JP2004203975A - 印刷インキ用樹脂ワニスの製造法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】架橋剤(A)を溶剤(B)中に分散し溶解させた後、ロジンエステル樹脂類の熱溶融物(C)および/または極性基含有炭化水素樹脂類の熱溶融物(D)を添加して混合し、かつ(A)の使用量が(C)および(D)の総量100重量部に対し0.3〜10重量部であることを特徴とする印刷インキ用樹脂ワニスの製造法
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷インキ用樹脂ワニスの製造法に関する。本発明により得られる印刷インキ用樹脂ワニスは、印刷インキ、殊にオフセット印刷インキ用に賞用される。
【0002】
【従来の技術】
印刷インキ用樹脂ワニスは一般に樹脂ワニス(ゲル化剤などの架橋剤を含有していない)を調整し、次いで当該樹脂ワニスへ架橋剤を添加混合して製造される(例えば、特許文献1)。しかし、この方法により近年需要が高まる高速印刷に適した高粘度・高軟化点・高架橋密度の印刷インキ用樹脂ワニスを製造しようとすると、前記樹脂ワニス自体が高い粘度を有することに加えて多量の架橋剤が必要となるため、製造時又は製造後に不溶物が発生しやすい。不溶物が生ずると均一かつ所定粘度の印刷インキ用樹脂ワニスを安定製造できないだけでなく、顔料などの各種添加剤の分散性が極端に低下する等の不利がある。
【0003】
上記問題を解決するには、例えば使用する樹脂をできるだけ高分子量のものとし、かつ架橋剤の添加量をできるだけ少なくする方法が考えられる。しかし、過度に高分子量の樹脂は製造条件の選択や工業的な製造が困難であったり、使用できる樹脂の種類が制約されたり、更には得られた樹脂を溶剤に溶解させる際に高温・長時間を要するなどの不利がある。
【0004】
ところで、従来から印刷インキ用樹脂ワニスに供する樹脂としては、顔料分散性に優れ、かつ高粘度、高軟化点、高ゲル化能等の高速印刷適性を有し、さらにはインキ用溶剤に対する溶解性に優れるロジン変性フェノール樹脂が賞用されている。しかし、ロジン変性フェノール樹脂はアルキルフェノールとホルムアルデヒドの縮合物を主原料としており、印刷時に熱がかかる工程において樹脂中よりホルムアルデヒドが大気中に飛散する可能性があるため、作業空間や環境、人体への負荷が指摘されている。また、特定のアルキルフェノールには内分泌撹乱物質(いわゆる環境ホルモン)の疑いもある。そのため、印刷業界ではロジン類を主成分とするポリエステル樹脂(例えば、特許文献1)や極性基を有する炭化水素樹脂(例えば、特許文献2)等の、アルキルフェノールとホルムアルデヒドの縮合物を一切原料に用いない樹脂を用いた印刷インキ用樹脂ワニスの検討がされている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−134670号公報
【特許文献2】
特開2002−97232号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、環境や人体等への負荷が殆どなく、かつ従来公知のロジン変性フェノール樹脂に匹敵する性能を有する樹脂を特に制限無く用いることができ、しかも従来の製造法では製造が困難であった高粘度、高架橋密度かつ均一であって、しかも不溶物の発生のない印刷インキ用樹脂ワニスを容易に製造し得る新規な製造法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記諸問題を鑑み、特に印刷インキ用樹脂ワニスの製造工程について鋭意検討を重ねた。その結果、架橋剤を予め溶剤に分散し溶解させておき、次いで樹脂成分を熱溶融して低粘度の状態で当該架橋剤溶液へ添加・混合することで前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0008】
すなわち本発明は、架橋剤(A)を溶剤(B)中に分散し溶解させた後、ロジンエステル樹脂類の熱溶融物(C)および/または極性基含有炭化水素樹脂類の熱溶融物(D)を添加して混合し、かつ(A)の使用量が(C)および(D)の総量100重量部に対し0.3〜10重量部であることを特徴とする印刷インキ用樹脂ワニスの製造法、に関する。
【0009】
架橋剤(A)としては、印刷インキ用樹脂ワニスに用いられる公知各種のものを特に制限なく使用できる。例えば、オクチル酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウムなどに代表される金属石鹸;アルミニウムイソプロピレート、モノブトキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムブチレート、アルミニウムエチレートなどに代表されるアルミニウムアルコレート;エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)などに代表される、水素結合やキレート結合を付与し得るキレート化剤;ポリ(ビスフェノールAジグリシジルエーテル)、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物;イソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどのポリイソシアネート類;不飽和カルボン酸無水物とビニルモノマーやα−オレフィンからなる共重合体、不飽和カルボン酸変性ロジン、不飽和カルボン酸変性ロジンエステルなどが挙げることができる。これらの架橋剤は単独使用可能であるが2種以上組み合わせるのが好ましく、ポリイソシアネート類とキレート化剤、または、ポリイソシアネート類と金属石鹸の組み合わせが特に好ましい。その理由は、2種以上組み合わせることで不溶物の発生がほとんどなく、しかも高粘度の印刷インキ用樹脂ワニスを容易に製造できるためであり、かかる樹脂ワニスを用いた印刷インキは流動性に優れ、印刷機に供した場合にインキ壷からロール間を通って版面により良好に転移するので、印刷適性の観点から好ましいからである。
【0010】
溶剤(B)としては、各種公知のインキ用溶剤を特に制限なく使用することができる。具体的には、トルエン、キシレンなどの有機溶剤のほか、石油系溶剤、植物油、脂肪酸エステルなどが挙げられ、これらは単独で、または2種以上を適宜に組み合わせて使用できる。近年の環境への関心の高まりを考慮すれば、前記石油系溶剤と植物油との組み合わせ、植物油と脂肪酸エステルとの組み合わせ、植物油単独での使用が好ましい。当該石油系溶剤としては、例えば新日本石油(株)製の各種ソルベントである、0号ソルベント、4号ソルベント、5号ソルベント、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号などの沸点が200℃以上で芳香族炭化水素の含有率が1%以下である石油系溶剤が挙げられる。また当該植物油としては、例えばアマニ油、大豆油、桐油などが挙げられる。また当該脂肪酸エステルとしては、例えばアマニ油脂肪酸メチルエステル、アマニ油脂肪酸ブチルエステル、大豆油脂肪酸メチルエステル、大豆油脂肪酸ブチルエステル、桐油脂肪酸メチルエステル、桐油脂肪酸ブチルエステルなどが挙げられる。
【0011】
ロジンエステル樹脂類の熱溶融物(C)のロジンエステル樹脂類としては、ロジン類を必須構成成分とする印刷インキ用ポリエステル樹脂であって、前記した従来のロジン変性フェノール樹脂と同等程度の性能を有し、さらにその原料にホルムアルデヒドやアルキルフェノール等の環境や人体への悪影響が懸念される化合物を使用しないものであれば、各種公知のものを特に制限なく使用することができる。具体的には、ロジン類(a)、ポリオール類(b)、{脂肪酸類▲1▼、脂肪族多塩基酸類▲2▼、脂肪族モノアルコール類▲3▼、脂肪族ジアルコール類▲4▼、脂肪族モノアミン類▲5▼、脂肪族モノエポキシ類▲6▼、カルボン酸類と疎水性の重合性不飽和化合物とからなるポリマーと当該ポリマー中のカルボン酸類に対し反応性を有する疎水性化合物とを部分的に反応させてなる樹脂▲7▼}からなる群より選ばれる少なくとも1種(c)および/または極性基含有石油樹脂(d)(以下、順に成分(a)、成分(b)、成分(c)、成分(d)という)を必須構成成分とするポリエステル樹脂が好ましく使用される(例えば特開2001−134670号公報、特開2001−233947号公報、特開2001−233949号公報、特開2001−310934号公報参照)。また、前記成分(a)〜成分(d)に加え、印刷インキ塗膜に耐摩擦性や光沢、インキの耐水性といった付加価値を与えるために、必要に応じて芳香族多塩基酸類(e)、ヒドロキシ酸類(f)、ポリオルガノシロキサン類(g)(以下、成分(e)、成分(f)、成分(g)という)を樹脂成分として使用することもできる。また、各種公知のインキ改質剤を予め当該各樹脂類に添加しておいてもよく、例えばインキの耐水性を更に向上させる目的から分子内にオキシアルキレン基を有する化合物(以下、成分(h)という)を使用することができる。
【0012】
また、前記極性基含有炭化水素樹脂類の熱溶融物(D)の極性基含有炭化水素樹脂類としては、印刷インキ用の炭化水素樹脂類であって分子内にカルボキシル基や水酸基等のゲル化に寄与する極性基を有するものであれば、各種公知のものを特に制限なく使用することができる。具体的には、より高分子量化した前記成分(d)に前記成分(c)のうち前記脂肪酸類▲1▼、脂肪族モノアルコール類▲2▼、脂肪族モノアミン類▲3▼からなる群より選ばれる少なくとも1種を反応させて得られるものが好ましく使用される(例えば特開2002−97232号公報参照)。なお、必要に応じて前記成分(e)、成分(f)、成分(g)及び成分(h)を前記同様の目的で使用してもよい。
【0013】
前記成分(a)としては、例えば、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなどの天然ロジン;該天然ロジンから誘導される重合ロジン;前記天然ロジンや重合ロジンを不均化または水素添加して得られる安定化ロジン;前記天然ロジンや重合ロジンに不飽和カルボン酸類を付加して得られる不飽和酸変性ロジンなどが挙げられる。なお、前記不飽和酸変性ロジンとは、例えばマレイン酸変性ロジン、無水マレイン酸変性ロジン、フマル酸変性ロジン、イタコン酸変性ロジン、クロトン酸変性ロジン、ケイ皮酸変性ロジン、アクリル酸変性ロジン、メタクリル酸変性ロジンなど、あるいはこれらに対応する酸変性重合ロジンが挙げられ、当該不飽和酸変性ロジンは原料ロジン100重量部に対し、それぞれ対応する不飽和カルボン酸を通常1〜30重量部程度用いて変性したものである。
【0014】
なお成分(a)のなかでも、分子内に2個以上のカルボキシル基を有するロジン類を含有するものであれば、当該ロジンエステル樹脂類を高分子量化しやすくなるため、本発明の目的を達成する上で好ましく使用できる。特に高分子量化に加え、ロジンエステル樹脂類の熱溶融物(C)の前記架橋剤溶液への溶解性を向上し、またロジンエステル樹脂類の軟化点を高くすることができるため、成分(a)としては前記重合ロジンおよび/または不飽和酸変性重合ロジンを含有するものを特に好ましく使用でき、この場合には、当該重合ロジンおよび/または不飽和酸変性重合ロジンを成分(a)全量の10重量%以上の範囲において使用すればよい。
【0015】
前記成分(b)としては、例えばジペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、グリセリン、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールエタン、トリメチロールエタン等、従来からロジン変性フェノール樹脂のポリオール成分として公知のポリオールを挙げることができる。
【0016】
なお成分(b)のなかでも本発明に使用する前記ロジンエステル樹脂類の軟化点、分子量等の物性や印刷インキのミスチングや乳化率を制御し易いことから、グリセリン、トリメチロールプルパン、トリメチロールエタンなどの、当該分子の最長炭素鎖における炭素数が4以下のものである3価アルコールや、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、ジトリメチロールエタンなど当該分子の最長炭素鎖における炭素数が4以下のものである4価アルコールを使用するのが好ましい。
【0017】
また成分(b)の使用量は、前記ロジンエステル樹脂類を所望の分子量とし、印刷インキに適正な乳化特性を与えるため、前記成分(a)〜成分(g)の各成分中のうち、対応する成分に含まれる全水酸基当量数(OH)と全カルボキシル基当量数(COOH)の割合を、通常OH/COOH=0.5〜1.1程度となるように調整するのが好ましい。この際、OH/COOH(当量比)の計算においては、前記成分(c)として脂肪族モノアミン類▲5▼を使用する場合には、2級アミンは1価とみなし、また1級アミンは2価とみなし、当該アミノ基の当量数=当該OHの当量数とし、当該OHの当量数を含めてOHの合計当量数とする。また、脂肪族モノエポキシ類を使用する場合は2価アルコールとみなし、当該OHの当量数を含めてOHの合計当量数とする。
【0018】
成分(c)のうち前記脂肪酸類▲1▼および脂肪族多塩基酸類▲2▼としては全炭素数10〜40程度のものが好ましく使用され、直鎖状、分岐鎖状または環状であってよい脂肪酸、アルキルコハク酸およびその無水物ならびにこれらに対応するアルケニルコハク酸およびその無水物、α,ω−ジカルボン酸類、不飽和カルボン酸付加高級脂肪酸類、ダイマー酸等が挙げられる。具体的には、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、メリシン酸、カプロレイン酸、リンデル酸、フィゼテリン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、ゴンドイン酸、セトレイン酸、セラコレイン酸、キシメン酸、ルメクエン酸、リノール酸、エレオステアリン酸、リノレン酸、アラキドン酸、イワシ酸、ニシン酸、ステアロール酸、モノマー酸等の直鎖状脂肪酸;イソ酸、ツベルクロステアリン酸等の分岐状脂肪酸;マルバリン酸、ショールムーグリン酸等の環状脂肪酸;直鎖状、分岐鎖状、環状であってよいα−オレフィンオリゴマーまたはエチレン、プロピレンなどをオリゴマー化してなる直鎖状、分岐鎖状、環状の内部オレフィンオリゴマーとマレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、ケイ皮酸等の不飽和ジカルボン酸類とをエン付加反応等の付加反応をさせることで得られる化合物、および当該化合物の水素化物;オクテニルコハク酸、オクテニル無水コハク酸、デセニルコハク酸、デセニル無水コハク酸、ドデセニルコハク酸、ドデセニル無水コハク酸、テトラデセニルコハク酸、テトラデセニル無水コハク酸、ヘキサデセニルコハク酸、ヘキサデセニル無水コハク酸、オクタデセニルコハク酸、オクタデセニル無水コハク酸、エイコセニルコハク酸、エイコセニル無水コハク酸、メチルウンデセニルコハク酸、メチルウンデセニル無水コハク酸、アリルシクロペンテニルコハク酸、アリルシクロペンテニル無水コハク酸、オクチルコハク酸、オクチル無水コハク酸、デシルコハク酸、デシル無水コハク酸、ドデシルコハク酸、ドデシル無水コハク酸、テトラデシルコハク酸、テトラデシル無水コハク酸、ヘキサデシルコハク酸、ヘキサデシル無水コハク酸、オクタデシルコハク酸、オクタデシル無水コハク酸、メチルウンデシルコハク酸、メチルウンデシル無水コハク酸、アリルシクロペンチルコハク酸、アリルシクロペンチル無水コハク酸;セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、ヘキサデカン二酸、オクタデカン二酸、エイコサン二酸、ドコサン二酸、テトラコサン二酸、ヘキサコサン二酸、オクタコサン二酸、トリアコンタン二酸;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、ケイ皮酸等の不飽和カルボン酸類と桐油、アマニ油、サンフラワー油、大豆油、脱水ヒマシ油などの半乾性油または乾性油から得られる高級脂肪酸とを付加反応させることにより得られる化合物等;牛脂系オレイン酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸などの不飽和脂肪酸を、触媒としてモンモリロナイト系白土などを用い、二量化したダイマー酸等を例示できる。なお、該ダイマー酸の市販品は、炭素数36のダイマー酸と副生成物である炭素数54のトリマー酸を含有したものとして容易に入手できる。
【0019】
前記脂肪族モノアルコール類▲3▼、脂肪族ジアルコール類▲4▼、脂肪族モノアミン類▲5▼および脂肪族モノエポキシ類▲6▼としては、炭素数10〜40程度ものが好ましく使用され、具体的にはデシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、エイコサノール、ドコサノール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、トリアコンタノール、オレイルアルコール、イソトリデシルアルコール、イソステアリルアルコール、ゲラニオール、ロジンアルコール、ビサボロール、ラノリンアルコール;デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ヘキサデカンジオール、オクタデカンジオール、デセンジオール、ドデセンジオール、テトラデセンジオール、ヘキサデセンジオール、オクタデセンジオール、ラノリンアルコール、ダイマー酸を水添したジオール;デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、オクタデセニルアミン、牛脂アルキルアミン、大豆アルキルアミン、ジオクタデシルアミン、ジオクタデセニルアミン;1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシオクタデカン、エチルヘキシルグリシジルエーテル等を例示できる。
【0020】
続いて前記カルボン酸類と疎水性の重合性不飽和化合物とからなるポリマー(以下、ポリマー▲7▼と略す)と当該ポリマー▲7▼中のカルボン酸類に対し反応性を有する疎水性化合物とを部分的に反応させてなる樹脂▲7▼(以下、樹脂▲7▼と略す)について説明する。当該ポリマー▲7▼の構成成分である該カルボン酸類としては、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、ケイ皮酸、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。これらは単独で使用、または2種以上を併用することができ、その使用量は前記ロジンエステル樹脂類を適正な分子量としうる範囲内で任意に変えることができる。また、当該ポリマー▲7▼の他の構成成分である該疎水性の重合性不飽和化合物としては、(I)炭素数2〜50程度の脂肪族不飽和炭化水素モノマー、(II)炭素数5〜50程度の脂環族不飽和炭化水素モノマー、(III)炭素数8〜50程度の芳香族炭化水素モノマー、(IV)ロジン類、(V)高級不飽和脂肪酸、(VI)不飽和油などを例示できる。前記(I)の化合物の具体例としては、エチレン、プロピレン、1−n−ブテン、ジプロピレン、ジイソブチレン、トリプロピレン、トリブチレン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1−テトラコセン、1−ヘキサコセン、1−オクタコセン、1−トリアコンテン、1−ドトリアコンテン、1−テトラトリエアコンテン、1−ヘキサトリアコンテン、1−オクタトリアコンテン、1−テトラコンテンなどのα−オレフィンや、ブタジエン、不飽和ポリオレフィンなどが挙げられる。前記(II)の化合物の具体例としては、シクロペンテン、シクロヘキセン、アリルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサンなどが挙げられる。前記(III)の化合物の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレンなどが挙げられる。前記(IV)の化合物の具体例としては、前記成分(a)として分子内に炭素―炭素不飽和結合を有する化合物が相当する。前記(V)成分および(IV)成分の化合物の具体例としては、桐油、アマニ油、サフラワー油、大豆油、脱水ヒマシ油などの半乾性油または乾性油、またはこれらから得られる高級不飽和脂肪酸が挙げられる。前記(I)〜(IV)の化合物は単独で、または2種以上を併用することができる。また、本発明の特徴を損なわない範囲で他のモノマーや化合物を併用してもよく、その使用量は前記ロジンエステル樹脂類を適正な分子量としうる範囲内で任意に変えることができる。また、前記ポリマー▲7▼中のカルボン酸類に対し反応性を有する疎水性化合物(以下、疎水性化合物と略す)としては、(i)炭素数6〜50程度の脂肪族モノアルコール、(ii)炭素数6〜50程度の脂肪族ジアルコール、(iii)炭素数6〜50程度の脂肪族モノアミン、(iv)炭素数6〜50程度の脂肪族モノエポキシなどが挙げられる。前記(i)の化合物は、直鎖状、分岐鎖状、環状であってよく、その構造は特に制限されない。具体例としては、ヘキサノール、オクタノール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、エイコサノール、ドコサノール、テトラコサノール、ヘキサコサノール、オクタコサノール、トリアコンタノール、オレイルアルコール、2−エチルヘキサノール、イソトリデシルアルコール、イソステアリルアルコール、ゲラニオール、ロジンアルコール、ビサボロール、ラノリンアルコールなどが挙げられる。前記(ii)の化合物は、直鎖状、分岐鎖状、環状であってよく、その構造は特に制限されない。具体例としては、ヘキサンジオール、オクタンジオール、デカンジオール、ドデカンジオール、テトラデカンジオール、ヘキサデカンジオール、オクタデカンジオール、デセンジオール、ドデセンジオール、テトラデセンジオール、ヘキサデセンジオール、オクタデセンジオール、ラノリンアルコール、ダイマー酸を水添したジオールなどあげられる。前記(iii)の化合物は、直鎖状、分岐鎖状、環状であってよく、その構造は特に制限されない。具体例としては、ヘキシルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、オクタデセニルアミン、牛脂アルキルアミン、大豆アルキルアミン、ジオクタデシルアミン、ジオクタデセニルアミンなどが挙げられる。前記(iv)の化合物は、直鎖状、分岐鎖状、環状であってよく、その構造は特に制限されない。具体例としては、1,2−エポキシヘキサン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシテトラデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキシオクタデカン、エチルヘキシルグリシジルエーテルなどが挙げられる。
【0021】
前記ポリマー▲7▼は、前記したカルボン酸類と疎水性の重合性不飽和化合物を原料として、公知の重合反応、たとえばラジカル重合反応、熱重合反応、イオン重合反応により得ることができる。なおこれらの反応を行うに際し、開始剤や触媒は必須ではないが、ラジカル重合反応の場合にはアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系開始剤、ジ−t−ブチルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、過酸化ジクミル、過硫酸カリウム、過酸化水素水などの開始剤を使用することができる。また、カチオン重合の場合には硫酸などのプロトン酸や、三弗化ホウ素、塩化アルミニウムなどのルイス酸と水、アルコール、エーテルからなる共触媒等、各種公知の触媒を使用することができる。また、アニオン重合の場合には、NaR、RMgX、ROK(Rはアルキル基、Xはハロゲン原子を表す)、ピリジン、配位アニオン開始剤としてチーグラーナッタ系触媒、メタロセン系触媒などの開始剤を使用することができる。これら開始剤や触媒は前記カルボン酸類と疎水性の重合性不飽和化合物の総重量に対し0.01〜10重量%程度使用される。また、反応の際に溶媒は必須とされないが、使用する場合には各種公知のものを使用することができる。溶媒としては、重合反応を行う温度で原料を十分に溶解でき、反応生成物を溶解できるものが好ましく使用され、特に前記不飽和カルボン酸類に対し不活性であって重合反応を大きく阻害しないものが好ましく使用することができる。溶媒の具体例としては、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサンなどの脂環族炭化水素、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セロソルブ、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテルなどの脂肪族エステル等が挙げられる。また、反応温度は開始剤や触媒の種類により最適温度を決定すればよいが、通常室温〜200℃程度である。
【0022】
前記樹脂▲7▼は上記方法で得られたポリマー▲7▼中のカルボキシル基の20〜80%程度を前記疎水性化合物と反応させて得られる変性物であり、該ポリマー▲7▼の疎水性が高い場合は変性率を低くするのが好ましく、疎水性が低い場合は変性率を高くするのが好ましい。また、前記成分(c)の構成成分であるカルボン酸類と、当該カルボン酸類に対し反応性を有する疎水性化合物を予めエステル化したものを、当該樹脂の反応物として使用することも可能である。
【0023】
このようにして得られた樹脂▲7▼の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算値をいう。以下、同様。)は通常2,000〜30,000程度とするのが好ましく、2,000より小さい場合には疎水基を集中させることによる本発明の製造法に使用する各樹脂の熱溶融物の前記架橋剤溶液への溶解性を十分に向上させることが困難となり、30,000より大きい場合には前記ロジンエステル樹脂類が極度にゲル化したり、高粘度化したりするため反応制御が困難となる傾向にある。
【0024】
前記成分(d)としては、分子内に二重結合を有する石油樹脂にカルボキシル基や水酸基等の極性基を付与したものが該当する。当該分子内に二重結合を有する石油樹脂としては、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンなどのDCPD系原料から得られるDCPD系石油樹脂、ペンテン、シクロペンテン、ペンタジエン、イソプレンなどのC5系原料から得られるC5系石油樹脂、メチルブテン、インデン、メチルインデン、ビニルトルエン、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレンなどのC9系原料から得られるC9系石油樹脂、前記DCPD系原料とC5系原料からなる共重合石油樹脂、DCPD系原料とC9系原料からなる共重合石油樹脂、C5系原料とC9系原料からなる共重合石油樹脂、DCPD系原料とC5系原料とC9系原料からなる共重合石油樹脂などが挙げられ、通常これらの樹脂は無触媒あるいは触媒(たとえばカチオン重合による場合はフリーデルクラフツ型触媒など)の存在の下で製造される。これらの中でも特に極性基を容易に付与でき、所望の軟化点に調整し易いことから、DCPD系原料を成分とする石油樹脂が好ましい。具体的にはDCPD系石油樹脂、DCPC系原料とC5系原料からなる共重合石油樹脂、DCPD系原料とC9系原料からなる共重合石油樹脂、DCPD系原料とC5系原料とC9系原料からなる共重合石油樹脂があげられる。なお、環境問題等を考慮して前記溶剤(B)として前掲した芳香族成分を含有する溶剤を使用しない場合には、(C)または(D)の前記架橋剤溶液への溶解性が低下し、結果として系の安定性が低下することがある。この問題を解消するには、成分(d)としてC5系留分を50重量%以上含有するC5系石油樹脂を使用するのが好ましい。
【0025】
前記分子内に二重結合を有する石油樹脂に極性基を導入する方法としては、公知の方法を採用することができる。たとえば極性基としてカルボキシル基を導入する場合には、前記した各種石油樹脂と、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和ジカルボン酸類や、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸などの不飽和モノカルボン酸類等の不飽和カルボン酸類とを、公知のラジカル反応開始剤の存在下でラジカル共重合反応させる方法や、前記石油樹脂と前記不飽和カルボン酸類とをエン反応させる方法等が採用できる。特に前記ラジカル共重合反応により得られた成分(d)を本発明に係る印刷インキ用樹脂ワニスの樹脂成分の原料に用いた場合は、印刷インキの耐ミスチング性が向上するため好ましい。なお、当該不飽和カルボン酸類の使用量としては、ロジンエステル樹脂類の分子量を所望の範囲に調整し易いことから、原料となる前記石油樹脂100重量部に対して1〜15重量部程度、好ましくは1〜12重量部を使用するのがよい。
【0026】
また、極性基として例えば水酸基を導入する場合にもその方法は特に制限されるものではなく、たとえば前記した分子内に二重結合を有する石油樹脂に水を付加したり、アリルアルコール等の分子内に二重結合と水酸基を有する化合物を熱重合させたりする等、各種公知の方法を採用することができる。特に、水酸基を有する成分(d)に前記不飽和カルボン酸類をエン付加させたものやラジカル反応開始剤の存在下でラジカル共重合させたものは、ロジンエステル樹脂類を容易に高分子量化できるので好ましい。特にラジカル共重合によるものは、本発明に係る印刷インキ用樹脂ワニスを用いた印刷インキの耐ミスチング性を向上できるという利点がある。なお、前者は成分(d)中の水酸基の当量数より少ないカルボキシル基の当量数となる割合で前記不飽和カルボン酸類を反応させて得ることができる。
【0027】
なお、成分(d)を製造する際に、樹脂成分として各種公知の重合性不飽和炭化水素モノマー共重合させてもよい。こうすることで、前記ロジンエステル樹脂類や前記極性基含有炭化水素樹脂類の印刷インキ溶剤への溶解性を向上させることができる。当該重合性不飽和炭化水素モノマーとしては、直鎖状脂肪族不飽和炭化水素モノマー、分岐鎖状脂肪族不飽和炭化水素モノマー、環状脂肪族不飽和炭化水素モノマーなどを使用でき、具体的には1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1−テトラコセン、1−ヘキサコセン、1−オクタコセン、1−トリアコンテン、1−ドトリアコンテン、1−テトラトリアコンテン、1−ヘキサトリアコンテン、1−オクタトリアコンテン、1−テトラコンテン、ミルセン、ポリブテン(3〜10量体)、ピネン、リモネン等を例示できる。これらは単独で使用、または2種以上を併用できる。当該重合性不飽和炭化水素モノマーは本発明の目的を逸脱しない程度において特に制限なく使用できるが、成分(d)の反応率を高める目的から前記不飽和カルボン酸類のモル数より少ない範囲で使用するのが好ましい。
【0028】
こうして得られた成分(d)は1種を単独で使用しても良く、2種以上の混合物として使用してもよい。また成分(d)としては、前記ロジンエステル樹脂類を高分子量化する目的から、分子内に2個以上の極性基を有するものが好ましく使用される。なお、成分(d)の重量平均分子量は、前記ロジンエステル樹脂類の構成成分とする場合には通常4,000〜30,000程度とするのが好ましく、重量平均分子量を4,000以上とすることで当該樹脂類を所望の分子量としやすく、30,000以下とすることで、成分(d)と前記した他の成分との反応を容易に制御できるようになる。
【0029】
なお、より高分子量化した前記成分(d)に前記成分(c)のうち脂肪酸類▲1▼、脂肪酸モノアルコール類▲2▼、脂肪酸モノアミン類▲3▼からなる群より選ばれる少なくとも1種を公知の方法により反応させたものが、本発明における前記極性基含有炭化水素樹脂類に該当する。例えば、水酸基を含有する成分(d)と脂肪酸類▲1▼を、または、カルボキシル基を含有する成分(d)と脂肪族モノアルコール類▲2▼や脂肪族モノアミン類▲3▼を所定量づつ反応装置に仕込み、必要に応じて従来公知の酸性・塩基性触媒をも仕込み、100〜300℃程度で1〜20時間程度反応させて得ることができる。なお、前記成分(e)、成分(f)、成分(g)および成分(h)の各成分をインキ諸性能のバランスを損なわない範囲内で任意に使用してもよい。また、当該酸性・塩基性触媒としては、塩酸、硫酸などの鉱酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などのスルホン酸、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどの金属酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛などの酢酸塩などが挙げられる。
【0030】
前記極性基含有炭化水素樹脂類の重量平均分子量は、高分子量、高粘度及び高粘弾性等の高速印刷適性を具備させる目的から、通常10,000〜100,000程度、好ましくは20,000〜80,000の範囲とする必要があり、このときその軟化点は通常100〜200℃程度、好ましくは120〜200℃(JISK5601に準拠する。以下、同様。)である。軟化点を100℃以上であることで印刷インキの乾燥性、セット性を良好となり、また200℃以下であることで極性基含有炭化水素樹脂類の熱溶融物(D)の前記架橋剤溶液への溶解性が良好となる。
【0031】
前記成分(e)としては、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多塩基酸類やこれらに対応するモノメチルエステル、モノエチルエステル、ジメチルエステル、ジエチルエステル等の芳香族多塩基酸のエステル類を例示できる。当該成分(e)を原料として用いると、印刷インキの塗膜面の耐摩擦性を向上させることができるため、当該効果が求められるケースにおいて好ましく使用することができる。
【0032】
前記成分(f)としては、同一分子内に水酸基およびカルボキシル基を有するヒドロキシ酸類が使用され、脂肪族ヒドロキシ酸類、脂環族ヒドロキシ酸類、芳香族ヒドロキシ酸類や対応するヒドロキシ酸の分子内脱水縮合による生成物であるラクトン類などを例示できる。前記脂肪族ヒドロキシ酸類としては具体的には全炭素数2〜40程度のものが好ましく使用され、たとえば乳酸、リンゴ酸、クエン酸、ヒマシ油脂肪酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。また、前記脂環族ヒドロキシ酸としては、具体的には全炭素数が4〜40程度のものが好ましく使用され、たとえば1−ヒドロキシ−1−シクロプロパンカルボン酸等が挙げられる。また、前記芳香族ヒドロキシ酸類としては、具体的には全炭素数が7〜40程度のものが好ましく使用され、たとえばサリチル酸、m−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、没食子酸等が挙げられる。また、前記ラクトン類としては、γ−ブチロラクトン、γ−カプロラクトン、δ−ドデカノラクトン、ω−ペンタデカラクトン等が挙げられる。これらは1種を単独で、または2種以上を併用できる。当該成分(f)を原料として用いると、印刷インキの塗膜面の光沢を向上させることができるため、当該効果が求められるケースにおいて好ましく使用することができる。
【0033】
前記成分(g)としては、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシランなどを反応させて直鎖や分岐した構造を有する縮合物を得た後、当該縮合物を変性してヒドロキシル基、メトキシ基、グリシジル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシル基、アミノ基などを付与したオルガノポリシロキサンがあげられる。これらオルガノポリシロキサンは、前記ロジンエステル樹脂類および前記極性基含有炭化水素樹脂類中のカルボキシル基や水酸基と加熱反応させることによりエステル結合、エーテル結合、Si−O結合、アミド結合を形成する。これらの中では分岐構造を有するもの、オルガノシロキサンの置換基が炭素数1〜14までのヒドロキシアルキル基や水素原子を少なくとも1つ以上含む場合が好ましい。分岐構造を有している場合は、水との親和性が低下するためインキの耐水性が向上するため好ましく、置換基がヒドロキシアルキル基の場合は、シラノール基よりも反応性に富み、さらに疎水性の炭素水素部分が増えインキの耐水性が向上するため好ましい。また、置換基が水素原子の場合は、ロジンエステル樹脂類(C)を製造する際に、塩化白金酸、Pd(PPh3)4、Co2(CO)8のような金属触媒やジ−t−ブチルパーオキサイドのようなラジカル開始剤を存在させることによって、成分(a)、成分(c)または成分(d)中の炭素−炭素二重結合と反応しSi−C結合が形成されることによりSi−O結合の時と比較して印刷インキ塗膜の耐水性が向上する。また、印刷インキを水で乳化させる際の乳化状態の観点から、オルガノポリシロキサン一分子中のケイ素原子数は3〜400が好ましい。当該成分(g)を本発明に使用する樹脂成分の原料として用いると、印刷インキに優れた耐水性を付与することができるため、当該効果が求められるケースにおいて好ましく使用することができる。
【0034】
前記成分(h)としては、特に下記一般式(1)で示されるものであるオキシアルキレン化合物を好ましく使用でき、HLB値が6〜18程度、特にHLB値が8〜16のものが好適である。当該成分(h)を本発明に使用する樹脂に添加することで、印刷インキに更なる耐水性を付与することができるため、当該効果が求められる用途において好ましく使用することができる。
【0035】
R−(CO)nO−(AO)m−(CO)n´−R´・・・(1)
(式中、Rは炭素数C1〜C40の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基、アルケニル基、アリール基、ベンジル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す;R´はH、炭素数C1〜C40の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基、アルケニル基、アリール基、ベンジル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す;AOはオキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシエチレン−オキシプロピレン基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す;n、n’は0または1を表す;mは1〜100の整数を表す)。
【0036】
式中、RはC4〜C24程度のアルキル基が好ましい。また、R´が水素原子の当該化合物は高温で分解するものもあるため、樹脂合成反応を高温で行う場合にはRとR´が共に炭化水素基であるのが好ましい。また、AOは分岐構造であってよく、またブロック状またはランダム状の結合様式であってよい。また、mは好ましくは2〜60程度である。
【0037】
次に、前記ロジンエステル樹脂類を構成する前記各構成成分の使用量について述べる。構成成分として前記成分(a)、成分(b)および成分(c)を使用する場合には、これらの合計仕込み量に対して成分(a)を35〜93重量%程度、成分(b)を4〜33重量%程度、成分(c)を3〜32重量%程度使用するのが好ましい。また、成分(a)成分(b)、成分(c)および成分(d)を使用する場合には、これらの合計仕込み量に対して成分(a)を12〜75重量%程度、成分(b)を3〜11重量%程度、成分(c)を3〜11重量%程度および成分(d)を19〜66重量%程度使用するのが好ましい。また、成分(a)、成分(b)および成分(d)を使用する場合には、これらの合計仕込み量に対して成分(a)を12〜78重量%程度、成分(b)を3〜11重量%程度、成分(d)を19〜77重量%程度使用するのが好ましい。なお、前記成分(e)〜成分(h)は光沢、乾燥性、ミスチング、乳化率などのインキ諸性能のバランスを損なわない範囲内で任意の量を使用することができる。
【0038】
前記ロジンエステル樹脂類の製造方法には従来公知のポリエステル樹脂の製造方法を採用することができ、反応条件や原料の仕込み順序等は特に制限されない。たとえば、前記各構成成分を所定量ずつ反応装置に仕込み、従来公知の酸性・塩基性触媒の存在下または不存在下に230〜300℃程度で2〜20時間程度反応させて得ることができる。当該触媒としては、塩酸、硫酸などの鉱酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸などのスルホン酸、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウムなどの金属酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどの金属水酸化物、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛などの酢酸塩などを例示できる。また、必要に応じて溶剤を使用してもよい。
【0039】
こうして得られたロジンエステル樹脂類の重量平均分子量は特に制限されないが、好ましくは30,000〜400,000程度である。30,000より大きくすることで本発明に係る製造法で不溶物の発生がなくかつ高粘度の印刷インキ用樹脂ワニスを容易に調製でき、また400,000程度より小さくすることにより得られる印刷インキ用樹脂ワニス中の不溶物の発生を抑制しやすい。
【0040】
次に、本発明に係る印刷インキ用樹脂ワニスの製造法について説明する。当該製造法は、前記架橋剤を予め前記溶剤へ攪拌下に分散し溶解させて架橋剤溶液を調整し、次いで前記ロジンエステル樹脂類および/または極性基含有石油樹脂類を熱溶融し低粘度の状態として加温した当該架橋剤溶液へ徐々に添加・混合して溶解させることを特徴とする。こうすることで、当該各樹脂類を該架橋剤溶液に速やかに分散・溶解させることができるだけでなく、前記したような常温では反応しない架橋剤とも速やかに反応させることができるようになり、結果として高粘度、高架橋密度かつ均一で不溶物のない高濃度の印刷インキ用樹脂ワニスを容易に調整することができる。例えば当該方法において樹脂を熱溶融せずに架橋剤溶液に添加したり、溶剤、架橋剤及びバインダー樹脂を一度に加温して得られる樹脂ワニスは、高粘度品を製造する目的でゲル化剤を多量に使用した際にローカルゲルの発生から均一なものとし難く安定製造に難がある。また、溶剤に前記各樹脂類の熱溶融物を溶解させた後に架橋剤を添加しても、本発明の目的とする印刷インキ用樹脂ワニスは得られ難い。による場合当該各樹脂類の熱溶融物の温度は、かかる目的を達成するためには通常180〜300℃程度、特に200〜280℃程度とするのが好ましい。なお、前記架橋剤溶液に必要に応じて金属ドライヤーなどを予め添加しておき、これに当該各樹脂類の熱溶融物を添加して、印刷インキ用樹脂ワニスを調製してもよい。
【0041】
また、前記架橋剤(A)と溶剤(B)の使用割合は、架橋剤(A)の種類や前記各樹脂類の種類に応じて慎重に決定される。具体的には、前記各樹脂類の熱溶融物の総量100重量部に対し架橋剤(A)の使用量が0.3〜10重量部であることが必須とされる。架橋剤(A)の使用量が0.3部に満たない場合には高粘度の印刷インキ用樹脂ワニスを調製し難くなり、また10部を超える場合には印刷インキ用樹脂ワニス中の不溶物の発生を抑制し難くなる。
【0042】
また、前記各樹脂類の熱溶融物の総量は、架橋剤(B)100重量部に対してその総量が30重量部以上250重量部以下であるのが好ましい。30重量部より少ない場合には高粘度の印刷インキ用樹脂ワニスの調製が困難になる。また上限は特に制限されないが250重量部を限度とすることで得られる印刷インキ用樹脂ワニス中不溶物の発生を抑制し易くなるため、好ましい。
【0043】
こうして得られた本発明に係る印刷インキ用樹脂ワニスは従来公知の方法に従い印刷インキに供することができる。例えば、当該印刷インキ用樹脂ワニスに顔料、溶剤、必要に応じてインキ流動性およびインキ表面皮膜を改良するための界面活性剤、ワックス、その他各種添加剤などを適宜に配合し、ボールミル、アトライター、サンドミル等の通常のインキ製造装置を用いて混練することで得ることができる。得られた印刷インキは新聞インキ等の各種印刷インキとして、特にオフセット印刷インキ用として好適に使用できる。
【0044】
【発明の効果】
本発明の製造法によれば、環境や人体等への負荷が殆どなく、かつ従来公知のロジン変性フェノール樹脂に匹敵する性能を有する樹脂を特に制限無く用いることができ、しかも高粘度、高架橋密度かつ不溶物の発生のない高濃度の印刷インキ用樹脂ワニスを容易に製造することができる。また本発明に係る印刷インキ用樹脂ワニスは高速印刷に適しており、従来のロジン変性フェノール樹脂系印刷インキ用樹脂ワニスに匹敵する性能を有する.
【0045】
【実施例】
以下、実施例および比較例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないことはもとよりである。尚、以下「部」とは重量部を示す。
【0046】
製造例1(不飽和酸変性ロジン(成分(a))の製造)
攪拌機、分水器付き還流冷却管および温度計を備えた反応容器に、ガムロジン1,000部仕込み、窒素雰囲気下に攪拌しながら180℃まで昇温して溶融させた。ついで、フマル酸267部を添加し、攪拌下に230℃まで昇温、1時間保温した後、冷却して固形樹脂(酸価:342.0)を得た。なお、当該酸価はJIS K5601に準じて測定したものである(以下、同様)。
【0047】
製造例2(極性基含有石油樹脂(成分(d))の製造)
製造例1と同様の反応容器に、DCPD系石油樹脂(商品名 クイントン1325、日本ゼオン(株)製)1,000部、キシレン100部を仕込み、窒素雰囲気下に攪拌しながら150℃まで昇温して溶融させた。ついで、無水マレイン酸70部を仕込み、ジ−t−ブチルパーオキサイド(商品名 パーブチルD、日本油脂(株)製)6部を30分間で連続的に添加し、更に増粘抑制のためキシレンを添加して150〜160℃で2.5時間保温した。保温後、キシレン除去のため230℃まで昇温し、0.02MPaで10分間減圧、冷却して固形樹脂(理論酸価:65、重量平均分子量:5,000)を得た。なお、当該理論酸価とは、使用原料のカルボキシル基当量数から算出したものである(以下、同様)。なお、重量平均分子量の測定にはゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置(東ソー(株)製、HLC−8020)および東ソー(株)製TSK−GELカラム、及びTHF溶媒を用いた(以下、同様)。
【0048】
製造例3(ロジンエステル樹脂類の製造)
製造例1と同様の反応容器に、重合ロジン(商品名 シルバタック140、シルバケム社製、酸価:140)369部、製造例1より得られた樹脂47部、製造例2より得られた樹脂441部、C18アルケニル無水コハク酸(商品名 パベラスNP、新日本石油(株)製、平均分子量:350)83部を仕込み、窒素雰囲気下に攪拌しながら180℃まで昇温して溶融させた。ついで、ペンタエリスリトール30部およびグリセリン30部を添加し、攪拌下に260℃まで昇温、酸価が30以下となったらパラトルエンスルホン酸1部を仕込み、酸価が20以下となるまで反応した。エステル化反応終了後、33重量%アマニ油粘度を8.0Pa・sに調整し、0.02MPaで10分間減圧した。こうして得られたロジンエステル樹脂類の脂肪族炭化水素系溶剤(商品名 0号ソルベント、新日本石油(株)製)溶液のトレランスは1.4、酸価は14.8、軟化点は173℃、重量平均分子量は170,000であった。ここに、33重量%アマニ油粘度とは、樹脂とアマニ油を1対2重量比で加熱混合したものを日本レオロジー機器(株)製コーン・アンド・プレート型粘度計を用いて25℃で測定した粘度をいう(以下、同様)。また、トレランス(溶解性の指標)とは、樹脂と0号ソルベントを1対1の重量比で加熱混合したものに25℃でさらに0号ソルベントを加えて白濁するまでに要した総溶剤重量に対する樹脂重量から算出した値である(以下、同様)。
【0049】
製造例4(ロジンエステル樹脂類の製造)
製造例1と同様の反応容器に、重合ロジン(商品名 シルバタック140、シルバケム社製、酸価:140)676部、ステアリン酸68部、およびテレフタル酸135部を仕込み、窒素雰囲気下に攪拌しながら180℃まで昇温して溶融させた。ついで、ペンタエリスリトール121部を添加し、攪拌下に260℃まで昇温、エステル化し、酸価が50以下となったらパラトルエンスルホン酸1部を仕込み、酸価が20以下となるまで反応させた。33重量%アマニ油粘度を8.0Pa・sに調整し、0.02MPaで10分間減圧した。こうして得られたロジンエステル樹脂類の脂肪族炭化水素系溶剤(商品名 0号ソルベント、新日本石油(株)製)溶液のトレランスは1.4、酸価は13.5、軟化点は170℃、重量平均分子量は120,000であった。
【0050】
製造例5(極性基含有炭化水素樹脂類の製造)
製造例1と同様の反応容器に、DCPD系石油樹脂(商品名 クイントン1325、日本ゼオン(株)製)781部、キシレン86部を仕込み、窒素雰囲気下に攪拌しながら160〜170℃まで昇温して溶融させ、無水マレイン酸78部とジ−t−ブチルパーオキサイド(商品名 パーブチルD、日本油脂(株)製)8部を30分間で連続的に添加し、160〜170℃で1時間保温した。ついで、イソステアリルアルコール141部を添加した後に昇温し、230℃で保温しながら33%アマニ油粘度が8.0Pa・sとなったら0.02MPaで5分間減圧した。こうして得られた極性基含有炭化水素樹脂類の脂肪族炭化水素系溶剤(商品名 0号ソルベント、新日本石油(株)製)溶液のトレランスは1.6、酸価は22.0、軟化点は161℃、重量平均分子量は47,000であった。
【0051】
製造例6(ロジン変性フェノール樹脂の製造)
製造例1と同様の反応容器に、ノニルフェノール1,000部、パラホルムアルデヒドを270部および水1,000部を仕込み、攪拌下に50℃まで昇温した。50℃において水酸化ナトリウム100部を仕込み、冷却しながら90℃まで徐々に昇温した後、2.5時間保温し、硫酸を滴下してpHを6付近に調整した。その後、キシレン150部を加え、ホルムアルデヒドなどを含んだ水層部分を除去し、レゾール型ノニルフェノールの70%キシレン溶液を得た。製造例1と同様の前記と別の反応容器にガムロジン552部を仕込み、窒素雰囲気下に攪拌しながら230℃まで昇温して溶融した。ついでペンタエリスリトール52部、および酸化亜鉛2部を仕込み、攪拌下に260℃まで昇温し、酸価が20以下となるまで反応させた。ついで、これを230℃まで冷却した後保温状態におき、前記で得られたレゾール型ノニルフェノールの70%キシレン溶液394部(固形分276部)を230〜260℃の温度範囲内で4時間かけて系内へ滴下した。滴下終了後、反応系の33重量%アマニ油粘度が8.0Pa・sとなるよう調整し、0.02MPaで10分間減圧し、溶融樹脂を得た。こうして得られたロジン変性フェノール樹脂の脂肪族炭化水素系溶剤(商品名 0号ソルベント、新日本石油(株)製)溶液のトレランスは1.4、酸価は16.8、軟化点は168℃、重量平均分子量は92,000であった。
【0052】
実施例1
製造例1と同様の反応容器に、石油溶剤(製品名 AFソルベント7号、新日本石油(株)製)1000部および大豆油250部を仕込み、攪拌下に50℃まで昇温し、オクチル酸アルミニウム(商品名 オクトープアルミ、ホープ製薬(株)製)50部を添加し、溶解した。ここに製造例3で得られたロジンエステル樹脂類1125部を、260℃の溶融状態で15分間かけて系内に添加した。添加後の系内温度は約160℃であり、そのまま155〜165℃の範囲内で1時間保温した後、冷却して印刷インキ用樹脂ワニスを得た。なお、当該樹脂ワニスの粘度は221Pa・sであった。
【0053】
実施例2
製造例1と同様の反応容器に、石油溶剤(製品名 AFソルベント7号、新日本石油(株)製)1000部および大豆油250部を仕込み、攪拌下に50℃まで昇温し、オクチル酸アルミニウム(商品名 オクトープアルミ、ホープ製薬(株)製)50部を添加し、溶解した。ここに製造例4で得られたロジンエステル樹脂類1125部を、260℃の溶融状態で15分間かけて系内に添加した。添加後の系内温度は約160℃であり、そのまま155〜165℃の範囲内で1時間保温した後、冷却して印刷インキ用樹脂ワニスを得た。なお、当該ワニスの粘度は255Pa・sであった。
【0054】
実施例3
製造例1と同様の反応容器に、石油溶剤(製品名 AFソルベント7号、新日本石油(株)製)1000部および大豆油250部を仕込み、攪拌下に80℃まで昇温し、オクチル酸アルミニウム(商品名 オクトープアルミ、ホープ製薬(株)製)50部を添加し、溶解した。ここに製造例5で得られた極性基含有石油樹脂1125部を、230℃の溶融状態で15分間かけて系内に添加した。添加後の系内温度は約160℃であり、そのまま155〜165℃の範囲内で1時間保温した後、冷却して印刷インキ用樹脂ワニスを得た。なお、当該樹脂ワニスの粘度は245Pa・sであった。
【0055】
実施例4
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部、大豆油250部を仕込み、攪拌下、60℃まで昇温し、オクチル酸アルミニウム(商品名オクトープアルミ、ホープ製薬(株)製)50部を添加し、溶解した。ここに製造例4で得られたロジンエステル樹脂750部を260℃の溶融状態において、続けて製造例5で得られた極性基含有炭化水素樹脂375部を230℃の溶融状態において15分間かけて系内に添加した。添加後の系内温度は約160℃であり、155〜165℃の範囲内で1時間保温した後、冷却して印刷インキ用樹脂ワニスを得た。得られた樹脂ワニスの粘度は248Pa・sであった。
【0056】
実施例5
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部および大豆油250部を仕込み、攪拌下、25℃においてトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート75部を添加し、溶解した。ここに製造例4で得られたロジンエステル樹脂1125部を260℃の溶融状態において15分間かけて系内に添加した。添加後の系内温度は約145℃であり、直ちに冷却し印刷インキ用樹脂ワニスを得た。得られた樹脂ワニスの粘度は220Pa・sであった。
【0057】
実施例6
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部、大豆油250部を仕込み、攪拌下、100℃まで昇温し、エチルアセトアセテートアルミニウムイソプロピレート50部を添加し、溶解した。ここに製造例4で得られたロジンエステル樹脂750部を260℃の溶融状態において、製造例5で得られた極性基含有炭化水素樹脂375部を230℃の溶融状態において15分間かけて系内に添加した。添加後の系内温度は約180℃であり、175〜185℃の範囲内で1時間保温した後、冷却し印刷インキ用樹脂ワニスを得た。得られた樹脂ワニスの粘度は257Pa・sであった。
【0058】
実施例7
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部、大豆油250部を仕込み攪拌下、40℃まで昇温し、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート60部およびオクチル酸アルミニウム(商品名 オクトープアルミ、ホープ製薬(株)製)40部を添加し溶解した。ここに製造例3で得られたロジンエステル樹脂1125部を、260℃の溶融状態において15分間かけて系内に添加した。添加後の系内温度は約150℃であり、直ちに冷却し印刷インキ用樹脂ワニスを得た。得られた樹脂ワニスの粘度は280Pa・sであった。
【0059】
実施例8
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部、大豆油250部を仕込み攪拌下、90℃まで昇温し、エチルアセトアセテートアルミニウムイソプロピレート40部およびイソホロンジイソシアネート40部を添加し溶解した。ここに製造例3で得られたロジンエステル樹脂1125部を、260℃の溶融状態において15分間かけて系内に添加した。添加後の系内温度は約180℃であり、直ちに冷却し印刷インキ用樹脂ワニスを得た。得られた樹脂ワニスの粘度は288Pa・sであった。
【0060】
比較例1
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部および大豆油250部を仕込み、攪拌下に50℃まで昇温し、製造例3で得られたロジンエステル樹脂類1125部を260℃の溶融状態において15分間かけて系内に添加した。添加後の系の温度は約160℃であり、ここにオクチル酸アルミニウム(商品名 オクトープアルミ、ホープ製薬(株)製)50部を添加した。そのまま155〜165℃の範囲内で1時間保温した後、冷却しワニスを得た。こうして粘度152Pa・sの印刷インキ用樹脂ワニスを得たが、不溶物が存在していた。
【0061】
比較例2
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部および大豆油250部を仕込み、攪拌下、25℃に於いて製造例3で得られたロジンエステル樹脂1125部を、260℃の溶融状態において15分間かけて系内に添加した。添加後の系の温度は約145℃であった。ここにトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート75部を添加した後、直ちに冷却しワニスを得た。こうして粘度150Pa・sの印刷インキ用樹脂ワニスを得たが、不溶物が存在していた。
【0062】
比較例3
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部および大豆油250部を仕込み、攪拌下に100℃まで昇温し、製造例4で得られたロジンエステル樹脂750部を260℃の溶融状態において、製造例5で得られた極性基含有炭化水素樹脂375部を230℃の溶融状態において15分間かけて系内に添加した。添加後の系の温度は約180℃であった。ここにエチルアセトアセテートアルミニウムイソプロピレート50部を仕込み、175〜185℃の範囲内で1時間保温した後、冷却して粘度196Pa・sの印刷インキ用樹脂ワニスを得たが、不溶物が存在していた。
【0063】
比較例4
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部および大豆油250部を仕込み攪拌下に90℃まで昇温し、製造例3で得られたロジンエステル樹脂1125部を、260℃の溶融状態において15分間かけて系内に添加した。添加後の系の温度は約180℃であり、ここにエチルアセトアセテートアルミニウムイソプロピレート40部およびイソホロンジイソシアネート40部を添加し溶解した。添加後、直ちに冷却して粘度198Pa・sの印刷インキ用樹脂ワニスを得たが、不溶物が存在していた。
【0064】
比較例5
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部および大豆油250部を仕込み、攪拌下に100℃まで昇温し、製造例4で得られたロジンエステル樹脂750部および製造例5で得られた極性基含有炭化水素樹脂375部を固化したものを添加した。添加後、系を180℃まで昇温し、次いでエチルアセトアセテートアルミニウムイソプロピレート50部を添加した。そのまま175〜185℃の範囲内で1時間保温した後、冷却し粘度180Pa・sの印刷インキ用樹脂ワニスを得たが、不溶物が存在していた。
【0065】
比較例6
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部、大豆油250部を仕込み、攪拌下、100℃まで昇温し、エチルアセトアセテートアルミニウムイソプロピレート2部を添加し、溶解した。ここに製造例4で得られたロジンエステル樹脂750部を260℃の溶融状態において、製造例5で得られた極性基含有炭化水素樹脂375部を230℃の溶融状態において15分間かけて系内に添加した。添加後の系内温度は約180℃であり、175〜185℃の範囲内で1時間保温した後、冷却し印刷インキ用樹脂ワニスを得た。得られた樹脂ワニスの粘度は57Pa・sであった。
【0066】
比較例7
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部、大豆油250部を仕込み、攪拌下、100℃まで昇温し、エチルアセトアセテートアルミニウムイソプロピレート135部を添加し、溶解した。ここに製造例4で得られたロジンエステル樹脂750部を260℃の溶融状態において、製造例5で得られた極性基含有炭化水素樹脂375部を230℃の溶融状態において15分間かけて系内に添加した。添加後の系内温度は約180℃であり、175〜185℃の範囲内で保温したところ、弾性のあるゴム状のゲルワニスとなり、これは印刷インキ用樹脂ワニスとしては不適等であった。
【0067】
参考例
製造例1と同様の反応容器に、石油溶剤(製品名 AFソルベント7号、新日本石油(株)製)1000部および大豆油250部を仕込み、攪拌下に50℃まで昇温し、オクチル酸アルミニウム(商品名 オクトープアルミ、ホープ製薬(株)製)50部を添加し、溶解した。ここに製造例6で得られたロジン変性フェノール樹脂1125部を、260℃の溶融状態で15分間かけて系内に添加した。添加後の系内温度は約160℃であり、そのまま155〜165℃の範囲内で1時間保温した後、冷却して粘度は220Pa・sの樹脂ワニスを得た。
【0068】
印刷インキの調製
実施例1〜8、比較例6及び参照例1で得られた樹脂ワニスを用い、次の配合割合で3本ロールミルにより練肉して輪転オフセットインキを調整した。
・フタロシアニンブルー(藍顔料) 15部
・樹脂ワニス 55〜80部
・日石三菱AFソルベント7号 5〜30部
上記配合に基づいてインキのタック値が6.5±1.0、フロー値が41±1.0となるよう適宜調整した。なお、比較例6についてはインキのタック値とフロー値を前記範囲内に合わせることができなかった。
【0069】
(性能試験)
前記で得られた印刷インキについて、以下のインキ性能試験を行った。結果を表1に示す。
光沢:インキ0.4mlをRIテスター(石川島産業機械(株))にてアート紙に展色した後、20℃、65%R.H.にて24時間調湿し、60°−60°の反射率を光沢計により測定した。数値が大きいほど光沢が良好であることを示す。
乾燥性:インキ0.4mlをRIテスター(石川島産業機械(株)製)にてアート紙に展色した後、160℃の雰囲気中に2秒、4秒、6秒間それぞれ暴露し、指触によりべたつきのない状態を乾燥として判断した。数値が小さいほど乾燥性が良好であることを示す。
ミスチング:インキ2.6mlをインコメーター(東洋精機(株)製)上に展開し、ロール温度30℃、400rpmで1分間、更に1800rpmで2分間回転させ、ロール直下に置いた白色紙上へのインキの飛散度を観察して評価を行った。ミスチングは数値が大きいほど良好であることを示す。
乳化率:インキ3.9mlを動的乳化試験機(日本レオロジー機器(株)製)上に展開し、ロール温度30℃、200rpmにて純水を5ml/分の速度で供給し、このインキ中の水分量を、赤外水分計を用いて測定した。数値が小さいほど乳化率が良好であることを示す。
ガラス板流動性(インキ流動性):25℃に空調された室内においてインキ1.3mlを地平面と60°の角度をなすガラス板の上端に置き、1時間に流動した距離を測定した。数値が大きいほど流動性が良好であることを示す。
【0070】
【表1】
Claims (2)
- 架橋剤(A)を溶剤(B)中に分散し溶解させた後、ロジンエステル樹脂類の熱溶融物(C)および/または極性基含有炭化水素樹脂類の熱溶融物(D)を添加して混合し、かつ(A)の使用量が(C)および(D)の総量100重量部に対し0.3〜10重量部であることを特徴とする印刷インキ用樹脂ワニスの製造法。
- 架橋剤(A)が、2種類以上の架橋剤からなるものである請求項1記載の製造法。
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