JP2004198047A - 真空冷却装置の制御方法および真空冷却装置 - Google Patents
真空冷却装置の制御方法および真空冷却装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004198047A JP2004198047A JP2002368195A JP2002368195A JP2004198047A JP 2004198047 A JP2004198047 A JP 2004198047A JP 2002368195 A JP2002368195 A JP 2002368195A JP 2002368195 A JP2002368195 A JP 2002368195A JP 2004198047 A JP2004198047 A JP 2004198047A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cooling
- cooling device
- vacuum
- vacuum cooling
- containers
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Abstract
【解決手段】冷却槽5内を減圧することにより、この冷却槽5内の被冷却物を冷却する真空冷却装置2の制御方法であって、前記被冷却物による前記真空冷却装置2の負荷量を検出し、この検出結果に応じて前記真空冷却装置2の運転条件を設定し、設定後の運転条件に基づいて前記被冷却物の冷却運転を開始する。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、真空冷却装置の制御方法および真空冷却装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、食品の安全性および衛生面への配慮から、加熱調理した食品の温度を素早く低下させることが要求されている。この食品を冷却する装置の一つに、真空冷却装置がある。この真空冷却装置によって大量の食品を冷却する食品加工施設(たとえば、給食センタなど)では、前記真空冷却装置が、ベルトコンベアなどの搬送手段を備えた自動搬送ラインに組み込まれることがある。この際には、前記自動搬送ラインと前記真空冷却装置との間に、真空冷却前の被冷却物を前記自動搬送ラインから前記冷却槽内へ搬入する搬入手段と、真空冷却後の被冷却物を前記冷却槽内から前記自動搬送ラインへ搬出する搬出手段とが設けられる(たとえば、特許文献1および特許文献2参照。)。
【0003】
前記自動搬送ラインに組み込まれた前記真空冷却装置を用いて、加熱調理した食品,たとえば炊立ての米飯類を冷却する場合について説明する。まず、炊立ての米飯類を容器(たとえばトレー)に入れ、このトレーを複数積み重ねた状態で前記自動搬送ライン上を搬送させ、前記搬入手段によって前記冷却槽内へ搬入する。つぎに、前記各トレーを前記冷却槽内に気密に収容し、前記冷却槽内を減圧することにより、米飯類を真空冷却する。つぎに、この真空冷却処理が終了すると、前記冷却槽内を大気圧まで戻し、真空冷却後の米飯類を前記各トレーごと前記搬出手段によって前記自動搬送ラインへ搬出する。そして、前記自動搬送ラインによって、真空冷却後の米飯類を前記各トレーごと、次工程(たとえば、箱詰め工程など)へ搬送する。
【0004】
ところで、前記真空冷却装置においては、前記真空冷却装置の負荷量(すなわち、前記冷却槽内に収容された食品の量)に応じて、前記冷却槽内の減圧速度や減圧時間などの運転条件を設定する必要がある(たとえば、特許文献3参照。)。しかし、前記のように、前記真空冷却装置が前記自動搬送ラインに組み込まれている場合、前記自動搬送ラインによって搬送されるトレーの積重ね個数は、その都度変化する場合があり、その都度前記食品の量を計る必要があって、この作業が手間であった。また、前記自動搬送ラインの稼動中は、前記搬入手段および前記搬出手段が作動しているので、前記真空冷却装置の周辺は、危険区域として立ち入ることができない。そのため、前記食品の量を計ったとしても、前記自動搬送ラインの稼動中は、前記食品の量に応じた運転条件を前記真空冷却装置に設定することができなかった。そのため、前記食品の量が変化すると、前記食品の温度が所望の冷却温度とならないことがあった。
【0005】
【特許文献1】
特許第2652215号公報
【特許文献2】
特許第2652216号公報
【特許文献3】
特開昭63−38875号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
この発明が解決しようとする課題は、真空冷却装置の負荷量に応じて適切な真空冷却を行うことができるようにすることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、冷却槽内を減圧することにより、この冷却槽内の被冷却物を冷却する真空冷却装置の制御方法であって、前記被冷却物による前記真空冷却装置の負荷量を検出し、この検出結果に応じて前記真空冷却装置の運転条件を設定し、設定後の運転条件に基づいて前記被冷却物の冷却運転を開始することを特徴としている。
【0008】
さらに、請求項2に記載の発明は、冷却槽内を減圧することにより、この冷却槽内の被冷却物を冷却する真空冷却装置であって、前記被冷却物による冷却運転前の負荷量の検出手段と、負荷量の検出結果に基づいて、前記真空冷却装置の運転条件を設定する手段と、設定された運転条件に基づいて、前記冷却槽の減圧手段を制御する手段とを備えたことを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この発明は、冷却槽内を減圧することにより、この冷却槽内に収容した被冷却物を所望温度まで冷却する装置,すなわち真空冷却装置において好適に実施することができる。また、この発明は、自動搬送ラインに組み込まれた真空冷却装置において、とくに好適に実施することができる。この場合、前記自動搬送ラインと前記真空冷却装置との間には、真空冷却前の被冷却物を前記自動搬送ラインから前記冷却槽内へ搬入する搬入手段と、真空冷却後の被冷却物を前記冷却槽内から前記自動搬送ラインへ搬出する搬出手段とが設けられる。
【0010】
さて、この発明の制御方法は、前記被冷却物による前記真空冷却装置の負荷量を検出し、この検出結果に応じて前記真空冷却装置の運転条件を設定し、設定後の運転条件に基づいて前記被冷却物の冷却運転を開始する制御方法である。
【0011】
前記負荷量は、前記冷却槽内に収容された被冷却物の量であって、前記被冷却物の重量として検出することができる。また、前記のように所定量の前記被冷却物を容器に収容し、この容器ごと前記被冷却物を前記冷却槽内に収容する場合、前記負荷量は、前記容器の個数として検出することができる。とくに、前記容器が多段に積み重ねられた状態で前記冷却槽内に収容される場合、前記容器の積重ね高さによって前記容器の個数を検出することができる。
【0012】
前記負荷量の検出は、前記冷却槽内へ被冷却物を収容する際に行うことができるし、また前記冷却槽へ前記被冷却物を収容した後であっても、前記冷却運転を開始する前に行うこともできる。そして、この検出結果に応じて、前記運転条件を設定する。前記運転条件の設定は、複数の運転条件から前記負荷量に適合する運転条件を選択して設定することができるし、前記負荷量に基づいて、適合する運転条件を算出することにより設定することもできる。
【0013】
前記運転条件は、前記被冷却物を所定の温度まで冷却するための条件であって、前記冷却槽内の減圧速度,減圧時間,減圧時の目標圧力,冷却温度などである。これらのうち、前記負荷量に応じて設定する運転条件は、好ましくは、減圧速度および減圧時間であるが、少なくとも一方を前記負荷量に応じて設定する。また、前記冷却槽内を減圧する途中で前記減圧速度を切り換えたり、変化させる場合、前記運転条件には、この切り換えや変化を行う条件(減圧開始からの所要時間や前記冷却槽内の圧力,温度など)も含まれる。この場合には、前記負荷量に応じて、前記減圧速度の切換えや変化を行う条件も設定する。
【0014】
したがって、この発明の制御方法によれば、前記冷却運転を行なう前に、前記負荷量に応じた前記運転条件を設定し、設定された前記運転条件に基づいて、前記真空冷却装置の冷却運転を行うことができる。そのため、前記負荷量に変化があっても、前記負荷量に応じた適切な冷却運転を行うことができる。
【0015】
また、この発明の制御方法によれば、自動搬送ラインに組み込まれた真空冷却装置において、前記自動搬送ラインから前記真空冷却装置へ搬送される被冷却物の量,すなわち負荷量が変化しても、この負荷量に応じた運転条件で冷却運転を開始することができる。そのため、前記真空冷却装置の無人運転化が可能となる。
【0016】
さらに、この発明の制御方法においては、前記被冷却物の冷却運転を開始した後、被冷却物の冷却状態に基づいて、前記冷却運転を終了するように構成することができる。ここにおいて、前記被冷却物の冷却状態は、真空冷却中の前記被冷却物の温度である。前記冷却状態の検出は、前記被冷却物の温度を検出することによって直接的に行うことができるし、また前記冷却槽内の温度や圧力を検出することによって間接的に行うことができる。
【0017】
つぎに、この発明の真空冷却装置について説明する。この発明の真空冷却装置は、前記被冷却物による冷却運転前の負荷量の検出手段と、負荷量の検出結果に基づいて、前記真空冷却装置の運転条件を設定する手段(以下、「設定手段」と云う)と、設定された前記運転条件に基づいて、前記冷却槽の減圧手段を制御する手段(以下、「減圧制御手段」と云う)とを備えている。
【0018】
まず、前記検出手段について説明する。前記検出手段は、前記冷却槽内に前記被冷却物を収容する前に前記負荷量を検出するように、前記冷却槽の外側に設けることができるし、また前記冷却槽内に前記被冷却物を収容した後、前記冷却運転を開始する前に前記負荷量を検出するように、前記冷却槽の内側に設けることもできる。
【0019】
前記検出手段は、前記負荷量を前記被冷却物の重量として検出するように構成することができる。この場合の検出手段としては、ロードセルなどの公知の重量検出手段を用いることができる。この場合、前記容器ごと前記被冷却物の重量を直接的に検出することができるので、前記負荷量を正確に検出することができる。
【0020】
また、前記のように所定量の被冷却物を容器に収容した状態で、真空冷却を行う場合、前記検出手段は、前記容器の個数の検出手段として構成することができる。とくに、前記容器が多段に積み重ねられた状態で前記冷却槽内へ収容される場合、前記容器の積重ね高さ(すなわち、積重ね個数)を検出する検出手段として構成することができる。
【0021】
この場合、前記検出手段は、たとえばつぎのような構成とする。まず、水平に対向配置した投光素子と受光素子の組を高さ方向に複数組配置し、前記各組の各素子の高さを積み重ねられた状態での前記各容器の高さに対応するように設定した構成とする。この構成によると、前記各受光素子のうち高さ方向のどの受光素子まで投光素子からの光が遮断されているかを監視することにより、前記容器の積重ね個数を検出することができる。また、前記検出手段は、前記投光素子と前記受光素子の組み合わせを用いるほか、リミットスイッチや近接スイッチなどを高さ方向に複数配置することによって検出する構成とすることもできる。ここで、前記近接スイッチを用いる場合、前記容器は金属製とするか、または前記容器の一部に前記近接スイッチ作動用の金属片を設ける。
【0022】
このように、前記検出手段を前記容器の積重ね個数を検出するように構成すると、前記各容器を積み重ねた状態で移動させながら前記負荷量を検出することができる。とくに、前記真空冷却装置が前記自動搬送ラインに組み込まれている場合、前記各容器を積み重ねた状態で前記自動搬送ラインを搬送させながら、前記負荷量を検出することができるので、前記負荷量の検出のために、前記自動搬送ライン内で前記各容器を停止させる必要がなくなる。
【0023】
前記設定手段は、前記検出手段による負荷量の検出結果に基づいて、前記運転条件を設定する。前記設定手段は、複数の運転条件の中から、前記負荷量に応じた運転条件を選択するように構成することができる。この場合、前記設定手段に複数の前記運転条件を記憶させておき、これらの運転条件の中から前記検出結果に応じた運転条件を選択し、この選択された運転条件を前記真空冷却装置に設定するように構成する。また、前記設定手段は、複数の運転条件から選択する構成とする代わりに、前記負荷量に基づいて、適合する運転条件を算出するように構成することもできる。
【0024】
前記減圧制御手段は、前記真空冷却装置の冷却運転が開始されると、前記設定手段によって設定された前記運転条件に基づいて、前記減圧手段を制御することで、前記負荷量に応じた真空冷却を行う。そして、前記負荷量に拘わらず、前記被冷却物を所望の温度まで冷却する。
【0025】
以上のように、この発明の制御方法および真空冷却装置によれば、前記冷却運転を行なう前に、前記負荷量に応じた前記運転条件を設定し、設定された前記運転条件に基づいて、前記真空冷却装置の冷却運転を行うことができる。そのため、前記負荷量に変化があっても、前記負荷量に応じた適切な冷却運転を行うことができる。
【0026】
また、この発明の制御方法および真空冷却装置によれば、自動搬送ラインに組み込まれた真空冷却装置において、前記自動搬送ラインから前記真空冷却装置へ搬入される前記被冷却物の量,すなわち負荷量が変化しても、この負荷量に応じた運転条件で冷却運転を開始することができる。そのため、前記真空冷却装置の無人運転化が可能となる。
【0027】
【実施例】
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明の第一実施例の平面説明図であり、図2は、図1の左側面説明図であり、図3は第一実施例における運転条件の説明図である。ここで、この第一実施例における真空冷却装置は、自動搬送ラインに組み込まれた真空冷却装置である。
【0028】
まず、図1および図2を参照しながら、自動搬送ラインおよび真空冷却装置の基本構成について説明する。図1および図2において、自動搬送ライン1の側方(図1における上方側)には、真空冷却装置2が設けられている。
【0029】
前記自動搬送ライン1は、ベルトコンベアを備えており、食品(たとえば炊立ての米飯類)を入れた容器(たとえばトレー)3を複数積み重ねた状態で前記真空冷却装置2へ搬送し、前記真空冷却装置2によって真空冷却した後、箱詰め工程などの次工程へ搬送するようになっている。したがって、前記自動搬送ライン1には、前記自動搬送ライン1と前記真空冷却装置2との間で前記容器3を搬入し、搬出する手段(以下、「搬入搬出手段」と云う)4を備えている。
【0030】
前記真空冷却装置2は、前記容器3を収容する冷却槽5を備えている。この冷却槽5は、前面(図1の下方側の側面)に前記容器3を出し入れするための開口部(図示省略)を備え、この開口部を扉(図示省略)によって密閉する構造である。前記冷却槽5には、その内部を減圧するための真空吸引ライン6と、真空冷却後に前記冷却槽5内を大気圧に戻すための外気導入ライン7とが接続されている。
【0031】
前記真空吸引ライン6には、前記冷却槽5側から逆止弁8および真空ポンプ9が設けられている。また、前記外気導入ライン7には、前記冷却槽5側から外気導入弁10および前記冷却槽5内へ導入する外気中のほこりや雑菌などを除去するためのフィルタ11が設けられている。
【0032】
つぎに、前記真空冷却装置2の制御構成について説明する。前記冷却槽5には、前記冷却槽5内の温度を飽和蒸気圧として検出し、前記冷却槽5内の冷却状態を監視するための圧力検出手段12が設けられている。この圧力検出手段12は、前記真空ポンプ9および前記外気導入弁10とともに、回線13を介してそれぞれ制御器14に接続されている。
【0033】
前記制御器14は、前記真空冷却装置2の運転を制御する手段であって、作業者によって前記真空冷却装置2の運転条件が入力されるように構成されている。そして、この入力により、所望の運転条件を前記真空冷却装置2に設定し、この設定された運転条件に基づいて、前記真空ポンプ9や前記外気導入弁10を制御する。
【0034】
ここにおいて、前記運転条件は、前記冷却槽5内に収容した米飯類の量(すなわち、負荷量)に応じて、米飯類を所定温度まで冷却するための条件であって、前記冷却槽5内の減圧速度,減圧時間,減圧時の目標圧力,冷却温度などである。これらの運転条件のうち、減圧速度および減圧時間のうちの少なくとも一方は、前記負荷量に応じて設定する必要のある運転条件である。
【0035】
つぎに、前記真空冷却装置2の冷却運転について、前記制御器14の制御内容とともに説明する。まず、前記制御器14は、前記真空ポンプ9を作動させる。すると、前記冷却槽5内の空気および蒸気は、前記真空ポンプ9によって吸引され、前記真空吸引ライン6から排出される。そして、前記真空ポンプ9の作動により、前記冷却槽5内の圧力が低下していくと、この圧力の低下につれて、飽和蒸気温度が低下する。そのため、前記冷却槽5内に収容した米飯類(図示省略)の水分が活発に蒸発し、この蒸発に伴う気化潜熱により、米飯類が冷却される。
【0036】
そして、所定時間経過後、前記食品が所定温度まで冷却されると、前記制御器14は、前記真空ポンプ9を停止させ、前記外気導入弁10を開くことにより、前記冷却槽5内へ空気を導入して前記冷却槽5内を大気圧に戻す。この後、前記扉(図示省略)を開いて、前記冷却槽5から前記各容器3ごと米飯類を取り出す。
【0037】
つぎに、この発明の制御方法および真空冷却装置の第一実施例について説明する。まず、この第一実施例における真空冷却装置2の特徴部分の構成について説明する。前記真空冷却装置2は、冷却運転前の米飯類による負荷量の検出手段(以下、「負荷検出手段」と云う)15と、負荷量の検出結果に基づいて、前記真空冷却装置2の運転条件を設定する手段(以下、「設定手段」と云う)と、設定された前記運転条件に基づいて、前記真空ポンプ9を制御する手段(以下、「減圧制御手段」と云う)とを備えている。この第一実施例の前記真空冷却装置2においては、前記設定手段(符号省略)および前記減圧制御手段(符号省略)を前記制御器14と一体的に構成してある。
【0038】
まず、前記負荷検出手段15は、前記自動搬送ライン1における前記真空冷却装置2の手前側に設けられている。前記負荷検出手段15は、前記冷却槽5内へ収容される米飯類の量を負荷量として検出するように構成されている。この第一実施例においては、前記容器3を多段に積み重ねた状態で前記自動搬送ライン1から前記冷却槽5内へ収容されるように構成されているので、前記負荷量として、前記各容器3の積重ね個数を検出するように構成してある。
【0039】
前記負荷検出手段15は、前記自動搬送ライン1を挟んで水平に対向配置した投光素子16と受光素子17との組を高さ方向に複数組(この実施例では5組)配置した構成である。前記各投光素子16は、前記自動搬送ライン1における前記真空冷却装置2の反対側(図1の下方側)に設置した第一支持部材18に取り付けられている。また、前記各受光素子17は、前記自動搬送ライン1における前記真空冷却装置2側(図1の上方側)に設置した第二支持部材19に取り付けられている。そして、前記各組の各素子16,17の高さ位置は、積み重ねられた状態の前記各容器3のそれぞれに対応するように設定してある(図2参照)。
【0040】
したがって、前記負荷検出手段15は、前記各受光素子17によって、高さ方向のどの投光素子16までの光が遮られたかを監視することにより、前記各容器3の積重ね個数を検出することができるようになっている。このように構成すると、前記各容器3を前記自動搬送ライン1中で停止させることなく、前記自動搬送ライン1によって前記各容器3を搬送させながら、前記各容器3の個数を検出することができる
【0041】
前記設定手段は、前記負荷検出手段15による前記負荷量の検出結果に基づいて、前記運転条件を設定する。前記設定手段によって設定する運転条件は、この第一実施例においては、前記負荷量に応じた減圧時間のみとし、減圧速度,減圧時の目標圧力および冷却温度については、予め設定された条件を変更しないものとする。
【0042】
前記減圧制御手段は、前記冷却運転が開始されると、前記設定手段によって設定された前記運転条件に基づいて、前記真空ポンプ9を制御することで、前記負荷量に応じた真空冷却を行うようになっている。
【0043】
つぎに、前記制御方法の第一実施例について説明する。まず、前記自動搬送ライン1によって、前記各容器3が搬送され、前記負荷検出手段15を通過するとき、前記各容器3によって、前記各容器3の積重ね個数に対応する前記各投光素子16からの光が遮られる。すると、前記各受光素子17のうち、前記各投光素子16からの光が入射しなかったした受光素子17の高さ方向の個数を検出することによって、前記各容器3の積重ね個数(図示する第一実施例においては、4個)が検出される。
【0044】
つぎに、前記負荷検出手段15による前記負荷量の検出結果は、前記設定手段(符号省略)へ入力される。前記設定手段は、前記検出結果に基づいて、前記運転条件,すなわち減圧時間を前記真空冷却装置2に設定する。
【0045】
この減圧時間は、所定温度まで米飯類を冷却するのに必要な減圧時間であって、前記負荷量が多いほど長い時間が設定され、逆に前記負荷量が少ないほど短い時間が設定される。たとえば、図3に示すように、前記各容器3の個数が5個の場合には、第一設定時間Aが設定され、4個の場合には、第二設定時間Bが設定され、また前記各容器3の個数が1個の場合には、第三設定時間Cが設定される。この第一実施例においては、前記各容器3の個数が4個であるので、前記第二設定時間Bが減圧時間として設定される。
【0046】
そして、前記自動搬送ライン1によって、前記各容器3が前記搬入搬出手段4のところまで搬送されると、前記搬入搬出手段4は、前記各容器3を前記冷却槽5内へ搬入する。前記制御器14は、前記冷却槽5内に前記各容器3が搬入されたことを検知すると、前記扉(図示省略)を閉じ、前記真空ポンプ9の作動により、前記冷却槽5内を減圧し、前記各容器3内の米飯類を真空冷却する。前記真空ポンプ9による前記冷却槽5の減圧は、前記第二設定時間Bまで行われる。そして、前記第二設定時間B経過後、前記制御器14は、前記真空ポンプ9を停止させ、前記外気導入弁10を開くことにより、前記冷却槽5内を大気圧に戻し、この後、前記扉を開く。つぎに、前記搬入搬出手段4は、前記冷却槽5から前記各容器3を前記自動搬送ライン1へ搬出する。そして、真空冷却後の米飯類は、前記各容器3ごと前記自動搬送ライン1によって、前記次工程へ搬送される。
【0047】
ここで、この第一実施例における前記制御方法においては、米飯類の冷却状態に基づいて、前記冷却運転を終了するように構成してある。前記冷却状態は、真空冷却中の米飯類の温度であって、この第一実施例における前記冷却状態の検出は、前記冷却槽5内の圧力を検出することによって間接的に行っている。すなわち、前記冷却状態の検出は、前記圧力検出手段12による前記冷却槽5内の圧力の監視結果に基づき、飽和蒸気圧と飽和蒸気温度の関係から前記冷却槽5内の温度を検出することによって行っている。
【0048】
この第一実施例において、減圧時間は、前記第二設定時間Bであるが、図3に二点鎖線で示すように、前記第二設定時間Bを経過する前に前記冷却槽5内が所定温度に達した場合、前記圧力検出手段12からの検出結果に基づいて、前記真空ポンプ9を停止させ、前記冷却運転を終了する。
【0049】
以上のように、この第一実施例によれば、前記冷却運転を行なう前に、前記負荷量に応じた前記運転条件を設定し、設定された前記運転条件に基づいて、前記真空冷却装置の冷却運転を行うことができる。そのため、前記負荷量に変化があっても、前記負荷量に応じた適切な冷却運転を行うことができる。また、この第一実施例によれば、前記真空冷却装置2が前記自動搬送ライン1に組み込まれている場合、前記自動搬送ライン1から前記真空冷却装置2へ搬入される米飯類の量,すなわち前記負荷量が変化しても、前記負荷量に応じた運転条件で冷却運転を開始することができる。そのため、前記真空冷却装置2の無人運転化が可能となる。
【0050】
ここで、以上の第一実施例の説明においては、前記負荷検出手段15を投光素子16と受光素子17とを組み合わせを用いた構成としているが、前記負荷検出手段15は、リミットスイッチ,近接スイッチなどのほか、ロードセルなどの重量検出手段を用いることができる。この場合の変形例について、図4〜図6を参照しながら説明する。
【0051】
まず、リミットスイッチを用いて負荷検出手段15を構成した第一変形例について、図4を参照しながら説明する。この第一変形例においては、前記第一支持部材18を省略し、前記第二支持部材19にリミットスイッチ20,20,…を設けてある。これらのリミットスイッチ20の高さ位置は、前記各受光素子17と同様、積み重ねられた状態の前記各容器3のそれぞれに対応するように設定してある。そして、前記各リミットスイッチ20の作動片(図示省略)には、接触子21,21,…をそれぞれ取り付けてある。これらの各接触子21は、積み重ねられた状態で前記自動搬送ライン1を搬送される前記各容器3と接触することで、前記各リミットスイッチ20を作動させるようになっている。
【0052】
したがって、この第一変形例も前記第一実施例と同様、高さ方向のどのリミットスイッチ20が作動したかを監視することにより、前記各容器3の積重ね個数を検出することができる。ここで、この第一変形例においても、前記第一実施例と同様、前記各容器3を前記自動搬送ライン1中で停止させることなく、前記自動搬送ライン1によって前記各容器3を搬送させながら、前記各容器3の個数を検出することができる。
【0053】
つぎに、近接スイッチを用いて負荷検出手段15を構成した第二変形例について、図5を参照しながら説明する。この第二変形例においても、前記第一支持部材18を省略し、前記第二支持部材19に近接スイッチ22,22,…を設けてある。これらの近接スイッチ22の高さ位置は、前記第一変形例のリミットスイッチ20と同様に設定する。ここで、前記近接スイッチ22は、金属製の物品が近づいた場合に作動する構成であるので、前記各容器3が合成樹脂製など非金属製の場合には、前記各容器3における前記各近接スイッチ22との対面箇所のそれぞれに近接スイッチ22作動用の金属片23,23,…を設ける。
【0054】
この第二変形例においては、前記第一変形例と同様、高さ方向のどの近接スイッチ22が作動したかを監視することにより、前記各容器3の積重ね個数を検出することができる。ここで、この第二変形例においても、前記第一実施例と同様、前記各容器3を前記自動搬送ライン1中で停止させることなく、前記自動搬送ライン1によって前記各容器3を搬送させながら、前記各容器3の個数を検出することができる。
【0055】
つぎに、ロードセルを用いて負荷検出手段15を構成した第三変形例について、図6を参照しながら説明する。この第三変形例においては、米飯類の重量を前記各容器3の重量を含めて検出することによって、前記負荷量を検出するように構成してある。この第三変形例においては、前記自動搬送ライン1における前記真空冷却装置2の手前側に前記負荷量の検出場所を設け、この検出場所にロードセルを用いた負荷検出手段15を設ける。そして、前記検出場所において、前記各容器3を一旦停止させ、前記各容器3の重量を検出することで、前記負荷量を検出する。この第三変形例においては、米飯類の重量を前記各容器3ごと直接的に検出することで、前記負荷量を正確に検出することができる。
【0056】
ここで、前記第一実施例および前記各変形例においては、前記負荷検出手段15を前記冷却槽5の外側に設け、前記冷却槽5内へ前記各容器3を収容する前に前記負荷量を検出するようにしているが、前記負荷検出手段15は、前記冷却槽5の内側に設け、前記冷却槽5内に前記各容器3を収容した後、前記負荷量を検出するように構成することもできる。この場合の第二実施例について、図7を参照しながら説明する。図7は、この発明の第二実施例の縦断正面説明図である。この第二実施例を示す図7において、前記第一実施例を示す図1および図2と同一の符号は、同一の部材を示し、それらの詳細な説明は省略する。
【0057】
図7において、前記負荷検出手段15は、投光素子16と受光素子17との組を高さ方向に複数組(この実施例では5組)、前記冷却槽5に配置した構成である。前記各投光素子16は、前記冷却槽5内の右側壁(図7における右側の側壁)に設けられており、前記各受光素子17は、前記冷却槽5内の左側壁(図7における左側の側壁)に設けられている。そして、前記各組の各素子16,17の高さ位置は、前記冷却槽5内において積み重ねられた状態の前記各容器3のそれぞれに対応するように設定してある。したがって、前記第一実施例と同様、前記各受光素子17によって、高さ方向のどの投光素子16までの光が遮られたかを監視することにより、前記各容器3の積重ね個数を検出することができるようになっている。
【0058】
このように構成すると、前記各容器3を前記自動搬送ライン1中で停止させることなく、前記冷却槽5内へ搬入し、前記冷却運転の開始前に前記各容器3の個数を検出することができる。また、この構成によると、前記自動搬送ライン1に組み込まない真空冷却装置2においても、前記負荷量の検出結果に基づいて前記運転条件を設定する前記真空冷却装置2を構成することができる。
【0059】
【発明の効果】
この発明によれば、真空冷却装置の負荷量に応じて適切な真空冷却を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施例の平面説明図である。
【図2】図1の左側面説明図である。
【図3】第一実施例における運転条件の説明図である。
【図4】第一実施例における検出手段の第一変形例の説明図である。
【図5】第一実施例における検出手段の第二変形例の説明図である。
【図6】第一実施例における検出手段の第三変形例の説明図である。
【図7】この発明の第二実施例の縦断正面説明図である。
【符号の説明】
2 真空冷却装置
5 冷却槽
9 真空ポンプ(減圧手段)
15 負荷検出手段
Claims (2)
- 冷却槽5内を減圧することにより、この冷却槽5内の被冷却物を冷却する真空冷却装置2の制御方法であって、前記被冷却物による前記真空冷却装置2の負荷量を検出し、この検出結果に応じて前記真空冷却装置2の運転条件を設定し、設定後の運転条件に基づいて前記被冷却物の冷却運転を開始することを特徴とする真空冷却装置の制御方法。
- 冷却槽5内を減圧することにより、この冷却槽5内の被冷却物を冷却する真空冷却装置2であって、前記被冷却物による冷却運転前の負荷量の検出手段15と、負荷量の検出結果に基づいて、前記真空冷却装置2の運転条件を設定する手段と、設定された運転条件に基づいて、前記冷却槽5の減圧手段9を制御する手段とを備えたことを特徴とする真空冷却装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002368195A JP2004198047A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | 真空冷却装置の制御方法および真空冷却装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002368195A JP2004198047A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | 真空冷却装置の制御方法および真空冷却装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004198047A true JP2004198047A (ja) | 2004-07-15 |
Family
ID=32764838
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002368195A Pending JP2004198047A (ja) | 2002-12-19 | 2002-12-19 | 真空冷却装置の制御方法および真空冷却装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004198047A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008096029A (ja) * | 2006-10-12 | 2008-04-24 | Miura Co Ltd | 複合冷却装置および複合冷却方法 |
JP7376846B2 (ja) | 2018-12-07 | 2023-11-09 | 三浦工業株式会社 | 真空冷却装置 |
-
2002
- 2002-12-19 JP JP2002368195A patent/JP2004198047A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008096029A (ja) * | 2006-10-12 | 2008-04-24 | Miura Co Ltd | 複合冷却装置および複合冷却方法 |
JP7376846B2 (ja) | 2018-12-07 | 2023-11-09 | 三浦工業株式会社 | 真空冷却装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101865091B1 (ko) | 퍼지 스토커 및 퍼지 방법 | |
JP5709011B2 (ja) | 物品保管設備 | |
TWI614193B (zh) | 物品保管設備及物品保管方法(二) | |
JP2004031901A (ja) | センサボックスを備えたウエハ処理装置 | |
TWI713779B (zh) | 容器收納設備 | |
JP2992200B2 (ja) | 箱物品積層方法及び装置 | |
IL272426A (en) | Storage system and purification method in said system | |
KR20190024781A (ko) | 반송 장치, 기판 처리 장치 및 반송 방법 | |
JP2004198047A (ja) | 真空冷却装置の制御方法および真空冷却装置 | |
KR100248568B1 (ko) | 반도체웨이퍼의 증기건조장치 | |
JP7206678B2 (ja) | ロードポート装置、半導体製造装置及びポッド内雰囲気の制御方法 | |
JP5951889B2 (ja) | 基板処理装置 | |
TW201939653A (zh) | Efem及efem之氣體置換方法 | |
JP2005096784A (ja) | 鶏卵の選別包装装置 | |
KR102428865B1 (ko) | 물품 수납 설비 | |
JPH07309433A (ja) | ロータリーフィーダ | |
WO2000005690A1 (en) | Device and method for selling foodstuffs | |
US6476367B2 (en) | Auto-bake out system | |
US8172074B2 (en) | Automated delivery of parts across diverse manufacturing stations | |
JPH08313162A (ja) | 自動箱型オーブン装置 | |
JP2018162960A (ja) | 真空冷却機能を有する食品機械 | |
JP3430220B2 (ja) | パレットの遠心脱水装置 | |
JP2013258342A (ja) | 基板製造装置 | |
CN107738233A (zh) | 一种工件放置台结构 | |
JP7111146B2 (ja) | 容器内清浄化装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050711 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20070522 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070626 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20070823 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20071016 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20071212 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Effective date: 20071218 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 |
|
A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20080118 |