JP2004198447A - 偽造防止用スレッド、偽造防止用基材、および偽造防止用印刷物 - Google Patents
偽造防止用スレッド、偽造防止用基材、および偽造防止用印刷物 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】基材2上に印刷3、スレッド4等を有する偽造防止用印刷物1のスレッド4を、原画像に基づく多値化された深さ情報を複数種類有するか、もしくは、その深さ情報と回折格子の情報とを有する微小区域4aが配列されたものとして構成し、課題を解決することができた。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、偽造防止用に適したスレッド、そのスレッドを利用した基材、および、その基材を用いた偽造防止用印刷物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
クレジットカードもしくは銀行カード等のカード類、紙幣、金券、もしくは各種用途のプリペイドカード等は、いずれも、直接的もしくは間接的に経済的な価値を有するので、それらが正当に発行されたものであることの保証が可能な機能と、偽造や変造を防止し得る機能を持つ手段が付与されていることが望まれている。
【0003】
従来、それらの機能を持つ真正性確認用手段としては、製造に高度な技術を要する上、複製が困難である点で、ホログラムが用いられており、クレジットカードや高額商品の包装用ケース等には、適用されていることが多い。
【0004】
ところで、ホログラムを適用する際に、ホログラムを裁断する等により、例えば、0.2mm〜5mm程度のごく狭い幅のテープ状もしくは糸状のスレッドを作成し、このスレッドを適宜な基材に貼り付ける等により適用することが行なわれており、その適用に当たり、様々なやり方が提案されている。
【0005】
本出願人は、ホログラムパターンを有する複数本のスレッドが互いに平行に基紙に抄き込まれており、各スレッドは、表面に表出する表出部と、基紙の素材で被覆される被覆部とを交互に有しているものを既に出願している。(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−290896号公報(特許請求の範囲)
【0007】
上記の技術によれば、ホログラムパターンを有する一本のスレッドが適用された従来品にくらべて、スレッドを複数本としたので、複雑性が増している上に、表出部と被覆部の存在により、ホログラムパターンの見え方がより複雑化するので、カラーコピー機等を用いた複製が困難となる利点が生じる。しかしながら、用いるホログラムパターンについては特に限定がないので、表出部と被覆部を形成する方法を除けば、ホログラムパターンとして、従来の方式によるものを用いれば、依然として偽造が行なわれる危険性を有している。
【0008】
本出願人は、カード等の真正性証明用に、原画像のフーリエ変換像の位相情報を多値化して深さとして記録した微小区域を、原画像の異なるものを並べて微小光学単位とし、その微小光学単位を配列して光学構造体とすること、および、そのような光学構造体を基材に有する真正性証明用記録体を提案している。(例えば、特許文献2参照。)。また、回折格子を記録した微小区域を含んで微小光学単位を構成し、その微小光学単位を配列して光学構造体とすること、および、そのような光学構造体を基材に有する真正性証明用記録体も提案している。(例えば、特許文献3参照。)。
【0009】
【特許文献2】
特願2001−313820号(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特願2001−313821号(特許請求の範囲)
【0010】
上記の特許文献2および特許文献3に記載された光学構造体は、レーザー光再生型であって、しかも、原画像を異にする微細な区域どうしか、もしくは回折格子を記録した微小区域を含んで、モザイク状に配列されたものであるから、従来のホログラムパターンにくらべて、その解析の困難性が増しており、基材に適用した際の真正性確認用手段としての価値がより高いものであるが、基材に適用するに当たって、光学構造体からスレッドを得て、そのスレッドを適用することは述べられていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明においては、従来、ホログラムパターンを有するスレッドを基材に適用する際には、ホログラムパターンとしては、特に限定のないホログラムに基づくものが使用されたため、本物に似せて作成される危険性を有していた点を解消することを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決する手段】
発明者の検討によれば、ホログラムパターンを有するスレッドとして、上記の特許文献2に記載されたような、原画像のフーリエ変換像の位相情報を多値化して深さとして記録した微小区域を、原画像の異なるものを並べて微小光学単位とし、その微小光学単位を配列して光学構造体としたものを用いること、もしくは、上記の特許文献3に記載されたような、回折格子を記録した微小区域を含んで微小光学単位を構成し、その微小光学単位を配列して光学構造体としたものを用いることにより、ホログラムパターンの解析が困難なスレッド、そのスレッドを有する偽造防止用基材、およびその偽造防止用基材を用いた偽造防止用印刷物を得ることが可能とすることができた。
【0013】
第1の発明は、原画像のフーリエ変換像の位相情報を多値化して深さとして記録した微小区域が、前記原画像が異なる複数種類配列された光学的構造を有していることを特徴とする偽造防止用スレッドに関するものである。
【0014】
第2の発明は、原画像のフーリエ変換像の位相情報を多値化して深さとして記録した微小区域が、一種類もしくは前記原画像の異なる複数種類と、回折格子を記録した微小区域が、一種類もしくは前記回折格子の異なる複数種類配列された光学的構造を有していることを特徴とする偽造防止用スレッドに関するものである。
【0015】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記原画像のフーリエ変換像の位相情報を多値化して深さとして記録した微小区域の前記原画像の同じものどうし、または、前記原画像のフーリエ変換像の位相情報を多値化して深さとして記録した微小区域の前記原画像の同じものどうしおよび前記回折格子を記録した微小区域の前記回折格子の同じものどうしが、複数配列されて組を構成しており、前記組を単位として配列された光学的構造を有していることを特徴とする偽造防止用スレッドに関するものである。
【0016】
第4の発明は、第1〜第3いずれかの発明の偽造防止用スレッドが基材に適用されていることを特徴とする偽造防止用基材に関するものである。
【0017】
第5の発明は、第4の発明において、前記偽造防止用スレッドが基材の表面に貼り付けられていることを特徴とする請求項4記載の偽造防止用基材に関するものである。
【0018】
第6の発明は、第4の発明において、前記偽造防止用スレッドを基材の内部に有していることを特徴とする偽造防止用基材に関するものである。
【0019】
第7の発明は、第6の発明において、前記偽造防止用スレッドの一部が基材が有する凹部より露出していることを特徴とする偽造防止用基材に関するものである。
【0020】
第8の発明は、第4〜第7いずれかの発明の偽造防止用基材に印刷が施されていることを特徴とする偽造防止用印刷物に関するものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の偽造防止用印刷物の一例、およびそこに用いられているスレッドを説明する図である。図2は、スレッドにおけるホログラムもしくは回折格子の配列の例を示す図である。図3は、原画像に基づく多値化された深さ情報を得る方法を説明する図である。図4は、偽造防止用基材にスレッドを適用する際に用いられる幾つかの様式を示す図である。また、図5は、本発明の偽造防止用印刷物を用いた確認方法を示す図である。
【0022】
図1(a)は、本発明の偽造防止用印刷物1の実施例を示すものであり、図示の例では、金券として使用されることを意図したものである。この偽造防止用印刷物1は、横長の長方形の基材2の片面に、金額や発行元等の数字や文字、およびその他の印刷3が設けられており、基材2の長手方向の右端寄りの部分には、いずれも基材2の短辺に平行な2本のスレッド4が間隔をおいて貼り付けられて適用されており、これらのスレッドが、見た目の装飾的な外観を与える。適用されるスレッド4の数は、1本でもよいし、2本以上の複数でもよい。スレッド4は、例えば、幅が0.2mm〜5mm程度のごく狭いテープ状、もしくは糸状のものであることが普通であるが、幅が10mm前後の比較的広いものでもあり得る。なお、スレッド4にレーザー光を照射してパターン(像)を再生させ、真偽の確認を行なうためには、スレッド4の幅はレーザー光のスポット径より大きい方が好ましく、この意味では、スレッド4の幅は2μm以上であることが好ましい。また、スレッド4の厚みはごく薄く、1μm〜50μm程度のものである。スレッド4の基材2への適用の様式としては、上記の貼り付け以外にも、幾つかのものがあり、後に述べる。
【0023】
スレッド4は、図1(b)に一部を拡大して示すように、ホログラムもしくは回折格子の光回折構造を有する微小区域4aどうしが配列したものから構成されており、図1(b)に示す例では、微小区域4aの形状は正方形であり、微小区域4aの配列は、縦横の格子状の配列であるが、これら、微小区域4aの形状および配列には制約はない。なお、「光回折構造」はホログラムおよび回折格子を包含する意味で用いる。微小区域4aは、視覚的な確認を困難にする目的で、大きさが小さい方が好ましく、具体的には、0.3mm以下であることが好ましい。微小区域4aの大きさが0.3mmを超える場合、微小区域4aが視認できる可能性が高まり、解析される可能性が生じるからである。なお、微小区域4aの大きさは、正方形であれば一辺の長さ、長方形であれば長辺の長さ、円であれば直径、楕円であれば長径等で示し、その他の形状であれば、差し渡し寸法の最大値で示すものとする。
【0024】
微小区域4aの大きさは、光回折構造が有するパターン(像)の再生に用いるレーザービームの径よりも充分小さい方が好ましい。隣接する複数の微小区域4aの集団毎に同じ光回折構造が記録されているときは、その微小区域4aの集団の大きさが、レーザービームの径よりも小さいことが好ましく、このような関係であれば、レーザー光の照射時に、集団内のすべての光回折構造が有するパターン(像)の再生が可能になる。あるいは、複数の光回折構造を有する微小区域4aの集団が、スレッド4内の光回折構造の繰り返し単位となっている場合も、繰り返し単位の大きさが、レーザービームの径よりも小さいことが好ましく、やはり、レーザー光の照射時に、繰り返し単位内のすべての光回折構造が有するパターン(像)の再生が可能になる。従って、隣接する複数の微小区域4aの集団毎に同じ光回折構造が記録されている場合の集団の大きさ、および、複数の光回折構造を有する微小区域4aの集団がスレッド4内の光回折構造の繰り返し単位となっている場合の繰り返し単位の大きさは、それらの中に、少なくとも二以上の微小区域4aが形成できる限り、小さくすることができるが、量産に支障がなく、再生された像の観察のしやすい点から、10μm以上であることが好ましい。
【0025】
スレッド4の各々の微小区域4aには、一つずつ光回折構造が記録されており、具体的な光回折構造は、スレッド4の全体では二種類以上であるホログラムのいずれかであるか、または、二種類以上であり得るホログラムと二種類以上であり得る回折格子のいずれかである。これら二種類以上の光回折構造は、微小区域毎に、異なるものが記録されていても、隣接する複数の微小区域の集団毎に同じものが記録されていてもよい。
【0026】
図1(c)および(d)は、図1(b)のスレッド4の各微小区域4aに、ホログラムもしくは回折格子を配列する好ましいやりかたの例を示すものである。ここでは、縦横に隣接しあう、「田の字」状の四つの微小区域の各々に、ホログラムもしくは回折格子を配列して得られる、四つの微小区域の組からなる繰り返し単位を、図中の左右上下に並べて配列してスレッド4の光学的構造を構成することを想定しており、図1(c)に示す繰り返し単位は、左下および右上の微小区域にホログラムA(符号5A)を、右下および左上の微小区域に、ホログラムAとは異なるホログラムB(符号5B)を配列したものであり、また、図1(d)に示す繰り返し単位は、左下および右上の微小区域にホログラム5を、右下および左上の微小区域に、回折格子6を配列したものである。なお、「ホログラム、ホログラムA、ホログラムB」は、後に述べるように、いずれも原画像のフーリエ変換像の位相情報を多値化して深さとして記録したものである。
【0027】
図1(c)を引用して説明した例では、繰り返し単位に、異なる二種類のホログラムが交互に配列しているが、スレッドを構成するホログラムは二種類に限ることなく、三種類以上であってもよい。また、図1(d)を引用して説明した例では、繰り返し単位に、ホログラムと回折格子を一種類ずつ配列したが、ホログラムの種類または/および回折格子の種類を増やしてもよい。また、上記の図1(c)および図1(d)を引用した説明では、繰り返し単位として、各々にホログラムもしくは回折格子が配列された「田の字」状の微小区域4個を想定したが、繰り返し単位は、これに限定されるものではなく、縦横3つずつからなる合計9個、もしくは縦横4つずつからなる合計16個からなるもの、縦2つ×横3つの合計6個、もしくは縦3つ×横2つの合計6からなるもの等、任意に決めることができる。
【0028】
また、繰り返し単位に配列するホログラムもしくは回折格子は、上記の例では、隣接するものどうしが異なることを想定したが、幾つかの微小区域毎に、同じものを配列してもよい。図2は、縦横3つずつからなる合計9個の微小区域毎に同じものを配列した例を示す図である。図2(a)に示す例においては、縦横6つずつの合計36個の微小区域が、縦横3つずつに分かれて、左上、右上、左下、および右下の4つの組が想定されており、左下および右上の組にホログラムA(符号5A)を、右下および左上の組にホログラムB(符号5B)を配列したものであり、また、図2(b)に示す例においては、左下の組にホログラムA(符号5A)、右上の組にホログラムB(符号5B)、右下の組に回折格子A(符号6A)、および左上の組に回折格子B(符号6B)を配列したものである。図2(a)および図2(b)を引用して説明した配列の、いずれも合計36個の微小区域4aからなる繰り返し単位を、図中の左右上下に繰り返し配列して、スレッドの光学的構造を構成することができる。
【0029】
このように、繰り返し単位を縦横等に配列する方法は、後に述べるような電子線描画装置やグレーティングプロット装置等によって、微小区域4aに情報を割り振る作業が簡素化できる点で好ましい。
【0030】
上記におけるホログラム、ホログラムA、およびホログラムBは、図3を引用して説明する、次の(1)〜(7)の各ステップを、原画像毎に、順次、行なうことにより作成され、レーザー光によって再生されるものである。
【0031】
(1)まず、原画像を形成する。原画像は任意に決定された画像でよく、文字、数字、図形、もしくは記号のほか、絵画、アニメーション、または写真等のいずれでもあり得る。バーコードやOCR文字を原画像とすると、レーザー光によって再生された場合に、機械読み取りを行なうのに適している。
【0032】
(2)次に、原画像からコンピュータを用いて原画像をフーリエ変換処理することにより、原画像のフーリエ変換像を作成する。
【0033】
(3)振幅=1とする。
【0034】
(4)フーリエ逆変換を行なう。
【0035】
(5)振幅を元の振幅とする(位相はそのままとする。)。
【0036】
この後、(2)に戻り、「フーリエ変換→フーリエ逆変換」を繰返して何回か行った後、所定の条件を満たすフーリエ変換像が得られたと判断された時点で停止する。一例として30ループを基準として停止する。
【0037】
(6)停止後、位相データを抽出する。
【0038】
(7)位相データの多値化を行なって、所定の段数の深さ情報とする。
【0039】
得られた深さ情報は、要約すれば、「原画像のフーリエ変換像の位相情報を多値化して得られる深さ情報」と言うべきであるが、しばしば短縮して、「原画像に基づく多値化された深さ情報」と言うこととする。
【0040】
また、回折格子、回折格子A、および回折格子Bは、各々の回折格子の深さ情報、もしくは深さ情報を多値化した多値化情報を用いて記録すればよい。回折格子の深さ情報、もしくは深さ情報を多値化した多値化情報を、しばしば短縮して、「回折格子の情報」と言うこととする。
【0041】
ホログラム、ホログラムA、およびホログラムBの原画像に基づく位相データの多値化は、例えば、2値化、4値化、8値化、もしくは16値化等であり得るが、8値化のグレーティングの理想的な回折効率が95.0%であり、実用上は十分であることから、2値化、4値化、もしくは8値化程度が好ましい。回折格子、回折格子A、および回折格子Bに基づく位相データを多値化する場合も同様である。
【0042】
図1や図2を引用した例では、ホログラム、ホログラムA、およびホログラムBの原画像に基づく多値化された深さ情報、並びに回折格子、回折格子A、および回折格子Bの情報を準備し、各微小区域4aごとに対応させて割り振り、並べる。
【0043】
なお、回折格子の情報として、二種類以上を使用するときは、回折格子の格子のピッチおよび/または格子の方向が異なるものどうしを準備するとよい。
【0044】
各々の微小区域4aに、上記のような多値化された深さ情報を割り振ることは、電子線描画装置やグレーティングプロット装置等によって行なうことができ、感光性樹脂への露光および現像により、感光性樹脂の硬化物の表面の微細な凹凸、あるいはエッチング性基板上の微細な凹凸が形成される。
【0045】
得られた微細な凹凸を有する感光性樹脂の硬化物、もしくはエッチング性基板は、そのままスレッドとして使用することも可能であるが、通常は、これらの得られたものを原型として利用して、複製用凹凸型を製造し、得られた複製用凹凸型を用いて、大量複製して得られるものをスレッドとして使用することが好ましい。
【0046】
原画像に基づく多値化された深さ情報および/または回折格子の情報を二種類以上とすると、ホログラムもしくは回折格子を再生する際のコヒーレント光の条件、例えば、照射角度を変えること等が可能になるので、解析がより困難になり、また、再生像をすべて確認して、初めて真正性が証明されるので、真正性を保証する能力、即ち、信頼性がより高まる利点がある。
【0047】
種々の形状であり得る微小区域4aは、縦横の格子状に密に配列する以外に、1行目(一番上の横の並び)を基準に、2行目以降が1/2ピッチずつずれた配列や、1/3ピッチずつずれた配列等であってもよい。
【0048】
また、微小区域4aは、三角形、四角形、五角形、もしくは六角形等の多角形であってもよいし、多角形以外の幾何学形状、例えば、円や楕円であってもよいし、文字や数字などの形状や、任意の図形や記号の形状であってもよい。これらの形状の微小区域4aは同じ向きのまま並べると隙間が大きくなることがあるので、適宜、向きを変えて配列するとよい。
【0049】
上記の微小区域4aの種々の形状のうち、多角形、または円、もしくは楕円等の幾何学形状は、原画像に基づく多値化された深さ情報および/または回折格子の情報を割り振る際の処理が容易になる点で好ましく、また、特に多角形の代表である三角形、四角形、もしくは六角形の場合には、密に配列することが容易である点でも好ましい。密に配列し得るものは、ホログラムもしくは回折格子の再現性を高くすることができる点で好ましい。従って、多角形以外の形状の場合も、繰返し単位の面積中に占める微小区域4aの割合が高い形状のものの方がより好ましい。
【0050】
微小区域4aが、文字や数字、任意の図形や記号等の形状の場合には、形状が仮に判明しても、外形そのものに関心が向くため、内在する情報の存在のカモフラージュになる利点が生じる。また、これらの形状に意味を持たせることもできるので、偽造防止策の一助ともなり得る。
【0051】
基材2上に適用されるスレッド4は、工業的には、前述したように複製用凹凸型を製作し、得られた複製用凹凸型を用いて大量複製することにより製造されたものであることが好ましい。複製用凹凸型としては、感光性樹脂を用いて製造されたものやエッチング性基板上に製造されたものを、金属メッキを繰返して行なう等により、最初に得られた凹凸型を原型とする幾つかの凹凸型を製作して使用するとよい。
【0052】
スレッド4の大量複製は、好ましくは、流動性の電離放射線硬化性樹脂(通常は、紫外線硬化性樹脂)を透明フィルム上に塗布したものの上に、複製用凹凸型の微細凹凸を有する型面を接触させ、接触を保ったまま、電離放射線(紫外線硬化性樹脂であれば紫外線)を照射して電離放射線硬化性樹脂を硬化させることにより行なうことが好ましく、この方法により、電離放射線硬化性樹脂の硬化樹脂膜の表面に光学的構造の微細凹凸が複製された層が透明フィルム上に積層された積層体を得ることができる。
【0053】
形成された微細凹凸の面には、通常、アルミニウム等からなる反射性の金属薄膜や、硬化樹脂膜とは光の屈折率が異なる素材の薄膜からなる反射層を微細凹凸に沿って積層形成するのが普通である。
【0054】
透明フィルム、微細凹凸が形成された硬化樹脂膜、および反射層が順に積層した積層体は、スリット加工して狭い幅のスレッド4とし、スレッド4の透明フィルム側もしくは反射層側を、接着剤を介する等して、基材2上に貼り付ける等により、偽造防止用基材7とすることができる。あるいは、上記のスレッド4中の透明フィルムと、微細凹凸が形成された硬化樹脂膜との間を剥離可能に積層しておき、反射層側を接着剤を介して、基材2と積層し、積層と同時、もしくは積層の後に透明フィルムを剥離する、いわゆる転写によっても、スレッド4(この場合は、透明フィルムを伴なわない。)を基材2上に貼り付けて、偽造防止用基材7とすることができる。
【0055】
なお、スレッド4は、スレッド4自身を光学的に隠蔽しない範囲で、着色や印刷を施したり、強磁性層を一層積層するか、強磁性層を均一一様な層とパターン化した層の二層積層する等の加工を施したものであってもよい。
【0056】
本発明のスレッド4を基材2に適用して偽造防止用基材7とするには、図4を引用して次に説明するように、基材2の表面にスレッド4を貼り付けることも含め、幾つかの様式があり、同一な偽造防止用基材7において、スレッド4毎に異なる様式が混在してもよい。図4の(a)〜(c)において、向かって左側は偽造防止用紙の平面図であり、向かって右側は、向かって左側の平面図中で示す、両端に矢印を付した線に沿って切断した面の断面図である。
【0057】
図4(a)に示す様式においては、スレッド4が基材2の表面(図中の表面である。以降においても同様。)に積層された積層構造を有している。この様式は、図1(a)を引用して説明した例におけるのと同じである。スレッド4が表面にあると、その存在が外観上も見えやすく、また、スレッド4が内包する情報を機械で読み取る際の読み取り感度上も好ましい。
【0058】
図4(b)に示す様式においては、スレッド4が基材2の内部に埋め込まれている。この様式のものでは、スレッド4が基材2の内部にあるため、図3(a)を引用して説明した様式のものにくらべると、摩耗等の外力により、スレッド4が剥がれ落ちることが無く、耐久性が優れている。反面、基材2の材質にもよるが、スレッド4を被覆する部分の透明性が高くない場合には、スレッドの視認性が低下し、また、スレッド4が内包する情報を機械で読み取る際の読み取り感度も低下する。また、スレッド4を基材2の一部で被覆しているので、スレッド4の見え方が、スレッド4が基材2の表面にある場合にくらべると異なるが、この点は、偽造の際に、スレッド4を本物に近づけるのに加え、埋め込み方を本物に近づけるか、もしくはスレッド4が基材2中に埋め込まれた感じを再現する必要性を生じるから、偽造の困難性が増す。
【0059】
図4(c)に示す様式においては、スレッド4が基材2の表面よりも内部側にあるものの、スレッド4に沿って、基材2の表面側に一方向に間欠的に形成された凹部8の開口部内に、図示の例では、凹部8の底面上に積層されて、凹部8のある部分では、スレッド4が表れており、凹部8の無い箇所においては、基材2の一部がスレッド4を被覆している。また、図4(c)に示す例では、スレッド4の長手方向の両端が基材2中にあり、凹部8の基材2の上下方向の位置が、二本のスレッド4、4間でずれているので、図4(c)の向かって右側の断面図に示すように、片方のスレッド4は基材2の内部にあり、他方のスレッド4は基材2の凹部8の底面上に積層されている断面を有するものである。なお、凹部8は図示のようにスレッド4の幅よりも広い方が製造時の精度上好ましいが、スレッド4の幅と一致させることもできる。また、図では凹部8内のスレッド4上は被覆されていないが、製造上、基材2の一部によって、ごく薄い被覆が形成されていてもよい。
【0060】
上記のようにスレッド4が、基材2に一方向に間欠的に形成された凹部8から表れるように、また、凹部8どうしの間では基材2の一部によって被覆されている構造のものは、スレッド4が基材2の表面よりも内部にあるので、耐久性が高く、しかも凹部8のある箇所では、スレッド4が表れているので、凹部8の箇所ではスレッド4の視認性が高く、機械読み取りの読み取り感度上も問題が無く、しかしながら、スレッド4の見え方は、基材2で被覆されていない部分と被覆された部分では差があるので、より一層、偽造の困難性が増す。また、スレッド4の両端が、基材2中にあると、スレッド4の端部からの剥離を防止することができる。
【0061】
本発明のスレッド4を適用する基材2、および基材2へのスレッド4の適用方法について説明する。
【0062】
基材2の素材としては、紙、含浸紙、金属、樹脂等を使用することができる。含浸紙は、例えば、樹脂含浸紙、もしくはラテックス含浸紙等である。金属は、例えば、アルミニウム、もしくは銅等である。樹脂は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、ポリスチレン系、アクリル、ポリプロピレン、もしくはポリエチレン等である。これらの素材の単独のシート、もしくは複合したシートを用いることができ、厚みの厚い板状のものであってもよい。
【0063】
耐熱性が要求される場合、基材2の素材として、加工性と耐熱性を共に有する非晶質ポリエステル樹脂、非晶質ポリエステル樹脂とポリカーボネート樹脂のブレンド樹脂等も用いることができる。
【0064】
基材2の厚みは、偽造防止用印刷物1の用途によっても異なるが、通常、10μm〜5mm程度の範囲である。偽造防止用印刷物1がクレジットカードや銀行カードのようなものである場合、厚みは一例として0.76mmである。
【0065】
上記のような基材2へのスレッド4の適用を行なうには、スレッド4の片面もしくは両面に、好ましくは接着性を向上させるための樹脂層もしくは接着剤層を適用したものを準備し、基材2を構成する素材のシートもしくは板上に、必要に応じて、加熱手段および加圧手段を講じて、貼り付けることにより、適用することができ、このように行なうことによって、図4(a)を引用して説明した偽造防止用基材7を作成することができる。貼り付けは、接着性のある樹脂や接着剤を介して行なう以外に、熱溶融によって行なってもよい。
【0066】
図4(b)を引用して説明したような、スレッド4が基材2の内部に埋め込まれたものは、スレッド4を、基材を形成するための2枚のシートまたは板の間にはさむようにして、必要に応じて接着剤を介し、上記と同様に、貼り付けることにより作成することができる。
【0067】
図4(c)を引用して説明したような、スレッド4が、基材2に一方向に間欠的に形成された凹部8から表れるように、また、凹部8どうしの間では基材2の一部によって被覆されている構造のものは、例えば、上記の図4(b)を引用して説明したような、スレッド4が基材2の内部に埋め込まれたものを一旦作成してから、所要の凹部8が形成されるよう、逆型形状を有する金型を用い、熱プレスを用いて加熱しつつ加圧して、凹部8を形成するか、あるいは、予めスレッド4の上側になる方のシートの一部をくりぬくか、もしくは加熱加圧して凹部8を形成したものを用いて、スレッド4、およびスレッド4の下側になる方のシートの三者を貼り付けることによって作成することができる。
【0068】
ところで、基材2が紙であるときは、スレッド4を抄紙の工程で適用することもでき、抄紙機の抄き網部にスレッド4、好ましくは、接着剤層を適用したスレッド4を供給し、その上にパルプ分散液を供給して抄紙を行ない、抄紙後、反転すれば、紙基材2上にスレッド4が貼り付けられた図4(a)を引用して説明したような偽造防止用基材7を得ることができる。
【0069】
また、上記のようにして作られたもののスレッド4側に、別の紙を必要に応じて接着剤を介して貼り合わせることによって、図4(b)を引用して説明したような偽造防止用基材7を得ることができる。
【0070】
図4(c)を引用して説明したような、スレッド4が、基材2に一方向に間欠的に形成された凹部8から表れており、また、凹部8どうしの間では基材2の一部によって被覆されている構造のものは、抄紙機の抄き網部に、凹部8に対応する凸部を間隔をあけて形成しておき、その凸部上にスレッド4を載せ、それらの上からパルプ分散液を供給すれば、凸部上に堆積するパルプの量は少なく、凸部の無いところではパルプが十分供給されるので、抄紙後、反転すれば、抄き網部の凸部に相当する位置に凹部8が形成されると共に、スレッド4が表れており、凸部以外の位置では所定の厚みとなると共に、スレッド4が紙基材2内に埋め込まれた偽造防止用基材7を得ることができる。なお、この場合、パルプスラリーが回り込むことによって、凹部8内のスレッド4上に、若干の薄い被覆が生じることがあり、そのような場合も、スレッド4の一部が基材が有する凹部より露出しているものと見なす。
【0071】
基材2が紙である場合、紙の単位面積当たりの質量は、用途にもよるので、必ずしも限定はされないが、紙幣、商品券、金券、株券、もしくは証券等の用途の場合、60g/m2〜135g/m2であることが好ましい。
【0072】
本発明は基本的には、以上に述べた構造を有するものであるが、偽造防止用印刷物1は、次のような要素を備えていてもよい。
【0073】
例えば、本発明の偽造防止用印刷物1は、基材2の適宜な箇所にストライプ状に、もしくは全面に磁気記録層を有していてもよい。磁気記録層に替えて、もしくは磁気記録層に加えて、光学記録層やICモジュール等を有していてもよい。
【0074】
本発明の偽造防止用印刷物1は、金額や発行元等の数字や文字、およびその他の印刷3を有する旨を既に述べたが、文字で表現する内容としては、その偽造防止兎用印刷物を指す名称、発行番号、有効期限、保持者の氏名、もしくは注意書等がある。これらのうちの幾つか、例えば、発行番号、有効期限、および保持者の氏名を、エンボス加工による凹凸により形成してあってもよい。また、基材2には、偽造防止用印刷物1を装飾するための着色や模様が施されていてもよく、通常、印刷法により形成される。
【0075】
本発明の偽造防止用印刷物1はID(本人確認)用のカード、具体的には、銀行等の預貯金カード、クレジットカード、身分証明書等であり得る。また、必ずしもカード形態ではない受験票、パスポート等でもあり得る。また、本発明の偽造防止用印刷物1は、紙幣、商品券、金券、株券、証券、預金通帳、乗車券、もしくは航空券等、または交通機関用、公衆電話用、遊戯用等に用いられるプリペイドカードでもあり得る。これらには金額、発行者、発行番号、もしくは注意書等の情報が記録されている。
【0076】
本発明の偽造防止用印刷物1は、それが付された種々の物品の真正性を保証するためのものであり得る。種々の物品とは、例えば、高級腕時計、貴金属、宝飾品等の、いわゆるブランド品と言われる、著名な高級商品、それらの収納箱やケース等の物品であり、これらは通常、高価なものであるので、偽造の対象となりやすいものである。ラベルや商品にぶら下げられるタグ等の形態をとり得る。
【0077】
本発明の偽造防止用印刷物1は、音楽ソフト、映像ソフト、コンピュータソフト、もしくはゲームソフト等が記録された記憶媒体、それらのケース等の物品に適用することができ、例えば、偽造防止用印刷物1をラベルとしたものを貼り付けることができるが、これらの物品そのものを基材2として構成することもできる。これらの物品は、必ずしも高価なものとは限らないが、不正に大量複製されて市販されると、正規品の販売元が重大な損害を被る恐れがあるものである。
【0078】
本発明の偽造防止用印刷物1のスレッド4を利用した真正性の確認方法を説明すると、図5に示すように、偽造防止用印刷物1のスレッド4にレーザー光源11を用いて、所定の波長のコヒーレント光であるレーザー光12を照射する。レーザー光12の照射により、スレッド4に予め並べられている、複数の光回折構造に基づくパターン(像)が再生される。各微小区域4a自体は、白色光下では白っぽく見えるものであるので、従来のホログラムのように区域を大きく設けたときに、存在が明らかになることを避けられる。
【0079】
例えば、図1(c)に示す四つの微小区域が田の字状に配列した全体にレーザー光を当てることにより、ホログラムAおよびホログラムBが再生され、図1(d)に示す四つの微小区域が田の字状に配列した全体にレーザー光を当てることにより、ホログラムおよび回折格子が再生される。
【0080】
また、図2(a)に示す、36個の微小区域が縦横6個ずつ配列され、四等分された部分毎に二種類のホログラムが記録されている繰り返し単位全体にレーザー光を当てることにより、ホログラムAおよびホログラムBのパターン(像)が再生され、図2(b)に示すものの場合には、ホログラムAおよびホログラムBのパターン(像)が再生され、かつ、回折格子Aおよび回折格子Bの各々の回折格子の方向およびピッチに応じた特定の方向に入射光が回折される。
【0081】
これらの再生されたホログラムのパターン(像)や回折格子に基づく回折光を検出して、ホログラムのパターン(像)については、予め準備された基準のものと比較し、同一であるか、もしくは異なるかの判定を行なうことにより、また、必要に応じて、所定の位置で回折格子の回折光の検出の有無を確認することにより、スレッド4の真正性の確認を行なうことができ、そのことをもって、偽造防止用印刷物1の真正性の確認を行なうことができる。
【0082】
例えば、偽造防止用印刷物1の上方にある面13を想定し、例えば、向かって右の13aの区域でホログラムAのパターン(像)を、向かって左の13bの区域でホログラムBのパターン(像)を、奥の13cの区域で回折格子Aの回折光を、そして、手前の13dの区域で回折光Bの回折光を観察することができるから、面13を箱の上板とし、レーザー光源11、および偽造防止用印刷物1の固定台(図示せず。)等を備えた器具を準備し、箱の上板の13a〜13dの各区域に透過型スクリーンや光の検出器を設けておく等しておけば、この器具を用いて、再生されたホログラムのパターン(像)や回折格子に基づく回折光の確認により、偽造防止用印刷物1の真正性を確認することが、簡便に行なえる。
【0083】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、視認性のない微小区域のそれぞれに、原画像に基づく多値化された深さ情報が複数種類、割り振られて記録されているので、解析が困難で偽造防止性の高いスレッドを提供することができる。
【0084】
請求項2の発明によれば、視認性のない微小区域のそれぞれに、原画像に基づく多値化された深さ情報が一種類もしくは複数種類と、回折格子が一種類もしくは複数種類割り振られて記録されているので、解析が困難で偽造防止性の高いスレッドを提供することができる。
【0085】
請求項3の発明によれば、請求項1または請求項2の発明の効果に加え、同じものが記録された微小区域どうしの集団が複数配列された組を単位として配列されているので、より一層解析が困難で偽造防止性の高いスレッドを提供することができる。
【0086】
請求項4の発明によれば、請求項1〜請求項3いずれかの発明の効果を発揮し得るスレッドが基材に適用され、偽造防止性が高い偽造防止用印刷物を作成するのに適した偽造防止用基材を提供することができる。
【0087】
請求項5の発明によれば、請求項4の発明の効果に加え、スレッドが表面にあるので、その存在が見えやすく、機械読取の際の感度のよい、偽造防止用基材を提供することができる。
【0088】
請求項6の発明によれば、請求項4の発明の効果に加え、スレッドが内部にあるので、スレッドの耐久性が優れ、また、スレッドが基材の一部で被覆されているので、偽造の困難性が増した偽造防止用基材を提供することができる。
【0089】
請求項7の発明によれば、請求項6の発明の効果に加え、スレッドの一部が基材の凹部より露出しているので、その存在が見えやすく、機械読取の際の感度がよく、しかも、スレッドの耐久性が優れ、偽造の困難性が増した偽造防止用基材を提供することができる。
【0090】
請求項8の発明によれば、請求項4〜請求項7いずれかの発明の効果を発揮し得る偽造防止用基材を用いた偽造防止用印刷物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の偽造防止用印刷物のおよびスレッドを説明する図である。
【図2】スレッドにおけるホログラムもしくは回折格子の配列を示す図である。
【図3】原画像に基づく多値化された深さ情報を得る方法を説明する図である。
【図4】基材にスレッドを適用する種々の様式を示す図である。
【図5】本発明の偽造防止用印刷物を用いた確認方法を示す図である。
【符号の説明】
1 偽造防止用印刷物
2 基材
3 印刷
4 スレッド
5 ホログラム
6 回折格子
7 偽造防止用基材
8 凹部
11 レーザー光源
12 レーザー光
Claims (8)
- 原画像のフーリエ変換像の位相情報を多値化して深さとして記録した微小区域が、前記原画像が異なる複数種類配列された光学的構造を有していることを特徴とする偽造防止用スレッド。
- 原画像のフーリエ変換像の位相情報を多値化して深さとして記録した微小区域が、一種類もしくは前記原画像の異なる複数種類と、回折格子を記録した微小区域が、一種類もしくは前記回折格子の異なる複数種類配列された光学的構造を有していることを特徴とする偽造防止用スレッド。
- 前記原画像のフーリエ変換像の位相情報を多値化して深さとして記録した微小区域の前記原画像の同じものどうし、または、前記原画像のフーリエ変換像の位相情報を多値化して深さとして記録した微小区域の前記原画像の同じものどうしおよび前記回折格子を記録した微小区域の前記回折格子の同じものどうしが、複数配列されて組を構成しており、前記組を単位として配列された光学的構造を有していることを特徴とする請求項1または請求項2記載の偽造防止用スレッド。
- 請求項1〜請求項3いずれか記載の偽造防止用スレッドが基材に適用されていることを特徴とする偽造防止用基材。
- 前記偽造防止用スレッドが基材の表面に貼り付けられていることを特徴とする請求項4記載の偽造防止用基材。
- 前記偽造防止用スレッドを基材の内部に有していることを特徴とする請求項4記載の偽造防止用基材。
- 前記偽造防止用スレッドの一部が基材が有する凹部より露出していることを特徴とする請求項6記載の偽造防止用基材。
- 請求項4〜請求項7いずれか記載の偽造防止用基材に印刷が施されていることを特徴とする偽造防止用印刷物。
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