JP2004203823A - ビスフェノール誘導体とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビスフェノール誘導体とその製造方法、更に詳しくは、2,2’−ビスフェノール誘導体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビスフェノール誘導体は、酸化防止剤、還元剤として有用な化合物である。
【0003】
酸化防止剤として、例えば、合成樹脂、熱可塑性ゴム、合成ゴム等のプラスチック製品において、様々なビスフェノール誘導体が添加されており、写真感光材料においても、カブリを抑制することを目的としてビスフェノール誘導体が感光層中に添加されている。又、熱現像感光材料では、画像を形成するための還元剤として用いられており、機能性を高めたビスフェノール誘導体が種々提案されている。
【0004】
これらのビスフェノール誘導体は、通常、アルデヒド化合物とフェノール化合物の縮合反応により合成されており、合成方法は、例えば、米国特許2,295,985号、米国特許2,435,014号、米国特許2,515,907号、米国特許2,570,402号、米国特許2,807,653号の各明細書、J.Amer.Chem.Soc;1941;1731、J.Amer.Chem.Soc;1952;3410、J.Amer.Chem.Soc;1989;5397−5404、J.Chem.Soc.Perkin Trans;1980;1986−1993、J.Chem.Soc.Perkin Trans;1994;1879−1882、J.Org.Chem;1985;4628−4630等の文献に記載されている。
【0005】
これらに記載されている触媒として、酸触媒、例えば、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸等、ルイス酸触媒、例えば、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、臭化マグネシウム等、塩基触媒、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。しかし、フェノール化合物やアルデヒド化合物の立体障害性が高い場合、従来の製造方法ではフェノール化合物とアルデヒド化合物の縮合反応が遅いため、アルデヒド化合物の分解、生成したビスフェノール化合物の分解等が起こり、縮合反応が十分に進行しなかった。このため、工業的な生産において、生産性が低く、コストが高くなるという問題があった。
【0006】
従って、立体障害性の高い原料を用いたビスフェノール誘導体を高収率に合成する方法が望まれていた。
【0007】
【特許文献1】
米国特許2,807,653号明細書
【0008】
【非特許文献1】
J.Amer.Chem.Soc;1941;1731
【0009】
【非特許文献2】
J.Amer.Chem.Soc;1952;3410
【0010】
【非特許文献3】
J.Chem.Soc.Perkin Trans;1994;1879−1882
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ビスフェノール誘導体を高収率に得ることの出来る製造方法と、それにより造れられたビスフェノール誘導体を提供することにある。特に立体障害性の高いフェノール化合物やアルデヒド化合物を原料とした場合に、高収率にビスフェノール誘導体を製造する方法とそれにより得られたビスフェノール誘導体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記構成のいずれかを採ることにより達成された。
【0013】
〔1〕 前記一般式(1)で表されるビスフェノール誘導体の製造方法において、フェノール化合物と塩基を混合し、生成する揮発成分を留去する工程と、次に、アルデヒド化合物を添加後、縮合時に生成する水を留去する工程を含むことを特徴とするビスフェノール誘導体の製造方法。
【0014】
〔2〕 前記一般式(1)で表される化合物が、前記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする〔1〕に記載のビスフェノール誘導体の製造方法。
【0015】
〔3〕 前記一般式(1)で表される化合物が、前記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする〔1〕に記載のビスフェノール誘導体の製造方法。
【0016】
〔4〕 前記アルデヒド化合物に対する前記フェノール化合物のモル数が、2.1〜3.0倍であることを特徴とする〔1〕、〔2〕又は〔3〕に記載のビスフェノール誘導体の製造方法。
【0017】
〔5〕 反応温度が100〜150℃であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のビスフェノール誘導体の製造方法。
【0018】
〔6〕 〔1〕に記載のビスフェノール誘導体の製造方法により製造され、前記一般式(1)のR1、R11及びR12で表される置換基の立体パラメーターEs値の総和が、−9.0以上、−5.0以下であることを特徴とするビスフェノール誘導体。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】
前記一般式(1)において、R11及びR12はアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表すが、アルキル基として具体的には炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、neo−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1−メチルシクロヘキシル基、エテニル−2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、1−シクロアルケニル基、2−シクロアルケニル基、エチニル基、1−プロピニル基等が挙げられる。
【0021】
アリール基として、具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントラニル基等が挙げられる。
【0022】
ヘテロ環基として、具体的にはピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等の芳香族ヘテロ環基やピペリジノ基、モルホリノ基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロピラニル基等の非芳香族ヘテロ環基が挙げられる。
【0023】
好ましくは、メチル基、t−ブチル基、1−メチルシクロヘキシル基等が挙げられるが、更に好ましくはt−ブチル基、1−メチルシクロヘキシル基等の3級アルキル基である。
【0024】
これらの基はさらに置換基を有していても良く、該置換基として具体的には、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、neo−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、デシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等)、アルケニル基(例えば、エテニル−2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基等)、シクロアルケニル基(例えば、1−シクロアルケニル基、2−シクロアルケニル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、1−プロピニル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アルキルカルボニルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基等)、カルボキシル基、アルキルカルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基等)、ウレイド基(例えば、メチルアミノカルボニルアミノ基等)、アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基等)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N−モルホリノカルボニル基等)、スルファモイル基(スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、モルフォリノスルファモイル基等)、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルキルスルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基等)、アルキルアミノ基(例えばアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等)、スルホ基、ホスフォノ基、サルファイト基、スルフィノ基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基(例えば、メタンスルホニルアミノカルボニル基、エタンスルホニルアミノカルボニル基等)、アルキルカルボニルアミノスルホニル基(例えば、アセトアミドスルホニル基、メトキシアセトアミドスルホニル基等)、アルキニルアミノカルボニル基(例えば、アセトアミドカルボニル基、メトキシアセトアミドカルボニル基等)、アルキルスルフィニルアミノカルボニル基(例えば、メタンスルフィニルアミノカルボニル基、エタンスルフィニルアミノカルボニル基等)等が挙げられる。
【0025】
また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なっていても良い。
R13及びR14は、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
【0026】
アルキル基として具体的には炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、neo−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1−メチルシクロヘキシル基、エテニル−2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、1−シクロアルケニル基、2−シクロアルケニル基、エチニル基、1−プロピニル基等が挙げられる。
【0027】
アリール基として具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントラニル基等が挙げられる。
【0028】
ヘテロ環基として、具体的にはピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等の芳香族ヘテロ環基やピペリジノ基、モルホリノ基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロピラニル基等の非芳香族ヘテロ環基が挙げられる。
【0029】
好ましくは、メチル基、エチル基等の1級アルキル基であり、更に好ましくは、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基等の1級アルキル基に水酸基が置換した基である。これらの基は更に置換基を有しても良く、置換基としては、前記R11及びR12で挙げた置換基と同義である。
【0030】
R1で表される置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アシル基、アシルオキシ基、ヘテロ環基等が挙げられる。これらの基は更に置換基を有しても良く、置換基としては、前記R11及びR12で挙げた置換基と同義である。好ましくはアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、ヘテロ環基であり、特に好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基である。
【0031】
但し、R1、R11及びR12で表される置換基の立体パラメーターEs値の総和は、−9.0以上、−5.0以下であり、好ましくは、−7.6以上、−5.0以下である。
【0032】
以下、上記したEs値について説明する。
置換基の立体障害の大きさを数値化したものに、タフト等が定義したEs値が知られている(American Chemical Society Professional Reference Book,’Exploring QSAR’,C.Hansh A.Leoら著、S.R.Hell編集)。ここで、Es値とは化学反応性より誘導された立体パラメーターであり、この値が小さければ小さいほど立体的に嵩高い置換基ということができる。
【0033】
次に、Es値について詳細に説明する。
一般に、酸性条件下でのエステルの加水分解反応においては、置換基が反応の進行に対して及ぼす影響は立体障害だけと考えてよいことが知られており、この事を利用して置換基の立体障害を数値化したものがEs値である。
【0034】
置換基XのEs値は、次の化学反応式
X−CH2COORx+H2O→X−CH2COOH+RxOH
で表わされる、酢酸のメチル基の水素原子1つを置換基Xで置換したα位モノ置換酢酸から誘導されるα位モノ置換酢酸エステルを酸性条件下で加水分解する際の反応速度定数kXと、次の化学反応式
CH3COORy+H2O→CH3COOH+RyOH
(この場合、RyはRxと同じである)
で表わされる、上記のα位モノ置換酢酸エステルに対応する酢酸エステルを酸性条件下で加水分解する際の反応速度定数kHから、次の式で求められる。
【0035】
Es=log(kX/kH)
置換基Xの立体障害により、反応速度は低下し、その結果kX<kHとなるので、Es値は通常負となる。
【0036】
実際にEs値を求める場合には、上記の二つの反応速度定数kXとkHを求め、上記の式により算出する。
【0037】
Es値の具体的な例は、Unger,S.H.,Hansch,C.,Prog.Phys.Org.Chem.,12,91(1976)に詳しく記載されている。また、『薬物の構造活性相関』(化学の領域増刊122号、南江堂)、「American Chemical Society Professional Reference Book,’Exploring QSAR’p.81 Table 3−3」にも、その具体的な数値の記載がある。
【0038】
次に下記表1にその一部を示す。
【0039】
【表1】
【0040】
ここで、注意すべきは、本明細書で定義するところのEs値は、メチル基のそれを0として定義したのではなく、水素原子を0としたものであり、メチル基を0としたEs値から1.24を差し引いたものであることである。
【0041】
Q11及びQ12はベンゼン環上に置換可能な基を表し、具体的には炭素数1〜25のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等)、ハロゲン化アルキル基(トリフルオロメチル基、パーフルオロオクチル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、アルキニル基(プロパルギル基等)、グリシジル基、アクリレート基、メタクリレート基、アリール基(フェニル基等)、ヘテロ環基(ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等)、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基等)、アルコキシカルボニル基(メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(フェニルオキシカルボニル基等)、スルホンアミド基(メタンスルホンアミド基、エタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ヘキサンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、スルファモイル基(アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、ウレタン基(メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、フェニルウレイド基、2−ピリジルウレイド基等)、アシル基(アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノイル基、ベンゾイル基、ピリジノイル基等)、カルバモイル基(アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、アミド基(アセトアミド基、プロピオンアミド基、ブタンアミド基、ヘキサンアミド基、ベンズアミド基等)、スルホニル基(メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、フェニルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、アニリノ基、2−ピリジルアミノ基等)、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、オキザモイル基等を挙げることができる。
【0042】
又、これらの基は更にこれらの基で置換されていてもよい。
m及びnは0〜2の整数を表し、最も好ましくはm及びnが0の場合である。
【0043】
一般式(2)において、Ryはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、Rzは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
【0044】
ハロゲン原子として具体的には塩素、臭素、フッ素、ヨウ素が挙げられる。好ましくはフッ素、塩素、臭素である。
【0045】
アルキル基として具体的には炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、iso−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1−メチルシクロヘキシル基、エテニル−2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、1−シクロアルケニル基、2−シクロアルケニル基、エチニル基、1−プロピニル基等が挙げられる。より好ましくは、メチル基、およびエチル基である。
【0046】
アリール基として具体的にはフェノル基、ナフチル基が挙げられる。ヘテロ環基としてはピリジル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基等の5〜6員環のヘテロ芳香族基が好ましく挙げられる。Lは窒素原子又は炭素原子を表すが、好ましくは炭素原子である。gは0又は1を表すが好ましくは1である。Ryとして最も好ましくはメチル基であり、Rzとして好ましくは水素原子、又はメチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
【0047】
Z1は炭素原子及びLとともに3〜10員の非芳香族環を構成するのに必要な原子群を表すが、該環として具体的に3員環としてはシクロプロピル、アジリジル、オキシラニル、4員環としてはシクロブチル、シクロブテニル、オキセタニル、アゼチジニル、5員環としてはシクロペンチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、テトラヒドロチエニル、6員環としてはシクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、テトラヒドロピラニル、ピラニル、ピペリジニル、ジオキサニル、テトラヒドロチオピラニル、ノルカラニル、ノルピナニル、ノルボルニル、7員環としてはシクロヘプチル、シクロヘプチニル、シクロヘプタジエニル、8員環としてはシクロオクタニル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、シクロオクタトリエニル、9員環としてはシクロノナニル、シクロノネニル、シクロノナジエニル、シクロノナトリエニル、10員環としてはシクロデカニル、シクロデケニル、シクロデカジエニル、シクロデカトリエニル等の各基が挙げられる。
【0048】
好ましくは3〜6員環であり、より好ましくは5〜6員環であり、最も好ましくは6員環であり、その中でもヘテロ原子を含まない炭化水素環が好ましい。該環はスピロ原子を通じて他の環とスピロ結合を形成してもよいし、芳香族環を含む他の環と如何様にも縮環してよい。また環上には任意の置換基を有することができる。置換基としては、前記一般式(1)のR11及びR12で挙げた置換基と同義のものがよい。
【0049】
Rxは水素原子、又はアルキル基をあらわすが、アルキル基として具体的には炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。
【0050】
具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、iso−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1−メチルシクロヘキシル基、エテニル−2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、1−シクロアルケニル基、2−シクロアルケニル基、エチニル基、1−プロピニル基等が挙げられる。より好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基等が挙げられる。好ましくはRxは水素原子である。
【0051】
R21及びR22はアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
アルキル基として具体的には炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、neo−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1−メチルシクロヘキシル基、エテニル−2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、1−シクロアルケニル基、2−シクロアルケニル基、エチニル基、1−プロピニル基等が挙げられる。
【0052】
アリール基として具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントラニル基等が挙げられる。
【0053】
ヘテロ環基として、具体的にはピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等の芳香族ヘテロ環基やピペリジノ基、モルホリノ基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロピラニル基等の非芳香族ヘテロ環基が挙げられる。
【0054】
好ましくは、メチル基、t−ブチル基、1−メチルシクロヘキシル基等が挙げられるが、更に好ましくはt−ブチル基、1−メチルシクロヘキシル基等の3級アルキル基である。これらの基はさらに置換基を有していても良く、置換基としては、前記一般式(1)のR11及びR12で挙げた置換基と同義のものがよい。
【0055】
R23及びR24は、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
アルキル基として、具体的には炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、neo−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1−メチルシクロヘキシル基、エテニル−2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、1−シクロアルケニル基、2−シクロアルケニル基、エチニル基、1−プロピニル基等が挙げられる。
【0056】
アリール基として具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントラニル基等が挙げられる。
【0057】
ヘテロ環基として、具体的にはピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等の芳香族ヘテロ環基やピペリジノ基、モルホリノ基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロピラニル基等の非芳香族ヘテロ環基が挙げられる。
【0058】
好ましくは、メチル基、エチル基等の1級アルキル基であり、更に好ましくは、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基等の1級アルキル基に水酸基が置換した基である。これらの基はさらに置換基を有していても良く、置換基としては、前記一般式(1)のR11及びR12で挙げた置換基と同義のものがよい。
【0059】
Q21及びQ22はベンゼン環上に置換可能な基を表し、具体的には炭素数1〜25のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等)、ハロゲン化アルキル基(トリフルオロメチル基、パーフルオロオクチル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、アルキニル基(プロパルギル基等)、グリシジル基、アクリレート基、メタクリレート基、アリール基(フェニル基等)、ヘテロ環基(ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等)、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基等)、アルコキシカルボニル基(メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(フェニルオキシカルボニル基等)、スルホンアミド基(メタンスルホンアミド基、エタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ヘキサンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、スルファモイル基(アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、ウレタン基(メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、フェニルウレイド基、2−ピリジルウレイド基等)、アシル基(アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノイル基、ベンゾイル基、ピリジノイル基等)、カルバモイル基(アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、アミド基(アセトアミド基、プロピオンアミド基、ブタンアミド基、ヘキサンアミド基、ベンズアミド基等)、スルホニル基(メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、フェニルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、アニリノ基、2−ピリジルアミノ基等)、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、オキザモイル基等を挙げることができる。
【0060】
又これらの基は更にこれらの基で置換されていてもよい。
r及びtは0〜2の整数を表し、最も好ましくはr及びtが0の場合である。
【0061】
一般式(3)において、Q1及びQ2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。ハロゲン原子として具体的には塩素、臭素、フッ素、ヨウ素が挙げられ、好ましくはフッ素、塩素、臭素である。アルキル基として具体的には炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、neo−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1−メチルシクロヘキシル基、エテニル−2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、1−シクロアルケニル基、2−シクロアルケニル基、エチニル基、1−プロピニル基等が挙げられる。より好ましくは、メチル基、およびエチル基である。アリール基として具体的にはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。ヘテロ環基としてはピリジル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基等の5〜6員環のヘテロ芳香族基が好ましく挙げられる。Q1及びQ2として好ましくは水素原子又はメチル基であり、最も好ましくはメチル基である。
【0062】
Z2は炭素原子、G1及びG2とともに5〜6員の芳香族環を構成するのに必要な原子群を表す。該環の具体例としてはイミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、インドレニン、テトラザインデン、チオフェン、ベンゼン、ナフタレン、アントラセンである。
【0063】
好ましくはイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、テトラザインデン、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、チオフェンが挙げられる。より好ましくは、ピリジン、チオフェン、ベンゼンである。
【0064】
R31及びR32は、前記一般式(2)のR21及びR22と同義である。
R33及びR34は、前記一般式(2)のR23及びR24と同義である。
【0065】
Q31及びQ32は、前記一般式(2)のQ21及びQ22と同義である。
j及びkは、0〜2の整数を表す。
【0066】
以下に、一般式(1)〜一般式(3)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定される物ではない。
【0067】
又、構造式と共に記載されているEs値は、A及びDで表される置換基の立体パラメーターEs値の総和を表している。
【0068】
【化4】
【0069】
【化5】
【0070】
【化6】
【0071】
次に、ビスフェノール誘導体の製造方法について説明する。
フェノール化合物と混合する塩基は、如何なる塩基でも構わないが、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド又はカリウムメトキシドであり、更に好ましくは、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである。
【0072】
フェノール化合物とアルデヒド化合物を反応させる際に用いる溶媒は、アルデヒド化合物と反応しない溶媒であれば、如何なる溶媒でも構わないが、好ましくは、トルエン、キシレン又は無溶媒反応であり、更に好ましくは、トルエン又は無溶媒反応である。
【0073】
使用するフェノール化合物の添加量は、アルデヒド化合物1モルに対して、2.0モル以上であれば構わないが、好ましくは2.0〜4.0モルであり、更に好ましくは2.1〜3.0モルである。
【0074】
使用する塩基の添加量は、アルデヒド化合物1モルに対して、0.1〜2.0モルが好ましく、更に好ましくは0.1〜1.0モルであり、特に好ましくは0.3〜0.7モルである。
【0075】
使用する試薬は如何なる順番で添加しても良いが、好ましくは、フェノール化合物に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又はこれらの水溶液、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムメトキシド又はこれらのアルコール溶液を添加した後、生成する揮発成分を留去した後、アルデヒド化合物を添加する方法である。
【0076】
揮発成分を留去する方法は、如何なる手段を用いても良く、溶媒と共沸させて留去を行なっても良い。
【0077】
ここで言う揮発成分とは、フェノール化合物と塩基を混合する時に用いた水、又はメタノール、エタノール等のアルコール溶媒、及びフェノール化合物と塩基を混合することによって生成する水又はアルコール類のことである。
【0078】
反応温度は、50〜200℃が好ましく、更に好ましくは80〜170℃であり、特に好ましくは100〜150℃である。
【0079】
反応形態は、反応時に生成する水を留去しながら反応を行なう方法が好ましく、溶媒と共沸させて水の留去を行なっても良い。
【0080】
反応時間は、1〜50時間が好ましく、更に好ましくは5〜30時間である。反応物の処理方法は、如何なる手段を用いても良いが、適当な有機溶媒又は有機溶媒と水の混合溶液を添加した後、適当な酸で中和し、析出した粗結晶を濾過で得る方法が好ましい。
【0081】
本発明における適当な有機溶媒又は有機溶媒と水の混合溶液とは、酢酸エチル、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、メタノールと水の混合溶媒、エタノールと水の混合溶媒、テトラヒドロフランと水の混合溶媒又はアセトニトリルと水の混合溶媒等のことであり、好ましくはトルエン、ヘキサン、ヘプタン、メタノールと水の混合溶媒、エタノールと水の混合溶媒又はアセトニトリルと水の混合溶媒であり、更に好ましくはトルエン、ヘプタン、エタノールと水の混合溶媒又はアセトニトリルと水の混合溶媒である。
【0082】
本発明における適当な酸とは、無機酸、有機酸から選ばれる如何なる酸でも構わないが、好ましくは、塩酸、硫酸又はp−トルエンスルホン酸であり、更に好ましくは塩酸又は硫酸である。
【0083】
酸の添加方法は、如何なる方法で添加しても良いが、好ましくは水又は有機溶媒に溶解した物を添加する方法が好ましい。
【0084】
得られた粗結晶の精製方法は、如何なる手段を用いても良いが、適当な有機溶媒又は有機溶媒と水の混合溶液を用いて精製する方法が好ましい。本発明における現工程において、適当な有機溶媒又は有機溶媒と水の混合溶液とは、酢酸エチル、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、アセトニトリル、メタノール、エタノール、アセトニトリルと水の混合溶媒、メタノールと水の混合溶媒、エタノールと水の混合溶媒等が挙げられ、これらから選ばれた溶媒を組み合わせて使用しても良い。好ましくはトルエン、ヘプタン、アセトニトリル又はアセトニトリルと水の混合溶媒である。精製に用いる溶媒の使用量は、反応物1gに対して、1〜10mlが好ましく、更に好ましくは、2〜8mlである。
【0085】
【実施例】
本発明に係わるビスフェノール誘導体の合成方法を以下の実施例で更に説明する。実施例における全ての生成物の分子構造は、プロトン核磁気共鳴分析並びに質量分析で確認した。
【0086】
実施例1(化合物B1の合成)
水酸化ナトリウム1.97gを水5.94mlに溶解し、2,4−キシレノール30.1g、トルエン15mlを加え、120℃で水及びトルエンの留去を行った。
【0087】
その後、反応溶液を室温まで戻し、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド13.65gを加え、120℃で8時間撹拌を行った。更に、生成する水を留去しながら、12時間加熱撹拌を行なった。
【0088】
加熱を止め、反応溶液の内温が80℃になったところで、ヘプタン64mlを徐々に加え、反応溶液を分散させた。室温まで放冷した後、濃塩酸5.28gと水14.4mlを混合した溶液を加え、4時間撹拌を行った。
【0089】
氷水冷却下で更に4時間撹拌を行った後、濾過後、ヘプタン54mlで洗浄して粗結晶を得た。得られた粗結晶をアセトニトリル133mlに加熱溶解し、濾過後、水88mlを加え、室温で4時間撹拌した。
【0090】
更に、氷水冷却下で4時間撹拌を行い、析出した結晶を濾取することにより、目的化合物28.8g(収率80%)を得た。
【0091】
このものの融点は198.5〜199.5℃、核磁気共鳴分析並びに質量分析での結果は下記の如くであった。
【0092】
1H−NMR(CDCl3):δ=1.00(d,3H,CH3)、1.33−1.34(m,1H,CH)、1.40−1.70(m,5H,CH2、CH3)、1.85−1.96(m,1H,CH)、2.11−2.23(m,13H,Ar−CH3,CH)、2.43−2.48(m,1H,CH)、4.43(d,1H,Ar−CH)、5.17−5.18(m,1H,C=CH)、5.50−6.50(br,2H,Ar−OH)、6.71(s,1H,Ar−H)、6.92(s,1H,Ar−H)、6.99(s,1H,Ar−H)、7.02(s,1H,Ar−H)。
【0093】
Mass:m/z 365(M+)
比較例1(化合物B1の合成)
2,4−キシレノール40.0g(0.32モル)及び2,4−ジメチル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド22.5g(0.16モル)をトルエン140mlに溶解した後、濃硫酸0.3mlを加え、16時間加熱還流を行なった。放冷後、反応溶液を飽和食塩水50mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後、減圧濃縮を行なった。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物6.1g(収率10.3%)を得た。
【0094】
比較例2(化合物B1の合成)
2,4−キシレノール14.0g(0.11モル)をトルエン14mlに溶解した後、p−トルエンスルホン酸一水和物5.5g(0.02モル)を加えた。反応溶液を60℃に保ったまま、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド7.9g(0.05モル)を徐々に滴下し、滴下終了後、60℃で20時間撹拌を行った。反応溶液に酢酸エチル50mlを加え、水25ml、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液25ml、飽和食塩水25mlで順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧濃縮を行なった。
【0095】
残渣にヘキサン60mlを加え、氷水冷却下で10時間撹拌することにより、粗結晶10.4gを得た。得られた粗結晶をアセトニトリル20mlで再結晶することにより、目的化合物7.2g(収率35%)を得た。
【0096】
比較例3(化合物B1の合成)
窒素雰囲気下、水酸化ナトリウム1.0gをメタノール50mlに溶解し、2,4−キシレノール30.5gを加えて20℃で30分間撹拌を行なった。反応溶液を30℃に昇温し、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド18.7gを15分間かけて滴下した。滴下終了後、加熱還流を12時間行ったが、目的化合物を得ることは出来なかった。
【0097】
比較例4(化合物B1の合成)
水酸化ナトリウム7.89gを水23.6mlに溶解し、2,4−キシレノール24.1g、トルエン70mlを加え、120℃で水及びトルエンの留去を行った。反応溶液を室温まで戻し、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド81.8gを加え、130℃で12時間撹拌を行ったが、目的化合物を得ることは出来なかった。
【0098】
実施例2(化合物B12の合成)
2−tert−ブチル−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール47.8gにトルエン190mlを加え、80℃で30分間加熱撹拌を行なった。反応溶液を室温まで戻した後、水酸化ナトリウム1.97gを水5.94mlに溶解した溶液を加え、120℃で水の留去を行った。
【0099】
反応溶液を室温まで戻し、チオフェン−2−カルボキシアルデヒド11.0gを加え、120℃で10時間撹拌を行った。更に、生成する水を留去しながら、15時間加熱撹拌を行なった。
【0100】
加熱を止め、反応溶液の内温を室温まで戻し、析出物を濾取した。濾取した析出物を酢酸エチル200mlに溶解し、この溶液を1モル/1000ml濃度の塩酸100ml、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100ml、飽和食塩水50mlで順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧濃縮を行った。
【0101】
得られた残渣にトルエン140mlを加え加熱溶解した後、室温で2時間撹拌を行った。更に、氷水冷却下で4時間撹拌を行い、析出した結晶を濾取することにより、目的化合物40.7g(収率86%)を得た。
【0102】
核磁気共鳴分析並びに質量分析での結果は下記の如くであった。
1H−NMR(CDCl3):δ=1.37(s,18H,CH3)、2.68(t,4H,CH2)、3.65(t,4H,CH2)、5.90(s,1H,CH)、6.67(s,1H,Ar−H)、6.68(s,1H,Ar−H)、6.79−6.80(m,1H,C=CH)、6.94−6.96(m,1H,C=CH)、7.06(s,2H,Ar−H)、7.25−7.26(m,1H,C=CH)。
【0103】
Mass:m/z 483(M+)
実施例3(化合物B17の合成)
2−tert−ブチル−4−メチルフェノール32.1gをトルエン64mlに溶解した。水酸化ナトリウム1.57gを水4.75mlに溶解した溶液を反応溶液に加え、120℃で水の留去を行った。
【0104】
反応溶液を室温まで戻し、チオフェン−2−カルボキシアルデヒド8.8gを加え、120℃で5時間撹拌を行った。更に、生成する水を留去しながら、12時間加熱撹拌を行なった。加熱を止め、反応溶液の内温を室温まで戻し、反応溶液に酢酸エチル32mlを加えた。反応溶液を1モル/1000ml濃度の塩酸70ml、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液70ml、飽和食塩水70mlで順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧濃縮を行った。
【0105】
得られた残渣にアセトニトリル100mlを加え加熱溶解した後、室温で2時間撹拌を行った。更に、氷水冷却下で6時間撹拌を行い、析出した結晶を濾取することにより、目的化合物29.8g(収率90%)を得た。
【0106】
核磁気共鳴分析並びに質量分析での結果は下記の如くであった。
1H−NMR(CDCl3):δ=1.37(s,18H,CH3)、2.20(s,6H,CH3)、4.80−5.15(br,2H,Ar−OH)、5.84(s,1H,CH)、6.66(s,2H,Ar−H)、6.83−6.84(m,1H,C=CH)、6.97−6.99(m,1H,C=CH)、7.04(s,2H,Ar−H)、7.27−7.28(m,1H,C=CH)。
【0107】
Mass:m/z 423(M+)
実施例4(化合物B23の合成)
2−tert−ブチル−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール23.7gにトルエン100mlを加え、80℃で30分間加熱撹拌を行なった。反応溶液を室温まで戻した後、水酸化ナトリウム0.98gを水3.0mlに溶解した溶液を加え、120℃で水の留去を行った。
【0108】
反応溶液を室温まで戻し、2−メチル−n−バレルアルデヒド4.9gを加え、120℃で5時間撹拌を行った。更に、生成する水を留去しながら、8時間加熱撹拌を行なった。
【0109】
加熱を止め、反応溶液の内温を室温まで戻し、反応溶液に酢酸エチル50mlを加えた。この溶液を1モル/1000ml濃度の塩酸100ml、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100ml、飽和食塩水50mlで順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮を行った。得られた残渣にトルエン80mlを加えて加熱溶解した後、氷水冷却下で5時間撹拌を行った。析出結晶をろ取することにより、目的化合物40.6g(収率92%)を得た。
【0110】
質量分析での結果は下記の如くであった。
Mass:m/z 471(M+)
【0111】
【発明の効果】
本発明により、ビスフェノール誘導体を高収率に得ることの出来る製造方法と、それにより造れられたビスフェノール誘導体を提供することができる。特に立体障害性の高いフェノール化合物やアルデヒド化合物を原料とした場合に、高収率にビスフェノール誘導体を製造する方法とそれにより得られたビスフェノール誘導体を提供することができる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビスフェノール誘導体とその製造方法、更に詳しくは、2,2’−ビスフェノール誘導体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ビスフェノール誘導体は、酸化防止剤、還元剤として有用な化合物である。
【0003】
酸化防止剤として、例えば、合成樹脂、熱可塑性ゴム、合成ゴム等のプラスチック製品において、様々なビスフェノール誘導体が添加されており、写真感光材料においても、カブリを抑制することを目的としてビスフェノール誘導体が感光層中に添加されている。又、熱現像感光材料では、画像を形成するための還元剤として用いられており、機能性を高めたビスフェノール誘導体が種々提案されている。
【0004】
これらのビスフェノール誘導体は、通常、アルデヒド化合物とフェノール化合物の縮合反応により合成されており、合成方法は、例えば、米国特許2,295,985号、米国特許2,435,014号、米国特許2,515,907号、米国特許2,570,402号、米国特許2,807,653号の各明細書、J.Amer.Chem.Soc;1941;1731、J.Amer.Chem.Soc;1952;3410、J.Amer.Chem.Soc;1989;5397−5404、J.Chem.Soc.Perkin Trans;1980;1986−1993、J.Chem.Soc.Perkin Trans;1994;1879−1882、J.Org.Chem;1985;4628−4630等の文献に記載されている。
【0005】
これらに記載されている触媒として、酸触媒、例えば、塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸等、ルイス酸触媒、例えば、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、臭化マグネシウム等、塩基触媒、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等が挙げられる。しかし、フェノール化合物やアルデヒド化合物の立体障害性が高い場合、従来の製造方法ではフェノール化合物とアルデヒド化合物の縮合反応が遅いため、アルデヒド化合物の分解、生成したビスフェノール化合物の分解等が起こり、縮合反応が十分に進行しなかった。このため、工業的な生産において、生産性が低く、コストが高くなるという問題があった。
【0006】
従って、立体障害性の高い原料を用いたビスフェノール誘導体を高収率に合成する方法が望まれていた。
【0007】
【特許文献1】
米国特許2,807,653号明細書
【0008】
【非特許文献1】
J.Amer.Chem.Soc;1941;1731
【0009】
【非特許文献2】
J.Amer.Chem.Soc;1952;3410
【0010】
【非特許文献3】
J.Chem.Soc.Perkin Trans;1994;1879−1882
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ビスフェノール誘導体を高収率に得ることの出来る製造方法と、それにより造れられたビスフェノール誘導体を提供することにある。特に立体障害性の高いフェノール化合物やアルデヒド化合物を原料とした場合に、高収率にビスフェノール誘導体を製造する方法とそれにより得られたビスフェノール誘導体を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記構成のいずれかを採ることにより達成された。
【0013】
〔1〕 前記一般式(1)で表されるビスフェノール誘導体の製造方法において、フェノール化合物と塩基を混合し、生成する揮発成分を留去する工程と、次に、アルデヒド化合物を添加後、縮合時に生成する水を留去する工程を含むことを特徴とするビスフェノール誘導体の製造方法。
【0014】
〔2〕 前記一般式(1)で表される化合物が、前記一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする〔1〕に記載のビスフェノール誘導体の製造方法。
【0015】
〔3〕 前記一般式(1)で表される化合物が、前記一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする〔1〕に記載のビスフェノール誘導体の製造方法。
【0016】
〔4〕 前記アルデヒド化合物に対する前記フェノール化合物のモル数が、2.1〜3.0倍であることを特徴とする〔1〕、〔2〕又は〔3〕に記載のビスフェノール誘導体の製造方法。
【0017】
〔5〕 反応温度が100〜150℃であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載のビスフェノール誘導体の製造方法。
【0018】
〔6〕 〔1〕に記載のビスフェノール誘導体の製造方法により製造され、前記一般式(1)のR1、R11及びR12で表される置換基の立体パラメーターEs値の総和が、−9.0以上、−5.0以下であることを特徴とするビスフェノール誘導体。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0020】
前記一般式(1)において、R11及びR12はアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表すが、アルキル基として具体的には炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、neo−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1−メチルシクロヘキシル基、エテニル−2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、1−シクロアルケニル基、2−シクロアルケニル基、エチニル基、1−プロピニル基等が挙げられる。
【0021】
アリール基として、具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントラニル基等が挙げられる。
【0022】
ヘテロ環基として、具体的にはピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等の芳香族ヘテロ環基やピペリジノ基、モルホリノ基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロピラニル基等の非芳香族ヘテロ環基が挙げられる。
【0023】
好ましくは、メチル基、t−ブチル基、1−メチルシクロヘキシル基等が挙げられるが、更に好ましくはt−ブチル基、1−メチルシクロヘキシル基等の3級アルキル基である。
【0024】
これらの基はさらに置換基を有していても良く、該置換基として具体的には、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、neo−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、デシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基等)、アルケニル基(例えば、エテニル−2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基等)、シクロアルケニル基(例えば、1−シクロアルケニル基、2−シクロアルケニル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、1−プロピニル基等)、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等)、アルキルカルボニルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、トリフルオロメチルチオ基等)、カルボキシル基、アルキルカルボニルアミノ基(例えば、アセチルアミノ基等)、ウレイド基(例えば、メチルアミノカルボニルアミノ基等)、アルキルスルホニルアミノ基(例えば、メタンスルホニルアミノ基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、トリフルオロメタンスルホニル基等)、カルバモイル基(例えば、カルバモイル基、N,N−ジメチルカルバモイル基、N−モルホリノカルボニル基等)、スルファモイル基(スルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、モルフォリノスルファモイル基等)、トリフルオロメチル基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルキルスルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基等)、アルキルアミノ基(例えばアミノ基、N,N−ジメチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基等)、スルホ基、ホスフォノ基、サルファイト基、スルフィノ基、アルキルスルホニルアミノカルボニル基(例えば、メタンスルホニルアミノカルボニル基、エタンスルホニルアミノカルボニル基等)、アルキルカルボニルアミノスルホニル基(例えば、アセトアミドスルホニル基、メトキシアセトアミドスルホニル基等)、アルキニルアミノカルボニル基(例えば、アセトアミドカルボニル基、メトキシアセトアミドカルボニル基等)、アルキルスルフィニルアミノカルボニル基(例えば、メタンスルフィニルアミノカルボニル基、エタンスルフィニルアミノカルボニル基等)等が挙げられる。
【0025】
また、置換基が二つ以上ある場合は、同じでも異なっていても良い。
R13及びR14は、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
【0026】
アルキル基として具体的には炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、neo−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1−メチルシクロヘキシル基、エテニル−2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、1−シクロアルケニル基、2−シクロアルケニル基、エチニル基、1−プロピニル基等が挙げられる。
【0027】
アリール基として具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントラニル基等が挙げられる。
【0028】
ヘテロ環基として、具体的にはピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等の芳香族ヘテロ環基やピペリジノ基、モルホリノ基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロピラニル基等の非芳香族ヘテロ環基が挙げられる。
【0029】
好ましくは、メチル基、エチル基等の1級アルキル基であり、更に好ましくは、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基等の1級アルキル基に水酸基が置換した基である。これらの基は更に置換基を有しても良く、置換基としては、前記R11及びR12で挙げた置換基と同義である。
【0030】
R1で表される置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アシル基、アシルオキシ基、ヘテロ環基等が挙げられる。これらの基は更に置換基を有しても良く、置換基としては、前記R11及びR12で挙げた置換基と同義である。好ましくはアルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、ヘテロ環基であり、特に好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基である。
【0031】
但し、R1、R11及びR12で表される置換基の立体パラメーターEs値の総和は、−9.0以上、−5.0以下であり、好ましくは、−7.6以上、−5.0以下である。
【0032】
以下、上記したEs値について説明する。
置換基の立体障害の大きさを数値化したものに、タフト等が定義したEs値が知られている(American Chemical Society Professional Reference Book,’Exploring QSAR’,C.Hansh A.Leoら著、S.R.Hell編集)。ここで、Es値とは化学反応性より誘導された立体パラメーターであり、この値が小さければ小さいほど立体的に嵩高い置換基ということができる。
【0033】
次に、Es値について詳細に説明する。
一般に、酸性条件下でのエステルの加水分解反応においては、置換基が反応の進行に対して及ぼす影響は立体障害だけと考えてよいことが知られており、この事を利用して置換基の立体障害を数値化したものがEs値である。
【0034】
置換基XのEs値は、次の化学反応式
X−CH2COORx+H2O→X−CH2COOH+RxOH
で表わされる、酢酸のメチル基の水素原子1つを置換基Xで置換したα位モノ置換酢酸から誘導されるα位モノ置換酢酸エステルを酸性条件下で加水分解する際の反応速度定数kXと、次の化学反応式
CH3COORy+H2O→CH3COOH+RyOH
(この場合、RyはRxと同じである)
で表わされる、上記のα位モノ置換酢酸エステルに対応する酢酸エステルを酸性条件下で加水分解する際の反応速度定数kHから、次の式で求められる。
【0035】
Es=log(kX/kH)
置換基Xの立体障害により、反応速度は低下し、その結果kX<kHとなるので、Es値は通常負となる。
【0036】
実際にEs値を求める場合には、上記の二つの反応速度定数kXとkHを求め、上記の式により算出する。
【0037】
Es値の具体的な例は、Unger,S.H.,Hansch,C.,Prog.Phys.Org.Chem.,12,91(1976)に詳しく記載されている。また、『薬物の構造活性相関』(化学の領域増刊122号、南江堂)、「American Chemical Society Professional Reference Book,’Exploring QSAR’p.81 Table 3−3」にも、その具体的な数値の記載がある。
【0038】
次に下記表1にその一部を示す。
【0039】
【表1】
【0040】
ここで、注意すべきは、本明細書で定義するところのEs値は、メチル基のそれを0として定義したのではなく、水素原子を0としたものであり、メチル基を0としたEs値から1.24を差し引いたものであることである。
【0041】
Q11及びQ12はベンゼン環上に置換可能な基を表し、具体的には炭素数1〜25のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等)、ハロゲン化アルキル基(トリフルオロメチル基、パーフルオロオクチル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、アルキニル基(プロパルギル基等)、グリシジル基、アクリレート基、メタクリレート基、アリール基(フェニル基等)、ヘテロ環基(ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等)、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基等)、アルコキシカルボニル基(メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(フェニルオキシカルボニル基等)、スルホンアミド基(メタンスルホンアミド基、エタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ヘキサンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、スルファモイル基(アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、ウレタン基(メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、フェニルウレイド基、2−ピリジルウレイド基等)、アシル基(アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノイル基、ベンゾイル基、ピリジノイル基等)、カルバモイル基(アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、アミド基(アセトアミド基、プロピオンアミド基、ブタンアミド基、ヘキサンアミド基、ベンズアミド基等)、スルホニル基(メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、フェニルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、アニリノ基、2−ピリジルアミノ基等)、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、オキザモイル基等を挙げることができる。
【0042】
又、これらの基は更にこれらの基で置換されていてもよい。
m及びnは0〜2の整数を表し、最も好ましくはm及びnが0の場合である。
【0043】
一般式(2)において、Ryはハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、Rzは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
【0044】
ハロゲン原子として具体的には塩素、臭素、フッ素、ヨウ素が挙げられる。好ましくはフッ素、塩素、臭素である。
【0045】
アルキル基として具体的には炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、iso−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1−メチルシクロヘキシル基、エテニル−2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、1−シクロアルケニル基、2−シクロアルケニル基、エチニル基、1−プロピニル基等が挙げられる。より好ましくは、メチル基、およびエチル基である。
【0046】
アリール基として具体的にはフェノル基、ナフチル基が挙げられる。ヘテロ環基としてはピリジル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基等の5〜6員環のヘテロ芳香族基が好ましく挙げられる。Lは窒素原子又は炭素原子を表すが、好ましくは炭素原子である。gは0又は1を表すが好ましくは1である。Ryとして最も好ましくはメチル基であり、Rzとして好ましくは水素原子、又はメチル基であり、最も好ましくは水素原子である。
【0047】
Z1は炭素原子及びLとともに3〜10員の非芳香族環を構成するのに必要な原子群を表すが、該環として具体的に3員環としてはシクロプロピル、アジリジル、オキシラニル、4員環としてはシクロブチル、シクロブテニル、オキセタニル、アゼチジニル、5員環としてはシクロペンチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、テトラヒドロチエニル、6員環としてはシクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、テトラヒドロピラニル、ピラニル、ピペリジニル、ジオキサニル、テトラヒドロチオピラニル、ノルカラニル、ノルピナニル、ノルボルニル、7員環としてはシクロヘプチル、シクロヘプチニル、シクロヘプタジエニル、8員環としてはシクロオクタニル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、シクロオクタトリエニル、9員環としてはシクロノナニル、シクロノネニル、シクロノナジエニル、シクロノナトリエニル、10員環としてはシクロデカニル、シクロデケニル、シクロデカジエニル、シクロデカトリエニル等の各基が挙げられる。
【0048】
好ましくは3〜6員環であり、より好ましくは5〜6員環であり、最も好ましくは6員環であり、その中でもヘテロ原子を含まない炭化水素環が好ましい。該環はスピロ原子を通じて他の環とスピロ結合を形成してもよいし、芳香族環を含む他の環と如何様にも縮環してよい。また環上には任意の置換基を有することができる。置換基としては、前記一般式(1)のR11及びR12で挙げた置換基と同義のものがよい。
【0049】
Rxは水素原子、又はアルキル基をあらわすが、アルキル基として具体的には炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。
【0050】
具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、iso−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1−メチルシクロヘキシル基、エテニル−2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、1−シクロアルケニル基、2−シクロアルケニル基、エチニル基、1−プロピニル基等が挙げられる。より好ましくは、メチル基、エチル基、イソプロピル基等が挙げられる。好ましくはRxは水素原子である。
【0051】
R21及びR22はアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
アルキル基として具体的には炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、neo−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1−メチルシクロヘキシル基、エテニル−2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、1−シクロアルケニル基、2−シクロアルケニル基、エチニル基、1−プロピニル基等が挙げられる。
【0052】
アリール基として具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントラニル基等が挙げられる。
【0053】
ヘテロ環基として、具体的にはピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等の芳香族ヘテロ環基やピペリジノ基、モルホリノ基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロピラニル基等の非芳香族ヘテロ環基が挙げられる。
【0054】
好ましくは、メチル基、t−ブチル基、1−メチルシクロヘキシル基等が挙げられるが、更に好ましくはt−ブチル基、1−メチルシクロヘキシル基等の3級アルキル基である。これらの基はさらに置換基を有していても良く、置換基としては、前記一般式(1)のR11及びR12で挙げた置換基と同義のものがよい。
【0055】
R23及びR24は、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
アルキル基として、具体的には炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、neo−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1−メチルシクロヘキシル基、エテニル−2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、1−シクロアルケニル基、2−シクロアルケニル基、エチニル基、1−プロピニル基等が挙げられる。
【0056】
アリール基として具体的にはフェニル基、ナフチル基、アントラニル基等が挙げられる。
【0057】
ヘテロ環基として、具体的にはピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等の芳香族ヘテロ環基やピペリジノ基、モルホリノ基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエニル基、テトラヒドロピラニル基等の非芳香族ヘテロ環基が挙げられる。
【0058】
好ましくは、メチル基、エチル基等の1級アルキル基であり、更に好ましくは、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシプロピル基等の1級アルキル基に水酸基が置換した基である。これらの基はさらに置換基を有していても良く、置換基としては、前記一般式(1)のR11及びR12で挙げた置換基と同義のものがよい。
【0059】
Q21及びQ22はベンゼン環上に置換可能な基を表し、具体的には炭素数1〜25のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等)、ハロゲン化アルキル基(トリフルオロメチル基、パーフルオロオクチル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基、シクロペンチル基等)、アルキニル基(プロパルギル基等)、グリシジル基、アクリレート基、メタクリレート基、アリール基(フェニル基等)、ヘテロ環基(ピリジル基、チアゾリル基、オキサゾリル基、イミダゾリル基、フリル基、ピロリル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、セレナゾリル基、スリホラニル基、ピペリジニル基、ピラゾリル基、テトラゾリル基等)、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、フッ素原子等)、アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基等)、アルコキシカルボニル基(メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(フェニルオキシカルボニル基等)、スルホンアミド基(メタンスルホンアミド基、エタンスルホンアミド基、ブタンスルホンアミド基、ヘキサンスルホンアミド基、シクロヘキサンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基等)、スルファモイル基(アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、ウレタン基(メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、フェニルウレイド基、2−ピリジルウレイド基等)、アシル基(アセチル基、プロピオニル基、ブタノイル基、ヘキサノイル基、シクロヘキサノイル基、ベンゾイル基、ピリジノイル基等)、カルバモイル基(アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、アミド基(アセトアミド基、プロピオンアミド基、ブタンアミド基、ヘキサンアミド基、ベンズアミド基等)、スルホニル基(メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、フェニルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、アニリノ基、2−ピリジルアミノ基等)、シアノ基、ニトロ基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、オキザモイル基等を挙げることができる。
【0060】
又これらの基は更にこれらの基で置換されていてもよい。
r及びtは0〜2の整数を表し、最も好ましくはr及びtが0の場合である。
【0061】
一般式(3)において、Q1及びQ2は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。ハロゲン原子として具体的には塩素、臭素、フッ素、ヨウ素が挙げられ、好ましくはフッ素、塩素、臭素である。アルキル基として具体的には炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましい。具体例としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、neo−ペンチル基、2−エチル−ヘキシル基、オクチル基、デシル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、1−メチルシクロヘキシル基、エテニル−2−プロペニル基、3−ブテニル基、1−メチル−3−プロペニル基、3−ペンテニル基、1−メチル−3−ブテニル基、1−シクロアルケニル基、2−シクロアルケニル基、エチニル基、1−プロピニル基等が挙げられる。より好ましくは、メチル基、およびエチル基である。アリール基として具体的にはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。ヘテロ環基としてはピリジル基、フリル基、チエニル基、オキサゾリル基等の5〜6員環のヘテロ芳香族基が好ましく挙げられる。Q1及びQ2として好ましくは水素原子又はメチル基であり、最も好ましくはメチル基である。
【0062】
Z2は炭素原子、G1及びG2とともに5〜6員の芳香族環を構成するのに必要な原子群を表す。該環の具体例としてはイミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、インドール、インダゾール、プリン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、プテリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、インドレニン、テトラザインデン、チオフェン、ベンゼン、ナフタレン、アントラセンである。
【0063】
好ましくはイミダゾール、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダジン、トリアゾール、トリアジン、チアジアゾール、オキサジアゾール、キノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、キナゾリン、シンノリン、テトラゾール、チアゾール、オキサゾール、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、テトラザインデン、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、チオフェンが挙げられる。より好ましくは、ピリジン、チオフェン、ベンゼンである。
【0064】
R31及びR32は、前記一般式(2)のR21及びR22と同義である。
R33及びR34は、前記一般式(2)のR23及びR24と同義である。
【0065】
Q31及びQ32は、前記一般式(2)のQ21及びQ22と同義である。
j及びkは、0〜2の整数を表す。
【0066】
以下に、一般式(1)〜一般式(3)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれに限定される物ではない。
【0067】
又、構造式と共に記載されているEs値は、A及びDで表される置換基の立体パラメーターEs値の総和を表している。
【0068】
【化4】
【0069】
【化5】
【0070】
【化6】
【0071】
次に、ビスフェノール誘導体の製造方法について説明する。
フェノール化合物と混合する塩基は、如何なる塩基でも構わないが、好ましくは水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド又はカリウムメトキシドであり、更に好ましくは、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムである。
【0072】
フェノール化合物とアルデヒド化合物を反応させる際に用いる溶媒は、アルデヒド化合物と反応しない溶媒であれば、如何なる溶媒でも構わないが、好ましくは、トルエン、キシレン又は無溶媒反応であり、更に好ましくは、トルエン又は無溶媒反応である。
【0073】
使用するフェノール化合物の添加量は、アルデヒド化合物1モルに対して、2.0モル以上であれば構わないが、好ましくは2.0〜4.0モルであり、更に好ましくは2.1〜3.0モルである。
【0074】
使用する塩基の添加量は、アルデヒド化合物1モルに対して、0.1〜2.0モルが好ましく、更に好ましくは0.1〜1.0モルであり、特に好ましくは0.3〜0.7モルである。
【0075】
使用する試薬は如何なる順番で添加しても良いが、好ましくは、フェノール化合物に水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、又はこれらの水溶液、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、カリウムメトキシド又はこれらのアルコール溶液を添加した後、生成する揮発成分を留去した後、アルデヒド化合物を添加する方法である。
【0076】
揮発成分を留去する方法は、如何なる手段を用いても良く、溶媒と共沸させて留去を行なっても良い。
【0077】
ここで言う揮発成分とは、フェノール化合物と塩基を混合する時に用いた水、又はメタノール、エタノール等のアルコール溶媒、及びフェノール化合物と塩基を混合することによって生成する水又はアルコール類のことである。
【0078】
反応温度は、50〜200℃が好ましく、更に好ましくは80〜170℃であり、特に好ましくは100〜150℃である。
【0079】
反応形態は、反応時に生成する水を留去しながら反応を行なう方法が好ましく、溶媒と共沸させて水の留去を行なっても良い。
【0080】
反応時間は、1〜50時間が好ましく、更に好ましくは5〜30時間である。反応物の処理方法は、如何なる手段を用いても良いが、適当な有機溶媒又は有機溶媒と水の混合溶液を添加した後、適当な酸で中和し、析出した粗結晶を濾過で得る方法が好ましい。
【0081】
本発明における適当な有機溶媒又は有機溶媒と水の混合溶液とは、酢酸エチル、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、メタノール、エタノール、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、メタノールと水の混合溶媒、エタノールと水の混合溶媒、テトラヒドロフランと水の混合溶媒又はアセトニトリルと水の混合溶媒等のことであり、好ましくはトルエン、ヘキサン、ヘプタン、メタノールと水の混合溶媒、エタノールと水の混合溶媒又はアセトニトリルと水の混合溶媒であり、更に好ましくはトルエン、ヘプタン、エタノールと水の混合溶媒又はアセトニトリルと水の混合溶媒である。
【0082】
本発明における適当な酸とは、無機酸、有機酸から選ばれる如何なる酸でも構わないが、好ましくは、塩酸、硫酸又はp−トルエンスルホン酸であり、更に好ましくは塩酸又は硫酸である。
【0083】
酸の添加方法は、如何なる方法で添加しても良いが、好ましくは水又は有機溶媒に溶解した物を添加する方法が好ましい。
【0084】
得られた粗結晶の精製方法は、如何なる手段を用いても良いが、適当な有機溶媒又は有機溶媒と水の混合溶液を用いて精製する方法が好ましい。本発明における現工程において、適当な有機溶媒又は有機溶媒と水の混合溶液とは、酢酸エチル、トルエン、ヘキサン、ヘプタン、アセトニトリル、メタノール、エタノール、アセトニトリルと水の混合溶媒、メタノールと水の混合溶媒、エタノールと水の混合溶媒等が挙げられ、これらから選ばれた溶媒を組み合わせて使用しても良い。好ましくはトルエン、ヘプタン、アセトニトリル又はアセトニトリルと水の混合溶媒である。精製に用いる溶媒の使用量は、反応物1gに対して、1〜10mlが好ましく、更に好ましくは、2〜8mlである。
【0085】
【実施例】
本発明に係わるビスフェノール誘導体の合成方法を以下の実施例で更に説明する。実施例における全ての生成物の分子構造は、プロトン核磁気共鳴分析並びに質量分析で確認した。
【0086】
実施例1(化合物B1の合成)
水酸化ナトリウム1.97gを水5.94mlに溶解し、2,4−キシレノール30.1g、トルエン15mlを加え、120℃で水及びトルエンの留去を行った。
【0087】
その後、反応溶液を室温まで戻し、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド13.65gを加え、120℃で8時間撹拌を行った。更に、生成する水を留去しながら、12時間加熱撹拌を行なった。
【0088】
加熱を止め、反応溶液の内温が80℃になったところで、ヘプタン64mlを徐々に加え、反応溶液を分散させた。室温まで放冷した後、濃塩酸5.28gと水14.4mlを混合した溶液を加え、4時間撹拌を行った。
【0089】
氷水冷却下で更に4時間撹拌を行った後、濾過後、ヘプタン54mlで洗浄して粗結晶を得た。得られた粗結晶をアセトニトリル133mlに加熱溶解し、濾過後、水88mlを加え、室温で4時間撹拌した。
【0090】
更に、氷水冷却下で4時間撹拌を行い、析出した結晶を濾取することにより、目的化合物28.8g(収率80%)を得た。
【0091】
このものの融点は198.5〜199.5℃、核磁気共鳴分析並びに質量分析での結果は下記の如くであった。
【0092】
1H−NMR(CDCl3):δ=1.00(d,3H,CH3)、1.33−1.34(m,1H,CH)、1.40−1.70(m,5H,CH2、CH3)、1.85−1.96(m,1H,CH)、2.11−2.23(m,13H,Ar−CH3,CH)、2.43−2.48(m,1H,CH)、4.43(d,1H,Ar−CH)、5.17−5.18(m,1H,C=CH)、5.50−6.50(br,2H,Ar−OH)、6.71(s,1H,Ar−H)、6.92(s,1H,Ar−H)、6.99(s,1H,Ar−H)、7.02(s,1H,Ar−H)。
【0093】
Mass:m/z 365(M+)
比較例1(化合物B1の合成)
2,4−キシレノール40.0g(0.32モル)及び2,4−ジメチル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド22.5g(0.16モル)をトルエン140mlに溶解した後、濃硫酸0.3mlを加え、16時間加熱還流を行なった。放冷後、反応溶液を飽和食塩水50mlで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濾過後、減圧濃縮を行なった。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、目的化合物6.1g(収率10.3%)を得た。
【0094】
比較例2(化合物B1の合成)
2,4−キシレノール14.0g(0.11モル)をトルエン14mlに溶解した後、p−トルエンスルホン酸一水和物5.5g(0.02モル)を加えた。反応溶液を60℃に保ったまま、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド7.9g(0.05モル)を徐々に滴下し、滴下終了後、60℃で20時間撹拌を行った。反応溶液に酢酸エチル50mlを加え、水25ml、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液25ml、飽和食塩水25mlで順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧濃縮を行なった。
【0095】
残渣にヘキサン60mlを加え、氷水冷却下で10時間撹拌することにより、粗結晶10.4gを得た。得られた粗結晶をアセトニトリル20mlで再結晶することにより、目的化合物7.2g(収率35%)を得た。
【0096】
比較例3(化合物B1の合成)
窒素雰囲気下、水酸化ナトリウム1.0gをメタノール50mlに溶解し、2,4−キシレノール30.5gを加えて20℃で30分間撹拌を行なった。反応溶液を30℃に昇温し、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド18.7gを15分間かけて滴下した。滴下終了後、加熱還流を12時間行ったが、目的化合物を得ることは出来なかった。
【0097】
比較例4(化合物B1の合成)
水酸化ナトリウム7.89gを水23.6mlに溶解し、2,4−キシレノール24.1g、トルエン70mlを加え、120℃で水及びトルエンの留去を行った。反応溶液を室温まで戻し、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセンカルボキシアルデヒド81.8gを加え、130℃で12時間撹拌を行ったが、目的化合物を得ることは出来なかった。
【0098】
実施例2(化合物B12の合成)
2−tert−ブチル−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール47.8gにトルエン190mlを加え、80℃で30分間加熱撹拌を行なった。反応溶液を室温まで戻した後、水酸化ナトリウム1.97gを水5.94mlに溶解した溶液を加え、120℃で水の留去を行った。
【0099】
反応溶液を室温まで戻し、チオフェン−2−カルボキシアルデヒド11.0gを加え、120℃で10時間撹拌を行った。更に、生成する水を留去しながら、15時間加熱撹拌を行なった。
【0100】
加熱を止め、反応溶液の内温を室温まで戻し、析出物を濾取した。濾取した析出物を酢酸エチル200mlに溶解し、この溶液を1モル/1000ml濃度の塩酸100ml、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100ml、飽和食塩水50mlで順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧濃縮を行った。
【0101】
得られた残渣にトルエン140mlを加え加熱溶解した後、室温で2時間撹拌を行った。更に、氷水冷却下で4時間撹拌を行い、析出した結晶を濾取することにより、目的化合物40.7g(収率86%)を得た。
【0102】
核磁気共鳴分析並びに質量分析での結果は下記の如くであった。
1H−NMR(CDCl3):δ=1.37(s,18H,CH3)、2.68(t,4H,CH2)、3.65(t,4H,CH2)、5.90(s,1H,CH)、6.67(s,1H,Ar−H)、6.68(s,1H,Ar−H)、6.79−6.80(m,1H,C=CH)、6.94−6.96(m,1H,C=CH)、7.06(s,2H,Ar−H)、7.25−7.26(m,1H,C=CH)。
【0103】
Mass:m/z 483(M+)
実施例3(化合物B17の合成)
2−tert−ブチル−4−メチルフェノール32.1gをトルエン64mlに溶解した。水酸化ナトリウム1.57gを水4.75mlに溶解した溶液を反応溶液に加え、120℃で水の留去を行った。
【0104】
反応溶液を室温まで戻し、チオフェン−2−カルボキシアルデヒド8.8gを加え、120℃で5時間撹拌を行った。更に、生成する水を留去しながら、12時間加熱撹拌を行なった。加熱を止め、反応溶液の内温を室温まで戻し、反応溶液に酢酸エチル32mlを加えた。反応溶液を1モル/1000ml濃度の塩酸70ml、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液70ml、飽和食塩水70mlで順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥、濾過後、減圧濃縮を行った。
【0105】
得られた残渣にアセトニトリル100mlを加え加熱溶解した後、室温で2時間撹拌を行った。更に、氷水冷却下で6時間撹拌を行い、析出した結晶を濾取することにより、目的化合物29.8g(収率90%)を得た。
【0106】
核磁気共鳴分析並びに質量分析での結果は下記の如くであった。
1H−NMR(CDCl3):δ=1.37(s,18H,CH3)、2.20(s,6H,CH3)、4.80−5.15(br,2H,Ar−OH)、5.84(s,1H,CH)、6.66(s,2H,Ar−H)、6.83−6.84(m,1H,C=CH)、6.97−6.99(m,1H,C=CH)、7.04(s,2H,Ar−H)、7.27−7.28(m,1H,C=CH)。
【0107】
Mass:m/z 423(M+)
実施例4(化合物B23の合成)
2−tert−ブチル−4−(2−ヒドロキシエチル)フェノール23.7gにトルエン100mlを加え、80℃で30分間加熱撹拌を行なった。反応溶液を室温まで戻した後、水酸化ナトリウム0.98gを水3.0mlに溶解した溶液を加え、120℃で水の留去を行った。
【0108】
反応溶液を室温まで戻し、2−メチル−n−バレルアルデヒド4.9gを加え、120℃で5時間撹拌を行った。更に、生成する水を留去しながら、8時間加熱撹拌を行なった。
【0109】
加熱を止め、反応溶液の内温を室温まで戻し、反応溶液に酢酸エチル50mlを加えた。この溶液を1モル/1000ml濃度の塩酸100ml、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液100ml、飽和食塩水50mlで順次洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過後、減圧濃縮を行った。得られた残渣にトルエン80mlを加えて加熱溶解した後、氷水冷却下で5時間撹拌を行った。析出結晶をろ取することにより、目的化合物40.6g(収率92%)を得た。
【0110】
質量分析での結果は下記の如くであった。
Mass:m/z 471(M+)
【0111】
【発明の効果】
本発明により、ビスフェノール誘導体を高収率に得ることの出来る製造方法と、それにより造れられたビスフェノール誘導体を提供することができる。特に立体障害性の高いフェノール化合物やアルデヒド化合物を原料とした場合に、高収率にビスフェノール誘導体を製造する方法とそれにより得られたビスフェノール誘導体を提供することができる。
Claims (6)
- 一般式(1)で表されるビスフェノール誘導体の製造方法において、フェノール化合物と塩基を混合し、生成する揮発成分を留去する工程と、次に、アルデヒド化合物を添加後、縮合時に生成する水を留去する工程を含むことを特徴とするビスフェノール誘導体の製造方法。
- 前記一般式(1)で表される化合物が、一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載のビスフェノール誘導体の製造方法。
r及びtは0〜2の整数を表し、複数のQ21及びQ22は同じでも異なっていても良い。) - 前記一般式(1)で表される化合物が、一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載のビスフェノール誘導体の製造方法。
G1が炭素原子、G2が窒素原子の場合、p=1、q=0又は1であり、且つ、Q1及びQ2は、各々独立に水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表すが、Q1及びQ2が共に水素原子であることはない。G1が炭素原子、G2が酸素原子、硫黄原子、又はセレン原子の場合、p=1、q=0であり、且つ、Q1はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。G1が窒素原子であり、G2が炭素原子又は窒素原子である場合、p=0、q=1であり、且つ、Q2はハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロ環基を表す。
Z2は炭素原子、G1及びG2と共に5員〜6員の芳香族環を構成するのに必要な原子群を表す。R31、R32、R33及びR34はアルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表し、Q31及びQ32はベンゼン環上に置換可能な基を表す。j及びkは0〜2の整数を表し、複数のQ31及びQ32は同じでも異なっていても良い。) - 前記アルデヒド化合物に対する前記フェノール化合物のモル数が、2.1〜3.0倍であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のビスフェノール誘導体の製造方法。
- 反応温度が100〜150℃であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のビスフェノール誘導体の製造方法。
- 請求項1に記載のビスフェノール誘導体の製造方法により製造され、前記一般式(1)のR1、R11及びR12で表される置換基の立体パラメーターEs値の総和が、−9.0以上、−5.0以下であることを特徴とするビスフェノール誘導体。
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JP2011518122A (ja) * | 2008-03-12 | 2011-06-23 | ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー | 脂環式部分を含むポリフェノール性化合物およびエポキシ樹脂、ならびにそれらの製造方法 |
-
2002
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