JP2004198534A - 定着装置の温度制御方法および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】加熱ローラおよび加圧ローラを備えてなる定着装置のニップ部に転写媒体の先頭部が到達する時刻t0と、その直前に加熱ローラへの通電を開始する時刻との時間差t3が一定となるように、加熱ローラへの通電タイミングを制御する。具体的には、中間転写ベルトの周回に関連して出力される垂直同期信号Vsyncの立ち上がりから通電開始までの時間差Δtが一定となるようにする。こうすることで、通電開始から実際に転写媒体がニップ部に到達するまでの時間が一定となり、転写媒体がニップ部を通過するときの加熱ローラの温度を適正に保つことができる。
【選択図】 図5
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、トナー像として転写媒体上に担持されたトナーを加熱することによってトナー像を転写媒体に定着させる画像形成装置およびその定着装置の温度制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機およびファクシミリ装置などの画像形成装置には、紙、透明シートなどの転写媒体上に、形成すべき画像に対応して粉体トナーを付着させた後、トナーに熱を加えて融解させ転写媒体上に定着させることで永久画像を得るものがある。この種の定着装置としては従来より種々の形式のものが提案されているが、その中で最も一般的なのは、定着ローラ方式と呼ばれるものである(例えば、特許文献1参照)。これは、所定温度に加熱した加熱ローラと加圧ローラとのニップ部に転写媒体を通過させ、トナーに熱と圧力を加えることでトナーを転写媒体に定着させる方法である。
【0003】
このような定着装置においては、良好な定着特性を得るために、加熱ローラの温度が所定の温度範囲で安定していることが必要である。そこで、加熱ローラを加熱する加熱体へ供給する電力量を調節することによって、加熱ローラの温度制御を行っている。より具体的には、加熱ローラの温度を検出し、その検出結果に基づいて、一定の制御周期(例えば1秒)の1サイクルのうち加熱体に通電する期間(デューティ)を決定している。
【0004】
【特許文献1】
特許第3121495号公報(図1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
近年においては、画像形成装置に対する高速化、低消費電力化への要求が高まっており、これに伴って、定着装置に対しても、さらなるウォームアップ時間(定着可能温度に到達するまでの所要時間)の短縮、消費電力の低減が求められている。このような要求に応えるべく、加熱ローラとして比較的熱容量の小さいものが用いられる傾向にある。しかしながら、加熱ローラの熱容量を小さくすると、その温度変動が比較的大きくなってしまうという問題がある。特に、低温(常温程度)の転写媒体が定着装置に送り込まれてきたときに、熱容量の小さい加熱ローラでは急激に温度が変化してしまい、その結果、定着不良や濃度ムラ等の画像欠陥を引き起こしたり、転写媒体が過熱されて劣化するなど、良好な定着特性を得られないことがあった。
【0006】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、定着装置の温度を安定に制御して良好な定着特性を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかる画像形成装置は、上記目的を達成するため、トナー像を転写媒体上に形成する像形成動作を実行する像形成手段と、前記トナー像を前記転写媒体に定着させるべく、前記トナー像を構成する前記転写媒体上のトナーを加熱する加熱手段と、前記加熱手段への通電をオン/オフすることによって前記加熱手段を所定の温度に制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記像形成手段から前記加熱手段へ搬送されてくる前記転写媒体の搬送タイミングに関連するタイミング信号に基づいて、前記加熱手段への通電を制御することを特徴としている。
【0008】
この種の画像形成装置では、転写媒体が加熱手段により加熱される加熱位置を通過する間、加熱手段の温度が所定の温度範囲内に保たれていなければならない。そこで、加熱手段に断続的に通電することによって温度制御を行うが、通電のオン/オフが実際の温度に反映されるまでには時間遅れがある。一方、常温の転写媒体が加熱位置に搬送されてくると、加熱手段の熱が転写媒体に奪われるため、加熱手段の温度は急激に低下することとなる。
【0009】
転写媒体の搬送タイミングとは関係なく、一定の制御周期で加熱手段への通電時間を調節することで加熱手段の温度制御を行った場合には、転写媒体が加熱位置に到達するタイミングと、加熱手段への通電をオン/オフするタイミングとの間に相関性がなく、その結果、転写媒体が加熱位置を通過する間、加熱手段の温度を所定範囲に保持することが困難となる場合がある。
【0010】
これに対して、上記のように構成された画像形成装置では、加熱手段への通電のオン/オフを、転写媒体の搬送タイミングに関連するタイミング信号に基づいて制御する。そのため、加熱手段への通電のタイミングと、転写媒体が加熱位置に到達するタイミングとの間に一定の相関性を持たせることが可能となる。つまり、加熱手段に必要な電力を与えるタイミングと、転写媒体が到達するタイミングとの間の時間差を規定することができるため、実際に転写媒体が通過するときの加熱手段の温度を所定値に制御することが容易となる。その結果、この画像形成装置では、定着時の加熱手段の温度を安定に制御して良好な定着特性を得ることができる。
【0011】
なお、加熱手段の制御目標となる「所定の温度」は、一の値に限定されるものではなく、良好な定着特性を得られる限りにおいて、一定の幅を有する温度範囲として規定されてもよい。
【0012】
このような画像形成装置において、例えば、前記制御手段は、前記転写媒体の搬送タイミングに関連する繰り返し信号を前記タイミング信号として用いるとともに、その繰り返しの1サイクルにおける前記加熱手段への通電時間を調節することによって前記加熱手段の温度を制御するようにしてもよい。すなわち、加熱手段への通電のオン・オフ周期を繰り返し信号のサイクルに合わせるようにすれば、転写媒体が到達するタイミングと加熱手段への通電のタイミングとの調整を容易に行うことができる。
【0013】
また、例えば、前記制御手段は、前記転写媒体の搬送方向における前記転写媒体の先頭部が前記加熱手段により加熱開始される加熱位置に到達する到達時刻より所定時間前に、前記加熱手段への通電がオンとなるようにしてもよい。すなわち、加熱手段への通電期間の開始時刻と転写媒体の到達時刻との間の時間差を一定とすることによって、転写媒体が通過するときの加熱手段の温度を効果的に制御することができる。
【0014】
ここで、前記像形成手段が、互いに異なる態様で前記トナー像を形成する複数の動作モードの一つを前記像形成動作として選択的に実行可能となっている画像形成装置においては、前記複数の動作モード毎に前記所定時間を設定するのが好ましい。ここでいう「態様の異なる複数の動作モード」とは、例えば、材質・特性の異なる転写媒体のそれぞれに対応した設けられた動作モード(普通紙モード、厚紙モードなど)、転写媒体のサイズの違いに対応した動作モード、要求される画像品質の相違に対応した動作モード(高画質モード、標準画質モードなど)、使用トナー色に対応した動作モード(モノクロモード、カラーモードなど)等、必要に応じて、またはユーザの希望に応じて、画像を形成するときの何らかの動作条件を異ならせた動作モードのことである。
【0015】
これらの各動作モード間では、装置の動作速度や加熱手段の熱負荷となる転写媒体の熱容量などが互いに相違している。そこで、前記した加熱手段への通電期間の開始時刻と転写媒体の到達時刻との間の時間差を各動作モード毎に個別に設定することで、加熱手段の温度を各動作モードに応じて適切に制御することが可能となる。
【0016】
また、前記制御手段による前記加熱手段の制御目標温度を変更設定可能となっている場合にも、前記制御目標温度に応じて前記所定時間が設定するようにするのが好ましい。
【0017】
また、前記転写媒体への前記トナー像の定着を行わないとき、つまり、転写媒体が加熱手段に送り込まれてくることがないときには、加熱手段の熱負荷の変化は小さく、急激な温度変化は起こり難い。そこで、この場合には、前記制御手段は、一定の制御期間毎に該期間内における前記加熱手段への通電時間を調節するようにしてもよい。
【0018】
また、前記加熱手段の温度を検出する温度検出手段をさらに備え、その検出結果に基づいて、前記制御手段が前記加熱手段の温度を制御するようにしてもよい。こうすることで、加熱手段の実際の温度に応じた適切な温度制御を行うことができる。
【0019】
さらに、前記制御手段は、前記タイミング信号および前記温度検出手段の検出結果に基づいて、前記加熱手段への通電時間を決定するようにしてもよい。つまり、温度検出手段による検出結果に基づいて現在までの加熱手段の温度またはその変化を把握するとともに、タイミング信号に基づいて転写媒体の到達タイミングを把握し、これらの情報に基づいて加熱手段への通電を制御することで、転写媒体が通過するときの加熱手段の温度をより確実に所定値に制御することができる。
【0020】
また、この発明にかかる定着装置の温度制御方法は、温度制御された加熱手段によりトナー像を構成する転写媒体上のトナーを加熱して前記トナー像を前記転写媒体上に定着させる定着装置の温度制御方法であって、上記目的を達成するため、前記定着装置に搬送されてくる前記転写媒体の搬送タイミングに関連するタイミング信号に基づいて、前記加熱手段への通電をオン/オフすることによって、前記加熱手段を所定の温度に制御することを特徴としている。
【0021】
このように構成された発明では、上記した画像形成装置と同様に、加熱手段への通電のタイミングと、転写媒体が加熱手段により加熱される加熱位置に到達するタイミングとの間に一定の相関性を持たせることが可能となる。そのため、実際に転写媒体が通過するときの加熱手段の温度を所定値に制御することが容易となる。その結果、定着時の加熱手段の温度を安定に制御して良好な定着特性を得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1はこの発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図である。また、図2は図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。この装置は、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の4色のトナーを重ね合わせてフルカラー画像を形成したり、ブラック(K)のトナーのみを用いてモノクロ画像を形成する画像形成装置である。この画像形成装置では、ユーザからの画像形成要求に応じてホストコンピュータなどの外部装置から画像信号がメインコントローラ11に与えられると、このメインコントローラ11からの指令に応じてエンジンコントローラ10がエンジン部EGの各部を制御してシートSに画像信号に対応する画像を形成する。
【0023】
このエンジン部EGでは、感光体2が図1の矢印方向D1に回転自在に設けられている。また、この感光体2の周りにその回転方向D1に沿って、帯電ユニット3、ロータリー現像ユニット4およびクリーニング部5がそれぞれ配置されている。帯電ユニット3は帯電制御部103から帯電バイアスを印加されており、感光体2の外周面を所定の表面電位に均一に帯電させる。
【0024】
そして、この帯電ユニット3によって帯電された感光体2の外周面に向けて露光ユニット6から光ビームLが照射される。この露光ユニット6は、露光制御部102から与えられる制御指令に応じて光ビームLを感光体2上に露光して画像信号に対応する静電潜像を形成する。例えば、ホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース(I/F)112を介してメインコントローラ11のCPU111に画像信号が与えられると、エンジンコントローラ10のCPU101が露光制御部102に対し所定のタイミングで画像信号に対応した制御信号を出力し、これに応じて露光ユニット6から光ビームLが感光体2上に照射されて、画像信号に対応する静電潜像が感光体2上に形成される。
【0025】
こうして形成された静電潜像は現像ユニット4によってトナー現像される。すなわち、この実施形態では、現像ユニット4は、軸中心に回転自在に設けられた支持フレーム40、図示を省略する回転駆動部、支持フレーム40に対して着脱自在に構成されてそれぞれの色のトナーを内蔵するイエロー用の現像器4Y、シアン用の現像器4C、マゼンタ用の現像器4M、およびブラック用の現像器4Kを備えている。この現像ユニット4は、図2に示すように、現像器制御部104により制御されている。そして、この現像器制御部104からの制御指令に基づいて、現像ユニット4が回転駆動されるとともにこれらの現像器4Y、4C、4M、4Kが選択的に感光体2と当接または所定のギャップを隔てて対向する所定の現像位置に位置決めされて、選択された色のトナーを感光体2の表面に付与する。これによって、感光体2上の静電潜像が選択トナー色で顕像化される。
【0026】
上記のようにして現像ユニット4で現像されたトナー像は、一次転写領域TR1で転写ユニット7の中間転写ベルト71上に一次転写される。転写ユニット7は、複数のローラ72〜75に掛け渡された中間転写ベルト71と、ローラ73を回転駆動することで中間転写ベルト71を所定の回転方向D2に回転させる駆動部(図示省略)とを備えている。そして、カラー画像をシートSに転写する場合には、感光体2上に形成される各色のトナー像を中間転写ベルト71上に重ね合わせてカラー画像を形成するとともに、カセット8から取り出され搬送経路Fに沿って二次転写領域TR2まで搬送されてくる「転写媒体」であるシートS上にカラー画像を二次転写する。また、こうしてカラー画像が形成されたシートSは定着ユニット9を経由して装置本体の上面部に設けられた排出トレイ部に搬送される。この定着ユニット9は、本発明の「定着装置」として機能するものであるが、その構造および機能については後に詳述する。このように、この実施形態では、エンジン部EGが「像形成手段」として機能している。
【0027】
また、ローラ75の近傍には、クリーナ76および垂直同期センサ77が配置されている。これらのうち、クリーナ76は図示を省略する電磁クラッチによってローラ75に対して近接・離間移動可能となっている。そして、ローラ75側に移動した状態でクリーナ76のブレードがローラ75に掛け渡された中間転写ベルト71の表面に当接し、二次転写後に中間転写ベルト71の外周面に残留付着しているトナーを除去する。また、垂直同期センサ77は、中間転写ベルト71の基準位置を検出するためのセンサであり、中間転写ベルト71の回転駆動に関連して出力される同期信号、つまり垂直同期信号Vsyncを得るための垂直同期センサとして機能する。そして、この装置では、各部の動作タイミングを揃えるとともに各色で形成されるトナー像を正確に重ね合わせるために、装置各部の動作はこの垂直同期信号Vsyncに基づいて制御される。
【0028】
また、二次転写領域TR2から定着ユニット9に至る搬送経路F上には、フォトインタラプタからなる定着前センサ78が設けられており、搬送経路F上におけるシートSのジャム発生検知に用いられる。すなわち、シートS上への画像形成動作を実行するとき、所定のタイミングでシートSがこの定着前センサ78を通過するか否かによって、シートSが正しく搬送されたか、あるいは搬送経路Fの途中でジャムを起こしたかを判断することができる。
【0029】
なお、図2において、符号113はホストコンピュータなどの外部装置よりインターフェース112を介して与えられた画像を記憶するためにメインコントローラ11に設けられた画像メモリであり、符号106はCPU101が実行する演算プログラムやエンジン部EGを制御するための制御データなどを記憶するためのROM、また符号107はCPU101における演算結果やその他のデータを一時的に記憶するRAMである。
【0030】
図3はこの画像形成装置の定着ユニットを示す図である。より詳しくは、図3(a)は定着ユニット9の構造を示す拡大断面図であり、図3(b)は定着ユニット9の制御回路を示す図である。この定着ユニット9では、加熱ローラ91と加圧ローラ92とがニップ部Nにおいて当接するように配置されている。加熱ローラ91は、円筒状に形成されたスリーブ91bと、その内部に挿入されたヒータ91cとを備えている。スリーブ91bは、例えば、鉄、銅、アルミニウムやその合金など、熱伝導性の高い金属で形成されるのが好ましい。また、ヒータ91cとしては、例えばハロゲンランプを用いることができる。
【0031】
スリーブ91bの表面には、トナーを均一に加熱して定着ムラの発生を抑制し、また加熱ローラ91へのトナーの融着を防止するための表面層91aが設けられている。この表面層91aは、耐熱性および弾性を有する材料で形成されるが、熱伝導率の高い材料を用いることがより好ましい。このような材料としては、例えばシリコーンゴムやフッ素樹脂などの樹脂材料を用いることができる。また、加熱ローラ91の表面温度を検出する「温度検出手段」としてのサーミスタ93が、加熱ローラ91の表面層91aに当接して設けられている。また、加圧ローラ92も、加熱ローラ91と同様に、金属管または金属棒の表面にシリコーンゴム等の表面層を設けたものを用いることができるが、広いニップ幅を確保するため、表面層の厚さは加熱ローラ91のそれより大きくするのが好ましい。これらのローラ91、92は、後述する定着動作を実行するときには、図3(a)においてそれぞれの上方に示した矢印の方向に回転する一方、加熱ローラ91は所定温度に温度制御される。
【0032】
このように構成された定着ユニット9では、次のようにして加熱ローラ91の表面温度が制御されている。すなわち、加熱ローラ91に当接しているサーミスタ93の電気抵抗は加熱ローラ91の表面温度によって変化する。サーミスタ93にはプルアップ抵抗94を介して直流電源電圧が印加されているので、その端子電圧Vthも温度により変化する。そのため、CPU101はサーミスタ93の端子電圧Vthから加熱ローラ91の表面温度を求めることができる。CPU101は、こうして求めた加熱ローラ91の実際の温度とその目標温度とに基づいてヒータ91cへの通電をオン・オフ制御することによって、加熱ローラ91の表面温度を所定温度に制御する。より具体的には、ヒータ91cと、該ヒータ91cに電力を供給する交流電源97との間にリレー96が介挿されており、CPU101がリレー96を制御して、ヒータ91cへの通電をオン・オフする。これによって加熱ローラ91の表面温度が上昇または下降する。すなわち、この実施形態では、CPU101が「制御手段」として機能している。
【0033】
CPU101による通電の制御方法としては、温度制御法として従来より公知の種々の制御方法を用いることができるが、例えば、加熱ローラ91を常温から所定温度まで素早く上昇させる必要があるウォームアップ時にはPD制御を、またその温度を所定の温度範囲に保つ必要がある定着動作時にはPI制御を用いるのが好ましい。また、交流電源97としては、商用交流電源をそのまま、あるいはトランスにより絶縁・電圧変換したものを用いることができる。
【0034】
この定着ユニット9による画像の定着動作について、図3(a)を参照しながら説明する。カセット8から二次転写領域TR2(図1)に搬送されたシートSには、中間転写ベルト71上に担持されていたトナー像Imが転写される。このとき、トナー像Imは静電気力によって単にシートS上に付着しているだけであり、擦過されると容易に剥落してしまう状態である。このシートSは、定着ユニット9の下方からニップ部Nに向けて搬送されてくる。そして、シートSがニップ部Nを通過する間に、トナー像Imを構成しているトナーが加熱ローラ91からの熱により融解するとともに加圧され、シートSに融着される。こうしてトナー像ImがシートS上に定着される。すなわち、この実施形態では、加熱ローラ91が本発明の「加熱手段」として機能しており、またニップ部Nが「加熱位置」に相当している。
【0035】
良好な定着特性を得るためには、ニップ部Nを通過するシートSに対しトナーを融解させるに十分な熱量と一定の圧力とを与えることができればよい。この点からは、加熱ローラ91の温度は必ずしも厳密に一定に保つ必要はなく、少なくともシートSがニップ部Nを通過する間、ある温度範囲内に保たれていればよい。特に温度変動が大きくなるのはシートSがニップ部Nを通過するときであるが、シートSがニップ部Nに到達するタイミングは装置各部の動作の進行状況から把握することができるものであるから、それに伴う温度変化を見越した電力をヒータ91cに与えるようにすれば、加熱ローラ91の温度を適正に保つことが可能である。
【0036】
例えば、1秒ないし数秒程度の制御期間毎に、その期間内におけるヒータ91cへの通電時間を調節することによって上記目的を達成することができる。ただし、与えた電力が加熱ローラ91表面の温度上昇として反映されるまでに時間遅れがあるため、この電力供給は、ニップ部NにシートSが到達するタイミングに先んじて行う必要がある。この時間遅れ量は、ヒータ91cの発熱量や加熱ローラ91の熱容量等によって決まるものであって装置毎に異なっている。したがって、上記した制御期間の長さも、装置の特性に応じて適宜改変されるべきものである。さらに、ヒータ91cへの通電開始と、シートSがニップ部Nに到達するタイミングとの時間差についても考慮する必要がある。
【0037】
図4は加熱ローラへの通電タイミングと温度変化との関係を示す図である。シートSがニップ部Nにない状態では、ヒータ91cの熱負荷がほぼ一定であるため、温度を一定に保つのは比較的容易である。したがって、図4(a)に示すように、一定の制御周期Tc毎に加熱ローラ91の表面温度を検出して目標温度と比較し、その結果に基づいてヒータ91cへの通電時間を調節することによって加熱ローラ91の温度を所定範囲に保つことができる。より具体的には、サーミスタ93により検出した加熱ローラ91の表面温度が目標温度より低いときには通電時間を長くし(符号A)、逆に目標温度より高いときには通電時間を短くする(符号B)、あるいはこの期間の通電を行わない。
【0038】
しかし、シートSがニップ部Nに到達すると、加熱ローラ91の温度は急激に低下する。これを防止するためには、シートSがニップ部Nに到達する直前にヒータ91cへの電力供給量を増加させるのが効果的である。ただし、このとき、ヒータ91cへの通電のタイミングと、実際にシートSがニップ部Nに到達するタイミングとの時間関係が不定であれば、加熱ローラ91の温度変化は必ずしも想定したとおりにはならない。例えば、図4(b)に示すように、通電を開始してからシートSがニップ部Nに到達する時刻t0までに比較的長い時間t1がある場合には、加熱ローラ91の温度が上昇しすぎてしまう。逆に、図4(c)に示すように、通電開始からシートSがニップ部Nに到達するまでの時間t2が短ければ、温度上昇が遅れて加熱ローラ91の温度が低下してしまい、良好な定着特性を得るための適正な温度範囲から外れてしまうことがある。
【0039】
そこで、この実施形態では、ニップ部NへのシートSの搬送タイミングと、ヒータ91cへの通電タイミングとの間に一定の相関性を与え、シートSがニップ部Nを通過するときの加熱ローラ91の表面温度が確実に所定の温度範囲内に収まるようにしている。このように通電タイミングを管理することで加熱ローラ91の温度を制御する方法について、図5を参照してさらに詳しく説明する。
【0040】
図5はこの実施形態における通電タイミングを示す図である。この実施形態では、画像形成動作を行うときに一定速度で回転駆動される中間転写ベルト71の周回に関連して垂直同期センサ77から出力される垂直同期信号Vsyncを基準にして、ヒータ91cへの通電を制御するようにしている。すなわち、この実施形態では、温度制御の制御期間を垂直同期信号Vsyncの繰り返し周期に合わせている。このように、この実施形態では、垂直同期信号Vsyncが、本発明の「繰り返し信号」としての「タイミング信号」に相当する。より具体的には、図5に示すように、垂直同期信号Vsyncの立ち上がりと、ヒータ91cへの通電を開始するタイミングとの時間差Δtが一定となるように、ヒータ91cへの通電開始タイミングを設定する。
【0041】
このようにすることで、以下の作用効果が得られる。まず、シートS上の所定位置に正しく画像を転写するため、シートSの搬送は垂直同期信号Vsyncに合わせて行われる。そのため、垂直同期信号Vsyncの変化とニップ部NへのシートSの到達タイミングとの間も、一定の時間差に保たれている。ここで、上記したように、垂直同期信号Vsyncの立ち上がりとヒータ91cへの通電開始との時間差Δtが一定に保たれているため、シートSの先頭部がニップ部Nに到達する時刻t0と、その直前においてヒータ91cへの通電が開始される時刻との間の時間差t3も一定となる。
【0042】
加熱ローラ91の温度は、ヒータ91cへの通電による温度上昇と、シートSの通過による温度低下との相互作用によって決まる。上記のように、ヒータ91cへの通電を開始してから実際にシートSがニップ部Nに到達するまでの時間が一定していれば、上記相互作用の結果としての加熱ローラ91の温度変化を的確に予測することができる。そして、その予測に基づいてヒータ91cへの通電時間を決定することで、加熱ローラ91の温度を安定して制御することが可能となる。
【0043】
なお、この画像形成装置では、画像形成動作を実行する動作モードとして、普通紙(上質紙)への画像形成を行う普通紙モードと、より紙厚の大きい厚紙への画像形成を行う厚紙モードとを備えている。この厚紙モードでは、転写媒体であるシートS(厚紙)の熱容量が普通紙より大きいことを考慮して、普通紙モードよりシートSの搬送速度を落とし、より時間をかけてニップ部Nを通過させることでトナーを十分に融着させるようにしている。ただし、加熱によるシートSへのダメージを抑制するため、このときの目標温度は普通紙モードより若干低く設定している。より具体的には、普通紙モード、厚紙モードにおける加熱ローラ91の目標温度は、それぞれ194℃、190℃である。
【0044】
図6は加熱ローラの温度制御動作を示すフローチャートである。この画像形成装置では、画像形成動作を実行するとき、CPU101が図6に示す温度制御動作を実行することで、加熱ローラ91の温度を制御している。この温度制御動作では、まず、実行する動作モードが普通紙モードか厚紙モードかを判別し、その動作モードに応じた目標温度、時間差Δtおよびオフセット値を設定する(ステップS1)。この目標温度とは、加熱ローラ91の制御目標温度である。また、時間差Δtは、図5に示すものであり、垂直同期信号Vsyncの立ち上がりからヒータ91cへの通電開始までの時間に対応する。また、オフセット値とは、シートSがニップ部Nを通過するときの加熱ローラ91の温度低下を補う目的で設定されるものであるが、このオフセット値については後に詳述する。
【0045】
そして、垂直同期信号Vsyncの立ち上がりを待つ(ステップS2)。垂直同期信号Vsyncの立ち上がりを検出すると、サーミスタ93の端子電圧Vthの値から、現在の加熱ローラ91の表面温度を求める(ステップS3)。そして、その値と、先に設定した目標温度とに基づいて、ヒータ91cへの通電時間を算出する(ステップS4)。この通電時間は、従来より公知の温度制御技術、例えばPD制御またはPID制御の原理に基づいて算出することができる。
【0046】
CPU101は、垂直同期信号Vsyncに基づいてエンジン部EG各部を制御している。したがって、ニップ部NにシートSが到達する時刻を予測することができる。CPU101は、次の制御期間中にシートSがニップ部Nに到達するかどうかを判定し(ステップS5)、その判定結果がYESである場合には、上記で算出した通電時間に先に求めたオフセット値を加算する(ステップS6)。
【0047】
こうすることで、当該制御期間では、ヒータ91cへの通電時間がオフセット値に相当する分だけ延長されることとなる。これにより、シートSがニップ部Nに到達する直前のヒータ91cには、加熱ローラ91の温度を一定に保つために必要な電力量にさらに一定量が加算された電力量が供給される。
【0048】
この加算される電力量がシートSにより加熱ローラ91から奪われる熱量に相当する量となるように、上記オフセット値は設定されている。つまり、この実施形態では、シートSの通過により加熱ローラ91から奪われる熱量を補償するために必要十分な電力が、シートSのニップ部Nへの到達に先立ってヒータ91cに供給されている。そのため、シートSがニップ部Nを通過するときの温度変化は少なくなっており、その結果、良好な定着特性を得ることができる。
【0049】
一方、当該制御期間中にシートSが送り込まれてこない場合には、上記オフセット値の加算は行わない。そして、先の垂直同期信号Vsyncの立ち上がりから一定の時間Δtが経過するのを待ち(ステップS7)、上記で求めた通電時間だけ、リレー96(図3)をオンにしてヒータ91cへの通電を行う(ステップS8)。これにより、加熱ローラ91の温度を安定させるために必要な電力がヒータ91cに供給される。そして、定着動作を終了するときにはそのまま制御を終えるが、そうでない場合には、ステップS2に戻って上記動作を繰り返し実行する(ステップS9)。
【0050】
以上のように、この実施形態では、中間転写ベルト71の周回に関連して周期的に出力される垂直同期信号Vsyncに基づいて、加熱ローラ91の温度制御を行っている。そして、シートSがニップ部Nに到達する時刻t0の直前に、シートSによる吸熱量に見合うだけの電力を加熱ローラ91のヒータ91cに供給しており、これによって加熱ローラ91の温度低下を未然に防止している。しかも、ヒータ91cへの通電開始から実際にシートSがニップ部Nに到達するまでの時間t3が一定しているので、加熱ローラ91の温度変化を的確に予測して、必要かつ十分な電力量をヒータ91cに供給することができる。そのため、加熱ローラ91の温度を安定に保つことができる。
【0051】
また、このように加熱ローラ91の温度制御を行っているので、熱容量の小さい加熱ローラ91を用いることができ、ウォームアップ時間の短縮および消費電力の低減という要求にも応じることができる。
【0052】
なお、装置が画像形成動作を行わないときには中間転写ベルト71は停止しており、このとき垂直同期センサ77から垂直同期信号Vsyncは出力されない。この場合には、図4(a)に示すように、制御周期を一定としてヒータ91cへの通電を制御する従来と同様の温度制御技術を適用することができる。というのは、この場合、シートSの通過という大きな温度変動要因は存在せず、また、実際に定着動作をするわけではないので、加熱ローラ91の温度を厳しく管理する必要もないからである。このような一定周期での制御は、CPU101の動作クロックを適宜分周した信号やその他の周期信号に基づいて行うことができる。
【0053】
実際の画像形成動作では、外部から画像形成要求があったとき、まず中間転写ベルト71上にトナー像が形成され、そのトナー像がシートSに転写され、定着される。したがって、シートSがニップ部Nに到達する前までに、少なくとも数回の垂直同期信号Vsyncが出力されると考えられる。したがって、装置が待機状態にあるときには加熱ローラ91の温度制御は一定の制御周期Tcで行っておき、垂直同期信号Vsyncが検出されたときには、この信号Vsyncに基づいて温度制御を行うようにするのが好ましい。こうすることで、少なくともシートSがニップ部Nを通過するときの加熱ローラ91の温度については、確実に所定の温度範囲に収まるようにすることができる。
【0054】
また、シートSによる吸熱量は、シートSの厚さだけでなく、そのサイズによっても異なるから、上記したオフセット値は、使用するシートSのサイズ毎に設定されることが望ましい。
【0055】
なお、加熱ローラ91を所定温度に制御するためには、より短い制御周期で加熱ローラ91の表面温度を検知し、その検出結果と目標温度との比較に基づきヒータ91cへの通電を細かく制御する方法も考えられる。例えば、インバータを用いてヒータ91cへの通電を制御する方法や、サイリスタにより交流電圧の点弧角を制御する方法などがある。しかしながら、このような制御を実現するためにはより複雑な構成の装置を必要とする。前述したように、このような定着ユニット9においては、少なくともシートSがニップ部Nを通過するときの加熱ローラ91の温度が所定範囲内にあればよい。かかる要求に対してこのように複雑な制御を適用することは、装置コストの上昇を招くばかりであまり実効があるとはいえない。
【0056】
これに対して、この実施形態の装置における温度制御は、比較的長い(例えば1秒ないし数秒程度)制御周期でヒータ91cへの通電をオン/オフするという比較的簡単な制御であり、その通電タイミングをシート搬送タイミングに合わせて管理するのみであるため、特別な構成を必要とせず、低コストにて実現可能である。
【0057】
(第2実施形態)
図7はこの発明にかかる画像形成装置の第2実施形態を示す図である。この実施形態においても、装置の構成や基本的な動作は上述した第1実施形態の装置と同一である。ただし、加熱ローラ91の温度制御動作が一部異なっている。ここでは、図3および図7を参照して、上記した第1実施形態における温度制御動作と比較対照しながら第2実施形態における温度制御動作について説明する。
【0058】
第1実施形態の装置では、中間転写ベルト71の周回に関連して出力される垂直同期信号Vsyncに基づいて加熱ローラ91の温度制御を行っていた。これに対して、この第2実施形態においては、定着前センサ78の出力信号に基づいて加熱ローラ91の温度制御を行う。図3(a)に示すように、定着前センサ78は、シート搬送経路Fにおいて定着ユニット9の手前側に設けられたフォトインタラプタである。図3(a)の下方から搬送されてきたシートSが定着前センサ78を通過する間、その発光体と受光体との間の光の送受が遮断されるのでその出力信号はHからLレベルに変化し、これによりシートSの通過を検出することができる。
【0059】
こうして定着前センサ78を通過したシートSは次いで定着ユニット9のニップ部Nを通過する。したがって、定着前センサ78の出力信号は、シートSがニップ部Nに到達するタイミングを示すタイミング信号となりうる。つまり、シートSが定着前センサ78に到達してから、その搬送速度とニップ部Nまでの距離とで定まる所定時間後に、シートSがニップ部Nに到達するはずである。
【0060】
そこで、この実施形態では、図7(a)に示すように、定着前センサ78の出力信号の変化を検出した時には、その時刻からヒータ91cへの通電を開始するまでの時間Δtが一定となるように、ヒータ91cへの通電開始タイミングを設定している。こうすることで、第1実施形態の装置と同様に、ヒータ91cへの通電を開始してから実際にシートSがニップ部Nに到達するまでの時間t4は一定となり、シートSがニップ部Nを通過するときの加熱ローラ91の温度を所定の温度範囲に保つことができる。その結果、定着動作時の加熱ローラ91の温度は適正温度に保たれ、良好な定着特性を得ることができる。
【0061】
なお、定着前センサ78の出力信号がHレベルに保たれている場合には、第1実施形態と同様に、一定の制御周期Tcで温度制御を行えばよい。また、図7(b)に示すように、ヒータ91cへの通電中に定着前センサ78の出力がLレベルに変化した場合には、その時点で通電時間の再計算を行い、シートSのニップ部Nへの到達時刻t0より時間t4だけ前に、新たな制御期間を開始するようにすればよい。
【0062】
(その他)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、本発明の「タイミング信号」として用いることのできる信号は、上記した垂直同期信号Vsync、定着前センサ78の出力信号以外にも、シートSが定着ユニット9に搬送されてくるタイミングを知ることのできるものであれば何でもよい。例えば、搬送経路Fに沿ってシートSを搬送する給紙ローラ(図示せず)の制御信号をタイミング信号として使用してもよい。
【0063】
また、例えば、加熱ローラ91に設けるヒータ91cとしては、ハロゲンランプに限定されるものではなく、他の方式によるものであってもよいが、制御入力に応答して温度が素早く変化するものであることが望ましい。また、その制御目標温度については、上記数値に限定されず、トナーおよび転写媒体の特性に応じて適宜定めればよい。
【0064】
また、上記した実施形態では、サーミスタ93を加熱手段たる加熱ローラ91表面に当接させることによって加熱ローラ91の温度を検出しているが、加熱手段の温度を検出する方法はこれに限定されるものではない。例えば、非接触にて対象物の温度を測定する温度検出手段を用いてもよく、また、加熱手段の温度によって物性が変化する他の部材を介して間接的に加熱手段の温度を検出するようにしてもよい。
【0065】
また、例えば、上記各実施形態の画像形成装置では、普通紙モードおよび厚紙モードの2つの動作モードを備えており、各動作モード毎に加熱ローラ91の目標温度、時間差Δtおよびオフセット値の各パラメータを個別に設定するようにしている。しかしながら、これ以外の動作モードを備えるようにしてもよく、また、各パラメータをどのように変化させるかについても、各動作モードにおける装置の動作内容に応じて適宜設定すればよい。
【0066】
例えば、カラーモードとモノクロモードとの間では、これらのパラメータを同一としてもよい。ただし、カラーモードでは各色毎に形成したトナー像を順次中間転写ベルト71上に重ねてフルカラー画像を形成した後にシートS上に転写する。そのため、垂直同期信号Vsyncが出力されてから何カウント目がシート搬送タイミングを規定するものとなるかについては、カラーモードとモノクロモードとでは異なることとなるので注意を要する。
【0067】
また、上記した各実施形態は、4色のトナーによるフルカラー画像を形成可能な画像形成装置であるが、本発明はこのような装置に限らず、例えばブラック色トナーに対応した現像器のみを備え、モノクロ画像を形成する画像形成装置に対しても適用が可能である。また、上記実施形態は、ホストコンピュータからの画像信号に対応した画像を形成するプリンタとしての画像形成装置であるが、これ以外にも、複写機、ファクシミリ装置など他の画像形成装置に対しても、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかる画像形成装置の第1実施形態を示す図である。
【図2】図1の画像形成装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図3】この画像形成装置の定着ユニットを示す図である。
【図4】加熱ローラへの通電タイミングと温度変化との関係を示す図である。
【図5】この実施形態における通電タイミングを示す図である。
【図6】加熱ローラの温度制御動作を示すフローチャートである。
【図7】この発明にかかる画像形成装置の第2実施形態を示す図である。
【符号の説明】
9…定着ユニット(定着装置)、 77…垂直同期センサ、 78…定着前センサ、 91…加熱ローラ(加熱手段)、 91c…ヒータ、 93…サーミスタ(温度検出手段)、 101…CPU(制御手段)、 EG…エンジン部(像形成手段)、 N…ニップ部(加熱位置)、 S…シート(転写媒体)、 Vsync…垂直同期信号(タイミング信号)
Claims (9)
- トナー像を転写媒体上に形成する像形成動作を実行する像形成手段と、
前記トナー像を前記転写媒体に定着させるべく、前記トナー像を構成する前記転写媒体上のトナーを加熱する加熱手段と、
前記加熱手段への通電をオン/オフすることによって前記加熱手段を所定の温度に制御する制御手段と
を備え、
前記制御手段は、前記像形成手段から前記加熱手段へ搬送されてくる前記転写媒体の搬送タイミングに関連するタイミング信号に基づいて、前記加熱手段への通電を制御することを特徴とする画像形成装置。 - 前記制御手段は、前記転写媒体の搬送タイミングに関連する繰り返し信号を前記タイミング信号として用いるとともに、その繰り返しの1サイクルにおける前記加熱手段への通電時間を調節することによって前記加熱手段の温度を制御する請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記転写媒体の搬送方向における前記転写媒体の先頭部が前記加熱手段により加熱開始される加熱位置に到達する到達時刻より所定時間前に、前記加熱手段への通電がオンとなるようにする請求項1または2に記載の画像形成装置。
- 前記像形成手段が、互いに異なる態様で前記トナー像を形成する複数の動作モードの一つを前記像形成動作として選択的に実行可能な請求項3の画像形成装置において、
前記複数の動作モード毎に前記所定時間が設定されている画像形成装置。 - 前記制御手段による前記加熱手段の制御目標温度を変更設定可能となっており、しかも、前記制御目標温度に応じて前記所定時間が設定される請求項3または4に記載の画像形成装置。
- 前記転写媒体への前記トナー像の定着を行わないとき、前記制御手段は、一定の制御期間毎に該期間内における前記加熱手段への通電時間を調節する請求項1ないし5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記加熱手段の温度を検出する温度検出手段をさらに備え、その検出結果に基づいて、前記制御手段が前記加熱手段の温度を制御する請求項1ないし6のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記制御手段は、前記タイミング信号および前記温度検出手段の検出結果に基づいて、前記加熱手段への通電時間を決定する請求項7に記載の画像形成装置。
- 温度制御された加熱手段によりトナー像を構成する転写媒体上のトナーを加熱して前記トナー像を前記転写媒体上に定着させる定着装置の温度制御方法において、
前記定着装置に搬送されてくる前記転写媒体の搬送タイミングに関連するタイミング信号に基づいて、前記加熱手段への通電をオン/オフすることによって、前記加熱手段を所定の温度に制御することを特徴とする定着装置の温度制御方法。
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-
2002
- 2002-12-16 JP JP2002364178A patent/JP2004198534A/ja active Pending
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