JP2002031277A - 連続長のコンポジット輸送管 - Google Patents

連続長のコンポジット輸送管

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JP2002031277A
JP2002031277A JP2000210803A JP2000210803A JP2002031277A JP 2002031277 A JP2002031277 A JP 2002031277A JP 2000210803 A JP2000210803 A JP 2000210803A JP 2000210803 A JP2000210803 A JP 2000210803A JP 2002031277 A JP2002031277 A JP 2002031277A
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Hitoshi Kodama
斎 児玉
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Mitsubishi Rayon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】曲げ性や各種の強度等のさまざまな性能を向上
させると共に、製造効率をも向上させ、且つ製造コスト
を低減させることのできるコンポジット輸送管を提供す
る。 【解決手段】連続長のコンポジット輸送管(1) の最内部
にはライナー管(2) が配され、同ライナー管(2) の外側
には、2層のコンポジット層(3,4) が配されている。内
側の第1コンポジット層(3) は、強化繊維が管軸に対し
て−5°〜+5°の角度で配置されている。外側の第2
コンポジット層(4) は強化繊維として炭素繊維を含み、
且つ同強化繊維が、管軸に対して80°〜100°の角
度で螺旋状に配置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐圧性、耐食性に優
れ、しかも連続した長さで使用可能であり、主として原
油や天然ガスおよび温泉等の腐食性の強いガスや液体の
輸送に適したコンポジット輸送管に関する。
【0002】
【従来の技術】コンポジットは強度が高く、且つ密度が
低いため、比強度(強度/密度)が高く、そのため、近
年では金属に代わって車両や航空機、スポーツ用具の構
造体などに広く使用されている。
【0003】代表的なコンポジット材料である炭素繊維
強化プラスチックス(CFRP)及びガラス繊維強化プ
ラスチックス(GFRP)の各引張強度、密度及び比強
度と、代表的な金属材料であるアルミ合金及びチタン合
金の前記材料特性との比較を表1に示す。
【表1】
【0004】上記表1に示されているように、コンポジ
ットは引張強度及び比強度ともに、金属と比較して一桁
優れた性能を有している。このように引張強度及び比強
度に優れた高強度で且つ軽量であるという材料特性を備
えたコンポジットは、更に、金属では実現できないよう
な優れた耐食性をも有するものである。また、コンポジ
ットは成形性にも優れているため、各種形態の連続長構
造をもつものであっても容易に製造することができると
いった利点もある。
【0005】かかる各種性能に優れたコンポジットを、
一般的に硫化水素や炭酸成分の多い腐食性の強い原油の
輸送管として用いることが古くから検討されている。例
えばデュポン社 (Du Pont Corporathion) 、コノコ社
(Conoco Incorporated)、ファイバースパーアンドチュ
ーブ社 (Fiber Spar and Tube Corporation)などが、米
国特許第5097870号明細書、米国特許第5176
180号明細書、米国特許第5285008号明細書、
及び米国特許第5908049号明細書などにおいて原
油等の輸送用コンポジット管が開示されている。
【0006】かかる一般のコンポジット輸送管の構造
は、ファイバースパーアンドチューブ社の米国特許第5
921285号明細書に開示されているように、原油や
天然ガスに対する耐食性や摩擦抵抗性に優れるプラスチ
ック製ライナー管を内側に配置し、その外側には、圧力
や輸送管をリールに巻き取る際の曲げによる破壊を防ぐ
べく、コンポジット層を配置している。しかしながら、
上述の米国特許明細書に開示されたコンポジット層で
は、強化繊維材料がランダムに或いは方向性をもたせて
配しているに過ぎないため、繰り返しの曲げ性に乏し
く、破壊圧力、張力、圧縮強度などの点でも満足できる
ものではなく、更には輸送容量を向上させることが難し
い。
【0007】こうした課題を解消するとして、例えばフ
ァイバースパーアンドチューブ社の米国特許第6016
845号明細書に開示されているコンポジット輸送管
は、そのライナー管の外側に配された少なくも一のコン
ポジット層の構成材料である強化繊維を、管軸方向に略
平行な方向と、時計回りの螺旋巻き方向と、半時計回り
の螺旋巻き方向の三方向に織り込んで配している。好適
な前記平行な方向は管軸に対して5°〜20°であり、
螺旋巻き方向が前記平行な方向に対して±10°〜±6
0°であるとしている。
【0008】
【発明が解決しょうとする課題】しかるに、前述の米国
特許明細書に開示されているコンポジット輸送管にあっ
ては、強化繊維を三方向に織り込んで配しているため、
同一周面に配されている強化繊維は互いに交差し、かか
る交差部では強化繊維の所要の強度が発揮できず、輸送
管の管軸方向及び管周方向での強度が低下する。更に
は、管軸に平行な方向に配される繊維の管軸に対する角
度が好適な範囲として5〜20°を挙げていることか
ら、三方向の繊維が互いに管軸に対して大きな角度をも
って交差させるものであり、実質的に管軸方向と平行に
延びる強化繊維が少なくなり、管軸方向に対する相対的
な強度が低い。更に、強化繊維を三方向に織り込むには
特殊な織機或いは編機が必要であり、織り込み作業が煩
雑であり製造効率が低下し、コストアップの要因ともな
る。
【0009】そこで本発明は、耐腐食性及び軽量化を実
現すると共に、曲げ性や各種の強度等のさまざまな性能
を向上させ、しかも生産性をも向上させ、同時に製造コ
ストの低減を図ることが可能なコンポジット輸送管を提
供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述した現状に鑑みて、
本発明者らは主としてコンポジット構造に着目し、一連
の検討を行った。その結果、以下に示すような、収納形
態がコンパクトであり、長期間にわたる耐久性に優れ、
しかも製造工程の簡略化に有効なコンポジット構造を見
出すに至った。
【0011】すなわち、本件請求項1に係る発明は、ラ
イナー管と、同ライナー管の外側に配されたコンポジッ
ト層とを備えてなる連続長のコンポジット輸送管であっ
て、前記コンポジット層は複数層からなり、前記コンポ
ジット層は、前記ライナー管に隣接し、強化繊維が管軸
に対して−5°〜+5°の角度で配置されている第1コ
ンポジット層と、前記第1コンポジット層よりも外側に
配され、少なくとも炭素繊維を含む強化繊維が、管軸に
対して80°〜100°の角度で螺旋状に配置されてい
る第2コンポジット層とを有してなることを特徴とする
連続長のコンポジット輸送管を主要な構成としている。
【0012】本発明にあっては、第1コンポジット層の
強化繊維を管軸に対して−5°〜+5°と、実質的に管
軸と平行な方向に配している。そのため、本発明のコン
ポジット輸送管はその長さ方向に十分な強度を確保でき
る。第1コンポジット層の強化繊維の管軸に対する角度
が上記範囲内にない場合には、コンポジット輸送管はそ
の長さ方向での強度が低いものとなる。
【0013】また、連続する長尺なコンポジット輸送管
は、リールに巻き取られた形態で貯蔵されるが、前記輸
送管をリールに巻き取る場合に、前記輸送管には長さ方
向での引っ張り応力や圧縮応力などの曲げ応力が作用す
る。この曲げ応力は輸送管の外側層と内側層では平均的
に外側層の方がより強い応力を受ける。本発明にあって
は、この長さ方向での引っ張り応力及び圧縮応力を強く
受ける外側の第2コンポジット層の強化繊維を、管軸方
向に対して80°〜100°の範囲で配している。その
ため、第2コンポジット層の強化繊維には同繊維の長さ
方向に引っ張り応力及び圧縮応力が作用することはな
く、輸送管の曲げに対して十分な耐久性を備えている。
【0014】しかも、外側の第2コンポジット層の強化
繊維として炭素繊維を採用し、且つ管軸方向に対して8
0°〜100°の角度で螺旋状に配することにより、同
輸送管の径方向に作用する内部の流体からの圧力や、外
部からの圧力にも十分に耐え得る強度を付与することが
できる。第2コンポジット層の強化繊維の管軸方向に対
する角度が上記範囲内にない場合には、輸送管の径方向
での強度が不十分となる。
【0015】更に、実施的に管軸方向に延びる強化繊維
を第1コンポジット層に配し、実質的に管の周方向に延
びる強化繊維を第2コンポジット層に配して、管軸方向
に延びる強化繊維と管の周方向に延びる強化繊維とをそ
れぞれ異なるコンポジット層に配しているため、強化繊
維同士が同一周面において交差することがない。そのた
め、強化繊維はそれぞれの方向において十分にその強度
が発揮でき、輸送管の強度が向上する。
【0016】本件請求項2に係る発明によれば、前記第
1層コンポジット層の前記強化繊維は、弾性率が80G
Pa 以下であり、且つ引張強度が2.5GPa 以上であ
ることを特徴としている。前記第1コンポジット層の強
化繊維は、輸送管の軸に対して−5°〜+5°の角度
で、前記輸送管の長さ方向に略平行に配されているた
め、前記輸送管をリールに巻き取る場合に、同第1コン
ポジット層の強化繊維には、その長さ方向に引っ張り応
力や圧縮応力が作用する。そのため、同第1コンポジッ
ト層の強化繊維には、伸度の高い繊維を用いる必要があ
る。第1コンポジット層に、弾性率が80GPa 以下で
あり、引張強度が2.5GPa 以上である伸度の高い強
化繊維、例えばガラス繊維等を用いることにより、連続
長のコンポジット輸送管をリールに巻き取る場合に、輸
送管の軸と略平行な伸度の高い前記強化繊維には、その
破断伸度を超える大きな伸度が作用することはなく、曲
げによる損傷が生じることがない。第1コンポジット層
の強化繊維として弾性率が80GPa より大きく、引張
強度が2.5GPa よりも小さい伸度の低い強化繊維を
使用した場合には、輸送管が曲げにより損傷する恐れが
あり、同輸送管をリールに巻き取ることが困難となる。
【0017】本件請求項3に係る発明は、前記第2コン
ポジット層の肉厚t、前記輸送管の半径r、及び前記輸
送管により輸送される流体の圧力P(bar )で規定され
るP・r/tの値が20, 000以下であることを特徴
としている。前記第1コンポジット層よりも外側に配さ
れ、且つ炭素繊維を含む強化繊維が採用されている第2
コンポジット層を、前記Pr/tの値が20, 000以
下となるように形成することにより、内部を輸送される
原油やガスなどの流体により負荷される内圧に対して、
輸送管が疲労やクリープで破壊することがなく、耐久性
に優れている。
【0018】本件請求項4に係る発明にあっては、前記
コンポジット輸送管の直径dは、巻取り直径をDとした
ときに、d/Dの値が0.04以下となるよう設定され
てなることを特徴とする。収納時においては輸送管の直
径dと巻取り直径Dにより規定されるd/Dの値が0.
04以下であれば、輸送管を巻き取って収納する場合
に、同輸送管に亀裂が生じたり潰れたりすることがな
く、安全に使用できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について図面を参照して詳細に説明する。図1は好適な
実施形態によるコンポジット輸送管の断面図である。前
記コンポジット輸送管1は、最も内側にライナー管2が
配されており、そのライナー管の外側に、第1コンポジ
ット層3が、更に同第1コンポジット層3の外側に第2
コンポジット層4が配されている。
【0020】前記ライナー管2は、輸送されるガスや液
体の種類及びその圧力に応じて、耐食性や摩擦抵抗性、
破断強度などを考慮して適宜選択が可能であり、各種金
属材料やプラスチック材料などを採用することができ
る。特に、プラスチック材料は高密度ポリエチレン、ナ
イロン11、ポリエーテルケトン、ポリ弗化ビニリデン
等の熱可塑性樹脂を、原油の成分や温度の各種ケースに
応じて用いることにより、輸送管として耐食性、耐熱性
及び経済性を付与することができるので好都合である。
【0021】また、ライナー管2と第1コンポジット層
3との接着性を向上させるために、ライナー管2の表面
ににポリオレフィン、ポリウレタン、塩化ビニル等の熱
可塑性樹脂をコーティングして用いれば、輸送管1の耐
久性を向上させることができる。
【0022】内側に配されている前記第1コンポジット
層3には、前記輸送管1の軸方向に対して−5°〜+5
°の角度をもって、即ち、前記軸方向と実質的に平行に
強化繊維が配されており、外側に配されている前記第2
コンポジット層4には、前記輸送管1の軸方向に対して
80°〜100°の角度をもって強化繊維が螺旋状に配
されている。
【0023】前記第1及び第2コンポジット層3,4に
用いられている強化繊維としては、ガラス繊維や炭素繊
維が挙げられる。更にガラス繊維としてはEガラス、S
ガラス、Cガラス等の繊維が用いられる。また、炭素繊
維としてはPAN系、ピッチ系などの各種炭素繊維を用
いることができる。なお、少なくとも前記第2コンポジ
ット層4は、強化繊維として炭素繊維を含んでいる。
【0024】前記第1コンポジット層3は、強化繊維が
実質的に前記輸送管1の軸方向に配されているため、得
られるコンポジット輸送管はその軸方向に十分な強度を
備えている。なお、実質的に輸送管1の軸方向に配され
ている強化繊維には、リールに巻き取る際に同強化繊維
の長さ方向に引っ張り応力及び圧縮応力が強く作用す
る。そのため、この軸方向の強化繊維としては、弾性率
が80GPa以下であり、引張強度が2.5GPa以上
である伸度の高い強化繊維を採用することが好ましい。
【0025】更に、輸送管1を使用する際に内部流体か
らの同輸送管1の径方向に大きな圧力が作用し、且つ例
えば前記輸送管1をリールに巻き取る際などに同輸送管
1の径方向に外側からの圧力が加わる。このように内側
及び外側から、輸送管1の径方向に圧力が加わっても、
前記第2コンポジット層4は、前記輸送管1の軸方向に
対して80°〜100°の角度をもって強化繊維が螺旋
状に配されており、しかもこの強化繊維として炭素繊維
を含んでいるため、これらの内側及び外側からの圧力に
十分耐え得るものとなり、輸送管1が潰れるのを防止で
き、輸送管1の形態安定性を向上させることができる。
【0026】また、コンポジット層のマトリックス樹脂
としては、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、エポ
キシ、フェノール等の熱硬化性樹脂を用いることができ
る。更に、前記第2コンポジット層4を保護する目的
で、同第2コンポジット層4の外側に、ポリウレタン、
スチレン、塩化ビニール、ポリオレフィン、ナイロン等
の熱可塑樹脂からなる保護層を押出し成形により成形
し、或いはテープを巻き回して形成することも可能であ
る。
【0027】上述した構造をもつ連続長のコンポジット
輸送管を連続して製造するのに適した装置の概略を図2
に示す。連続長の前記コンポジット輸送管1を製造する
際には、先ず、ライナー管2を成形する。前記ライナー
管2は押出し成形により所定の内径及び外形をもつ成形
体に形成できるが、後に同ライナー管2の外側に形成さ
れるコンポジット層3,4との接合性を高めるために、
同ライナー管2とコンポジット層3,4との間に接着層
を形成することが好ましい。
【0028】そこで、ライナー管用の樹脂材料を押出し
成形機5から、接着層用の樹脂材料を押出し成形機6か
ら、それぞれ成形型7の中に2層で押出し成形し、その
後、冷却装置8により所定の外径及び厚さに賦形して、
ライナー管2の外周に接着層を同時に成形する。
【0029】その後、前記ライナー管2の外周に、クリ
ールスタンド9から第1コンポジット層3の強化繊維
を、前記ライナー管2の軸方向に対して−5°〜+5°
の角度で引き揃えて供給し、同強化繊維をライナー管2
の外周に同心円状に形成する。そして、コンポジット層
3のマトリックス樹脂を、ディスペンサ10により射出
して含浸させる。
【0030】次いで、前記第1コンポジット層3の外周
に、第2コンポジット層4の強化繊維を2台のワインデ
ィング機11,11により、それらワインディング機1
1,11を相互に逆回転させて、管軸方向に対して80
°〜100°の角度で巻き回す。この強化繊維に、ディ
スペンサ10によりマトリックス樹脂を射出して含浸さ
せる。
【0031】その後、所定温度のトンネルオーブン12
を所定のライン速度で通過させて、第1及び第2コンポ
ジット層を硬化した後、引抜装置で用いられる引取り装
置13により成形された輸送管を引き取って、巻取り機
14により巻き取り、連続長のコンポジット輸送管の巻
取体が得られる。
【0032】以下、本発明について具体的な実施例を挙
げて説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定され
るものではない。 <実施例1>ライナー管用のプラスチック材料には高密
度ポリエチレン樹脂「リンクロン(三菱化学登録商標)
XHE−740N」を用いた。また、ライナー管の高密
度ポリエチレンとコンポジット層のエポキシ樹脂との接
合強度を向上させることを目的に、ライナー管とコンポ
ジット層との間に、接着層としてポリオレフィン樹脂
「モディック(三菱化学登録商標)APH−511」を
用いた。
【0033】ライナー管用の高密度ポリエチレンを押出
し成形機5から、接着層用のポリオレフィン樹脂を押出
し成形機6から、それぞれ成形型7の中に2層で押出し
成形し、その後、サイザー冷却装置8で外径75mm、
厚さ3mmに賦形して、接着層の厚さが0.2mmの2
層構造のライナー管2を得た。
【0034】更に、第1コンポジット層3の強化繊維と
して、クリールスタンド9に据え付けたEガラス繊維を
ライナー管の軸方向に引き揃え、トウの糸道ガイドを用
いて前記ライナー管2の外周に供給し、同Eガラス繊維
をライナー管2の外周に同心円状に形成した。この時、
Eガラスのトウは1000TEXを29本用い、約0.
5mm厚さで形成した。その後、マトリックス樹脂とし
てエポキシ樹脂「エピコート(シェル化学登録商標)#
700」を前記Eガラス繊維に、ディスペンサ10によ
り射出して含浸させた。
【0035】次いで、前記Eガラス繊維層にエポキシ樹
脂を含浸させた第1コンポジット層の上に、ワインディ
ング機11により炭素繊維を管軸方向に対して略90°
の角度で巻き回して、第1コンポジット層3の外周に第
2コンポジット層4の炭素繊維を同心円状に形成した。
前記炭素繊維としては「パイロフィル(三菱レイヨン登
録商標)TR50S−24K」を用い、図2に示すよう
に、相互に逆回転するワインディング機11,11を2
台使用して、それぞれのワインディング機11に炭素繊
維のスプールを16本据え付けてピッチ34mm/回転
で運転し、第2コンポジット層4の炭素繊維は厚さ1.
2mmで管軸方向に対する角度が84°であった。この
炭素繊維に、ディスペンサ10により前記エポキシ樹脂
を射出して含浸させた。
【0036】その後、10m長のトンネルオーブン12
を130℃に設定し、ライン速度3m/minで通過さ
せて、第1及び第2コンポジット層3,4を硬化した。
更に、引抜装置で用いられる引取り装置13により成形
された管を引き取って、直径5mのクリール14に巻き
取り、連続長のコンポジット輸送管の巻取体を得た。
【0037】得られたコンポジット輸送管1について、
内圧試験による破裂圧を測定したところ、80℃で60
0bar が得られた。また、第1コンポジット層3を規定
するd/Dの値は、75/5000=1.5%であり、
本発明の2%以下という範囲を満足していた。更に、第
2コンポジット層4を規定するPr/tの値は、600
×(75/2)/1.2=18, 750であり、本発明
の20, 000以下という範囲を満足する。このコンポ
ジット輸送管は原油輸送管として内部を輸送される原油
の定圧200bar で長期の実使用に耐える性能を得た。
【0038】<実施例2>ライナー管用のプラスチック
材料にはポリエーテルケトン樹脂「カリロン(シェル化
学登録商標)」を用いた。なお、本実施例2においては
接着層は配していない。前記ライナー管用のポリエーテ
ルケトン樹脂を押出し成形機5から成形型7に押出し成
形し、その後、サイザー冷却装置8で外径75mm、厚
さ2mmに賦形してライナー管2を得た。
【0039】第1コンポジット層3は実施例1と同様に
クリールスタンド9に据え付けたEガラス繊維を管軸方
向に引き揃え、トウの糸道ガイドを用いてライナーの外
周に同心円状に形成した。この時、Eガラスのトウは1
000TEXを29本用い、約0.5mm厚さで形成し
た。その後、マトリックス樹脂としてエポキシ樹脂「エ
ピコート(シェル化学登録商標)#700」を前記Eガ
ラス繊維に、ディスペンサ10により射出して含浸させ
た。
【0040】次いで、前記Eガラス繊維層にエポキシ樹
脂を含浸させた第1コンポジット層の3上に、炭素繊維
とガラス繊維を混合してワインディング機11により管
軸方向に対して略90°の角度で巻き回して、第1コン
ポジット層3の外周に第2コンポジット層4の炭素繊維
及びガラス繊維を同心円状に形成した。前記炭素繊維と
しては「パイロフィル(三菱レイヨン登録商標)TR5
0S−24K」を用い、ガラス繊維にはEガラス繊維の
240TEXを用いた。図2に示すように、相互に逆回
転するワインディング機11,11を2台使用して、そ
れぞれのワインディング機11に炭素繊維のスプールを
2本とガラス繊維のスプールを14本を据え付けてピッ
チ34mm/回転で運転し、第2コンポジット層4の炭
素繊維及びガラス繊維は厚さ1.2mmで管軸方向に対
する角度が84°であった。この炭素繊維及びガラス繊
維に、ディスペンサ10により前記エポキシ樹脂を射出
して含浸させた。
【0041】その後、10m長のトンネルオーブン12
を130℃に設定し、ライン速度3m/minで通過さ
せて、第1及び第2コンポジット層3,4を硬化した。
◇更に、引抜装置で用いられる引き取り装置13により
成形された管を引き取って、直径6mのクリール14に
巻き取り、連続長のコンポジット輸送管の巻取体を得
た。
【0042】得られたコンポジット輸送管1について、
内圧試験による破裂圧を測定したところ、80℃で60
0bar が得られた。第2コンポジット層3を規定するP
r/tの値は、600×(75/2)/1.2=18,
750であり、本発明の20, 000以下という範囲を
満足する。このコンポジット輸送管1は原油輸送管とし
て内部を輸送される原油の定圧200bar で長期の実使
用に耐える性能を得た。更に、同輸送管1を収納するリ
ールの直径は6m、輸送管1の直径は75mmであり、
d/D=75/6000=1.25%であり2%以下を
満足する。
【0043】以上、説明したように、本発明による連続
長のコンポジット輸送管にあっては、コンポジット層
が、同輸送管を連続的に巻き取って収納するのに耐え得
る第1コンポジット層と、原油やガスによる圧力を支え
る第2コンポジット層とを少なくとも備えた複数層であ
り、第1及び第2コンポジット層のそれぞれに使用基準
を定めて構造を規定している。そのため、従来の構造で
あるコンポジット層の繊維角度がアングル層のみで形成
される場合やガラス繊維のみで構成される輸送管と比較
して、収納時及び輸送管としての使用時における機械的
性能に優れた輸送管を得ることができる。特に、コンポ
ジット層の強化繊維にガラス繊維のみを採用している輸
送管と比較すると、外側のコンポジット層に炭素繊維が
配されており、しかもその繊維の軸方向に対する角度が
80°〜100°である本発明の輸送管は、疲労やクリ
ープの無い耐久性に優れた輸送管となる。また、製造時
には高価なワインダー装置を多数用いる必要がないので
経済性に優れる輸送管を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコンポジット輸送管の概略断面図であ
る。
【図2】本発明のコンポジット輸送管を製造するのに適
した装置の概略を示す図である。
【符号の説明】
1 コンポジット輸送管 2 ライナー管 3 第1コンポジット層 4 第2コンポジット層 5 押出し成形機 6 押出し成形機 7 成形型 8 冷却装置 9 クリールスタンド 10 ディスペンサ 11 ワインディング機 12 トンネルオーブン 13 引取り装置 14 巻取り装置(クリール)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ライナー管と、同ライナー管の外側に配
    されたコンポジット層とを備えてなる連続長のコンポジ
    ット輸送管であって、 前記コンポジット層は複数層からなり、 前記コンポジット層は、前記ライナー管に隣接し、強化
    繊維が管軸に対して−5°〜+5°の角度で配置されて
    いる第1コンポジット層と、前記第1コンポジット層よ
    りも外側に配され、少なくとも炭素繊維を含む強化繊維
    が、管軸に対して80°〜100°の角度で螺旋状に配
    置されている第2コンポジット層とを有してなることを
    特徴とする連続長のコンポジット輸送管。
  2. 【請求項2】 前記第1層コンポジット層の前記強化繊
    維は、弾性率が80GPa 以下であり、且つ引張強度が
    2.5GPa 以上であることを特徴とする請求項1記載
    の連続長のコンポジット輸送管。
  3. 【請求項3】 前記第2コンポジット層の肉厚t、前記
    輸送管の半径r、及び前記輸送管により輸送される流体
    の圧力P(bar )で規定されるP・r/tの値が20,
    000以下であることを特徴とする請求項1記載の連続
    長のコンポジット輸送管。
  4. 【請求項4】 前記コンポジット輸送管の直径dは、巻
    取り直径をDとしたときに、d/Dの値が0.04以下
    となるよう設定されてなることを特徴とする連続長のコ
    ンポジット輸送管。
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