JP2004202924A - 改質プラスチックフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】熱によるフィルムの波打ち、及び熱収縮によるフィルムの寸法変化等の現象が抑制でき、残留モノマーによる悪臭を放つことなく、安価で、取り扱いが容易な改質プラスチックフィルムを提供することを目的とする。
【解決手段】上記目的を解決する本発明の改質プラスチックフィルムは、プラスチックフィルムの両方の面にポリアリレート樹脂を含む樹脂層を設けたを特徴とするものである。好ましくは、前記樹脂層がポリアリレート樹脂を含む塗料から形成されてなるものである。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱によるフィルムの波打ち、及び熱収縮によるフィルムの寸法変化を低下させた改質プラスチックフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、プラスチックフィルムは、第二原図用フィルム、印刷製版用フィルム、オーバーヘッドプロジェクタ用フィルム、ビデオテープ、オーディオテープ、フレキシブルディスク、写真フィルム、その他各種工業材料、建築材料、装飾材料、家庭用材料等の各種支持体として種々の分野で使用されている。このような用途で使用されるプラスチックフィルムとしては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、アセチルセルロースフィルム、塩化ビニルフィルム等の比較的安価で汎用的なものが使用されている。
【0003】
しかし、このようなプラスチックフィルムは一般に軟化点があまり高くなく、最も市場に普及しているポリエステルフィルムであっても軟化点は約170℃であり、この温度以上に加熱される用途に使用すると、フィルムは軟化し変形を生じる。例えばPPC複写機等の出図用フィルムとして使用した場合には、定着熱によりフィルムが変形し、全体的に波打った状態で出図されてしまう。この現象は、レーザービームプリンタ等の定着温度が高い機種や、定着時間が長い機種の場合に特に顕著であり、このような機種では機械の内部の搬送経路でフィルム詰まりを起こしてしまう。
【0004】
このような問題は、軟化点の高い樹脂フィルムを使用すれば解決すると思われるが、一般にこのようなフィルムは大変高価であり、上記のような用途では価格の点で使用することが難しい。
【0005】
そこで上記のような安価な汎用のプラスチックフィルムの両方の面に、架橋硬化により耐熱性を付与することのできる樹脂、例えばエポキシ樹脂やメラミン樹脂等の熱硬化性樹脂を含む塗料から形成されてなる樹脂層を設ければ、熱による性能が改善された改質プラスチックフィルムが安価、かつ容易に得られるものと思われる。しかし、このような樹脂は硬化温度が高く、また硬化完了まで長い時間を要するため、このままでは上記プラスチックフィルムに使用することはできない。また、このような樹脂を用いた塗料にパラトルエンスルホン酸などの触媒を添加することにより、樹脂層の硬化温度を下げたり、硬化時間を短縮したりすることが可能であるが、このようにして得られた改質プラスチックフィルムは、形成された樹脂層から触媒がブリードアウトしてしまい、工業材料などの用途では金属部を腐食してしまう可能性があるため使用することができない。また、このような触媒を添加した塗料は貯蔵安定性が低く、工業的に生産性が悪いため使用することが難しい。
【0006】
そこで、硬化の際に熱を加える必要のない電離放射線硬化型樹脂を用いる方法、例えば上記プラスチックフィルムの両方の面に、電離放射線硬化型樹脂から形成されてなり、かつ鉛筆硬度H以上の樹脂層を設けた改質プラスチックフィルムが提案されている(特許文献1参照)。このような改質プラスチックフィルムは熱収縮によるフィルムの寸法変化が少なく、熱によるフィルムの波打ちのない優れた性能を有するものであるが、熱が加えられた際に電離放射線硬化型樹脂成分中の残留モノマーによって悪臭を放ち、作業環境を悪化させてしまうという問題が生じた。
【0007】
また、上記のような熱硬化性樹脂や電離放射線硬化型樹脂を用いた改質プラスチックフィルムは、表面硬度が高く傷つき防止性に優れるものであるが、可撓性が低いため、フィルムを折り曲げてしまったような場合には白い線が入ってしまったり、クラック等が生じやすくそこから膜が剥がれてしまう場合もあり、取り扱いに注意を要するものであった。
【0008】
【特許文献1】
特開平7−195624号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、熱によるフィルムの波打ち、及び熱収縮によるフィルムの寸法変化等の現象を抑制し、残留モノマーによる悪臭を放つことなく、安価で、取り扱いが容易な改質プラスチックフィルムを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
即ち、上記目的を解決する本発明の改質プラスチックフィルムは、プラスチックフィルムの両方の面にポリアリレート樹脂を含む樹脂層を設けたことを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の改質プラスチックフィルムは、前記樹脂層がポリアリレート樹脂を含む塗料から形成されてなることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の改質プラスチックフィルムの実施の形態について詳述する。
【0013】
本発明の改質プラスチックフィルムは、プラスチックフィルムの両方の面にポリアリレート樹脂を含む樹脂層が設けられたものである。
【0014】
プラスチックフィルムとしては、特に限定されないが、例えばポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、アセチルセルロースフィルム、塩化ビニルフィルム等の軟化点があまり高くない汎用的なものに本発明は特に有効である。
【0015】
プラスチックフィルムの厚みは、用途、及び使用されるフィルム材料の種類によって、適宜選択することができるが、一般には4〜250μm程度であり、本発明においては4〜100μm程度の比較的厚みの薄いものを使用した場合に熱によるフィルムの波打ち防止等の効果が顕著となる。またプラスチックフィルムの表面には、後述するポリアリレート樹脂を含む樹脂層との接着性を向上する目的で易接着処理を施してもよく、また別途易接着層を設けてもよい。
【0016】
次に、プラスチックフィルムの両方の面に形成される樹脂層は、前記プラスチックフィルムを挟み込んで固定し、熱によるプラスチックの変形を防止するものである。
【0017】
このような樹脂層はポリアリレート樹脂を含むものであり、好ましくは前記樹脂層がポリアリレート樹脂を含む塗料から形成されてなることが望ましい。樹脂層にポリアリレート樹脂を含ませる方法としては、例えば、ポリアリレート樹脂に熱を加えてプレスすることにより樹脂層を形成したり、有機溶剤に溶解性の低いポリアリレート樹脂を細かく砕き、他の熱可塑性樹脂と有機溶剤からなる塗料中に充填させて樹脂層を形成させたり、有機溶剤に溶解性の高いポリアリレート樹脂を有機溶剤に溶解させて塗料化し樹脂層を形成させる方法等があげられる。本発明においては、上記汎用フィルム上に安価、かつ容易に形成するという観点から、ポリアリレート樹脂を有機溶剤に溶解させたポリアリレート樹脂を含む塗料から樹脂層を形成する方法が好ましい。
【0018】
本発明で用いるポリアリレート樹脂は、二価フェノールと芳香族ジカルボン酸との重縮合体からなる芳香族ポリエステルである。
【0019】
このような二価フェノールとしては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、9,9′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどがあげられ、これらを単独又は二種以上を混合して用いられる。
【0020】
また、これらの二価フェノールは、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、1、4−ジヒドロキシメチルシクロヘキサン等の二価アルコールで置き換えてもよい。
【0021】
次に、芳香族ジカルボン酸としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、5−tert−ブチルイソフタル酸、ジフェン酸、4,4′−ジカルボキシジフェニルエーテル、ビス(p−カルボキシフェニル)アルカン、4,4′−ジカルボキシフェニルスルホンなどがあげられ、これらを単独又は二種以上を混合して用いられる。なかでも、テレフタル酸とイソフタル酸の混合物が好ましい。
【0022】
また、このようなポリアリレート樹脂の末端は、末端封止剤で封止されていてもよく、そのような末端封止剤としては、例えば、フェノール、クレゾール、p−tert−ブチルフェノールなどの一価のフェノール類、安息香酸クロライド、メタンスルホニルクロライド、フェニルクロロホルメートなどの一価の酸クロライド類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ドデシルアルコール、ステアリルアルコール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコールなどの一価のアルコール類、酢酸、プロピオン酸、オクタン酸、シクロヘキサンカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、フェニル酢酸、p−tert−ブチル安息香酸、p−メトキシフェニル酢酸などの一価のカルボン酸などがあげられる。
【0023】
本発明で用いるポリアリレート樹脂は、このような二価フェノールと芳香族ジカルボン酸とを重縮合させることにより得られるものであるが、好適には有機溶剤に溶解性を示すものが好ましい。有機溶剤としては、水とは相溶しない汎用のもので、例えば、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、クロロベンゼン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、o−、m−、p−ジクロロベンゼンなどの塩素系溶媒、トルエン、ベンゼン、キシレンなどの芳香族系炭化水素、テトラヒドロフラン等の単独溶媒、又は混合溶媒などがあげられる。
【0024】
このようなポリアリレート樹脂の分子量は、特に限定されないが、テトラクロロエタン粘度測定溶媒に用いた、25℃における1g/dl溶液のインヘレント粘度は0.25〜1.20であることが好ましく、さらに好ましくは0.35〜1.00である。インヘレント粘度を0.25以上とすることにより樹脂層とした時の機械的強度を保つことができ、1.20以下とすることにより塗料とした時の溶媒に対する溶解性の低下を防止することができる。なお、このようなポリアリレート樹脂の分子量は、前述した末端封止材料の添加量によってコントロールすることができる。
【0025】
また、このようなポリアリレート樹脂のカルボキシル価は、20モル/トン以下が好ましく、さらに好ましくは15モル/トン以下が望ましい。20モル/トン以下とすることにより、塗料とした時の塗料の保存安定性が良好となるため好ましい。
【0026】
塗料化する際には、上記ポリアリレート樹脂を、溶媒100重量部に対して少なくとも2重量部以上、好ましくは2〜20重量部程度となるように溶解させることが望ましい。このような範囲とすることにより、塗工性が安定し、樹脂層としたときの被膜の厚みを均一にすることができる。
【0027】
なお、このようなポリアリレート樹脂を含む塗料には、本発明の効果を阻害しない範囲であれば他の樹脂成分や、樹脂層中に種々の性能を付与するため、必要に応じて、顔料、滑剤、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、抗菌剤、防カビ剤、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、可塑剤、レベリング剤、流動調整剤、消泡剤、貯蔵安定剤、分散剤等の添加剤を添加してもよい。
【0028】
このようなポリアリレート樹脂を含む塗料は、上述のプラスチックフィルムの両方の面に、従来公知の塗工方法、例えば、バーコーター、ダイコーター、ブレードコーター、スピンコーター、ロールコーター、グラビアコーター、フローコーター、スプレー、スクリーン印刷等によって、塗工し、乾燥させることにより樹脂層を形成することができる。
【0029】
このようにして得られる樹脂層中の樹脂成分におけるポリアリレート樹脂の含有量は、50重量%以上とすることが好ましい。ポリアリレート樹脂の含有量を50重量%以上とすることにより、熱によるフィルムの波打ち、及び熱収縮によるフィルムの寸法変化等の現象を抑制することができ、また、適度な表面硬度と可撓性とを維持できるため、傷つき防止性能を有しつつ、折り曲げによる白線やクラック等が生じにくく、取り扱い性に優れたものとすることができる。
【0030】
また樹脂層の厚みは、樹脂層中の樹脂成分におけるポリアリレート樹脂の含有量によって異なってくるので一概にいえないが、2〜50μm、好ましくは2〜30μm、更に好ましくは2〜10μm程度である。2μm以上とすることにより熱によるフィルムの波打ち、及び熱収縮によるフィルムの寸法変化等の現象を抑制することができ、50μm以下とすることにより、樹脂層としたときの被膜の厚みを均一にすることができる。
【0031】
以上のように、本発明によれば、プラスチックフィルムの両方の面にポリアリレート樹脂を含む樹脂層を設けたことにより、取り扱いが容易で熱によるフィルムの波打ち、及び熱収縮によるフィルムの寸法変化等の現象を抑制した改質プラスチックフィルムが得られる。さらに、前記樹脂層を、有機溶剤に溶解性を示すポリアリレート樹脂を含む塗料から形成すれば、上記熱による性能が改善された改質プラスチックフィルムが安価、かつ容易に得られる。
【0032】
以上のような本発明の改質プラスチックフィルムを基材として、樹脂層上に種々の機能を有する特定機能層を形成して、熱による波打ち等を防止しつつ、種々の特性を有する特定機能材料を製造することができる。
【0033】
例えば、トナー易接着層を設けて、第二原図用フィルム、印刷製版用フィルム、オーバーヘッドプロジェクタ用フィルムとし、PPC用複写機、レーザービームプリンタ等の出力用記録フィルムとして使用したり、粘着層を設けて電飾看板等の印刷物の表面に貼付し保護フィルムとして使用したり、光拡散層を設けて光拡散性フィルムとして使用したりすることもできる。また、磁性膜を積層し、ビデオテープ、オーディオテープ、フレキシブルディスク等に使用することもでき、その他プラスチックフィルムを使用して平面性が必要なものの全てに適用することができる。以上の説明は、本発明の一実施例であって、本発明はこれに限定されない。
【0034】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。なお、本実施例において「部」、「%」は、特に示さない限り重量基準である。
【0035】
[実施例1]
厚み50μmのポリエステルフィルム(コスモシャインA4300:東洋紡績社)の両方の面に、下記処方の樹脂層用塗料(ポリアリレート樹脂を含む塗料)をバーコーターにより塗工し、110℃で2分間乾燥させ、厚み5μmの樹脂層を形成し、本発明の改質プラスチックフィルムを作製した。
【0036】
<実施例1の樹脂層用塗料>
・ポリアリレート樹脂(固形分17%) 29部
(U−100:ユニチカ社)
・トルエン 25部
・メチルエチルケトン 46部
【0037】
[比較例1]
実施例1のポリエステルフィルムに樹脂層を形成しなかったものを比較例1のプラスチックフィルムとした。
【0038】
[比較例2]
実施例1の樹脂層用塗料の樹脂成分を熱硬化性樹脂(メラミン樹脂)として下記処方に変更し、実施例1と同様にして塗工し、150℃で3分間乾燥させ、厚み5μmの樹脂層を形成して、比較例2の改質プラスチックフィルムを作製した。
【0039】
<比較例2の樹脂層用塗料>
・メラミン樹脂(固形分80%) 10部
(スミテックスレジンM-3:住友化学社)
・純水 70部
・イソプロピルアルコール 10部
【0040】
[比較例3]
実施例1の樹脂層用塗料の樹脂成分を熱硬化性樹脂(アクリルポリオール樹脂)として下記処方に変更し、実施例1と同様にして塗工、乾燥させ、厚み5μmの樹脂層を形成して、比較例3の改質プラスチックフィルムを作製した。
【0041】
<比較例3の樹脂層用塗料>
・アクリルポリオール樹脂(固形分50%) 27部
(アクリディックA807:大日本インキ化学工業社)
・ポリイソシアネート硬化剤(固形分60%)5.5部
(タケネートD110N:三井武田ケミカル社)
・トルエン 32部
・メチルエチルケトン 24部
・酢酸ブチル 12部
【0042】
[比較例4]
実施例1の樹脂層用塗料の樹脂を電離放射線硬化型樹脂(紫外線硬化型アクリル樹脂)として下記処方に変更し、実施例1と同様にして塗工、乾燥させた後、高圧水銀灯で紫外線を照射して厚み5μmの樹脂層を形成し、比較例4の改質プラスチックフィルムを作製した。
【0043】
<比較例4の樹脂層用塗料>
・紫外線硬化型アクリル樹脂(固形分80%) 26部
(ユニディック17-813:大日本インキ化学工業社)
・光重合開始剤 0.6部
(イルガキュア184:チバスペシャルティケミカルズ社)
・トルエン 24部
・メチルエチルケトン 24部
・エチルセロソルブ 9部
【0044】
実施例、及び比較例2、3、4の改質プラスチックフィルムと比較例1のプラスチックフィルムについて、(1)熱による物性、(2)取り扱い性、(3)作業環境性について評価した。評価結果を表1に示す。
【0045】
(1)熱による物性の評価
(イ)熱による波打ちの評価の為、実施例、及び比較例の(改質)プラスチックフィルムをA−3(297mm×420mm)の大きさに切り、レーザービームプリンタ(ダイレクトプレート804PS2+F:沖電気工業社)を用いて、定着温度をアツイモード(約180℃)で出力した。評価は目視によって観察し、熱による波打ちがなかったものを「○」、熱による波打ちがあったもの、または熱によって波打ちが発生しプリンタ内で詰まってしまったものを「×」とした。
【0046】
(ロ)また、熱収縮による寸法安定性を評価した。JIS K-7133:1999に準じて、実施例、及び比較例の(改質)プラスチックフィルムを160mm×120mmの大きさに切り、(改質)プラスチックフィルムの中心部から各々の短辺方向に50mmの位置で標点をつけ、標点間距離を100mmとし、25℃、60%RHの環境に30分間放置した。次に200℃で30分間加熱後、25℃、60%RHの環境に30分間放置し、再び標点間距離を測定した。評価は、収縮率が2%未満であったものを「○」、2%以上であったもの、又は波打ちのため測定できなかったものを「×」とした。
【0047】
(2)作業環境性の評価
上記(1)の(イ)熱による寸法安定性の評価で出力したフィルムの臭いを嗅ぎ、残留モノマーによる悪臭のなかったものを「○」、悪臭のあったものを「×」とした。
【0048】
(3)取り扱い性の評価
実施例、及び比較例の(改質)プラスチックフィルムを2つに折り、その上に直径25mmの円柱を乗せ、さらにその上に300gの重りを乗せて、(改質)プラスチックフィルムを250mm/分の速度で動かした後、(改質)プラスチックフィルムを広げ、目視にて白い折り線がつかなかったものを「○」、白い折り線がついたものを「×」とした。
【0049】
【表1】
Figure 2004202924
【0050】
表1から明らかなように、実施例の改質プラスチックフィルムは、プラスチックフィルムの両方の面にポリアリレート樹脂を含む樹脂層を設けたことにより、熱によるフィルムの波打ち、及び熱収縮によるフィルムの寸法変化等の現象を抑制し、残留モノマーによる悪臭を放つことなく、取り扱いが容易な改質プラスチックフィルムが得られた。さらに、前記樹脂層は、有機溶剤に溶解性を示すポリアリレート樹脂を含む塗料から形成されてなるため、上記熱による性能が改善された改質プラスチックフィルムが容易に得られた。
【0051】
一方、比較例1のプラスチックフィルムは、改質する為の樹脂層を設けていない為、熱によって波打ちが発生しプリンタ内で詰まってしまった。また、熱収縮による寸法安定性の評価においても評価中に波打ちを生じ測定できなかった。
【0052】
次に、比較例2の改質プラスチックフィルムは、樹脂層の樹脂成分をメラミン樹脂としたため、樹脂層を硬化させる為の硬化温度が150℃と高く、出力前の状態でプラスチックフィルムが波打ちしてしまい、プリンタ内で詰まってしまい出力できなかった。また、熱収縮による寸法安定性の評価でもあらかじめ波打ちを生じているため測定できなかった。また、樹脂層の可撓性が低く、実施例と比べて取り扱い性の劣るものとなった。
【0053】
次に、比較例3の改質プラスチックフィルムは、樹脂層の樹脂成分をアクリルポリオール樹脂としたが、熱によるプラスチックフィルムの波打ち及び寸法の変化を樹脂層によって抑えることができず、熱による物性は、実施例と比べて劣るものとなった。また、樹脂層の可撓性が低く、実施例と比べて取り扱い性の劣るものとなった。
【0054】
次に、比較例4の改質プラスチックフィルムは、樹脂層の樹脂成分を紫外線硬化型アクリル樹脂としたため、熱によるプラスチックフィルムの波打ち及び寸法の変化を抑えることができたが、樹脂層の可撓性が低く、実施例と比べて取り扱い性の劣るものとなった。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、プラスチックフィルムの両方の面にポリアリレート樹脂を含む樹脂層を設けたことにより、熱によるフィルムの波打ち、及び熱収縮によるフィルムの寸法変化等の現象を抑制し、残留モノマーによる悪臭を放つことなく、取り扱いが容易な改質プラスチックフィルムが得られる。また、前記樹脂層を、ポリアリレート樹脂を含む塗料から形成すれば、上記熱による性能が改善された改質プラスチックフィルムが安価、かつ容易に得られる。

Claims (2)

  1. プラスチックフィルムの両方の面にポリアリレート樹脂を含む樹脂層を設けたことを特徴とする改質プラスチックフィルム。
  2. 前記樹脂層がポリアリレート樹脂を含む塗料から形成されてなることを特徴とする請求項1記載の改質プラスチックフィルム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018186359A1 (ja) * 2017-04-03 2018-10-11 ユニチカ株式会社 積層体およびその製造方法

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