JP2004198788A - 画像形成装置 - Google Patents

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Nobuo Momotake
信男 百武
Naotoshi Ishikawa
尚稔 石川
Tomoaki Yoshioka
智章 吉岡
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Abstract

【課題】中間転写部材を用いて被記録材に転写積層させてカラー画像を形成する画像形成装置に、重合トナー等球形度の高いトナーを用いた際の、多重ブラーを改善する。
【解決手段】像担持体表面に形成されたトナー画像を中間転写部材表面に一次転写した後、これをさらに被記録材に二次転写する構成を複数含み、2色以上のトナーで被記録材にカラー画像を形成する画像形成装置であって、前記トナー画像を形成するために用いたトナーの、SF=(ML2×π/4A)×100{式中、MLはトナーの投影最大長さを表し、Aはトナーの投影面積を表す。}で表される形状係数SFが135以下であり、以下のいずれかの関係式を満たすことを特徴とする画像形成装置である。
【数1】
Figure 2004198788

【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機やレーザープリンタ等の画像形成装置に関し、詳細には、電子写真方式あるいは静電記録法等により形成されたトナー画像を、中間転写部材を用いて被記録材に転写積層させてカラー画像を形成する画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
特公昭49−209号公報
【特許文献2】
特開昭62−206567号公報
【特許文献3】
特開平11−125980号公報
【特許文献4】
特開平8−160771号公報
【0003】
従来、この種の画像形成装置としては、特許文献1や特許文献2等に記載のものが知られている。具体的には、図10に示すように、像担持体ドラム701等の像担持体上に形成された未定着トナー画像Tをベルト状の中間転写部材702に一次転写し、改めてこの未定着トナー画像Tを中間転写部材702から被記録材703へ二次転写して所望の画像を被記録材703上に形成するように構成されている。特に図示のようにブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)の各色に対応した現像器705〜708を備え、各色の未定着トナー画像を重ね合わせてフルカラー画像を形成するカラー画像形成装置にあっては、像担持体ドラム701の一回転毎に形成した各色の未定着トナー画像を中間転写部材702上で重ね合わせ、この合成像を被記録材703へ一括転写するように構成されている。
【0004】
図10に示すような画像形成装置で、導電性の中間転写部材702を用いた多重転写方式では、中間転写部材702の導電性により電荷の保持ができないために、中間転写部材に転写された多重色の画像の周りにトナーが飛び散ってしまう現象(一般に、「ブラー」あるいは「多重ブラー」と称される。)があった。すなわち、除電装置を必要としない領域の抵抗値を有する中間転写部材を使ったシステムでは、このトナー飛散が発生していた。
【0005】
中間転写部材を用いた時の多重ブラーを改善するためには、中間転写部材を高抵抗化する必要が有った。また、重合トナーなどの様に球形度の高いトナーでは、トナーの付着力が下がるために多重ブラーが悪化してしまう問題があり、重合トナーを使いこなす上で新たに多重ブラーの検討が必要になった。
中間転写部材表面でのトナー飛び散りを防ぐ手段として、特許文献3には中間転写部材上の画像部の電位と非画像部の電位の関係を規定したものが、特許文献4には中間転写部材の抵抗値を規定したものが、それぞれ提案されている。
しかし、これらの技術によっても、球形度の高いトナーでは、効果が十分でなく、多重ブラーを防止することは実質的に困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は、中間転写部材を用いて被記録材に転写積層させてカラー画像を形成する画像形成装置に、重合トナー等球形度の高いトナーを用いた際の、中間転写部材表面の積層トナー画像におけるトナーの飛び散り現象、すなわち多重ブラーを改善することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、以下の本発明により達成される。すなわち本発明は、像担持体表面に形成されたトナー画像を中間転写部材表面に一次転写した後、これをさらに被記録材に二次転写する構成を複数含み(ここで言う「構成を複数含む」とは、具体的な部材が複数含まれることに限らず、個々の部材が1つの場合は動作を繰り返すことで、複数の場合はそれぞれ独立して、全体して、中間転写部材を介して、被記録材にトナーが積層されて形成された多層トナー画像が形成されることを言う。)、2色以上のトナーで被記録材にカラー画像を形成する画像形成装置であって、
前記トナー画像を形成するために用いたトナーの、下記式(1)で表される形状係数SFが135以下であり、
・式(1)
SF=(ML2×π/4A)×100
{上記式中、MLはトナーの投影最大長さを表し、Aはトナーの投影面積を表す。}
【0008】
以下のいずれかの関係式を満たすことを特徴とする画像形成装置である。
・式(2−A)
0.632×Q/TV−0.617×ρv−0.133SF+19.02≦3
{上記式中、Qは、前記中間転写部材表面に一次転写されたトナー画像におけるトナーの電荷量(C/m2)を、TVは、該トナーの平均トナー帯電量(C/g)を、ρvは、前記中間転写部材の体積抵抗率(logΩcm)を、SFはトナーの形状係数を、それぞれ表す。}
【0009】
・式(2−B)
0.632×TMA−0.617×ρv−0.133SF+19.02≦3
{上記式中、TMAは、前記中間転写部材表面に一次転写されたトナー画像におけるベタ画像の最大のトナー質量(g/m2)を、ρvは前記中間転写部材の体積抵抗率(logΩcm)を、SFはトナーの形状係数を、それぞれ表す。}
【0010】
・式(2−C)
0.632×Q’/TV−0.133SF+11.91≦3
{上記式中、Q’は前記被記録材表面に二次転写されたトナー画像におけるトナーの電荷量(C/m2)を、TVは前記中間転写部材表面に一次転写されたトナー画像におけるトナーの平均トナー帯電量(C/g)を、SFはトナーの形状係数を、それぞれ表す。}
【0011】
本発明に規定する上記式(2−A)、式(2−B)および式(2−C)のいずれかを満たすように、用いるトナーおよび中間転写部材を制御することで、球形度の高いトナーを用いた際のトナーの飛び散り現象を改善することができる。
なお、上記式(2−A)、式(2−B)および式(2−C)は、基本的には同一の式であり、計算式に組み込む変数を異ならせただけのものであるため、いずれかの式を満たす場合には、他の式についても満たすこととなる。したがって、以下、これらをまとめて関係式(2)と表現する場合がある。
【0012】
本発明においては、前記中間転写部材の表面が感光層からなり、かつ、該感光層を露光する露光装置を含むことも好ましい態様である。
本発明においては、前記像担持体と、その表面からトナー画像が一次転写される前記中間転写部材とからなる対が、前記積層されるトナー画像の色数分含まれる画像形成装置とすることができ、さらに二次転写される前記被記録材を担持搬送する無端状の搬送ベルトを含み、該搬送ベルトの搬送方向に順に、前記像担持体と前記中間転写部材とからなる対が配設されてなる、いわゆるタンデム型の画像形成装置とすることができる。
【0013】
本発明の画像形成装置が上記のようにタンデム型である場合には、前記複数の中間転写部材がいずれも、無端ベルト状のものとすることができる。その場合、前記複数の中間転写部材がそれぞれ、隣り合う二次転写対向ロールおよび保持ロールを含む複数のロールに張架され、かつ、前記搬送ベルトに対して、その搬送方向の上流側に前記保持ロールが、下流側に前記二次転写対向ロールが、各々位置するように面で当接しており、
前記複数の中間転写部材および前記搬送ベルトを介して、前記二次転写対向ロールに対向する位置に、それぞれ二次転写ロールが配され、複数のニップ部を形成し、
該複数のニップ部を結ぶ直線に対して、個々の前記中間転写部材を周内から押し出し、前記搬送ベルトをそれぞれ周外から押し込むように、前記保持ロールが配されることが望ましい。
【0014】
前記中間転写部材がいずれも、無端ベルト状である場合には、無端ベルト状の基材層の外周面に、少なくとも、弾性層が形成されてなるものが通常用いられ、必要に応じて、さらにその上に最表面層が形成されてなる構成とすることもできる。また、前記基材層としては樹脂フィルムでできたものを、前記弾性層としてはゴム部材を塗布して形成されたものを、それぞれ使用することができる。
【0015】
一方、本発明の画像形成装置が前記のようにタンデム型である場合には、前記複数の像担持体がいずれも、無端ベルト状のものとすることができる。
本発明の画像形成装置が前記のようにタンデム型である場合には、前記複数の中間転写部材がそれぞれ、前記像担持体に対して従動駆動することができる。また、本発明の画像形成装置が前記のようにタンデム型である場合には、前記像担持体の駆動と、前記搬送ベルトの駆動とが、独立した駆動手段によるものであることとすることができ、その場合、前記複数の中間転写部材がそれぞれ、前記像担持体に対しても、前記搬送ベルトに対しても従動駆動し、該搬送ベルトとその駆動手段との接続に、トルクリミッターが介在する構成とすることができる。
本発明においては、前記中間転写部材の表面微小硬度が、5以下であることが望ましい。また、前記被記録材に二次転写する中間転写部材の体積抵抗率ρv(logΩcm)が、12logΩcm以上であることが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明について、まず、トナーの形状係数SF、本発明に規定する関係式(2)の詳細について説明し、その後、本発明の画像形成装置の装置構成を、好ましい実施形態を挙げて説明する。
【0017】
<トナーの形状係数SF>
本発明においては、重合トナー等球形度の高いトナーを用いた際のトナーの飛び散り現象、すなわち多重ブラーを改善することが課題であり、本発明の対象となるトナーは、下記式(1)で表される形状係数SFが135以下である。
・式(1)
SF=(ML2×π/4A)×100
{上記式中、MLはトナーの投影最大長さを表し、Aはトナーの投影面積を表す。}
【0018】
本発明においては、以下のようにして測定および算出したものをトナーの形状係数SFとしている。
(トナーの形状係数SFの測定方法)
測定対象となるトナーをスライドガラス上に散布し、その光学顕微鏡画面をビデオカメラにより画像解析装置(ニレコ社製ルーゼックス)に取り込み、無差別に抽出したサンプル100個の投影像における最大長および投影面積を測定し、前記(式1)によりトナーの形状係数SFを計算し、この平均値を求めることにより求められる。勿論、より多くのサンプルについて測定した値の平均が本発明の範囲に含まれることが好ましい。
【0019】
画質の高精細性、制御性、安定性や、トナーの流動性の観点から、トナーにはより高い球形度が望まれているが、本発明は、そのように高い球形度のトナーに対しても好適である。具体的には、例えば、上記形状係数SFが130以下のもの、さらには125以下のものについても、好ましく適用することができる。
球形化したトナーを製造するには、例えば、乳化凝集重合法、懸濁重合法等が知られている。
【0020】
このようなトナーを得る方法としては、上記規定される球形度を満足するものであれば如何なる方法によっても製造することができる。例えば、溶融混練粉砕法においては、シャープな粒度分布とすべく精密な分級を行った上で公知の球形化処理を行えばよい。
【0021】
上記規定される球形度を有するトナーとするためには、水系媒体、有機溶媒、もしくはそれらの混合溶媒中に樹脂粒子および着色剤を分散させ、該分散液に対し攪拌を加えつつ樹脂粒子および着色剤を凝集および合一させて造粒してトナーを製造する乳化凝集重合法を採用することが好ましい。より具体的には、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合し樹脂粒子の分散液を得て、その分散液と着色剤と、さらに必要に応じて、離型剤、帯電制御剤等の分散液を混合し、凝集、および加熱融着させて合一し、トナー粒子を得る。
【0022】
乳化凝集重合法について、以下詳細に説明する。
使用する結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、それら単独重合体あるいは共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキル共重合体、スチレン−メタクリル酸アルキル共重合体、スチレン−アクリルニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等をあげることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等を挙げることができる。
【0023】
これらの樹脂の中でもビニル系樹脂が特に好ましい。ビニル系樹脂の場合、イオン性界面活性剤などを用いてビニル系単量体を乳化重合やシード重合等の方法により重合させることで、樹脂粒子分散液を容易に調製することが出きる点で有利である。その他の樹脂の場合は油性で水への溶解度の比較的低い溶剤に溶解するものであれば、樹脂をそれらの溶剤に溶かしてイオン性界面活性剤や高分子電解質とともにホモジナイザーなどの分散機により水中に微粒子分散し、その後加熱または減圧して溶剤を蒸散することにより樹脂粒子分散液を調製することが出来る。
【0024】
前記結着樹脂の重合性単量体を乳化重合してなる樹脂粒子の数平均粒径としては、0.5μm以下であることが望ましく、より望ましくは0.01〜0.5μmの範囲、さらに望ましくは0.01〜0.3μmの範囲である。樹脂粒子の数平均粒径が0.5μmを越えると最終的に得られる静電潜像現像用トナー内に空孔を作りやすくなる。
【0025】
着色剤としては、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレート、などの種々の顔料、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、チアゾール系、キサンテン系などの各種染料を挙げることができ、これらは1種単独で、または複数種類を混合して使用することができる。
【0026】
着色剤の平均分散粒子径としては、100nm〜500nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは100nm〜300nmの範囲である。100nm未満であると着色力が低下しやすく、大量の着色剤分散液が必要となり、それにより遊離の着色剤の増加やトナーの形状制御性に悪影響を及ぼしやすくなるため、好ましくない。一方、500nmを超えると着色剤がトナー中に取り込まれ難くなり、遊離の原因となりやすいため、好ましくない。
【0027】
また、本発明に用いられるトナーには、必要に応じて帯電制御剤や離型剤(オフセット防止剤)を添加してもよい。特に、本発明においては、式(2)を満たすようにするために、トナーの帯電量を調整することは重要であり、かかる調整手段の一つとして、帯電制御剤の種類や添加量を適宜コントロールすることができる。
【0028】
使用可能な帯電制御剤としては公知のものを使用することができ、例えば、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有したレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。乳化凝集重合法のように湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染現象の点で水に溶解しにくい素材のものが好ましい。
【0029】
離型剤としては、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン等のワックス類を挙げることができる。離型剤は分散粒子の状態で分散液中に分散され、樹脂粒子分散液および着色剤分散液等と混合される。離型剤のとして平均分散粒子径は、0.01μm〜1.0μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは0.1μm〜0.5μmの範囲である。
【0030】
前記樹脂粒子分散液、前記着色剤分散液および前記その他の成分(粒子)を分散させてなる分散液における分散媒としては、水系媒体、有機溶媒、もしくはそれらの混合溶媒が挙げられる。
【0031】
前記水系媒体としては、例えば、蒸留水、イオン交換水などの水が挙げられる。有機溶媒としては、水と混和するエタノールやメタノール、n−プロパノール、エチレングリコール、グリセリン、i−プロパノール等のアルコール類、酢酸やアルコールケトン類などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもいいし、2種以上を併用してもよい。
【0032】
なお、乳化重合、着色剤分散、樹脂粒子や離型剤の分散および凝集、またはこれらの安定化等に用いることができる界面活性剤の例としては、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系などのアニオン界面活性剤、アミン塩系、4級アンモニウム塩系などのカチオン界面活性剤、またはポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系などの非イオン界面活性剤等が挙げられ、これらを併用することも効果的である。
【0033】
着色剤、樹脂粒子あるいは離型剤の分散手段としては、回転せん断型ホモジナイザーやメディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般の分散機を用いることができる。
【0034】
以上得られた各分散液を混合し、必要に応じて公知の凝集剤を添加して凝集させ、さらに加熱融着させて合一することにより、トナー粒子を得ることができる。加熱融着としては、凝集粒子に含まれる樹脂のガラス転移温度点以上であって、分解温度未満であればよい。加熱温度を適宜選択することにより、得られるトナー粒子の形状を、不定形から球形まで制御することができる。また、加熱融着に要する時間は、上記加熱温度に依存し、一般的には30分ないし10時間の範囲である。
【0035】
また、樹脂粒子および着色剤等を凝集させた後であって合一させる前に、さらに前記樹脂粒子を添加混合して、樹脂により被覆することにより、合一後得られるトナーをコアシェル構造とすることも可能である。
【0036】
合一して造粒した後のトナー粒子分散液は、ろ過されトナー粒子がろ取される。ろ取されたトナー粒子はイオン交換水等で洗浄される。洗浄は、トナー粒子を分散したイオン交換水等を必要に応じて加温して行う。ろ過前のトナー粒子分散液は、通常酸サイドに寄っているため、洗浄時アルカリサイドに調整することが好ましい。アルカリサイドに調整するには、適当なアルカリ、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等を添加することにより行う。
【0037】
調整後のpHとしては、7〜13程度であれば効果の差こそあれ、トナー粒子の洗浄効果が発揮される。しかしながら、上記範囲の中では実用上大きな問題はないが、pH9未満では、帯電特性改善への効果が若干小さく、また高温加熱洗浄した場合にトナー粒子の安定性にやや欠ける。一方、pH12より大きいとトナー中に残留する界面活性剤を除去する効果は確かに大きいが、トナー粒子を構成する、例えば着色剤粒子、離型剤粒子などの脱離なども大きくなってしまうため、良好な帯電性、定着性の安定再現に欠ける。したがって、調整後のpHとしては9〜12の範囲が好ましい。
洗浄後のトナー粒子は再び濾過され、イオン交換水等で十分に洗浄した後乾燥して、最終的なトナーとなる。
【0038】
本発明において、トナーの体積平均粒径としては、2.0〜9.0μmの範囲が好ましく、3.0〜8.0μmの範囲がより好ましい。体積平均粒径が9.0μmを超えると、ドットおよびラインの潜像にトナー粒子が忠実に現像されず、写真画像の再現あるいは細線の再現が劣る場合がある。一方、体積平均粒径が3.0μm未満では、単位当たりのトナー表面積が大きくなって、帯電およびトナー流動性の制御が難しくなり、安定した画像が得られない場合がある。
【0039】
本発明に用いられるトナーには、帯電量の制御や流動性調整等目的に応じて、無機粉粒子を表面に付着させてもよい。特に、本発明においては、式(2)を満たすようにするために、トナーの帯電量を調整することは重要であり、かかる調整手段の一つとして、無機粉粒子の種類や外添量を適宜コントロールすることができる。
【0040】
使用可能な無機粉粒子としては公知のものを用いる事ができる。例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム、酸化セリウム、メタチタン酸などを挙げる事ができる。また目的に応じて該無機粉粒子表面に公知の表面処理を施してもよい。
【0041】
以上のようにして得られたトナーは、一般的に、キャリアと静電潜像現像用トナーとからなる静電潜像現像剤(いわゆる二成分現像剤)において静電潜像現像用トナーとして、使用される。上記キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。例えば芯材上に樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアを挙げることができる。また、マトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
【0042】
<関係式(2)>
関係式(2)については、式(2−A)、式(2−B)および式(2−C)に分けて、変数部分の詳細について説明する。なお、本発明の範疇に含まれるか否かは、明示された情報に応じて、いずれかの式を満たすか否かを検討すればよい。
【0043】
・式(2−A)
0.632×Q/TV−0.617×ρv−0.133SF+19.02≦3
上記式(2−A)中のSFは、トナーの形状係数であり、その測定方法は<トナーの形状係数SF>の項で述べた通りである。
【0044】
上記式(2−A)中のQは、前記中間転写部材表面に一次転写されたトナー画像におけるトナーの電荷量(C/m2)である。図1を用いて、このトナーの電荷量Qの具体的な測定方法を説明する。ここで、図1は、当該トナーの電荷量Qの具体的な測定方法を説明するための説明図である。
【0045】
対象となる中間転写部材表面に、5cm×2cmのサイズのベタ画像を一次転写して形成し、これをファラデーゲージの形状をした吸引機(不図示)を用い、図1に示すように吸引する。その時の吸引したトナーの総電荷量Q0を測定する。測定器としては、KETHLEY社 6517ELECTROMETERを用いる。吸引したベタ画像の面積をSとして、単位面積あたりの電荷量Qは、以下に示す計算式で求められる。
(計算式)Q=Q0/S
【0046】
上記式(2−A)中のTVは、前記中間転写部材表面に一次転写されたトナー画像におけるトナーの平均トナー帯電量(C/g)である。具体的には、前記トナーの電荷量Qを求めるに当たり、前記測定器により計測された吸引したトナーの総電荷量Q0と、そのとき吸引されたトナーの質量M(g)から、以下に示す計算式で求められる。
(計算式)TV=Q0/M
【0047】
上記式(2−A)中のρvは、前記中間転写部材の体積抵抗率(logΩcm)である。図2を用いて、体積抵抗率ρvの具体的な測定方法を説明する。ここで、図2は、中間転写部材の体積抵抗率の具体的な測定方法を説明するための説明図である。
【0048】
超高抵抗/微少電流計(アドバンテスト社製R8340A)にHRプローブ(三菱油化社製、内側電極直径16mm、リング電極内径30mm)を接続し、測定対象となる中間転写部材を電圧印加電極および押さえ板とアース電極との間に挟み込む。そして、前記電圧印加電極およびアース電極間、すなわち前記中間転写部材の表裏面に100Vを印加して、その30秒後の電流値を測定する。得られた測定値から、以下の計算式により、体積抵抗率ρvを求めることができる。
【0049】
(計算式)
ρv=2.011(V/I)×(1/t)×104(Ωcm)
上記計算式中、Vは印加電圧(V)、Iは電流値(A)、tは中間転写部材厚さ(μm)である。なお、前記計算式は次式より得られる。
ρv=π(1.6/2)2×(V/I)×(1/t)×104(Ωcm)
【0050】
・式(2−B)
0.632×TMA−0.617×ρv−0.133SF+19.02≦3
上記式(2−B)中のSFは、トナーの形状係数であり、その測定方法は<トナーの形状係数SF>の項で述べた通りである。また、ρvは前記中間転写部材の体積抵抗率(logΩcm)であり、その測定方法は、上記式(2−A)の項で述べた通りである。
【0051】
上記式中、TMAは、前記中間転写部材表面に一次転写されたトナー画像におけるベタ画像の最大のトナー質量(g/m2)である。ベタ画像における単位面積当たりの最大のトナー質量を測定することができれば、如何なる方法で測定してもよいが、例えば以下の方法により測定することができる。後述の実施例においても当該方法により測定した。
【0052】
(TMAの測定方法)
対象となる中間転写部材表面に、プリントアウトできるトナー量の最大量で面積10cm2のベタ画像を形成し、このトナーを、フィルターを設けた吸引装置で吸引し、当該フィルターで回収したトナーを含む吸引装置の吸引前後の質量差よりトナー質量TMAを算出する。なお、ここでいう『最大のトナー量』とは、中間転写部材表面に単色のみが形成される場合には、当該単色の面積率100%のトナー画像を指すが、複数色が積層される場合には、装置で規制された最大値あるいは規制がないときは、そのすべての色についてそれぞれ面積率100%となるトナー画像を指す。ただし、勿論実際に積層した場合の値でよく、単色ごとに面積率100%となるTMAを算出して合計するわけではない。
【0053】
・式(2−C)
0.632×Q’/TV−0.133SF+11.91≦3
上記式(2−C)中のSFは、トナーの形状係数であり、その測定方法は<トナーの形状係数SF>の項で述べた通りである。また、TVは前記中間転写部材表面に一次転写されたトナー画像におけるトナーの平均トナー帯電量(C/g)であり、その測定方法は、上記式(2−A)の項で述べた通りである。
【0054】
上記式(2−C)中のQ’は、前記被記録材表面に二次転写されたトナー画像におけるトナーの電荷量(C/m2)である。その測定方法は、上記式(2−A)の項で述べたQの測定方法と基本的に同一であり、その対象が、二次転写される被記録材に代わるのみである。したがって、既述の測定方法に準じて求めることができる。
【0055】
これらの関係式を満たすように制御するには、勿論、変数部分を適宜調整すればよいが、トナーに関する変数については、既述の通りである。また、中間転写部材に関する変数については、後述の実施形態の説明において言及することとする。
【0056】
<第1の実施形態>
図3は、本発明の一例である第1の実施形態にかかる画像形成装置の模式断面図である。図3において、カラー複写が可能な画像形成装置Fは、上部にコピースタートキー、テンキー、表示部等を有するUI(ユーザインタフェース)と、原稿(図示せず)を載置する透明なプラテンガラス2とを有している。プラテンガラス2の下側には、前記原稿を照明しながら走査する原稿照明ユニット3が配置されている。原稿照明ユニット3は、原稿照明用光源4および第1ミラー5を有している。また、プラテンガラス2の下側には、原稿照明ユニット3の移動速度の1/2の速度で移動するミラーユニット6が配置されている。ミラーユニット6は、原稿照明用光源4から出射して原稿で反射し、前記第1ミラー5で反射した原稿画像光を反射する第2ミラー7および第3ミラー8を有している。前記第3ミラー8で反射した原稿画像光は結像レンズ9を通って、CCD(カラー画像読取センサ)によりR,G,Bのアナログ信号として読み取られる。
【0057】
CCDで読み取られたR(赤色),G(緑色),B(青色)の画像信号は、IPSに入力される。IPSの作動はコントローラCにより制御されている。また、IPSは、前記CCDで得られるR,G,Bの読取画像のアナログ電気信号をデジタル信号に変換して出力する画像読取データ出力手段11および前記RGBの画像データをK(黒)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、およびC(シアン)の画像データに変換して濃度補正、拡大縮小補正等のデータ処理を施し、書込用画像データ(レーザ駆動データ)として出力する書込画像データ出力手段12を有している。書込画像データ出力手段12は前記K,Y,M,Cの画像データを一時的に記憶する画像メモリ13を有している。
【0058】
前記IPSの書込画像データ出力手段12が出力するK,Y,M,Cの4色の画像書込データ(レーザ駆動データ)は、レーザ駆動信号出力装置14に入力される。レーザ駆動信号出力装置14は、入力された画像データに応じた各色K,Y,M,Cの成分の画像のレーザ駆動信号を所定のタイミングで、ROS(光走査装置、すなわち、潜像形成装置)に出力する機能を有している。前記ROSは、入力された前記レーザ駆動信号により変調されたレーザビームLにより、160mm/secのスピードで回転する像担持体16の静電潜像書込位置Q1を走査する。前記回転する像担持体16に沿って、像担持体16の移動方向で前記潜像書込位置Q1の上流側に、像担持体16を一様に帯電させる帯電ロール17が配置されている。像担持体16は、帯電ロール17により一様に帯電された後、前記潜像書込位置Q1において、前記レーザビームLにより静電潜像が書き込まれるように構成されている。
【0059】
像担持体16の移動方向に沿って、前記潜像書込位置Q1の下流側の現像領域Q2には、前記静電潜像をトナー画像に現像するロータリ式の現像ユニット(現像装置)Dが配置されている。前記現像ユニットDは、回転軸18周囲に装着したY,M,C,Kの4色の現像器Dk,Dy,Dm,Dcを有しており、回転軸18の回転に伴い、前記各4色の現像器Dk,Dy,Dm,Dcが順次前記現像領域Q2に移動するように構成されている。前記現像器Dk,Dy,Dm,Dcは、像担持体16上の静電潜像を、K(黒)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の各色のトナー画像に現像する装置である。前記符号14〜17,ROS,D等で示された要素によりトナー画像形成装置(14〜17+ROS+D)が構成されている。前記回転する像担持体16の表面に沿って前記現像領域Q2の下流側に設定された一次転写領域Q3には、中間転写ベルト(中間転写部材)Bおよび一次転写ロール(一次転写器)21が配置されている。また、回転する像担持体16に沿って、一次転写領域Q3の下流側には、像担持体クリーナ22および除電ランプ23が配置されている。
【0060】
前記中間転写ベルト(中間転写部材)Bは、駆動ロール25、アイドラロール26、テンションロール27、ウォーク補正ロール28(中間転写ベルトBの幅方向の位置を調節するロール)およびバックアップロール(二次転写ロール)29の5本のロールで張架されており、図示しない駆動装置により像担持体16とほぼ同速度で駆動ロール25を介して矢印方向Aへ回転する。
【0061】
前記中間転写ベルトBの周辺には、二次転写位置Q4において、前記中間転写ベルトBに対してバックアップロール29と対向する側にアース(接地)された二次転写ロール30が配置されている。また、バックアップロール29にはトナーと逆極性のバイアスを印加されたコンタクトロール31(電極部材)が接触している。コンタクトロール31およびバックアップロール29の接触領域(すなわち、コンタクトロール接触領域)は、前記二次転写領域Q4とバックアップロール29の中心位置とを結ぶ直線上に配置されている。したがって、バックアップロール29表面に沿った前記二次転写領域Q4と前記コンタクトロール接触領域との間の距離は、バックアップロール29の回転方向に沿って、前記二次転写領域の上流側と下流側で同じ距離に設定されている。前記符号29〜31で示された要素により二次転写器Tが構成されている。
【0062】
二次転写ロール30はアースされ、バックアップロール29に接触するコンタクトロールは、二次転写電力印加手段としての転写用電源回路32に接続されている。この転写用電源回路32によりコンタクトロール31を介してバックアップロール29にトナーと逆極性のバイアス電圧が印加され中間転写ベルトB上のトナー画像が記録シートSに転写される。転写用電源回路32は、コントローラCにより制御されている。前記二次転写ロール30はバックアップロール29から離れた位置に移動した状態で、転写ロールクリーナ33によりクリーニングされる。また、前記中間転写ベルトBの搬送方向で、前記二次転写ロール30の下流側に、前記中間転写ベルトBの表面に残留する未転写トナーを除去する中間転写部材クリーナ34が配置されている。前記二次転写ロール30および中間転写部材クリーナ34は、前記中間転写ベルトBに対し圧接、離間可能に構成されている。
【0063】
給紙トレイ35から取り出された記録シートSは、フィードロール36により搬送され、レジストロール37で一旦停止してから所定のタイミングでガイド搬送路38を通って前記二次転写位置Q4に搬送される。この記録シートSには、二次転写位置Q4を通過する際に中間転写ベルトB上の未定着トナー画像が二次転写される。この未定着トナー画像が転写された記録シートSは、シートガイド部材39上面に沿って移動し、さらに搬送ベルト40を通って定着位置Q5に搬送される。記録シートSが前記定着位置Q5を通過するときに記録シートS上の未定着トナー画像は定着装置41によって定着され、排紙トレイ42に排出されるように構成されている。前記符号35〜38で示された要素により記録シート搬送装置(35〜38)が構成されている。
【0064】
画像形成装置Fに用いた一次転写ロール21としては、金属性の芯金に四級アンモニウム塩などの導電材を含有させ抵抗を導電〜半導電に制御したウレタンなどの表面層(弾性層)を設けた外径18mmのロールを使用した。
【0065】
中間転写ベルト(中間転写部材)Bは、無端ベルト状の基材層の外周面に、少なくとも、弾性層が形成されてなるものが用いられ、必要に応じて、さらにその上に最表面層が形成されてなる構成とすることもできる。具体的には、基材層として、耐熱性に優れたポリイミド樹脂、アラミド樹脂などの樹脂フィルムが好ましく、その表面に形成する弾性層としては、トナー離型性が良好なものでもそうでないものでもよい。ただし、該弾性層が、トナー離型性の良好でないものである場合、そのさらに上に最表面層を形成し、これに離型性を担わせればよい。
【0066】
トナー離型性が良い材料としては、特に制限は無いが、例えば、フッ素樹脂、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられ、弾性を有するシリコーンゴムおよびフッ素ゴムは前記弾性層として使用することが好ましく、弾性を有しないフッ素樹脂は使用することが好ましい。ただし、最表面層を有する場合のその下層である弾性層は、その他一般のゴム弾性を有する材料から任意に選択することができる。
【0067】
中間転写ベルト(中間転写部材B)は、上記式(2)を満たすようにするために、その体積抵抗率ρvを調整することは重要である。中間転写部材Bの体積抵抗率ρvは、導電性のカーボンブラックや金属粉、或いは界面活性剤を基体のゴムまたは樹脂中に分散させることにより調整することができる。また、素材の特性として上記体積抵抗率が得られる場合もある。
【0068】
記録シートSに二次転写する未定着トナー画像を担持する中間転写部材Bについては、勿論、上記式(2)を満たすことを条件として、その体積抵抗率ρv(logΩcm)自体の好ましい範囲は、12logΩcm以上であり、13.5〜15logΩcmの範囲がより好ましい。
【0069】
一般に、中間転写部材として、樹脂フィルムなどの比較的硬い材料を用いると、被記録材の凹凸部と中間転写部材との間に間隙ができてしまうために被記録材とトナーとが密着することができず、電界が下がる、あるいは、転写する前に放電が始まってしまうなどの原因により、白抜けとなる転写不良の発生が見られた。
【0070】
したがって、中間転写ベルト(中間転写部材)Bの表面微小硬度としては、5以下であることが好ましく、1以下であることがより好ましい。表面微小硬度をこのように適切に小さくすることで、記録シートSの表面凹凸に対する中間転写部材Bの追従性が増し、記録シートSの種類に対する適応性が広くなる。
【0071】
また、一般的には、このように被記録材の表面凹凸に対する追従性を向上させるべく、中間転写部材の表面に弾性を持たせると、中間転写部材と被記録材とが密着する前にトナーの飛び散りを生じさせないように、転写電界の緻密な制御が必要となり、制約が多いが、本発明では多重ブラーを適切に防止するべく使用するトナーおよび中間転写部材が適切に調整されており、転写電界の制御における制約が少ない。
【0072】
なお、像担持体16の表面微小硬度は、当然に上記範囲よりも大きな値であり、したがって像担持体16よりも中間転写ベルトBの方が、表面微小硬度は小さい。したがって、中間転写部材が上記表面微小硬度の条件を満たせば、一次転写ニップ部では、中間転写部材と像担持体との間に混入した異物の像担持体への突き刺さり等を抑止できる。
表面微小硬度を上記範囲にするためには、弾性層を表面に有する構成としたり、基材層としてポリイミド(PI)など一定のヤング率をもつ樹脂層を採用したりすることで、達成することが可能である。
【0073】
なお、本発明において、中間転写部材の表面微小硬度は、例えば、島津製作所(株)製ダイナミック超微小硬度計DUH−201Sを測定装置とし、稜線角度115°の三角錐圧子を用い、試験荷重9.8mN(1.0gf)、負荷速度0.1421mN(0.0145gf)/secの測定条件下で測定した結果を用いている。
【0074】
二次転写器Tにおけるバックアップロール29は、電気的にフロートにされた導電性芯金と、その周囲に被覆された半導電層から構成されている。半導電層は、シリコーン、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、ウレタンなどのゴム材や、PVdF(ポリ弗化ビニリデン)、PFA(パーフルオロアルコキシ)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、ポリエステル、アクリルなどの樹脂にCB(カーボンブラック)などの帯電防止剤を適当量分散させて抵抗値を制御したものである。
【0075】
二次転写領域Q4においてバックアップロール29に対向して配置された前記二次転写ロール30としては、芯金に、シリコーン、EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、ウレタンなどにCB(カーボンブラック)などの帯電防止剤を適当量分散させた導電性ゴムを被覆したものが用いられている。
バックアップロール29に接触する電極部材としてのコンタクトロール31は、外径14mmのステンレス製の金属ロールである。また、コンタクトロール31には転写用電源回路32により二次転写時にトナーと同極性の電圧が印加されるようになっている。
【0076】
コントローラCは、CPU(中央処理装置)、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、I/O(入出力インタフェース)等を有するマイコンにより構成され、UI(ユーザインタフェース)、原稿サイズセンサSN等から入力された信号に応じて、転写用電源回路32の制御信号を出力している。転写用電源回路32は電流計測部を有し、これが、二次転写を行った際に、バックアップロール29から二次転写ロール30を流れる電流を計測する。計測された電流値は、コントローラCへ送られる。
また、コントローラCの前記ROMには、各種データが記憶され、コントローラCは、この記憶および前記送られた情報から、各種条件を設定する。
【0077】
以上のような画像形成装置において、本実施形態では、K(黒)、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の各色のトナーとして、既述のトナーの形状係数SFを満たすいわゆる球形トナーを用いており、かつ、既述の関係式(2)を満たすように、各トナーおよび中間転写ベルト(中間転写部材)Bが構成されている。
【0078】
球形度の高いトナーを用いた際、中間転写ベルトB表面に各色のトナーを一次転写積層させて、多重のトナー画像を形成し、さらにこれを記録シートSに二次転写すると、一般的にはトナーの飛び散り現象、すなわち多重ブラーが起こりやすいが、本実施形態では、上記式(2)を満たすように調整することで、この多重ブラーを大幅に改善している。
【0079】
<第2の実施形態>
次に、本発明の一例である第2の実施形態として、前記像担持体と、その表面からトナー画像が一次転写される前記中間転写部材とからなる対(以下、「画像形成ユニット」という。)を4個有し、イエロー、マゼンタ、シアン、および、ブラックの4色の画像を積層してフルカラー画像を形成し得る、いわゆるタンデム型の画像形成装置を例に挙げて本発明を説明する。
【0080】
図4は、第2の実施形態にかかる画像形成装置の概略構成図である。図4に示す画像形成装置は、イエロー色のトナー画像を用紙(被記録材)118に形成するための画像形成ユニット100Yと、マゼンタ色のトナー画像を用紙118に形成するための画像形成ユニット100Mと、シアン色のトナー画像を用紙118に形成するための画像形成ユニット100Cと、ブラック色のトナー画像を用紙118に形成するための画像形成ユニット100Kと、の4つの画像形成ユニットが、搬送張架ロール122および124に張架された用紙搬送ベルト116に対して、並列に配されている。
【0081】
各画像形成ユニット100Y,100M,100C,100Kは、形成される画像の色が異なる点を除き、基本的に同一の構成であるため、ユニット単体の構成については、画像形成ユニット100Yを代表させて、説明する。なお、各画像形成ユニット100Y,100M,100C,100Kで付された符号の末尾(Y、M、CまたはK)を除く部分が同一の部材については、基本的に同一の機能を有する部材を示すものである。
【0082】
画像形成ユニット100Yは、主として、像担持体である回転ドラム型の電子写真感光体102Yと、その表面にイエロー色のトナー画像を形成する不図示の現像ユニットと、電子写真感光体102Y表面に形成されたトナー画像が一次転写され、さらに用紙118に二次転写する中間転写ベルト(中間転写部材)104Yと、から構成される。これら画像形成ユニット内の主要な構成要素については、第1の実施形態で述べたものと基本的に同様である。
【0083】
中間転写ベルト104Yは、2つの張架ロール106Y,108Yと、保持ロール110Yと、二次転写対向ロール112Yとの4つのロールに張架されて、電子写真感光体102Yおよび用紙搬送ベルト116を橋渡しするように、かつ双方と従動可能に当接している。すなわち、電子写真感光体102Yは矢印N方向に、用紙搬送ベルト116は矢印P方向に、それぞれ独立した駆動装置(駆動手段、不図示)を有しているため、中間転写ベルト104Yは矢印R方向に、電子写真感光体102Yおよび用紙搬送ベルト116の双方に対して従動回転する。なお、用紙搬送ベルト116の駆動装置には、電子写真感光体102Yとの回転速度差による負荷を解消するべく、用紙搬送ベルト116と駆動装置との接続にトルクリミッターを介在させることが望ましい。トルクリミッターを介在させることで、個々の中間転写ベルト104Y,104M,104C,104Kの厚みのばらつきによる色ずれの発生を、抑制することができる。
【0084】
中間転写ベルト104Yを張架するロールのうち、隣り合う保持ロール110Yおよび二次転写対向ロール112Yは、前者が用紙搬送ベルト116の駆動方向P(搬送方向T)上流側に、後者が下流側に、各々位置する。そして、その間の中間転写ベルト104Yが、用紙搬送ベルト116表面に当接している。また、中間転写ベルト104Yおよび用紙搬送ベルト116を介して、二次転写対向ロール112Yに対向する位置に、二次転写ロール114Yが配され、二次転写のためのニップ部(二次転写ニップ部)を形成している。
【0085】
不図示の現像ユニットにより電子写真感光体102Yの表面に形成されたイエロー色のトナー画像は、一次転写ロール120Yによって中間転写ベルト104Y表面に一次転写される。中間転写ベルト104Yの矢印R方向への周回により、トナー画像が形成された表面は、保持ロール110Yの部分で用紙搬送ベルト116により搬送された用紙118の表面と当接する(転写入口部)。
【0086】
中間転写ベルト104Yおよび用紙118が当接したまま、用紙搬送ベルト116に中間転写ベルト104Yが従動した状態で搬送方向Tに進行し、そのまま二次転写対向ロール112Yと二次転写ロール114Yとの間の二次転写ニップ部に挿通されたときに、中間転写ベルト104Y表面のトナー画像が用紙118に二次転写される。
【0087】
このとき、上記二次転写ニップ部に先立つ転写入口部において、中間転写ベルト104Yおよび用紙118が当接した状態となっているが、両者が十分に密着していないと、表面のトナー画像におけるトナーの飛び散りが生ずる可能性がある。本実施形態では、この転写入口部において、保持ロール110Yにより押し込んで密着性を高めている。
【0088】
図5に、画像形成ユニット100Yおよび100Mのみを抜き出した拡大図を示す。Lは、画像形成ユニット100Yの二次転写ニップ部と、画像形成ユニット100Mの二次転写ニップ部(二次転写対向ロール112Mと二次転写ロール114Mとの間のニップ部)とを結ぶ直線であり、その延長は、画像形成ユニット100Cおよび100Kの各二次転写ニップ部を通る。
【0089】
この直線Lに対して接するように中間転写ベルト104Y,104M(104Cおよび104Kも同様。以下省略。)が位置していれば、張架された用紙搬送ベルト116は蛇行することなく一直線に進行する。しかし、本実施形態では、図5に示されるように、この直線Lに対して、中間転写部材104Y,104Mを周内から押し出し、用紙搬送ベルト116をそれぞれ周外から押し込むように、保持ロール110Y,110Mが配されている。このように保持ロール110Y,110M(110Cおよび110Kも同様)が配されているため、転写入口部において、中間転写ベルト104Y,104Mと用紙118との密着性が十分に高く確保され、多重ブラーが生ずるのをより一層効果的に防止している。
【0090】
図4において、用紙118は用紙搬送ベルト116に担持されつつ矢印X方向に進行し、各画像形成ユニット100Y,100M,100C,100Kにより、順次イエロー、マゼンタ、シアン、および、ブラックの4色のトナー画像が積層される。4色のトナー画像が積層された用紙118は、最後の電子写真感光体102Kの表面から分離されて、不図示の定着手段へ搬送されることによりトナー画像の定着処理を受ける。このようにして用紙118にフルカラー画像が形成される。
【0091】
以上のような画像形成装置において、本実施形態では、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の各色のトナーとして、既述のトナーの形状係数SFを満たすいわゆる球形トナーを用いており、かつ、既述の関係式(2)を満たすように、各トナーおよび各中間転写ベルト(中間転写部材)104Y,104M,104C,104Kが構成されている。
【0092】
球形度の高いトナーを用いた際、各中間転写ベルト(中間転写部材)104Y,104M,104C,104K表面から用紙118に、各色のトナーを二次転写積層させて、多重のトナー画像を形成すると、一般的にはトナーの飛び散り現象、すなわち多重ブラーが起こりやすいが、本実施形態では、上記式(2)を満たすように調整することで、この多重ブラーを大幅に改善している。
【0093】
また、中間転写部材が円筒構成ではなく、ベルト状であるため、円筒状であると困難であった二次転写部位での電界制御が、既述のように中間転写部材と被記録材との密着が二次転写ニップ部に先立ち、転写電界の発生しない領域である転写入口部から確保されるため、トナー飛散の問題が解消される。
【0094】
大型の中間転写ベルト方式のタンデム機(搬送ベルトが中間転写ベルトに代わり、本実施形態における中間転写ベルトが、搬送ベルトに代わる中間転写ベルトに電子写真感光体が直接当接する構成のもの。第4の実施形態の画像形成装置が相当する。)において、当該中間転写ベルトの表面に弾性部材を設け、転写性能を向上させようとすると、膜厚の均一性を長いサイズで確保するのに、製造上の大きな困難さがある。またそのような弾性を有する中間転写ベルトを駆動した時、膜厚によって表面速度が変わってくることから、厚みのばらつきによって色ずれが発生してしまう問題が生ずる。
【0095】
これに対して、本実施形態では、中間転写ベルトは各単色のトナーごとであるため短く、膜厚の均一性を確保することが容易であり、製造性、画像の色ずれ防止といった効果も有する。さらに、中間転写ベルトが各単色のトナーごとに分かれているため、中間転写ベルト表面には複数色のトナーが積層されることはなく、中間転写ベルト表面におけるトナー質量を低減させることができ、前記式(2)を満たしやすい。
【0096】
<第3の実施形態>
図6は、本発明の一例である第3の実施形態にかかる画像形成装置の模式断面図である。本実施形態は、第2の実施形態と同様タンデム型の例であるが、像担持体と中間転写部材の形式が異なっている。なお、それ以外の構成は、第2の実施形態と同様であるため、同一の機能を有する部材は、第2の実施形態における図5と同一の符号を付して、その詳細な説明は省略することとする。
【0097】
図6に示す画像形成装置は、イエロー色のトナー画像を用紙118に形成するための画像形成ユニット200Yと、マゼンタ色のトナー画像を用紙118に形成するための画像形成ユニット200Mと、シアン色のトナー画像を用紙118に形成するための画像形成ユニット200Cと、ブラック色のトナー画像を用紙118に形成するための画像形成ユニット200Kと、の4つの画像形成ユニットが、用紙搬送ベルト116に対して並列に配されている。
【0098】
各画像形成ユニット200Y,200M,200C,200Kは、形成される画像の色が異なる点を除き、基本的に同一の構成であるため、ユニット単体の構成については、画像形成ユニット200Yを代表させて、説明する。なお、各画像形成ユニット200Y,200M,200C,200Kで付された符号の末尾(Y、M、CまたはK)を除く部分が同一の部材については、基本的に同一の機能を有する部材を示すものである。
【0099】
画像形成ユニット200Yは、主として、像担持体であるエンドレスベルト型の電子写真感光ベルト202Yと、その表面にイエロー色のトナー画像を形成する不図示の現像ユニットと、電子写真感光ベルト202Y表面に形成されたトナー画像が一次転写され、さらに用紙118に二次転写する中間転写ロール(中間転写部材)204Yと、から構成される。
【0100】
これら画像形成ユニット内の主要な構成要素については、像担持体および中間転写部材において、その形状がロールとベルトとで置き換わったのみであり、第1の実施形態で述べたものと基本的に同様である。中間転写部材の基材としては、一般的なステンレスやアルミニウム等の金属ロールや各種樹脂ロールを、中間転写部材全体としての体積抵抗率に留意しつつ、問題なく使用することができる。
【0101】
中間転写ロール(中間転写部材)は、アルミニウム製の導電性ドラム基体の表面に、所定の抵抗値に調整された誘電体層を形成したものであり、ドラム基体は接地電位に接続される。誘電体層は、例えばカーボンブラックまたはアルミニウム等の導電性金属を分散させることにより抵抗値の調整を行ったポリカーボネートなどである。ここでは体積抵抗率1013logΩcmに調整したポリカーボネートの導電層を設けた中間転写部材とした。
【0102】
電子写真感光ベルト202Yは、3つの張架ロール206Y,208Y,210Yにより張架され、かつ、張架ロール206Y−208Y間が中間転写ロール204Yに付勢されて撓んだ状態となっている。この撓んだ部分が、電子写真感光ベルト202Yの表面に形成されたトナー画像が中間転写ロール204Yに一次転写される一次転写ニップ部となっている。
【0103】
電子写真感光ベルト202Yは矢印N’方向に、用紙搬送ベルト116は矢印P’方向に、それぞれ独立した駆動装置(駆動手段、不図示)を有しているため、中間転写ロール204Yは矢印R’方向に、電子写真感光ベルト202Yおよび用紙搬送ベルト116の双方に対して従動回転する。なお、用紙搬送ベルト116の駆動装置には、電子写真感光ベルト202Yとの回転速度差による負荷を解消するべく、用紙搬送ベルト116と駆動装置との接続にトルクリミッターを介在させることが望ましい。
【0104】
中間転写ロール204Yは、電子写真感光ベルト202Yと当接する側と反対側で、用紙搬送ベルト116と当接し、該用紙搬送ベルト116を介して二次転写ロール114Yが配され、二次転写のためのニップ部(二次転写ニップ部)を形成している。
【0105】
不図示の現像ユニットにより電子写真感光ベルト202Yの表面に形成されたイエロー色のトナー画像は、一次転写ニップ部において中間転写ロール204Y表面に一次転写される。中間転写ロール204Yの矢印R’方向への周回により、トナー画像が形成された表面は、二次転写ニップ部で用紙搬送ベルト116により搬送された用紙118の表面と当接する。このときに、二次転写ロール114Yによって、中間転写ロール204Y表面のトナー画像が用紙118に二次転写される。
【0106】
以上のような画像形成装置において、本実施形態では、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(黒)の各色のトナーとして、既述のトナーの形状係数SFを満たすいわゆる球形トナーを用いており、かつ、既述の関係式(2)を満たすように、各トナーおよび各中間転写ロール(中間転写部材)204Y,204M,204C,204Kが構成されている。
【0107】
球形度の高いトナーを用いた際、各中間転写ロール(中間転写部材)204Y,204M,204C,204K表面から用紙118に、各色のトナーを二次転写積層させて多重のトナー画像を形成すると、一般的にはトナーの飛び散り現象、すなわち多重ブラーが起こりやすいが、本実施形態では、上記式(2)を満たすように調整することで、この多重ブラーを大幅に改善している。
【0108】
また、本実施形態では、中間転写ロールは各単色のトナーごとであるため小さく、膜厚の均一性を確保することが容易であり、製造性、画像の色ずれ防止といった効果も有する。さらに、中間転写ロールが各単色のトナーごとに分かれているため、中間転写ロール表面には複数色のトナーが積層されることはなく、中間転写ベルト表面におけるトナー質量を低減させることができ、前記式(2)を満たしやすい。
【0109】
<第4の実施形態>
図7は、本発明の一例である第4の実施形態にかかる画像形成装置の模式断面図である。本実施形態は、第2および第3の実施形態と同様タンデム型の例であるが、像担持体のみが複数並べられ、中間転写部材は1つのみで、当該中間転写部材にトナー画像を一次転写し積層した後に、被記録材に一括で二次転写する構成となっている。
【0110】
本実施形態の画像形成装置310は、図7に示すように、表面にトナー画像が形成され、形成されたトナー画像を担持して一次転写部T1に向けて搬送する感光体ドラム(像担持体)301と、一次転写部T1において感光体ドラム301からトナー画像の転写を受けて二次転写部T2に向けて搬送するベルト状の中間転写ベルト302と、一次転写部T1において感光体ドラム301上のトナー画像を中間転写ベルト(中間転写部材)302に一次転写する一次転写ロール309と、二次転写部T2において中間転写ベルト302上のトナー画像を用紙(被記録材)318に転写する二次転写装置320とを備えた電子写真方式のカラー画像形成装置である。
なお、本実施形態における感光体ドラム301は、本発明にいう像担持体に相当するものである。二次転写装置320は、二次転写ロール321、バックアップロール322、コンタクトロール327、および電源328からなる。
【0111】
次に、この第1の実施形態の画像形成装置310の動作について説明する。
この画像形成装置310には、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、およびシアン(C)の各色に対応する4つの感光体ドラム301が備えられている。これらの各感光体ドラム301は矢印U方向に回転し、帯電装置304により表面が一様に帯電される。次に、周知の電子写真プロセスにより画像情報に応じた上記各色に対応する露光光が、各露光装置303により各感光体ドラム301表面に照射されて上記各色に対応する静電潜像が各感光体ドラム301表面に形成される。これらの静電潜像は、上記各色のトナーが収納された現像器305K,305Y,305M,305Cにより現像され、各感光体ドラム301上には上記各色のトナー画像が形成される。
【0112】
各感光体ドラム301の一次転写部T1において各感光体ドラム301の表面に当接する、バックアップロール322、テンションロール323、従動ロール24、駆動ロール25などにより張架されて矢印V方向へ回動するベルト状の中間転写ベルト302が配置されており、各感光体ドラム301上に形成された上記各色のトナー画像は、それぞれの一次転写部T1において中間転写ベルト302上に順次一次転写される。各一次転写部T1には、中間転写ベルト302の、感光体ドラム301に接する表面側に対する裏面側には一次転写ロール309が配設されており、この一次転写ロール309にトナーの帯電極性とは逆極性の電圧を印加することにより、各感光体ドラム301上のトナー画像は中間転写ベルト302に静電吸引される。
【0113】
トナー画像が中間転写ベルト302に一次転写された後の各感光体ドラム301の表面は、クリーナ306により清浄化された後、次の画像形成サイクルにおいて帯電装置304による一様帯電工程以降の一連の動作が開始される。
【0114】
この画像形成装置310でカラー画像を形成する場合には、各感光体ドラム301上での各色のトナー画像形成並びにこれらのトナー画像の一次転写の工程が色数分だけ繰り返されて中間転写ベルト302上に複数色のトナー画像が重ね合わされてなる多色トナー画像が形成される。例えば、ブラック、イエロー、マゼンタ、およびシアンの4色のトナー画像を重ね合わせたフルカラー画像を形成する場合は、各感光体ドラム301上に1回転毎にそれぞれの色のトナー画像が形成され、それらトナー画像が中間転写ベルト302に順次一次転写される。すなわち、中間転写ベルト302は、最初に一次転写された1色目のブラックトナー画像を保持したまま感光体ドラム301と同一周期で矢印V方向へ移動し、2色目のイエロートナー画像を担持する感光体ドラム301の一次転写部T1において、ブラックトナー画像の上にイエロートナー画像が重ね合わされるように一次転写される。以下順次、マゼンタおよびシアンのトナー画像が重ねて転写され、中間転写ベルト302上には最終的に4色積層された多色トナー画像が形成される。
【0115】
こうして中間転写ベルト302に一次転写されたトナー画像は、中間転写ベルト302の矢印B方向への移動に伴って用紙318の搬送経路311に面した二次転写部T2へと搬送される。
二次転写部T2には、二次転写ロール321、バックアップロール322、コンタクトロール327、および電源328を有する二次転写装置320が設置されている。
【0116】
中間転写ベルト302上に一次転写されたトナー画像が二次転写部T2へと搬送されるタイミングに合わせて、トレイ312から搬出された用紙318が二次転写ロール321と中間転写ベルト302との間に挟み込まれる。
【0117】
二次転写部T2における中間転写ベルト302の裏面側には二次転写ロール321の対向電極をなすバックアップロール322が配設されており、バックアップロール322に接するコンタクトロール327に接続された電源328から、トナーの帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されることにより、中間転写ベルト302に担持されたトナー画像は用紙318に静電的に二次転写される。
二次転写ロール321は中間転写ベルト302に従動回転しており、二次転写ロール321に付着した汚れは、ウレタンゴム製のクリーニングブレード326によって除去され、用紙318の裏面が汚れるのを防止している。
【0118】
トナー画像が転写された用紙318は、二次転写部T2の後方で中間転写ベルト302から剥離され、シュート329、および用紙搬送ベルト314によって定着器315に送り込まれてトナー画像の定着処理が行われる。一方、トナー画像の二次転写が終了した中間転写ベルト302はベルトクリーナ316によって表面に残留したトナーが除去される。
【0119】
なお、二次転写ロール321およびベルトクリーナ316は、中間転写ベルト302とは接離自在に配設されており、カラー画像が形成される場合には最終色のトナー画像が二次転写ロール321およびベルトクリーナ316を通過するまでは、これらの部材は中間転写ベルト302から離間するようになっている。
【0120】
本実施形態において、中間転写ベルト302は、その表面が感光層からなる。また、中間転写ベルト302の周回方向(矢印V方向)のベルトクリーナ316の下流には、露光装置330が配され、中間転写ベルト302表面の感光層を光照射できるように構成されている。中間転写ベルト302は、その表面に感光層が存在することで、露光装置330からの光により帯電電荷が除電される。
【0121】
中間転写ベルト302は、既述の条件を満たすと、比較的高抵抗となり誘電体として働く。したがって、帯電電荷が溜まると、一次転写でトナーを保持し、かつ二次転写で被記録材に転写するまでの静電的な作用を応用した動作において、不具合を生じてしまう場合がある。しかし、本実施形態では、中間転写ベルト302の表面に感光層が存在し、かつ、それに光照射を行う露光装置330が含まれるため、帯電電荷を有効に除電して、次の作像サイクルに備えることができる。
【0122】
中間転写ベルト302の層構成としては、例えば、特開平11−305557号公報にその詳細が説明されており、いずれのものを採用しても構わない。特に同文献の段落番号0046〜段落番号0055には、その層構成のほか、具体的な各層の組成についても開示されており、本発明においては、いずれも問題なく使用することができる。勿論、本発明においては、上記文献に記載の構成に限らず、従来公知の構成をいずれも採用することができる。
【0123】
本実施形態においては、感光層としては、UCL層としてポリアミドを1.5μm、電荷発生層(CGL)としてポリビニルクロライドに電荷発生材料を入れた0.2μmの層を、さらにその上に電荷輸送層(CTL)としてポリカーボネートに電荷輸送剤を入れ、24μmの厚さにしたものにした。
【0124】
以上のような画像形成装置において、本実施形態では、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、およびシアン(C)の各色のトナーとして、既述のトナーの形状係数SFを満たすいわゆる球形トナーを用いており、かつ、既述の関係式(2)を満たすように、各トナーおよび中間転写ベルト302が構成されている。
【0125】
球形度の高いトナーを用いた際、中間転写ベルト(中間転写部材)302各色のトナーを一次転写積層させて、多重のトナー画像を形成し、さらにこれを用紙318に二次転写すると、一般的にはトナーの飛び散り現象、すなわち多重ブラーが起こりやすいが、本実施形態では、上記式(2)を満たすように調整することで、この多重ブラーを大幅に改善している。
【0126】
また、本実施形態では、中間転写ベルト302の表面が感光層からなり、かつ、当該感光層を光照射できる露光装置330が配さているため、中間転写ベルト302の表面は、露光装置330からの光により帯電電荷が適切に除電され、帯電による不具合を防止することができる。
【0127】
以上、本発明の画像形成装置について、図面を用い、4つの実施形態を挙げて、部材の形状、配置等をある程度特定して説明したが、上記実施形態の各構成は、あくまでも本発明の一例を示すものであり、本発明はこれら実施形態の記載により何ら制限を受けるものではない。したがって、当業者は、既述の本発明の構成を具備する範囲内で、従来公知の知見により本発明に変更を加えたり、他の要素を加えたりすることができるが、勿論、かかる場合にも、本発明の範疇に含まれる。
【0128】
【実施例】
次に、実施例を挙げて本発明ないしその作用・効果をより具体的に説明するが、勿論本発明は、以下の実施例により何ら制限されるものではない。
[実施例1]
MCYK全ての色について、体積平均粒径D50=5.8μmで形状係数SF=130の重合トナー(トナーA){約1μmのスチレンアクリルポリマービーズ、顔料およびワックスを、乳化重合させたもの。}と、体積平均粒径D50=6.5μmで、形状係数SF=145の粉砕系トナー(トナーB){ポリエステル樹脂、顔料およびワックスを、混練、粉砕して作製したもの。}の2種類を用意した。
【0129】
また、中間転写部材として体積抵抗率ρvが10logΩcmの部材(具体的な層構成・材質・各層の厚さ等詳細:厚さ80μmの導電性ポリイミド樹脂からなるもの、既述の方法で求められる表面微小硬度:20)を富士ゼロックス(株)製Docu Color1250に組み込んで、本実施例に用いる画像形成装置とした。当該装置は、図3に概略が示される、第1の実施形態の構成と同様である。
【0130】
以上の画像形成装置に上記2種類のトナーを用い、感光体電位と現像機の印加バイアスを調整することで、前記中間転写部材表面に一次転写されたトナー画像におけるベタ画像の最大トナー質量TMA(g/m2)を変化させたときの、ブラーの発生状況について調べる試験を行った(試験1)。
【0131】
ブラーの評価(ブラーグレード)は、線幅250μmの細線について、その再現性と周囲へのトナーの飛び散り状況を、目視および虫眼鏡で確認し、グレード見本と比較して評価するものであり、完全な再現性とトナー飛び散りが全く確認されないG0から、線の縁で境界がぼやけ、かつ、周囲に多量のトナー飛び散りが確認されるG5までの6段階に評価される。なお、ブラーグレードとしては、3以下で良好と判断され、2以下がより望ましい。
【0132】
本実施例では、中間転写部材表面に4色のトナーが転写された後に、被記録材に一括転写される構成であり、中間転写部材表面の積層された多重トナー(各色の画像面積率100%のプロセスブラック)について、トナー質量TMAおよび平均トナー帯電量TVを測定した。結果を図8のグラフに示す。図8のグラフは、横軸にトナー質量TMA、縦軸にブラーグレードをプロットしたものである。
【0133】
図8のグラフに示される結果から、TMAが増えればブラーが悪化することがわかる。また、トナーの形状係数SFについては、いわゆる球形トナーに近いSF=130のトナーAでは、TMAが上昇するとブラーがNGレベルであるG4クラスまで悪化してしまったことがわかる。
【0134】
次に、中間転写部材として、が10logΩcmの部材以外の、11logΩcm、13logΩcmおよび14.5logΩcmの各部材を用意した。このとき、導電性ポリイミド樹脂の導電剤であるカーボンブラックの量を変えることで抵抗値を制御することにより、体積抵抗率ρvを調整した(前記表面微小硬度に変動はなし。)。これをそれぞれ、上記同様富士ゼロックス(株)製DocuColor1250に組み込んで、トナー質量TMA一定(トナーAはTMA=12g/m2、トナーBはTMA=13.5g/m2)で、上記試験1と同様にブラーの発生状況について調べる試験を行った(試験2)。結果を図9のグラフに示す。図9のグラフは、横軸に中間転写部材の体積抵抗率、縦軸にブラーグレードをプロットしたものである。
【0135】
図9のグラフに示される結果から、中間転写部材の体積抵抗率が高くなるとブラーが改善することがわかる。また、トナーの形状係数SFについては、SF=130のトナーAでは、中間転写部材の体積抵抗率が低いとブラーがNGレベルであるG4クラスまで悪化してしまったことがわかる。
【0136】
これらの実験結果から、前記式(2−A)の左辺をFAとすると、
FA≦3
を満たす条件であれば良好なブラーが得られることがわかった。具体的には、トナーAを用いたものであって、試験1におけるTMA=7.0(FA=0.09)、TMA=8.0(FA=0.73)、TMA=9.0(FA=1.36)、並びに、試験2におけるρv=13logΩcm(FA=1.4)、ρv=14.5logΩcm(FA=0.47)が本発明の対象となる。
【0137】
これに対して、トナーAを用いたものであっても、TMA=12.0(FA=3.3)、TMA=13.0(FA=3.9)、並びに、試験2におけるρv=10logΩcm(FA=3.3)は本発明の対象とならず、ブラーの結果も悪い。なお、トナーBを用いたものは、ブラーの結果は良いが、画質、取り扱い性、安定性、流動性等の観点から球形トナーを用いたい場合のブラーの解決が本発明の目的であるところから、勿論本発明の対象とはならない。
【0138】
[実施例2]
MCYK全ての色について、実施例1と同様のトナーA(D50=5.8μm、形状係数SF=130の重合トナー)を用意した。
また、中間転写部材として、厚さ80μmのポリイミド(PI)樹脂フィルムの表面に、層厚20μmの感光層(具体的な層構成は、特開平11−305557号公報の段落番号0122に記載のものと同一の構成)を設けたものを用意した。この中間転写部材の体積抵抗率ρvは14logΩcm、既述の方法で求められる表面微小硬度は20であった。
【0139】
また、中間転写部材の導電ポリイミド樹脂のカーボンブラック量を調整することで、体積抵抗率ρvが10logΩcmとなるようにした中間転写部材も用意した(前記表面微小硬度に変動はなし。)。これらの中間転写部材の部材を富士ゼロックス(株)製Docu Color1250に組み込んで、本実施例に用いる画像形成装置とした。
【0140】
前記中間転写部材表面に一次転写されたトナー画像における面積率100%のベタ画像のトナー質量TMA(g/m2)が12g/m2で、平均トナー帯電量TV=40μC/g、前記中間転写部材表面に一次転写されたトナー画像におけるトナーの電荷量Q=4×10-4(C/m2)となるような条件下で試験を行った。その結果、体積抵抗率ρv=14logΩcmの中間転写部材では、ブラーグレートはG1.5であった。これに対し、体積抵抗率ρv=10logΩcmの中間転写部材では、ブラーグレードはG4と低い結果となった。式(2−A)の左辺FAの値は、それぞれ、前者は0.8、後者は3.3であった。これからも、FAの値が3以下である本発明の画像形成装置では、ブラーが良好となることがわかる。
【0141】
[実施例3]
本実施例では、図4に示されるタンデム方式の画像形成装置を用いた。詳細は、基本的に第2の実施形態と同様である。
MCYK全ての色について、実施例1と同様のトナーA(D50=5.8μm、形状係数SF=130の重合トナー)を用意した。
【0142】
また、中間転写部材として、厚さ80μmのPI樹脂フィルム(基材層)の表面に、層厚200μmのクロロプレンゴム層(弾性層)を設け、さらにその表面にフッ素樹脂(FEPゴム系塗料、ダイエルラテックスGLS−213)をコートして層厚20μmの最表面層を設けたものを用意した。この中間転写部材の体積抵抗率ρvは11logΩcm、既述の方法で求められる表面微小硬度は1であった。この中間転写部材を用いて、図4に示される装置を製造した。
【0143】
また、MCYK全ての色の現像ユニット(不図示)について、用意したトナーAを投入した。その他の装置諸元は、以下の通りである。
感光体はφ84mmの有機感光体を用い、前記中間転写部材と感光体の周長を同じ値とし、一次転写はウレタンからなるφ18mmの導電性発泡ロールで、1kV印加した時の金属面への当てつけ抵抗値は7logΩに調整した。二次転写部のバックアップロールは、φ14mmの芯金にEPDMからなる導電材料で被覆した、アスカーC硬度70度の、φ20mmのロールの構成とし、1kV印加した時の金属面への当てつけ抵抗値を7logΩに調整したものを使用した。二次転写ロールは、金属シャフトにウレタンスポンジを構成し、アスカーC硬度30度で、抵抗は1kV印加した時の金属面への当てつけ抵抗値で、抵抗値は6.5logΩとした。ここでロールの軸方向長さは、A4横サイズが取れるサイズとしてそれぞれ、320mm長で構成した。また、画像形成装置は、プロセススピード260mm/secで動作させた。
【0144】
前記中間転写部材表面に一次転写されたトナー画像における面積率100%のベタ画像のトナー質量TMA(g/m2)が4g/m2、平均トナー帯電量TV=60μC/g、前記中間転写部材表面に一次転写されたトナー画像におけるトナーの電荷量Q=2.4×10-4c/m2となるような条件下で試験を行った。
【0145】
その結果、ブラーグレードはG1と良好であった。式(2−A)の左辺FAの値は、−2.4であり、本発明の範囲内に含まれる。
また、凹凸段差が約70μmあるエンボス紙を被記録材として転写性を評価したところ、目視で全く違和感が認められず、転写性も優れていることが確認された。表面微小硬度が極めて低いため、凹凸のある紙で転写抜けに効果があった。
【0146】
図5に示されるように、複数の二次転写ニップ部を結ぶ直線に対して、個々の中間転写部材を周内から押し出し、搬送ベルトをそれぞれ周外から押し込むように、保持ロールが配されているため、被記録材と中間転写部材との密着が高められ、転写不良を防ぐことができた。
さらに、中間転写部材の駆動を像担持体側からの駆動とし、像担持体からの従動駆動としたことで、中間転写部材を駆動させることによって招来する、中間転写部材の厚みの変動による色ずれを防ぐことができる。
【0147】
[実施例4]
本実施例では、図6に示されるタンデム方式の画像形成装置を用いた。詳細は、基本的に第3の実施形態と同様である。
MCYK全ての色について、体積平均粒径D50=5.8μmで形状係数SF=120の重合トナー(トナーC){約1μmのスチレンアクリルポリマービーズ、顔料およびワックスを乳化重合させたもの。}を用意した。
【0148】
また、中間転写部材としてアルミ基材のシリンダー(肉厚2.5mm)の表面に、層厚400μmのクロロプレンゴム層(弾性層)を設け、さらにその表面にフッ素樹脂(FEPゴム系塗料、ダイエルラテックスGLS−213)をコートして層厚20μmの最表面層を設けたものを用意した。この中間転写部材の体積抵抗率ρvは11LogΩcm、既述の方法で求められる表面微小硬度は0.4であった。この中間転写部材を用いて、図6に示される装置を製造した。
【0149】
また、MCYK全ての色の現像ユニット(不図示)について、用意したトナーCを投入した。その他の装置諸元は、以下の通りである。
感光体はベルト状の有機感光体を用い、前記中間転写部材は、φ84mmのドラム状とした。前記中間転写部材と感光体の周長は、同じ値とした。一次転写は前記中間転写部材の基材にバイアスを印加することで行う構成とし、二次転写は搬送ベルト内に設けた二次転写ロールにバイアスを印加することで行う構成とし、二次転写ロールは、金属シャフトの外側にウレタンスポンジを構成し、アスカーC硬度30度で、1kV印加した時の金属面への当てつけ抵抗値を6.5logΩに調整した。ここでロールの軸方向長さは、A4横サイズが取れるサイズとしてそれぞれ、320mm長で構成した。また、画像形成装置は、プロセススピード260mm/secで動作させた。
【0150】
前記中間転写部材表面に一次転写されたトナー画像における面積率100%のベタ画像のトナー質量TMA(g/m2)が4g/m2、平均トナー帯電量TV=60μC/g、前記中間転写部材表面に一次転写されたトナー画像におけるトナーの電荷量Q=2.4×10-4c/m2となるような条件下で試験を行った。
【0151】
その結果、ブラーグレードはG1と良好であった。式(2−A)の左辺FAの値は、−1.1であり、本発明の範囲内に含まれる。
また、凹凸段差が約70μmあるエンボス紙を被記録材として転写性を評価したところ、目視で全く違和感が認められず、転写性も優れていることが確認された。表面微小硬度が極めて低いため、凹凸のある紙で転写抜けに効果があった。
【0152】
さらに、中間転写部材自体は駆動手段を有さず、像担持体と搬送ベルトが駆動を有し、これに前記中間転写部材が従動駆動する構成とした。また、搬送ベルト駆動側には駆動源に対しトルクリミッターが設けられているので、中間転写部材の厚みのばらつきによる色ずれの発生を、抑制することができた。
【0153】
[実施例5]
本実施例では、図7に示されるタンデム方式の画像形成装置を用いた。詳細は、基本的に第4の実施形態と同様である。
MCYK全ての色について、体積平均粒径D50=5.5μmで形状係数SF=115の重合トナー(トナーD){約1μmのスチレンアクリルポリマービーズ、顔料およびワックスを乳化重合させたもの}を用意した。
【0154】
また、中間転写部材として、厚さ80μmの導電樹脂フィルム(導電性ポリアニリン配合のポリイミド樹脂)の表面に、層厚24μmの感光層(実施例2と同一の構成)を設けたものを用意した。この中間転写部材の体積抵抗率ρvは14logΩcm、既述の方法で求められる表面微小硬度は20であった。この中間転写部材を用いて、図7に示される装置を製造した。
【0155】
また、MCYK全ての色の現像ユニット(不図示)について、用意したトナーDを投入した。その他の装置諸元は、以下の通りである。
有機感光体からなるφ84mmの感光ドラム301に対し、中間転写ベルト(中間転写部材)302を対向させ、バイアス印加する一次転写ロール309をφ18mmのウレタンスポンジからなる導電性ロールとし、該ロールは1000V印加で1kgの荷重での当てつけ抵抗値が7logΩとなるように調整した。二次転写部においては、それぞれ抵抗調整されたφ28mmの導電性ロールで構成されている。バックアップロール322は、アスカーC硬度70度で1000V印加で1kgの荷重での当てつけ抵抗値が7logΩ、二次転写ロール321は金属シャフトの外側にウレタンスポンジを構成しその上に0.5mmのウレタンゴム層を設けた構成で、アスカーC硬度25度とし、抵抗は1kV印加した時の金属面への当てつけ抵抗値が、6.5logΩになるように調整した。ここで両ロールの軸方向長さはA4横サイズが取れるサイズとしてそれぞれ、320mm長で構成した。また、画像形成装置は、プロセススピード260mm/secで動作させた。
【0156】
前記中間転写部材表面に一次転写されたトナー画像におけるベタ画像の最大トナー質量TMA(g/m2)が11.5g/m2、平均トナー帯電量TV=35μC/g、前記中間転写部材表面に一次転写されたトナー画像におけるトナーの電荷量Q=4.0×10-4c/m2となるような条件下で、露光装置330で中間転写ベルト302表面(感光層)の帯電電荷の除電を行い、画像を作成することで試験を行った。
【0157】
その結果、ブラーグレードはG1.5と良好であった。前記式(2−C)の左辺の値は、−3.3であり、本発明の範囲内に含まれる。
【0158】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置によれば、中間転写部材を用いて被記録材に転写積層させてカラー画像を形成する画像形成装置に、重合トナー等球形度の高いトナーを用いた際の、中間転写部材表面の積層トナー画像におけるトナーの飛び散り現象、すなわち多重ブラーを改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナーの電荷量Qの具体的な測定方法を説明するための説明図である。
【図2】中間転写部材の体積抵抗率の具体的な測定方法を説明するための説明図である。
【図3】本発明の一例である第1の実施形態にかかる画像形成装置の模式断面図である。
【図4】本発明の他の一例である第2の実施形態にかかる画像形成装置の模式断面図である。
【図5】図4の画像形成装置における2つの画像形成ユニットのみを抜き出した拡大図である。
【図6】本発明のさらに他の一例である第3の実施形態にかかる画像形成装置の模式断面図である。
【図7】本発明のさらにまた他の一例である第4の実施形態にかかる画像形成装置の模式断面図である。
【図8】実施例1の結果のうち、トナー質量TMAとブラーグレードとの関係を表すグラフであり、前者を横軸、後者を縦軸にプロットしたものである。
【図9】実施例1の結果のうち、中間転写部材の体積抵抗率とブラーグレードとの関係を表すグラフであり、前者を横軸、後者を縦軸にプロットしたものである。
【図10】中間転写部材を用いて被記録材に転写積層させてカラー画像を形成する従来からの画像形成装置を示す概略構成図である。
【符号の説明】
2…プラテンガラス、 3…原稿照明ユニット、 4…原稿照明用光源、 5,7,8…ミラー、 6…ミラーユニット、 9…結像レンズ、 11…画像読取データ出力手段、 12…書込画像データ出力手段、 13…画像メモリ、 14…レーザ駆動信号出力装置、 16…像担持体、 17…帯電ロール、 18…回転軸、 21…一次転写ロール、 22…像担持体クリーナ、 23…除電ランプ、 24…従動ロール、 25…駆動ロール、 26…アイドラロール、 27…テンションロール、 28…ウォーク補正ロール、 29…バックアップロール、 30…二次転写ロール、 31…コンタクトロール、 32…転写用電源回路、 33…転写ロールクリーナ、 34…中間転写部材クリーナ、35…給紙トレイ、 36…フィードロール、 37…レジストロール、 38…ガイド搬送路、 39…シートガイド部材、 40…搬送ベルト、 41…定着装置、 42…排紙トレイ、 100,200…画像形成ユニット、 102…電子写真感光体(像担持体)、 104,302…中間転写ベルト(中間転写部材)、 106,206…張架ロール、 110…保持ロール、 112…二次転写対向ロール、 114…二次転写ロール、 116…用紙搬送ベルト、118…用紙(被記録材)、 120…一次転写ロール、 122…搬送張架ロール、 202…電子写真感光ベルト(像担持体)、 204…中間転写ロール(中間転写部材)、 301…感光体ドラム(像担持体)、 303…露光装置、 304…帯電装置、 305…現像器、 306…クリーナ、 309…一次転写ロール、 310…画像形成装置、 311…搬送経路、 312…トレイ、 314…用紙搬送ベルト、 315…定着器、 316…ベルトクリーナ、 318…用紙(被記録材)、 320…二次転写装置、 321…二次転写ロール、 322…バックアップロール、 323…テンションロール、 326…クリーニングブレード、 327…コンタクトロール、 328…電源、329…シュート、 330…露光装置、 701…像担持体ドラム(像担持体)、 702…中間転写部材、 703…被記録材、 705〜708…現像器、 B…中間転写ベルト(中間転写部材)

Claims (16)

  1. 像担持体表面に形成されたトナー画像を中間転写部材表面に一次転写した後、これをさらに被記録材に二次転写する構成を複数含み、2色以上のトナーで被記録材にカラー画像を形成する画像形成装置であって、
    前記トナー画像を形成するために用いたトナーの、下記式(1)で表される形状係数SFが135以下であり、
    前記中間転写部材表面に一次転写されたトナー画像におけるトナーの電荷量Q(C/m2)と、該トナーの平均トナー帯電量TV(C/g)と、前記中間転写部材の体積抵抗率ρv(logΩcm)と、トナーの形状係数SFと、が下記式(2−A)の関係を満たすことを特徴とする画像形成装置。
    ・式(1)
    SF=(ML2×π/4A)×100
    {上記式中、MLはトナーの投影最大長さを表し、Aはトナーの投影面積を表す。}
    ・式(2−A)
    0.632×Q/TV−0.617×ρv−0.133SF+19.02≦3
  2. 像担持体表面に形成されたトナー画像を中間転写部材表面に一次転写した後、これをさらに被記録材に二次転写する構成を複数含み、2色以上のトナーで被記録材にカラー画像を形成する画像形成装置であって、
    前記トナー画像を形成するために用いたトナーの、下記式(1)で表される形状係数SFが135以下であり、
    前記中間転写部材表面に一次転写されたトナー画像における面積率100%のベタ画像の最大のトナー質量TMA(g/m2)と、前記中間転写部材の体積抵抗率ρv(logΩcm)と、トナーの形状係数SFと、が下記式(2−B)の関係を満たすことを特徴とする画像形成装置。
    ・式(1)
    SF=(ML2×π/4A)×100
    {上記式中、MLはトナーの投影最大長さを表し、Aはトナーの投影面積を表す。}
    ・式(2−B)
    0.632×TMA−0.617×ρv−0.133SF+19.02≦3
  3. 像担持体表面に形成されたトナー画像を中間転写部材表面に一次転写した後、これをさらに被記録材に二次転写する構成を複数含み、2色以上のトナーで被記録材にカラー画像を形成する画像形成装置であって、
    前記トナー画像を形成するために用いたトナーの、下記式(1)で表される形状係数SFが135以下であり、
    前記被記録材表面に二次転写されたトナー画像におけるトナーの電荷量Q’(C/m2)と、前記中間転写部材表面に一次転写されたトナー画像におけるトナーの平均トナー帯電量TV(C/g)と、トナーの形状係数SFと、が下記式(2−C)の関係を満たすことを特徴とする画像形成装置。
    ・式(1)
    SF=(ML2×π/4A)×100
    {上記式中、MLはトナーの投影最大長さを表し、Aはトナーの投影面積を表す。}
    ・式(2−C)
    0.632×Q’/TV−0.133SF+11.91≦3
  4. 前記中間転写部材の表面が感光層からなり、かつ、該感光層を露光する露光装置を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1に記載の画像形成装置。
  5. 前記像担持体と、その表面からトナー画像が一次転写される前記中間転写部材とからなる対が、前記積層されるトナー画像の色数分含まれることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1に記載の画像形成装置。
  6. さらに二次転写される前記被記録材を担持搬送する無端状の搬送ベルトを含み、該搬送ベルトの搬送方向に順に、前記像担持体と前記中間転写部材とからなる対が配設されてなることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置。
  7. 前記複数の中間転写部材がいずれも、無端ベルト状であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 前記複数の中間転写部材がそれぞれ、隣り合う二次転写対向ロールおよび保持ロールを含む複数のロールに張架され、かつ、前記搬送ベルトに対して、その搬送方向の上流側に前記保持ロールが、下流側に前記二次転写対向ロールが、各々位置するように面で当接しており、
    前記複数の中間転写部材および前記搬送ベルトを介して、前記二次転写対向ロールに対向する位置に、それぞれ二次転写ロールが配され、複数のニップ部を形成し、
    該複数のニップ部を結ぶ直線に対して、個々の前記中間転写部材を周内から押し出し、前記搬送ベルトをそれぞれ周外から押し込むように、前記保持ロールが配されることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 前記中間転写部材がいずれも、無端ベルト状の樹脂フィルムでできた基材層の外周面に、少なくとも、ゴム部材を塗布して弾性層が形成されてなる構成であることを特徴とする請求項7または8に記載の画像形成装置。
  10. 前記中間転写部材がいずれも、無端ベルト状の基材層の外周面に、弾性層が形成され、さらにその上に最表面層が形成されてなる構成であることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1に記載の画像形成装置。
  11. 前記複数の像担持体がいずれも、無端ベルト状であることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  12. 前記複数の中間転写部材がそれぞれ、前記像担持体に対して従動駆動することを特徴とする請求項6〜11のいずれか1に記載の画像形成装置。
  13. 前記像担持体の駆動と、前記搬送ベルトの駆動とが、独立した駆動手段によるものであることを特徴とする請求項6〜12のいずれか1に記載の画像形成装置。
  14. 前記複数の中間転写部材がそれぞれ、前記像担持体に対しても、前記搬送ベルトに対しても従動駆動し、該搬送ベルトとその駆動手段との接続に、トルクリミッターが介在することを特徴とする請求項13に記載の画像形成装置。
  15. 前記中間転写部材の表面微小硬度が、5以下であることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1に記載の画像形成装置。
  16. 前記被記録材に二次転写する中間転写部材の体積抵抗率ρv(logΩcm)が、12logΩcm以上であることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010002567A (ja) * 2008-06-19 2010-01-07 Konica Minolta Business Technologies Inc 中間転写体
CN112566335A (zh) * 2020-10-27 2021-03-26 一飞(海南)科技有限公司 一种无人机编队流光灯效实现方法、系统及无人机编队
US11560449B2 (en) 2005-04-22 2023-01-24 Mitsubishi Chemical Corporation Biomass-resource-derived polyester and production process thereof

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