アルキルエステル99.5〜79.5重量%、メタクリル酸アルキルエステル0〜20重量%、該単量体と共重合可能なエチレン系不飽和単量体0〜20重量%、及び該単量体と共重合可能な1分子あたり2個以上の非共役2重結合を有する多官能性化合物0.5〜5.0重量%からなる単量体混合物を重合してなるアクリル酸エステル系架橋重合体(B−2)5.0〜50重量部〔(B−1)と(B−2)を合わせて15〜55重量部〕からなり、
かつ、アクリル酸エステル系架橋弾性体(B−2)の一部または全量を最後に重合させてなり、
重量平均粒子径が400〜3000Åであり、
かつ、これらを重合する際、20℃での水に対する溶解度が1.3g/水100cm3以上の有機系重合開始剤を使用して得られ、
(3)アクリル酸エステル系重合体(A−1)及びメタクリル酸エステル系重合体(A−2)のアクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)へのグラフト率が40〜200%である、メタクリル系樹脂組成物(請求項1)、
メチルエチルケトン可溶分の還元粘度が0.2〜0.8dl/gである請求項1記載のメタクリル酸樹脂組成物(請求項2)、
アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)の重量平均粒子径が500〜1500Åであり、アクリル酸エステル系重合体(A−1)のアクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)へのグラフト効率が50%以上である請求項1または2記載のメタクリル系樹脂組成物(請求項3)、
請求項1または2または3記載のメタクリル系樹脂組成物を成形してなるフィルム(請求項4)、
請求項4記載のフィルムを金属またはプラスチックまたは木材にラミネ−トしてなる積層品(請求項5)、
に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明に使用されるアクリル酸エステル系重合体(A−1)は、アクリル酸アルキルエステル100〜30重量%、メタクリル酸アルキルエステル0〜70重量%、及び該単量体と共重合可能なエチレン系不飽和単量体0〜20重量%を反応させてなるものである。より好ましくは、アクリル酸アルキルエステル90〜40重量%、メタクリル酸アルキルエステル10〜60重量%の範囲である。
【0008】
アクリル酸アルキルエステルが30重量%未満では得られるフィルムの伸びが低下して好ましくない。
【0009】
またアクリル酸エステル系重合体(A−1)のガラス転移温度[以下、Tg(A−1)と記す]としては25℃以下が好ましい。Tg(A−1)が25℃より高いとフィルムの耐衝撃性が低下するため好ましくない。
【0010】
Tg(A−1)は、アクリル酸エステル系重合体(A−1)の組成からポリマ−ハンドブック[Polymer Hand Book(J. Brandrup, Interscience1989)]に記載されている値を使用してFoxの式を用いて算出される。(例えば、PMMAは105℃であり、PBAは−54℃である。)
アクリル酸エステル系重合体(A−1)を構成するアクリル酸アルキルエステルは、重合反応性やコストの点からアルキル基の炭素数が1〜12であるものが好ましく、直鎖状でも分岐状でもよい。その具体例としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル等があげられ、これらの単量体は1種又は2種以上が併用されてもよい。
【0011】
これらと共重合されうるメタクリル酸アルキルエステルは、重合反応性やコストの点からアルキル基の炭素数が1〜12であるものが好ましく、直鎖状でも分岐状でもよい。その具体例としては、例えば、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル等があげられ、これらの単量体は1種又は2種以上が併用されてもよい。
【0012】
上記単量体と共重合可能なエチレン系不飽和単量体としては、塩化ビニル、臭化ビニル等のハロゲン化ビニル、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のシアン化ビニル、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル、スチレン、ビニルトルエン、αメチルスチレン等の芳香族ビニル誘導体、塩化ビニリデン、弗化ビニリデン等のハロゲン化ビニリデン、アクリル酸、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カルシウム等のアクリル酸及びその塩、β−ヒドロキシエチルアクリレ−ト、ジメチルアミノエチルアクリレ−ト、グリシジルアクリレ−ト、アクリルアミド、N−メチロ−ルアクリルアミド等のアクリル酸アルキルエステル誘導体、メタアクリル酸、メタアクリル酸ナトリウム、メタアクリル酸カルシウム等のメタアクリル酸及びその塩、メタアクリルアミド、β−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト、ジメチルアミノエチルメタクリレ−ト、グリシジルメタクリレ−ト等のメタアクリル酸アルキルエステル誘導体等があげられ、これらの単量体は2種以上が併用されてもよい。
【0013】
本発明に使用されるメタクリル酸エステル系重合体(A−2)は、メタクリル酸アルキルエステル100〜71重量%、アクリル酸アルキルエステル0〜29重量%、及び該単量体と共重合可能なエチレン系不飽和単量体0〜20重量%を反応させてなるものである。より好ましくは、メタクリル酸アルキルエステル80重量%以上、アクリル酸アルキルエステル20重量%以下の範囲である。アクリル酸アルキルエステルが29重量%を超えると、得られるフィルムの耐熱性や硬度が低下するため好ましくない。
【0014】
メタクリル酸エステル系重合体(A−2)のガラス転移温度[以下、Tg(A−2)と記す]としては、40℃以上が好ましい。Tg(A−2)が40℃よりも低いと、フィルムの耐熱性や硬度が低下するため好ましくない。Tg(A−2)は、Tg(A−1)と同様アクリル酸エステル系重合体(A−2)の組成から、ポリマ−ハンドブックに記載の値を用いFoxの式を用いて算出される。
【0015】
アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、及び該単量体と共重合可能なエチレン系不飽和単量体の具体例は、前記アクリル酸エステル系重合体(A−1)に使用したものがあげられる。
【0016】
本発明に用いられるメタクリル酸エステル系架橋重合体(B−1)は、アクリル酸アルキルエステル0〜50重量%、メタクリル酸アルキルエステル99.5〜49.5重量%、該単量体と共重合可能なエチレン系不飽和単量体0〜20重量%、及び架橋性の1分子あたり2個以上の非共役な反応性二重結合を有する多官能性単量体0.5〜5.0重量%を反応させてなるものである。より好ましくは、アクリル酸アルキルエステル0〜35重量%、メタクリル酸アルキルエステル100〜65重量%の範囲である。メタクリル酸アルキルエステルの割合が49.5重量%未満になると、フィルムの硬度や耐熱性が低下するため好ましくない。
【0017】
前記多官能性単量体の割合は、メタクリル酸エステル系架橋重合体(B−1)において0.5〜5重量%が好ましい。より好ましくは、1.0〜3.5重量%の範囲である。0.5重量%未満では、得られるフィルムの耐熱性が低下したり、べとついたり、ブロッキングを生じたり、耐溶剤性が低下したり、耐応力白化性が悪化するため好ましくない。5重量%を超えると、フィルムの伸びが低下したり成形性が悪化するため好ましくない。
【0018】
アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル及び該単量体と共重合可能なエチレン系不飽和単量体の具体例は、前記アクリル酸エステル系重合体(A−1)に使用したものがあげられる。
【0019】
アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)には、架橋性の1分子あたり2個以上の非共役な反応性二重結合を有する多官能性単量体が共重合される。該多官能性単量体が共重合されているため、得られる重合体が架橋重合体となるとともに、未反応の反応性官能基(二重結合)がグラフト交叉点となり、メタクリル酸エステル系共重合体(A)の一定割合がグラフトし、アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)が樹脂成分中に不連続かつ均一に分散する。
【0020】
多官能性単量体としては、アリルメタアクリレ−ト、アリルアクリレ−ト、トリアリルシアヌレ−ト、トリアリルイソシアヌレ−ト、ジアリルフタレ−ト、ジアリルマレ−ト、ジビニルアジペ−ト、ジビニルベンゼンエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、ジエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、トリエチレングリコ−ルジメタクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパントリメタクリレ−ト、テトラメチロ−ルメタンテトラメタクリレ−ト、ジプロピレングリコ−ルジメタクリレ−ト、及びこれらに対応するアクリレ−ト類、等があげられ、これらは2種以上が併用されてもよい。
【0021】
本発明に用いられるアクリル酸エステル系架橋重合体(B−2)は、アクリル酸アルキルエステル99.5〜79.5重量%、メタクリル酸アルキルエステル0〜20重量%、及び該単量体と共重合可能なエチレン系不飽和単量体0〜20重量%、及び該単量体と共重合可能な1分子あたり2個以上の非共役2重結合を有する多官能性化合物0.5〜5.0重量%を反応させてなるものである。より好ましくはアクリル酸アルキルエステル99.5〜85重量%、メタクリル酸アルキルエステル15〜0重量%の範囲である。アクリル酸アルキルエステルの割合が79.5重量%未満になると、フィルムの伸びが低下し、2次加工時に破れたり白化するため好ましくない。
【0022】
多官能性単量体はより好ましくは1.0〜3.5重量%の範囲である。0.5重量%未満では、得られるフィルムの耐熱性が低下したり、べとついたり、ブロッキングを生じたり、耐溶剤性が低下したり、耐応力白化性が悪化するため好ましくない。5重量%を超えると、フィルムの伸びが低下したり成形性が悪化するため好ましくない。
【0023】
アクリル酸エステル系架橋重合体(B−2)のガラス転移温度が高いと、常温以下での衝撃エネルギ−吸収の点でも不利であり、ガラス転移温度は0℃以下であることが好ましい。より好ましくは−10℃以下である。
【0024】
アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル及び該単量体と共重合可能なエチレン系不飽和単量体の具体例は、前記樹脂成分アクリル酸エステル系重合体(A−1)に使用したものがあげられる。
【0025】
これらと共重合可能な1分子あたり2個以上の非共役な反応性二重結合を有する多官能性単量体の具体例としては、前記アクリル酸エステル系架橋弾性体(B−1)に使用したものが挙げられる。これらの多官能性単量体は2種以上を併用してもよい。
【0026】
アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)を生成させるにあたり、(B−2)の一部または全量を、最後に重合する。(B−2)の全量を(B−1)より先に重合すると、フィルムの伸びが低下したり、成形性が低下するため好ましくない。
【0027】
アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)の重量平均粒子径は、400〜3000Åの範囲が好ましい。より好ましくは、600〜1500Åである。400Å未満では伸びが低下したり、耐衝撃性が低下するため好ましくなく、3000Åを超えると応力白化が著しくなるため好ましくない。
【0028】
更に、平均粒子径が300〜800Åのアクリル酸エステル系架橋弾性体粒子と平均粒子径が1000〜4000Åのアクリル酸エステル系架橋弾性体粒子を混合し、その相加平均を400〜3000Åの範囲にすることも可能である。
【0029】
本発明のメタクリル系樹脂組成物におけるアクリル酸エステル系重合体(A−1)、メタクリル酸エステル系重合体(A−2)、メタクリル酸エステル系架橋重合体(B−1)、およびアクリル酸エステル系架橋重合体(B−2)の割合は所望される特性により決めることが出来るが、アクリル酸エステル系重合体(A−1)とメタクリル酸エステル系重合体(A−2)の合計は85〜45重量部が好ましい。より好ましくは75〜60重量部の範囲である。85重量部を超えるとフィルムの耐衝撃性が低下するため好ましくなく、45重量部未満では耐熱性が低下したり、ブロッキングを生じたりしてフィルムの表面が不均一になるため好ましくない。
【0030】
アクリル酸エステル系重合体(A−1)は 15〜60重量部が好ましい。より好ましくは、20〜50重量部の範囲である。15重量部未満では伸びが低下するため好ましくなく、60重量部を超えると耐熱性が低下したり、得られるフィルムの硬度が低下するため好ましくない。
【0031】
メタクリル酸エステル系重合体(A−2)は15〜55重量部が好ましい。より好ましくは30〜55重量部の範囲である、15重量部未満では硬度が低下するため好ましくなく、55重量部を超えると伸びが低下したり、応力白化を起こすため好ましくない。
【0032】
アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)は15〜55重量部が好ましい。より好ましくは25〜40重量部の範囲である。15重量部未満では伸び、耐衝撃性が低下するため好ましくなく、55重量部を超えると耐熱性や硬度が低下するため好ましくない。
【0033】
メタクリル酸エステル系架橋重合体(B−1)は、1.5〜50重量部が好ましい。より好ましくは、1.5〜35重量部の範囲である。1.5重量部未満では耐熱性や表面硬度が低下するため好ましくなく、40重量部を超えると耐衝撃性や伸びが低下するため好ましくない。
【0034】
アクリル酸エステル系重合体(B−2)は5.0〜50重量部が好ましい。より好ましくは、5.0〜40重量部の範囲である。5.0重量部未満では伸びや耐衝撃性が低下するため好ましくなく、40重量部を超えると耐熱性や表面硬度が低下するため好ましくない。
【0035】
アクリル酸エステル系重合体(A−1)及びメタクリル酸エステル系重合体(A−2)のアクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)へのグラフト率は40〜200%が好ましく、70〜150%がより好ましい。グラフト率が40%未満では、フィルムの伸びが低下したり表面が不均一になるため好ましくない。グラフト率が200%を超えると成形加工性が低下するため好ましくない。
【0036】
アクリル酸エステル系重合体(A−1)のアクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)へのグラフト効率は50%以上が好ましい。グラフト効率が50%未満では、フィルムの表面硬度が低下したりブロッキングを生じるため好ましくない。
【0037】
本発明で使用するメタクリル系樹脂組成物のメチルエチルケトン可溶分の還元粘度は、0.2〜0.8dl/g(N、N−ジメチルホルムアミド溶液溶媒を用い30℃で測定)の範囲が好ましい。還元粘度が0.2dl/g未満ではフィルムの伸びや耐薬品や耐溶剤性が低下するため好ましくなく、0.8dl/gを超えると成形加工性が低下するため好ましくない。
【0038】
本発明で使用するメタクリル系樹脂組成物を成形してなる成形体の表面の鉛筆硬度は、2Bであることが好ましい。鉛筆硬度が2Bよりも低いと、表面の耐擦り傷性が低くなるため好ましくない。
【0039】
本発明のメタクリル系樹脂組成物を成形してなるフィルムをJIS 1号ダンベルに打ち抜き、JIS K1173に従い、オ−トグラフにより引張スピ−ド1000mm/minで0℃にて測定した引張試験の破断伸びは、20%以上であることが好ましい。破断伸度が20%以下では、折り曲げ時に破れが生じるため好ましくない。
【0040】
本発明で使用するメタクリル系樹脂組成物の製造方法は特に限定されず、公知の乳化重合法、乳化−懸濁重合法、懸濁重合法、塊状重合法が適用可能であるが、乳化重合法が特に好ましい。
アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)の重合における開始剤としては、20℃での水に対する溶解度が1.3g/水100cm3以上、より好ましくは1.5g/水100cm3以上であれば公知の有機系過酸化物、無機系過酸化物、アゾ化合物などの開始剤を使用することができる。20℃での水に対する溶解度が1.3g/水100cm3未満の開始剤を用いた場合、耐衝撃強度が低下するため好ましくない。
【0041】
20℃での水に対する溶解度が1.3g/水100cm3以上のパ−オキサイドとしては、t−ブチルハイドロパ−オキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパ−オキサイド、スクシン酸パ−オキサイド、パ−オキシマレイン酸t−ブチルエステルなどがあげられる。
【0042】
過酸化物は還元剤と組み合わせたレドックス系開始剤としても使用することができる。
【0043】
前記有機系過酸化物は、重合系にそのまま添加する方法、単量体に混合して添加する方法、乳化剤水溶液に分散させて添加する方法など、公知の添加法で添加することができるが、耐衝撃性、透明性の点から、単量体に混合して添加する方法あるいは乳化剤水溶液に分散させて添加する方法が好ましい。
【0044】
また、前記有機系過酸化物は、重合安定性、粒径制御の点から、2価の鉄塩などの無機系還元剤および(または)ホルムアルデヒドスルホキシル酸ソ−ダ、還元糖、アスコルビン酸などの有機系還元剤と組み合わせたレドックス系開始剤として使用するのが好ましい。
【0045】
アクリル酸エステル系重合体(A−1)およびメタクリル酸エステル系重合体(A−2)の重合においては、通常の重合開始剤が使用される。具体的には、例えば過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムなどの無機過酸化物や、t−ブチルハイドロパ−オキサイド、クメンハイドロパ−オキサイド、ベンゾイルパ−オキサイドなどの有機過酸化物、更にアゾビスイソブチロニトリルなどの油溶性開始剤も使用される。これらは単独または2種以上組み合わせ用いられる。これらの開始剤は亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、ナトリウムホルムアルデヒドスルフォキシレ−ト、アスコルビン酸、ヒドロキシアセトン酸、硫酸第一鉄、硫酸第一鉄とエチレンジアミン四酢酸2ナトリウムの錯体などの還元剤と組み合わせた通常のレドックス型開始剤として使用してもよい。
【0046】
前記乳化重合に使用される界面活性剤にも特に限定はなく、通常の乳化重合用の界面活性剤であれば使用することが出来る。具体的には、例えばアルキルスルフォン酸ナトリウム、アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム、ジオクチルスルフォコハク酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウムなどの陰イオン性界面活性剤や、アルキルフェノ−ル類、脂肪族アルコ−ル類とプロピレンオキサイド、エチレンオキサイドとの反応生成物などの非イオン性界面活性剤などが示される。これらの界面活性剤は単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。更に要すれば、アルキルアミン塩等の陽イオン性界面活性剤を使用してもよい。
【0047】
このような共重合により得られる重合体ラテックスから通常の凝固と洗浄により、またはスプレ−、凍結などによる処理により樹脂組成物が分離、回収される。
【0048】
本発明のメタクリル系樹脂組成物は、特にフィルムとして有用であり、例えば通常の溶融押出法であるインフレ−ション法やTダイ押出法あるいはカレンダ−法、溶液キャスト法等により良好に加工される。フィルムの厚みは5〜500μmが適当であり、10〜300μmが好ましい。
【0049】
必要によりフィルムにエンボス加工して加飾することも可能である。
【0050】
本発明のメタクリル系樹脂組成物には、着色のために無機系顔料または有機系染料を、熱や光に対する安定性を更に向上させるために抗酸化剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤を、また、抗菌・脱臭剤、滑剤などを、単独または2種以上組み合わせて添加してもよい。
【0051】
また、必要に応じ、メタクリル系樹脂(PMMA)、ポリ塩化ビニル、AS樹脂、PET樹脂、PBT樹脂を配合することも可能である。ブレンドの方法は特に限定されず、公知の方法を用いることが出来る。
【0052】
また、必要に応じて、公知の方法により成形フィルム表面の光沢を低減させることが出来る。例えば、無機充填剤または架橋性高分子粒子を混練する方法等で実施することが出来る。また、エンボス加工により光沢を低減させることも可能である。
【0053】
本発明のメタクリル系樹脂組成物より得られたフィルムは、金属、プラスチックまたは木材などにラミネ−トして用いることができる。ラミネ−トの方法としては、鋼板などの金属板に接着剤を塗布した後、すぐに金属板にフィルムを載せて乾燥させ貼り合わせるウエットラミネ−トや、ドライラミネ−ト、エキストル−ジョンラミネ−ト、ホットメルトラミネ−トなどが挙げられる。ラミネ−ト積層品は、ドア鋼板、自動車外装材、日用雑貨品、窓枠などの建材、壁紙、家具や電気機器のハウジング、ファクシミリなどのOA機器のハウジングなどとして用いることができる。
【0054】
【実施例】
以下、実施例を示すが本発明を限定するものではない。なお、特に断りがない場合、実施例及び比較例の「部」は「重量部」、「%」は「重量%」を表す。略号はそれぞれ下記の物質を表す。
【0055】
BA :アクリル酸ブチル
MMA :メタクリル酸メチル
MEK :メチルエチルケトン
AlMA :アリルメタアクリレ−ト
BHP :t−ブチルハイドロパ−オキサイド
CHP :クメンハイドロパ−オキサイド
tDM :タ−シャリ−ドデシルメルカプタン。
【0056】
なお、実施例及び比較例中の測定および評価は、次の条件および方法により行なった。
(1)アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)の平均粒子径
0.02%のラテックス濃度に希釈した試料について、546nmの波長での光線透過率より求めた。
(2)グラフト効率、グラフト率
グラフト率:メタクリル系樹脂組成物をメチルエチルケトンに溶解させ、不溶分と可溶分とを分離し、不溶分を架橋弾性体とグラフト分の総和として次式により算出した。
グラフト率(%)={(不溶分の重量−アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)の重量)/アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)の重量} × 100
グラフト効率(%)={(不溶分の重量−アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)の重量)/混合物(a−1)の重量} × 100
(3)還元粘度
メチルエチルケトン可溶分を、濃度0.3g/dlの N,N−ジメチルホルムアミド溶液として、30℃にてウベロ−ド型粘度計で溶液粘度を測定して算出した。
(4)開始剤の水に対する溶解度
各開始剤の20℃における水100cm3に対する溶解度(g)を測定した。
測定結果は、BHPが1.7g/水100cm3、CHPが1.2g/水100cm3である。
(5)デュポン衝撃強度
実施例1に記載の条件でTダイ式押出機を用いて作成した、フィルム(5cm×5cm×100μm厚)をデュポン衝撃試験機の受け台に置き、半径7.5mmの半球形の先端をもった撃芯をフィルムにのせ、撃芯上に重さ0.2kgの錘を落下させ、デュポン衝撃試験を行った。デュポン衝撃強度は次式により算出した。
デュポン衝撃強度=50%破壊高さ(cm)×おもり重量(kg)
(6)フィルム表面性
実施例1に記載の条件でTダイ式押出機を用いて作成した、1m×1mのフィルム(100μm厚み)の表面を観察し、下記のフィッシュアイ、ダイラインおよびヤケに対する合格基準に対する評価結果から、判定した。
フィッシュアイの合格基準は1000個以下であり、著しいとは1万個以上の場合である。
ダイラインの合格基準は10cm未満のものが5ヶ所以下であり、著しいとは1m以上のものがある場合である。
ヤケの合格基準はフィルムが変色しない、またはヤケ物が5ヶ所以下であり、著しいとは明らかにに変色がある、ヤケ物が50ヶ所以上ある場合である。
○:3項目とも下記の合格基準を満たす。
△:1項目でも下記の合格基準を満たさないものがある。
×:2項目以上が下記の合格基準を満たさない、または1項目でも下記の著しいとなるものがある。
(7)カレンダ−加工性
実施例1に記載の条件で作成した樹脂ペレットを8インチ2本ロ−ルを用いて180℃で5分間混練し、ロ−ル表面への過度の密着および剥離を評価した。
○:ロ−ル表面に適度に密着し、剥離性良好。
×:ロ−ル表面に過度に密着し、剥離しにくい。
(8)ビカット軟化点
実施例1に記載の条件でTダイ式押出機を用いて作成したフィルム(100μm厚み)をプレスし3mm厚みの試験片(1cm×5cm)を作成し、ISO R−306に準拠し1kg荷重で測定した。
(9)伸び
実施例1に記載の条件でTダイ式押出機を用いて作成したフィルム(100μm厚み)をJIS1号ダンベル形状に打ち抜き、JIS K−1173に準拠しオ−トグラフ(島津製作所社製AG−2000E)を用いて、0℃にて引張スピ−ド1000mm/minでチャック間(5mm)に対する伸びを測定した。
(10)耐溶剤性
実施例1に記載の条件でTダイ式押出機を用いて作成したフィルム(5cm×5cm×100μm厚み)を23℃で5時間エチルアルコ−ルに浸積後、室温で乾燥しその表面を観察した。
○:フィルム表面に変化が認められない。
×:フィルム表面に白化や溶解等の変化が認められる。
(11)表面傷付き性
その指標として、実施例1に記載の条件でTダイ式押出機を用いて作成したフィルム(100μm厚み)の鉛筆硬度を測定した。鉛筆硬度はJIS S−1005に準拠して測定した。
(12)折り曲げ時の白化および割れ
実施例1に記載の条件でTダイ式押出機を用いて作成したフィルム(5cm×5cm×100μm厚み)を0.5mm厚さの鋼板に接着剤で貼合せたサンプルを、フィルム外側にして接着面の曲率半径が鋼板の厚みの1.5倍になるよう、0℃にて180度折り曲げて、観察した。
Figure 2004204188
(13)フィルムのブロッキング性
2枚のフィルム(5cm×5cm×200μm厚)を重ね合わせ部が5cm×5cmとなるよう重ね合わせて、重ね合わせ部上に200g/cm2の荷重をかけ、80℃にて24時間放置後にフィルム同士が剥がれるかどうかをチェックした。
○:剥がれる
×:剥がれない、またはフィルムが破れる。
【0057】
(実施例1)
攪拌機付き8L重合装置に、以下の物質を仕込んだ。
脱イオン水 200部
ジオクチルスルフォコハク酸ナトリウム 0.25部
ソディウムホルムアルデヒドスルフォキシレ−ト 0.15部
エチレンジアミン四酢酸−2−ナトリウム 0.001部
硫酸第一鉄 0.00025部
重合機内を窒素ガスで充分に置換し実質的に酸素のない状態とした後、内温を40℃にし、表1中の混合物(b−1)を10部/時間の割合で連続的に添加し、添加終了後、更に30分間重合を継続し重合を完了させた。重合転化率は98%であった。
続いて、表1中の混合物(b−2)を10部/時間の割合で連続的に添加し、添加終了後、更に1時間重合を継続し、アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)を得た。重合転化率は99.5%であった。
その後ジオクチルスルフォコハク酸ナトリウム0.05部を仕込んだ後、内温を60℃にし、表1中の混合物(a−1)を10部/時間の割合で連続的に添加し、更に1時間重合を継続し、アクリル酸エステル系重合体(A−1)を得た。重合転化率は99%、グラフト効率は80%であった。
更にその後、表1中の混合物(a−2)を10部/時間の割合で連続的に添加し、更に1時間重合を継続し、メタクリル酸エステル系重合体(A−2)を経て、メタクリル系樹脂組成物を得た。重合転化率は99.0%、グラフト率は110%であり、MEK可溶分の還元粘度は0.38dl/gであった。得られたラテックスを酢酸カルシウムで塩析、凝固し、水洗、乾燥して樹脂粉末を得た。
得られた樹脂粉末100重量部に対し、紫外線吸収剤としてチヌヴィン234(チバスペシャルティ−ケミカルス社製)2.0重量部、酸化防止剤としてイルガノックス1077(チバスペシャルティ−ケミカルス社製)0.4重量部、滑剤としてLuwaxE(BASF社製)1.0重量部、及び顔料としてカ−ボンブラック1.0重量部を添加しヘンシェルミキサ−で混合してコンパウンドとし、40ミリφベント付き押出機を用いてシリンダ温度を240℃に設定して溶融混練を行い、ペレット化した。さらに、Tダイ付き40ミリφ押出機を用いてダイス温度240℃で成形し、厚み100μmのフィルムを得た。
このフィルムを用いて種々の特性を評価し、その結果を表1に示した。
【0058】
(実施例2〜7、及び比較例1〜3)
実施例1と同様にして、表1に示す混合物を仕込み、樹脂粉末を得て同様に評価した。その結果を表1に示した。
【0059】
【表1】
Figure 2004204188
【0060】
【発明の効果】
金属等に積層され、2次加工される際、特に低温での応力白化、割れ等が発生することなく、容易に加工でき、フィルム間のブロッキングも発生せず、かつ耐衝撃性、耐擦り傷性、耐候性および耐溶剤性に優れたフィルムを提供するメタクリル系樹脂組成物を得た。

Claims (5)

  1. (A)メタクリル酸エステル系重合体85〜45重量部及び(B)アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子15〜55重量部〔(A)と(B)合わせて100重量部〕からなるメタクリル系樹脂組成物であって、
    (1)メタクリル酸エステル系重合体(A)が、アクリル酸アルキルエステル100〜30重量%、メタクリル酸アルキルエステル0〜70重量%、及び該単量体と共重合可能なエチレン系不飽和単量体0〜20重量%からなる単量体(混合物)を重合してなるガラス転移温度が25℃以下であるアクリル酸エステル系重合体(A−1)15〜60重量部、
    及びメタクリル酸アルキルエステル100〜71重量%、アクリル酸アルキルエステル29〜0重量%、及び該単量体と共重合可能なエチレン系不飽和単量体0〜20重量%からなる単量体(混合物)を重合してなるガラス転移温度が40℃以上であるメタクリル酸エステル系重合体(A−2)15〜55重量部〔(A−1)と(A−2)合わせて85〜45重量部〕からなり、
    (2)アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)が、アクリル酸アルキルエステル0〜50重量%、メタクリル酸アルキルエステル99.5〜49.5重量%、該単量体と共重合可能なエチレン系不飽和単量体0〜20重量%、及び該単量体と共重合可能な1分子あたり2個以上の非共役2重結合を有する多官能性化合物0.5〜5.0重量%からなる単量体(混合物)を重合してなるメタクリル酸エステル系架橋重合体(B−1)1.5〜50重量部、
    及びアクリル酸アルキルエステル99.5〜79.5重量%、メタクリル酸アルキルエステル0〜20重量%、該単量体と共重合可能なエチレン系不飽和単量体0〜20重量%、及び該単量体と共重合可能な1分子あたり2個以上の非共役2重結合を有する多官能性化合物0.5〜5.0重量%からなる単量体混合物を重合してなるアクリル酸エステル系架橋重合体(B−2)5.0〜50重量部〔(B−1)と(B−2)を合わせて15〜55重量部〕からなり、
    かつ、アクリル酸エステル系架橋弾性体(B−2)の一部または全量を最後に重合させてなり、
    重量平均粒子径が400〜3000Åであり、
    かつ、これらを重合する際、20℃での水に対する溶解度が1.3g/水100cm3以上の有機系重合開始剤を使用して得られ、
    (3)アクリル酸エステル系重合体(A−1)及びメタクリル酸エステル系重合体(A−2)のアクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)へのグラフト率が40〜200%である、メタクリル系樹脂組成物。
  2. メチルエチルケトン可溶分の還元粘度が0.2〜0.8dl/gである、請求項1記載のメタクリル系樹脂組成物。
  3. アクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)の重量平均粒子径が500〜1500Åであり、アクリル酸エステル系重合体(A−1)のアクリル酸エステル系架橋弾性体粒子(B)へのグラフト効率が50%以上である、請求項1または2記載のメタクリル系樹脂組成物。
  4. 請求項1または2または3記載のメタクリル系樹脂組成物を成形してなるフィルム。
  5. 請求項4記載のフィルムを金属またはプラスチックまたは木材にラミネ−トしてなる積層品。
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