JP2004196927A - 燃料油の酸化脱硫方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料油中に含まれている難除去性有機硫黄化合物、特にジベンゾチオフェン類を効率的に酸化・除去できる工業的に有利な燃料油の酸化脱硫法を提供する。
【解決手段】硫黄化合物を含有する燃料油を、(i)遷移金属触媒、(ii)相間移動触媒及び(iii)ブレンステッド酸から選ばれる助触媒の存在下、酸化剤で処理する。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する研究分野】
本発明は、硫黄化合物を含有する燃料油の酸化脱硫法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、石油、石炭などの化石資源を原料とする燃料油中には有機硫黄化合物が含有されている。これらの硫黄化合物は燃焼に際して、人体に悪影響を及ぼすガス(SOX)を発生させたり、酸性雨等の原因となるため、大気環境汚染防止のためには、化石燃料資源の利用の前後において硫黄化合物の除去が必要とされている。そのため、現在精油所では、触媒の存在下(Co、Mo系)高温、高圧にて水素化処理を行う水素化脱硫法が行われている。
【0003】
また、大都市地域において、光化学オキシダント、酸性雨等の大気汚染が深刻化してきており、原因としてディーゼル車の排出ガス中に含まれる窒素酸化物、粒子状物質(パティキュレート)、および炭化水素があげられている。軽油中の硫黄分は、ディーゼル車の排出ガス対策として期待されている、酸化触媒、窒素酸化物還元触媒、および排気微粒子除去フィルター等の排気処理装置の信頼性や耐久性に悪影響を及ぼす懸念がある為、規制強化の対象とされている。
【0004】
そのため、世界中で軽油中の硫黄分の規制が強化されてきており、欧州では、1994年から軽油中の硫黄分を欧州統一軽油規格として0.2wt%以下、さらに1996年から0.05wt%以下に低減している。また、2000年から硫黄分を350ppm以下、2005年から50ppmの厳しい規制値が導入される予定である。米国では、1993年から硫黄分500ppmに規制されている。さらに2000年にはEPAが軽油中の硫黄分15ppmの案を提示して、議論の対象になっている。我が国においても、軽油中に含まれる硫黄分を現在の規制値である硫黄分500ppmから、2005年には50ppm以下へと規制の強化を図る方針としており、この意味においても軽油中に含まれる硫黄分に対してその低減が強く要請されている。
【0005】
現在、燃料油の脱硫方法としては、一般的には水素化脱硫によって燃料油の脱硫が行われている。しかし、水素化脱硫では、燃料油中に含まれている有機硫黄化合物、特に硫黄原子周辺にアルキル基などの立体障害性の置換基を持つアルキル置換ジベンゾチオフェン類を50ppm以下の超深度に除去することが困難であった。
そこで、超深度脱硫達成のためには、このような難除去性硫黄化合物を有効に除去することができる新たな脱硫法の開発が急務とされている。
【0006】
新たな脱硫法としては、前記の硫黄化合物を酸化することにより燃料油から除去する酸化脱硫が有効であるとされている。これは、酸化反応では、水素化脱硫の場合とは逆に、アルキル置換ジベンゾチオフェン類との相対反応性がより増加するためである。すなわち、有機硫黄化合物は酸化反応によって同属の酸素では見られない原子価を拡大した化合物を形成し、2価の原子価をもつスルフィドは、スルホキシドそしてスルホン化合物へと酸化されていく。このとき、硫黄と酸素の間には極性を持つ結合が形成され、それによって各生成物の沸点、溶解度因子および吸着能などの物理的性質に著しい変化が生じてくる。そのため、抽出および吸着操作等を利用して、燃料油から効率的に分離することが可能となるからである。
【0007】
ところで、ジベンゾチオフェン類の酸化反応には、従来から様々な方法が知られている。例えば、酸化反応を行うに際し、酸化剤として、二酸化窒素(非特許文献1)、硝酸(非特許文献2)、有機ヒドロペルオキシド(t-ブチルヒドロペルオキシド)を用いる方法(非特許文献3)、光反応による方法(非特許文献4)、過酸化水素及び触媒としてホスホタングステン酸等を組み合わせて用いる方法(非特許文献5)、過酸化水素とトリフルオロ酢酸等から生成する有機過酸を用いる方法(非特許文献6)などが提案されている。
しかしながら、これらの酸化法は、高価な薬品やアセトニトリル等の有機溶媒を必要とし、また、反応性が未だ充分でない等の理由から、実際の工業的な方法としては実用化されていない。
このようなことから、燃料油に含まれる硫黄化合物、特にジベンゾチオフェン類の含有量の低減を図ることのできる、酸化脱硫法の開発が強く要請されているのが現状である。
【0008】
【非特許文献1】Ind.Eng.Chem.Res 29,321, (1990).
【非特許文献2】Ind.Eng.Chem.Res 29,324, (1990).
【非特許文献3】Sekiyu Gakkaisi,44(1),18,(2001).
【非特許文献4】Ind.Eng.Chem.Res 37,203, (1998).
【非特許文献5】特開2001-354978公報
【非特許文献6】特開平4-72387号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、燃料油中に含まれている難除去性有機硫黄化合物、特にジベンゾチオフェン類を効率的に酸化・除去できる工業的に有利な燃料油の酸化脱硫法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決しようとする手段】
本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1) 硫黄化合物を含有する燃料油を、(i)遷移金属触媒、(ii)相間移動触媒及び(iii)ブレンステッド酸から選ばれる助触媒の存在下、酸化剤で処理することを特徴とする燃料油の酸化脱硫方法。
(2) 酸化剤が、過酸化水素であることを特徴とする上記(1)に記載の燃料油の酸化脱硫方法。
(3) 遷移金属触媒が、周期律表第IIIa、IVa、Va、VIa、VIIa、VIII類の金属の酸化物、ハロゲン化物、および、それらの錯塩から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の燃料油の酸化脱硫方法。
(4) 相間移動触媒が、四級アンモニウム塩であることを特徴とする上記(1)乃至(3)何れかに記載の燃料油の酸化脱硫方法。
(5) ブレンステッド酸が、リン酸、ホスホン酸、カルボン酸、スルホン酸及び硫酸から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記(1)乃至(4)何れかに記載の燃料油の酸化脱硫方法。
(6) 硫黄化合物が、有機硫黄化合物であることを特徴とする上記(1)乃至(5)何れかに記載の燃料油の酸化脱硫方法。
(7) 有機硫黄化合物が、ジベンゾチオフェン類であることを特徴とする上記(6)に記載の燃料油の酸化脱硫方法。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明においては、硫黄化合物好ましくは有機硫黄化合物を含有する燃料油を、(i)遷移金属触媒、(ii)相間移動触媒及び(iii)ブレンステッド酸から選ばれる助触媒の存在下、酸化剤で処理して、生成した硫黄化合物好ましくは有機硫黄酸化物を燃料油から分離除去する。
【0012】
本発明の対象となる燃料油は、化石燃料由来の燃料油を意味し、石油に限らず、石炭、オイルサンド、オイルシェール、及びオリマルジョン等の有機化石資源由来の燃料油であっても差し支えない。この具体例をあげると、石油系としては、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環式炭化水素、縮合多環式化合物などの炭化水素を主成分とするガソリン、灯油、軽油、重油等の特定の留分からなる蒸留生成物及び原油等が、石炭系としてはコールタール、液化油等が、石油類似資源では、オイルサンド、オイルシェール、オリマルジョン等からの抽出物、及び精製油等の液体化されているものである。
【0013】
これらの燃料油中に含まれる硫黄化合物としては、無機硫黄化合物および有機硫黄化合物が挙げられる。有機硫黄化合物としては、脂肪族炭化水素を構成する炭素鎖中に硫黄原子を含有する化合物、例えば、チオール類、チオエーテル類等、芳香族炭化水素の置換基として、炭素鎖中に硫黄原子を含有する基を有する化合物、例えば、チオフェノール類、チオアニソール類等、および、骨格中に硫黄原子を含有する複素環化合物、例えば、チオフェン類、ベンゾチオフェン類、ジベンゾチオフェン類等を挙げることができる。
【0014】
ジベンゾチオフェン類に含まれる化合物としては、ジベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェンのモノアルキル体又はジアルキル体等のアルキル化誘導体、さらに分子内にジベンゾチオフェン骨格を有する化合物が挙げられる。
【0015】
一般に、前記した骨格中に硫黄原子を含有する複素環化合物、特に硫黄原子周辺にアルキル基などの置換基を持つジベンゾチオフェン類は、通常の水素化脱硫法では立体障害の影響により分解することが困難な化合物であるが、本発明ではこのような硫黄化合物を他の有機化合物に変化させ、簡便に分離除去することができるので、かかる硫黄化合物の除去法として特に有効である。この本発明により、前述の有機化合物を燃料油中から有効に酸化除去することができるが、特にジベンゾチオフェン類への適用が効果的である。
【0016】
本発明の対象となる燃料油はこれらの各成分適宜含有する混合物であってもよい。さらに、これらの燃料油は、特定の脱硫操作を施した後の、有機硫黄化合物を含有する混合物であっても差し支えない。
燃料油中に含まれる硫黄化合物の割合は、適宜選択することができるが、通常、有機硫黄化合物の含有量は、1×10−4(1ppm)〜100重量%であることが好ましい。
【0017】
本発明で用いる酸化剤としては、この種の酸化脱硫法で用いられている酸化剤が全て使用できる。このような酸化剤としては、たとえば過酸化水素、過酢酸、t-ブチルヒドロペルオキシド等の液状の酸化剤等を挙げることができる。本発明で好ましく使用される酸化剤は、過酸化水素である。この過酸化水素の使用濃度に特に制限はないが、一般的には1〜80重量%、好ましくは30〜60重量%の濃度で用いることができる。
【0018】
本発明で用いる(i)遷移金属触媒は、酸化剤に作用して、有機硫黄化合物類の酸化を促進する役目を担うものである。このような遷移金属触媒としては、周期律表第IIIa、IVa、Va、VIa、VIIa、VIII類の金属の酸化物、ハロゲン化物、および、それらの錯塩等を挙げることができる。その具体例には、例えばタングステン、バナジウム、モリブデン、チタン、オスミウム、レニウム等の酸化物、ハロゲン化物、および、それらの錯塩等が例示される。タングステン化合物の具体例としては、酸化タングステン、タングステン塩化物等を挙げる事ができる。バナジウム化合物の具体例としては、酸化バナジウム、酸化バナジウムアセトアセトン錯体、バナジウム塩化物等を挙げることができる。
本発明で好ましく使用される遷移金属触媒は、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸、モリブデン酸ナトリウムである。
これらの遷移金属触媒量の使用量に特に制限はないが、通常、燃料油に対して1×10 6〜10g/Lの割合、好ましくは1×10 5〜1g/Lの割合で添加される。
【0019】
本発明で用いる(ii)相間移動触媒は、遷移金属触媒、酸化剤に作用して、有機硫黄化合物類の酸化を促進する役目を担うものである。このような相間移動触媒としては四級アンモニウム塩があげられる。その具体例としては、ベンジルトリオクチルアンムニウムクロリド(BTEAC)、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド(TOMAC)、テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(TBAB)、トリオクチルメチルアンモニウム硫酸水素塩等が例示される。
本発明で好ましく使用される相間移動触媒は、トリオクチルメチルアンモニウム硫酸水素塩である。
これらの相間移動触媒の使用量に特に制限はないが、通常、燃料油に対して1×10 6〜10g/Lの割合、好ましくは1×10 5〜1g/Lの割合で添加される。
【0020】
本発明で用いる(iii)ブレンステッド酸から選ばれる助触媒は、遷移金属触媒に配位してその触媒効果を向上させる役目を担うものである。このようなブレンステッド酸としては、リン酸、ホスホン酸、カルボン酸、スルホン酸、硫酸等が例示される。
本発明で好ましく使用される助触媒は、リン酸、フェニルホスホン酸である。これらの助触媒の使用量に特に制限はないが、通常、燃料油に対して1×10 6〜10g/Lの割合、好ましくは1×10 5〜1g/Lの割合で添加される。
【0021】
本発明の実施形態に特別な制約はないが、前記の有機硫黄化合物を含有する燃料油と、前記の(i)遷移金属触媒と(ii)相間移動触媒、(iii)ブレンステッド酸、および酸化剤とを液体の状態で反応器に供給する態様をとることが好ましい
【0022】
反応温度は、反応原料が液状を保持できる温度であれば適宜設定することができる。このようなことから一般的には−100℃〜120℃、好ましくは−50℃〜90℃で行うことができる。
【0023】
反応の再現性を達成するためには、反応器を上記温度範囲に保つための温度調節が有効である。温度調節のための過熱および除熱は、たとえば反応器外壁より、熱媒体を用いて行うことができる。場合によっては、温度調節装置を反応器内に直接設置することも可能である。反応器は流通系でも、回分式でも、また、半回文式でも行うことができる。
【0024】
反応終了後、酸化反応生成物を分離する。有機硫黄化合物は酸化されることにより、酸素と結合した有機硫黄酸化物に変換される。例えばジベンゾチオフェン類は、酸化されて主としてジベンゾチオフェンスルホン類に転換する。すなわち、ジベンゾチオフェンでは、ジベンゾチオフェンスルホンとなり、4,6-ジメチルジデンゾチオフェンでは、4,6-ジメチルジデンゾチオフェンスルホンとなる。この結果、酸化前と酸化後では、硫黄化合物の融点、沸点、溶解度等が大きく変化する。
【0025】
生成した有機硫黄酸化物は、抽出および吸着、蒸留等、各種の分離操作を用いて除去することができる。吸着操作の吸着剤には、ゼオライト、粘土鉱物、活性炭等を挙げることができる。抽出操作の抽出剤には、水、アセトニトリル、メタノール、ジメチルスルホキシド、スルホラン等を挙げることができる。上述の有機硫黄酸化物は主としてその極性溶媒中に分配するので、分液することによりその大部分を除去することが可能であり、分液後の燃料油は、更なる抽出および吸着操作等によりさらに精製することができる。
【0026】
反応生成物である有機硫黄酸化物を除去した燃料油は、そのまま有機硫黄化合物が除去されたものとして、目的とする用途に使用することができる。また、一部を反応原料に再循環することもできる。
【0027】
【実施例】
以下に、本発明の内容を実施例により具体的に説明する。しかしながら、以下に示す実施例は一例であり、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
【0028】
実施例1
内容積500mlのガラス性反応器中に、タングステン酸ナトリウム二水和物(Na2WO・2H2O)10mg、フェニルホスホン酸(PhPO3H2)4.8mg、メチルトリオクチルアンモニウム硫酸水素塩[(CH3(n-C8H17)3N)HSO4]14.1mgを加え、モデル燃料油として調整したジベンゾチオフェン(DBT、有機硫黄化合物)のデカヒドロナフタレン(デカリン)溶液100ml(硫黄分濃度510ppm)を反応器中に入れた。次に、30%過酸化水素水溶液10ml加えた反応器に、還流冷却器を設置後、反応器を90℃に保たれているオイルバス中に浸し、反応器内の液体をマグネチックスターラーで攪拌しながら、5時間酸化反応を行った。反応後、室温まで冷却した後、−20℃で30分間冷却させ、吸引ろ過を行った。その後、純水によって抽出した。モデル燃料油の硫黄分を測定したところ5ppmであった。
【0029】
比較例1
遷移金属触媒と相間移動触媒、ブレンステッド酸を添加しないで、過酸化水素のみで実施例1と同じ条件下、酸化反応を行ったところ、硫黄分は500ppmであった。
【0030】
比較例2
ブレンステッド酸の効果を確認するために、フェニルホスホン酸を加えずに実施例1と同じ条件下、酸化反応を行ったところ、硫黄分は360ppmであった。
【0031】
実施例2
低濃度での反応性を見るために、モデル燃料油の硫黄分を86ppmにして実施例1と同じ条件下、酸化反応を行ったところ、硫黄分は8ppmであった。
【0032】
実施例3
燃料油の量を1Lとし(硫黄分濃度500ppm)実施例1と同じ条件下、酸化反応を行ったのち、減圧蒸留にて処理したところ、硫黄分は1ppm以下であった。
【0033】
実施例4
触媒をタングステン酸ナトリウム二水和物(Na2WO・2H2O)20mg、フェニルホスホン酸(PhPO3H2)9.6mg、メチルトリオクチルアンモニウム硫酸水素塩[(CH3(n-C8H17)3N)HSO4]28.2mgとし、他は実施例1と同じ条件で反応を行なったところ硫黄分は4ppmであった。
【0034】
実施例5
反応時間を1時間とし、他は実施例1と同じ条件で反応を行なったところ硫黄分は66ppmであった。
【0035】
実施例6
反応時間を2時間とし、他は実施例1と同じ条件で反応を行なったところ硫黄分は16ppmであった。
【0036】
実施例7
反応時間を3時間とし、他は実施例1と同じ条件で反応を行なったところ硫黄分は17ppmであった。
【0037】
実施例8
モデルオイルの量を1Lとし、他は実施例1と同じ条件で反応を行なったところ硫黄分は130ppmであった。
【0038】
実施例9
モデルオイルの量を1L、触媒をタングステン酸ナトリウム二水和物(Na2WO・2H2O)40mg、フェニルホスホン酸(PhPO3H2)20mg、メチルトリオクチルアンモニウム硫酸水素塩[(CH3(n-C8H17)3N)HSO4] 56mgとし、他は実施例1と同じ条件で反応を行なったところ硫黄分は14ppmであった。
【0039】
実施例10
モデルオイルの量を1L、触媒をタングステン酸ナトリウム二水和物(Na2WO・2H2O)30mg、フェニルホスホン酸(PhPO3H2)15mg、メチルトリオクチルアンモニウム硫酸水素塩[(CH3(n-C8H17)3N)HSO4] 42mgとし、他は実施例1と同じ条件で反応を行なったところ硫黄分は30ppmであった。
【0040】
実施例11
モデルオイルの量を1L、触媒をタングステン酸ナトリウム二水和物(Na2WO・2H2O)20mg、フェニルホスホン酸(PhPO3H2)10mg、メチルトリオクチルアンモニウム硫酸水素塩[(CH3(n-C8H17)3N)HSO4] 28mgとし、他は実施例1と同じ条件で反応を行なったところ硫黄分は55ppmであった。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、硫黄化合物特に有機硫黄化合物を含有する燃料油を、(i)遷移金属触媒と(ii)相間移動触媒及び(iii)ブレンステッド酸の存在下で、酸化剤により酸化することにより、有機硫黄化合物を他の分離し易い有機硫黄酸化物に変換し、燃料油中から脱硫除去することができる。この脱硫法では、従来から知られている水素化脱硫では脱硫することが困難であった、アルキル置換ジベンゾチオフェン類等の難脱硫性化合物を効率よく除去でき、その含有量も低濃度まで脱硫する超深度脱硫が可能となる。

Claims (7)

  1. 硫黄化合物を含有する燃料油を、(i)遷移金属触媒、(ii)相間移動触媒及び(iii)ブレンステッド酸から選ばれる助触媒の存在下、酸化剤で処理することを特徴とする燃料油の酸化脱硫方法。
  2. 酸化剤が、過酸化水素であることを特徴とする請求項1に記載の燃料油の酸化脱硫方法。
  3. (i)遷移金属触媒が、周期律表第IIIa、IVa、Va、VIa、VIIa、VIII類の金属の酸化物、ハロゲン化物、および、それらの錯塩から選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料油の酸化脱硫方法。
  4. (ii)相間移動触媒が、四級アンモニウム塩であることを特徴とする請求項1乃至3何れかに記載の燃料油の酸化脱硫方法。
  5. (iii)ブレンステッド酸が、リン酸、ホスホン酸、カルボン酸、スルホン酸及び硫酸から選ばれる一種であることを特徴とする請求項1乃至4何れかに記載の燃料油の酸化脱硫方法。
  6. 硫黄化合物が、有機硫黄化合物であることを特徴とする請求項1乃至5何れかに記載の燃料油の酸化脱硫方法。
  7. 有機硫黄化合物が、ジベンゾチオフェン類であることを特徴とする請求項6に記載の燃料油の酸化脱硫方法。
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