JP2004201033A - ノイズ低減装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ノイズが十分に低減された右チャンネル用の音声と左チャンネル用の音声とを出力することが可能であり、且つ容易に小型化できる。
【解決手段】先ず、第1の減衰器21が第1のマイク11によって出力された信号を1/2倍にするとともに、第2の減衰器22が第2のマイク12によって出力された信号を1/2倍にする。次に、第1の加算器23が、第2の減衰器21によって出力された信号から第1の減衰器21によって出力された信号を減算する。次に、ノイズ帯域抽出部24が第1の加算器23によって出力された信号からタッチノイズ帯域の信号を抽出する。次に、第3の加算器27が第1のマイク11によって出力された信号とノイズ帯域抽出部24によって出力された信号とを加算する。また、第4の加算器28が第2のマイク12によって出力された信号からノイズ帯域抽出部24によって出力された信号を減算する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばカメラ一体型の記録装置などに搭載するマイクロフォン装置に適用して好適なノイズ低減装置及びノイズ低減方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、家庭用デジタルビデオカメラなどのビデオカメラでは、記録媒体に記録される音声は、一般的に、内蔵されるステレオマイクロフォン装置により集音される。ステレオマイクロフォン装置は、2つのマイクロフォン(以下、マイクという。)を備えており、一方のマイクに右チャンネル用の音声が入力され、他方のマイクに左チャンネル用の音声が入力される。そして、右チャンネル用の音声信号と、左チャンネル用の音声信号とを出力する。
【0003】
近年は、ビデオカメラの小型化が進んでいるために、ユーザが、撮像中にズームやフォーカスなどの操作を行ったりスイッチ操作を行ったりしたときに、不用意にマイクの付近に触れてしまうことによって生じるノイズ(以下、タッチノイズという。)がマイクに入力され易くなる。
【0004】
また、当該ビデオカメラによって周囲が比較的静かな場所を撮像する場合には、内部に備えられた自動利得制御(Automatic Gain Control)回路により、マイクの感度が上がる。マイクの感度が上がると、わずかなタッチノイズでもマイクに入力されてしまう。
【0005】
さらに、ビデオカメラは一般的に無指向性マイクを備えているが、当該マイクの出力に対して演算を施すことにより、無指向性マイクに有指向性特性をもたせて使用している。したがって、当該ビデオカメラでは、有指向特性特有の近接効果が生じるためにノイズ周波数帯域が持ち上がってしまい、ノイズが目的とする音声信号よりも目立ってしまうことも多い。
【0006】
以上説明したノイズを低減するために、ビデオカメラでは、マイクユニットを、ゴムダンパーなどのインシュレータによってキャビネットから浮かせたり、ゴムワイヤーなどで中空に浮かせることなどにより、キャビネットを伝搬する振動を吸収し、振動ノイズがマイクに入力されることを回避している。
【0007】
しかし、インシュレータやゴムワイヤーによりマイクユニットをキャビネットから浮かせる方法では、振動が強い場合に振動を吸収する効果が低減する。また、振動の周波数によっても振動を吸収する効果が低減する。逆に、振動が固有の周波数であるときにはマイクユニットが共振振動する場合もある。すなわち、全ての振動を吸収することが困難となる。
【0008】
また、インシュレータ及びゴムワイヤーの効果や、マイクユニットの共振振動などを考慮する必要があるために、構造設計が困難となり、ビデオカメラの小型化やコストダウンを妨げる要因となる。
【0009】
さらに、タッチノイズには、キャビネットを伝搬する振動ノイズ以外に、空気中を音として伝搬する音響ノイズが含まれる。すなわち、マイクユニットへのタッチノイズの伝搬経路は複雑化しており、キャビネットを伝搬するとは限らないので、インシュレータやゴムワイヤーによりマイクユニットをキャビネットから浮かせる方法では、音響ノイズを低減することは困難となる。
【0010】
以上説明した理由により、インシュレータやゴムワイヤーによりマイクユニットをキャビネットから浮かせる方法では、タッチノイズの低減に限界があり、ユーザが満足できるレベルまで低減することが困難となる。
【0011】
これに対して、本願出願人は、適応フィルタを使用したANC(Adaptive Noise Canceller)手法により、ノイズを低減するステレオマイクロフォン装置を提案している(例えば、特許文献1)。
【0012】
図12に示すように、ステレオマイクロフォン装置200は、互いに受音面が同一方向となるように配置されている第1のマイク201及び第2のマイク202と、受音面が第1及び第2のマイク201,202の受音面と対向するように配置されている第3のマイク203とを備えている。
【0013】
以上説明したように第1〜第3のマイク201〜203が配置されるために、ステレオマイクロフォン装置200では、第1のマイク201によって出力される信号Rと第3のマイク203によって出力される信号とは、音声信号が同位相となり、振動ノイズが逆位相となり、レベルはほぼ同一となる。また、第1のマイク201によって出力される信号Rと第2のマイク202によって出力される信号Lとはほぼ同一となる。
【0014】
ステレオマイクロフォン装置200では、先ず、第1の加算器204が、信号Rが1/2倍にされた信号と信号Lが1/2倍にされた信号とを加算する。
【0015】
そして、第2の加算器205が、第1の加算器204によって出力される信号から第3のマイク203によって出力される信号を減算することにより、信号R,Lに含まれる振動ノイズ抽出し、適応フィルタ206に供給する。
【0016】
次に、適応フィルタ206は、供給された振動ノイズに適応化処理を施し、振動ノイズと相関性がある擬似ノイズYを生成する。適応フィルタ206は、擬似ノイズYを、第3の加算器207及び第4の加算器208に供給する。
【0017】
そして、第3の加算器207は、信号Rから擬似ノイズYを減算し、ノイズが低減された右チャンネルの音声信号を生成する。また、第4の加算器208は、信号Lから擬似ノイズYを減算し、ノイズが低減された左チャンネルの音声信号を生成する。
【0018】
【特許文献1】
特開2002−171591号公報
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明したように、ステレオマイクロフォン装置200では、適応フィルタ206によって擬似ノイズYを生成し、第3の加算器207が信号Rから擬似ノイズYを減算し、第4の加算器208が信号Lから擬似ノイズYを減算することによって、ノイズが低減された音声信号を出力することが可能となる。
【0020】
しかしながら、ステレオマイクロフォン装置200では、右チャンネル用の音声信号と左チャンネル用の音声信号とを出力するために、第1のマイク201、第2のマイク202、第3のマイク203の3つのマイクを備える必要がある。すなわち、ステレオマイクロフォン装置200は、右チャンネル用の音声信号と左チャンネル用の音声信号とを出力するために、マイクを多数備える必要がある。したがって、ステレオマイクロフォン装置200は、小型化することが困難となる。また、当該ステレオマイクロフォン装置200をビデオカメラに搭載すると、当該ビデオカメラを小型化することも困難となる。
【0021】
また、ステレオマイクロフォン装置200では、生成される擬似ノイズYが1つであり、信号Rから擬似ノイズYを減算することで右チャンネル用の信号を生成し、信号Lから擬似ノイズYを減算することで左チャンネル用の信号を生成している。したがって、信号Lに含まれるノイズと信号Rに含まれるノイズとに位相差やレベル差があるときには、ノイズを精度良く低減することができなくなる。
【0022】
さらに、ステレオマイクロフォン装置200では、1つの適応フィルタを使用して擬似ノイズYを生成しているために、適応フィルタ206は、タップ数が増加して収束に時間を要する。また、音響ノイズ特性と振動ノイズ特性とが異なる場合には、ノイズを十分に低減することが困難となる。
【0023】
本発明は、以上のような従来の実状を鑑みて提案されたものであり、小型化が容易であり、且つ振動ノイズや音響ノイズを十分に低減することが可能であるノイズ低減装置及び方法を提供することを目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るノイズ低減装置は、受音面が、所定の向きとなるように配置される第1の無指向性マイクロフォンと、受音面が、上記第1の無指向性マイクロフォンの受音面の向きに対して180°異なる向きとなり、且つ上記第1の無指向性マイクロフォンの受音面との間隔が所定の間隔となるように配置される第2のマイクロフォンと、上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号を減算した信号の1/2倍のレベルである差信号を生成する差信号生成手段と、上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号と上記差信号とを加算する第1の演算手段と、上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記差信号を減算する第2の演算手段とを備えることを特徴とする。
【0025】
また、本発明に係るノイズ低減装置は、受音面が、所定の向きとなるように配置される第1の無指向性マイクロフォンと、受音面が、上記第1の無指向性マイクロフォンの受音面の向きに対して180°異なる向きとなり、且つ上記第1の無指向性マイクロフォンの受音面との間隔が所定の間隔となるように配置される第2の無指向性マイクロフォンと、上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号と上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号とを加算した信号の1/2倍のレベルである和信号を生成する和信号生成手段と、上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記和信号を減算する第1の演算手段と、上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記和信号を減算する第2の演算手段と、上記第1の演算手段によって出力された信号を適応的に制御して第1の擬似ノイズ信号を生成する第1の適応制御手段と、上記第2の演算手段によって出力された信号を適応的に制御して第2の擬似ノイズ信号を生成する第2の適応制御手段と、上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記第1の適応制御信号を減算する第3の演算手段と、上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記第2の適応制御信号を減算する第4の演算手段とを備え、上記第1の適応制御手段は、上記第3の演算手段からの出力に基づいて上記第1の演算手段によって出力された信号を適応的に制御し、上記第2の適応制御手段は、上記第4の演算手段からの出力に基づいて上記第2の演算手段によって出力された信号を適応的に制御することを特徴とする。
【0026】
本発明に係るノイズ低減方法は、受音面が、所定の向きとなるように配置される第1の無指向性マイクロフォンと、受音面が、上記第1の無指向性マイクロフォンの受音面の向きに対して180°異なる向きとなり、且つ上記第1の無指向性マイクロフォンの受音面との間隔が所定の間隔となるように配置される第2の無指向性マイクロフォンとを備えたステレオマイクロフォン装置におけるノイズ低減方法であり、上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号を減算した信号の1/2倍のレベルである差信号を生成する差信号生成ステップと、上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号と上記差信号とを加算する第1の演算ステップと、上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記差信号を減算する第2の演算ステップとを備えることを特徴とする。
【0027】
また、本発明に係るノイズ低減方法は、受音面が、所定の向きとなるように配置される第1の無指向性マイクロフォンと、受音面が、上記第1の無指向性マイクロフォンの受音面の向きに対して180°異なる向きとなり、且つ上記第1の無指向性マイクロフォンの受音面との間隔が所定の間隔となるように配置される第2の無指向性マイクロフォンとを備えたステレオマイクロフォン装置におけるノイズ低減方法であり、上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号と上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号とを加算した和信号を1/2倍にして生成する和信号生成ステップと、上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記和信号を減算して出力する第1の演算ステップと、上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記和信号を減算して出力する第2の演算ステップと、上記第1の演算ステップで出力された信号を適応的に制御した第1の擬似ノイズ信号を生成する第1の適応制御ステップと、上記第2の演算ステップで出力された信号を適応的に制御した第2の擬似ノイズ信号を生成する第2の適応制御ステップと、上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記第1の擬似ノイズ信号を減算する第3の演算ステップと、上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記第2の擬似ノイズ信号を減算する第4の演算ステップとを備え、上記第1の適応制御ステップでは、上記第3の演算ステップで出力された信号に基づいて上記第1の演算ステップで出力された信号を適応的に制御し、上記第2の適応制御ステップでは、上記第4の演算手段からの出力に基づいて上記第2の演算ステップで出力された信号を適応的に制御することを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
第1の実施の形態
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。
【0030】
図1に示すように、本発明を適用したステレオマイクロフォン装置10は、音声を電気信号に変換して出力する第1のマイクロフォン(以下、マイクという)11及び第2のマイク12と、第1のマイク11によって出力される信号を増幅する第1のアンプ13と、第2のマイク12によって出力される信号を増幅する第2のアンプ14と、第1のアンプ13によって出力された信号をアナログデジタル変換(以下、A/D変換という。)する第1のA/D変換器15と、第2のアンプ14によって出力された信号をA/D変換する第2のA/D変換器16と、第1のA/D変換器15及び第2のA/D変換器16によって出力された信号に含まれるノイズを低減するノイズ低減処理部17と、ノイズ低減処理部17によって出力された信号に対して演算を施して、右チャンネル用の音声信号と左チャンネル用の音声信号とを生成する有指向性演算処理部18とを備える。
【0031】
ステレオマイクロフォン装置10は、例えばビデオカメラなどの電子機器に搭載され、ビデオテープやディスク状記録媒体などの記録媒体に記録する音声を集音する。
【0032】
第1のマイク11及び第2のマイク12は、無指向性マイクである。第1のマイク11及び第2のマイク12は、入力された音波を電気信号に変換する。
【0033】
図2(A),(C)に示すように、第1のマイク11と、第2のマイク12とは、同軸上に、受音面が互いに対向するように設けられる。第1のマイク11は、+端子11aと−端子11bとを備えており、+端子11aは第1のアンプ13に接続しており、−端子11bは接地している。また、第2のマイク12は、+端子12aと−端子12bとを備えており、+端子12aは第2のアンプ14に接続しており、−端子12bは接地している。
【0034】
第1のマイク11と第2のマイク12とは、それぞれの受音面が互いに対向するように設けられることによって、音声が入力されたときには、振動板11c,12cが、図2(A)に示すように、ほぼ同位相で互いに逆方向に振動して、同位相である音声信号Rs,Lsを出力する。具体的に説明すると、振動板11c,12cが実線で示すように振動したときに、第1のマイク11が図2(B)左図中の実線で示す信号を出力したとすると、第2のマイク12は図2(B)右図中の実線で示す信号を出力する。また、振動板11c,12cが破線で示すように振動したときに、第1のマイク11は図2(B)左図中の破線で示す信号を出力し、第2のマイク12は図2(B)右図中の破線で示す信号を出力する。
【0035】
一方、ステレオマイクロフォン装置10が搭載された電子機器に物体が接触すると、音響ノイズ及び振動ノイズからなるタッチノイズが生じる。電子機器に物体が接触することにより、例えば、振動が矢印Aで示す方向に発生した場合には、振動板11c,12cは、図2(C)実線又は破線で示すように同方向に振動し、第1のマイク11及び第2のマイク12は、互いに逆位相である振動ノイズRn,Lnを出力する。具体的に説明すると、振動板11c,12cが実線で示すように振動したときに、第1のマイク11が図2(D)左図中の実線で示す信号を出力したとすると、第2のマイク12は図2(D)右図中の実線で示す信号を出力する。また、振動板11c,12cが破線で示すように振動したときに、第1のマイク11は図2(D)左図中の破線で示す信号を出力し、第2のマイク12は図2(D)右図中の破線で示す信号を出力する。
【0036】
なお、振動が矢印Aと直交する矢印Bで示す方向に発生した場合には、振動板11c,12cは振動せず、第1のマイク11及び第2のマイク12は信号を出力しない。
【0037】
ここで、第1のマイク11と第2のマイク12との間隔(以下、マイク間隔という。)dと、第1のマイク11によって出力される信号R(=Rs+Rn)と第2のマイク12によって出力される信号L(=Ls+Ln)との間に生じる位相差及びレベル差との関係について説明する。
【0038】
まず、マイク間隔dと信号R及び信号L間の位相差との関係について説明する。第1のマイク11及び第2のマイク12に対して、音源Aによって出力された振幅aの音波が入力するときに、音源Aと第1のマイク11や第2のマイク12との距離がマイク間隔dよりも十分に大きいとすれば、音源Aによって出力される音波は、図3に示すように、第1のマイク11及び第2のマイク12に対してそれぞれほぼ平行に入力すると考えられる。また、マイク間隔dが音源Aによって出力される音波の波長λよりも十分に小さいとすれば、以下に示す式1及び式2が成立する。
【0039】
信号R=a・cos(ωt)・・・式1
信号L=a・cos(ωt−φ)・・・式2
但し、ωは音声が空気中を進行するときの角速度を示し、φは第2のマイク12及び音源A間を結ぶ直線と当該直線に第1のマイク11からおろした垂線とが交わる点cと、第2のマイク12との距離を示す。すなわち、第1のマイク11に入力される音声と第2のマイク12に入力される音声との位相差は、φとなる。
【0040】
したがって、第2のマイク12によって出力された信号Lは、第1のマイク11によって出力された信号Rと比較すると、マイク間隔dによる遅延分に基づいた位相差φだけずれた信号となる。
【0041】
つぎに、マイク間隔dと信号R及び信号L間のレベル差との関係について説明する。音声は空気中を疎密波として伝播することが知られているが、音声のプラスの最大値(又はマイナスの最小値)を密とし、音声のマイナスの最小値(又はプラスの最大値)を疎とすると、d>λ/2のときには、第2のマイク12に到達する音波は、第1のマイク11の影になることでレベルが落ちて到達するために、第2のマイク12によって出力される信号の振幅は第1のマイク11によって出力される音声の振幅よりも小さくなる。
【0042】
しかし、d≦λ/2のときには、第2のマイク12に入力される音声は、第1のマイク11に入力される音声にほとんど影響されないために、第1のマイク11によって出力される信号の振幅と第2のマイク12によって出力される信号の振幅とは、ほぼ同じとなる。
【0043】
一例として、マイク間隔dを15mmとすると、15mmを半周期とする周波数Fは、常温下では、以下の式3に示すとおりとなる。
【0044】
周波数F≦空気中の音速/2d=340/2・15=11kHz・・・式3
【0045】
したがって、マイク間隔dを15mmとしたときには、第1のマイク11及び第2のマイク12に到達する音波の周波数を11kHz以下に制限すれば、第1のマイク11によって出力される信号Rの振幅と第2のマイク12によって出力される信号Lの振幅とはほぼ同じとなり、信号Rと信号Lとの差は位相差φのみとなる。マイク間隔dが小さければこの位相差φによる影響も無視できる。
【0046】
上記タッチノイズの帯域が周波数F以下になるようにマイク間隔dを決定すること、又はタッチノイズの帯域を制限することにより、第1のマイク11及び第2のマイク12は、常に振幅が等しい信号を出力する。
【0047】
ノイズ低減処理部17は、第1のA/D変換器15によって出力された信号を1/2倍にする第1の減衰器21と、第2のA/D変換器16によって出力された信号を1/2倍にする第2の減衰器22と、第2の減衰器22によって出力された信号から第1の減衰器21によって出力された信号を減算する第1の加算器23と、第1の加算器23によって出力された信号から所定の帯域の信号を抽出するノイズ帯域抽出部24と、第1のA/D変換器15から信号が供給される第1の遅延器25と、第2のA/D変換器16から信号が供給される第2の遅延器26と、ノイズ帯域抽出部24によって出力された信号と第1の遅延器25によって出力された信号とを加算して有指向性演算処理部18に供給する第2の加算器27と、ノイズ帯域抽出部24によって出力された信号を第1の遅延器25によって出力された信号から減算して有指向性演算処理部18に供給する第3の加算器28とを備える。
【0048】
ノイズ帯域抽出部24は、LPF(Low Pass Filter)やBPF(Band Pass Filter)などによって構成される。タッチノイズは、第1のマイク11及び第2のマイク12によって出力された信号の比較的低域に集中して生じる(以下、タッチノイズが生じる帯域をタッチノイズ帯域という。)。ノイズ帯域抽出部24は、音声信号からタッチノイズ帯域の信号を抽出して出力する。ノイズ帯域抽出部24が備えられることにより、ステレオマイクロフォン装置10は、タッチノイズを効率よく低減することができる。
【0049】
なお、マイクロフォン装置10は、ノイズ帯域抽出部24を備えなくてもよい。ノイズ帯域抽出部24を備えないときには、ノイズ低減処理部17は、タッチノイズ帯域以外の帯域に発生したノイズも低減することができる。
【0050】
第1の遅延器25は、第1のA/D変換器15によって出力された信号が第2の加算器27に供給されるタイミングを制御する。詳述すると、先ず、第1のA/D変換器15が、信号を出力して第1の遅延器25と第1の減衰器21とに供給する。次に、第1の遅延器25は、第1の減衰器21に供給された信号が第1の加算器23及びノイズ帯域抽出部24を介して第2の加算器27に供給されるまで、供給された信号を保持する。そして、第1の遅延器25は、ノイズ帯域抽出部24から第2の加算器27に信号が供給されるタイミングと同じタイミングで、保持している信号を第2の加算器27に供給する。
【0051】
第2の遅延器26は、第2のA/D変換器16によって出力された信号が第3の加算器28の+端子に供給されるタイミングを制御する。詳述すると、先ず、第2のA/D変換器16が、信号を出力して第2の遅延器26と第2の減衰器22とに供給する。次に、第2の遅延器26は、第2の減衰器22に供給された信号が第1の加算器23及びノイズ帯域抽出部24を介して第3の加算器28の−端子に供給されるまで、供給された信号を保持する。そして、第2の遅延器26は、ノイズ帯域抽出部24から第3の加算器28の−端子に信号が供給されるタイミングと同じタイミングで、保持している信号を第3の加算器28の+端子に供給する。
【0052】
ノイズ低減処理部17は、以下に説明する演算を行う。
【0053】
まず、第1の減衰器21は、第1のA/D変換器15から出力されたRs+Rnを1/2倍して1/2(Rs+Rn)とする。
【0054】
また、第2の減衰器22は、第2のA/D変換器16から出力されたLs+Lnを1/2倍して1/2(Ls+Ln)とする。
【0055】
次に、第1の加算器23は、以下に示す演算1を行う。なお、LsとRsとは、ほぼ同じ振幅であり且つ同位相であるため、Ls−Rs=0とすることができる。
【0056】
1/2(Ls+Ln)−1/2(Rs+Rn)
=1/2(Ls−Rs)+1/2(Ln−Rn)
=1/2(Ln−Rn)・・・演算1
【0057】
次に、第2の加算器27は、以下に示す演算2を行う。なお、LnとRnとは、ほぼ同じ振幅であり且つ逆位相であるため、Ln+Rn=0とすることができる。
【0058】
(Rs+Rn)+1/2(Ln−Rn)
=Rs+1/2Ln+Rn−1/2Rn
=Rs+1/2(Ln+Rn)
=Rs・・・演算2
【0059】
また、第3の加算器28は、以下に示す演算3を行う。
【0060】
(Ls+Ln)−1/2(Ln−Rn)
=Ls+Ln−1/2Ln+1/2Rn
=Ls+1/2(Ln+Rn)
=Ls・・・演算3
【0061】
なお、本実施の形態では、ノイズ帯域抽出部24が備えられているために、演算2及び演算3はノイズ帯域のみで行われているが、ノイズ帯域抽出部24が備えられていないときには、演算2及び演算3は音声信号の全帯域に亘って行われる。
【0062】
つぎに、ステレオマイクロフォン装置10の動作について説明する。
【0063】
先ず、音声が入力されると、第1のマイク11、第2のマイク12が、入力された音声を電気信号に変換して出力する。第1のマイク11の出力Rs+Rnは、第1のアンプ13に供給され、第2のマイク12の出力Ls+Lnは、第2のアンプ14に供給される。
【0064】
次に、第1のアンプ13が、第1のマイク11によって供給された信号を増幅して第1のA/D変換器15に供給する。また、第2のアンプ14が、第2のマイク12によって供給された信号を増幅して第2のA/D変換器16に供給する。
【0065】
次に、第1のA/D変換器15が、第1のアンプ13によって供給された信号をA/D変換して第1の減衰器21及び第1の遅延器25に供給する。また、第2のA/D変換器16が、第2のアンプ14によって供給された信号をA/D変換して第2の減衰器22及び第2の遅延器26に供給する。
【0066】
次に、第1の減衰器21が、第1のA/D変換器15によって供給された信号を1/2倍して1/2(Rs+Rn)を生成し、第1の加算器23の−端子に供給する。また、第2の減衰器22が、第2のA/D変換器16によって供給された信号を1/2倍して1/2(Ls+Ln)を生成し、第1の加算器23の+端子に供給する。
【0067】
次に、第1の加算器23が、演算1を行って1/2(Ln−Rn)を生成し、ノイズ帯域抽出部24に供給する。
【0068】
次に、ノイズ帯域抽出部24が、第1の加算器23によって供給された信号からタッチノイズの帯域の信号を抽出し、第2の加算器27と第3の加算器28の−端子とに供給する。
【0069】
一方、第1の遅延器25は、第1のA/D変換器15によって供給された信号を、ノイズ帯域抽出部24が第2の加算器27に信号を供給するタイミングと同じタイミングで、第2の加算器27に供給する。また、第2の遅延器26は、第2のA/D変換器16によって供給された信号を、ノイズ帯域抽出部24が第3の加算器28の−端子に信号を供給するタイミングと同じタイミングで、第3の加算器28の+端子に供給する。
【0070】
次に、第2の加算器27は、演算2を行って振動ノイズRnが除去された信号Rsを生成し、有指向性演算処理部18に供給する。また、第3の加算器28は、演算3を行って振動ノイズLnが除去された信号Lsを生成し、有指向性演算処理部18に供給する。
【0071】
最後に、有指向性演算処理部18が、信号Rsに対して演算を行って右チャンネル用の音声信号を生成して出力するとともに、信号Lsに対して演算を行って左チャンネル用の音声信号を生成して出力する。
【0072】
以上説明したように、本発明を適用したステレオマイクロフォン装置10は、第1のマイク11及び第2のマイク12が、受音面がそれぞれ対向するように配置されている。したがって、音声信号Rsと音声信号Lsとは同位相となり、振動ノイズRnと振動ノイズLnとは逆位相となる。すなわち、音声信号Rsと音声信号Lsとは減算するとほぼ0になり、振動ノイズRnと振動ノイズLnとは加算するとほぼ0になる。
【0073】
本発明を適用したステレオマイクロフォン装置10に備えられたノイズ低減処理部17は、以上説明した回路構成とされることにより、演算1,2,3を実行でき、音声信号Rsと音声信号Lsとの関係や、振動ノイズRnと振動ノイズLnとの関係を利用して、振動ノイズRnが除去された音声信号Rsと、振動ノイズLnが除去された音声信号Lsとを生成して出力する。
【0074】
すなわち、本発明を適用したステレオマイクロフォン装置10は、備えられているマイクが2つであるにも拘わらず、ノイズが低減された右チャンネル用の音声と左チャンネル用の音声とを出力することが可能となる。したがって、本発明を適用したステレオマイクロフォン装置10は、右チャンネル用の音声と同時に出力されるノイズと、左チャンネル用の音声と同時に出力されるノイズとを低減することが可能であり、且つ小型化が容易なものとなる。
【0075】
また、本発明を適用したステレオマイクロフォン装置10をビデオカメラなどの電子機器に搭載すると、搭載した電子機器は、右チャンネル用の音声と同時に出力されるノイズと、左チャンネル用の音声と同時に出力されるノイズとを低減することが可能であり、且つ小型化が容易なものとなる。
【0076】
さらに、本発明を適用したステレオマイクロフォン装置10は、有指向性演算処理部18を増大させることや、新たなA/D変換器などを取り付けることなく、ノイズを十分に低減することができる。したがって、本発明を適用したステレオマイクロフォン装置10は、第1のマイク11及び第2のマイク12によって音声と同時に出力されるノイズを、回路規模を増大させることなく、低コストで十分に低減できる。
【0077】
また、本発明を適用したステレオマイクロフォン装置10は、ノイズ低減処理部17が、演算1を行うことによって、第1のマイク11によって出力された信号Rs+Rnと第2のマイク12によって出力された信号Ls+Lnとから1/2(Ln−Rn)を生成している。1/2(Ln−Rn)は、振動ノイズLnと同一であり、振動ノイズRnと逆位相で且つ同一レベルである。そして、信号Ls+Lnから1/2(Ln−Rn)を減算することで、信号Lsを生成し、信号Rs+Rnと1/2(Ln−Rn)とを加算することで信号Rsを生成している。すなわち、本発明を適用したステレオマイクロフォン装置10は、振動ピックアップ用マイクを備えることなく、振動ノイズRn,Lnを抽出して第1のマイク11及び第2のマイク12によって出力される信号から減算する演算と、同一の演算を行うことができる。したがって、振動ピックアップ用マイクに音声が入力されてノイズが精度良く低減できなくなるという問題点を回避することができる。また、振動ピックアップを備えることによって小型化やコストダウンが困難となることなどを回避できる。
【0078】
なお、第1のマイク11と、第2のマイク12とは、受音面が互いに180°異なる方向を向くように配置されれば良いので、例えば、図4に示すように、受音面を外側に向けるように配置しても良い。また、第1のマイク11と第2のマイク12とは、同軸上に配置しなくても良い。
【0079】
ところで、ステレオマイクロフォン装置10に備えられた第1のマイク11と第2のマイク12とは、製造時のばらつきなどにより、同一の音声が入力されたときに出力される信号のレベルが同一ではなくなることがある。また、第1のアンプ13と第2のアンプ14とは、外付け抵抗などの定数がばらつくことなどにより、同一のレベルの信号が入力されたときに出力される信号のレベルが同一ではなくなることがある。さらに、第1のA/D変換器15と第2のA/D変換器16とについても、同一のレベルの信号が入力されたときに出力される信号のレベルが同一ではなくなることがある。
【0080】
すなわち、ステレオマイクロフォン装置10では、第1のマイク11、第1のアンプ13、第1のA/D変換器15の特性と、第2のマイク12、第2のアンプ14、第2のA/D変換器16の特性との間にばらつきが生じることから、同一の音声が第1のマイク11と第2のマイク12とに入力されたときに、第1のA/D変換器15によって出力される信号のレベルと、第2のA/D変換器16によって出力される信号のレベルとが、異なる場合が生じる。
【0081】
したがって、ステレオマイクロフォン装置10には、図5に示すように、第1のA/D変換器15及び第2のA/D変換器16とノイズ低減処理部17との間にレベル調整部30が備えられることが好ましい。以下では、レベル調整部30について説明する。
【0082】
レベル調整部30は、第2のA/D変換器16によって出力された信号が供給されるレベル変化部31と、レベル変化部31によって出力される信号と第1のA/D変換器15によって出力される信号とに基づいてレベル制御信号を生成し、生成したレベル制御信号をレベル変化部31に供給するレベル差検出部32とが備えられている。
【0083】
レベル変化部31は、レベル差検出部32によって供給されるレベル制御信号に基づいて第2のA/D変換器16によって出力された信号を増幅又は減衰して出力し、ノイズ低減処理部17とレベル差検出部32とに供給する。レベル変化部31は、レベル差検出部32によって供給されるレベル制御信号に基づいて、自身が出力する信号のレベルが第1のA/D変換器15によって出力される信号のレベルと同一となるまで増幅率又は減衰率を変えながら、第2のA/D変換器16によって出力された信号を増幅又は減衰して出力する。
【0084】
レベル差検出部32は、第1のA/D変換器15によって出力された信号のレベルと、レベル変化部31によって出力された信号のレベルとを比較し、比較した結果からレベル制御信号を生成してレベル変化部31に供給する。
【0085】
具体的に説明すると、本実施の形態のレベル差検出部32は、図6に示すように、第1のA/D変換器15によって出力される信号から高周波数の信号を除去する第1のLPF33と、第1のLPF33によって出力された信号を絶対値化する第1の絶対値化部34と、第1の絶対値化部34によって出力された信号のピークを検波する第1のピーク検波部35と、レベル変化部31によって供給される信号のうち低域の信号を出力する第2のLPF36と、第2のLPF36によって出力された信号を絶対値化する第2の絶対値化部37と、第2の絶対値化部37によって出力された信号のピークを検波する第2のピーク検波部38と、第1のピーク検波部35によって出力された信号から第2のピーク検波部38によって出力された信号を減算する加算器39と、加算器39によって出力された信号の符号を検出し、検出した結果を示す信号を出力する符号検出部40と、符号検出部40によって出力された信号に基づいてレベル制御信号を生成する信号生成部41とを備える。
【0086】
第1のLPF33及び第2のLPF36は、式3に示したマイク間隔dに依存する周波数Fに対して十分に低い帯域の信号を抽出するために挿入されている。これにより、第1のLPF33によって出力された信号の振幅と第2のLPF36によって出力された信号の振幅とは、第1のマイク11、第1のアンプ13、第1のA/D変換器15の特性と、第2のマイク12、第2のアンプ14、第2のA/D変換器16の特性との間にばらつきに起因した差を除けば等しくなる。
【0087】
第1及び第2のピーク検波部35,38は、第1及び第2の絶対値化部34,37によって出力された信号のピークを検波する。
【0088】
ここで、ピーク検波について詳述する。先ず、第1のLPF33によって出力された信号Rは図7(A)左図に示す波形になり、第2のLPF36によって出力された信号Lは図7(B)左図に示す波形になる。そして、第1の絶対値化部34によって出力された信号Rは図7(A)右図の実線で示す波形となり、第2の絶対値化部37によって出力された信号Lは図7(B)右図の実線で示す波形となる。さらに、第1のピーク検波部35によって出力された信号Rは図7(A)右図の破線で示す波形になり、第2のピーク検波部38によって出力された信号Lは図7(B)右図の破線示す波形になる。
【0089】
以上説明した処理を行い、時間Tにおいて信号Rのレベルと信号Lのレベルとを比較すると、信号Rと信号Lとの間にマイク間隔dに依存する遅延Tdが生じているときにも、絶対値化後にはレベル差が存在するものの、ピーク検波後にはほとんどレベル差が生じないことがわかる。したがって、ピーク検波後のレベル差は、第1のマイク11、第1のアンプ13、第1のA/D変換器15の特性と、第2のマイク12、第2のアンプ14、第2のA/D変換器16の特性との違いに起因するものがほとんどとなる。
【0090】
加算器39は、第1のピーク検波部35によって出力された信号のレベルから、第2のピーク検波部38によって出力された信号のレベルを減算する。したがって、加算器39が出力する信号の符号は、第1のA/D変換器15によって出力された信号のレベルが第2のA/D変換器16によって出力された信号のレベルより大きいときには正となり、第1のA/D変換器15によって出力された信号のレベルが第2のA/D変換器16によって出力された信号のレベルより小さいときには負となり、第1のA/D変換器15によって出力された信号のレベルと第2のA/D変換器16によって出力された信号のレベルとが同じであるときには0となる。
【0091】
信号生成部41は、符号検出部40によって供給された信号に基づいて、レベル変化部31によって出力される信号のレベルが、第1のA/D変換器15によって出力される信号のレベルと同じとなるように、レベル変化部31に対してレベル制御信号を供給する。本実施の形態では、信号生成部41はアップダウンカウンタによって構成される。
【0092】
信号生成部41によるレベル制御信号の生成について詳述すると、図8に示すように、先ず、ステップS1で符号検出部40へ演算器39から信号が供給される。
【0093】
次に、ステップS2で、符号検出部40が供給された信号が正であるか否かを判断する。符号が正でないときにはステップS3に進み、正であるときにはステップS4に進む。
【0094】
次に、ステップS3で、符号検出部40で供給された信号が負であるか否かを判断する。符号が負であるときにはステップS5に進み、負でないときにはステップS6に進む。
【0095】
そして、ステップS4では、信号生成部41がアップダウンカウンタをアップカウントしてステップS7へ進む。また、ステップS5では、信号生成部41がアップダウンカウンタをダウンカウントしてステップS7へ進む。さらに、ステップS6では、信号生成部41がアップダウンカウンタの値をホールドしてステップS7へ進む。
【0096】
最後に、ステップS7で、信号生成部41がアップダウンカウンタの値に応じた制御信号を生成し、出力する。
【0097】
以上説明したように、ステレオマイクロフォン装置10は、レベル調整部30を備えることにより、第1のマイク11、第1のアンプ13、第1のA/D変換器15の特性と、第2のマイク12、第2のアンプ14、第3のA/D変換器16の特性との差に関わりなく、同一の音声が第1のマイク11と第2のマイク12とに入力されたときに、第1のA/D変換器15によって出力される信号のレベルと、第2のA/D変換器16によって出力される信号のレベルとの差を例えば0.3dB程度に抑えることが可能となる。
【0098】
したがって、ステレオマイクロフォン装置10は、レベル調整部30を備えることにより、演算1,2,3の演算精度を向上させることが可能となり、ノイズの低減を精度良く行うことが可能となる。
【0099】
第2の実施の形態
つぎに、本発明の第2の実施の形態について説明する。
【0100】
図9に示すように、本実施の形態のステレオマイクロフォン装置50は、ノイズ低減処理部17の代わりにノイズ低減処理部51を備えている以外は、第1の実施の形態のステレオマイクロフォン装置10と同一の構成とされている。したがって、本実施の形態ではノイズ低減処理部51についてのみ説明し、他の部位については同一の符号を付して説明を省略する。
【0101】
ノイズ低減処理部51は、第1のA/D変換器15によって出力された信号からタッチノイズ帯域の信号を抽出する第1のノイズ帯域抽出部52と、第1のノイズ帯域抽出部52によって出力された信号を1/2倍にする第1の減衰器53と、第2のA/D変換器16によって出力された信号からタッチノイズ帯域の信号を抽出する第2のノイズ帯域抽出部54と、第2のノイズ帯域抽出部54によって出力された信号を1/2倍にする第2の減衰器55と、第1の減衰器53によって出力された信号と第2の減衰器55によって出力された信号とを加算する第1の加算器56と、第1のノイズ帯域抽出部52によって出力された信号から第1の加算器56によって出力された信号を減算する第2の加算器57と、第2のノイズ帯域抽出部54によって出力された信号から第1の加算器56によって出力された信号を減算する第3の加算器58とを備える。
【0102】
また、ノイズ低減処理部51は、第1のA/D変換器15によって出力された信号及び第2の加算器57によって出力された信号が供給される第1の適応型ノイズ低減装置(Adaptive Noise Cancellar;以下、ANCという。)60と、第2のA/D変換器16によって出力された信号及び第3の加算器58によって出力された信号が供給される第2のANC61とを備える。第1のANC60からの出力された信号と第2のANC61によって出力された信号とは、有指向性演算処理部18に供給される。
【0103】
なお、マイクロフォン装置50は、第1のノイズ帯域抽出部52及び第2のノイズ帯域抽出部54を備えなくてもよい。第1のノイズ帯域抽出部52及び第2のノイズ帯域抽出部52を備えないときには、タッチノイズ帯域以外の帯域に発生したノイズも低減することができる。
【0104】
ノイズ低減処理部51は、以下に説明する演算を行う。
【0105】
まず、第1の減衰器53は、第1のA/D変換器15によって供給された信号Rs+Rnを1/2倍することで1/2(Rs+Rn)とする。
【0106】
また、第2の減衰器55は、第2のA/D変換器16によって供給された信号Ls+Lnを1/2倍することで1/2(Ls+Ln)とする。
【0107】
次に、第1の加算器56は、以下に示す演算11を行う。
【0108】
1/2(Rs+Rn)+1/2(Ls+Ln)
=1/2(Rs+Ls)+1/2(Rn+Ln)
=1/2(Rs+Ls)=Rs=Ls・・・演算11
【0109】
次に、第2の加算器57は、以下に示す演算12を行う。
【0110】
(Rs+Rn)−Rs=Rn・・・演算12
【0111】
また、第3の加算器58は、以下に示す演算13を行う。
【0112】
(Ls+Ln)−Ls=Ln・・・演算13
【0113】
なお、本実施の形態では、第1のノイズ帯域抽出部52及び第2のノイズ帯域抽出部54が備えられているために、演算11、演算12、演算13はノイズ帯域のみで行われているが、第1のノイズ帯域抽出部52及び第2のノイズ帯域抽出部54が備えられていないときには、演算11、演算12、演算13は、音声信号の全帯域に亘って行われる。
【0114】
すなわち、第1のANC60には信号Rs+Rnと振動ノイズRnとが供給され、第2のANC61にはLs+Lnと振動ノイズLnとが供給される。
【0115】
第1のANC60は、信号Rs+Rn及び振動ノイズRnに対してさらに演算を施してノイズが低減された右チャンネル用の信号を生成し、第2のANC61は、信号Ls+Ln及び振動ノイズLnに対してさらに演算を施してノイズが低減された左チャンネル用の信号を生成する。なお、第1のANC60及び第2のANC61で行われる演算については、詳細を後述する。
【0116】
以下では、第1のANC60について詳細に説明する。
【0117】
第1のANC60は、第1のA/D変換器15から信号が供給される第1の遅延器62と、第2の加算器57によって出力された振動ノイズRnを適応的に制御する第1の適応フィルタ63と、第1の遅延器62によって出力された信号から第1の適応フィルタ63によって出力された信号を減算し、減算した結果を有指向性演算処理部18及び第1の適応フィルタ63に供給する第4の加算器64とを備える。
【0118】
第1の遅延器62は、第1のA/D変換器15によって出力された信号が第4の加算器64の+端子に供給されるタイミングを制御する。詳述すると、第1のA/D変換器15は、信号を出力して第1の遅延器62と第1のノイズ帯域抽出部52とに供給する。第1の遅延器62は、第1のノイズ帯域抽出部52に供給された信号が、第1の減衰器53、第1の加算器56、第2の加算器57、第1の適応フィルタ63を介して第4の加算器64の−端子に供給されるまで、供給された信号を保持する。そして、第1の遅延器62は、第1の適応フィルタ63から第4の加算器64の−端子に信号が供給されるタイミングと同じタイミングで、保持している信号を第4の加算器64の+端子に供給する。
【0119】
第1の適応フィルタ63は、第2の加算器57によって出力される振動ノイズRn(以下、参照信号Xともいう。)と第4の加算器64によって出力された信号(以下、残差信号Eともいう。)とに基づいて、振動ノイズRnに対して適応フィルタ処理を施し、振動ノイズRnに対して相関性が高い擬似ノイズ信号Y1を生成して出力する。なお、第1の適応フィルタ63については、詳細を後述する。
【0120】
第4の加算器64は、第1の遅延器62によって供給された信号Rs+Rnから、振動ノイズRnに対して相関性が高い擬似ノイズ信号Y1を減算することで、振動ノイズRnと音響ノイズとが除去された信号R’を生成する。
【0121】
以下では、第1の適応フィルタ63について詳細に説明する。
【0122】
図10に示すように、第1の適応フィルタ63は、入力された参照信号Xに演算を施すことにより擬似ノイズ信号Y1を生成して出力するFIRフィルタ71と、入力された参照信号X及び残差信号EからFIRフィルタ71での演算で使用される係数を算出するLMS回路72とを備えている。
【0123】
FIRフィルタ71は、入力された信号を遅延させて出力するm(但し、mは2以上の整数。)個の遅延器73−1,73−2,・・・73−mと、参照信号X及び各遅延器73−1〜73−mが出力した信号に対してLMS回路72によって算出された係数を乗算するm+1個の乗算器74−0,74−1,・・・74−mと、各乗算器74−0〜74−mによって出力された信号を加算して、参照信号Xと相関性の高い擬似ノイズ信号Y1を生成して出力する加算器75とを備える。
【0124】
遅延器73−2〜73−mは、1つ前に備えられた遅延器によって出力された信号を保持し、単位サンプリング時間だけ遅延させて出力する。すなわち、遅延器73−h(但し、hは2以上m以下の自然数。)は、遅延器73−(h−1)が出力した信号を保持し、遅延させて出力する。また、遅延器73−1は、参照信号Xを保持し、単位サンプリング時間だけ遅延させて出力する。
【0125】
したがって、参照信号をXとし、各遅延器73−1〜73−mによって出力された信号をX,X,・・・Xとし、各乗算器74−0〜74−mの係数をW,W,・・・Wとすると、加算器75からの出力される擬似ノイズ信号Y1は、以下の演算21で示すような畳み込み演算によって算出される。
【0126】
【数1】
Figure 2004201033
【0127】
LMS回路72は、LMS(Least Mean Square)アルゴリズムに従って、参照信号X及び残差信号Eから係数W,W,・・・Wを算出する。具体的に説明すると、以下の演算22を行うことにより、係数W,W,・・・Wを算出する。
【0128】
【数2】
Figure 2004201033
【0129】
但し、k(但し、kは整数。)はサンプリング時間経過を示している。すなわち、kサンプリング目の係数Wが現在の係数であるとすれば、Wk−1はk−1サンプリング目、つまり1サンプリング過去の係数を示している。また、μは、適応の速度と安定性を決める利得因子(ステップゲイン,ステップサイズ)である。
【0130】
LMS回路72は、演算21を行うことにより、参照信号Xと相関性の高い擬似ノイズ信号Y1を生成し、第4の加算器64によって出力された信号に含まれる振動ノイズRnと相関性の高い信号を、最小とする。
【0131】
なお、第1の適応フィルタ63で使用されるアルゴリズムはLMSアルゴリズムに限定されない。しかし、比較的収束スピードが速く、演算規模が小さいことから、LMSアルゴリズムが多く使用される。
【0132】
なお、LMS回路72での演算は、DSP(Digital Signal Processor)及びデジタルLSI(Large Scale Integration)によるハードウェアや、マイクロコンピュータによるソフトウェアで処理可能である。
【0133】
なお、第2のANC61は、第2の遅延器81と、第2の適応フィルタ82と、第5の加算器83とを備えており、第2の遅延器81は第1の遅延器62に相当し、第2の適応フィルタ82は第1の適応フィルタ63に適応し、第5の加算器83は第4の加算器64に相当する。第2のANC61は、Rn,Rs+Rnの代わりにLn,Ls+Lnが供給される以外は、第1のANC60と同じであり、擬似ノイズ信号Y1の代わりに擬似ノイズ信号Y2を出力する。したがって、第2のANC61については、詳細な説明を省略する。
【0134】
以下では、ステレオマイクロフォン装置50の動作について説明する。なお、第1及び第2のA/D変換器15,16が供給された信号をA/D変換するまでの動作は、ステレオマイクロフォン装置10と同じであるので、説明を省略する。
【0135】
第1のA/D変換器15は、A/D変換した信号を、第1のノイズ帯域抽出部52と第1の遅延器62とに供給する。また、第2のA/D変換器16は、A/D変換した信号を、第2のノイズ帯域抽出部54と第2の遅延器81とに供給する。
【0136】
次に、第1のノイズ帯域抽出部52が、第1のA/D変換器15によって供給された信号からタッチノイズ帯域の信号を抽出し、第1の減衰器53に供給する。また、第2のノイズ帯域抽出部54が、第2のA/D変換器16によって供給された信号からタッチノイズ帯域の信号を抽出し、第2の減衰器55に供給する。
【0137】
次に、第1の減衰器53が、第1のノイズ帯域抽出部52によって供給された信号を1/2倍して1/2(Rs+Rn)を生成し、第1の加算器56に供給する。また、第2の減衰器55が、第2のノイズ帯域抽出部54によって供給された信号を1/2倍して1/2(Ls+Ln)を生成し、第1の加算器56に供給する。
【0138】
次に、第1の加算器56が、演算11を行って音声信号Rs(=Ls)を生成し、第2の加算器57の−端子と第3の加算器58の−端子とに供給する。
【0139】
次に、第2の加算器57が、演算12を行って振動ノイズRnを生成し、第1の適応フィルタ63に供給する。また、第3の加算器58が、演算13を行って振動ノイズLnを生成し、第2の適応フィルタ82に供給する。
【0140】
次に、第1の適応フィルタ63は、供給された振動ノイズRnから擬似ノイズ信号Y1を生成して、第4の加算器64の−端子に供給する。また、第2の適応フィルタ82は、供給された振動ノイズLnから擬似ノイズ信号Y2を生成して、第5の加算器83の−端子に供給する。
【0141】
次に、第4の加算器64は、第1の遅延器62によって供給された信号から擬似ノイズ信号Y1を減算することで、第1のマイク11によって出力された信号Rs+Rnから振動ノイズRnと相関性が高い信号を減算した信号、すなわち、振動ノイズRnと音響ノイズとが除去された信号R’を生成する。信号R’は、有指向性演算処理部18と第1の適応フィルタ63とに供給される。また、第5の加算器83は、第2の遅延器81によって供給された信号から擬似ノイズ信号Y2を減算することで、第2のマイク12によって出力された信号Ls+Lnから振動ノイズLnと相関性が高い信号を減算した信号、すなわち、振動ノイズLnと音響ノイズとが除去された信号L’を生成する。信号L’は、有指向性演算処理部18と第2の適応フィルタ82とに供給される。
【0142】
最後に、有指向性演算処理部18が、R’に対して演算を行って右チャンネル用の音声信号を生成して出力するとともに、L’に対して演算を行って左チャンネル用の音声信号を生成して出力する。
【0143】
以上説明したように、本発明を適用したステレオマイクロフォン装置50に備えられたノイズ低減処理部51は、演算11,12,13を行うことにより振動ノイズRnと振動ノイズLnとを生成する。そして、Rnに対して適応フィルタ処理を施すことでRnに相関した擬似ノイズ信号Y1を生成して、信号Rs+Rnから減算し、振動ノイズRn及び音響ノイズが低減された音声信号R’を出力する。また、Lnに対して適応フィルタ処理を施すことでLnに相関した擬似ノイズ信号Y2を生成して、信号Ls+Lnから減算し、振動ノイズLn及び音響ノイズが低減された音声信号L’を出力する。
【0144】
したがって、本発明を適用したステレオマイクロフォン装置50は、備えられているマイクが2つであるにも拘わらず、振動ノイズRn,Ln及び音響ノイズが低減された2チャンネル分の音声を出力することが可能となる。
【0145】
また、本発明を適用したステレオマイクロフォン装置50は、第1の適応フィルタ63が、第1のマイク11によって出力された信号Rs+Rnに含まれるノイズに近似した擬似ノイズ信号Y1を生成し、第2の適応フィルタ82が、第2のマイク12によって出力された信号Ls+Lnに含まれるノイズに近似した擬似ノイズ信号Y2を生成する。
【0146】
すなわち、本発明を適用したステレオマイクロフォン装置50は、信号Rs+Rnと信号Ls+Lnとをそれぞれ独立した適応フィルタで処理するため、例えば、信号Rs+Rnに含まれるノイズと信号Ls+Lnに含まれるノイズとの間に位相差やレベル差があるときにも、ノイズを精度良く低減することができる。
【0147】
なお、ステレオマイクロフォン装置50についても、第1のA/D変換器15及び第2びA/D変換器16とノイズ低減処理部17との間にレベル調整部30を備えることが好ましい。ステレオマイクロフォン装置50は、レベル調整部30を備えることにより、第1のA/D変換器15によって出力される信号のレベルと、第2のA/D変換器16によって出力される信号のレベルとの差を抑えることが可能となるために、演算11,12,13の演算精度を向上させることが可能となり、ノイズの低減を精度良く行うことが可能となる。
【0148】
なお、第1の実施の形態では、振動ノイズLn,Rnのみ低減を行うが、第2の実施の形態では、これに加えて信号Ls,Rsに含まれており、振動ノイズLn,Rnと相関性がある音響ノイズも同時に低減することに特徴がある。
【0149】
第3の実施の形態
つぎに、本発明の第3の実施の形態について、詳細に説明する。
【0150】
図11に示すように、本実施の形態のステレオマイクロフォン装置100は、ノイズ低減処理部51の代わりにノイズ低減処理部101を備える以外は、第1の実施の形態のステレオマイクロフォン装置10と同一の構成とされている。したがって、本実施の形態のステレオマイクロフォン装置100については、ノイズ低減処理部101についてのみ説明し、他の部位については、同一の符号を付して説明を省略する。また、第2の実施の形態のステレオマイクロフォン装置50と同一の部位についても、同一の符号を付して説明を省略する。
【0151】
ノイズ低減処理部101は、第1のノイズ帯域抽出部52によって出力された信号を1/2倍にする第3の減衰器102と、第2のノイズ帯域抽出部54によって出力された信号を1/2倍にする第4の減衰器103と、第4の減衰器103によって出力された信号から第3の減衰器102によって出力された信号を減算する第6の加算器104と、第1のA/D変換器15から信号が供給される第3の遅延器105と、第6の加算器104によって出力された信号と第3の遅延器105によって出力された信号とを加算する第7の加算器106と、第2のA/D変換器16から信号が供給される第4の遅延器107と、第4の遅延器107によって出力される信号から第6の加算器104によって出力された信号を減算する第8の加算器108とを備える。
【0152】
第3の遅延器105は、第1のA/D変換器15によって出力された信号が第7の加算器106に供給されるタイミングを制御する。詳述すると、先ず、第1のA/D変換器15が、信号を出力して第3の遅延器105と第1のノイズ帯域抽出部52とに供給する。次に、第3の遅延器105は、第1のノイズ帯域抽出部52に供給された信号が、第3の減衰器102、第6の加算器104を介して第7の加算器106に供給されるまで、供給された信号を保持する。そして、第3の遅延器105は、第6の加算器104から第7の加算器106に信号が供給されるタイミングと同じタイミングで、保持している信号を第7の加算器106に供給する。
【0153】
第4の遅延器107は、第2のA/D変換器16によって出力された信号が第8の加算器108の+端子に供給されるタイミングを制御する。詳述すると、先ず、第2のA/D変換器16が、信号を出力して第4の遅延器107と第2のノイズ帯域抽出部54とに供給する。次に、第4の遅延器107は、第2のノイズ帯域抽出部54に供給された信号が、第4の減衰器103、第6の加算器104を介して第8の加算器108の−端子に供給されるまで、供給された信号を保持する。そして、第4の遅延器107は、第6の加算器104から第8の加算器108へ信号が供給されるタイミングと同じタイミングで、保持している信号を第8の加算器108の+端子に供給する。
【0154】
ノイズ低減処理部101では、第3及び第4の減衰器102,103と第6の加算器104とが演算1を行い、第7の加算器106が演算2を行い、第8の加算器108が演算3を行うことで、振動ノイズRn,Lnが除去された信号Rs,Lsを生成し、信号Rsを第1のANC60に備えられた第1の遅延器62に供給するとともに、信号Lsを第2のANC61に備えられた第2の遅延器81に供給する。
【0155】
以下では、ステレオマイクロフォン装置100の動作について説明する。なお、第1及び第2のA/D変換器15,16が供給された信号をA/D変換するまでの動作は、ステレオマイクロフォン装置10と同じであるので、説明を省略する。
【0156】
第1のA/D変換器15は、A/D変換した信号を、第1のノイズ帯域抽出部52と第3の遅延器105とに供給する。また、第2のA/D変換器16は、A/D変換した信号を、第2のノイズ帯域抽出部54と第4の遅延器107とに供給する。
【0157】
次に、第1のノイズ帯域抽出部52が、第1のA/D変換器15によって供給された信号からタッチノイズ帯域の信号を抽出し、第1の減衰器53、第2の加算器57の+端子、及び第3の減衰器102に供給する。また、第2のノイズ帯域抽出部54が、第2のA/D変換器16によって供給された信号からタッチノイズ帯域の信号を抽出し、第2の減衰器55、第3の加算器58の+端子、及び第4の減衰器103に供給する。
【0158】
次に、第1の減衰器53が、第1のノイズ帯域抽出部52によって供給された信号を1/2倍して1/2(Rs+Rn)を生成し、第1の加算器56に供給する。また、第2の減衰器55が、第2のノイズ帯域抽出部54によって供給された信号を1/2倍して1/2(Ls+Ln)を生成し、第1の加算器56に供給する。
【0159】
次に、第1の加算器56が、演算11を行ってRs(=Ls)を生成し、第2の加算器57の−端子と第3の加算器58の−端子とに供給する。
【0160】
次に、第2の加算器57が、演算12を行って振動ノイズRnを生成し、第1の適応フィルタ63に供給する。また、第3の加算器58が、演算13を行って振動ノイズLnを生成し、第2の適応フィルタ82に供給する。
【0161】
次に、第1の適応フィルタ63は、供給された振動ノイズRnから擬似ノイズ信号Y1’を生成して、第4の加算器64の−端子に供給する。また、第2の適応フィルタ82は、供給された振動ノイズLnから擬似ノイズ信号Y2’を生成して、第5の加算器83の−端子に供給する。
【0162】
一方、第3の減衰器102は、第1のノイズ帯域抽出部52によって供給された信号を1/2倍して1/2(Rs+Rn)を生成し、第6の加算器104の−端子に供給する。また、第4の減衰器103は、第2のノイズ帯域抽出部54によって供給された信号を1/2倍して1/2(Ls+Ln)を生成し、第6の加算器104の+端子に供給する。
【0163】
次に、第6の加算器104は、演算1を行って1/2(Ln−Rn)を生成し、第7の加算器106と、第8の加算器108の−端子とに供給する。
【0164】
また、第3の遅延器105は、第1のA/D変換器15によって供給された信号を、第6の加算器104が第7の加算器106に信号を供給するタイミングと同じタイミングで、第7の加算器106に供給する。また、第4の遅延器107は、第2のA/D変換器16によって供給された信号を、第6の加算器104が第8の加算器108の−端子に信号を供給するタイミングと同じタイミングで、第8の加算器108の+端子供給する。
【0165】
次に、第7の加算器106は、演算2を行ってノイズが除去された音声信号Rsを生成し、第1の遅延器62に供給する。すなわち、第1のANC回路60に対して信号Rsを供給する。
【0166】
また、第8の加算器108は、演算3を行ってノイズが除去された音声信号Lsを生成し、第2の遅延器81に供給する。すなわち、第2のANC回路61に対して信号Lsを供給する。
【0167】
次に、第1の遅延器62は信号Rsを保持し、第1の適応フィルタ63が第4の加算器64の−端子に擬似ノイズ信号Y1’を供給するのと同じタイミングで、保持している信号Rsを第4の加算器64の+端子に供給する。また、第2の遅延器81は信号Lsを保持し、第2の適応フィルタ82が第5の加算器83の−端子に擬似ノイズ信号Y2’を供給するのと同じタイミングで、保持している信号Lsを第5の加算器83の+端子に供給する。
【0168】
次に、第4の加算器64は、第1の遅延器62によって供給された信号Rsから擬似ノイズ信号Y1’を減算することで、音声信号Rsから振動ノイズRnと相関性が高い信号を減算した信号、すなわち、信号Rsから音響ノイズが除去された信号R”を生成する。信号R”は、有指向性演算処理部18と、第1の適応フィルタ63とに供給される。また、第5の加算器83は、第2の遅延器81によって供給された信号Lsから擬似ノイズ信号Y2’を減算することで、信号Lsから振動ノイズLnと相関性が高い信号を減算した信号、すなわち、信号Lsから音響ノイズが除去された信号L”を生成する。信号L”は、有指向性演算処理部18と、第2の適応フィルタ82とに供給される。
【0169】
最後に、有指向性演算処理部18が、信号R”に対して演算を行って右チャンネル用の音声信号を生成して出力するとともに、信号L”に対して演算を行って左チャンネル用の音声信号を生成して出力する。
【0170】
以上説明したように、本発明を適用したステレオマイクロフォン装置100に備えられたノイズ低減処理部101は、第3の減衰器102、第4の減衰器103、第6の加算器104、第7の加算器106、第8の加算器108が演算1,2,3を行うことにより、振動ノイズRn,Lnが除去された信号Rs,Lsを生成する。そして、第1の減衰器53、第2の減衰器55、第1の加算器56、第2の加算器57、第3の加算器58が演算11,12,13を行って振動ノイズRn,Lnを生成する。そして、Rs及びRnに基づいて第1のANC60が信号Rsから音響ノイズが低減された信号R”を生成して出力し、Ls及びLnに基づいて第2のANC61が信号Lsから音響ノイズが低減された信号L”を生成して出力する。
【0171】
したがって、本発明を適用したステレオマイクロフォン装置100では、第1の適応フィルタ63及び第2の適応フィルタ82は、音響ノイズのみを低減するために適応制御処理を行うことが可能となるため、収束が容易となる。すなわち、本発明を適用したステレオマイクロフォン装置100は、ノイズの低減効果が高いものとなる。
【0172】
なお、ステレオマイクロフォン装置100についても、第1のA/D変換器15及び第2びA/D変換器16とノイズ低減処理部101との間にレベル調整部30を備えることが好ましい。ステレオマイクロフォン装置100は、レベル調整部30を備えることにより、第1のA/D変換器15によって出力される信号のレベルと、第2のA/D変換器16によって出力される信号のレベルとの差を抑えることが可能となるために、1/2(Ls−Rn)を精度良く生成することや、振動ノイズRn,Lnを精度良く除去することが可能となり、ノイズの低減を精度良く行うことが可能となる。
【0173】
【発明の効果】
本発明に係るノイズ低減装置及び低減方法では、先ず、第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号を減算した信号の1/2倍のレベルである差信号を生成する。次に、第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号と差信号とを加算して出力するとともに、第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から差信号を減算して出力する。
【0174】
また、本発明に係るノイズ低減装置及び低減方法では、先ず、第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号と第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号とを加算した信号の1/2倍のレベルである和信号を生成する。次に、第1のマイクロフォンによって出力された信号から和信号を減算した信号を、適応的に制御した第1の擬似ノイズ信号を生成する。そして、第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から第1の擬似ノイズ信号を減算して出力する。また、第2のマイクロフォンによって出力された信号から和信号を減算した信号を、適応的に制御した第2の擬似ノイズ信号を生成する。そして、第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から第2の擬似ノイズを減算して出力する。
【0175】
したがって、本発明に係るノイズ低減装置及びノイズ低減方法によれば、備えられているマイクロフォンが2つであるにも拘わらず、ノイズが低減された右チャンネル用の音声と左チャンネル用の音声とを出力することが可能である。したがって、本発明に係るノイズ低減装置及びノイズ低減方法によれば、右チャンネル用の音声と同時に出力されるノイズと、左チャンネル用の音声と同時に出力されるノイズとを低減することが可能であり、小型化することが容易となる。
【0176】
また、本発明に係るノイズ低減装置及びノイズ低減方法によれば、音声と同時に出力されるノイズを、回路規模を増大させることなく、低コストで十分に低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のステレオマイクロフォン装置のブロック図である。
【図2】第1のマイクに備えられた振動板の振動と第2のマイクに備えられた振動板の振動とを示す図であり、(A)は音声が入力されたときを示しており、(B)は振動ノイズが入力されたときを示している。
【図3】マイク間隔と、信号R及び信号L間の位相差やレベル差との関係を説明するための図である。
【図4】第1のマイクと第2のマイクとの他の配置を示す模式図である。
【図5】レベル調整部を備えたステレオマイクロフォン装置のブロック図である。
【図6】レベル差検出部のブロック図である。
【図7】レベル差検出部内の信号を示す図であり、(A)はLPFによって出力された信号を示しており、(B)は絶対値化部によって出力された信号と、ピーク検波部によって出力された信号とを示している。
【図8】レベル差検出部の動作を示すフローチャートである。
【図9】本発明を適用した第2の実施の形態のステレオマイクロフォン装置のブロック図である。
【図10】同ステレオマイクロフォン装置に備えられた第1の適応フィルタを示すブロック図である。
【図11】本発明を適用した第3の実施の形態のステレオマイクロフォン装置のブロック図である。
【図12】従来のステレオマイクロフォン装置のブロック図である。
【符号の説明】
10 ステレオマイクロフォン装置、11 第1のマイクロフォン、12 第2のマイクロフォン、13 第1のアンプ、14 第2のアンプ、15 第1のA/D変換器、16 第2のA/D変換器、17 ノイズ低減処理部、18 有指向性演算処理部、21 第1の減衰器、22 第2の減衰器、23 第1の加算器、24 第2の加算器、25 第1の遅延器、26 第2の遅延器、27 第2の加算器、28 第3の加算器

Claims (18)

  1. 受音面が、所定の向きとなるように配置される第1の無指向性マイクロフォンと、
    受音面が、上記第1の無指向性マイクロフォンの受音面の向きに対して180°異なる向きとなり、且つ上記第1の無指向性マイクロフォンの受音面との間隔が所定の間隔となるように配置される第2の無指向性マイクロフォンと、
    上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号を減算した信号の1/2倍のレベルである差信号を生成する差信号生成手段と、
    上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号と上記差信号とを加算する第1の演算手段と、
    上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記差信号を減算する第2の演算手段とを備えること
    を特徴とするノイズ低減装置。
  2. 上記差信号生成手段は、ノイズ帯域の周波数の信号を抽出するノイズ帯域抽出手段を備えること
    を特徴とする請求項1記載のノイズ低減装置。
  3. 上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号と上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号とのレベルの差を検出するレベル差検出手段と、
    上記レベル差検出手段によって出力された信号に基づいて、上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号又は上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号のうち一方のレベルを制御して、他方のレベルと同一とするレベル制御手段とを備えること
    を特徴とする請求項1記載のノイズ低減装置。
  4. 上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号と上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号とを加算した信号の1/2倍のレベルである和信号を生成する和信号生成手段と、
    上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記和信号を減算する第3の演算手段と、
    上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記和信号を減算する第4の演算手段と、
    上記第3の演算手段によって出力された信号を適応的に制御して第1の擬似ノイズ信号を生成する第1の適応制御手段と、
    上記第4の演算手段によって出力された信号を適応的に制御して第2の擬似ノイズ信号を生成する第2の適応制御手段と、
    上記第1の演算手段によって出力された信号から上記第1の適応制御信号を減算する第5の演算手段と、
    上記第2の演算手段によって出力された信号から上記第2の適応制御信号を減算する第6の演算手段とを備え、
    上記第1の適応制御手段は、上記第5の演算手段からの出力に基づいて上記第3の演算手段によって出力された信号を適応的に制御し、
    上記第2の適応制御手段は、上記第6の演算手段からの出力に基づいて上記第4の演算手段によって出力された信号を適応的に制御すること
    を特徴とする請求項1記載のノイズ低減装置。
  5. 上記和信号生成手段は、ノイズ帯域の周波数の信号を抽出するノイズ帯域抽出手段を備えること
    を特徴とする請求項4記載のノイズ低減装置。
  6. 上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号と上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号とのレベルの差を検出するレベル差検出手段と、
    上記レベル差検出手段によって出力された信号に基づいて、上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号又は上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号のうち一方のレベルを制御して、他方のレベルと同一とするレベル制御手段とを備えること
    を特徴とする請求項4記載のノイズ低減装置。
  7. 受音面が、所定の向きとなるように配置される第1の無指向性マイクロフォンと、
    受音面が、上記第1の無指向性マイクロフォンの受音面の向きに対して180°異なる向きとなり、且つ上記第1の無指向性マイクロフォンの受音面との間隔が所定の間隔となるように配置される第2の無指向性マイクロフォンと、
    上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号と上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号とを加算した信号の1/2倍のレベルである和信号を生成する和信号生成手段と、
    上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記和信号を減算する第1の演算手段と、
    上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記和信号を減算する第2の演算手段と、
    上記第1の演算手段によって出力された信号を適応的に制御して第1の擬似ノイズ信号を生成する第1の適応制御手段と、
    上記第2の演算手段によって出力された信号を適応的に制御して第2の擬似ノイズ信号を生成する第2の適応制御手段と、
    上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記第1の適応制御信号を減算する第3の演算手段と、
    上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記第2の適応制御信号を減算する第4の演算手段とを備え、
    上記第1の適応制御手段は、上記第3の演算手段からの出力に基づいて上記第1の演算手段によって出力された信号を適応的に制御し、
    上記第2の適応制御手段は、上記第4の演算手段からの出力に基づいて上記第2の演算手段によって出力された信号を適応的に制御すること
    を特徴とするノイズ低減装置。
  8. 上記和信号生成手段は、ノイズ帯域の周波数の信号を抽出するノイズ帯域抽出手段を備えること
    を特徴とする請求項7記載のノイズ低減装置。
  9. 上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号と上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号との間のレベルの差を検出するレベル差検出手段と、
    上記レベル差検出手段によって出力された信号に基づいて、上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号又は上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号のうち一方のレベルを制御し、他方のレベルと同一とするレベル制御手段とを備えること
    を特徴とする請求項7記載のノイズ低減装置。
  10. 受音面が、所定の向きとなるように配置される第1の無指向性マイクロフォンと、受音面が、上記第1の無指向性マイクロフォンの受音面の向きに対して180°異なる向きとなり、且つ上記第1の無指向性マイクロフォンの受音面との間隔が所定の間隔となるように配置される第2の無指向性マイクロフォンとを備えたステレオマイクロフォン装置におけるノイズ低減方法であり、
    上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号を減算した信号の1/2倍のレベルである差信号を生成する差信号生成ステップと、
    上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号と上記差信号とを加算する第1の演算ステップと、
    上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記差信号を減算する第2の演算ステップとを備えること
    を特徴とするノイズ低減方法。
  11. 上記差信号生成ステップでは、ノイズ帯域の周波数の信号を生成すること
    を特徴とする請求項10記載のノイズ低減方法。
  12. 上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号と上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号との間のレベルの差を検出するレベル差検出ステップと、
    上記レベル差検出ステップで出力された信号に基づいて、上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号又は上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号のうち一方のレベルを制御し、他方のレベルと同一とするレベル制御ステップとを備えること
    を特徴とする請求項10記載のノイズ低減方法。
  13. 上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号と上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号とを加算した信号の1/2倍のレベルである和信号を出力する和信号生成ステップと、
    上記第1のマイクロフォンによって出力された信号から上記和信号を減算する第3の演算ステップと、
    上記第2のマイクロフォンによって出力された信号から上記和信号を減算する第4の演算ステップと、
    上記第3の演算ステップで出力された信号を適応的に制御して第1の適応制御信号を生成する第1の適応制御ステップと、
    上記第4の演算ステップで出力された信号を適応的に制御して第2の適応制御信号を生成する第2の適応制御ステップと、
    上記第1の演算ステップで出力された信号から上記第1の適応制御信号を減算する第5の演算ステップと、
    上記第2の演算ステップで出力された信号から上記第2の適応制御信号を減算する第6の演算ステップとを備え、
    上記第1の適応制御ステップでは、上記第5の演算ステップで出力された信号に基づいて上記第3の演算ステップで出力された信号を適応的に制御し、
    上記第2の適応制御ステップでは、上記第6の演算ステップで出力された信号に基づいて上記第4の演算ステップで出力された信号を適応的に制御すること
    を特徴とする請求項10記載のノイズ低減方法。
  14. 上記和信号生成ステップでは、ノイズ帯域の信号を生成すること
    を特徴とする請求項13記載のノイズ低減方法。
  15. 上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号と上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号との間のレベルの差を検出するレベル差検出ステップと、
    上記レベル差検出ステップで出力された信号に基づいて、上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号又は上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号のうち一方のレベルを制御し、他方のレベルと同一とするレベル制御ステップとを備えること
    を特徴とする請求項13記載のノイズ低減方法。
  16. 受音面が、所定の向きとなるように配置される第1の無指向性マイクロフォンと、受音面が、上記第1の無指向性マイクロフォンの受音面の向きに対して180°異なる向きとなり、且つ上記第1の無指向性マイクロフォンの受音面との間隔が所定の間隔となるように配置される第2の無指向性マイクロフォンとを備えたステレオマイクロフォン装置におけるノイズ低減方法であり、
    上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号と上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号とを加算した和信号を1/2倍にして生成する和信号生成ステップと、
    上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記和信号を減算して出力する第1の演算ステップと、
    上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記和信号を減算して出力する第2の演算ステップと、
    上記第1の演算ステップで出力された信号を適応的に制御した第1の擬似ノイズ信号を生成する第1の適応制御ステップと、
    上記第2の演算ステップで出力された信号を適応的に制御した第2の擬似ノイズ信号を生成する第2の適応制御ステップと、
    上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記第1の擬似ノイズ信号を減算する第3の演算ステップと、
    上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号から上記第2の擬似ノイズ信号を減算する第4の演算ステップとを備え、
    上記第1の適応制御ステップでは、上記第3の演算ステップで出力された信号に基づいて上記第1の演算ステップで出力された信号を適応的に制御し、
    上記第2の適応制御ステップでは、上記第4の演算手段からの出力に基づいて上記第2の演算ステップで出力された信号を適応的に制御すること
    を特徴とするノイズ低減方法。
  17. 上記和信号生成ステップでは、ノイズ帯域の信号を生成すること
    を特徴とする請求項16記載のノイズ低減方法。
  18. 上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号と上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号との間のレベルの差を検出するレベル差検出ステップと、
    上記レベル差検出ステップで出力された信号に基づいて、上記第1の無指向性マイクロフォンによって出力された信号又は上記第2の無指向性マイクロフォンによって出力された信号のうち一方のレベルを、他方のレベルと同一とするレベル制御ステップとを備えること
    を特徴とする請求項16記載のノイズ低減方法。
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