JP2004201363A - 電線切断装置 - Google Patents

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JP2004201363A JP2002363869A JP2002363869A JP2004201363A JP 2004201363 A JP2004201363 A JP 2004201363A JP 2002363869 A JP2002363869 A JP 2002363869A JP 2002363869 A JP2002363869 A JP 2002363869A JP 2004201363 A JP2004201363 A JP 2004201363A
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Hiroichi Sekino
博一 関野
Kunio Tabata
邦夫 田端
Junichiro Shinozaki
順一郎 篠▲崎▼
Hideki Kojima
英揮 小島
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Abstract

【課題】機器等に配線された電線や絡みあって不規則な状態にある電線を自動切断することが可能な電線切断装置を提供する。
【解決手段】噛合い検出装置が切断刃は開いた状態であることを検出し、かつ導電材検出回路が電流を検出した場合、切断判定装置は切断刃が導電性の良い電線など切断していると判定し、切断力制御手段により電線切断装置の駆動力を増大させ、一方切断刃が閉じたと判断した場合には、切断刃は切断を完了したと判定して電線切断装置を停止させる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電線類の処理が伴うOA機器の分解、解体作業において、電線を捕らえたかどうかの判断から切断完了まで自動的に行うための装置に係わり、特にロボットなどにこれらの作業を代行させるための電線切断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電線切断装置に類似する装置として、芯線傷検出装置がある。
【0003】
芯線傷検出装置の第1の例は、電線の絶縁被覆をカッターにより除去する電線端末処理装置であり、カッターを第1の電極とし、電線保持ヘッドを第2の電極とし、その電極間に交流電源により交流電圧を印加して、交流電源、第1の電極、第2の電極からなる第1の閉回路に流れる電流値を検出して、カッターと電線の芯線との接触を検出する芯線傷検出装置である(特許文献1参照。)。
【0004】
芯線傷検出装置の第2の例は、切断カッターの両側に口出しカッターを2つ備え、電線の切断と口出しを同時に行いながら、口出しカッターが電線の芯線に接触するか否かを検出する芯線傷検出装置であり、口出しカッターを第1の電極とし、電線を把持し固定する把持部を第2の電極として、第1の電極および第2の電極に所定の電圧を印加し、第1の電極と第2の電極との間に流れる電流を検出することにより、口出しカッターが前記電線の芯線に接触するか否かを検出するものである(特許文献2参照。)。
【0005】
芯線傷検出装置の第3の例は、電線の絶縁被覆に口出しカッターにより切り込みを入れた時点で、口出しカッターと電線の芯線との接触を検出し、接触に応じた接触信号を出力する検出手段と、接触信号に基づき、芯線に傷が生じたか否かを判別する判定手段とを備えたものである(特許文献3参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−347429号公報
【特許文献2】
特開平7−87643号公報
【特許文献3】
特開平7−227022号公報
【0007】
【課題を解決しようとする課題】
しかしながら、いずれの装置も設置型の構造のため、装置自体を3次元的に自由に移動させることは困難であり、たとえ自由に移動できたとしても、電線を必ず所定の姿勢で供給しなくてはならない仕様となっており、機器等に配線された電線、絡みあった不規則な状態にある電線、あるいは周辺の構造体が障害物となる位置に存在する電線を捕らえ、所定の姿勢で保持して、切断あるいは口出しすることは極めて困難である。
【0008】
本発明は、機器等に配線された電線、絡みあって不規則な状態にある電線、あるいは周辺の構造体が障害物となる位置に存在する電線を捕らえ、自動で切断状況を認識しながら切断作業を行うことができる電線切断装置を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の電線切断装置は、導電性材料からなる2つの切断刃と、非導電性材料からなる切断刃を保持するための構造体と、構造体の回転軸に配したモータとが一体で構成され、切断刃の噛合い状態を検出するための噛合い検出装置、切断状態を判定する切断判定装置およびモータの駆動力を制御する切断力制御装置を備えたことを特徴とする。
【0010】
また噛合い検出装置が、角度位置検出器あるいは切断刃を電極とした電流検出回路によって構成され、電流検出回路が電流を検出した場合に、噛合い検出装置が切断刃は閉じた状態であると判断することを特徴とする。
【0011】
また切断判定装置が、噛合い検出装置と切断刃を電極とした導電材検出回路によって構成されたことを特徴とする。
【0012】
また噛合い検出装置が切断刃は開いた状態であることを検出し、かつ導電材検出回路が電流を検出した場合に、切断判定装置が切断刃は電線の切断を開始または切断中であると判定し、噛合い検出装置が切断刃は閉じた状態であることを検出し、かつ導電材検出回路が電流を検出した場合に、切断判定装置が前記切断刃は電線の切断を完了したと判定することを特徴とする。
【0013】
また切断判定装置が切断回数計算手段を備えたことを特徴とする。
【0014】
また切断判定装置が切断刃は電線の切断を開始または切断中であると判定した場合に、切断力制御装置がモータの駆動力を増大させ、切断判定装置が切断刃は電線の切断を完了したと判定した場合に、切断力制御装置がモータの駆動を停止させることを特徴とする。
【0015】
また切断力制御装置がモータ電流計測手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
また切断刃に電線通過検出装置を備え、電線ストッパを備えたことを特徴とする。
【0017】
【作用】
本発明の電線切断装置は、導電性材料からなる2つの切断刃がモータによって駆動され、切断刃の噛合い状態を検出するための噛合い検出装置、電線の切断状態を判定する切断判定装置およびモータの駆動力を制御する切断力制御装置が備えられている。
【0018】
モータの回転軸に固定された角度位置検出器、あるいは切断刃の先端部を電極とした電流検出回路によって構成された噛合い検出装置により、切断刃が開いた状態か、または閉じた状態かを検出する。ここで、角度位置検出器を用いた場合には、切断刃が閉じた状態での出力信号を予め基準値として設定しておき、また電流検出回路を用いた場合には、切断刃が開いた状態では電流を検出せず、閉じた状態で電流を検出するような構成とすることにより噛合い状態が検出できる。
【0019】
噛合い検出装置において切断刃が開いていることを検出している状態で、切断刃を電極とした導電材検出回路が電流を検出した場合、切断判定装置において切断刃が電線の切断を開始した、または切断中であると判定される。その状態がしばらく続いた後に、噛合い検出装置において切断刃が閉じたことを検出し、かつ導電材検出回路が電流を検出している場合には、切断判定装置において切断刃が電線の切断を完了したと判定される。
【0020】
このように電線の切断が正常に行われた場合には、切断判定装置が切断回数を数え、記憶することにより、切断作業の進行状況が把握できる。
【0021】
切断刃が電線を切断していない状態では、切断刃は小さな一定の駆動トルク、例えば電線の被覆が切断できる必要最小限の駆動トルクで駆動される。一方、切断刃が電線の切断を開始した場合、または切断中においては、切断力制御装置からの指令によりモータの駆動トルクを増大させ、電線の切断が完了するまでこの状態を維持する。電線の切断を完了した場合には、切断力制御装置からの指令によりモータの駆動を停止させ、切断刃の破損を防止する。
【0022】
ここで、切断刃が電線ではなく、導電性のある金属部材を噛んだ場合でも、噛合い検出装置では切断刃が開いた状態であることを検出し、導電材検出回路が電流を検出してしまうため、切断判定装置では切断刃が電線を切断していると誤判定してしまう。そこで、切断力制御装置によりモータの電流を常時計測し、切断刃を駆動しているモータへの異常な負荷によりモータ電流値が上限値を越えた場合には、切断力制御装置からの指令によりモータの駆動を停止させ、切断刃およびモータの破損を防止する。
【0023】
切断刃の先端部に備えた電線通過検出装置において、何らかの物体が通過したことを検出すると切断刃の駆動が開始され、また電線ストッパにより切断刃の奥の方に電線が入り込むことが無くなるため、安全かつ効率的に切断作業が実行される。
【0024】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面にもとづいて説明する。
【0025】
図1は本発明の実施例1の構成を示す概略図であり、全体の形状としては、ニッパやペンチに類似した形状を成している。図2は実施例1の切断刃部の構成を示す拡大図であり、図3は本発明の実施例1において電線通過検出装置および電線ストッパの構成を示した図である。
【0026】
電線を切断する噛合い部は、導電性材料からなる切断刃1a、1bにより構成されている。切断刃1a、1bが閉じた状態は、切断刃1a、1bが完全に噛合った状態を示す。切断刃1a、1bを保持する構造体2a、2bは非導電性材料から構成されており、切断刃1a、1bを所定の位置で装着固定するための挿入溝3およびストッパ4が施されている。このような構造としたことにより、切断刃1a、1bの取り替えが容易となる。
【0027】
ストッパ4と切断刃1a、1bの間には、電極接点5a、5bがそれぞれ配されており、電極接点5a、5bに対し切断刃1a、1bを接触した状態で固定することにより、切断刃1a、1bのそれぞれが独立した電極となる。電極接点5a、5bには電源6から所定の電圧が印加されており、切断刃1a、1bが接触する、あるいは切断刃1a、1bの間に電線などの導電性材料が挟まれると、電極接点5a、5bの間に流れた電流が導電材検出回路7により検出される。
【0028】
つまり、導電材検出回路7が電流を検出することにより、切断刃1a、1bは電線などの導電性材料を切断している状態、あるいは閉じた状態のどちらかであることがわかる。
【0029】
切断刃1a、1bの駆動装置は切断刃1a、1bの回転軸に配したモータ8、モータ8に直結された角度位置検出器9、モータ駆動電源10およびモータ駆動回路11で構成される。ここで、角度位置検出器9には、ロータリーエンコーダやポテンショメータなどを用いる。
切断刃1aは固定された状態であり、切断刃1bがモータ8の回転軸に結合され、回転駆動される。なお、切断刃1a、1bが電線を切断していない駆動開始直後においては、切断刃1bは小さな一定の駆動トルク、例えば電線の被覆が切断できる必要最小限の駆動トルクにより駆動されている。
【0030】
角度位置検出器9はモータ8の回転角度から切断刃1a、1bの開き角を検出するものであり、切断刃1a、1bが閉じた状態での角度位置検出器9の出力信号を基準値とすることにより、切断刃1a、1bが閉じた状態であるか否かがわかる。
【0031】
切断判定装置12では、導電材検出回路7の出力信号と角度位置検出器9の出力信号から、切断刃1a、1bが電線を切断している否か、または切断を完了したかを判定する。
また切断力制御装置13では、切断判定装置12による判定結果を基にモータ8の駆動力を制御する、あるいは常時計測しているモータ8の電流値を基にモータ8にかかる負荷を検出し、この負荷に応じてモータ8の駆動を制御する。
【0032】
切断刃1bの駆動が開始され、電線の被覆を切り裂いて切断刃1a、1bが導線部に接触すると、角度位置検出器9から切断刃1a、1bが開いた状態であることを検出している信号が、また導電材検出回路7から電極接点5a、5b間に電流を検出している信号が切断判定装置12に送られ、切断判定装置12は切断刃1a、1bが電線の切断を開始したと判定する。切断力制御装置13は切断判定装置12から電線の切断開始を判定したことを示す信号を受け取り、モータ駆動回路11にモータ8の駆動力を導線部の切断に必要な駆動力まで増大させる指令を送ることにより、電線の切断が確実に開始される。
【0033】
以降、角度位置検出器9から切断刃1a、1bが開いた状態であることを検出している信号が、また導電材検出回路7から電極接点5a、5b間に電流を検出している信号が切断判定手段12に送られている間、切断判定装置12は切断刃1a、1bは電線を切断中であると判定する。切断力制御装置13は切断判定装置12から切断中であることを示す信号を受け取り、モータ駆動回路11にモータ8の駆動力を導線部の切断に必要な駆動力を維持する指令を送る。
【0034】
切断中の状態がしばらく続いた後に、角度位置検出器9から切断刃1a、1bが閉じた状態であることを検出した信号が、また導電材検出回路7から電極接点5a、5b間に電流を検出している信号が切断判定手段12に送られた場合、切断判定手段12は切断刃1a、1bが電線の切断を完了したと判定する。切断力制御装置13は切断判定装置12から切断が完了したことを示す信号を受け取り、モータ駆動回路11にモータ8の駆動を停止する指令を送る。
【0035】
以上のように、電線の切断時には適度な切断力を与え、一方電線の切断が完了した場合には駆動を停止する制御により、電線を的確に切断し、かつ切断刃に過剰な負荷が作用することを防止することで切断刃の破損を避けることができる。
【0036】
このような行程で電線の切断が正常に行われた場合には、切断判定装置12に備えられた切断回数計算手段が切断回数を数え記憶する。このような処理により、予め切断すべき電線の本数がわかっている場合には切断作業の進行状況が把握でき、切断作業の完了を確認した場合には次の作業行程へ自動的に移ることが可能となる。
【0037】
ここで切断力制御装置13には、切断刃1a、1bが電線ではなく導電性のある金属部材を噛んだ場合や、硬度のあるプラスチックなどの非導電性部材を切断しようとしている場合の切断力を制御するためのモータ電流計測手段が備えられている。
【0038】
例えば、切断刃1a、1bが導電性のある金属部材を切断しようとしている場合、角度位置検出器9では切断刃1a、1bが開いた状態であることを検出し、導電材検出回路7では電極接点5a、5b間に電流を検出してしまうため、切断判定装置12では切断刃が電線を切断していると誤判定し、モータ8の駆動力を増大して動き続ける。
【0039】
また非導電性部材を切断しようとしている場合は、角度位置検出器9では切断刃1a、1bが開いた状態であることを検出するが、導電材検出回路7は電極接点5a、5b間の電流を検出しないため、モータ8の駆動力が増大されることはないが、切断刃1a、1bは駆動開始時の駆動力を維持したまま動き続ける。
【0040】
そこで、モータ電流計測手段によりモータ8に流れている電流を常時計測し、電流値がモータ8が安全に駆動できる上限の電流値を越えた場合、切断力制御装置13ではモータ8に異常な負荷が作用していると判定し、モータ駆動回路11にモータ8の駆動を停止する指令を送る。
【0041】
以上のように、モータの電流値から切断刃が電線以外の部材を切断しようとしていることを容易に検知でき、切断刃およびモータの破損を防止することができる。また、切断判定装置の判定結果とモータの電流値から、切断刃が導電性のある金属部材、あるいは非導電性部材を切断しようとしているのかが容易に判別できる。
【0042】
図3は本実施例における、電線通過判定装置および電線ストッパの構成を示す概略図である。
【0043】
電線通過検出装置16は、自動的に電線または異物が切断可能範囲内に収まったことを自動判定し、自動的に電線切断装置を駆動させるためのものであり、その検出手段としては赤外線センサや、超音波センサおよびマイクロ波センサなどの距離検出法が適用できる。
【0044】
なお自動的に電線を探し、切断刃の先端部を電線が存在する場所まで導く手段としては、従来から用いられているビジュアルサーボ技術などが適用できる。
【0045】
ここでは、検出手段として赤外線センサを適用した例について説明する。
【0046】
切断刃1bの先端付近の構造体2bには赤外線送光器14、切断刃1aの先端付近の構造体2aに赤外線受光器15が取り付けられている。通常、切断刃1a、1bの開き角(図3中、θ)は30度程度が適度、最大でも45度で十分であるが、45度以内のいかなる角度において赤外線送光器14から放出された赤外線が赤外線受光器15で受信されなくてはならない。また赤外線のビーム径は、切断する電線の線径よりも細くしなくてはならない。
【0047】
ここで、赤外線送光器14から放出される赤外線のビーム径をできる限り細くし、赤外線受光器15の径を赤外線のビーム径と同じ、あるいは小さくした場合には、ある角度では赤外線が赤外線受光器15から逸れてしまい、赤外線が遮断されたと誤判定してしまう。
そこで赤外線送光器14に対し、赤外線受光器15の径を適度に大きくして、45度以内であればどの角度でも赤外線を受光できるようにする。
【0048】
電線通過検出装置16は、赤外線送光器14への入力信号と赤外線受光器15からの出力信号を基に、切断可能範囲内に電線などが存在しているか否かを判定し、電線などが存在していると判定した場合には、モータ駆動装置11に駆動開始の指令を送る。
【0049】
すなわち、赤外線受光器15が赤外線を受光できている時は、電線通過検出装置16では切断可能範囲内には何も存在していないと判断し、電線切断装置は駆動させない。
【0050】
一方、赤外線受光器15が赤外線を受光できない、すなわち赤外線が遮断された場合には、電線通過検出装置16は切断刃1a、1bによる切断が可能な範囲に電線が収まったと判断し、モータ駆動装置11に駆動開始の指令を送り、モータ8を駆動させる。
【0051】
ここで、駆動開始直後のモータ8の駆動力は、切断判定装置12において電線の切断が開始されたと判定されるまでは、電線の被覆が切断できる必要最小限の駆動力に抑えられている。
なお赤外線送光器14と赤外線受光器15については、それぞれを切断刃1a、1bに対し両側に配すれば、電線が切断可能範囲に収まったか否かをより正確に判定することが可能となる。
以上の制御により、電線を切断することが可能な状態にあることを自動的に判定して、電線切断装置の駆動を開始することができるため、安全性が高められ、また必要時のみ電線切断装置は駆動されるので、消費電力を必要最小限に抑えることができる。
【0052】
上記のように、電線通過検出装置16から駆動開始の指令を受けて電線切断装置は駆動されるが、電線切断装置を3次元的に自由に移動させながら切断作業を行う状況においては、切断可能な範囲から電線が外れてしまう場合がある。外れる状況としては、切断刃1a、1bの外側に出てしまう場合と、切断刃1a、1bの内側奥まで入り込んでしまう場合があり、とりわけ内側奥まで入り込んでしまう場合は電線の切断ができないだけでなく、電線が入り込んだまま排除できなくなる可能性がある。
【0053】
電線ストッパ17はこれを防止するためのものであり、機構および構造上の面からできるだけ可動させない方が有利なため、切断刃1aの内側端部付近の構造体2aに取り付けられている。また電線ストッパ17はできる限り切断刃1aとの隙間ができない位置に取り付けられ、その長さは切断刃1a、1bの最大開き角以内で、確実に機能する寸法で設定される。
【0054】
図4は本発明の実施例2の構成を示す概略図である。なお、実際は電線通過検出装置および電線ストッパも装備され、実施例1で説明した作用及び効果が得られるため、ここでの図への記載および詳細な説明は省略する。
【0055】
実施例2における刃の噛合い部は、導電性材料からなる切断刃1a、1bおよび検出刃18a、18bにより構成されており、切断刃1a、1bが閉じた状態では、検出刃18a、18b全体が互いに接触した状態となる。切断刃1a、1bを固定する構造体2a、2bは非導電性材料から構成されており、構造体2a、2bには切断刃1a、1bを所定の位置で装着固定するための挿入溝3およびストッパ4が施されている。このような構造としたことにより、切断刃1a、1bの取り替えが容易となる。
【0056】
ストッパと切断刃1a、1bの間には、電極接点5a、5bがそれぞれ配されており、電極接点5a、5bに対し切断刃1a、1bを接触させた状態で固定することにより、切断刃1a、1bのそれぞれが独立した電極となる。電極接点5a、5bには電源6から所定の電圧が印加されており、切断刃1a、1bが接触する、あるいは切断刃1a、1bの間に電線などの導電性材料が挟まれると、電極接点5a、5bの間に流れた電流が導電材検出回路7により検出される。
【0057】
つまり、導電材検出回路7が電流を検出することにより、切断刃1a、1bは電線などの導電性材料を切断している、あるいは閉じた状態のどちらかであることがわかる。
【0058】
検出刃18a、18bも、構造体2a、2bに施された挿入溝を利用して装着されている。スペーサ19は絶縁材料からなり、電気的に検出刃18a、18bを切断刃1a、1bから切り離している。スペーサ19と検出刃18a、18bの間には、電極接点20a、20bがそれぞれ配されており、電極接点20a、20bに対し検出刃18a、18bを接触させた状態で固定することにより、検出刃18a、18bのそれぞれが独立した電極となる。電極接点20a、20bには電源21から所定の電圧が印加されており、検出刃18a、18bが接触した時、電極接点20a、20bの間に流れる電流が電流検出回路22により検出される。
【0059】
つまり、電流検出回路22が電流を検出した場合は切断刃1a、1bが閉じた状態であり、電流を検出していない場合は切断刃1a、1bが開いた状態であることを示す。
【0060】
電線切断装置の駆動装置は、切断刃1a、1bの回転軸に配したモータ8、モータ駆動電源10およびモータ駆動回路11により構成されており、切断刃1aはモータ8に対して固定された状態であり、切断刃1bがモータ8により回転駆動される。
【0061】
切断判定装置12では、導電材検出回路7の出力信号と電流検出回路22の出力信号から、切断刃1a、1bが電線を切断している否か、または切断を完了したかを判定する。
【0062】
また切断力制御装置13では、切断判定装置12による判定結果を基にモータ8の駆動力を制御する、あるいは常時計測しているモータ8の電流値を基にモータ8にかかる負荷を検出し、この負荷に応じてモータ8の駆動を制御する。
【0063】
切断刃1bの駆動が開始され、電線の被覆を切り裂いて切断刃1a、1bが導線部に接触すると、電流検出回路22から検出刃18a、18bが接触していない状態、すなわち切断刃1a、1bが開いた状態であることを検出している信号が、また導電材検出回路7から電極接点5a、5b間に電流を検出している信号が切断判定装置12に送られ、切断判定装置12は切断刃1a、1bが電線の切断を開始したと判定する。
【0064】
切断力制御装置13は切断判定装置12から電線の切断開始を判定したことを示す信号を受け取り、モータ駆動回路11にモータ8の駆動力を導線部の切断に必要な駆動力まで増大させる指令を送ることにより、電線の切断が確実に開始される。
【0065】
以降、電流検出回路22から切断刃1a、1bが開いた状態であることを検出している信号が、また導電材検出回路7から電極接点5a、5b間に電流を検出している信号が切断判定手段12に送られている間、切断判定装置12は切断刃1a、1bは電線を切断中であると判定する。
【0066】
切断力制御装置13は切断判定装置12から切断中であることを示す信号を受け取り、モータ駆動回路11にモータ8の駆動力を導線部の切断に必要な駆動力を維持する指令を送る。
【0067】
切断中の状態がしばらく続いた後に、電流検出回路22から切断刃1a、1bが閉じた状態であることを検出した信号が、また導電材検出回路7から電極接点5a、5b間に電流を検出している信号が切断判定手段12に送られた場合、切断判定手段12は切断刃1a、1bが電線の切断を完了したと判定する。
【0068】
切断力制御装置13は切断判定装置12から切断が完了したことを示す信号を受け取り、モータ駆動回路11にモータ8の駆動を停止する指令を送る。
【0069】
以上のように、電線の切断時には適度な切断力を与え、一方電線の切断が完了した場合には駆動を停止する制御により、電線を的確に切断し、かつ切断刃に過剰な負荷が作用することを防止することで切断刃の破損を避けることができる。
【0070】
このような行程で電線の切断が正常に行われた場合には、切断判定装置12に備えられた切断回数計算手段が切断回数を数え記憶する。このような処理により、予め切断すべき電線の本数がわかっている場合には切断作業の進行状況が把握でき、切断作業の完了を確認した場合には次の作業行程へ自動的に移ることが可能となる。
【0071】
ここで切断力制御装置13には、切断刃1a、1bが電線ではなく導電性の良い金属部材を噛んだ場合や、硬度の高いプラスチックなどの非導電性部材を切断しようとしている場合の切断力を制御するためのモータ電流計測手段が備えられている。
【0072】
例えば、切断刃1a、1bが導電性の良い金属部材を切断しようとしている場合、電流検出回路22では切断刃1a、1bが開いた状態であることを検出し、導電材検出回路7では電極接点5a、5b間に電流を検出してしまうため、切断判定装置12では切断刃が電線を切断していると誤判定し、モータ8の駆動力を増大して動き続ける。
【0073】
また非導電性部材を切断しようとしている場合は、電流検出回路22では切断刃1a、1bが開いた状態であることを検出するが、導電材検出回路7は電極接点5a、5b間の電流を検出しないため、モータ8の駆動力が増大されることはないが、切断刃1a、1bは駆動開始時の駆動力を維持したまま動き続ける。
【0074】
そこで、モータ電流計測手段によりモータ8に流れている電流を常時計測し、電流値がモータ8が安全に駆動できる上限の電流値を越えた場合、切断力制御装置13ではモータ8に異常な負荷が作用していると判定し、モータ駆動回路11にモータ8の駆動を停止する指令を送る。
【0075】
以上のように、モータの電流値から切断刃が電線以外の部材を切断しようとしていることを容易に検知でき、切断刃およびモータの破損を防止することができる。また、切断判定装置の判定結果とモータの電流値から、切断刃が導電性のある金属部材、あるいは非導電性部材を切断しようとしているのかが容易に判別できる。
【0076】
【発明の効果】
本発明の電線切断装置は、ニッパやペンチなど類似した形状で、モータによる駆動装置を備えたため、機器等に配線された電線、絡みあった不規則な状態にある電線、あるいは周辺の構造体が障害物となる位置に存在する電線を、3次元的に自由に移動させながら捕獲、切断を行うことができる。
【0077】
また切断刃を電極とした導電材検出回路と回転角度検出器あるいは検出刃を電極とした電流検出回路からの出力信号を処理する切断判定装置を備えたことにより、各出力信号のパターンから、電線切断装置が電線を切断したか否か、あるいはどのような切断状態であるかを判定することができ、切断回数を数え記憶することにより、予め切断すべき電線の本数がわかっている場合には切断作業の進行状況が把握できる。
【0078】
また切断力制御装置により、電線の切断に対しては適度な切断力を与え、電線の切断が完了した場合や電線以外のものを挟んでいる場合などには、切断刃の破損を防ぐために駆動を停止するなどの制御ができる。
【0079】
また赤外線などを利用した電線通過判定装置により、切断刃の切断可能範囲に電線などが存在することを検出した場合に電線切断装置を駆動させるため、安全性を高め、かつ消費電力を必要最小限に抑えることができる。
【0080】
以上の機能を備えた本発明の電線切断装置を用いれば、3次元空間での任意の電線の自動切断作業が可能となり、FAロボットアームのエンドエフェクタとしても使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に電線切断装置における、実施例1の構成を示す概略図である。
【図2】実施例1における、切断刃部の構成を示す拡大図である。
【図3】実施例1における、電線通過判定装置および電線ストッパの構成を示す概略図である。
【図4】本発明の電線切断装置における、実施例2の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
1a、1b・・・切断刃
2a、2b・・・構造体
3・・・挿入溝
4・・・ストッパ
5a、5b・・・電極接点
6・・・電源
7・・・電流検出回路
8・・・モータ
9・・・角度位置検出器
10・・・モータ駆動電源
11・・・モータ駆動回路
12・・・切断判定装置
13・・・切断力制御装置
14・・・赤外線送光器
15・・・赤外線受光器
16・・・電線通過検出装置
17・・・電線ストッパ
18a、18b・・・検出刃
19・・・スペーサ
20a、20b・・・電極接点
21・・・電源
22・・・電流検出回路

Claims (12)

  1. 導電性材料からなる2つの切断刃と、非導電性材料からなる前記切断刃を保持するための構造体と、前記構造体の回転軸に配したモータとが一体で構成され、前記切断刃の噛合い状態を検出するための噛合い検出装置、切断状態を判定する切断判定装置および前記モータの駆動力を制御する切断力制御装置を備えたことを特徴とする電線切断装置。
  2. 前記噛合い検出装置が、角度位置検出器あるいは前記切断刃を電極とした電流検出回路から構成されたことを特徴とする請求項1記載の電線切断装置。
  3. 前記電流検出回路が電流を検出した場合に、前記噛合い検出装置が前記切断刃は閉じた状態であると判定することを特徴とする請求項1記載の電線切断装置。
  4. 前記切断判定装置が、前記噛合い検出装置と前記切断刃を電極とした導電材検出回路から構成されたことを特徴とする請求項1記載の電線切断装置。
  5. 前記噛合い検出装置が前記切断刃は開いた状態であることを検出し、かつ前記導電材検出回路が電流を検出した場合に、前記切断判定装置が前記切断刃は電線の切断を開始または切断中であると判定することを特徴とする請求項1記載の電線切断装置。
  6. 前記噛合い検出装置が前記切断刃は閉じた状態であることを検出し、かつ前記導電材検出回路が電流を検出した場合に、前記切断判定装置が前記切断刃は電線の切断を完了したと判定することを特徴とする請求項1記載の電線切断装置。
  7. 前記切断判定装置が切断回数計算手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の電線切断装置。
  8. 前記切断判定装置が前記切断刃は電線の切断を開始または切断中であると判定した場合に、前記切断力制御装置が前記モータの駆動力を増大させることを特徴とする請求項1記載の電線切断装置。
  9. 前記切断判定装置が前記切断刃は電線の切断を完了したと判定した場合に、前記切断力制御装置が前記モータの駆動を停止させることを特徴とする請求項1記載の電線切断装置。
  10. 前記切断力制御装置が前記モータのモータ電流計測手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の電線切断装置。
  11. 前記切断刃に電線通過検出装置を備えたことを特徴とする請求項1記載の電線切断装置。
  12. 電線ストッパを備えたことを特徴とする請求項1記載の電線切断装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101037700B1 (ko) * 2010-10-12 2011-05-30 (주)금호전력 압축작업의 검증수단을 구비한 유압식 전선압축기

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