JP4168369B2 - 印刷インキ用樹脂ワニスの製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は印刷インキ用樹脂ワニスの製造法に関する。本発明により得られる印刷インキ用樹脂ワニスは、印刷インキ、殊にオフセット印刷インキ用に賞用できる。
【0002】
【従来の技術】
印刷インキの成分である樹脂ワニスとして、ロジン変性フェノール樹脂、アマニ油などの植物油、石油系溶剤、ゲル化剤などからなる組成物が従来から使用されてきたが、近年、印刷インキに高速印刷適性を付与するために、従来よりも高粘度の樹脂ワニスが使用されつつある。
【0003】
従来、印刷インキ用樹脂ワニスの製造においては、樹脂ワニス(ゲル化剤などの架橋剤を含有していない)を調製した後に、架橋剤を添加混合する方法が採用されている。しかし、当該方法を高粘度の樹脂ワニスの製造に適用する場合には、架橋剤添加前の樹脂ワニス自体が高粘度であることに加え、当該樹脂ワニスに後から添加する架橋剤の添加量もより多くなる傾向があるため、最終的に得られる樹脂ワニス中に不溶物が生じたり、所定粘度の樹脂ワニスが得られないなどの不利が散見される。樹脂ワニス製造時に不溶物が発生すると、所定粘度の樹脂ワニスを再現性よく製造できなかったり、印刷インキ調製時に添加される顔料などの各種添加剤に対する分散性が極端に低下するなどの不利がある。この解決策として、例えば、高粘度樹脂ワニスの設計に際して、使用するロジン変性フェノール樹脂をできるだけ高分子量のものとし、架橋剤の添加量をできるだけ少なくすることが考えられる。
【0004】
しかし、この方法によれば、過度に高分子量のロジン変性フェノール樹脂を設計するための条件を選択するのが困難であったり選定自由度が低くなったり、当該樹脂を工業的に製造することが困難であったり、得られた当該樹脂を溶剤に溶解するのに高温長時間を要し省エネルギー的にも不利となる。
【0005】
このような技術的背景から、種々のロジン変性フェノール樹脂を比較的自由に選択することができ、しかも当該ロジン変性フェノール樹脂を使用して容易に高粘度、高架橋密度かつ不溶物のない印刷インキ用樹脂ワニスを提供し得る製造法の開発が望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来の製造法では製造が困難であった高粘度、高架橋密度かつ均一な印刷インキ用樹脂ワニスを、容易に効率よく製造することができる新規な製造法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記課題に鑑みて、樹脂ワニスを製造時の諸条件のうち、特にロジン変性フェノール樹脂と架橋剤の種類に着目して鋭意検討を重ねた。その結果、ロジン変性フェノール樹脂に対する当該架橋剤の添加条件を特定することにより、本発明の目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、特定の架橋剤(a)を溶剤(b)中に分散させた後、ロジン変性フェノール樹脂の溶融物(c)を添加して混合し、かつ架橋剤(a)の使用量がロジン変性フェノール樹脂の溶融物(c)100重量部に対し0.3〜10重量部であることを特徴とする印刷インキ用樹脂ワニスの製造法に関するものである。
【0009】
架橋剤(a)(以下、(a)成分という)としては、少なくともエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)などに代表される水素結合やキレート結合を付与し得るキレート化剤とイソホロンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートなどのポリイソシアネート類の2種類を必須成分として用いることが必要である。これらを組み合わせて使用すると、得られる樹脂ワニスが、不溶物を含有することなく高粘度のものとなることに加え、流動性も優れる。そのため、当該樹脂ワニスを用いて印刷インキを調製した場合には、インキ壷からロール間を通って版面により良好に転移するため、印刷適性の観点で好ましい。
また、(a)成分としては、前記2種の架橋剤を含有する限りこれら以外のものを併用してもよい。併用可能な架橋剤としては、ポリ(ビスフェノールAジグリシジルエーテル)、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルなどのエポキシ化合物、不飽和カルボン酸無水物とビニルモノマーからなる共重合体、不飽和カルボン酸無水物変性石油樹脂、不飽和カルボン酸無水物変性ロジン、不飽和カルボン酸無水物変性ロジンエステルなどが挙げられる。
【0010】
前記溶剤(b)(以下、(b)成分という)としては、従来公知のインキ溶剤を特に限定なく使用することができる。例えば、トルエン、キシレンなどの有機溶剤のほか、石油系溶剤、植物油などをあげることができる。これら溶剤はいずれも単独で、または2種以上を適宜に組み合わせて使用できるが、石油系溶剤と植物油との組み合わせが好ましい。上記の石油系溶剤としては、例えば日石三菱(株)製の各種ソルベントである、0号ソルベント、4号ソルベント、5号ソルベント、AFソルベント4号、AFソルベント5号、AFソルベント6号、AFソルベント7号、AFソルベント8号などが挙げられる。また上記の植物油としては、例えばアマニ油、大豆油、桐油などが挙げられる。
【0011】
本発明の製造法においては、前記のように、ロジン変性フェノール樹脂の溶融物(c)(以下、(c)成分という)を用いることが必須とされる。その理由としては、(a)成分と(b)成分からなる架橋剤分散液に、ロジン変性フェノール樹脂を溶融状態で添加することにより、ロジン変性フェノール樹脂を高濃度で溶剤中に速やかに溶解または分散させることができること、また常温では反応しない架橋剤とも速やかに反応し、高粘度かつ不溶物のないワニスを収得しうるなどの優位性があるからである。なお、ロジン変性フェノール樹脂自体としては、公知各種のロジン変性フェノール樹脂を特に限定なく使用でき、例えばガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジン、不均化ロジン、水素添加ロジン、重合ロジン、これらの各種変性物、さらにはこれらと金属との塩、ポリオールとのエステル化物などを、レゾールフェノールを用いてフェノール化したもの;当該フェノール化物を更にエステル化したもの、などを挙げることができる。当該フェノールとしては、石炭酸、クレゾール、アミルフェノール、p−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、ノニルフェノール、p−ドデシルフェノールなどが挙げられる。
【0012】
(c)成分の重量平均分子量については特に限定されないが、20,000〜200,000程度のものが好ましい。20,000程度以上とすることにより、本発明のワニス調製において不溶物のない高粘度の樹脂ワニスを容易に調製でき、また200,000程度以下とすることにより得られる樹脂ワニス中の不溶物の発生を抑制しやすい。
【0013】
(c)成分の添加温度(溶融温度)は格別限定されないが、180〜300℃程度であるのが好ましい。180℃以上とすることにより、ロジン変性フェノール樹脂自体の粘度を低くできるため、ロジン変性フェノール樹脂を高濃度で溶剤中に速やかに溶解または分散させることができること、また常温では反応しない架橋剤とも速やかに反応し、高粘度かつ不溶物のない樹脂ワニスを調製できる。また300℃以下とすることによりロジン変性フェノール樹脂の熱分解を抑制し、ロジン変性フェノール樹脂を高分子量に保持できるため、高粘度の樹脂ワニスを容易に調製できる。
【0014】
本発明の製造法では、上記のように(a)成分、(b)成分及び(c)成分の添加条件がそれぞれ特定されているが、それら以外の任意構成成分の種類や添加条件については特に限定されない。例えば、所定量の(b)成分を(a)成分に分散させた後、(c)成分とともに必要に応じて石油樹脂の溶融物を添加して、混合してもよい。また、(a)成分と所定量の(b)成分に必要に応じて金属ドライヤーなどを添加したものにロジン変性フェノール樹脂を反応させ、樹脂ワニスを調製してもよい。本発明では、樹脂ワニス中の(a)成分と(b)成分の使用割合は、(a)成分の種類や(c)成分の種類に応じて慎重に決定され、(c)成分100重量部に対し(a)成分の使用量が0.3〜10重量部であることが必須とされる。(a)成分の使用量が0.3部に満たない場合には高粘度の樹脂ワニスの調製が困難となり、また10部を超える場合には樹脂ワニス中の不溶物の発生を抑制しにくくなる。また、(c)成分の使用量は(b)成分100重量部に対して30重量部以上250重量部以下とされる。(c)成分の使用量が30重量部より少ない場合には高粘度の樹脂ワニスの調製が困難になる。(c)成分の上限は特に制限されないが250重量部以下とすることにより不溶物の発生を抑制が容易となるため好ましい。
【0015】
本発明の製造法に基づき得られる印刷インキ用樹脂ワニスは、従来公知の方法に従い、容易に印刷インキを調製できる。すなわち、当該印刷インキ用樹脂ワニスに、顔料、溶剤、必要に応じてインキ流動性およびインキ表面皮膜を改良するための界面活性剤、ワックス、その他各種添加剤などを適宜に配合し、ボールミル、アトライター、サンドミル等の通常のインキ製造装置を用いて混練すればよい。得られる印刷インキは、特にオフセット印刷インキ用として賞用しうるほか、新聞インキにも好適に使用できる。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、従来の製造法では製造が困難であった高粘度、高架橋密度かつ不溶物のない印刷インキ用樹脂ワニスを、容易に効率よく製造することができる。また、高粘度、高架橋密度かつ不溶物のない当該印刷インキ用樹脂ワニスを用いて調製される印刷インキは、特に高速印刷適性に優れるものとなる。
【0017】
【実施例】
以下、実施例および比較例をあげて本発明を更に具体的に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないことはもとよりである。尚、以下「部」とは重量部を示す。
【0018】
製造例1(レゾール型p−オクチルフェノールキシレン溶液の製造)
攪拌機、還流冷却管および温度計を備えた反応容器に、p−オクチルフェノール1000部、パラホルムアルデヒドを290部(F/P(モル比)=2.0)及び水1000部を仕込み、攪拌下に50℃迄昇温した。50℃において水酸化ナトリウム100部を仕込み、冷却しながら90℃迄徐々に昇温後、2時間保温し、硫酸を滴下してpHを6付近に調整した。その後、キシレン150部を加え、水層部分を除去した。ついで内容物を冷却し、レゾール型p−オクチルフェノールの70%キシレン溶液を得た。
【0019】
製造例2
製造例1と同様の反応容器に、ガムロジン1000部を仕込み、攪拌下に220℃まで昇温して溶融させた。ついで、製造例1で得られたレゾール型p−オクチルフェノールの70%キシレン溶液928部(固形分650部)を、6時間かけて系内に滴下した。滴下終了後、グリセリン93部及び触媒として水酸化カルシウム4部を仕込み、220〜260℃の温度範囲内で酸価が25となるまで反応させた。反応終了後、260℃の保温下で、0.02MPaで10分間減圧し、溶融樹脂1630部を得た。得られたロジン変性フェノール樹脂の33%アマニ油粘度は150秒であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による重量平均分子量(ポリスチレン換算)は80,000(なお、以後重量平均分子量とはGPCによるポリスチレン換算値である)であった。
【0020】
製造例3
製造例1と同様の反応容器に、DCPD系石油樹脂(日本ゼオン(株)製、商品名「クイントン1325」)1,000部、キシレン100部を仕込み、窒素雰囲気下に攪拌しながら150℃まで昇温して溶融させた。ついで、無水マレイン酸70部を仕込み、ジ−t−ブチルパーオキサイド(日本油脂(株)、製商品名「パーブチルD」)6部を30分間で連続的に添加、150〜160℃で2.5時間保温した。保温後、キシレン除去のため200℃まで昇温し、0.02MPaで10分間減圧、冷却して固形樹脂(理論酸価:75、重量平均分子量:5,000)を得た。
【0021】
参考例1
製造例1と同様の反応容器に、石油溶剤(日石三菱(株)製、製品名「AFソルベント7号」)1000部および大豆油250部を仕込み、攪拌下に70℃まで昇温し、エチルアセトアセテートアルミニウムイソプロピレート50部を添加し、溶解した。ここに製造例2で得られたロジン変性フェノール樹脂1125部を、260℃の溶融状態で15分間かけて系内に添加した。添加後の系内温度は約180℃であり、そのまま175〜185℃の範囲内で1時間保温した後、冷却しワニス2375部を得た。こうして得られたワニスの粘度は353Pa・sであった。
【0022】
参考例2
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部および大豆油250部を仕込み、攪拌下に70℃まで昇温し、ポリ(ビスフェノールAジグリシジルエーテル)25部を添加し、溶解した。ここに製造例2で得られたロジン変性フェノール樹脂1125部を、260℃の溶融状態において15分間かけて系内に添加した。添加後の系内温度は約180℃であり、そのまま175〜185℃の範囲内で1時間保温した後、冷却しワニス2375部を得た。得られたワニスの粘度は274Pa・sであった。
【0023】
参考例3
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部および大豆油250部を仕込み、攪拌下、25℃に於いてトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート75部を添加し、溶解した。ここに製造例2で得られたロジン変性フェノール樹脂1125部を、260℃の溶融状態において15分間かけて系内に添加した。添加後の系内温度は約145℃であり、直ちに冷却しワニス2376部を得た。得られたワニスの粘度は327Pa・sであった。
【0024】
参考例4
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部、大豆油250部および製造例3の無水マレイン酸変性石油樹脂50部を仕込み、攪拌下、160℃迄昇温し、30分保温して溶解させた。この溶液を70℃に冷却後、続いてエチルアセトアセテートアルミニウムイソプロピレート38部を添加し、溶解した。ここに製造例2で得られたロジン変性フェノール樹脂1075部を、260℃の溶融状態において15分間かけて系内に添加した。添加後の系内温度は約180℃であり、そのまま175〜185℃の範囲内で1時間保温した後、冷却しワニス2375部を得た。得られたワニスの粘度は377Pa・sであった。
【0025】
実施例
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部、大豆油250部を仕込み攪拌下、70℃迄昇温し、エチルアセトアセテートアルミニウムイソプロピレート40部およびイソホロンジイソシアネート40部を添加し溶解した。ここに製造例2で得られたロジン変性フェノール樹脂1125部を、260℃の溶融状態において15分間かけて系内に添加した。添加後の系内温度は約180℃であり、直ちに冷却しワニス2375部を得た。得られたワニスの粘度は397Pa・sであった。
【0026】
比較例1
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部および大豆油250部を仕込み、攪拌下に70℃まで昇温し、製造例2で得られたロジン変性フェノール樹脂1125部を、260℃の溶融状態において15分間かけて系内に添加した。添加後の系の温度は約180℃であり、ここにエチルアセトアセテートアルミニウムイソプロピレート25部を添加した。そのまま175〜185℃の範囲内で1時間保温した後、冷却しワニス2375部を得た。こうして粘度273Pa・sのワニスを得たが、ワニス中に不溶物が存在した。
【0027】
比較例2
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部および大豆油250部を仕込み、攪拌下に70℃まで昇温し、製造例2で得られたロジン変性フェノール樹脂1125部を、260℃の溶融状態において15分間かけて系内に添加した。添加後の系の温度は約180℃であり、ここにポリ(ビスフェノールAジグリシジルエーテル)25部を添加した。そのまま175〜185℃の範囲内で1時間保温した後、冷却しワニス2370部を得た。こうして粘度203Pa・sのワニスを得たが、ワニス中に不溶物が存在した。
【0028】
比較例3
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部および大豆油250部を仕込み、攪拌下、25℃に於いて製造例2で得られたロジン変性フェノール樹脂1125部を、260℃の溶融状態において15分間かけて系内に添加した。添加後の系の温度は約146℃であった。ここにトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート75部を添加した後、直ちに冷却しワニス2376部を得た。こうして粘度173Pa・sのワニスを得たが、ワニス中に不溶物が存在した。
【0029】
比較例4
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部、大豆油250部を仕込み、攪拌下に70℃まで昇温し、製造例2で得られたロジン変性フェノール樹脂1125部を、260℃の溶融状態において15分間かけて系内に添加した。添加後の系の温度は約182℃であった。ここに製造例3の無水マレイン酸変性石油樹脂250部およびエチルアセトアセテートアルミニウムイソプロピレート38部を仕込み、175〜185℃の範囲内で1時間保温した後、冷却しワニス2370部を得た。こうして粘度301Pa・sのワニスを得たが、ワニス中に不溶物が存在した。
【0030】
比較例5
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部および大豆油250部を仕込み、攪拌下に70℃まで昇温し、製造例2で得られたロジン変性フェノール樹脂1125部を、260℃の溶融状態において15分間かけて系内に添加した。添加後の系の温度は約183℃であり、ここにトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート75部を添加した後、直ちに冷却しワニス2376部を得た。こうして粘度127Pa・sのワニスを得たが、ワニス中に不溶物が存在した。
【0031】
比較例6
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部、大豆油250部を仕込み攪拌下に70℃迄昇温し、製造例2で得られたロジン変性フェノール樹脂1125部を、260℃の溶融状態において15分間かけて系内に添加した。添加後の系の温度は約180℃であり、ここにエチルアセトアセテートアルミニウムイソプロピレート40部およびイソホロンジイソシアネート40部を添加し溶解した。添加後の系の温度は約170度であった。添加後、直ちに冷却しワニス2375部を得た。こうして粘度157Pa・sのワニスを得たが、ワニス中に不溶物が見られた。
【0032】
比較例7
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部および大豆油250部を仕込み、攪拌下に70℃まで昇温し、製造例2で得られたロジン変性フェノール樹脂を冷却・固化したもの1125部を添加した。添加後、温度を180℃迄昇温し、ここにエチルアセトアセテートアルミニウムイソプロピレート50部を添加した。そのまま175〜185℃の範囲内で1時間保温した後、冷却しワニス2375部を得た。こうして粘度300Pa・sのワニスを得たが、ワニス中に不溶物が存在した。
【0033】
比較例8
製造例1と同様の反応容器に、前記AFソルベント7号1000部および大豆油250部を仕込み、攪拌下、製造例2で得られたロジン変性フェノール樹脂1125部を、260℃の溶融状態において15分間かけて系内に添加した。添加後の系内温度は約146℃であった。ここにトリメチルヘキサメチレンジイソシアネート0.9部を添加した後、直ちに冷却しワニス2376部を得た。こうして粘度83Pa・sのワニスを得た。
【0034】
印刷インキの調製
参考例1〜実施例1および比較例8で得られたワニスを用いて次の配合割合で3本ロールミルにより練肉して輪転オフセットインキとした。
カ−ミン6B(紅顔料) 20部
前記ワニス 55〜70部
日石三菱AFソルベント7号 10〜25部
上記配合に基づいてインキ中の顔料が20%となるような配合比を維持し、またインキのタック値が6.5±0.5、フロー値が20±0.5となるよう適宜調整した。
【0035】
(性能試験)
セット性 :インキ0.27mlをJISK5701に準じてRIテスター(石川島産業機械(株)製)を使用し、コート紙上に展色する。その展色物を160℃の乾燥器中に4秒間曝露し、取り出し後直ちに指触により、残留したタック感を評価した。○:残留タックなし。
光沢 :インキ0.27mlをJISK5701に準じてRIテスター(石川島産業機械(株)製)を使用し、コート紙上に展色する。この展色試料を25℃の雰囲気下で24時間乾燥後、JISZ8741に準じて60度鏡面光沢度を測定した。
耐ミスチング性 :25℃に空調された室内においてインキ2.7mlをJISK5701に規定されるインコメーターのロール上に塗布し、更に手動でロールを回転させインキを均一にロール上に展開させる。ロールから10cmの距離に白紙を保持し、ロールを1,800rpmで2分間回転させる。この白紙上に飛散したインキ量を目視によって判定した。○:ほとんど飛散なし。×:飛散が多い。
ワニス・インキ流動性 :25℃に空調された室内においてワニスまたはインキ1.3mlを地平面と60度の角度を成すガラス板の上端に置き、1時間後に流動した距離を測定した。流動性が良好な物が長い距離となる。
【0036】
上記の各性能評価結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
Figure 0004168369

Claims (5)

  1. 少なくともポリイソシアネート類とキレート化剤を含有する架橋剤(a)を溶剤(b)中に分散させた後、ロジン変性フェノール樹脂の溶融物(c)を添加して混合し、かつ架橋剤(a)の使用量がロジン変性フェノール樹脂の溶融物(c)100重量部に対し0.3〜10重量部であることを特徴とする印刷インキ用樹脂ワニスの製造法。
  2. 溶剤(b)100重量部に対し、ロジン変性フェノール樹脂の溶融物(c)が30〜250重量部添加されてなる請求項1記載の製造法。
  3. 溶剤(b)が、石油系溶剤または石油系溶剤と植物油との混合物である請求項1または2に記載の製造法。
  4. ロジン変性フェノール樹脂の溶融物(c)が重量平均分子量20,000〜200,000のものである請求項1〜3のいずれかに記載の製造法。
  5. ロジン変性フェノール樹脂の溶融物(c)の添加温度が180〜300℃である請求項1〜4のいずれかに記載の製造法。
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