JP2004203148A - アウターミラーアッセンブリ - Google Patents
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Abstract
【課題】剛性と風切り音等を考慮したアウターミラーアッセンブリを提供すること。
【解決手段】このアウターミラーアッセンブリ20では、斜線で示した食い切り穴21の周辺を囲むように筒状にリブ22を形成している。このアウターミラーアッセンブリ20においても、リブ22のベース23側の先端24は、ベース23と組み合わせたときに当該ベース23の表面に当接するようにしておく。このようにアウターミラーアッセンブリ20を形成すると、食い切り穴21周辺の剛性が向上する。また、ガスケットの食い切り穴21周辺とベース23との気密性が保たれる。この結果、ベース23とガスケット25の隙間から風が入り込んだときの風切り音の発生や車内への雨水の浸入を防止できる。
【選択図】図4
【解決手段】このアウターミラーアッセンブリ20では、斜線で示した食い切り穴21の周辺を囲むように筒状にリブ22を形成している。このアウターミラーアッセンブリ20においても、リブ22のベース23側の先端24は、ベース23と組み合わせたときに当該ベース23の表面に当接するようにしておく。このようにアウターミラーアッセンブリ20を形成すると、食い切り穴21周辺の剛性が向上する。また、ガスケットの食い切り穴21周辺とベース23との気密性が保たれる。この結果、ベース23とガスケット25の隙間から風が入り込んだときの風切り音の発生や車内への雨水の浸入を防止できる。
【選択図】図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、アウターミラーアッセンブリに関し、更に詳しくは、車体窓部の取付けパネルに容易に仮止めが可能となるアウターミラーアッセンブリに関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来のアウターミラーアッセンブリを示す説明図である。自動車のアウターミラーアッセンブリ30は、ベース31にガスケット(パッキン)32を組み立てたものの総称である。このアウターミラーアッセンブリ30は、車体側の取付けパネル(図示省略)に取り付けられる。アウターミラーが電動折り畳み型、電動ミラー角調整型等、電気部品を含む場合は、ミラー内部の配線であるワイヤハーネス33が、アウターミラーアッセンブリ30から引き出され、車体内部に引き込まれる。
【0003】
図6は、ベースとガスケットの組み合わせを示す外観図である。ベース31には車体への取り付け用ボルトまたはボルト穴34が設けられる。薄部材であるガスケット32にも、そのボルト穴34等に対応する位置に穴が設けられる。そして、ベース31はガスケット32を介して車体取付けパネル(図示省略)に取り付けられる。
【0004】
実際の取付作業では、効率よく作業を進めるために、車体外側から上記アウターミラーアッセンブリ30を車体に仮保持させる。そして、車体内側にまわった作業者が上記ボルトの本締めを行い、アウターミラーアッセンブリ30を取り付ける。このため、ガスケット32には、仮保持用の引っ掛け突起35が設けられる。(たとえば、特許文献1、2参照。)。
【0005】
図7は、平形の仮保持用引っ掛け突起を有するガスケットを示す正面図および断面図であり、(a)は車体取付け側の正面図、(b)は、B−B断面図である。正面図に示すように、このガスケット40には、取り付けボルト用の3つの穴41、およびワイヤハーネス取り出し用の口42が設けられている。平形の仮保持用引っ掛け突起43は、上記口42とは別の位置に設けられる。ガスケット40は金型により成型されるので、その都合上、仮保持用引っ掛け突起43の係合突起44の付け根付近は、いわゆる食い切り穴45が形成される。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−139208号公報(第2〜3頁、第1図)
【特許文献2】
特開2000−103285号公報(第2頁、第1、2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術に係るアウターミラーアッセンブリの仮保持用引っ掛け突起は、剛性が小さいので、慎重に車体側取付けパネルに係合せねばならず、作業効率が悪かった。また、ガスケットの仮保持用引っ掛け突起周辺は食い切り穴があるため、剛性が小さかった。さらに、車輌が走行してアウターミラーアッセンブリの僅かなすきまから風や雨水が入り込んだときに、吸込音や風切り音がして乗客を不快にさせたり、雨水が車内に侵入するといった不具合が起こり得た。今回、発明者の精査により、これらの現象は、食い切り穴に関係していることがわかり、上記不具合を防止する必要もある。
【0008】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車体側取付けパネルに容易に仮止めが可能となり、剛性、気密性に優れたアウターミラーアッセンブリを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1に係るアウターミラーアッセンブリは、車体側取付けパネルに装着する面に設けられるガスケットから外向きで概水平方向に突出する仮保持用引っ掛け突起を有し、当該仮保持用引っ掛け突起は、概鉛直上方に突出する係合突起を先端部に有し、前記先端部より根元側となる胴部の前記係合突起突出方向に溝が形成されて当該胴部の上側に極薄肉部分が形成されるようにしたものである。
【0010】
仮保持用引っ掛け突起は、概鉛直上方に突出する係合突起を先端部に有するので、取付けパネル側の穴に差し込み、手を離せば、アウターミラーアッセンブリの重心位置との作用で取付けパネルに引っ掛かり、仮保持できる。この引っ掛かりは、先端部に有する係合突起と取付けパネルとの係合だけでなく、溝により極薄肉部分が形成された胴部に取付けパネルが食い付くことによっても起こる。
【0011】
また、請求項2に係るアウターミラーアッセンブリは、ガスケットのベース側表面であって、仮保持用引っ掛け突起先端の係合突起を成型する際に設ける食い切り穴の周辺にリブを設け、当該リブの前記ベース側先端は、前記ベースと組み合わせたときに前記ベース表面に当接するようにしたものである。
【0012】
ガスケットのベース側表面には食い切りきり穴が形成される。この食い切り穴は、仮保持用引っ掛け突起先端の係合突起を金型で成型する際に必要になるものである。前記仮保持用引っ掛け突起は、この食いきり穴周辺から突出するため、この食い切り穴周辺の剛性がないと、前記仮保持用引っ掛け突起が変形しやすくなり、仮保持に支障をきたす。そこで、食い切り穴の周辺にリブを設ける。当該リブのベース側先端は、前記ベースと組み合わせたときに前記ベース表面に当接するようにして、剛性を向上させる。
【0013】
また、請求項3に係るアウターミラーアッセンブリは、前記アウターミラーアッセンブリにおいて、前記リブは、前記食い切り穴周辺を囲む筒状であるようにしたものである。
【0014】
リブが食い切りきり穴周辺を囲むように筒状に形成されると、リブ自体の剛性も向上する。また、ガスケットの食い切り穴周辺とベースとの気密性が保たれる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものを含む。また、自動車のアウターミラーアッセンブリは、ドアミラーの組立品に限らず、車輌外側に位置するミラーの組立品に適用可能なものである。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に係るアウターミラーアッセンブリの仮保持用引っ掛け突起を示した外観図であり、(a)は、車体側ガスケット表面を示した説明図、(b)は、仮保持用引っ掛け突起の外観図である。アウターミラーアッセンブリがベースとガスケットの組み合わせであることは従来技術と同様なので、説明を省略する。この発明では、仮保持用引っ掛け突起1に特徴がある。
【0017】
同図(a)に示すように、仮保持用引っ掛け突起1は、ガスケット2を車体側取付けパネル(図示省略)に装着する際に、当該ガスケット2から外向きで概水平方向に突出するように、ガスケット2と一体に成型されるものである。同図(a)および(b)に示すように、当該仮保持用引っ掛け突起1は、その先端部において概鉛直上方に突出する係合突起3を有する。また、先端部より根元側となる胴部4には前記係合突起3の突出方向に溝5が形成されて当該胴部4の上側に極薄肉部7が形成される。したがって、胴部4の断面は一様に概U字形状となっている。
【0018】
図2は、仮保持用引っ掛け突起と取付けパネルとの関係を示す説明図であり、(a)は側方からの説明図、(b)は軸方向の断面図である。アウターミラーアッセンブリの仮保持用引っ掛け突起1は、当該アウターミラーアッセンブリの落下を防止すると共にボルト穴の位置決めする役目を果たす。この発明では、同図(a)上に示すように、溝5によって上側に極薄肉部7が形成された胴部4に取付けパネル6が食い付くことによって当該アウターミラーアッセンブリの引っ掛かりが起こる点に特徴がある。
【0019】
同図(b)に示すように、胴部4の断面は、概円形状から溝5状に肉盗みをし、一様に概U字形状となっている。したがって、胴部の上側には一様に極薄肉部7が形成される。この形状により、取付けパネル6からの圧力が胴部4の上側2点に集中し、薄肉部に取付けパネル6が食い付く。その結果、同図(a)に示すように係合突起3と取付けパネル6とが係合する以前においても胴部4と取付けパネル6とが引っ掛かり、仮保持の信頼性が向上する。
【0020】
従来、係合突起3だけを有する仮保持用引っ掛け突起を有する場合は、係合突起の爪の撓み、寸法関係、剛性等を非常に細かくチューニング・設計しなければならなかった。このことに比べると、この発明に係る仮保持用引っ掛け突起1は極薄部7に食い込ませる機構を取り入れ、細かなチューニングなしでも胴部の上側であれば任意の場所で取付けパネル6が引っ掛かるという優れた効果を有する。また、このアウターミラーアッセンブリは、上記胴部4の形状に対し、金型成立性とヒケ等の製品性を考慮し、内部を肉盗みする(溝4を形成する)ことによって、金型成立性と製品の機能性を両立させたものということができる。
【0021】
また、上記のように胴部4は基本的に棒状なので、平形の仮保持用引っ掛け突起よりも曲げ剛性が高く、しかも引っ掛かり性が向上するという特徴を有する。なお、胴部4は、曲げ剛性を高くするために、できるだけ断面係数(断面二次モーメントに依存)の高い形状を断面形状として採用するのが好ましい。また、胴部4は、金型からの抜き勾配を考慮して小テーパーにしておくのが一般的である。
【0022】
このように、この発明に係るアウターミラーアッセンブリでは、アウターミラーアッセンブリの仮保持用引っ掛け突起の剛性を維持すると共に、胴部4の溝5がつくりだす断面形状により、係合突起3のみならず、胴部4での仮保持も可能となる。また、当該溝5は、金型による成形性も優れており、余計な中子も不要となり、機能性と生産性を両立させたものである。
【0023】
(実施の形態2)
図3は、この発明の実施の形態2にかかるアウターミラーアッセンブリのガスケットを示す正面図および断面図であり、(a)は、正面図、(b)は(a)のC―C断面図である。このガスケット10は、中心部に仮保持用引っ掛け突起11を有するタイプである。この仮保持用引っ掛け突起11の形成にあたっては、金型での成形上食い切り穴12が形成される。
【0024】
この発明では、食い切り穴12の周辺にリブ13を設ける。そして、リブ13のベース側先端14は、アウターミラーアッセンブリのベース15と組み合わせたときに当該ベース15の表面に当接するようにしておく。このようにすれば、食い切り穴12周辺の剛性が向上し、保持用引っ掛け突起11の剛性に悪影響を及ぼさなくなる。また、ガスケット10の食い切り穴12の半径方向外側に所定間隔をあけてリブ13を複数枚設けると共に、リブ13間にベース側から突出する突起を設ければ、ラビリンス効果により、空気の流れが悪くなり、すきま風の風切り音を減少させることもできる。
【0025】
(実施の形態3)
図4は、実施の形態3に係るアウターミラーアッセンブリを示す正面図および断面図であり、(a)は、車体取付けパネル側正面図であり、(b)は、車体側取付けパネルに装着したときの(a)のA−A断面図である。このアウターミラーアッセンブリ20では、斜線で示した食い切り穴21の周辺を囲むように筒状にリブ22を形成している。このアウターミラーアッセンブリ20においても、リブ22のベース23側の先端24は、ベース23と組み合わせたときに当該ベース23の表面に当接するようにしておく。
【0026】
このようにアウターミラーアッセンブリ20を形成すると、食い切り穴21周辺の剛性が向上する。また、ガスケットの食い切り穴21周辺とベース23との気密性が保たれる。この結果、ベース23とガスケット25の隙間から風が入り込んだときの空気の流れを当該リブ22が遮断し、風切り音、吸込音の発生や車内への雨水の浸入を防止できる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係るアウターミラーアッセンブリ(請求項1)によれば、アウターミラーアッセンブリの仮保持用引っ掛け突起の剛性を維持すると共に、胴部の溝がつくりだす断面形状により、係合突起のみならず、胴部での仮保持も可能となる。また、当該溝を有する仮保持用引っ掛け突起は、金型による成形において、余計な中子も不要であり、金型成立性および機能性を両立させるという優れた効果を有する。
【0028】
また、この発明に係るアウターミラーアッセンブリ(請求項2)によれば、アウターミラーアッセンブリの仮保持用引っ掛け突起の剛性が向上すると共に、風切り音の発生や車内への雨水の侵入を妨げる効果を有する。
【0029】
また、この発明に係るアウターミラーアッセンブリ(請求項3)によれば、
リブが食い切りきり穴周辺を囲むように筒状に形成されるので、リブ自体の剛性が向上する。また、ガスケットの食い切り穴周辺とベースとの気密性が保たれるので、風切り音の発生や車内への雨水の浸入を防止できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】アウターミラーアッセンブリの仮保持用引っ掛け突起を示した外観図であり、(a)は、車体側ガスケット表面を示した説明図であり、(b)は、仮保持用引っ掛け突起の外観図である。
【図2】仮保持用引っ掛け突起と取付けパネルとの関係を示す説明図であり、(a)は側方からの説明図であり、(b)は軸方向の断面図である。
【図3】アウターミラーアッセンブリのガスケットを示す正面図および断面図であり、(a)は、正面図、(b)は(a)のC―C断面図である。
【図4】アウターミラーアッセンブリを示す正面図および断面図であり、(a)は、車体取付けパネル側正面図であり、(b)は、車体側取付けパネルに装着したときの(a)のA−A断面図である。
【図5】従来のアウターミラーアッセンブリを示す説明図である。
【図6】ベースとガスケットの組み合わせを示す外観図である。
【図7】平形の仮保持用引っ掛け突起を有するガスケットを示す正面図および断面図であり、(a)は車体取付け側の正面図、(b)は、B−B断面図である。
【符号の説明】
1、11、35、43 仮保持用引っ掛け突起
2、10、25、32、40 ガスケット
3、44 係合突起
4 胴部
5 溝
13、22 リブ
15、23、31 ベース
20、30 アウターミラーアッセンブリ
【発明の属する技術分野】
この発明は、アウターミラーアッセンブリに関し、更に詳しくは、車体窓部の取付けパネルに容易に仮止めが可能となるアウターミラーアッセンブリに関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は、従来のアウターミラーアッセンブリを示す説明図である。自動車のアウターミラーアッセンブリ30は、ベース31にガスケット(パッキン)32を組み立てたものの総称である。このアウターミラーアッセンブリ30は、車体側の取付けパネル(図示省略)に取り付けられる。アウターミラーが電動折り畳み型、電動ミラー角調整型等、電気部品を含む場合は、ミラー内部の配線であるワイヤハーネス33が、アウターミラーアッセンブリ30から引き出され、車体内部に引き込まれる。
【0003】
図6は、ベースとガスケットの組み合わせを示す外観図である。ベース31には車体への取り付け用ボルトまたはボルト穴34が設けられる。薄部材であるガスケット32にも、そのボルト穴34等に対応する位置に穴が設けられる。そして、ベース31はガスケット32を介して車体取付けパネル(図示省略)に取り付けられる。
【0004】
実際の取付作業では、効率よく作業を進めるために、車体外側から上記アウターミラーアッセンブリ30を車体に仮保持させる。そして、車体内側にまわった作業者が上記ボルトの本締めを行い、アウターミラーアッセンブリ30を取り付ける。このため、ガスケット32には、仮保持用の引っ掛け突起35が設けられる。(たとえば、特許文献1、2参照。)。
【0005】
図7は、平形の仮保持用引っ掛け突起を有するガスケットを示す正面図および断面図であり、(a)は車体取付け側の正面図、(b)は、B−B断面図である。正面図に示すように、このガスケット40には、取り付けボルト用の3つの穴41、およびワイヤハーネス取り出し用の口42が設けられている。平形の仮保持用引っ掛け突起43は、上記口42とは別の位置に設けられる。ガスケット40は金型により成型されるので、その都合上、仮保持用引っ掛け突起43の係合突起44の付け根付近は、いわゆる食い切り穴45が形成される。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−139208号公報(第2〜3頁、第1図)
【特許文献2】
特開2000−103285号公報(第2頁、第1、2図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術に係るアウターミラーアッセンブリの仮保持用引っ掛け突起は、剛性が小さいので、慎重に車体側取付けパネルに係合せねばならず、作業効率が悪かった。また、ガスケットの仮保持用引っ掛け突起周辺は食い切り穴があるため、剛性が小さかった。さらに、車輌が走行してアウターミラーアッセンブリの僅かなすきまから風や雨水が入り込んだときに、吸込音や風切り音がして乗客を不快にさせたり、雨水が車内に侵入するといった不具合が起こり得た。今回、発明者の精査により、これらの現象は、食い切り穴に関係していることがわかり、上記不具合を防止する必要もある。
【0008】
そこで、この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、車体側取付けパネルに容易に仮止めが可能となり、剛性、気密性に優れたアウターミラーアッセンブリを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、請求項1に係るアウターミラーアッセンブリは、車体側取付けパネルに装着する面に設けられるガスケットから外向きで概水平方向に突出する仮保持用引っ掛け突起を有し、当該仮保持用引っ掛け突起は、概鉛直上方に突出する係合突起を先端部に有し、前記先端部より根元側となる胴部の前記係合突起突出方向に溝が形成されて当該胴部の上側に極薄肉部分が形成されるようにしたものである。
【0010】
仮保持用引っ掛け突起は、概鉛直上方に突出する係合突起を先端部に有するので、取付けパネル側の穴に差し込み、手を離せば、アウターミラーアッセンブリの重心位置との作用で取付けパネルに引っ掛かり、仮保持できる。この引っ掛かりは、先端部に有する係合突起と取付けパネルとの係合だけでなく、溝により極薄肉部分が形成された胴部に取付けパネルが食い付くことによっても起こる。
【0011】
また、請求項2に係るアウターミラーアッセンブリは、ガスケットのベース側表面であって、仮保持用引っ掛け突起先端の係合突起を成型する際に設ける食い切り穴の周辺にリブを設け、当該リブの前記ベース側先端は、前記ベースと組み合わせたときに前記ベース表面に当接するようにしたものである。
【0012】
ガスケットのベース側表面には食い切りきり穴が形成される。この食い切り穴は、仮保持用引っ掛け突起先端の係合突起を金型で成型する際に必要になるものである。前記仮保持用引っ掛け突起は、この食いきり穴周辺から突出するため、この食い切り穴周辺の剛性がないと、前記仮保持用引っ掛け突起が変形しやすくなり、仮保持に支障をきたす。そこで、食い切り穴の周辺にリブを設ける。当該リブのベース側先端は、前記ベースと組み合わせたときに前記ベース表面に当接するようにして、剛性を向上させる。
【0013】
また、請求項3に係るアウターミラーアッセンブリは、前記アウターミラーアッセンブリにおいて、前記リブは、前記食い切り穴周辺を囲む筒状であるようにしたものである。
【0014】
リブが食い切りきり穴周辺を囲むように筒状に形成されると、リブ自体の剛性も向上する。また、ガスケットの食い切り穴周辺とベースとの気密性が保たれる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施の形態の構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、或いは実質的に同一のものを含む。また、自動車のアウターミラーアッセンブリは、ドアミラーの組立品に限らず、車輌外側に位置するミラーの組立品に適用可能なものである。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1に係るアウターミラーアッセンブリの仮保持用引っ掛け突起を示した外観図であり、(a)は、車体側ガスケット表面を示した説明図、(b)は、仮保持用引っ掛け突起の外観図である。アウターミラーアッセンブリがベースとガスケットの組み合わせであることは従来技術と同様なので、説明を省略する。この発明では、仮保持用引っ掛け突起1に特徴がある。
【0017】
同図(a)に示すように、仮保持用引っ掛け突起1は、ガスケット2を車体側取付けパネル(図示省略)に装着する際に、当該ガスケット2から外向きで概水平方向に突出するように、ガスケット2と一体に成型されるものである。同図(a)および(b)に示すように、当該仮保持用引っ掛け突起1は、その先端部において概鉛直上方に突出する係合突起3を有する。また、先端部より根元側となる胴部4には前記係合突起3の突出方向に溝5が形成されて当該胴部4の上側に極薄肉部7が形成される。したがって、胴部4の断面は一様に概U字形状となっている。
【0018】
図2は、仮保持用引っ掛け突起と取付けパネルとの関係を示す説明図であり、(a)は側方からの説明図、(b)は軸方向の断面図である。アウターミラーアッセンブリの仮保持用引っ掛け突起1は、当該アウターミラーアッセンブリの落下を防止すると共にボルト穴の位置決めする役目を果たす。この発明では、同図(a)上に示すように、溝5によって上側に極薄肉部7が形成された胴部4に取付けパネル6が食い付くことによって当該アウターミラーアッセンブリの引っ掛かりが起こる点に特徴がある。
【0019】
同図(b)に示すように、胴部4の断面は、概円形状から溝5状に肉盗みをし、一様に概U字形状となっている。したがって、胴部の上側には一様に極薄肉部7が形成される。この形状により、取付けパネル6からの圧力が胴部4の上側2点に集中し、薄肉部に取付けパネル6が食い付く。その結果、同図(a)に示すように係合突起3と取付けパネル6とが係合する以前においても胴部4と取付けパネル6とが引っ掛かり、仮保持の信頼性が向上する。
【0020】
従来、係合突起3だけを有する仮保持用引っ掛け突起を有する場合は、係合突起の爪の撓み、寸法関係、剛性等を非常に細かくチューニング・設計しなければならなかった。このことに比べると、この発明に係る仮保持用引っ掛け突起1は極薄部7に食い込ませる機構を取り入れ、細かなチューニングなしでも胴部の上側であれば任意の場所で取付けパネル6が引っ掛かるという優れた効果を有する。また、このアウターミラーアッセンブリは、上記胴部4の形状に対し、金型成立性とヒケ等の製品性を考慮し、内部を肉盗みする(溝4を形成する)ことによって、金型成立性と製品の機能性を両立させたものということができる。
【0021】
また、上記のように胴部4は基本的に棒状なので、平形の仮保持用引っ掛け突起よりも曲げ剛性が高く、しかも引っ掛かり性が向上するという特徴を有する。なお、胴部4は、曲げ剛性を高くするために、できるだけ断面係数(断面二次モーメントに依存)の高い形状を断面形状として採用するのが好ましい。また、胴部4は、金型からの抜き勾配を考慮して小テーパーにしておくのが一般的である。
【0022】
このように、この発明に係るアウターミラーアッセンブリでは、アウターミラーアッセンブリの仮保持用引っ掛け突起の剛性を維持すると共に、胴部4の溝5がつくりだす断面形状により、係合突起3のみならず、胴部4での仮保持も可能となる。また、当該溝5は、金型による成形性も優れており、余計な中子も不要となり、機能性と生産性を両立させたものである。
【0023】
(実施の形態2)
図3は、この発明の実施の形態2にかかるアウターミラーアッセンブリのガスケットを示す正面図および断面図であり、(a)は、正面図、(b)は(a)のC―C断面図である。このガスケット10は、中心部に仮保持用引っ掛け突起11を有するタイプである。この仮保持用引っ掛け突起11の形成にあたっては、金型での成形上食い切り穴12が形成される。
【0024】
この発明では、食い切り穴12の周辺にリブ13を設ける。そして、リブ13のベース側先端14は、アウターミラーアッセンブリのベース15と組み合わせたときに当該ベース15の表面に当接するようにしておく。このようにすれば、食い切り穴12周辺の剛性が向上し、保持用引っ掛け突起11の剛性に悪影響を及ぼさなくなる。また、ガスケット10の食い切り穴12の半径方向外側に所定間隔をあけてリブ13を複数枚設けると共に、リブ13間にベース側から突出する突起を設ければ、ラビリンス効果により、空気の流れが悪くなり、すきま風の風切り音を減少させることもできる。
【0025】
(実施の形態3)
図4は、実施の形態3に係るアウターミラーアッセンブリを示す正面図および断面図であり、(a)は、車体取付けパネル側正面図であり、(b)は、車体側取付けパネルに装着したときの(a)のA−A断面図である。このアウターミラーアッセンブリ20では、斜線で示した食い切り穴21の周辺を囲むように筒状にリブ22を形成している。このアウターミラーアッセンブリ20においても、リブ22のベース23側の先端24は、ベース23と組み合わせたときに当該ベース23の表面に当接するようにしておく。
【0026】
このようにアウターミラーアッセンブリ20を形成すると、食い切り穴21周辺の剛性が向上する。また、ガスケットの食い切り穴21周辺とベース23との気密性が保たれる。この結果、ベース23とガスケット25の隙間から風が入り込んだときの空気の流れを当該リブ22が遮断し、風切り音、吸込音の発生や車内への雨水の浸入を防止できる。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明に係るアウターミラーアッセンブリ(請求項1)によれば、アウターミラーアッセンブリの仮保持用引っ掛け突起の剛性を維持すると共に、胴部の溝がつくりだす断面形状により、係合突起のみならず、胴部での仮保持も可能となる。また、当該溝を有する仮保持用引っ掛け突起は、金型による成形において、余計な中子も不要であり、金型成立性および機能性を両立させるという優れた効果を有する。
【0028】
また、この発明に係るアウターミラーアッセンブリ(請求項2)によれば、アウターミラーアッセンブリの仮保持用引っ掛け突起の剛性が向上すると共に、風切り音の発生や車内への雨水の侵入を妨げる効果を有する。
【0029】
また、この発明に係るアウターミラーアッセンブリ(請求項3)によれば、
リブが食い切りきり穴周辺を囲むように筒状に形成されるので、リブ自体の剛性が向上する。また、ガスケットの食い切り穴周辺とベースとの気密性が保たれるので、風切り音の発生や車内への雨水の浸入を防止できるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】アウターミラーアッセンブリの仮保持用引っ掛け突起を示した外観図であり、(a)は、車体側ガスケット表面を示した説明図であり、(b)は、仮保持用引っ掛け突起の外観図である。
【図2】仮保持用引っ掛け突起と取付けパネルとの関係を示す説明図であり、(a)は側方からの説明図であり、(b)は軸方向の断面図である。
【図3】アウターミラーアッセンブリのガスケットを示す正面図および断面図であり、(a)は、正面図、(b)は(a)のC―C断面図である。
【図4】アウターミラーアッセンブリを示す正面図および断面図であり、(a)は、車体取付けパネル側正面図であり、(b)は、車体側取付けパネルに装着したときの(a)のA−A断面図である。
【図5】従来のアウターミラーアッセンブリを示す説明図である。
【図6】ベースとガスケットの組み合わせを示す外観図である。
【図7】平形の仮保持用引っ掛け突起を有するガスケットを示す正面図および断面図であり、(a)は車体取付け側の正面図、(b)は、B−B断面図である。
【符号の説明】
1、11、35、43 仮保持用引っ掛け突起
2、10、25、32、40 ガスケット
3、44 係合突起
4 胴部
5 溝
13、22 リブ
15、23、31 ベース
20、30 アウターミラーアッセンブリ
Claims (3)
- 車体側取付けパネルに装着する面に設けられるガスケットから外向きで概水平方向に突出する仮保持用引っ掛け突起を有し、当該仮保持用引っ掛け突起は、概鉛直上方に突出する係合突起を先端部に有し、前記先端部より根元側となる胴部の前記係合突起突出方向に溝が形成されて当該胴部の上側に極薄肉部分が形成されることを特徴とするアウターミラーアッセンブリ。
- ガスケットのベース側表面であって、仮保持用引っ掛け突起先端の係合突起を成型する際に設ける食い切り穴の周辺にリブを設け、当該リブの前記ベース側先端は、前記ベースと組み合わせたときに前記ベース表面に当接することを特徴とするアウターミラーアッセンブリ。
- 前記リブは、前記食い切り穴周辺を囲む筒状であることを特徴とする請求項2に記載のアウターミラーアッセンブリ。
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---|---|---|---|
JP2002372951A JP2004203148A (ja) | 2002-12-24 | 2002-12-24 | アウターミラーアッセンブリ |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013159173A (ja) * | 2012-02-02 | 2013-08-19 | Ishizaki Honten Co Ltd | ドアミラーの取付構造 |
JP2014205399A (ja) * | 2013-04-11 | 2014-10-30 | 株式会社石▲崎▼本店 | 車両用ドアミラー |
CN110091697A (zh) * | 2018-01-31 | 2019-08-06 | 长城汽车股份有限公司 | 车门窗框结构及汽车车门和汽车 |
-
2002
- 2002-12-24 JP JP2002372951A patent/JP2004203148A/ja active Pending
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