JP7140168B2 - 電動はさみ - Google Patents

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Description

この発明は、刃部を電動で開閉させて使用する電動はさみに関する。
樹木の剪定等において、モータの駆動力で一対の刃部を開閉して枝木等の切断対象物を切断できるようにした電動はさみが用いられている。
ところで、果樹栽培などにおいては、支柱に番線(金属線)を設置して果樹棚を形成する場合がある。このような果樹棚を使用した果樹栽培において剪定作業を行うときに、作業者が誤って番線を切断してしまう場合がある。番線を切断してしまうと、番線の張り替え作業が発生する場合がある。また、番線を切断しなくても、硬い番線を挟み込んでしまったために電動はさみの刃部が刃こぼれする場合がある。刃部が刃こぼれした状態で電動はさみを使用し続けると、最終的に刃が破断したり、対象物を正常に切断できかったりといった問題が生じる。
この問題に関連する技術として、例えば、特許文献1には、刃部に専用の導電性センサ及び専用回路を設け、刃部において電気的接触が検知されたら刃部の閉じ動作を遮断するようにした電動はさみが開示されている。この特許文献1記載の技術は、専用のグローブを使用してけがを防止するためのものであるが、この技術を応用すれば、刃部において金属線を検知することで、番線の誤切断を防止できる可能性がある。
仏国特許第2838998号公報
しかし、上記した特許文献1記載の技術は、刃部に専用の導電性センサ及び専用回路を設ける必要があるため、製造コストが高価になるという問題があった。また、機械が大型化する問題、刃部が厚くなって切断能力が低下する問題、刃部のメンテナンスが困難になる問題、樹液や水分が刃部に付着したときにセンサの誤検知の可能性がある問題などがあった。
そこで、本発明は、専用のセンサや回路を設けなくても、番線の誤切断を防止することができる電動はさみを提供することを課題とする。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、以下を特徴とする。
本発明は、モータの回転に連動する刃部を備え、被切断対象物よりも硬い異物を挟み込んだことを検出する電動はさみあって、前記刃部が異物を挟み込んだことを検知する異物検知手段を備え、前記異物検知手段は、前記刃部が所定の角度まで閉じたと判断するまでは前記モータのトルク値が上昇した場合でも異物として検知しない一方で、前記刃部が所定の角度まで閉じたと判断された後に前記モータのトルク値が上昇した場合には異物を挟み込んだと判断することを特徴とする。
請求項1に記載の発明は上記の通りであり、刃部が異物を挟み込んだことを検知する異物検知手段を備え、前記異物検知手段は、前記刃部が所定の角度まで閉じたと判断するまでは前記モータのトルク値が上昇した場合でも異物として検知しない一方で、前記刃部が所定の角度まで閉じたと判断された後に前記モータのトルク値が上昇した場合には異物を挟み込んだと判断する。このような構成によれば、専用のセンサや回路を設けなくても、樹木等の被切断対象物を確実に切断できるとともに、番線などの細くて硬いものを切断しようとしたときには異物を検知することができる。
例えば、樹木等の被切断対象物と番線とを比較すると、被切断対象物は比較的太くて柔らかく、番線は細くて硬い。このため、刃部が閉じようとする際に発生するトルクが通常の値と異なる場合は、番線を切断している可能性があるので、異物検出を行うことができる。
なお、異物の検知には、モータのトルク値をそのまま使用してもよいし、モータのトルク値の傾き(所定時間内のトルクの変動量)を使用してもよい。
また、前記モータのトルク情報として、前記モータのトルクの変化率を使用することも可能である。このような構成によれば、異物を切断し始めたときのトルクの立ち上がりを捕捉できるので、いち早く異物の挟み込みを検知することができる。
すなわち、樹木等の被切断対象物は比較的太くて柔らかいため、被切断対象物を切断したときには、刃部が表皮に突き刺さった後、被切断対象物の中心付近を切断する前後でトルク値が最大となり、その後、刃部が閉じていくに従って徐々にトルク値は小さくなっていく。すなわち、被切断対象物の切断時にはトルクの上昇は緩やかな傾向にある。
一方、番線等の異物は比較的細くて硬いため、番線等の異物を切断したときには、刃部と番線が接触した直後から急激にトルクが増大する。
このようにモータのトルク値の傾きを使用すれば、異物を切断し始めたときのトルクの立ち上がりを捕捉できるので、いち早く異物の挟み込みを検知することができる。
また、前記モータのトルクの変化率が所定の閾値未満であれば被切断対象物を切断していると判断し、前記モータのトルクの変化率が所定の閾値以上であれば異物を挟み込んだと判断するようにしてもよい。これにより、トルクの立ち上がりが緩やかな場合は、枝を切断しており、急激な立ち上がりの場合は異物と判断する制御を実行することができる。
また、前記異物検知手段は、予め設定された閾値データから前記刃部の閉じ角度に応じて閾値を選択し、この閾値と前記モータのトルク情報とを比較して異物の検知を実行するようにしてもよい。このような構成によれば、刃部の角度から太い枝と細い番線との区別が可能となり、モータのトルクから細い枝と番線との区別が可能になるので、異物を確実に検出することができる。
例えば、刃部が所定の角度まで閉じる前の閾値よりも、刃部が所定の角度まで閉じた後の閾値を低く設定しておけばよい(または、刃部が所定の角度まで閉じる前の閾値は設定せず、閾値が設定されていない場合には閾値のチェックを行わないようにしてもよい)。このようにすれば、刃部が所定の角度まで閉じる前にモータのトルク値が上昇した場合には、太い木を切断している可能性が高いので、異物として検知しない一方で、刃部が所定の角度まで閉じた後でモータのトルク値が上昇した場合には、番線等の比較的細くて硬い異物を切断している可能性があるので、異物として検知することができる。
また、前記モータのトルク値は、前記モータの電流値、電圧値又は回転速度のいずれかを基に推定してもよい。このような構成によれば、特別なセンサ等を使用しなくても、トルクの増大、すなわち異物の挟み込みを検知することができる。
また、前記異物検知手段は、前記刃部が所定の角度まで閉じたと判断するまでは前記モータのトルク値が上昇した場合でも異物として検知しない一方で、前記刃部が所定の角度まで閉じたと判断された後に前記モータのトルク値が上昇した場合には異物を挟み込んだと判断する。このような構成によれば、刃部が所定の角度まで閉じるまではモータのトルク値が上昇しても異物の検知を行わないので、樹木等の被切断対象物を切断しているときに異物の誤検知が発生しない。また、刃部が所定の角度まで閉じた後でモータのトルク値が上昇した場合には、番線等の比較的細くて硬い異物を切断している可能性があるので、異物として検知することができる。
また、異物の検知を実行する異物検知モードと、異物の検知を実行しない連続実行モードと、を有し、この2つのモードを切り替えるための切替手段を備えるようにしてもよい。このような構成によれば、例えば細くて硬い枝などを切るときに連続実行モードに切り替ることができるので、異物の挟み込みを誤検知する問題を回避できる。
また、前記異物検知手段が異物を検知したときに、前記モータを停止させるようにしてもよい。このような構成によれば、異物を検知したときにそれ以上切断動作が行われないので、番線を切断したり、刃部が刃こぼれしたりする問題を回避できる。
また、前記異物検知手段が異物を検知したときに、前記モータを逆回転させるようにしてもよい。このような構成によれば、異物を検知したときにそれ以上切断動作が行われないだけではなく、刃部で挟み込んだ異物が解放されるので、番線を切断したり、刃部が刃こぼれしたりする問題を回避できる。
また、前記異物検知手段が異物を検知したときに、ユーザに異常を報知するようにしてもよい。このような構成によれば、ユーザが異物検知を即座に認識して対応することができる。例えば、異物を検知したときに切断動作を停止しない電動はさみとした場合には、ユーザ自身が切断動作を続行するかどうかを選択することができる。
また、前記異物検知手段が異物を検知したときに、前記モータの動力が前記刃部に伝わらないように動力経路を物理的に遮断するようにしてもよい。このような構成によれば、異物を検知したときにそれ以上切断動作が行われないので、番線を切断したり、刃部が刃こぼれしたりする問題を回避できる。
また、前記刃部に伝わる前記モータのトルクを調整するクラッチ機構を備え、前記異物検知手段が異物を検知したときに、前記クラッチ機構を有効にするようにしてもよい。このような構成によれば、異物を検知したときにトルクの上限値を下げることになるので、番線を切断したり、刃部が刃こぼれしたりするほどのトルクが生じないようにすることができる。
電動はさみの右側面図である。 電動はさみの内部構造を示す右側面図である。 電動はさみの内部構造を示す左側面図である。 切断動作を示す説明図であって、(a)刃部を開いた状態の図、(b)刃部を閉じた状態の図である。 操作部材の動きを示す説明図であって、(a)操作部材を操作していない状態の図、(b)第1の操作部を操作した状態の図、(c)第2の操作部を操作した状態の図である。 電動はさみの異物検出機構の構成を示すブロック図である。 電動はさみの切断動作を示すフロー図である。 被切断対象物または異物を切断したときの電流値の変動を示す波形図である。 (a)ケーブルの接続端子の断面図、(b)変形例に係るケーブルの接続端子の断面図である。 ケーブルの接続端子の正面図である。 変形例に係る電動はさみの切断動作を示すフロー図である。
本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。
本実施形態に係る電動はさみ10は、例えば樹木の剪定等において使用されるものであり、動力源であるモータ12の駆動力で一対の刃部18,19を開閉して枝木等の切断対象物を切断するものである。
この電動はさみ10は、図1~3に示すように、ハウジング17と、ハウジング17の後端部に設けられたケーブル接続部11と、モータ12と、モータ12の回転動作を直進動作に変換するためのボールネジ機構13と、ボールネジ機構13の直進運動をガイドする支持部材16と、ボールネジ機構13の直進運動を2つの刃部18,19の開閉動作に変換するためのリンク機構15と、リンク機構15によって作動する第1刃部18及び第2刃部19と、モータ12を制御するための操作部として設けられた操作部材22と、操作部材22に追従して揺動する揺動部材23と、揺動部材23によって接点が押圧されるマイクロスイッチ24と、操作部材22の回転角度を検出するセンサ25と、モータ12の回転を検出する回転検出部26と、を備える。
ハウジング17は、特に図示しないが、2つの分割片からなり、内部に作動機構を収容して機械のほぼ全体を覆っている。このハウジング17は、リンク機構15を覆う部分であるリンクカバー部17aと、操作部材22の周囲を覆うように輪っか状に形成された操作部材ガード部17bと、使用者が握り込めるように形成されたグリップ部17cと、グリップ部17cの後部に設けられた後端部17dと、を備える。
リンクカバー部17aは、ハウジング17の前端部に設けられてリンク機構15を収容しており、その前端部から第1刃部18及び第2刃部19を突出させている。
操作部材ガード部17bは、リンクカバー部17aの後部下方に設けられ、リンクカバー部17aとグリップ部17cとの境目(間)に設けられている。この操作部材ガード部17bは、輪っか状に形成されており、使用者がグリップ部17cを握り込んだときに、この輪っか状の操作部材ガード部17bの中に人差し指を引っ掛けることができるように配置されている。操作部材ガード部17bの内側には、操作部材22が操作可能に露出している。詳しくは後述するが、操作部材22の第1の操作部22b(トリガ)が手前(グリップ部17c側)に操作可能に露出しており、操作部材22の第2の操作部22dが前方(リンクカバー部17a側)に操作可能に露出している。
グリップ部17cは、リンクカバー部17aよりも細く、また後端部17dよりもやや細く形成され、使用者が握り込み易い形状となっている。このグリップ部17cの中にはボールネジ機構13が内蔵されている。
後端部17dは、ハウジング17の後端に設けられてモータ12などを収容しており、その後端面17eにはケーブル接続部11が設けられている。
ケーブル接続部11は、ケーブル30を接続するための部位であり、電力線や信号線を接続するための端子を備えている。このケーブル接続部11に接続されたケーブル30は、電源装置40(図6参照)に接続されている。電源装置40またはケーブル30には電源スイッチが設けられており、この電源スイッチを投入することで、ケーブル30を介して電源装置40から電動はさみ10へと電力が供給される。
モータ12は、第1刃部18及び第2刃部19を閉じ動作させる動力源であり、電源装置40から供給された電力により作動する。このモータ12の出力軸は、後述するボールネジ機構13に接続されている。なお、モータ12の出力軸とボールネジ機構13との間に減速機構14などを設けてもよいし、モータ12の出力軸とボールネジ機構13とを直接接続してもよい。
ボールネジ機構13は、モータ12の回転動作を直進動作に変換するものである。このボールネジ機構13は、特に図示しないが、モータ12の回転力を受けて回転するネジ軸と、ネジ軸のネジ溝に噛合するナット部とを備えている。これにより、モータ12の駆動力によってネジ軸が回転駆動されると、ナット部がネジ軸に沿って直線移動するように形成されている。このナット部には、後述するリンク機構15の駆動軸15aが接続されており、この駆動軸15aはナット部と一体的に前後に直線移動するように形成されている。
支持部材16は、ボールネジ機構13の直進運動をガイドするためのものである。この支持部材16には、ガイド方向に延びるガイド溝16aが設けられており、このガイド溝16aにリンク機構15の駆動軸15aが係合している。このため、ガイド溝16aの延設方向に沿ってナット部及び駆動軸15aが移動するようになっている。
リンク機構15は、駆動軸15aの直進運動を第1刃部18及び第2刃部19の開閉動作に変換するためのものである。このリンク機構15は、駆動軸15aによって回転可能に連結された第1リンク15b及び第2リンク15cを備えている。第1リンク15bは、一端が駆動軸15aに接続され、他端が接続軸18cを介して第1刃部18に接続されている。また、第2リンク15cは、一端が駆動軸15aに接続され、他端が接続軸19cを介して第2刃部19に接続されている。
第1刃部18及び第2刃部19は、刃軸20を支点に回転可能に支持されており、刃軸20において交差するように組み合わされている。第1刃部18は、刃軸20よりも先端側の切断部18aに刃が形成されており、刃軸20よりも根元側の根元部18bは、接続軸18cを介して第1リンク15bに回転可能に接続されている。同様に、第2刃部19は、刃軸20よりも先端側の切断部19aに刃が形成されており、刃軸20よりも根元側の根元部19bは、接続軸19cを介して第2リンク15cに回転可能に接続されている。
上記したリンク機構15、第1刃部18及び第2刃部19は、図4に示すように、ボールネジ機構13の直進運動によって作動する。
具体的には、駆動軸15aが刃軸20に対して接近する方向に移動すると、第1リンク15b及び第2リンク15cが開き方向に作動する。これにより、第1刃部18及び第2刃部19の根元部18b,19bが互いに離反する方向に変位するとともに、第1刃部18及び第2刃部19の切断部18a,19aが互いに閉じる方向に回動し、切断動作を行う。
一方、駆動軸15aが刃軸20に対して離反する方向に移動すると、第1リンク15b及び第2リンク15cが閉じ方向に作動する。これにより、第1刃部18及び第2刃部19の根元部18b,19bが互いに接近する方向に変位するとともに、第1刃部18及び第2刃部19の切断部18a,19aが互いに開く方向に回動する。
本実施形態に係る操作部材22は、シャフト22aを軸に回動可能に取り付けられている。操作部材22は、図2等に示すような側面視略L字形をしており、シャフト22aが設けられた位置からそれぞれ別の方向に延びる第1の操作部22bと第2の操作部22dとを備えている。第1の操作部22bは、モータ12の作動を制御するための操作部であり、モータ12の作動を制御することで第1刃部18及び第2刃部19による開閉(切断)動作を実行(制御)するためのものである。第2の操作部22dは、補助動作(例えば作動モードの切り替え)をするためのものである。これら第1の操作部22b及び第2の操作部22dは、それぞれ向かい合うように配置され、操作部材ガード部17bの内側に操作可能に露出している。したがって、第1の操作部22bと第2の操作部22dとの間に指を挿入し、図5(b)に示すように指をシャフト22aに対して後方(グリップ部17c側)に動かすと第1の操作部22bを操作できるようになっており、図5(c)に示すように指をシャフト22aに対して前方(リンクカバー部17a側)に動かすと第2の操作部22dを操作できるようになっている。第1の操作部22bまたは第2の操作部22dが操作されると、操作部材22はシャフト22aを軸に回転する。このように、電子はさみ10は、第1の操作部22bがグリップ部17c側に近づくように引く操作がされると第1刃部18及び第2刃部19による開閉動作を実行し、第2の操作部22dがグリップ部17c側から遠ざかるように押す操作がされると補助動作を実行する。なお、第1の操作部22bと第2の操作部22dは互いに相対移動不能に設けられており、第1の操作部22b(第2の操作部22d)が操作されると、第2の操作部22d(第1の操作部22b)もこれに連動して第1の操作部22b(第2の操作部22d)と同じ方向に動く。このため、第1の操作部22bと第2の操作部22dは同時に操作することはできず、別々に操作されて第1の操作部22bを操作したときと第2の操作部22dを操作したときとでは、操作部材22が異なる方向に回転するようになっている。
なお、第1の操作部22bの内部には、図4に示すようなローラ22cが設けられている。このローラ22cは、後述する揺動部材23を押動するためのものである。
揺動部材23は、操作部材22の第1の操作部22bが操作されたときに、操作部材22の回転に追従して揺動する部材である。この揺動部材23は、揺動軸23aを軸に揺動可能となっており、操作部材22が回転したときにローラ22cによって揺動させられるようになっている。この揺動部材23は、後述するマイクロスイッチ24の接点部24aに臨むように配置された押圧部23bを備えており、ローラ22cによって揺動させられたときに押圧部23bがマイクロスイッチ24の接点部24aを押し込むようになっている。
マイクロスイッチ24は、操作部材22の第1の操作部22bが操作されたことを検出するためのものである。前述したように、操作部材22の第1の操作部22bが操作されると、揺動部材23がマイクロスイッチ24をオンするように構成されているため、マイクロスイッチ24のオン・オフを検出することで操作部材22の第1の操作部22bが操作されたか否かを判別することができる。
センサ25は、操作部材22の回転角度を検出するためのものである。センサ25としては、操作部材22の操作を検出できるものであれば種類を問わないが、例えばシャフト22aに接続したポテンショメータを使用することができる。ポテンショメータを使用した場合、操作部材22の操作量を詳細に把握することができる。
回転検出部26は、モータ12の回転を検出するためのものであり、例えばホールICなどで構成される。回転検出部26をホールICで構成した場合、モータ12のシャフトやホイールなどの回転部分に磁石を取り付け、この磁石の有無をホールICで検出することでモータ12の回転を検出する。この回転検出部26が検出したモータ12の回転は、ケーブル30を介して電源装置40に送信されて使用される。
このような電動はさみ10の動作は、電動はさみ10または電源装置40に内蔵された制御装置によって制御される。制御装置は、操作部材22の第1の操作部22bが操作され、マイクロスイッチ24がオンになったことが検出されると、センサ25によって操作部材22の回転角度を検出する。そして、検出した角度に応じてモータ12を正回転させ、2枚の刃部18,19を閉じる方向に作動させる。操作部材22の第1の操作部22bを目一杯まで操作すると、2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態となる。なお、第1の操作部22bが離された場合には、図示しないバネによって操作部材22が初期位置に戻される。操作部材22が初期位置に戻されたことをセンサ25が検出すると、センサ25は制御装置に制御信号を送信する。この制御信号を受信した制御装置は、モータ12を逆回転させて、最大開き角度となるまで2枚の刃部18,19を作動させる。これにより、2枚の刃部18,19が初期位置まで戻ることになる。同時に、操作部材22が初期位置に戻ったところでマイクロスイッチ24がオフになるので、2枚の刃部18,19は最大開き角度での停止が維持される。
上記した電動はさみ10に電力を供給する電源装置40は、図6に示すように、ケーブル接続部43と、二次電池44と、制御基板100と、スピーカ41と、LED42と、を備える。
ケーブル接続部43は、ケーブル30を接続するための部位であり、電力線や信号線を接続するための端子を備えている。すなわち、このケーブル接続部43は、ケーブル30を使用して電動はさみ10と電源装置40とを接続するためのものである。
二次電池44は、電動はさみ10へ供給する電力を蓄えるためのものである。この二次電池44は、電源装置40を駆動するためにも使用される。
制御基板100は、電動はさみ10の作動を制御するためのものであり、CPUやメモリ、制御回路を有している。本実施形態においては、この制御基板100は、2枚の刃部18,19が異物を挟み込んだことを検知する異物検知手段を構成している。なお、制御基板100は異物検知手段の他にもさまざまな機能を有しているが、これらの機能については説明を省略する。
この制御基板100は、回転判断部110と、電流検出部120と、電流変化量計算部130と、電流判断部140と、を備えることで、上記した異物検知手段を構成している。
回転判断部110は、電動はさみ10の回転検出部26から送信されたモータ12の回転信号を取得し、モータ12の回転量が所定の回転量に達しているか否かをチェックする。モータ12の回転量は、2枚の刃部18,19が初期位置となったときにリセットし、その後、回転検出部26からモータ12の回転信号を取得するごとにカウントアップしていくことで計測される。回転判断部110は、モータ12の回転量が所定の回転量に達したときに、2枚の刃部18,19が所定の角度まで閉じたと判断する。
電流検出部120は、電動はさみ10へと供給される電流値を計測することで、モータ12へ供給される電流値を検出する。電流検出部120が計測した電流値は、モータ12のトルク値を計算するために使用され、言い換えると、異物の検知に使用される。
電流変化量計算部130は、電流検出部120が検出した電流値を基に、一定時間内(例えば1ms)における電流値の変化量を計算する。これにより、一定時間内におけるモータ12のトルク値の傾き(所定時間内のトルクの変動量、すなわちトルクの変化率)を推定する。
電流判断部140は、回転判断部110からモータ12の回転量に関する情報を取得し、また、電流変化量計算部130からモータ12のトルク情報(本実施形態においてはトルクの変化率)を取得する。そして、これらの情報に基づいて異物の挟み込みの可能性を判断する。具体的には、回転判断部110から取得した情報によって2枚の刃部18,19の閉じ角度が推定されたら、電流判断部140は、予め設定された閾値データからこの閉じ角度に応じた特定の閾値を選択する。そして、この特定の閾値と、電流変化量計算部130から取得したモータ12のトルク情報とを比較する。そして、電流変化量計算部130が計算した電流値の変化量がこの特定の閾値を超えている場合には、異物を挟み込んだと判断し、所定のエラー処理を実行する。
なお、モータ12のトルク情報と比較するための閾値データは、電動はさみ10の使用目的等に応じて予め機械に設定されている。閾値データに含まれる閾値は、刃部18,19の閉じ角度(モータ12の回転量)に紐付けられて管理されている。閾値は、少なくとも2種類の異なる閾値が切り替えて使用される。例えば、モータ12が60回転未満の範囲では閾値Aが使用され、モータ12が60回転以上の範囲では閾値Bが使用される、というように、刃部18,19の閉じ角度(モータ12の回転量)に応じて切り替えて使用される。
なお、刃部18,19の閉じ角度(モータ12の回転量)が一定範囲にある場合に異物検知を行わないようにしたい場合には、この一定範囲において「閾値なし」としてもよい。例えば、刃部18,19が所定の角度まで閉じる前の閾値を設定せず、刃部18,19が所定の角度まで閉じた後の閾値だけを設定するようにし、閾値が設定されていない場合には電流判断部140による閾値のチェックを行わないようにしてもよい。このようにすれば、刃部18,19が所定の角度まで閉じる前にモータ12のトルク値が上昇した場合には、太い木を切断している可能性が高いので、異物として検知しない一方で、刃部18
,19が所定の角度まで閉じた後でモータ12のトルク値が上昇した場合には、番線等の比較的細くて硬い異物を切断している可能性があるので、異物として検知することができる。
スピーカ41は、電源投入時のブザー音や、エラー時のブザー音を出力するためのものである。
LED42は、電動はさみ10の作動モードや、エラー表示を行うためのものである。
次に、図7を参照しつつ、電動はさみ10の切断動作及び異物検知動作について説明する。
まず、図7に示すステップS100において、操作部材22が操作され、モータ12が駆動を開始する。
ステップS101では、回転判断部110がモータ12の回転量を取得する。そして、ステップS102へ進む。
ステップS102では、一定間隔で電流検出部120が電流値を計測し、この電流値を基に、電流変化量計算部130が一定時間内における電流値の変化量を計算する。そして、ステップS103に進む。
ステップS103では、電流判断部140が、回転判断部110からモータ12の回転量に関する情報を取得し、2枚の刃部18,19の閉じ角度を推定する。そして、この閉じ角度を基に、予め設定された閾値データから閾値を選択する。また、電流変化量計算部130からモータ12のトルク情報(一定時間内における電流値の変化量)を取得する。そして、この電流値の変化量が閾値を超えているか否かをチェックする。電流値の変化量が閾値を超えている場合には、異物を挟み込んだと判断し、ステップS106へ進む。一方、電流値の変化量が閾値を超えていない場合には、ステップS104に進む。
ステップS104に進んだ場合、2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態であるかをチェックする。2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態であることが検出されたら、ステップS105に進む。一方、2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態でなければ、ステップS101に戻る。
ステップS105に進んだ場合、モータ12を停止させ、処理を完了する。
ステップS106に進んだ場合、すなわち、ステップS103において異物を挟み込んだと判断した場合、所定のエラー処理を実行する。本実施形態に係るエラー処理は、モータ12を停止させるとともに、モータ12を逆回転させる処理である。この処理を実行することで、番線などの異物を挟み込んだ場合でも異物を切断してしまう前に刃部18,19が開くようになっている。
上記したように、本実施形態における電動はさみ10の異物検出機構は、刃部18,19の角度情報とモータ12のトルク情報とを監視することで、異物の検知を実行している。この検知の仕組みは以下のような着目点に基づいている。
すなわち、図8に示すように太い枝を切断したときは、刃部18,19が閉じはじめたタイミングでモータ12のトルクが増大し始め、所定角度付近でモータ12のトルクが最大となる(図8のXにおけるモータ回転量が「50」付近の波形を参照)。一方で、番線などの異物を切断したときには、刃部18,19が閉じきる寸前にモータ12のトルクが急激に増大し、太い枝を切断したときのXと同等の最大値となる(図8のYにおけるモータ回転量が「70」付近の波形を参照)。
また、波形Zに示すように通常の細い枝を切断する場合には、モータ12のトルクが増大するタイミングは、番線を切断した時と同等のモータ回転量「70」付近であるが、トルクはそれほど大きくならない。
この実験結果が示すように、細くて硬い番線を切断した場合と、細い生木を切断した場合は、モータ12のトルクが変動するタイミングが同じであっても、最大トルクは異なる。
また、比較的太くて軟らかい生木を切断した場合と、細くて硬い番線を切断した場合とでは、モータ12のトルクの最大値が同等であったとしても、トルクが変動するタイミングが異なる。
本発明者らは、このような切断対象ごとに異なるトルク値や変動タイミングの違いに着目し、刃部18,19の角度に応じて異物を判別するためのトルクの閾値を切り替えるようにした。
本実施形態においては、太い枝を切断するときにトルクが最大になるモータ回転量「50」付近と、番線を切断する時にトルク値が最大になるモータ回転量「70」付近において、それぞれ異なる閾値を設定した。このため、太い枝を切断したときにトルク値が増大しても、異物を誤検知して作業が停止することがない。また、異物を確実に検知するので番線やはさみを破損させることがない。
また、刃部18,19が所定の角度まで閉じたタイミングを基準に、異物検出動作の有効・無効を切り替えるようにしてもよいし、所定の角度以上における閾値を極端に大きな値を設定して、刃部18,19が所定の角度まで閉じたタイミングまでは、実質的に異物検出動作を無効にしておくような設定にしてもよい。
例えば、モータ12の回転量が所定の回転量(例えば「60」)となるまでは閾値を設定せず、モータ12の回転量が所定の回転量(例えば「60」)となったときに閾値を設定するようにしてもよい。このようにすれば、太い枝を切断したときにトルクが増大するタイミング(モータ12の回転量が「50」付近)では、閾値が設定されていないので異物の検知が実質的に実行されず、異物の誤検知は発生しない。一方、番線を切断したときにトルクが増大するタイミング(モータ12の回転量が「70」付近)では異物の検知が実行されているので、確実に異物を検知することができる。
なお、モータ12のトルク値ではなく、トルクの変化量を監視することで、異物検出の効果を向上させることが可能になる。すなわち、図8に示すように枝を切断したときは、刃部18,19の閉じ動作に伴って確実に刃部が枝に貫入するので、モータ12のトルクが比較的緩やかに増大し始めるが、番線などの異物を切断したときには、刃部18,19が貫入できないためトルクが急激に増大する。このような切断対象ごとに異なるトルク値の変化率に着目することで、異物検知の精度を向上させることができる。また、刃部18
,19が切断対象に接触した時のトルクの立ち上がり方で判断するので、電動はさみ10や番線に与える影響を最小に抑えることが可能になる。
このとき、モータ12のトルクの変化率が所定の閾値未満であれば枝を切断していると判断し、モータ12のトルクの変化率が所定の閾値以上であれば異物を挟み込んだと判断するようにすればよい。トルクの変化率と比較する所定の閾値は、固定値であってもよいし、上限値波形(または下限値波形)であってもよい。所定の閾値が固定値の場合には、この固定値を一定時間内におけるモータ12のトルクの変化量と比較すればよい。所定の閾値が上限値波形(または下限値波形)の場合には、この上限値波形(または下限値波形)とモータ12のトルクの変化波形とを比較すればよい。
なお、波形Zに示すように、通常の細い枝を切断する場合には、モータ12のトルクがそれほど大きくならないので、異物の誤検知は発生しない。
しかしながら、枝の種類によっては、細くて硬い枝を切断したときに、この細くて硬い枝が番線などの異物と判断されてしまう可能性がないとは言い切れない。このため、本実施に形態に係る電動はさみ10は、異物の検知を実行する異物検知モードと、異物の検知を実行しない連続実行モードと、を有している。連続実行モードにおいては、上記フロー図におけるステップS102、ステップS103、ステップS106が実行されず、刃部18,19が所定の角度まで閉じた後であっても異物検知が実行されないようになっている。このため、細くて硬い枝を切断する場合には、連続実行モードに切り替えることで、異物の誤検知を回避することができる。
上記したモードを切り替えるときには、操作部材22を切断動作のときとは異なる方向に操作する。すなわち、操作部材22の第2の操作部22dを操作する。操作部材22の第2の操作部22dが操作されると、この操作がセンサ25によって検出される。第2の操作部22dが操作されたことをセンサ25が検出すると、センサ25が制御信号を制御装置に送信する。この制御信号を受信した制御装置は作動モードを変更する。具体的には、異物検知モードであれば連続実行モードに移行し、連続実行モードであれば異物検知モードに移行する。選択されたモードは、もう一度操作部材22の第2の操作部22dが操作されるまでは保持され、以降の操作においては選択されたモードが適用される。
なお、作動モードは電動はさみ10の電源を落とした後でも復元されるようになっている。すなわち、異物検知モードの状態で電動はさみ10の電源を落とした場合、次回電源投入時には異物検知モードの状態で電動はさみ10が起動するようになっている。また、連続実行モードの状態で電動はさみ10の電源を落とした場合、次回電源投入時には連続実行モードの状態で電動はさみ10が起動するようになっている。
なお、本実施形態においては、操作部材22の第2の操作部22dによって作動モードを切り替えるようにしたが、これに限らず、他の操作手段によって作動モードを切り替えるようにしてもよい。電源を落とし、再起動することで別モードに移行するようにしてもよい。
ところで、この電動はさみ10に使用されるケーブル30は、図9に示すような接続端子32を備えている。このケーブル30の接続端子32は、複数のメスピン34A~34を備えており、これらのメスピン34A~34Nが電動はさみ10のケーブル接続部11と電源装置40のケーブル接続部43に接続されるようになっている。
ケーブル30の内部には複数の芯線31が通っており、それぞれ信号線または電力線として使用される。本実施形態に係る芯線31は、図9(a)に示すように、芯線31の少なくとも一本が、接続端子32付近で二股に分岐して分岐部33を形成している。分岐した芯線31は、それぞれ別のメスピンに電気的に接続されている。このため、図9(a)に示す例においては、メスピン34Aとメスピン34Kとが同じ信号または電力を伝達するために使用され、メスピン34Mとメスピン34Fとが同じ信号または電力を伝達するために使用されている。このように、1つの信号線または電力線に対して複数のメスピンを設けることで、端子部(メスピン、オスピン)における接触不良が発生しても、他の端子部(メスピン、オスピン)を使用して機能を維持することができる。また、同じ信号や電力を伝達する端子部を増やすことで、接触抵抗を下げ、故障を防ぐことができる。
なお、上記した例では芯線31を分岐するようにしたが、これに代えて、図9(b)に示すように、1つの信号線または電力線に対して複数の芯線35A~35Dを設けるようにしてもよい。すなわち、図9(b)に示す例においては、メスピン34Aとメスピン34Kとが同じ信号または電力を伝達するために使用されており、これに対応する芯線35Aと芯線35Bとが同じ信号または電力を伝達するために使用されている。また、メスピン34Mとメスピン34Fとが同じ信号または電力を伝達するために使用されており、これに対応する芯線35Cと芯線35Dとが同じ信号または電力を伝達するために使用されている。このように構成した場合でも、図9(a)に示す例と同様の効果を得ることができる。
また、図9(a)及び図9(b)に示す例に代えて、または、図9(a)及び図9(b)に示す例に併せて、接触抵抗に対する耐性を考慮してメスピン34A~34Nの配置を変えてもよい。すなわち、回路構成上、それぞれの信号線または電力線に接続された抵抗の抵抗値が異なるため、それぞれの信号線または電力線によって接触抵抗に対する耐性が異なる。この接触抵抗に対する耐性を考慮してメスピン34A~34Nの配置を設定してもよい。
具体的には、図10に示すように、外側に配置された10個のメスピン34A~34Jと、内側に配置された4個のメスピン34K~34Nとがある場合、接触抵抗に対する耐性が大きいものを外側に配置し、接触抵抗に対する耐性が小さいものを内側に配置する。このように配置することで、接触不良や故障が発生しにくい構造とすることができる。すなわち、ケーブル30の接続端子32に負荷がかかると、外側のメスピン34A~34Jが荷重を受けやすい。このように荷重を受けやすい外側のメスピン34A~34Jに対して、接触抵抗に対する耐性が大きい信号線または電力線を接続することで、摺動摩耗などの影響を最小限とすることができる。
具体的な配置としては、接触抵抗に対する耐性が小さい信号線または電力線から順に内側のメスピン34K~34Nを割り当てて、残りの信号線または電力線を外側のメスピン34A~34Jに割り当てる方法が考えられる。
また、他の配置として、内側のメスピン34K~34Nには、接触抵抗に対する耐性が小さい信号線を割り当て、外側のメスピン34A~34Jには、残りの信号線と電力線とを割り当てる方法が考えられる。この配置において電力線を外側に配置しているのは、電力線は、摺動摩擦により生じる腐食物が信号線よりも堆積しにくいため、信号線と比較して接触抵抗が増加しにくいという性質を考慮したためである。
また、図9(a)及び図9(b)に示すように、1つの信号線または電力線に対して複数のメスピンが対応している場合には、少なくとも1つのメスピンを内側に配置することが望ましい。できれば2つのメスピンを内側に配置することで、故障の発生を効果的に防ぐことができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、モータ12のトルク情報と刃部18,19の角度に応じて設定された閾値とを比較する事によって異物の検知を行っている。このような構成によれば、樹木等の被切断対象物を確実に切断できるとともに、番線などの細くて硬いものを切断しようとしたときには異物を検知することができる。
すなわち、樹木等の被切断対象物を切断したときには、樹木等の被切断対象物は比較的太いため、刃部18,19が閉じ切る前にトルクが最大となる。そしてその後、刃部18
,19が閉じていくに従ってトルクが小さくなっていく。一方、番線などの細くて硬い異物を切断したときには、刃部が閉じ切る直前にトルクが最大となる。
さらに、本発明者らは、このような切断対象ごとのトルク変動の違いに着目し、刃部18,19が所定の角度まで閉じたタイミングを基準に、異物検出動作の有効・無効を切り替えるようにした。これにより、異物検知手段は、被切断対象物を切断したきの最大トルクは検出しないが、番線などの異物を切断したときの最大トルクは検出するので、トルクの異常増大を検出することで異物の挟み込みを検知することができる。
しかも、こうした異物検出を専用のセンサや回路を設けなくても行うことができる。
また、異物の検知を実行する異物検知モードと、異物の検知を実行しない連続実行モードと、を有し、この2つのモードを切り替えるための切替手段を備えている。このような構成によれば、例えば細くて硬い枝などを切るときに連続実行モードに切り替えることができるので、異物の挟み込みを誤検知する問題を回避できる。
また、前記異物検知手段が異物を検知したときに、前記モータ12を停止させる。このような構成によれば、異物を検知したときにそれ以上切断動作が行われないので、番線を切断したり、刃部18,19が刃こぼれしたりする問題を回避できる。
また、前記異物検知手段が異物を検知したときに、前記モータ12を逆回転させる。このような構成によれば、異物を検知したときにそれ以上切断動作が行われないだけではなく、刃部18,19で挟み込んだ異物が解放されるので、番線を切断したり、刃部が刃こぼれしたりする問題を回避できる。
なお、上記した実施形態においては、モータ12の電流値を使用して、モータ12のトルク値の傾き(所定時間内のトルクの変動量)を推定し、これにより異物の検知を行うようにした。しかしながら、本発明の実施形態としてはこれに限らず、モータ12の電流値ではなく、モータ12の電圧値やモータ12の回転速度を基にモータ12のトルク値を推定してもよい。また、異物の検知を行う際に、モータ12のトルク値の傾きを計算せず、モータ12のトルク値(電流検出部120が検出した電流値)をそのまま使用して、異物の検知を行うようにしてもよい。ただし、モータ12のトルク値の傾きを使用すれば、異物を切断し始めたときのトルクの立ち上がりを捕捉できるので、いち早く異物の挟み込みを検知することができる。
また、上記した実施形態においては、刃部18,19が所定の角度まで閉じたと判断する方法として、モータ12の回転量を計測する方法を使用している。しかしながら、本発明の実施形態としてはこれに限らない。例えば、モータ12の作動時間を計測し、モータ12の作動時間が一定時間に達したら、刃部18,19が所定の角度まで閉じたと判断するようにしてもよい。また、リンク機構15の駆動軸15aの位置を検出し、リンク機構15の駆動軸15aが所定の位置まで移動したら、刃部18,19が所定の角度まで閉じたと判断するようにしてもよい。
また、上記した実施形態においては、異物を検知したときのエラー処理として、モータ12を停止させるとともに、モータ12を逆回転させるようにした。しかしながら、本発明の実施形態としてはこれに限らず、モータ12を停止させるだけとしてもよい。また、スピーカ41やLED42でユーザに異常を報知するようにしてもよい。ユーザに異常を報知するようにすれば、ユーザが異物検知を即座に認識して対応することができる。例えば、ユーザに切断動作を続行するかどうかを選択させることができる。
また、上記した実施形態においては、エラー処理において切断動作を停止させる方法として、モータ12を制御することにより切断動作を停止させるようにしている。しかし、本発明の実施形態としてはこれに限らない。
例えば、前記異物検知手段が異物を検知したときに、前記モータ12の動力が前記2枚の刃部18,19に伝わらないように動力経路を物理的に遮断するようにしてもよい。このように構成した場合でも、異物を検知したときにそれ以上切断動作が行われないので、番線を切断したり、刃部が刃こぼれしたりする問題を回避できる。動力経路の遮断は、例えば歯車等の噛合を解除すればよい。
また別の方法として、前記2枚の刃部18,19に伝わる前記モータ12のトルクを調整するクラッチ機構を備え、前記異物検知手段が異物を検知したときに、前記クラッチ機構を有効にするようにしてもよい。このように構成した場合、異物を検知したときにトルクの上限値を下げることになるので、番線を切断したり、刃部が刃こぼれしたりするほどのトルクが生じないようにすることができる。クラッチ機構としては、例えば公知のバネクラッチを使用すればよい。クラッチ機構が無効の場合には、トルクが完全に伝達されるようにし、クラッチ機構が有効の場合には、トルク伝達の許容量を超えたトルクは伝達されないようにすればよい。
また、上記した実施形態に係る電動はさみ10は、2枚の刃部が両方とも動く両刃可動式であるが、これに限らず、一方の刃部が固定されて他方の刃部が動く片刃可動式の電動はさみ10であっても同様に本発明を適用することができる。
(異物検知動作の変形例について)
上記した実施形態においては、2枚の刃部18,19の閉じ角度と一定時間内における電流値の変化量とに基づいて異物検知動作を行うようにしたが、これに代えて下記のような方法で異物検知動作を行うようにしても、同様の効果を得ることができる。
(変形例1)
この変形例では、電流値が所定の閾値以上か否かに基づいて異物検知動作を行う。
すなわち、図11に示すように、ステップS200において、操作部材22が操作され、モータ12が駆動を開始する。
ステップS202では、一定間隔で電流検出部120が電流値を計測する。この電流値が異物検出に使用されるモータ12のトルク情報として取得され、使用される。そして、ステップS203に進む。
ステップS203では、異物検知手段が、ステップS202で取得した電流値が予め設定された閾値を超えているか否かをチェックする。電流値が閾値を超えている場合には、異物を挟み込んだと判断し、ステップS206へ進む。一方、電流値が閾値を超えていない場合には、ステップS204に進む。
ステップS204に進んだ場合、2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態であるかをチェックする。2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態であることが検出されたら、ステップS205に進む。一方、2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態でなければ、ステップS202に戻る。
ステップS205に進んだ場合、モータ12を停止させ、処理を完了する。
ステップS206に進んだ場合、すなわち、ステップS203において異物を挟み込んだと判断した場合、所定のエラー処理を実行する。例えば、モータ12を停止させるとともに、モータ12を逆回転させる。
なお、上記した変形例では、電流値をモータ12のトルク情報として取得したが、これに代えて、電動はさみ10へと供給される電圧値を計測し、この電圧値をモータ12のトルク情報として取得してもよい。
(変形例2)
この変形例では、電流値の変化量が所定の閾値以上か否かに基づいて異物検知動作を行う。
すなわち、図11に示すように、ステップS200において、操作部材22が操作され、モータ12が駆動を開始する。
ステップS202では、一定間隔で電流検出部120が電流値を計測し、この電流値を基に、電流変化量計算部130が一定時間内における電流値の変化量を計算する。この電流値の変化量が異物検出に使用されるモータ12のトルク情報として取得され、使用される。そして、ステップS203に進む。
ステップS203では、異物検知手段が、ステップS202で取得した電流値の変化量が予め設定された閾値を超えているか否かをチェックする。電流値の変化量が閾値を超えている場合には、異物を挟み込んだと判断し、ステップS206へ進む。一方、電流値の変化量が閾値を超えていない場合には、ステップS204に進む。
ステップS204に進んだ場合、2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態であるかをチェックする。2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態であることが検出されたら、ステップS205に進む。一方、2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態でなければ、ステップS202に戻る。
ステップS205に進んだ場合、モータ12を停止させ、処理を完了する。
ステップS206に進んだ場合、すなわち、ステップS203において異物を挟み込んだと判断した場合、所定のエラー処理を実行する。例えば、モータ12を停止させるとともに、モータ12を逆回転させる。
(変形例3)
この変形例では、2枚の刃部18,19の角度変化(角速度)が所定の閾値以上か否かに基づいて異物検知動作を行う。
すなわち、図11に示すように、ステップS200において、操作部材22が操作され、モータ12が駆動を開始する。
ステップS202では、回転判断部110から取得したモータ12の回転量に関する情報を基に、2枚の刃部18,19の角度変化(角速度)を推定する。例えば、一定時間におけるモータ12の回転数を角速度の情報とする。この角速度の情報が異物検出に使用されるモータ12のトルク情報として取得され、使用される。そして、ステップS203に進む。
ステップS203では、異物検知手段が、ステップS202で取得した角速度が予め設定された閾値未満であるか否かをチェックする。角速度が閾値未満である場合には、異物を挟み込んだと判断し、ステップS206へ進む。一方、角速度が閾値以上である場合には、ステップS204に進む。
ステップS204に進んだ場合、2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態であるかをチェックする。2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態であることが検出されたら、ステップS205に進む。一方、2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態でなければ、ステップS202に戻る。
ステップS205に進んだ場合、モータ12を停止させ、処理を完了する。
ステップS206に進んだ場合、すなわち、ステップS203において異物を挟み込んだと判断した場合、所定のエラー処理を実行する。例えば、モータ12を停止させるとともに、モータ12を逆回転させる。
このように、この変形例では、2枚の刃部18,19の角度の変化量(角速度)が所定の閾値以上であれば枝を切断していると判断し、角度の変化量(角速度)が所定の閾値未満であれば異物を挟み込んだと判断する。よって、2枚の刃部18,19の閉じる速度の低下が僅かな場合には枝を切断しており、2枚の刃部18,19の閉じる速度が大きく低下する場合には異物を挟み込んだと判断できるようになっている。
(変形例4)
この変形例では、2枚の刃部18,19の角速度の変化量(角加速度)が所定の閾値以上か否かに基づいて異物検知動作を行う。
すなわち、図11に示すように、ステップS200において、操作部材22が操作され、モータ12が駆動を開始する。
ステップS202では、回転判断部110から取得したモータ12の回転量に関する情報を基に、2枚の刃部18,19の角速度の変化量(角加速度)を推定する。例えば、所定の周期で一定時間におけるモータ12の回転数を取得し、前回取得したモータ12の回転数との差分を基に角加速度を算出する。この角加速度が異物検出に使用されるモータ12のトルク情報として取得され、使用される。そして、ステップS203に進む。
ステップS203では、異物検知手段が、ステップS202で取得した角加速度が予め設定された閾値未満であるか否かをチェックする。角加速度が閾値未満である場合には、異物を挟み込んだと判断し、ステップS206へ進む。一方、角加速度が閾値以上である場合には、ステップS204に進む。
ステップS204に進んだ場合、2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態であるかをチェックする。2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態であることが検出されたら、ステップS205に進む。一方、2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態でなければ、ステップS202に戻る。
ステップS205に進んだ場合、モータ12を停止させ、処理を完了する。
ステップS206に進んだ場合、すなわち、ステップS203において異物を挟み込んだと判断した場合、所定のエラー処理を実行する。例えば、モータ12を停止させるとともに、モータ12を逆回転させる。
このように、この変形例では、角加速度が所定の閾値以上であれば枝を切断していると判断し、角加速度が所定の閾値未満であれば異物を挟み込んだと判断する。よって、2枚の刃部18,19の閉じる速度が緩やかに低下する場合には枝を切断しており、2枚の刃部18,19の閉じる速度が急激に低下する場合には異物を挟み込んだと判断できるようになっている。
(変形例5)
この変形例では、2枚の刃部18,19の閉じ角度と電流値とに基づいて異物検知動作を行う。
すなわち、図7に示すように、ステップS100において、操作部材22が操作され、モータ12が駆動を開始する。
ステップS101では、回転判断部110がモータ12の回転量を取得する。そして、ステップS102へ進む。
ステップS102では、一定間隔で電流検出部120が電流値を計測する。この電流値が異物検出に使用されるモータ12のトルク情報として取得され、使用される。そして、ステップS103に進む。
ステップS103では、電流判断部140が、回転判断部110からモータ12の回転量に関する情報を取得し、2枚の刃部18,19の閉じ角度を推定する。そして、この閉じ角度を基に、予め設定された閾値データから閾値を選択する。選択した閾値は、ステップS102で取得した電流値と比較される。電流値が閾値を超えている場合には、異物を挟み込んだと判断し、ステップS106へ進む。一方、電流値が閾値を超えていない場合には、ステップS104に進む。
ステップS104に進んだ場合、2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態であるかをチェックする。2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態であることが検出されたら、ステップS105に進む。一方、2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態でなければ、ステップS101に戻る。
ステップS105に進んだ場合、モータ12を停止させ、処理を完了する。
ステップS106に進んだ場合、すなわち、ステップS103において異物を挟み込んだと判断した場合、所定のエラー処理を実行する。例えば、モータ12を停止させるとともに、モータ12を逆回転させる。
(変形例6)
この変形例では、2枚の刃部18,19の角度変化(角速度)と電流値とに基づいて異物検知動作を行う。
すなわち、図7に示すように、ステップS100において、操作部材22が操作され、モータ12が駆動を開始する。
ステップS101では、回転判断部110から取得したモータ12の回転量に関する情報を基に、2枚の刃部18,19の角度変化(角速度)を推定する。例えば、一定時間におけるモータ12の回転数を角速度の情報とする。そして、ステップS102に進む。
ステップS102では、一定間隔で電流検出部120が電流値を計測する。そして、ステップS103に進む。
ステップS103では、ステップS101で取得した角速度が予め設定された閾値未満であるか否かと、ステップS102で取得した電流値が予め設定された閾値以上であるか否かがチェックされる。角速度が閾値未満であり、かつ、電流値が閾値以上である場合には、異物を挟み込んだと判断し、ステップS106へ進む。一方、角速度が閾値以上であるか、または電流値が閾値未満である場合には、ステップS104に進む。
ステップS104に進んだ場合、2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態であるかをチェックする。2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態であることが検出されたら、ステップS105に進む。一方、2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態でなければ、ステップS101に戻る。
ステップS105に進んだ場合、モータ12を停止させ、処理を完了する。
ステップS106に進んだ場合、すなわち、ステップS103において異物を挟み込んだと判断した場合、所定のエラー処理を実行する。例えば、モータ12を停止させるとともに、モータ12を逆回転させる。
(変形例7)
この変形例では、2枚の刃部18,19の角度変化(角速度)と電流値の変化量とに基づいて異物検知動作を行う。
すなわち、図7に示すように、ステップS100において、操作部材22が操作され、モータ12が駆動を開始する。
ステップS101では、回転判断部110から取得したモータ12の回転量に関する情報を基に、2枚の刃部18,19の角度変化(角速度)を推定する。例えば、一定時間におけるモータ12の回転数を角速度の情報とする。そして、ステップS102に進む。
ステップS102では、一定間隔で電流検出部120が電流値を計測し、この電流値を基に、電流変化量計算部130が一定時間内における電流値の変化量を計算する。そして、ステップS103に進む。
ステップS103では、ステップS101で取得した角速度が予め設定された閾値未満であるか否かと、ステップS102で取得した電流値の変化量が予め設定された閾値以上であるか否かがチェックされる。角速度が閾値未満であり、かつ、電流値の変化量が閾値以上である場合には、異物を挟み込んだと判断し、ステップS106へ進む。一方、角速度が閾値以上であるか、または電流値の変化量が閾値未満である場合には、ステップS104に進む。
ステップS104に進んだ場合、2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態であるかをチェックする。2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態であることが検出されたら、ステップS105に進む。一方、2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態でなければ、ステップS101に戻る。
ステップS105に進んだ場合、モータ12を停止させ、処理を完了する。
ステップS106に進んだ場合、すなわち、ステップS103において異物を挟み込んだと判断した場合、所定のエラー処理を実行する。例えば、モータ12を停止させるとともに、モータ12を逆回転させる。
(変形例8)
この変形例では、モータ12の出力デューティーと電流値に基づいて異物検知動作を行う。
すなわち、図11に示すように、ステップS200において、操作部材22が操作され、モータ12が駆動を開始する。
ステップS202では、一定間隔で電流検出部120が電流値を計測する。この電流値が異物検出に使用されるモータ12のトルク情報として取得され、使用される。そして、ステップS203に進む。
ステップS203では、モータ12の出力デューティーを基に、予め設定された閾値データから閾値を選択する。この閾値は、出力デューティーに比例して、段階的にまたは無段階で高くなるように設定されている。そして、ステップS202で取得した電流値が選択した閾値を超えているか否かをチェックする。電流値が閾値を超えている場合には、異物を挟み込んだと判断し、ステップS206へ進む。一方、電流値が閾値を超えていない場合には、ステップS204に進む。
ステップS204に進んだ場合、2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態であるかをチェックする。2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態であることが検出されたら、ステップS205に進む。一方、2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態でなければ、ステップS202に戻る。
ステップS205に進んだ場合、モータ12を停止させ、処理を完了する。
ステップS206に進んだ場合、すなわち、ステップS203において異物を挟み込んだと判断した場合、所定のエラー処理を実行する。例えば、モータ12を停止させるとともに、モータ12を逆回転させる。
このようにモータ12の出力デューティーを参照して閾値を決定するようにすれば、電流値のみを参照する場合よりも異物検知の精度を高めることができる。すなわち、電流値が同じであっても出力デューティーが異なればモータ12の出力が相違するため、電流値と出力デューティーとの両方を参照することで、異物検知の精度を高めることができる。
(変形例9)
この変形例では、電流値及び電圧値に基づいて異物検知動作を行う。
すなわち、図11に示すように、ステップS200において、操作部材22が操作され、モータ12が駆動を開始する。
ステップS202では、一定間隔で電流値と電圧値が計測され、電力値(電流値×電圧値)を算出する。この電力値が異物検出に使用されるモータ12のトルク情報として取得され、使用される。そして、ステップS203に進む。
ステップS203では、異物検知手段が、ステップS202で取得した電力値が予め設定された閾値を超えているか否かをチェックする。電力値が閾値を超えている場合には、異物を挟み込んだと判断し、ステップS206へ進む。一方、電力値が閾値を超えていない場合には、ステップS204に進む。
ステップS204に進んだ場合、2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態であるかをチェックする。2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態であることが検出されたら、ステップS205に進む。一方、2枚の刃部18,19が完全に閉じた状態でなければ、ステップS202に戻る。
ステップS205に進んだ場合、モータ12を停止させ、処理を完了する。
ステップS206に進んだ場合、すなわち、ステップS203において異物を挟み込んだと判断した場合、所定のエラー処理を実行する。例えば、モータ12を停止させるとともに、モータ12を逆回転させる。
このように電流値及び電圧値に基づいて異物検知動作を行うようにすれば、使用状況に応じて電圧値が変動するような機械(本実施形態のような充電式の工具)であっても、モータの出力(切断負荷)を正しく把握することができるので、異物検知の精度を高めることができる。
10 電動はさみ
11 ケーブル接続部
12 モータ(動力源)
13 ボールネジ機構
14 減速機構
15 リンク機構
15a 駆動軸
15b 第1リンク
15c 第2リンク
16 支持部材
16a ガイド溝
17 ハウジング
17a リンクカバー部
17b 操作部材ガード部
17c グリップ部
17d 後端部
17e 後端面
18 第1刃部
18a 切断部
18b 根元部
18c 接続軸
19 第2刃部
19a 切断部
19b 根元部
19c 接続軸
20 刃軸
22 操作部材
22a シャフト
22b 第1の操作部
22c ローラ
22d 第2の操作部
23 揺動部材
23a 揺動軸
23b 押圧部
24 マイクロスイッチ
24a 接点部
25 センサ
26 回転検出部
30 ケーブル
31 芯線
32 接続端子
33 分岐部
34A~34N メスピン
35A~35D 芯線
40 電源装置
41 スピーカ
42 LED
43 ケーブル接続部
44 二次電池
100 制御基板(異物検知手段)
110 回転判断部
120 電流検出部
130 電流変化量計算部
140 電流判断部

Claims (9)

  1. モータの回転に連動する刃部を備え、被切断対象物よりも硬い異物を挟み込んだことを検出する電動はさみであって、
    前記刃部が異物を挟み込んだことを検知する異物検知手段を備え、
    前記異物検知手段は、前記モータのトルク値またはトルクの変化率が所定の閾値未満であれば被切断対象物を切断していると判断し、前記モータのトルク値またはトルクの変化率が所定の閾値以上であれば異物を挟み込んだと判断し、
    前記異物検知手段は、前記刃部が所定の角度まで閉じたと判断するまでは前記モータのトルク値またはトルクの変化率が所定の閾値以上であるとしても太い木などの被切断対象物を切断している可能性が高いので異物として検知しない一方で、前記刃部が所定の角度まで閉じたと判断された後に前記モータのトルク値またはトルクの変化率が所定の閾値以上となった場合には番線等の細くて硬い異物を挟み込んだと判断することを特徴とする、電動はさみ。
  2. 前記異物検知手段は、予め設定された閾値データから前記刃部の閉じ角度に応じて前記所定の閾値を選択し、この閾値と前記モータのトルク値またはトルクの変化率とを比較して異物の検知を実行することを特徴とする、請求項に記載の電動はさみ。
  3. 前記モータのトルク値またはトルクの変化率は、前記モータの電流値、電圧値又は回転速度のいずれかを基に推定することを特徴とする、請求項1または2のいずれか1項に記載の電動はさみ。
  4. 異物の検知を実行する異物検知モードと、異物の検知を実行しない連続実行モードと、を有し、
    この2つのモードを切り替えるための切替手段を備えることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の電動はさみ。
  5. 前記異物検知手段が異物を検知したときに、前記モータを停止させることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の電動はさみ。
  6. 前記異物検知手段が異物を検知したときに、前記モータを逆回転させることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の電動はさみ。
  7. 前記異物検知手段が異物を検知したときに、ユーザに異常を報知することを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の電動はさみ。
  8. 前記異物検知手段が異物を検知したときに、前記モータの動力が前記刃部に伝わらないように動力経路を物理的に遮断することを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の電動はさみ。
  9. 前記刃部に伝わる前記モータのトルクを調整するクラッチ機構を備え、
    前記異物検知手段が異物を検知したときに、前記クラッチ機構を有効にすることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の電動はさみ。
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