JP2004203251A - 車両用開閉体の開閉構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両用開閉体が閉位置にある状態におけるがたつきを防止するとともに、衝突がなかった場合等に容易かつ速やかに車両用開閉体を元の状態に復帰させることができる車両用開閉体の開閉構造を提供する。
【解決手段】車両用開閉体2の開閉動作を行うリンク機構4と、このリンク機構4を駆動する駆動機構5と、駆動機構5とリンク機構4とを連結して駆動機構5の動作をリンク機構4に伝達する伝達部材6と、車両用開閉体2の閉位置においてリンク機構4を拘束するとともに、車両用開閉体2を開位置に移動させる際の伝達部材6の動作によりリンク機構4の拘束が解除される拘束機構7とを備える。
【選択図】 図4
【解決手段】車両用開閉体2の開閉動作を行うリンク機構4と、このリンク機構4を駆動する駆動機構5と、駆動機構5とリンク機構4とを連結して駆動機構5の動作をリンク機構4に伝達する伝達部材6と、車両用開閉体2の閉位置においてリンク機構4を拘束するとともに、車両用開閉体2を開位置に移動させる際の伝達部材6の動作によりリンク機構4の拘束が解除される拘束機構7とを備える。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、車両用フード等の車両用開閉体を緊急時に開動作させるための開閉構造に関し、特に、車両用開閉体の閉状態においてがたつきが生じることを防止できる構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、走行中の車両が歩行者に衝突した際に歩行者に与える衝撃を緩和するために、車両が衝突を検知した際にエンジンルームの上部を覆うフードを瞬時にリフトアップ(開動作)させる技術が開発されている。この技術は、歩行者との衝突時に、車両用フードとエンジンルーム内の構造物との間に隙間を形成することにより、前記車両用フードの変形ストロークを確保して歩行者に与える衝撃を吸収できるようにするためのものである。
【0003】
この種の技術としては、歩行者が車両に衝突したことを検出する歩行者衝突検出センサと、車両用フードの後端部と車両本体との間に設けられたリンク機構と、歩行者衝突検出センサからの出力に応じて動作して車両用フードの後端部を持ち上げるインフレータと、このインフレータのロッドが上昇位置、すなわち車両用フードを持ち上げた位置に移動したときに前記ロッドの下降を阻止するフックとが設けられた装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、当接物との衝突又は衝突可能性を検出する衝突検出手段と、この衝突検出手段からの出力に応じて動作するアクチュエータと、このアクチュエータの動作により車両用フードの後端部を持ち上げるリンク(ヒンジ)機構とが設けられた装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。この装置では、アクチュエータとしてはガス発生装置を内蔵した空気圧式のもの等であって緩衝作用を有するものが用いられている。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−315266号公報(第3頁、第2図、第3図、第4図)
【特許文献2】
特開平11−310158号公報(第3頁、第3図、第4図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の技術によると、車両用フード等の車両用開閉体の閉じた状態における拘束は、インフレータ又はアクチュエータのロッドが、当該インフレータ又はアクチュエータの構造のみによって拘束されることにより行われている。しかしながら、このようなインフレータ又はアクチュエータの構造のみによる拘束では、ロッドがその位置で完全に固定されるものではなくある程度のガタが生じる上に、リンク機構を介して車両用開閉体に接続されている場合には、このリンク機構の各連結部にもガタが存在するために、閉じた状態での車両用開閉体のがたつきを完全に拘束することは困難である。したがって、車両の走行中にも車両用開閉体ががたついて振動音を生じる等の問題が発生する。
【0007】
また、このような従来の技術によると、歩行者衝突検出センサ又は衝突検出手段により衝突を検知してインフレータ又はアクチュエータが動作した場合であっても、実際に衝突が起こらなかった場合には車両用開閉体を元の位置に戻すことが必要となる。しかしながら、例えば特許文献1に開示された装置では、ロッドの下降を阻止するフックが設けられているためにロッドを下降させて車両用開閉体を元の位置に戻すことができない。また、例えば特許文献2に開示された装置では、アクチュエータが緩衝作用、すなわち車両用開閉装置を持ち上げた状態に保つ作用を有するので、同様に車両用開閉体を元の位置に戻すことができない。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、車両用開閉体が閉位置にある状態におけるがたつきを防止するとともに、衝突がなかった場合等に容易かつ速やかに車両用開閉体を元の状態に復帰させることができる車両用開閉体の開閉構造を提供することを技術課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための本発明に係る車両用開閉体の開閉構造の第1の特徴構成は、請求項1に記載したように、車両用開閉体の開閉動作を行うリンク機構と、このリンク機構を駆動する駆動機構と、前記駆動機構とリンク機構とを連結して前記駆動機構の動作を前記リンク機構に伝達する伝達部材と、前記車両用開閉体の閉位置において前記リンク機構を拘束するとともに、前記車両用開閉体を開位置に移動させる際の前記伝達部材の動作により前記リンク機構の拘束を解除する拘束機構とを備えたという点にある。
【0010】
これにより、車両用開閉体が閉位置にある状態においてリンク機構を拘束することでこの車両用開閉体が動かないように拘束することができるので、車両用開閉体が閉位置にある状態におけるがたつきを防止することができ、振動や騒音の発生を抑えることができる。また、前記駆動機構により伝達部材を介して前記リンク機構を逆方向に動作させることにより、衝突がなかった場合等に人手を煩わせることなく容易かつ速やかに車両用開閉体を元の状態に復帰させることができる。
【0011】
本発明に係る車両用開閉体の開閉構造の第2の特徴構成は、請求項2に記載したように、前記第1の特徴構成に加えて、前記拘束機構は、前記車両用開閉体を閉位置に移動させる際の前記伝達部材の動作により前記リンク機構を拘束する状態に復帰するという点にある。
【0012】
これにより、衝突がなかった場合等において車両用開閉体を元の閉位置にある状態に復帰させた後も前記拘束機構がリンク機構を拘束することになるので、車両用開閉体が動かないように拘束してがたつきを防止し、振動や騒音の発生を抑えることができる。
【0013】
本発明に係る車両用開閉体の開閉構造の第3の特徴構成は、請求項3に記載したように、前記第1又は第2の特徴構成に加えて、前記拘束機構は、前記リンク機構が前記車両用開閉体の閉位置に位置する状態において前記リンク機構の閉方向の動作を拘束するストッパ部材と、前記リンク機構が前記車両用開閉体の閉位置に位置する状態において前記リンク機構に係合して前記リンク機構の開方向の動作を拘束する係合部材とを有するという点にある。
【0014】
これにより、前記リンク機構が前記車両用開閉体の閉位置に位置する状態において、このリンク機構を、その閉方向、すなわち車両用開閉体を閉める方向、及びその開方向、すなわち車両用開閉体を開く方向の両方向の動作について拘束することができるので、車両用開閉体を閉位置においてがたつきが生じないように確実に拘束することができる。
【0015】
本発明に係る車両用開閉体の開閉構造の第4の特徴構成は、請求項4に記載したように、前記第3の特徴構成に加えて、前記伝達部材は、前記駆動機構により往復動作を行うように駆動される往復動作部材を有し、この往復動作部材の一方の端部が前記リンク機構に対して当該往復動作方向に一定範囲で摺動可能に連結されており、前記拘束機構の係合部材は、前記往復動作部材の往復動作に連動して前記リンク機構に対する係合及びその解除の動作を行う部材であって、前記往復動作部材が前記車両用開閉体の開方向に動作した際に、当該開方向の前記往復動作部材の前記摺動可能範囲の動作により前記係合部材は前記リンク機構に対する係合を解除するという点にある。
【0016】
これにより、前記伝達部材の摺動可能範囲内における動作によって、前記リンク機構を動作させることなく前記拘束機構の係合部材による係合の解除を行い、その後、更に前記伝達部材をその摺動可能範囲を超えて動作させることにより、リンク機構を開方向に動作させて車両用開閉体の開動作を行わせることができるので、前記係合部材による係合の解除と、リンク機構の開方向の動作すなわち車両用開閉体の開動作とを前記伝達部材の一方向の動作により行わせることができる。
【0017】
本発明に係る車両用開閉体の開閉構造の第5の特徴構成は、請求項5に記載したように、前記第3又は第4の特徴構成に加えて、前記係合部材は、一端部に形成された係合面が係合部材固定軸を中心に揺動することにより前記リンク機構に対する係合及びその解除の動作を行う構成を有し、前記リンク機構は、前記車両用開閉体の閉位置に位置する状態において前記係合部材の係合面の揺動方向の延長線と交差する係合面を有するという点にある。
【0018】
これにより、前記リンク機構や係合部材の取り付け位置や形状に誤差がある場合等においても、前記リンク機構の係合面に対して前記係合部材の係合面を確実に係合させることができるので、部材の製造や組み立て等の容易化を図ることができる。
【0019】
本発明に係る車両用開閉体の開閉構造の第6の特徴構成は、請求項6に記載したように、前記第3から第5のいずれかの特徴構成に加えて、前記ストッパ部材は、前記リンク機構の閉方向の動作を拘束する位置を調節可能に構成されたという点にある。
【0020】
したがって、前記ストッパ部材の位置を、前記リンク機構が前記車両用開閉体の閉位置に位置する状態においてがたつきがなく拘束されるように調節することができるので、前記リンク機構の各連結部のがたや部材間の隙間等によって生じるがたつきを抑えることができる。
【0021】
本発明に係る車両用開閉体の開閉構造の第7の特徴構成は、請求項7に記載したように、前記第1から第6のいずれかの特徴構成に加えて、前記駆動機構は、ウォーム及びウォームホイールを介して駆動力を前記伝達部材に伝達するという点にある。
【0022】
これにより、前記駆動機構を閉方向に動作させない限り、前記車両用開閉体側からの力によっては、前記リンク機構は閉方向に動作しない。したがって、前記車両用開閉体が開位置にある場合において、歩行者が衝突した場合等のように前記車両用開閉体を閉じる方向に力が作用した場合であっても、前記車両用開閉体を開位置に保持することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下に、本発明に係る車両用開閉体の開閉構造の第1の実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態は、車両用開閉体を、車両本体1のエンジンルームの上部を覆う、いわゆるボンネットといわれるフード2とし、車両が歩行者等と衝突した際に瞬時にフード2の後方端部をリフトアップ(開動作)させることにより、歩行者等に与える衝撃を緩和するための開閉構造に適用したものである。図1は、本実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造が適用された車両の前部を示す斜視図であり、図2は、この車両用開閉体の開閉構造とフード2との関係を示す斜視図である。これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造は、フード2の後方端部付近の両側にそれぞれ配置されている。また、図3は、本実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造の側面図であって、フード2が閉位置にある際の状態を示しており、図4は、その要部拡大図である。図5は、同様に本実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造の側面図であって、フード2が開位置にある際の状態を示しており、図6は、その要部拡大図である。また、図7は、図4のA−A断面図であり、図8は、図4のB−B断面図である。図1、図3、及び図5に示すように、フード2の前方端部の中央は、フードロック3により解除可能に係止されている。
【0024】
なお、本発明の実施の形態の説明において、前後あるいは上下の方向の概念は、この車両用開閉体の開閉構造が設けられる車両の前後方向及び上下方向を基準として統一的に用いるものとする。したがって、図3から図6においては、図中の左方向が前方向、右方向が後方向を指すことになり、図中の上又は下方向はそのまま上又は下方向を指すことになる。また、この車両用開閉体の開閉構造の各部の動作方向に関して、フード2を開く方向、すなわちフード2をリフトアップさせる方向を開方向、フード2を閉じる方向、すなわちリフトアップされたフード2を元に戻す方向を閉方向とする。そして、フード2が完全にリフトアップされて開かれた位置を開位置、フード2が完全に閉じた位置を閉位置とする。
【0025】
この車両用開閉体の開閉構造は、フード2の開閉動作を行うリンク機構4と、このリンク機構4を駆動する駆動機構5と、駆動機構5とリンク機構4とを連結して駆動機構5の動作をリンク機構4に伝達する伝達部材6と、フード2の閉位置においてリンク機構4を拘束するとともに、フード2を開位置に移動させる際の伝達部材6の動作によりリンク機構4の拘束が解除される拘束機構7とを有して構成されている。
【0026】
図3から図6に示すように、リンク機構4は、駆動機構5の駆動力により動作してフード2の開閉動作を行う機構である。本実施形態においては、リンク機構4は、第1リンク部材8と第2リンク部材9の2個のリンク部材が組み合わされて構成されており、そのリンク形式は、スコットラッセル式リンクに類似する構成のものとしている。
【0027】
すなわち、第1リンク部材8は、先端部10がフード2の後方端部に回転可能に連結され、基端部11が車両本体1に固定されたガイドレール12に沿って移動可能かつ回転可能に連結されている。具体的には、第1リンク部材8の先端部10は、フード2の後方端部に固定されたヒンジ13に対してピンを介して連結されており、図7及び図8にも示すように、基端部11は、車両本体1に固定されたガイドレール12に案内されるローラ14に対して回転可能に連結されている。このガイドレール12の案内方向は前後方向とされている。そして、このガイドレール12の案内路の前方端部には拘束機構7のストッパ部材34が設けられてローラ14の閉方向の移動を規制し、その案内路の後方端部にはストッパボルト40が設けられてローラ14の開方向の移動を規制する構成となっている。また、このガイドレール12の下方には、後述する拘束機構7の係合部材15を支持するためのブラケット16が取り付けられている。
【0028】
第2リンク部材9は、先端部17が第1リンク部材8のほぼ中間位置に回転可能に連結されており、中間部が車両本体1に固定された回転支点18に回転可能に支持されている。更に第2リンク部材9は、回転支点18を超えて反対側に伸びるアーム部19を備えており、そのアーム先端部20が伝達部材6のロッド21の後端部22に連結されている。このアーム先端部20とロッド21の後端部22との連結部の構成については後述する。そして、このアーム先端部20がロッド21によって前後方向に動作されることにより、リンク機構4が動作して、フード2の開閉を行う構成となっている。また、この第2リンク部材9のアーム部19のアーム先端部20の前側面には、後述する拘束機構7の係合部材15と係合する係合面23(図9から図11参照)が形成されている。この第2リンク部材9の係合面23と拘束機構7の係合部材15との係合に関しては後述する。
【0029】
また、この第2リンク部材9は、トーションバー24により開方向に付勢されている。具体的には、図4及び図6に示すように、トーションバー24の一端部が第2リンク部材9の回転支点18よりも先端側の所定位置に設けられた取付爪25に取り付けられており、図2に示すように、他端部が車両本体1に固定された取付ブラケット26aに回転不可能に取り付けられて構成されている。また、ここでは、トーションバー24は、動作時にバー本体の軸が本来の位置からずれないようにするため、バー本体の折り曲げ部近傍において支持ブラケット26bにより回転可能に支持されている。このトーションバー24により、リンク機構4は開方向に常時付勢されることになるので、フード2をリフトアップする際における駆動機構5の負荷を軽減することができる。
【0030】
駆動機構5は、リンク機構4を開方向及び閉方向に駆動するための駆動力を発生する機構である。本実施形態においては、駆動機構5は、駆動源として電動モータ27を用いることとし、この電動モータ27の駆動力を図示しないウォーム及びウォームホイールを介して減速して伝達部材6に伝達する構成としている。すなわち、電動モータ27の出力軸の回転がウォームに伝えられ、それによりウォームにかみ合わされたウォームホイールが回転され、このウォームホイールの回転が伝達部材6に伝えられる構成となっている。このようにすることにより、電動モータ27の駆動力を適切に減速して伝達部材6に伝えることができるとともに、伝達部材6側、すなわちフード2側からの力の入力に対しては、ウォーム及びウォームホイールにより力の伝達が遮断されるので、フード2の開位置において閉方向に作用する力に対する拘束機構を別個に設けることなく、フード2及びリンク機構4を拘束することができる。したがって、歩行者等がフード2に衝突した場合にもフード2を開位置で固定した状態に保持することができる。なお、この駆動機構5の電動モータ27は、センサ等により衝突を検知した際に開方向に出力軸を回転駆動し、所定の解除スイッチがオンされ、あるいはフード2のリフトアップから所定時間が経過したことのタイマ等の出力があったとき等に閉方向に出力軸を回転駆動する動作制御が行われる。
【0031】
伝達部材6は、駆動機構5とリンク機構4とを連結して駆動機構5の動作をリンク機構4に伝達する部材である。本実施形態においては、伝達部材6は、クランク機構により構成されており、具体的には、駆動機構5の出力軸、すなわちウォームホイールの回転軸に連動して回転するクランク腕28と、前端部29がクランク腕28に対して回転可能に取り付けられ、後端部22がリンク機構4のアーム先端部20に対して取り付けられたロッド21により構成されている。これにより、伝達部材6のロッド21は、駆動機構5の回転動作に従ってロッド21の長さ方向、すなわち前後方向に往復動作を行うように駆動される。したがって、ここでは、このロッド21が本発明の特許請求の範囲における往復動作部材に相当する。
【0032】
ここで、ロッド21の後端部22は、リンク機構4の第2リンク部材9のアーム先端部20に連結されている。このロッド21の後端部22と第2リンク部材9のアーム先端部20との連結部は、ロッド21の往復動作する前後方向、すなわちロッド21の長さ方向に一定範囲で摺動可能かつ回転可能とされている。このように摺動及び回転可能とするため、ここでは、ロッド21の後端部22にロッド長さ方向に長い長穴30を設け、第2リンク部材9のアーム先端部20に設けられたロッド連結ピン31をこの長穴30に挿入することにより、互いに摺動及び回転可能に連結された構成としている。なお、ロッド21の後端部22と第2リンク部材9のアーム先端部20との連結部の構成はこれに限定されるものではなく、ロッド21の後端部22が第2リンク部材9のアーム先端部20に対して摺動可能かつ回転可能に連結される構成であれば、他のあらゆる構成を用いることが可能である。そのような他の構成としては、例えば、ロッド21の後端部22にロッド長さ方向の摺動溝を設け、第2リンク部材9のアーム先端部20に回転可能に設けたスライダをこの摺動溝に対して摺動可能に取り付けた構成等がある。
【0033】
また、伝達部材6のロッド21は、開方向、すなわち前方向に動作した際に、ロッド21の長穴30による摺動可能範囲における当該開方向への動作により、拘束機構7の係合部材15のリンク機構4に対する係合を解除させる係合解除機構を備えている。この係合解除機構は、本実施形態においては、図9から図11に示すように、ロッド21の後端部22における長穴30の下方に、ロッド21の往復動作する前後方向、すなわちロッド21の長さ方向に傾斜するように形成された傾斜面32により構成されている。この傾斜面32は、ロッド21の摺動可能範囲における開方向への動作により、この傾斜面32に沿って摺動する係合部材15の動作ピン33を下方に押し下げてリンク機構4との係合を解除させるものである。この係合部材15の動作ピン33とロッド21の傾斜面32との関係については後述する。なお、この係合解除機構の構成はこの実施例に限定されるものではなく、ロッド21の摺動可能範囲における開方向への動作により、係合部材15のリンク機構4に対する係合を解除させることが可能な構成であれば用いることが可能である。そのような他の構成としては、例えば、ロッド21と係合部材15との間に、ロッド21の摺動可能範囲における開方向への動作に連動して係合部材15を下方へ押し下げる動作を行うリンク等の動作機構を設けた構成等がある。
【0034】
拘束機構7は、フード2の閉位置においてリンク機構4を拘束する機構である。この拘束機構7は、フード2を開位置に移動させる際の伝達部材6ロッド21の動作によりリンク機構4の拘束を解除するとともに、フード2を閉位置に移動させる際のロッド21の動作によりリンク機構4を拘束する状態に復帰する動作を行う。そのため、本実施形態においては、拘束機構7は、リンク機構4がフード2の閉位置に位置する状態においてリンク機構4の閉方向の動作を拘束するストッパ部材34と、リンク機構4がフード2の閉位置に位置する状態においてリンク機構4に係合してリンク機構4の開方向の動作を拘束する係合部材15とを有して構成されている。
【0035】
ストッパ部材34は、リンク機構4がフード2の閉位置に位置する状態において、リンク機構4の第1リンク部材8の基端部11が更に閉方向に移動しないように停止させる部材であって、ここでは、ガイドレール12の案内路の前端部近傍であって、第1リンク部材8の基端部11に連結されたローラ14がフード2の閉位置において当接する位置に固定された部材により構成されている。このストッパ部材34にローラ14が当接することにより、第1リンク部材8の基端部11はそれ以上閉方向に移動しないように停止されるので、リンク機構4がフード2の閉位置に位置する状態において更なる閉方向の動作が拘束される。また、このストッパ部材34は、リンク機構4の閉方向の動作を拘束する位置を調節可能に構成されると好適である。そのため、ここではストッパ部材34は、長穴35を介してガイドレール12に固定された構成とされており、ガイドレール12の案内方向に沿って前後にその固定位置を調節できるようになっている。これにより、第1リンク部材8の基端部11を停止させる位置、すなわちリンク機構4がフード2の閉位置に位置する状態においてリンク機構4の閉方向の動作を拘束する位置を容易に調節することができる。
【0036】
係合部材15は、伝達部材6のロッド21の前後方向の往復動作に連動してリンク機構4に対する係合及びその解除の動作を行う部材であって、ロッド21が開方向に動作した際にその摺動可能範囲の動作によりリンク機構4に対する係合を解除し、ロッド21の閉方向の動作によりリンク機構4に対する係合状態に復帰する動作を行う。図9から図11は、ロッド21の往復動作に従ってリンク機構4の係合の解除又は係合を行う係合部材15の動作を説明するための図であって、係合部材15の動作を見やすくするために、ブラケット16を破線により表している。これらの図にも示すように、本実施形態においては、係合部材15は、その後方端部に、第2リンク部材9のアーム先端部20の前側面に形成された係合面23と係合する係合面36を有し、この係合面36の前方位置において車両本体1に固定されたブラケット16に取り付けられた係合部材固定軸37により揺動可能に支持されている。これにより、係合部材15の係合面36は係合部材固定軸37を中心に上下方向に揺動することとなる。
【0037】
また、係合部材15は、ねじりコイルばね38により常に係合面36が上方向、すなわち図9から図11における反時計方向に付勢されている。更に、係合部材15は、その係合面36の近傍位置に、ロッド21の後端部22に形成された傾斜面32に当接するように突出して形成された動作ピン33を有している。この動作ピン33は、ねじりコイルばね38の付勢力によってロッド21の傾斜面32に常に押し付けられており、ロッド21の往復動作に従ってその傾斜面32に沿って摺動する。これにより、係合部材15の係合面36は、ロッド21の前後方向の往復動作に従って上下方向に揺動することになる。この際の係合部材15の係合面36の上下方向の動作量としては、ロッド21の摺動可能範囲における開方向、すなわち前方向の動作によって係合面36が下方に移動する量が、第2リンク部材9の係合面23との係合が完全に解除されるために十分な移動量とする必要がある。
【0038】
また、係合部材15の係合面36、及び第2リンク部材9のアーム先端部20に形成された係合面23の形状に関して、ここでは、図9から図11に示すように、係合部材15の係合面36は、係合部材固定軸37を中心とした側面視が円弧形状の曲面とし、第2リンク部材9の係合面23は、側面視が直線形状の平面としている。しかし、係合部材15の係合面36と第2リンク部材9のアーム先端部20に形成された係合面23との関係は、リンク機構4が閉位置にある状態において第2リンク部材9の係合面23が、係合部材15の係合面36の揺動方向の延長線と交差する面となるように形成するとより好適である。そのため、図12に示す例では、係合部材15の係合面36は係合部材固定軸37を中心とした円弧形状とするとともに、第2リンク部材9の係合面23についても、リンク機構4が閉位置にある状態において係合部材固定軸37のよりも下方の位置を中心39とする円弧形状であって、係合部材固定軸37を中心とした円弧と交差する形状としている。これにより、係合部材15の係合面36の揺動方向の延長線が第2リンク部材9の係合面23と交差することになるので、第2リンク部材9の取付位置や係合面23の形状、あるいは係合部材15の取付位置や係合面36の形状等に誤差があったとしても確実に係合部材15の係合面36を第2リンク部材9の係合面23に係合させることができる。
【0039】
以下、本実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造の動作について説明する。まず、車両が歩行者等と衝突した際に瞬時にフード2の後方端部をリフトアップさせる際の動作(開動作)について説明する。図3及び図4に示すように、フード2が閉位置にある状態において、衝突が検知された場合には、駆動機構5が開方向に動作し、伝達部材6のクランク腕28が反時計方向に所定角度回転してロッド21を前方向(開方向)に動作させる。この際、図9に示すようにリンク機構4の第2リンク部材9の係合面23に係合されている係合部材15は、ロッド21の長穴30による摺動可能範囲におけるロッド21の開方向、すなわち前方向への移動により、図10に示すように、そのリンク機構4に対する係合が解除される。詳しくは、ロッド21が開方向に動作することにより、係合部材15の動作ピン33がロッド21の後端部22に形成された傾斜面32に沿って下方に押し下げられて、係合部材15の係合面36がねじりコイルばね38の付勢力に抗して下方に揺動し、リンク機構4の第2リンク部材9の係合面23との係合が解除される。この際の係合部材15の係合の解除に要するロッド21の開方向の動作量は、ロッド21の長穴30と第2リンク部材9のアーム先端部20に設けられたロッド連結ピン31との摺動可能範囲であってリンク機構4が動作しない範囲内である。
【0040】
その後、更にロッド21を前方向(開方向)に動作させると、ロッド21の長穴30による摺動可能範囲を超えてロッド21が動作することになり、図5及び図6に示すように、リンク機構4の第2リンク部材9のアーム先端部20がロッド21により前方向に動作されて第2リンク部材9が回転支点18を中心に時計方向に回転する。これにより、第2リンク部材9の先端部17と第1リンク部材8との連結点が上方に引き上げられるとともに、第1リンク部材8の基端部11がガイドレール12に沿って後方に移動して第1リンク部材8が起き上がり、フード2がリフトアップされて開位置に移動する。そして、第1リンク部材8の基端部11のローラ14がガイドレール12の案内路の後方端部に設けられたストッパボルト40に当接し、これによりリンク機構4の開方向の動作が停止する。このフード2のリフトアップの際、トーションバー24の開方向の付勢力により駆動機構5の負荷が軽減される。また、このとき第2リンク部材9のアーム先端部20はロッド21の後端部22とともに前方に移動して図11に示すような状態となる。
【0041】
次に、リフトアップされて開位置にあるフード2を元の閉位置に戻す際の動作(閉動作)について説明する。図5及び図6に示すように、フード2が開位置にある状態において、所定の解除スイッチがオンされ、あるいはフード2のリフトアップから所定時間が経過したことのタイマ等の出力があったとき等には、駆動機構5が閉方向に動作し、伝達部材6のクランク腕28が時計方向に所定角度回転してロッド21を後方向(閉方向)に動作させる。すると、図3及び図4に示すように、リンク機構4の第2リンク部材9のアーム先端部20がロッド21により後方向に動作されて第2リンク部材9が回転支点18を中心に反時計方向に回転する。これにより、第2リンク部材9の先端部17と第1リンク部材8との連結点が下方に引き下げられるとともに、第1リンク部材8の基端部11がガイドレール12に沿って前方に移動してストッパ部材34に当たって停止し、第1リンク部材8が横になって、フード2が元の閉位置に移動する。
【0042】
この際、係合部材15は、ねじりコイルばね38によりその係合面36が上方に移動する方向に付勢されているので、図9に示すように、ロッド21の後方向(閉方向)の動作により、動作ピン33がロッド21の傾斜面32に沿って摺動して上方の位置に移動し、それに伴って係合部材15の係合面36が上方の係合位置に復帰して、第2リンク部材9のアーム先端部20に形成された係合面23に係合する。これにより、リンク機構4は、閉位置に位置する状態において、ストッパ部材34と係合部材15とにより閉方向と開方向の両方向に拘束されることになるので、フード2は閉位置においてがたつきが生じないように確実に拘束される。
【0043】
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る車両用開閉体の開閉構造の第2の実施形態について図面に基づいて説明する。この第2の実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造が、前述の第1の実施形態と比較して異なる点は、拘束機構7のストッパ部材41をガイドレール12に固定して設けるのではなく、ガイドレール12とともに車両本体1に固定されたブラケット16に設けた点にある。具体的には、図13及び図14、並びに図13のC−C断面図である図15に示すように、リンク機構4の第2リンク部材9のアーム部19における所定位置にブラケット16側、すなわち図13及び図14における紙面手前側に突出する係止突起42を形成するとともに、この係止突起42と係合するブラケット16の所定位置において上方に突出するストッパ部材41を形成した構成としている。ここで、ブラケット16のストッパ部材41が形成される所定位置は、図13に示すようにリンク機構4が閉位置にある状態において、第2リンク部材9の係止突起42と係合する位置とする。すなわち、このストッパ部材41の設けられる位置によりリンク機構4の閉方向の動作が拘束される位置が決定される。したがって、図においては、ストッパ部材41はブラケット16に一体的に設けたものとして表しているが、これをブラケット16に対して長穴を介してボルト止めする等のように、前後方向に位置調節可能な構成とすると好適である。
【0044】
本実施形態においても、拘束機構7の係合部材15の構成及び動作は前述の第1の実施形態と同様である。したがって、フード2の後方端部をリフトアップさせる際には、図13に示すようにリンク機構4の第2リンク部材9の係合面23に係合されている係合部材15は、ロッド21の長穴30による摺動可能範囲におけるロッド21の開方向、すなわち前方向への移動により、そのリンク機構4に対する係合が解除される。そして、ロッド21が摺動可能範囲を超えて開方向に動作すると、第2リンク部材9のアーム先端部20はロッド21の後端部22とともに前方に移動して図14に示すような状態となり、ストッパ部材41と係合部材15の双方による拘束が解除された状態となる。
【0045】
(その他の実施形態)
本願のその他の実施形態に関して以下説明する。上記の実施形態においては、車輌用開閉体をフード2とした例について説明したが、本発明に係る車両用開閉体の開閉構造は、開閉動作を行うものであって閉状態においてがたつきなく確実に拘束する必要がある開閉体の開閉構造に適用することができる。また、上記の実施形態においては、リンク機構4は、第1リンク部材8と第2リンク部材9の2個のリンク部材が組み合わされたスコットラッセル式リンクに類似する構成のものとしているが、リンク機構4の構成はこれに限定されるものではなく、伝達部材6の動作により車両用開閉体の開閉動作を行うことが可能なものであれば他のリンク形式を採用することも可能である。また、上記の実施形態においては、駆動機構5として電動モータ27とウォーム及びウォームホイールとの組み合わせを用いた場合について説明しているが、駆動機構5の構成はこれに限定されるものではなく、例えば、油圧や空気圧を用いたシリンダ等、他の駆動源を用いた構成とすることも可能である。ただし、この場合においても、車両用開閉体を開状態において拘束するための開位置用の拘束機構を設けることは必要となる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る車両用開閉体の開閉構造によれば、車両用開閉体が閉位置にある状態におけるがたつきを防止することができ、振動や騒音の発生を抑えることができる。また、衝突がなかった場合等に人手を煩わせることなく容易かつ速やかに車両用開閉体を元の状態に復帰させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造が適用された車両の前部を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造とフードとの関係を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造の側面図であって、フードが閉位置にある際の状態を示す図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造の側面図であって、フードが開位置にある際の状態を示す図である。
【図6】図5の要部拡大図である。
【図7】図4のA−A断面図である。
【図8】図4のB−B断面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造における係合部材近傍の構成を示す側面図であって、係合部材がリンク機構に係合されている状態を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造における係合部材近傍の構成を示す側面図であって、係合部材のリンク機構に対する係合が解除された状態を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造における係合部材近傍の構成を示す側面図であって、リンク機構が開位置に移動した状態を示す図である。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造における係合部材の係合面と第2リンク部材の係合面との係合部の一例を示す拡大図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造における係合部材近傍の構成を示す側面図であって、係合部材がリンク機構に係合されている状態を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造における係合部材近傍の構成を示す側面図であって、リンク機構が開位置に移動した状態を示す図である。
【図15】図13のC−C断面図である。
【符号の説明】
1 車両本体
2 フード(車両用開閉体)
4 リンク機構
5 駆動機構
6 伝達部材
7 拘束機構
8 第1リンク部材
9 第2リンク部材
15 係合部材
21 ロッド
23 第2リンク部材の係合面
30 ロッドの長穴
34、41 ストッパ部材
36 係合部材の係合面
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、車両用フード等の車両用開閉体を緊急時に開動作させるための開閉構造に関し、特に、車両用開閉体の閉状態においてがたつきが生じることを防止できる構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、走行中の車両が歩行者に衝突した際に歩行者に与える衝撃を緩和するために、車両が衝突を検知した際にエンジンルームの上部を覆うフードを瞬時にリフトアップ(開動作)させる技術が開発されている。この技術は、歩行者との衝突時に、車両用フードとエンジンルーム内の構造物との間に隙間を形成することにより、前記車両用フードの変形ストロークを確保して歩行者に与える衝撃を吸収できるようにするためのものである。
【0003】
この種の技術としては、歩行者が車両に衝突したことを検出する歩行者衝突検出センサと、車両用フードの後端部と車両本体との間に設けられたリンク機構と、歩行者衝突検出センサからの出力に応じて動作して車両用フードの後端部を持ち上げるインフレータと、このインフレータのロッドが上昇位置、すなわち車両用フードを持ち上げた位置に移動したときに前記ロッドの下降を阻止するフックとが設けられた装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、当接物との衝突又は衝突可能性を検出する衝突検出手段と、この衝突検出手段からの出力に応じて動作するアクチュエータと、このアクチュエータの動作により車両用フードの後端部を持ち上げるリンク(ヒンジ)機構とが設けられた装置が開示されている(例えば、特許文献2参照)。この装置では、アクチュエータとしてはガス発生装置を内蔵した空気圧式のもの等であって緩衝作用を有するものが用いられている。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−315266号公報(第3頁、第2図、第3図、第4図)
【特許文献2】
特開平11−310158号公報(第3頁、第3図、第4図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の技術によると、車両用フード等の車両用開閉体の閉じた状態における拘束は、インフレータ又はアクチュエータのロッドが、当該インフレータ又はアクチュエータの構造のみによって拘束されることにより行われている。しかしながら、このようなインフレータ又はアクチュエータの構造のみによる拘束では、ロッドがその位置で完全に固定されるものではなくある程度のガタが生じる上に、リンク機構を介して車両用開閉体に接続されている場合には、このリンク機構の各連結部にもガタが存在するために、閉じた状態での車両用開閉体のがたつきを完全に拘束することは困難である。したがって、車両の走行中にも車両用開閉体ががたついて振動音を生じる等の問題が発生する。
【0007】
また、このような従来の技術によると、歩行者衝突検出センサ又は衝突検出手段により衝突を検知してインフレータ又はアクチュエータが動作した場合であっても、実際に衝突が起こらなかった場合には車両用開閉体を元の位置に戻すことが必要となる。しかしながら、例えば特許文献1に開示された装置では、ロッドの下降を阻止するフックが設けられているためにロッドを下降させて車両用開閉体を元の位置に戻すことができない。また、例えば特許文献2に開示された装置では、アクチュエータが緩衝作用、すなわち車両用開閉装置を持ち上げた状態に保つ作用を有するので、同様に車両用開閉体を元の位置に戻すことができない。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、車両用開閉体が閉位置にある状態におけるがたつきを防止するとともに、衝突がなかった場合等に容易かつ速やかに車両用開閉体を元の状態に復帰させることができる車両用開閉体の開閉構造を提供することを技術課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するための本発明に係る車両用開閉体の開閉構造の第1の特徴構成は、請求項1に記載したように、車両用開閉体の開閉動作を行うリンク機構と、このリンク機構を駆動する駆動機構と、前記駆動機構とリンク機構とを連結して前記駆動機構の動作を前記リンク機構に伝達する伝達部材と、前記車両用開閉体の閉位置において前記リンク機構を拘束するとともに、前記車両用開閉体を開位置に移動させる際の前記伝達部材の動作により前記リンク機構の拘束を解除する拘束機構とを備えたという点にある。
【0010】
これにより、車両用開閉体が閉位置にある状態においてリンク機構を拘束することでこの車両用開閉体が動かないように拘束することができるので、車両用開閉体が閉位置にある状態におけるがたつきを防止することができ、振動や騒音の発生を抑えることができる。また、前記駆動機構により伝達部材を介して前記リンク機構を逆方向に動作させることにより、衝突がなかった場合等に人手を煩わせることなく容易かつ速やかに車両用開閉体を元の状態に復帰させることができる。
【0011】
本発明に係る車両用開閉体の開閉構造の第2の特徴構成は、請求項2に記載したように、前記第1の特徴構成に加えて、前記拘束機構は、前記車両用開閉体を閉位置に移動させる際の前記伝達部材の動作により前記リンク機構を拘束する状態に復帰するという点にある。
【0012】
これにより、衝突がなかった場合等において車両用開閉体を元の閉位置にある状態に復帰させた後も前記拘束機構がリンク機構を拘束することになるので、車両用開閉体が動かないように拘束してがたつきを防止し、振動や騒音の発生を抑えることができる。
【0013】
本発明に係る車両用開閉体の開閉構造の第3の特徴構成は、請求項3に記載したように、前記第1又は第2の特徴構成に加えて、前記拘束機構は、前記リンク機構が前記車両用開閉体の閉位置に位置する状態において前記リンク機構の閉方向の動作を拘束するストッパ部材と、前記リンク機構が前記車両用開閉体の閉位置に位置する状態において前記リンク機構に係合して前記リンク機構の開方向の動作を拘束する係合部材とを有するという点にある。
【0014】
これにより、前記リンク機構が前記車両用開閉体の閉位置に位置する状態において、このリンク機構を、その閉方向、すなわち車両用開閉体を閉める方向、及びその開方向、すなわち車両用開閉体を開く方向の両方向の動作について拘束することができるので、車両用開閉体を閉位置においてがたつきが生じないように確実に拘束することができる。
【0015】
本発明に係る車両用開閉体の開閉構造の第4の特徴構成は、請求項4に記載したように、前記第3の特徴構成に加えて、前記伝達部材は、前記駆動機構により往復動作を行うように駆動される往復動作部材を有し、この往復動作部材の一方の端部が前記リンク機構に対して当該往復動作方向に一定範囲で摺動可能に連結されており、前記拘束機構の係合部材は、前記往復動作部材の往復動作に連動して前記リンク機構に対する係合及びその解除の動作を行う部材であって、前記往復動作部材が前記車両用開閉体の開方向に動作した際に、当該開方向の前記往復動作部材の前記摺動可能範囲の動作により前記係合部材は前記リンク機構に対する係合を解除するという点にある。
【0016】
これにより、前記伝達部材の摺動可能範囲内における動作によって、前記リンク機構を動作させることなく前記拘束機構の係合部材による係合の解除を行い、その後、更に前記伝達部材をその摺動可能範囲を超えて動作させることにより、リンク機構を開方向に動作させて車両用開閉体の開動作を行わせることができるので、前記係合部材による係合の解除と、リンク機構の開方向の動作すなわち車両用開閉体の開動作とを前記伝達部材の一方向の動作により行わせることができる。
【0017】
本発明に係る車両用開閉体の開閉構造の第5の特徴構成は、請求項5に記載したように、前記第3又は第4の特徴構成に加えて、前記係合部材は、一端部に形成された係合面が係合部材固定軸を中心に揺動することにより前記リンク機構に対する係合及びその解除の動作を行う構成を有し、前記リンク機構は、前記車両用開閉体の閉位置に位置する状態において前記係合部材の係合面の揺動方向の延長線と交差する係合面を有するという点にある。
【0018】
これにより、前記リンク機構や係合部材の取り付け位置や形状に誤差がある場合等においても、前記リンク機構の係合面に対して前記係合部材の係合面を確実に係合させることができるので、部材の製造や組み立て等の容易化を図ることができる。
【0019】
本発明に係る車両用開閉体の開閉構造の第6の特徴構成は、請求項6に記載したように、前記第3から第5のいずれかの特徴構成に加えて、前記ストッパ部材は、前記リンク機構の閉方向の動作を拘束する位置を調節可能に構成されたという点にある。
【0020】
したがって、前記ストッパ部材の位置を、前記リンク機構が前記車両用開閉体の閉位置に位置する状態においてがたつきがなく拘束されるように調節することができるので、前記リンク機構の各連結部のがたや部材間の隙間等によって生じるがたつきを抑えることができる。
【0021】
本発明に係る車両用開閉体の開閉構造の第7の特徴構成は、請求項7に記載したように、前記第1から第6のいずれかの特徴構成に加えて、前記駆動機構は、ウォーム及びウォームホイールを介して駆動力を前記伝達部材に伝達するという点にある。
【0022】
これにより、前記駆動機構を閉方向に動作させない限り、前記車両用開閉体側からの力によっては、前記リンク機構は閉方向に動作しない。したがって、前記車両用開閉体が開位置にある場合において、歩行者が衝突した場合等のように前記車両用開閉体を閉じる方向に力が作用した場合であっても、前記車両用開閉体を開位置に保持することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下に、本発明に係る車両用開閉体の開閉構造の第1の実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態は、車両用開閉体を、車両本体1のエンジンルームの上部を覆う、いわゆるボンネットといわれるフード2とし、車両が歩行者等と衝突した際に瞬時にフード2の後方端部をリフトアップ(開動作)させることにより、歩行者等に与える衝撃を緩和するための開閉構造に適用したものである。図1は、本実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造が適用された車両の前部を示す斜視図であり、図2は、この車両用開閉体の開閉構造とフード2との関係を示す斜視図である。これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造は、フード2の後方端部付近の両側にそれぞれ配置されている。また、図3は、本実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造の側面図であって、フード2が閉位置にある際の状態を示しており、図4は、その要部拡大図である。図5は、同様に本実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造の側面図であって、フード2が開位置にある際の状態を示しており、図6は、その要部拡大図である。また、図7は、図4のA−A断面図であり、図8は、図4のB−B断面図である。図1、図3、及び図5に示すように、フード2の前方端部の中央は、フードロック3により解除可能に係止されている。
【0024】
なお、本発明の実施の形態の説明において、前後あるいは上下の方向の概念は、この車両用開閉体の開閉構造が設けられる車両の前後方向及び上下方向を基準として統一的に用いるものとする。したがって、図3から図6においては、図中の左方向が前方向、右方向が後方向を指すことになり、図中の上又は下方向はそのまま上又は下方向を指すことになる。また、この車両用開閉体の開閉構造の各部の動作方向に関して、フード2を開く方向、すなわちフード2をリフトアップさせる方向を開方向、フード2を閉じる方向、すなわちリフトアップされたフード2を元に戻す方向を閉方向とする。そして、フード2が完全にリフトアップされて開かれた位置を開位置、フード2が完全に閉じた位置を閉位置とする。
【0025】
この車両用開閉体の開閉構造は、フード2の開閉動作を行うリンク機構4と、このリンク機構4を駆動する駆動機構5と、駆動機構5とリンク機構4とを連結して駆動機構5の動作をリンク機構4に伝達する伝達部材6と、フード2の閉位置においてリンク機構4を拘束するとともに、フード2を開位置に移動させる際の伝達部材6の動作によりリンク機構4の拘束が解除される拘束機構7とを有して構成されている。
【0026】
図3から図6に示すように、リンク機構4は、駆動機構5の駆動力により動作してフード2の開閉動作を行う機構である。本実施形態においては、リンク機構4は、第1リンク部材8と第2リンク部材9の2個のリンク部材が組み合わされて構成されており、そのリンク形式は、スコットラッセル式リンクに類似する構成のものとしている。
【0027】
すなわち、第1リンク部材8は、先端部10がフード2の後方端部に回転可能に連結され、基端部11が車両本体1に固定されたガイドレール12に沿って移動可能かつ回転可能に連結されている。具体的には、第1リンク部材8の先端部10は、フード2の後方端部に固定されたヒンジ13に対してピンを介して連結されており、図7及び図8にも示すように、基端部11は、車両本体1に固定されたガイドレール12に案内されるローラ14に対して回転可能に連結されている。このガイドレール12の案内方向は前後方向とされている。そして、このガイドレール12の案内路の前方端部には拘束機構7のストッパ部材34が設けられてローラ14の閉方向の移動を規制し、その案内路の後方端部にはストッパボルト40が設けられてローラ14の開方向の移動を規制する構成となっている。また、このガイドレール12の下方には、後述する拘束機構7の係合部材15を支持するためのブラケット16が取り付けられている。
【0028】
第2リンク部材9は、先端部17が第1リンク部材8のほぼ中間位置に回転可能に連結されており、中間部が車両本体1に固定された回転支点18に回転可能に支持されている。更に第2リンク部材9は、回転支点18を超えて反対側に伸びるアーム部19を備えており、そのアーム先端部20が伝達部材6のロッド21の後端部22に連結されている。このアーム先端部20とロッド21の後端部22との連結部の構成については後述する。そして、このアーム先端部20がロッド21によって前後方向に動作されることにより、リンク機構4が動作して、フード2の開閉を行う構成となっている。また、この第2リンク部材9のアーム部19のアーム先端部20の前側面には、後述する拘束機構7の係合部材15と係合する係合面23(図9から図11参照)が形成されている。この第2リンク部材9の係合面23と拘束機構7の係合部材15との係合に関しては後述する。
【0029】
また、この第2リンク部材9は、トーションバー24により開方向に付勢されている。具体的には、図4及び図6に示すように、トーションバー24の一端部が第2リンク部材9の回転支点18よりも先端側の所定位置に設けられた取付爪25に取り付けられており、図2に示すように、他端部が車両本体1に固定された取付ブラケット26aに回転不可能に取り付けられて構成されている。また、ここでは、トーションバー24は、動作時にバー本体の軸が本来の位置からずれないようにするため、バー本体の折り曲げ部近傍において支持ブラケット26bにより回転可能に支持されている。このトーションバー24により、リンク機構4は開方向に常時付勢されることになるので、フード2をリフトアップする際における駆動機構5の負荷を軽減することができる。
【0030】
駆動機構5は、リンク機構4を開方向及び閉方向に駆動するための駆動力を発生する機構である。本実施形態においては、駆動機構5は、駆動源として電動モータ27を用いることとし、この電動モータ27の駆動力を図示しないウォーム及びウォームホイールを介して減速して伝達部材6に伝達する構成としている。すなわち、電動モータ27の出力軸の回転がウォームに伝えられ、それによりウォームにかみ合わされたウォームホイールが回転され、このウォームホイールの回転が伝達部材6に伝えられる構成となっている。このようにすることにより、電動モータ27の駆動力を適切に減速して伝達部材6に伝えることができるとともに、伝達部材6側、すなわちフード2側からの力の入力に対しては、ウォーム及びウォームホイールにより力の伝達が遮断されるので、フード2の開位置において閉方向に作用する力に対する拘束機構を別個に設けることなく、フード2及びリンク機構4を拘束することができる。したがって、歩行者等がフード2に衝突した場合にもフード2を開位置で固定した状態に保持することができる。なお、この駆動機構5の電動モータ27は、センサ等により衝突を検知した際に開方向に出力軸を回転駆動し、所定の解除スイッチがオンされ、あるいはフード2のリフトアップから所定時間が経過したことのタイマ等の出力があったとき等に閉方向に出力軸を回転駆動する動作制御が行われる。
【0031】
伝達部材6は、駆動機構5とリンク機構4とを連結して駆動機構5の動作をリンク機構4に伝達する部材である。本実施形態においては、伝達部材6は、クランク機構により構成されており、具体的には、駆動機構5の出力軸、すなわちウォームホイールの回転軸に連動して回転するクランク腕28と、前端部29がクランク腕28に対して回転可能に取り付けられ、後端部22がリンク機構4のアーム先端部20に対して取り付けられたロッド21により構成されている。これにより、伝達部材6のロッド21は、駆動機構5の回転動作に従ってロッド21の長さ方向、すなわち前後方向に往復動作を行うように駆動される。したがって、ここでは、このロッド21が本発明の特許請求の範囲における往復動作部材に相当する。
【0032】
ここで、ロッド21の後端部22は、リンク機構4の第2リンク部材9のアーム先端部20に連結されている。このロッド21の後端部22と第2リンク部材9のアーム先端部20との連結部は、ロッド21の往復動作する前後方向、すなわちロッド21の長さ方向に一定範囲で摺動可能かつ回転可能とされている。このように摺動及び回転可能とするため、ここでは、ロッド21の後端部22にロッド長さ方向に長い長穴30を設け、第2リンク部材9のアーム先端部20に設けられたロッド連結ピン31をこの長穴30に挿入することにより、互いに摺動及び回転可能に連結された構成としている。なお、ロッド21の後端部22と第2リンク部材9のアーム先端部20との連結部の構成はこれに限定されるものではなく、ロッド21の後端部22が第2リンク部材9のアーム先端部20に対して摺動可能かつ回転可能に連結される構成であれば、他のあらゆる構成を用いることが可能である。そのような他の構成としては、例えば、ロッド21の後端部22にロッド長さ方向の摺動溝を設け、第2リンク部材9のアーム先端部20に回転可能に設けたスライダをこの摺動溝に対して摺動可能に取り付けた構成等がある。
【0033】
また、伝達部材6のロッド21は、開方向、すなわち前方向に動作した際に、ロッド21の長穴30による摺動可能範囲における当該開方向への動作により、拘束機構7の係合部材15のリンク機構4に対する係合を解除させる係合解除機構を備えている。この係合解除機構は、本実施形態においては、図9から図11に示すように、ロッド21の後端部22における長穴30の下方に、ロッド21の往復動作する前後方向、すなわちロッド21の長さ方向に傾斜するように形成された傾斜面32により構成されている。この傾斜面32は、ロッド21の摺動可能範囲における開方向への動作により、この傾斜面32に沿って摺動する係合部材15の動作ピン33を下方に押し下げてリンク機構4との係合を解除させるものである。この係合部材15の動作ピン33とロッド21の傾斜面32との関係については後述する。なお、この係合解除機構の構成はこの実施例に限定されるものではなく、ロッド21の摺動可能範囲における開方向への動作により、係合部材15のリンク機構4に対する係合を解除させることが可能な構成であれば用いることが可能である。そのような他の構成としては、例えば、ロッド21と係合部材15との間に、ロッド21の摺動可能範囲における開方向への動作に連動して係合部材15を下方へ押し下げる動作を行うリンク等の動作機構を設けた構成等がある。
【0034】
拘束機構7は、フード2の閉位置においてリンク機構4を拘束する機構である。この拘束機構7は、フード2を開位置に移動させる際の伝達部材6ロッド21の動作によりリンク機構4の拘束を解除するとともに、フード2を閉位置に移動させる際のロッド21の動作によりリンク機構4を拘束する状態に復帰する動作を行う。そのため、本実施形態においては、拘束機構7は、リンク機構4がフード2の閉位置に位置する状態においてリンク機構4の閉方向の動作を拘束するストッパ部材34と、リンク機構4がフード2の閉位置に位置する状態においてリンク機構4に係合してリンク機構4の開方向の動作を拘束する係合部材15とを有して構成されている。
【0035】
ストッパ部材34は、リンク機構4がフード2の閉位置に位置する状態において、リンク機構4の第1リンク部材8の基端部11が更に閉方向に移動しないように停止させる部材であって、ここでは、ガイドレール12の案内路の前端部近傍であって、第1リンク部材8の基端部11に連結されたローラ14がフード2の閉位置において当接する位置に固定された部材により構成されている。このストッパ部材34にローラ14が当接することにより、第1リンク部材8の基端部11はそれ以上閉方向に移動しないように停止されるので、リンク機構4がフード2の閉位置に位置する状態において更なる閉方向の動作が拘束される。また、このストッパ部材34は、リンク機構4の閉方向の動作を拘束する位置を調節可能に構成されると好適である。そのため、ここではストッパ部材34は、長穴35を介してガイドレール12に固定された構成とされており、ガイドレール12の案内方向に沿って前後にその固定位置を調節できるようになっている。これにより、第1リンク部材8の基端部11を停止させる位置、すなわちリンク機構4がフード2の閉位置に位置する状態においてリンク機構4の閉方向の動作を拘束する位置を容易に調節することができる。
【0036】
係合部材15は、伝達部材6のロッド21の前後方向の往復動作に連動してリンク機構4に対する係合及びその解除の動作を行う部材であって、ロッド21が開方向に動作した際にその摺動可能範囲の動作によりリンク機構4に対する係合を解除し、ロッド21の閉方向の動作によりリンク機構4に対する係合状態に復帰する動作を行う。図9から図11は、ロッド21の往復動作に従ってリンク機構4の係合の解除又は係合を行う係合部材15の動作を説明するための図であって、係合部材15の動作を見やすくするために、ブラケット16を破線により表している。これらの図にも示すように、本実施形態においては、係合部材15は、その後方端部に、第2リンク部材9のアーム先端部20の前側面に形成された係合面23と係合する係合面36を有し、この係合面36の前方位置において車両本体1に固定されたブラケット16に取り付けられた係合部材固定軸37により揺動可能に支持されている。これにより、係合部材15の係合面36は係合部材固定軸37を中心に上下方向に揺動することとなる。
【0037】
また、係合部材15は、ねじりコイルばね38により常に係合面36が上方向、すなわち図9から図11における反時計方向に付勢されている。更に、係合部材15は、その係合面36の近傍位置に、ロッド21の後端部22に形成された傾斜面32に当接するように突出して形成された動作ピン33を有している。この動作ピン33は、ねじりコイルばね38の付勢力によってロッド21の傾斜面32に常に押し付けられており、ロッド21の往復動作に従ってその傾斜面32に沿って摺動する。これにより、係合部材15の係合面36は、ロッド21の前後方向の往復動作に従って上下方向に揺動することになる。この際の係合部材15の係合面36の上下方向の動作量としては、ロッド21の摺動可能範囲における開方向、すなわち前方向の動作によって係合面36が下方に移動する量が、第2リンク部材9の係合面23との係合が完全に解除されるために十分な移動量とする必要がある。
【0038】
また、係合部材15の係合面36、及び第2リンク部材9のアーム先端部20に形成された係合面23の形状に関して、ここでは、図9から図11に示すように、係合部材15の係合面36は、係合部材固定軸37を中心とした側面視が円弧形状の曲面とし、第2リンク部材9の係合面23は、側面視が直線形状の平面としている。しかし、係合部材15の係合面36と第2リンク部材9のアーム先端部20に形成された係合面23との関係は、リンク機構4が閉位置にある状態において第2リンク部材9の係合面23が、係合部材15の係合面36の揺動方向の延長線と交差する面となるように形成するとより好適である。そのため、図12に示す例では、係合部材15の係合面36は係合部材固定軸37を中心とした円弧形状とするとともに、第2リンク部材9の係合面23についても、リンク機構4が閉位置にある状態において係合部材固定軸37のよりも下方の位置を中心39とする円弧形状であって、係合部材固定軸37を中心とした円弧と交差する形状としている。これにより、係合部材15の係合面36の揺動方向の延長線が第2リンク部材9の係合面23と交差することになるので、第2リンク部材9の取付位置や係合面23の形状、あるいは係合部材15の取付位置や係合面36の形状等に誤差があったとしても確実に係合部材15の係合面36を第2リンク部材9の係合面23に係合させることができる。
【0039】
以下、本実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造の動作について説明する。まず、車両が歩行者等と衝突した際に瞬時にフード2の後方端部をリフトアップさせる際の動作(開動作)について説明する。図3及び図4に示すように、フード2が閉位置にある状態において、衝突が検知された場合には、駆動機構5が開方向に動作し、伝達部材6のクランク腕28が反時計方向に所定角度回転してロッド21を前方向(開方向)に動作させる。この際、図9に示すようにリンク機構4の第2リンク部材9の係合面23に係合されている係合部材15は、ロッド21の長穴30による摺動可能範囲におけるロッド21の開方向、すなわち前方向への移動により、図10に示すように、そのリンク機構4に対する係合が解除される。詳しくは、ロッド21が開方向に動作することにより、係合部材15の動作ピン33がロッド21の後端部22に形成された傾斜面32に沿って下方に押し下げられて、係合部材15の係合面36がねじりコイルばね38の付勢力に抗して下方に揺動し、リンク機構4の第2リンク部材9の係合面23との係合が解除される。この際の係合部材15の係合の解除に要するロッド21の開方向の動作量は、ロッド21の長穴30と第2リンク部材9のアーム先端部20に設けられたロッド連結ピン31との摺動可能範囲であってリンク機構4が動作しない範囲内である。
【0040】
その後、更にロッド21を前方向(開方向)に動作させると、ロッド21の長穴30による摺動可能範囲を超えてロッド21が動作することになり、図5及び図6に示すように、リンク機構4の第2リンク部材9のアーム先端部20がロッド21により前方向に動作されて第2リンク部材9が回転支点18を中心に時計方向に回転する。これにより、第2リンク部材9の先端部17と第1リンク部材8との連結点が上方に引き上げられるとともに、第1リンク部材8の基端部11がガイドレール12に沿って後方に移動して第1リンク部材8が起き上がり、フード2がリフトアップされて開位置に移動する。そして、第1リンク部材8の基端部11のローラ14がガイドレール12の案内路の後方端部に設けられたストッパボルト40に当接し、これによりリンク機構4の開方向の動作が停止する。このフード2のリフトアップの際、トーションバー24の開方向の付勢力により駆動機構5の負荷が軽減される。また、このとき第2リンク部材9のアーム先端部20はロッド21の後端部22とともに前方に移動して図11に示すような状態となる。
【0041】
次に、リフトアップされて開位置にあるフード2を元の閉位置に戻す際の動作(閉動作)について説明する。図5及び図6に示すように、フード2が開位置にある状態において、所定の解除スイッチがオンされ、あるいはフード2のリフトアップから所定時間が経過したことのタイマ等の出力があったとき等には、駆動機構5が閉方向に動作し、伝達部材6のクランク腕28が時計方向に所定角度回転してロッド21を後方向(閉方向)に動作させる。すると、図3及び図4に示すように、リンク機構4の第2リンク部材9のアーム先端部20がロッド21により後方向に動作されて第2リンク部材9が回転支点18を中心に反時計方向に回転する。これにより、第2リンク部材9の先端部17と第1リンク部材8との連結点が下方に引き下げられるとともに、第1リンク部材8の基端部11がガイドレール12に沿って前方に移動してストッパ部材34に当たって停止し、第1リンク部材8が横になって、フード2が元の閉位置に移動する。
【0042】
この際、係合部材15は、ねじりコイルばね38によりその係合面36が上方に移動する方向に付勢されているので、図9に示すように、ロッド21の後方向(閉方向)の動作により、動作ピン33がロッド21の傾斜面32に沿って摺動して上方の位置に移動し、それに伴って係合部材15の係合面36が上方の係合位置に復帰して、第2リンク部材9のアーム先端部20に形成された係合面23に係合する。これにより、リンク機構4は、閉位置に位置する状態において、ストッパ部材34と係合部材15とにより閉方向と開方向の両方向に拘束されることになるので、フード2は閉位置においてがたつきが生じないように確実に拘束される。
【0043】
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る車両用開閉体の開閉構造の第2の実施形態について図面に基づいて説明する。この第2の実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造が、前述の第1の実施形態と比較して異なる点は、拘束機構7のストッパ部材41をガイドレール12に固定して設けるのではなく、ガイドレール12とともに車両本体1に固定されたブラケット16に設けた点にある。具体的には、図13及び図14、並びに図13のC−C断面図である図15に示すように、リンク機構4の第2リンク部材9のアーム部19における所定位置にブラケット16側、すなわち図13及び図14における紙面手前側に突出する係止突起42を形成するとともに、この係止突起42と係合するブラケット16の所定位置において上方に突出するストッパ部材41を形成した構成としている。ここで、ブラケット16のストッパ部材41が形成される所定位置は、図13に示すようにリンク機構4が閉位置にある状態において、第2リンク部材9の係止突起42と係合する位置とする。すなわち、このストッパ部材41の設けられる位置によりリンク機構4の閉方向の動作が拘束される位置が決定される。したがって、図においては、ストッパ部材41はブラケット16に一体的に設けたものとして表しているが、これをブラケット16に対して長穴を介してボルト止めする等のように、前後方向に位置調節可能な構成とすると好適である。
【0044】
本実施形態においても、拘束機構7の係合部材15の構成及び動作は前述の第1の実施形態と同様である。したがって、フード2の後方端部をリフトアップさせる際には、図13に示すようにリンク機構4の第2リンク部材9の係合面23に係合されている係合部材15は、ロッド21の長穴30による摺動可能範囲におけるロッド21の開方向、すなわち前方向への移動により、そのリンク機構4に対する係合が解除される。そして、ロッド21が摺動可能範囲を超えて開方向に動作すると、第2リンク部材9のアーム先端部20はロッド21の後端部22とともに前方に移動して図14に示すような状態となり、ストッパ部材41と係合部材15の双方による拘束が解除された状態となる。
【0045】
(その他の実施形態)
本願のその他の実施形態に関して以下説明する。上記の実施形態においては、車輌用開閉体をフード2とした例について説明したが、本発明に係る車両用開閉体の開閉構造は、開閉動作を行うものであって閉状態においてがたつきなく確実に拘束する必要がある開閉体の開閉構造に適用することができる。また、上記の実施形態においては、リンク機構4は、第1リンク部材8と第2リンク部材9の2個のリンク部材が組み合わされたスコットラッセル式リンクに類似する構成のものとしているが、リンク機構4の構成はこれに限定されるものではなく、伝達部材6の動作により車両用開閉体の開閉動作を行うことが可能なものであれば他のリンク形式を採用することも可能である。また、上記の実施形態においては、駆動機構5として電動モータ27とウォーム及びウォームホイールとの組み合わせを用いた場合について説明しているが、駆動機構5の構成はこれに限定されるものではなく、例えば、油圧や空気圧を用いたシリンダ等、他の駆動源を用いた構成とすることも可能である。ただし、この場合においても、車両用開閉体を開状態において拘束するための開位置用の拘束機構を設けることは必要となる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る車両用開閉体の開閉構造によれば、車両用開閉体が閉位置にある状態におけるがたつきを防止することができ、振動や騒音の発生を抑えることができる。また、衝突がなかった場合等に人手を煩わせることなく容易かつ速やかに車両用開閉体を元の状態に復帰させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造が適用された車両の前部を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造とフードとの関係を示す斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造の側面図であって、フードが閉位置にある際の状態を示す図である。
【図4】図3の要部拡大図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造の側面図であって、フードが開位置にある際の状態を示す図である。
【図6】図5の要部拡大図である。
【図7】図4のA−A断面図である。
【図8】図4のB−B断面図である。
【図9】本発明の第1の実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造における係合部材近傍の構成を示す側面図であって、係合部材がリンク機構に係合されている状態を示す図である。
【図10】本発明の第1の実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造における係合部材近傍の構成を示す側面図であって、係合部材のリンク機構に対する係合が解除された状態を示す図である。
【図11】本発明の第1の実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造における係合部材近傍の構成を示す側面図であって、リンク機構が開位置に移動した状態を示す図である。
【図12】本発明の第1の実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造における係合部材の係合面と第2リンク部材の係合面との係合部の一例を示す拡大図である。
【図13】本発明の第2の実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造における係合部材近傍の構成を示す側面図であって、係合部材がリンク機構に係合されている状態を示す図である。
【図14】本発明の第2の実施形態に係る車両用開閉体の開閉構造における係合部材近傍の構成を示す側面図であって、リンク機構が開位置に移動した状態を示す図である。
【図15】図13のC−C断面図である。
【符号の説明】
1 車両本体
2 フード(車両用開閉体)
4 リンク機構
5 駆動機構
6 伝達部材
7 拘束機構
8 第1リンク部材
9 第2リンク部材
15 係合部材
21 ロッド
23 第2リンク部材の係合面
30 ロッドの長穴
34、41 ストッパ部材
36 係合部材の係合面
Claims (7)
- 車両用開閉体の開閉動作を行うリンク機構と、このリンク機構を駆動する駆動機構と、前記駆動機構とリンク機構とを連結して前記駆動機構の動作を前記リンク機構に伝達する伝達部材と、前記車両用開閉体の閉位置において前記リンク機構を拘束するとともに、前記車両用開閉体を開位置に移動させる際の前記伝達部材の動作により前記リンク機構の拘束を解除する拘束機構とを備えたことを特徴とする車両用開閉体の開閉構造。
- 前記拘束機構は、前記車両用開閉体を閉位置に移動させる際の前記伝達部材の動作により前記リンク機構を拘束する状態に復帰することを特徴とする請求項1記載の車両用開閉体の開閉構造。
- 前記拘束機構は、前記リンク機構が前記車両用開閉体の閉位置に位置する状態において前記リンク機構の閉方向の動作を拘束するストッパ部材と、前記リンク機構が前記車両用開閉体の閉位置に位置する状態において前記リンク機構に係合して前記リンク機構の開方向の動作を拘束する係合部材とを有することを特徴とする請求項1又は2記載の車両用開閉体の開閉構造。
- 前記伝達部材は、前記駆動機構により往復動作を行うように駆動される往復動作部材を有し、この往復動作部材の一方の端部が前記リンク機構に対して当該往復動作方向に一定範囲で摺動可能に連結されており、前記拘束機構の係合部材は、前記往復動作部材の往復動作に連動して前記リンク機構に対する係合及びその解除の動作を行う部材であって、前記往復動作部材が前記車両用開閉体の開方向に動作した際に、当該開方向の前記往復動作部材の前記摺動可能範囲の動作により前記係合部材は前記リンク機構に対する係合を解除することを特徴とする請求項3記載の車両用開閉体の開閉構造。
- 前記係合部材は、一端部に形成された係合面が係合部材固定軸を中心に揺動することにより前記リンク機構に対する係合及びその解除の動作を行う構成を有し、前記リンク機構は、前記車両用開閉体の閉位置に位置する状態において前記係合部材の係合面の揺動方向の延長線と交差する係合面を有することを特徴とする請求項3又は4記載の車両用開閉体の開閉構造。
- 前記ストッパ部材は、前記リンク機構の閉方向の動作を拘束する位置を調節可能に構成されたことを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の車両用開閉体の開閉構造。
- 前記駆動機構は、ウォーム及びウォームホイールを介して駆動力を前記伝達部材に伝達することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の車両用開閉体の開閉構造。
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- 2002-12-25 JP JP2002375357A patent/JP2004203251A/ja active Pending
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