JP2004202396A - バーホルダ及びそれを備える塗布装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】バーホルダ27は、連続して走行するフィルム16の走行方向に対して順方向又は逆方向に回転されるとともに塗布液17が過剰に塗布された側のフィルム16の表面に押し付けられることにより塗布厚を調整する塗布厚調整用バー22を支持するためのバー支持凹部28を有している。バー支持凹部28の内面には、第2密着膜29を介して第2摩耗改質膜30が被覆されている。そして、回転している塗布厚調整用バー22との摺接によるバー支持凹部28の摩耗が抑制されている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、連続して走行するポリエステルフィルム等のフィルムに塗布液を塗布するときに用いられるバーホルダ及びそれを備える塗布装置に関するものである。より詳しくは、回転している塗布厚調整用バーとの摺接によるバー支持凹部の摩耗を抑制することができるバーホルダ及びそれを備える塗布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
連続して走行するポリエステルフィルム等のフィルムの表面に塗布液を塗布する方法としては、バー塗布方法、リバースロール塗布方法、グラビアロール塗布方法、エクストルージョン塗布方法等が挙げられる。これらの中でも、設備が簡単で薄層塗布が可能であるために、バー塗布方法が広く用いられている。
【0003】
従来、バー塗布方法に用いられる塗布装置は、フィルムの表面に塗布された塗布液の塗布厚を調整するための塗布厚調整用バーと、塗布厚調整用バーを支持するためのバー支持凹部を有するバーホルダとを備えている(例えば特許文献1参照。)。塗布厚調整用バーは、その表面にハードクロムメッキが施され、フィルムの走行方向に対して逆方向に回転するように構成されている。バーホルダは、フッ素樹脂等の塗布厚調整用バーとの間の摩擦抵抗が小さい合成樹脂材料により形成されている。
【0004】
そして、塗布厚調整用バーが、回転に伴うバーホルダのバー支持凹部との摺接によって摩耗するのを抑制するようになっている。さらに、バー支持凹部の塗布厚調整用バーに対する滑り性を向上させ、回転している塗布厚調整用バーとの摺接によってバーホルダに振動が発生するのを抑制するようになっている。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−29871号公報(第2〜5頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この従来の塗布装置においては、バーホルダは塗布厚調整用バーとの間の摩擦抵抗が小さい合成樹脂材料により形成されているために、表面にハードクロムメッキが施されている塗布厚調整用バーとの摺接によってバー支持凹部が摩耗するという問題があった。このため、バー支持凹部による塗布厚調整用バーの支持はバー支持凹部の摩耗に伴って不安定となり、回転している塗布厚調整用バーに振動が発生する。そして、塗布厚調整用バーの振動によって塗布液の塗布厚を調整するのが困難になり、フィルムに対する塗布ムラ欠陥等の塗布欠陥が発生する。
【0007】
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、回転している塗布厚調整用バーとの摺接によるバー支持凹部の摩耗を抑制することができるバーホルダ及びそれを備える塗布装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明のバーホルダは、連続して走行するフィルムの表面に、塗布厚が調整された後の塗布量に対して過剰に塗布液が塗布された後、フィルムの走行方向に対して順方向又は逆方向に回転されるとともに塗布液が過剰に塗布された側のフィルムの表面に押し付けられることにより塗布厚を調整する硬質材料製の塗布厚調整用バーを支持するためのバー支持凹部を有し、バー支持凹部の内面には、回転している塗布厚調整用バーとの摺接による摩耗を抑制するための摩耗改質膜が設けられているものである。
【0009】
請求項2に記載の発明のバーホルダは、請求項1に記載の発明において、前記摩耗改質膜は、塗布厚調整用バーの表面にダイヤモンドライクカーボンを被覆し、回転数を40rpmとするとともに回転時間を72時間とし、塗布厚調整用バーのバー支持凹部への接圧を9.8N/mとしたときの摩耗量が80μm未満に設定されているものである。
【0010】
請求項3に記載の発明のバーホルダは、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記摩耗改質膜は、表面の平均粗さRaが2000Å以下に設定され、動摩擦係数が0.4以下に設定されるとともに表面硬度がビッカース硬さで500Hv以上に設定されているものである。
【0011】
請求項4に記載の発明のバーホルダは、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記摩耗改質膜はダイヤモンドライクカーボンにより形成されているものである。
【0012】
請求項5に記載の発明の塗布装置は、連続して走行するフィルムの表面に、塗布厚が調整された後の塗布量に対して過剰に塗布液を塗布するための塗布機構と、過剰に塗布された塗布液の塗布厚を調整するための塗布厚調整機構とを備え、塗布厚調整機構は、フィルムの走行方向に対して順方向又は逆方向に回転されるとともに塗布液が過剰に塗布された側のフィルムの表面に押し付けられる塗布厚調整用バー及び該塗布厚調整用バーを支持するための請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のバーホルダを備えるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1(a)に示すように、塗布装置11は、四角板状の基盤12上に塗布機構13と塗布厚調整機構14とが据付けられて構成されている。塗布装置11は、複数の搬送ローラ15によって図1(a)のA矢視線の方向に連続して走行するフィルム16の下方に、塗布機構13が上流側に位置するとともに塗布厚調整機構14が下流側に位置するように配設されている。そして、塗布機構13によってフィルム16の下面に塗布液17を塗布し、塗布厚調整機構14によってフィルム16に塗布された塗布液17の塗布厚を調整する。
【0014】
塗布機構13を構成する第1基台18は、フィルム16の幅方向に延びる四角柱状に形成されるとともに基盤12上に据付けられ、上部には断面略円状の塗布液貯留溝19がフィルム16の幅方向に延びるように凹設されている。第1基台18の上面には、頂面が前方及び後方に向かうに従い低くなるように傾斜する傾斜状に形成されている五角柱状をなす塗布部20が取付けられている。
【0015】
塗布部20の頂縁はフィルム16から若干離間し、そこには開口幅が一定の塗布液噴射溝21がフィルム16の幅方向に延びるように凹設されている。塗布液噴射溝21は、前記塗布液貯留溝19に連通するとともに、頂部に向かうに従い幅狭になるように構成されている。
【0016】
そして、図示しない塗布液貯留タンクから塗布液貯留溝19内に塗布液17が圧入された後、塗布液噴射溝21の上端開口部からフィルム16の下面に向けて塗布液17が噴射されることにより、フィルム16の下面に塗布液17を塗布するように構成されている。フィルム16の下面に塗布される塗布液17の量は、塗布厚調整機構14により塗布厚が調整された後の塗布量に対して過剰に設定されている。さらに、塗布液17がフィルム16の下面から塗布部20の頂面に垂れ落ちたときには、塗布部20の頂面から流下させる。
【0017】
塗布厚調整機構14を構成する塗布厚調整用バー22(以下、単にバー22ともいう)は、図3に示すように、円柱状をなすバー本体22aの中間部の外周面にワイヤー22bが巻回されることにより形成されている。本実施形態では、バー本体22aは直径が1〜50mmであるとともに長さが0.5〜2.5mであり、ワイヤー22bの直径は50〜150μmである。バー本体22a及びワイヤー22bは硬質材料によりそれぞれ形成され、硬質材料の具体例としてはステンレス鋼等の金属材料が挙げられる。尚、図1(a)〜図4においては、ワイヤー22bは、理解を容易にするためにその直径を誇張して大きく描かれている。
【0018】
図4に示すように、ワイヤー22bの表面には、第1密着膜23を介して第1摩耗改質膜24が被覆されている。そして、第1摩耗改質膜24によりワイヤー22bの摩耗を抑制してバー22の耐久性を向上させ、第1密着膜23により第1摩耗改質膜24のワイヤー22bへの密着性を向上させる。図2に示すように、バー22の端部は回転駆動装置25に取付けられ、バー22はフィルム16の走行方向に対して順方向、即ち図2のB矢視線の方向に回転される。
【0019】
図1(a)及び(b)に示すように、塗布厚調整機構14を構成する第2基台26はフィルム16の幅方向に延びる四角柱状に形成され、基盤12上に据付けられている。第2基台26の上面には、バー22を支持するための略半円柱状をなすバーホルダ27が取付けられている。
【0020】
バーホルダ27は、ウレタン樹脂等の合成樹脂材料やバー本体22a及びワイヤー22bの材質と同じ金属材料により形成され、上端部には断面半円状のバー支持凹部28が幅方向に延びるように凹設されている。バー支持凹部28の内面には第2密着膜29を介して第2摩耗改質膜30が被覆され、第2密着膜29により第2摩耗改質膜30のバー支持凹部28への密着性を向上させる。
【0021】
そして、バー支持凹部28に支持されているバー22が、フィルム16に下方から押し付けられて回転されることにより、フィルム16を押し上げるとともに過剰分の塗布液17がバー22によって掻き落とされて塗布量が計量され、塗布厚が調整される。
【0022】
バー支持凹部28の内面には略円孔状の洗浄溝31が複数、本実施形態では一対凹設され、各洗浄溝31の内部には水等の洗浄液が流れている。この洗浄液によって第1摩耗改質膜24の表面が洗浄され、フィルム16とバー22との摺接による摩擦熱によって加熱された第1摩耗改質膜24、ワイヤー22b等が冷却される。第1基台18の上流側の側面と、各基台18,26の間とには、塗布部20の頂面から流下した塗布液17又はバー22によってフィルム16から掻き落とされた塗布液17を回収するための受皿状をなす回収トレー32がそれぞれ配設されている。
【0023】
第2摩耗改質膜30はダイヤモンドライクカーボン(DLC)、ハードクロム、炭化チタン等の硬質材料等により形成され、回転しているバー22との摺接によるバー支持凹部28の摩耗を抑制するように構成されている。第2摩耗改質膜30の材質の中でも、DLCがバー支持凹部28の摩耗を抑制する効果が高いために好ましい。
【0024】
ここで、第1摩耗改質膜24をDLCにより形成し、バー22の回転数を40rpmとするとともに回転時間を72時間とする。さらに、バー22のバー支持凹部28への接圧を9.8N/m(1.0kgf/m)としたときの第2摩耗改質膜30の摩耗量は好ましくは80μm未満、より好ましくは30μm以下に設定され、摩耗量が0μm、即ち摩耗しないのがさらに好ましい。第2摩耗改質膜30の摩耗量が80μm以上では、摩耗量が大きいために回転しているバー22との摺接により第2摩耗改質膜30が摩耗してバー支持凹部28が露出し、バー支持凹部28が摩耗するおそれがある。
【0025】
ところで、回転しているバー22との摺接によるバー支持凹部28の摩耗を抑制するためには、第2摩耗改質膜30の摩耗量を前記範囲にする他に、バー22と第2摩耗改質膜30との間の摩擦抵抗を小さくするのが好ましい。このため、第2摩耗改質膜30の表面の平均粗さRaは好ましくは2000Å以下、より好ましくは5〜2000Å、さらに好ましくは5〜200Å、特に好ましくは5〜10Åに設定されている。
【0026】
バー22と第2摩耗改質膜30との間の摩擦抵抗には、前記の平均粗さRa以外に第2摩耗改質膜30の表面の動摩擦係数が要因となっている。このため、第2摩耗改質膜30の表面の動摩擦係数は好ましくは0.4以下、より好ましくは0.1〜0.4、さらに好ましくは0.1〜0.2に設定されている。
【0027】
平均粗さRa又は動摩擦係数が前記範囲を超えると、第2摩耗改質膜30の表面粗度が高くなり、滑り性が低下する。このため、バー22と第2摩耗改質膜30との間の摩擦抵抗が大きくなり、第2摩耗改質膜30が摩耗するおそれがあるとともに回転しているバー22との摺接によりバーホルダ27に振動が発生するおそれがある。一方、平均粗さRa又は動摩擦係数が前記範囲未満では、滑り性を高めるために第2摩耗改質膜30の表面の研磨工程等が必要となり、バーホルダ27の製造が煩雑になる。
【0028】
第2摩耗改質膜30は、回転しているバー22との摺接により摩耗してバー支持凹部28が露出し、バー支持凹部28が摩耗するのを抑制するために、表面硬度を向上させることによって摩耗を抑制するとともに一定範囲の厚みに形成されるのが好ましい。このため、第2摩耗改質膜30の表面硬度はビッカース硬度で好ましくは500Hv以上、より好ましくは2000〜5000Hv、さらに好ましくは3000〜5000Hvに設定されている。さらに、第2摩耗改質膜30の厚みは好ましくは80〜200μmに設定されている。
【0029】
表面硬度が500Hv未満では、表面硬度が低いために、回転しているバー22との摺接により第2摩耗改質膜30が摩耗するおそれがある。一方、5000Hvを超えると、第2摩耗改質膜30の表面硬度が高いためにその形成が困難になって現実的でない。第2摩耗改質膜30の厚みが200μmを超えると、第2摩耗改質膜30を厚くするためにその形成に時間がかかり、製造効率が低下する。一方、80μm未満では、第2摩耗改質膜30の薄いために、回転しているバー22との摺接によりバー支持凹部28が摩耗してバー支持凹部28が露出するおそれがある。
【0030】
前記第2密着膜29の材質の具体例としては、バーホルダ27が合成樹脂材料により形成されているときにはシランカップリング剤等が挙げられ、バーホルダ27が金属材料により形成されているときにはケイ素(Si)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、ホウ素(B)、ジルコニウム(Zr)、ニオブ(Nb)、ニッケル(Ni)等が挙げられる。
【0031】
ここで、シランカップリング剤は一分子中に有機官能基と加水分解性基とを有している。そして、バー支持凹部28と第2密着膜29との界面においてバーホルダ27を形成する合成樹脂材料と有機官能基とが結合し、第2密着膜29と第2摩耗改質膜30との界面において第2摩耗改質膜30を形成する材料と加水分解性基とが結合する。一方、Si等は、バー支持凹部28の内面に第2密着膜29及び第2摩耗改質膜30が例えば加熱蒸着により被覆されるときに、バー支持凹部28の内面に加熱蒸着してバーホルダ27を形成する金属材料と化合物を形成し、第2密着膜29に加熱蒸着した第2摩耗改質膜30を形成する材料と化合物を形成する。このため、第2摩耗改質膜30のバー支持凹部28への密着性を向上させることができる。
【0032】
第2密着膜29の厚みは好ましくは0.1〜0.3μmである。第2密着膜の厚みが0.1μm未満では、バー支持凹部28の内面に第2密着膜29を均一に被覆するのが困難になる。一方、0.3μmを超えると、第2密着膜29を厚くするためにその形成に時間がかかり、製造効率が低下する。
【0033】
第1摩耗改質膜24は第2摩耗改質膜30と同じ硬質材料により形成され、その厚みは好ましくは2.0μm以下、より好ましくは0.5〜1.0μmである。第1摩耗改質膜24は第2摩耗改質膜30と異なる材質でもよいし同じ材質でもよいが、互いの摩耗を抑制するために同じ材質で形成するのが好ましく、DLCによりそれぞれ形成するのがより好ましい。第1密着膜23は第2密着膜29と同じ材料により形成され、その厚みは第2密着膜29と同じである。各摩耗改質膜24,30及び各密着膜23,29の被覆方法としては、メッキ法、スパッタリング法、プラズマ化学蒸着法(プラズマCVD)等がそれぞれ挙げられる。
【0034】
前記フィルム16の材質の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルが挙げられる。塗布液17の組成は表面に塗布膜が被覆されたフィルム16の用途によって決定され、例えば表面に塗布膜が被覆されたフィルム16が印刷用の下地フィルムとして用いられるときには、塗布液は酸化チタン(TiO2)粒子等の顔料を含有する。塗布液17は、乾燥するときに蒸発した溶媒を排出しても環境に影響を与えないために、水性塗布液として構成されるのが好ましい。
【0035】
次に、バー支持凹部28の内面に例えばDLCにより形成されている第2摩耗改質膜30を被覆するコーティング方法について説明する。まず、バー支持凹部28の内面に第2摩耗改質膜30を被覆するための被覆装置について説明する。
【0036】
図5に示すように、被覆装置33を構成する真空槽34は箱状に形成され、その内部には有底筒状の反射電極35が配設されている。反射電極35の内部には、通電加熱されて熱電子を放出するフィラメント36が内奥側に配設されるとともに、開口側にアノード37が配設されている。反射電極35の底壁には原料ガス供給管38が貫通支持され、反射電極35内にベンゼンガス等の原料ガスを供給するように構成されている。
【0037】
反射電極35の上方にはカソード39が配設されている。反射電極35及びアノード37はモリブデン(Mo)、タングステン(W)、タンタル(Ta)等によりそれぞれ形成され、フィラメント36はW、Ta等により形成されている。カソード39はステンレス鋼等によって形成されている。
【0038】
反射電極35、フィラメント36、アノード37及びカソード39には電源40がそれぞれ接続され、アノード37の電位を基準としたときには、反射電極35、フィラメント36及びカソード39が負電位となるように構成されている。ここで、反射電極35の電位はカソード39の電位よりも高く設定され、フィラメント36の電位は反射電極35の電位よりも高く設定されている。尚、図5において、反射電極35内の電気力線36aを2点鎖線で示す。
【0039】
フィラメント36は通電加熱によって熱電子を放出し、放出された熱電子の一部が反射電極35によって反射されることにより、フィラメント36及びアノード37の間、並びに反射電極35及びアノード37の間に放電が発生する。反射電極35内に供給された燃料ガスは放電によってプラズマ化されて炭素イオンを生成し、この炭素イオンはカソード39の負電位によってカソード39方向に電気的に吸引される。そして、バーホルダ27を、バー支持凹部28が反射電極35側に向くようにカソード39と反射電極35との間に配設したときには、カソード39方向に電気的に吸引される炭素イオンがバー支持凹部28の内面に衝突付着し、第2摩耗改質膜30を被覆するように構成されている。
【0040】
バー支持凹部28の内面に第2摩耗改質膜30を被覆するときには、まずバー支持凹部28の内面に第2密着膜29を被覆する。次いで、バーホルダ27を、バー支持凹部28が反射電極35側に向くようにカソード39と反射電極35との間に配設した後、真空ポンプによって真空槽34内の圧力を低下させる。このとき、バーホルダ27のバー支持凹部28以外の箇所の表面は、第2摩耗改質膜30が被覆されるのを防止するために、アルミニウムフィルム等によって被覆するのが好ましい。
【0041】
そして、反射電極35、フィラメント36、アノード37及びカソード39に電圧を印加するとともに、原料ガス供給管38により反射電極35内に原料ガスを供給する。原料ガスのプラズマ化によって生成された炭素イオンは、バー支持凹部28の内面に第2密着膜29を介して衝突付着し、第2摩耗改質膜30を形成する。
【0042】
続いて、フィルム16への塗布液17の塗布方法について説明する。ここで、フィルム16は未延伸フィルムとして形成されるとともに縦延伸工程と横延伸工程とを連続して施す逐次二軸延伸工程が施され、フィルム16への塗布工程は縦延伸工程と横延伸工程との間に施される。
【0043】
フィルム16は、まず溶融押出ししたポリエステル原料を回転冷却ドラム上で冷却することにより、非晶質の未延伸フィルムとして形成される。続いて、縦延伸工程としてフィルム16の前後方向、即ち縦方向に対して直交方向に延びるように配設される一対のロールが前方に位置するほど周速が速く設定され、フィルム16をその縦方向に延伸(縦延伸)する。
【0044】
続いて、図1(a)に示すように、塗布工程として、フィルム16を複数の搬送ローラ15によって連続して走行させる。このとき、フィルム16は一般的には幅が0.3〜2.5mであり厚さが8〜1200μmである。その後、フィルム16の下面に、塗布機構13により塗布厚が調整された後の塗布量に対して過剰に塗布液17を塗布した後、塗布厚調整機構14のバー22により過剰分の塗布液17を掻き落として塗布厚を調整し、フィルム16の下面に塗布液17を塗布する。
【0045】
このとき、バー22は回転駆動装置25により図2のB矢視線の方向に回転されている。ここで、回転しているバー22との摺接により第2摩耗改質膜30が摩耗してバー支持凹部28が露出し、バー支持凹部28が摩耗するのを抑制するために、バー22と第2摩耗改質膜30とが弱く摺接するのが好ましい。このため、バー22のバー支持凹部28への接圧は好ましくは4.9〜29.4N/m(0.5〜3.0kgf/m)、より好ましくは9.8〜19.6N/m(1.0〜2.0kgf/m)に設定されている。ここで、バー22のバー支持凹部28への接圧は、バー22のフィルム16への接圧、即ちバー22がフィルム16を押し上げる力と同じ値である。
【0046】
バー22のバー支持凹部28への接圧が4.9N/m未満では、バー22のフィルム16への接圧が低い、即ちバー22がフィルム16を押し上げる力が弱いために、過剰分の塗布液17を十分に掻き落とすことができない。一方、29.4N/mを超えると、バー22のバー支持凹部28への接圧が高すぎるために、バー22と第2摩耗改質膜30とが強く摺接し、第2摩耗改質膜30が摩耗するおそれがある。
【0047】
続いて、図6に示すように、横延伸工程として、塗布厚が調整された状態で塗布液が塗布されたフィルム16を図示しないクリップで保持し、フィルム16の縦方向に対して直交方向に延伸(横延伸)して二軸延伸フィルムを得る。ここで、例えば幅が1〜2.5mのフィルム16を8mの幅にまで横延伸する。
【0048】
延伸温度は、塗布液17を急激に加熱することによってその表面だけが乾燥されて内部の乾燥が不十分になるのを防止するために、例えば延伸初期の領域e1では80℃、延伸中期の領域e2では90℃、そして延伸後期の領域e3では100℃のように、段階的に高く設定するのが好ましい。そして、二軸延伸フィルムを熱処理することにより、表面に塗布膜が被覆されたフィルム16が製造される。二軸延伸フィルムを熱処理するときには20%以内の弛緩を行ってもよい。
【0049】
さて、図1(a)〜図2に示すように、塗布工程において塗布装置11によってフィルム16の下面に塗布液17を塗布するときには、回転駆動装置25によりバー22が図2のB矢視線の方向に回転され、回転しているバー22と第2摩耗改質膜30とが摺接する。ここで、第2摩耗改質膜30は、回転しているバー22との摺接によるバー支持凹部28の摩耗を抑制するように構成されている。このため、回転しているバー22にバー支持凹部28自体ではなく第2摩耗改質膜30が摺接することにより、バー支持凹部28の摩耗を抑制することができる。よって、バー支持凹部28によるバー22の支持を安定させることにより回転しているバー22に振動が発生するのを抑制し、フィルム16に対する塗布ムラ欠陥等の塗布欠陥が発生するのを抑制することができる。
【0050】
以上詳述した本実施形態によれば、次のような効果が発揮される。
・ 本実施形態のバーホルダ27及び塗布装置11においては、バー支持凹部28の内面には第2密着膜29を介して第2摩耗改質膜30が被覆されている。このため、回転しているバー22にはバー支持凹部28自体ではなく第2摩耗改質膜30が摺接することにより、回転しているバー22との摺接によるバー支持凹部28の摩耗を抑制することができる。
【0051】
・ 第1摩耗改質膜24をDLCにより形成し、バー22の回転数を40rpmとするとともに回転時間を72時間とする。さらに、バー22のバー支持凹部28への接圧を9.8N/mとしたときの第2摩耗改質膜30の摩耗量は好ましくは80μm未満である。この場合、回転しているバー22との摺接による第2摩耗改質膜30の摩耗を抑制することにより、回転しているバー22との摺接によるバー支持凹部28の摩耗をより確実に抑制することができる。
【0052】
・ 第2摩耗改質膜30は、表面の平均粗さRaが2000Å以下に設定され、動摩擦係数は0.4以下に設定され、表面硬度はビッカース硬さで500Hv以上に設定されるのが好ましい。この場合、平均粗さRaと動摩擦係数との設定により、第2摩耗改質膜30の滑り性を向上させることができる。さらに、表面硬度の設定により、回転しているバー22との摺接による第2摩耗改質膜30の摩耗をより確実に抑制するこができる。このため、バー22と第2摩耗改質膜30との摩擦抵抗を小さくすることができるとともに、回転しているバー22との摺接によるバー支持凹部28の摩耗をさらに確実に抑制することができる。
【0053】
・ 第2摩耗改質膜30の材質はDLCが好ましい。この場合、DLCはバー支持凹部28の摩耗を抑制する効果が高いために、回転しているバー22との摺接によるバー支持凹部28の摩耗をより効果的に抑制するこができる。
【0054】
・ バー22のバー支持凹部28への接圧は好ましくは4.9〜29.4N/mに設定されている。この場合、回転しているバー22との摺接による第2摩耗改質膜30の摩耗をさらに確実に抑制することにより、回転しているバー22との摺接によるバー支持凹部28の摩耗をさらに効果的に抑制することができる。
【0055】
・ バー支持凹部28と第2摩耗改質膜30との間には第2密着膜29が形成されている。このため、第2摩耗改質膜30のバー支持凹部28への密着性を向上させることができる。
【0056】
尚、前記実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記第2密着膜29を省略し、バー支持凹部28の内面に第2摩耗改質膜30を直接被覆してもよい。また、第1密着膜23を省略し、ワイヤー22bの表面に第1摩耗改質膜24を直接被覆してもよい。
【0057】
・ 前記フィルム16は、塗布工程の後に縦延伸工程と横延伸工程とを同時に施してもよい。また、フィルム16を二軸延伸フィルムとして形成した後、塗布装置11を用いた塗布工程及び塗布液17の乾燥工程を施してもよい。
【0058】
・ 前記バー22をフィルム16の走行方向に対して逆方向に回転させてもよい。
・ 前記塗布液17は、例えば表面に塗布膜が被覆されたフィルム16を磁気テープとして用いるための塗布液17のように非ニュートン流体として構成してもよいし、表面に塗布膜が被覆されたフィルム16を写真感光フィルムとして用いるための塗布液17のようにニュートン流体として構成してもよい。
【0059】
・ 前記フィルム16の下面に塗布液17を塗布した後、さらにフィルム16の上面に塗布液を塗布することにより、フィルム16の両面に塗布液17を塗布してもよい。
【0060】
・ 前記フィルム16を単層フィルムとして構成してもよいし、共押出し積層フィルム等の多層フィルムとして構成してもよい。また、フィルム16をセルロース等により形成し、延伸工程を省略して塗布工程のみを施してもよい。
【0061】
【実施例】
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。
(実施例1〜3、比較例1及び比較例2)
実施例1においては、まずバー支持凹部28の内面に、DLCにより形成されている第2摩耗改質膜30を前記コーティング方法によって1.0μmの厚さで被覆し、バーホルダ27を形成した。また、ワイヤー22bの表面に、バー支持凹部28と同様にして、DLCにより形成されている第1摩耗改質膜24を1.0μmの厚さで被覆した。
【0062】
ここで、バーホルダ27、バー本体22a及びワイヤー22bはステンレス鋼としてのSUS−304によりそれぞれ形成し、バー本体22aは直径を10mmとするとともに長さを1.5mとした。ワイヤー22bは、直径を80μmとするとともに表面の平均粗さRaを0.3μmとした。各摩耗改質膜24,30は、表面の平均粗さRaが5〜8Åであり、表面硬度が3000〜5000Hvであった。
【0063】
実施例2、実施例3、比較例1及び比較例2においては、第2摩耗改質膜30の材質の種類及び厚みを表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてバーホルダ27及びバー22を形成した。ここで、実施例2においては、ハードクロムを通常のメッキ方法によって被覆し、実施例3においては、炭化チタンを通常のプラズマCVD法によって被覆した。
【0064】
比較例1においてはポリテトラフルオロエチレン(テフロン(R))によりバーホルダ27を形成し、比較例2においてはウレタン樹脂によりバーホルダ27を形成した。各例の第2摩耗改質膜30又はバーホルダ27の材質と、バー支持凹部28の平均粗さRa、表面硬度及び厚みとを表1に示す。
【0065】
実施例1〜3、比較例1及び比較例2の各バーホルダ27を図1に示す塗布装置11の第2基台26の上面に取付けた後、バー22をバー支持凹部28にそれぞれ支持した。続いて、各塗布装置11を用いて、PETにより形成されるとともに幅が1.5mのフィルム16に塗布液17を塗布した。ここで、塗布液17は粘度が3000mPa・sの比較的低粘度のゼラチン溶液として構成した。さらに、バー22の回転数を40rpmとするとともに回転時間を72時間とし、バー22のバー支持凹部28への接圧を9.8N/mとした。
【0066】
そして、バー22を回転させてから72時間後にバー22の回転を停止し、実施例1〜3においては第2摩耗改質膜30の摩耗量を測定するとともに、比較例1及び比較例2においてはバー支持凹部28の摩耗量を測定した。それらの結果を表1に示す。尚、表において、ハードクロムをHcrで示し、炭化チタンをTicで示す。
【0067】
【表1】
表1に示すように、実施例1〜3においては第2摩耗改質膜30の摩耗量が小さく、特に実施例1では第2摩耗改質膜30が摩耗していなかった。このため、回転しているバー22との摺接によるバー支持凹部28の摩耗を抑制することができ、特に実施例1ではバー支持凹部28の摩耗を抑制する効果が高かった。よって、実施例1〜3においては、バー支持凹部28はバー22を安定して支持することができた。
【0068】
一方、比較例1及び比較例2においては、バー支持凹部28の摩耗量が大きく、回転しているバー22との摺接によるバー支持凹部28の摩耗を抑制することができなかった。よって、バー支持凹部28によるバー22の支持は不安定となり、回転しているバー22に振動が発生した。特にバーホルダ27がウレタン樹脂により形成されている比較例2では、バー支持凹部28の摩耗量が大きいために、回転しているバー22に振動が連続して発生した。
(実施例4〜6及び比較例3)
実施例4においては、図7に示すように、動摩擦係数測定装置41を構成する円柱状をなす棒材42の表面に、実施例1と同じDLCにより形成されている被膜43を1.0μmの厚さで形成した。ここで、棒材42はステンレス鋼としてのSUS−304により形成され、被膜43の表面の平均粗さRa及び表面硬度は実施例1と同様であった。
【0069】
続いて、PETにより形成されている測定用フィルム44(ST100−188;三菱化学ポリエステルフィルム株式会社製の製品名)の一端部に200gの重り45を取付けた後、測定用フィルム44を被膜43の外周面に接触させるとともに、他端部に図示しないプッシュスケールを取付けた。そして、プッシュスケールによって測定用フィルム44をその他端部の方向に引張り、測定用フィルム44が動いているときのプッシュスケールのスケール値を用いて下記式(1)により動摩擦係数を算出した。
【0070】
μ=(1/ψ)×LN(T/W) …(1)
(式中、μは動摩擦係数、ψは巻付け角度(=π/2)、Tはスケール値、Wは重り45の重量を示す。)
実施例5においては実施例2と同じハードクロムにより被膜43を形成し、実施例6においては実施例3と同じ炭化チタンにより被膜43を形成した。比較例3においては比較例2と同じウレタン樹脂により被膜43を形成した。そして、実施例4と同様にして動摩擦係数をそれぞれ算出した。各例の被膜43の材質、平均粗さRa、表面硬度及び動摩擦係数の算出結果を表2に示す。
【0071】
【表2】
表2に示すように、実施例4〜6においては、平均粗さRaが2000Å以下であるとともに動摩擦係数が0.4以下であり、被膜43の滑り性を向上させることができた。このため、実施例4〜6の材質により第2摩耗改質膜30を形成したときには、第2摩耗改質膜30の滑り性を向上させてバー22と第2摩耗改質膜30との間の摩擦抵抗を小さくすることができた。よって、実施例4〜6の材質により形成されている第2摩耗改質膜30は、実施例1〜3と同様に回転しているバー22との摺接によるバー支持凹部28の摩耗を抑制し、さらにバー22との摩擦抵抗を小さくすることによってバーホルダ27に振動が発生するのを抑制することができた。
【0072】
一方、比較例3においては、動摩擦係数が0.4を超えるために、被膜43の滑り性が実施例4〜6に比べて低下した。このため、比較例3の材質によりバーホルダ27を形成したときには、比較例2と同様に回転しているバー22との摺接によるバー支持凹部28の摩耗を抑制することができないとともに、バー22とバー支持凹部28との間の摩擦抵抗が大きくなった。このため、回転しているバー22との摺接によりバーホルダ27に振動が発生した。
【0073】
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1)前記塗布厚調整用バーのバー支持凹部への接圧が4.9〜29.4N/mに設定されている請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のバーホルダ。この構成によれば、回転している塗布厚調整用バーによるバー支持凹部の摩耗をより確実に抑制することができる。
【0074】
(2)前記バー支持凹部の内面と摩耗改質膜との間には、摩耗改質膜のバー支持凹部への密着性を向上させるための密着膜が設けられている請求項1から請求項4及び上記(1)のいずれか一項に記載のバーホルダ。この構成によれば、摩耗改質膜のバー支持凹部への密着性を向上させることができる。
【0075】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
請求項1、請求項2及び請求項4に記載の発明のバーホルダ及び請求項5に記載の塗布装置によれば、回転している塗布厚調整用バーとの摺接によるバー支持凹部の摩耗を抑制することができる。
【0076】
請求項3に記載の発明のバーホルダによれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加え、塗布厚調整用バーと摩耗改質膜との摩擦抵抗を小さくすることができるとともに、回転している塗布厚調整用バーとの摺接によるバー支持凹部の摩耗をより確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本実施形態の塗布装置を示す概念図、(b)は塗布装置を示す要部断面図。
【図2】塗布厚調整用バーを示す平面図。
【図3】塗布厚調整用バーを示す部分破断側面図。
【図4】塗布厚調整用バーを示す要部断面図。
【図5】被覆装置を示す概念図。
【図6】横延伸工程におけるフィルムを示す平面図。
【図7】動摩擦係数測定装置を示す概念図。
【符号の説明】
11…塗布装置、13…塗布機構、14…塗布厚調整機構、16…フィルム、17…塗布液、22…塗布厚調整用バー、27…バーホルダ、28…バー支持凹部、30…第2摩耗改質膜。
Claims (5)
- 連続して走行するフィルムの表面に、塗布厚が調整された後の塗布量に対して過剰に塗布液が塗布された後、フィルムの走行方向に対して順方向又は逆方向に回転されるとともに塗布液が過剰に塗布された側のフィルムの表面に押し付けられることにより塗布厚を調整する硬質材料製の塗布厚調整用バーを支持するためのバー支持凹部を有し、バー支持凹部の内面には、回転している塗布厚調整用バーとの摺接による摩耗を抑制するための摩耗改質膜が設けられていることを特徴とするバーホルダ。
- 前記摩耗改質膜は、塗布厚調整用バーの表面にダイヤモンドライクカーボンを被覆し、回転数を40rpmとするとともに回転時間を72時間とし、塗布厚調整用バーのバー支持凹部への接圧を9.8N/mとしたときの摩耗量が80μm未満に設定されている請求項1に記載のバーホルダ。
- 前記摩耗改質膜は、表面の平均粗さRaが2000Å以下に設定され、動摩擦係数が0.4以下に設定されるとともに表面硬度がビッカース硬さで500Hv以上に設定されている請求項1又は請求項2に記載のバーホルダ。
- 前記摩耗改質膜はダイヤモンドライクカーボンにより形成されている請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のバーホルダ。
- 連続して走行するフィルムの表面に、塗布厚が調整された後の塗布量に対して過剰に塗布液を塗布するための塗布機構と、過剰に塗布された塗布液の塗布厚を調整するための塗布厚調整機構とを備え、塗布厚調整機構は、フィルムの走行方向に対して順方向又は逆方向に回転されるとともに塗布液が過剰に塗布された側のフィルムの表面に押し付けられる塗布厚調整用バー及び該塗布厚調整用バーを支持するための請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のバーホルダを備えることを特徴とする塗布装置。
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