JP2004197056A - ロービングプリプレグパッケージおよびその製造方法 - Google Patents

ロービングプリプレグパッケージおよびその製造方法 Download PDF

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浩之 龍田
Hajime Sakamoto
肇 坂元
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Abstract

【課題】高張力下でもボビンの食い込みやリンガーが発生することなく、ロービングプリプレグを解舒することが可能であり、かつ長尺化した場合でもボビン幅方向に均一に巻き取ることが可能なロービングプリプレグパッケージ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】コアボビンと、前記コアボビンに巻き取られた強化繊維材とマトリックス樹脂とを構成成分に含むロービングプリプレグ層とからなるロービングプリプレグパッケージであって、該ロービングプリプレグ層に断面等辺四辺形の空隙がロービングプリプレグ層の厚み方向に連続して該ロービングプリプレグ層の表面からコアボビンの表面にかけて存在することを特徴とするロービングプリプレグパッケージおよびその製造方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロービングプリプレグパッケージおよびその製造方法に関し、更に詳しくは、高張力で解舒した際にパッケージの食い込み度が少なく、リンガーの発生がなく、また長尺化した場合でもコアボビンの幅方向に均一に巻き取ることが可能なロービングプリプレグパッケージおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロービングプリプレグはロービングに未硬化の樹脂が含浸されているため粘着性があり、また一般に、数mmから数十mm程度の幅を有する扁平断面を持つ。
その為、コアボビン等に巻き取る際の綾角により次のような問題がある。
【0003】
すなわち、綾角が小さい場合既に巻き取られたロービングプリプレグと次に巻き取られるロービングプリプレグとの交差部面積が大きくなり、ロービングプリプレグの粘着性により、上下のロービングプリプレグ同士が張り付き易くなる。
その結果、パッケージからロービングプリプレグを解舒する際に上下のロービングプリプレグ間に生じる剥離力により、ロービングプリプレグ端部の単糸切れが発生し、またリンガーが生じる。
【0004】
一方、巻き取りの際の綾角が大きい場合、上下のロービングプリプレグ同士の交差部面積は小さくなるが、トラバース両端部でロービングプリプレグがターンする際の内輪差が大きくなることにより巻き取られたロービングプリプレグの幅変動が生じる問題や、ロービングプリプレグ層の両端側に中央部よりも大径の凸部が生じる等の問題がある。
【0005】
これらの問題に対し、綾角を5°〜20°となるようにボビンの回転数を調整し、かつ隣り合うロービングプリプレグ同士の重なりを少なくすることで解舒性を改良し、巻き姿を良好なものとするロービングプリプレグの巻き取り方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0006】
また、ロービングプリプレグの綾角を2°〜20°の範囲とし、且つ巻き取られるロービングプリプレグの幅変動を1mm以下とすることにより解舒するときの折れ曲がりや拠りを低減する方法が提案されている(特許文献2)。
【0007】
近年、大型構造物、航空機、宇宙関連構造部材等の分野において、軽量で、機械的特性に優れ、且つ、耐熱性に優れた高強度繊維強化複合材料の適用が検討されている。ロービングプリプレグは、一般にフィラメントワインディング法等による高強度繊維強化複合材料の成形に用いられている。この方法によれば、強化繊維の切断が少ない繊維強化成形品を製造することができる。このロービングプリプレグを用いた繊維強化成形品は、優れた機械的特性を具現できる手段であるので、前記分野への適用が期待されている。
【0008】
これらのロービングプリプレグを用いた成形には、オートクレープを用いた加圧成形法(通常、成形圧力は0.5〜0.7MPa程度)が一般に用いられている。しかしながら、成形作業工程の煩雑さが高コスト化の一因となっている。特に、大型の成形物を成形するためには、オートクレープ自体が大型となり易く、高コスト化の一因となっている。このため、より低圧での成形性に優れた繊維強化複合材料の開発が期待されている。
【0009】
ロービングプリプレグを低圧で成形した場合、繊維強化成形品のロービングプリプレグ層間の密着性が低く、成形品の機械的特性に大きな問題が生じることが多い。この問題を改善する為に、成形圧力0.02MPaで成形したときの層間接着面積率が80%以上であるロービングプリプレグの製造方法が提案されている(例えば、特許文献3)。
【0010】
しかしながら、層間の密着性を高めるためには、ロービングプリプレグを高張力で解舒する必要があり、従来の方法では解舒の際にボビンに巻き取られたロービングプリプレグが変形することによってプリプレグ幅が変動する問題や、リンガーが発生する等の問題がある。
【0011】
【特許文献1】
特開平9−12220号公報(特許請求の範囲)
【特許文献2】
特開2000−79614号公報(特許請求の範囲)
【特許文献3】
特開2001−354788号公報(特許請求の範囲)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記の問題を解消でき、高張力で解舒した際にパッケージの食い込み度が少なく、リンガーの発生がなく、また長尺化した場合でもボビン幅方向に均一の直径で巻き取ることが可能なロービングプリプレグパッケージ及びその製造方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決する手段】
上記目的を達成する本発明は、以下に記載のものである。
【0014】
〔1〕 コアボビンと、前記コアボビンに巻き取られた強化繊維材とマトリックス樹脂とを構成成分に含むロービングプリプレグ層とからなるロービングプリプレグパッケージであって、該ロービングプリプレグ層に断面等辺四辺形の空隙がロービングプリプレグ層の厚み方向に連続して該ロービングプリプレグ層の表面からコアボビンの表面にかけて存在することを特徴とするロービングプリプレグパッケージ。
【0015】
〔2〕 空隙が断面菱形である〔1〕に記載のロービングプリプレグパッケージ。
【0016】
〔3〕 パッケージの食い込み度が5mm以下である〔1〕に記載のロービングプリプレグパッケージ。
【0017】
〔4〕 張力0.8g/デニール以下でパッケージからロービングプリプレグを解舒した時にパッケージが変形せず、かつリンガーが発生しない〔1〕に記載のロービングプリプレグパッケージ。
【0018】
〔5〕 隣り合うロービングプリプレグ同士のピッチを、1.1×W≦P≦1.5×W[但し、Wはロービングプリプレグ幅(mm)、Pは隣り合うロービングプリプレグのピッチ(mm)]の範囲とし、かつロービングプリプレグの綾角を6°〜8°の範囲としてコアボビンにロービングプリプレグを巻き取ることを特徴とする〔1〕に記載のロービングプリプレグパッケージの製造方法。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下は、本発明についてさらに詳しく説明する。
【0020】
本発明のロービングプリプレグパッケージは、強化繊維材とマトリックス樹脂を構成成分に含むロービングプリプレグがコアボビンに巻き取られたパッケージであって、ロービングプリプレグが巻き取られて形成するロービングプリプレグ層に等辺四辺形状の断面形状である空隙がパッケージの厚み方向(径方向)に連続して存在することを特徴とする。
【0021】
本発明において、ロービングプリプレグに用いる強化繊維材としては、ガラス繊維、ボロン繊維、炭素繊維、アラミド繊維等の繊維を挙げることができる。これらの繊維のうち炭素繊維が特に好ましい。炭素繊維などの強化繊維材は、炭素繊維束など繊維束として用いることが好ましい。炭素繊維の場合、高強度の成形品を得るため、繊維の引張強さが4000MPa以上、更に4500MPa以上、特に5000MPa以上のものを好ましく用いることができる。
【0022】
本発明において、ロービングプリプレグに用いるマトリックス樹脂としては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリイミド樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂など、一般的な熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を用いることができるが、熱硬化性樹脂が好ましく、特にエポキシ樹脂が好ましい。
【0023】
エポキシ樹脂としては、例えば、2官能樹脂であるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、或いは3官能以上の多官能性エポキシ樹脂、例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、テトラグリシジルアミンのようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂、テトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタンやトリス(グリシジルオキシ)メタンのようなグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
【0024】
本発明におけるロービングプリプレグの構成成分としては、上記の強化繊維材、マトリックス樹脂の他に、例えばエポキシ樹脂の硬化剤や硬化促進剤等、通常のロービングプリプレグ用添加剤を挙げることができる。
【0025】
本発明においてロービングプリプレグを巻き取るコアボビンは、通常ロービングプリプレグパッケージに使用されているものであって、円筒状の形状のものである。コアボビンの材質は、金属製のものであっても良く、樹脂製、紙製のものであっても良い。
【0026】
本発明のロービングプリプレグパッケージは、例えば、ロービングプリプレグをガイドに通しコアボビンの長手方向に往復させながら巻き取ることにより製造することができる。コアボビンの巻き取り端部でロービングプリプレグはターン(折り返し)し、もう一方のコアボビンの巻き取り端部に至るまで巻き取られ、この巻き取り端部で更にターンする。この操作を繰り返すことにより、ロービングプリプレグ層が製造される。従って、ロービングプリプレグはコアボビンの上に複数層巻き取られて形成されている。
【0027】
本発明のロービングプリプレグパッケージは、等辺四辺形状の断面形状である空隙がロービングプリプレグ層の厚み方向(径方向)に連続して存在することを必要とする。
【0028】
この空隙は、コアボビンにロービングプリプレグを複数層巻き取ってパッケージを製造した際に、ロービングプリプレグ層の厚み方向(ロービングプリプレグ層の外側面からパッケージの内側面への方向)に、連続的に存在する空間(ロービングプリプレグが存在しない部分)をいう。また、空隙が連続して存在するとは、空隙がロービングプリプレグ層の1層に止まらず、複数層にわたり(ロービングプリプレグ層の厚み方向に)連続して存在することを意味する。この空隙は、ロービングプリプレグ層の最外側面からロービングプリプレグ層の最内側面にわたり連続(貫通)していることが特に好ましい。
【0029】
この空隙は、その断面形状(ロービングプリプレグ層の外側面方向、即ち厚み方向に垂直な平面における断面での形状)が等辺四辺形状であることを必要とする。本発明において、この空隙の断面形状は、コアボビンに巻きつけるロービングプリプレグの綾角により決まる。例えば、綾角が45°の場合は、空隙の断面形状は正方形状となる。本発明においては、綾角を6°〜8°の範囲とすることが好ましく、空隙の断面形状は菱形状であることが好ましい。
【0030】
本発明において、ロービングプリプレグ層に上記断面形状の空隙を連続して存在せしめるには、例えば、以下に示すワインド方式(以下、『ハニカムワインド方式』ということがある)を用いる。
【0031】
ロービングプリプレグパッケージの製造は、通常、ロービングプリプレグをコアボビンの長手方向に往復させながら巻き取る、いわゆるガイドトラバース方式により製造される。そして、コアボビンの一方の巻き取り端部でロービングプリプレグはターンし、他方のコアボビンの巻き取り端部に至るまで巻き取られ、この巻き取り端部で更にターンし、この操作を繰り返すことによりロービングプリプレグ層が製造される。
【0032】
本発明では、このコアボビンでのターン位置に特定の規則を持たせることにより、前記断面形状の空隙をロービングプリプレグ層に連続して存在させることができる。
【0033】
図1に従来方式(ワインドタイプ)のコアボビンでのロービングプリプレグの巻き取りターン位置を、図2に本発明において提案するハニカムワインド方式のロービングプリプレグのコアボビンでの巻き取りターン位置を示す。即ち、図1及び図2はロービングプリプレグのターン位置がコアボビン巻き取り端部円周上で、どのように移動するかを示したものである。図2の例では、1往復でほぼ1/4周分ターン位置がずれるが、図1の従来方式の場合、1/4+αずれる為、5往復目には点1と少しズレが生じる。この方式では、ロービングプリプレグ層に連続した空隙が生じない。
【0034】
一方、図2の本発明で用いるハニカムワインド方式では、例えば1往復で1/4ずれるようにワインドパターンを設定することで、5往復目には、初期の点1と同じ場所に戻る。すなわち、ロービングプリプレグは5往復を基準に常に一定の位置で巻き取られ、ロービングプリプレグ層に菱形状などの等辺四辺形状断面形状の空隙部分を連続して規則的に形成させることができる。ターン位置(ターンポイント)は、ロービングプリプレグの巻き取り綾角とコアボビンでの巻き取り幅を調整することにより上記位置に設定することができる。
【0035】
パッケージ外側面から観察した場合の空隙の概念図を図3に示す。ロービングプリプレグ層に形成される断面形状が等辺四辺形状の空隙は、隣り合うロービングプリプレグのピッチとワインド数に依存し、ピッチが大きくワインド数が小さいほど大きくなる。
【0036】
本発明において、コアボビンにロービングプリプレグを巻き取る際の隣り合うロービングプリプレグ同士のピッチP(mm)は、
1.1×W≦P≦1.5×W
であることが好ましい。但し、Wはロービングプリプレグ幅(mm)、Pは隣り合うロービングプリプレグのピッチ(mm)である。また、ロービングプリプレグの綾角は、6°〜8°の範囲であることが好ましい。
【0037】
このようにして製造される本発明のロービングプリプレグパッケージは、コアボビン幅方向に、常に同じ量のロービングプリプレグが巻き取られる為、高テンションで巻き取っても、パッケージ端部の凸部や乱れが生じない。一方、従来方式でロービングプリプレグを高テンションで巻き取った場合は、パッケージ端部の凸部や乱れが顕著となる。
【0038】
本発明のロービングプリプレグパッケージは、パッケージの食い込み度が5mm以下であることが好ましい。この食い込み度が5mm以下であると、パッケージからのロービングプリプレグ解舒性が更に良好となる。
【0039】
尚、本発明における食い込み度とは、ロービングプリプレグパッケージよりロービングプリプレグを約50cm解舒し、その先端に約5kgの荷重を与え、10分後にロービングプリプレグ層表面に生じた凹部の、ロービングプリプレグ層表面から凹部底面までの距離(mm)をいう。
【0040】
また、本発明のロービングプリプレグパッケージは、張力0.8g/デニール以下でロービングプリプレグを解舒した時にロービングプリプレグ層が変形せず、かつリンガーが発生しないことが好ましい。
【0041】
本発明のロービングプリプレグパッケージは、ロービングプリプレグを用いた低圧成形に適する。低圧成形では、得られる成形物の層間密着性を高める為に、高テンション(例えば、約0.8g/デニール)で解舒し、フィラメントワインディング(FW)方式で成形することが好ましいが、従来の巻き取り形態のパッケージでは解舒テンションが高いとパッケージが変形し、ロービングプリプレグの幅変動や巻き崩れによりリンガーが発生する等の問題が生じる。
【0042】
このような高い解舒テンションに対応する為には、ロービングプリプレグパッケージを製造する際に、ロービングプリプレグの巻き取りテンションをアップ(例えば、約0.4g/デニール)する必要がある。一般に、巻き取りテンションをアップすると、ロービングプリプレグのマトリックス樹脂に起因する粘着性(タック)により巻き取られたロービングプリプレグの下層と上層の接着力が増大し、リンガーが発生しやすくなる。これを回避するには、ワインド数を小さく(綾角を大きく)し、ストランドの交差点数を増加させる方法が有効である。しかし、この方法では巻き取りテンションが高い場合、ボビン両端部が凸状になる問題が生じる。また、巻き量が多くなると巻き崩れが生じる等の問題がある。
【0043】
このような高い巻き取りテンション(例えば、0.4g/デニール)でも安定したワインドが可能なワインドパターンを検討した結果、本発明のハニカムワインド方式で綾角を6°〜8°として得られるロービングプリプレグパッケージが有効である。
【0044】
【実施例】
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。特に指定しない限り「%」、「部」は質量基準である。なお、各物性の測定は次の方法によった。
(1) 炭素繊維比重
比重は、空気中での重量(Wa)と浸漬液(比重dL)中の重量(Wb)より下式により求めた。
炭素繊維比重=Wa/(Wa−Wb)×dL
(2)炭素繊維強度
エポキシ樹脂を含浸・硬化させた炭素繊維ストランド状硬化物を試料長130mm±2mm、引張速度30mm/minにて引張破断させ、次式により炭素繊維強度を得た。
【0045】
炭素繊維強度(kg/mm2)=P/A
但し、P:破断荷重(kg),A:炭素繊維の断面積(mm2)とし、
A=Y/ρ
但し、Y:炭素繊維の繊度(g/m),ρ:炭素繊維の密度(g/cm3
(3)炭素繊維伸度
炭素繊維の伸度は、炭素繊維の強度と弾性率から次式により求めた。
炭素繊維伸度(%)=炭素繊維強度(kg/mm2)/炭素繊維弾性率(t/mm2)/10
[実施例1]
炭素繊維束(繊度400tex、モノフィラメント数12,000本、比重1.8、強度6,280MPa、伸度2.1%)に、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂組成物(成形温度80℃、成形圧力0.02MPaで成形した時の層間接着面積率が70%以上であることを特徴とするエポキシ樹脂組成物)を32質量%含浸させた幅3.5mmのロービングプリプレグ(長さ2000m)を、外径が83mm、巻き付け幅が245mmのコアボビンに、綾角8.5度、巻きテンション0.4g/デニール、巻きピッチ 4.2mmにて巻き取りロービングプリプレグパッケージを得た。尚、コアボビン端部でのターン位置は7回目に1回目の位置に戻る様にロービングプリプレグの巻き取り綾角を微調節した。得られたロービングプリプレグパッケージのロービングプリプレグ層の形態、食い込み度、菱形断面形状空隙の有無、巻き姿及び解舒性評価結果を表1に示す。
【0046】
[実施例2、3]
綾角度を表1に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様にロービングプリプレグパッケージを得た。得られたロービングプリプレグパッケージのロービングプリプレグ層の形態、食い込み度、菱形断面形状空隙の有無、巻き姿及び解舒性評価結果を表1に示す。
【0047】
[比較例1〜4]
綾角度、巻きテンションを表1に示す条件に変更し、コアボビン端部でのターン位置は調整を行なわないこと以外は、実施例1と同様にロービングプリプレグパッケージを得た。得られたロービングプリプレグパッケージのロービングプリプレグ層の形態、食い込み度、菱形断面形状空隙の有無、巻き姿及び解舒性評価結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
Figure 2004197056
【0049】
表1において、*1及び*2は以下に示すことを表す。
*1 2000m巻きロービングプリプレグパッケージよりロービングプリプレグを約50cm解舒し、その先端に約5kgの荷重を与え、10分後にボビン表面に生じた凹部の表面からの距離を測定。
*2 2000m巻きのロービングプリプレグパッケージの外形を中央部、両端の3ヶ所にて測定し、その最大値と最小値の差が1mm以下のもで、かつ巻き取られたロービングプリプレグの巻き付け幅が245mm±2mmのものを巻き姿良好とした。
*3 張力0.8g/デニールにてパッケージからロービングプリプレグを解舒した時の、パッケージの食い込み度及びリンガーの発生有無により評価。
長さ50mm以上の端糸切れ状の毛羽が発生した場合をリンガー発生とし、2000m当たりのリンガー発生回数が5回以下のものを良好とした。
【0050】
表1に示した結果から明らかなように、本発明のロービングプリプレグパッケージは、巻き姿が良好であり、解舒性も良好なものであった。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、高張力下でもボビンの食い込みやリンガーが発生することなく、ロービングプリプレグを解舒することが可能であり、かつ長尺化した場合でもボビン幅方向に均一に巻き取ることが可能なロービングプリプレグパッケージ及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来方式のコアボビン上での巻き取りターン位置の考え方を示す説明図である。
【図2】本発明におけるコアボビン上での巻き取りターン位置の考え方を示す説明図である。
【図3】本発明のロービングプリプレグパッケージ外観の概念図である。
【図4】ロービングプリプレグをコアボビンに巻き付ける際の綾角を説明する図である。
【符号の説明】
1:ロービングプリプのコアボビン1端での1回目のターン位置
2:ロービングプリプのコアボビン1端での2回目のターン位置
3:ロービングプリプのコアボビン1端での3回目のターン位置
4:ロービングプリプのコアボビン1端での4回目のターン位置
5:ロービングプリプのコアボビン1端での5回目のターン位置
6:ロービングプリプのコアボビン1端での6回目のターン位置
7:ロービングプリプのコアボビン1端での7回目のターン位置
8:ロービングプリプのコアボビン1端での8回目のターン位置
9:ロービングプリプのコアボビン1端での9回目のターン位置
A:ロービングプリプレグパッケージの菱形状空隙
α:綾角

Claims (5)

  1. コアボビンと、前記コアボビンに巻き取られた強化繊維材とマトリックス樹脂とを構成成分に含むロービングプリプレグ層とからなるロービングプリプレグパッケージであって、該ロービングプリプレグ層に断面等辺四辺形の空隙がロービングプリプレグ層の厚み方向に連続して該ロービングプリプレグ層の表面からコアボビンの表面にかけて存在することを特徴とするロービングプリプレグパッケージ。
  2. 空隙が断面菱形である請求項1に記載のロービングプリプレグパッケージ。
  3. パッケージの食い込み度が5mm以下である請求項1に記載のロービングプリプレグパッケージ。
  4. 張力0.8g/デニール以下でパッケージからロービングプリプレグを解舒した時にパッケージが変形せず、かつリンガーが発生しない請求項1に記載のロービングプリプレグパッケージ。
  5. 隣り合うロービングプリプレグ同士のピッチを、1.1×W≦P≦1.5×W[但し、Wはロービングプリプレグ幅(mm)、Pは隣り合うロービングプリプレグのピッチ(mm)]の範囲とし、かつロービングプリプレグの綾角を6°〜8°の範囲としてコアボビンにロービングプリプレグを巻き取ることを特徴とする請求項1に記載のロービングプリプレグパッケージの製造方法。
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