JP2004196479A - 基板保持搬送用ハンドならびにそれを用いた基板保持搬送方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大型または板厚の薄いガラス基板のたわみを抑制し、ガラス基板のカセットへの挿入ならびに取出しを容易にするとともに搬送時の振動による破損を防止し、かつ、大型化するマザーガラスに対応した寸法の支持部材の配置が可能な基板保持搬送用ハンドを提供する。
【解決手段】基板3にたわみを生じた状態で保持および搬送が可能なように、当該基板3のたわみの中心に対して両側それぞれに少なくとも2ヵ所の支持部材1d,1eが高低差を有して配設され、該支持部材1d,1eがハンド1の長手方向に複数組配設されてなる基板保持搬送用ハンド1。
【選択図】 図1
【解決手段】基板3にたわみを生じた状態で保持および搬送が可能なように、当該基板3のたわみの中心に対して両側それぞれに少なくとも2ヵ所の支持部材1d,1eが高低差を有して配設され、該支持部材1d,1eがハンド1の長手方向に複数組配設されてなる基板保持搬送用ハンド1。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示装置を製造するためのガラス基板などの基板を保持および搬送するための基板保持搬送用ハンドならびにそれを用いた基板保持搬送方法に関する。さらに詳しくは、大型または板厚の薄いガラス基板に生じるたわみを許容しながら基板の保持および搬送を行なうことができる基板保持搬送用ハンドならびにそれを用いた基板保持搬送方法に関する。なお、本明細書では基板の例として、ガラス基板を用いて以下の説明をしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たわみが生じるおそれのあるすべての基板に対して本発明を適用することができる。
【0002】
【従来の技術】
図11〜14は、従来のガラス基板保持および搬送用ハンド(以下、ハンドという)を示すそれぞれ平面図、側面図、およびカセットからハンドを用いてガラス基板を取り出す状態の断面図である。図において、ハンド31のハンド本体31aおよび31bの上面には、ガラス基板33を載置するための柔らかい材質、たとえばゴムなどで作製された受け部31dが複数個設けられている。また、ハンド31は、ガラス基板33を搬送するためのロボット32のロボットアーム32aに部材31cを介して取り付けられている。ガラス基板33は、図14に示されるように、カセット34に収納され、カセット34内では、ガラス基板33は支持部材34aによって支持され、第1の支持座34bおよび第2の支持座34cがガラス基板33に接している。
【0003】
このような従来のハンドにおいては、従来より用いられる一般的な大きさまたは板厚のガラス基板33がカセット34に収納されると、ガラス基板33の自重によりδ1のたわみ(ただし、図14におけるたわみは、分かりやすくするために実際のたわみよりも誇張して図示されている)を生じるが、そのたわみ量は比較的小さいため、ハンド31がカセット内に挿入されガラス基板33を取り出したり、またはガラス基板33を載置するなどの動作を行なっても、ガラス基板33内で上下のガラス基板33間の隙間Cは充分確保され、運用に支障をきたすレベルに至らず、問題は発生していなかった。
【0004】
また、従来では、基板収納装置に収納された基板の小さいたわみを抑制して収納効率を低下させることなく、基板の破損を防止することができる基板収納装置および基板収納方法も種々提案されている(特許文献1〜4参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−87014号公報
【特許文献2】
特開平11−260902号公報
【特許文献3】
特開2001−127146号公報
【特許文献4】
実用新案登録第3035569号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一方、近年では、液晶表示装置の大型化または薄型化が指向され、これに伴い、ガラス基板のサイズ(マザーガラスサイズ)も大型化したり、または板厚が薄くなる傾向が顕著になってきつつある。ガラスの板厚が大きくなったり、または薄くなると、一般の4辺単純支持の場合のたわみδの式
δ=k1×pa4/Eh3 (1)
で示されるように、短辺の長さaの4乗に比例し、かつ板厚hの3乗に反比例したたわみδを生じる。ここでδ:たわみ量、k1:ガラス基板の長辺/短辺の比で決まる定数、p:等分布荷重、a:ガラス基板の短辺の長さ、E:ヤング率、h:板厚である。
【0007】
したがって、仮に短辺の長さaが1.5倍になるとたわみδは5倍、板厚hが70%になると、たわみδは約3倍に増加する。
【0008】
前述した従来のハンドを大型のガラス基板または薄い板厚のガラス基板の搬送のために使用すると、図14に示されるように、たわみδ1が大きくなるとともに上下のガラス基板33の隙間Cが小さくなり、場合によっては上下2枚の基板同士が接触したり、さらには干渉して破損するなどの問題がある。
【0009】
また、大型のガラス基板になるとハンドの寸法が大きくなり、ガラス重量、ハンド自重が大きくなり、ハンド全体が極めて振動しやすくなるので、基板搬送時の振動により基板が破損するという問題が懸念される。
【0010】
本発明はかかる問題を解消するためになされたものであり、大型または板厚の薄いガラス基板のたわみを抑制し、ガラス基板のカセットへの挿入ならびに取出しを容易にするとともに搬送時の振動による破損を防止し、かつ、大型化するマザーガラスに対応した寸法の支持部材の配置が可能な基板保持搬送用ハンドならびにそれを用いた基板保持搬送方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の基板保持搬送用ハンドは、基板にたわみを生じた状態で保持および搬送が可能なように、当該基板のたわみの中心に対して両側それぞれに少なくとも2ヵ所の支持部材が高低差を有して配設され、該支持部材がハンドの長手方向に複数組配設されてなることを特徴としている。
【0012】
本体である第1のハンド部分にほぼ直交して配設され、少なくとも1ヵ所に基板支持部材が設けられた第2のハンド部分を有するのが好ましい。
【0013】
前記支持部材が、前記基板のたわみの中心に対して両側それぞれの前記第1のハンド部分および前記第2のハンド部分に、前記高低差を有して配設されてなるのが好ましい。
【0014】
前記第1のハンド部分が先端に向かうにつれて厚さが薄くなるようにされてなるのが好ましい。
【0015】
前記第1のハンド部分が先端に向かうにつれて当該第1のハンド部分を構成する部材のそれぞれの幅が狭くなるようにされてなるのが好ましい。
【0016】
前記第1のハンド部分が鉄よりも比重が軽い金属によって一体的に作製されてなるのが好ましい。
【0017】
前記第1のハンド部分が鉄系金属またはその合金からなる板材を曲げて溶接することにより作製された中空構造からなるのが好ましい。
【0018】
本発明の基板保持搬送方法は、前記基板保持搬送用ハンドを用いた基板保持搬送方法であって、
基板収納容器内に保管される基板のたわみとほぼ同程度のたわみを生じた状態で、基板を前記基板保持搬送用ハンドで支持し、当該基板を前記基板収納容器内に収納することを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
つぎに図面を参照しながら本発明の基板保持搬送用ハンドならびにそれを用いた基板保持搬送方法をさらに詳細に説明する。
【0020】
実施の形態1
図1〜4は本発明の実施の形態1にかかわるガラス基板保持搬送用ハンドを示すそれぞれ平面図、側面図、正面断面図、およびカセットからハンドを用いてガラス基板を取り出す状態断面図である。図において、ハンド1のハンド本体1aおよび1bには、ガラス基板3、13を載置するための柔らかい材質たとえばゴムなどでそれぞれ製作された、複数組の第1の受け具1dおよび第2の受け具1eが、ハンドの長手方向に配設されている。それぞれの組では、第2の受け具1eは、第1の受け具1dよりも長くなっている。また、ハンド1は、ガラス基板3、13を搬送するためのロボット2のロボットアーム2aに部材1cを介して取り付けられている。
【0021】
なお、図において、T1はハンド1aの取付部の厚さ、T2は同じく先端部での厚さを示し、W1はハンド1aの取付部での幅、W2は同じく先端部での幅を示す。
【0022】
ガラス基板3、13はカセット4に収納され、カセット4内では、ガラス基板3、13は、支持部材4aによって支持され、第1の支持座4bおよび第2の支持座4cが、ガラス基板3、13に接している。支持部材4aは、固定板4dによって外箱4eに固定されている。図4において、R1はハンド1でガラス基板3を支持したときのガラス基板3のたわみの曲率半径、R2はカセット4内にガラス基板13が収納されたときのガラス基板13のたわみの曲率半径を示す。
【0023】
このように構成されたハンドにおいては、カセット4に収納されたガラス基板13の曲率半径R2に合わせてハンド1上の曲率半径R1をあらかじめ設定しておけば上下のガラス基板3とガラス基板13とのあいだの中央部の隙間C1はガラス基板3の端部における隙間C2とほぼ均等に保たれるとともに、W1→W2、T1→T2と先端に向かって寸法を縮小することでX方向たわみ(前垂れ)に影響を及ぼすハンド1の自重によるたわみを抑え、ハンド1が挿入および取出し動作を行なった場合でもガラス基板3、13が接触したり、場合によっては干渉し合って破損するなどの不具合を解消することができる。また、カセットのピッチPも最小限に抑えられるため、カセットの高さも低く抑えることができ、カセットの寸法および重量を抑制することが可能となり、枚葉方式などの生産方式に切替えることなく従来のカセットを使った生産方式が可能となる。
【0024】
実施の形態2
つぎに本発明の他の実施の形態について説明する。図5〜10は本発明の実施の形態2であるガラス基板保持搬送用ハンドを示すそれぞれ平面図、側面図、正面断面図、およびカセットからハンドを用いてガラス基板を取り出す状態断面図、ハンド本体1aの断面図、ハンド1がカセット4に挿入された状態の平面図である。図において、第1のハンド部分1a、1bに直交して、複数本の第2のハンド部分1fが配設されている。ガラス基板3、13のための支持部材である第1の受け具1dおよび第2の受け具1eは、ハンドの長手方向に複数組配設されている。図7に示されるLは、第1の受け具1dと第2の受け具1eとのあいだの寸法を示す。
【0025】
第1の受け具1dおよび第2の受け具1eは、ガラス基板3のたわみの中心に対して両側それぞれの第1のハンド部分1aおよび第2のハンド部分1fに、高低差を有して配設されている。具体的には、第2のハンド部分1fの先端に設けられた第2の受け具1eは、第1のハンド部分1aに設けられた第1の受け具1dよりも高くなっている。このように構成されたハンドでは、図10に示すようにカセット側の隣接する2本の支持部材4aのあいだを第2のハンド部分1fが上下するため、お互いの干渉を懸念することなく、2つの受け具、第1の受け具1dと第2の受け具1eとのあいだの寸法Lを決定することができ、近年検討が進められている超大型ガラス基板に対しても最適な支持位置を得ることが可能になる。ところで、前記説明では、本発明をハンドに利用する場合について述べたが、装置内の加工ステージなどガラス基板のその他の保持および搬送にも利用できることはいうまでもない。
【0026】
なお、第1のハンド部分1aは、ロボットアームへの負荷を小さくするために、なるべく軽量であるのが好ましく、たとえば、アルミ合金などの鉄よりも比重が軽い金属から一体的に削り出して作製するのが好ましい。さらに、第1のハンド部分1aの他の例として、図9に示すように第1のハンド部分1aをステンレス鋼の板材をコの字断面に折り曲げた部材1a1と溶接Bで開口部を塞ぐ部材1a2で構成することでハンド1を大量に製作する場合には安価に提供することが可能となる。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、カセットに収納された大型または板厚の薄いガラス基板を挿入または取出しをしようとした場合にガラス基板を他の基板と接触させたり、または破損させることなく行なうことができる。また、従来より用いられる通常の大きさまたは板厚のガラス基板についてもその効果を損なうことなく使用することができる。
【0028】
さらに、超大型のガラス基板に対しても第2のハンド部分を設けることで割れや欠けなどの不具合を生じることなく搬送することが可能となる。
【0029】
また、カセットのガラス基板を収納するスリットピッチを最小限に抑制することができるためカセットの大きさ(とくに高さ)を最小とすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかわるハンドの平面図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかわるハンドの側面図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかわるハンドの正面断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1にかかわるハンドを用いてカセットからガラス基板を取り出す状態を示す正面図である。
【図5】本発明の実施の形態2にかかわるハンドの平面図である。
【図6】本発明の実施の形態2にかかわるハンドの側面図である。
【図7】本発明の実施の形態2にかかわるハンドの正面断面図である。
【図8】本発明の実施の形態2にかかわるハンドを用いてカセットからガラス基板を取り出す状態を示す正面図である。
【図9】本発明のハンド本体の製法の一例を示す図5のZ−Z断面図である。
【図10】本発明の実施の形態2にかかわるハンドを用いてカセットからガラス基板を取り出す状態を示す平面図である。
【図11】従来のハンドの平面図である。
【図12】従来のハンドの側面図である。
【図13】従来のハンドの正面断面図である。
【図14】従来のハンドを用いてカセットからガラス基板を取り出す状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1、31 ハンド
1a、1b 第1のハンド部分
1c ロボットへの取付部材
1d 第1受け具
1e 第2の受け具
1f 第2のハンド部分
2 ロボット
2a ロボツトアーム
3、13、33 ガラス基板
4 カセット
4a 支持部材
4b 第1の支持座
4c 第2の支持座
4d 固定板
4e 外箱
31a、31b 従来のハンド本体
31d 従来の受け具
34 従来のカセット
34a 支持部材
34b 第1の支持座
34c 第2の支持座
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶表示装置を製造するためのガラス基板などの基板を保持および搬送するための基板保持搬送用ハンドならびにそれを用いた基板保持搬送方法に関する。さらに詳しくは、大型または板厚の薄いガラス基板に生じるたわみを許容しながら基板の保持および搬送を行なうことができる基板保持搬送用ハンドならびにそれを用いた基板保持搬送方法に関する。なお、本明細書では基板の例として、ガラス基板を用いて以下の説明をしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たわみが生じるおそれのあるすべての基板に対して本発明を適用することができる。
【0002】
【従来の技術】
図11〜14は、従来のガラス基板保持および搬送用ハンド(以下、ハンドという)を示すそれぞれ平面図、側面図、およびカセットからハンドを用いてガラス基板を取り出す状態の断面図である。図において、ハンド31のハンド本体31aおよび31bの上面には、ガラス基板33を載置するための柔らかい材質、たとえばゴムなどで作製された受け部31dが複数個設けられている。また、ハンド31は、ガラス基板33を搬送するためのロボット32のロボットアーム32aに部材31cを介して取り付けられている。ガラス基板33は、図14に示されるように、カセット34に収納され、カセット34内では、ガラス基板33は支持部材34aによって支持され、第1の支持座34bおよび第2の支持座34cがガラス基板33に接している。
【0003】
このような従来のハンドにおいては、従来より用いられる一般的な大きさまたは板厚のガラス基板33がカセット34に収納されると、ガラス基板33の自重によりδ1のたわみ(ただし、図14におけるたわみは、分かりやすくするために実際のたわみよりも誇張して図示されている)を生じるが、そのたわみ量は比較的小さいため、ハンド31がカセット内に挿入されガラス基板33を取り出したり、またはガラス基板33を載置するなどの動作を行なっても、ガラス基板33内で上下のガラス基板33間の隙間Cは充分確保され、運用に支障をきたすレベルに至らず、問題は発生していなかった。
【0004】
また、従来では、基板収納装置に収納された基板の小さいたわみを抑制して収納効率を低下させることなく、基板の破損を防止することができる基板収納装置および基板収納方法も種々提案されている(特許文献1〜4参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−87014号公報
【特許文献2】
特開平11−260902号公報
【特許文献3】
特開2001−127146号公報
【特許文献4】
実用新案登録第3035569号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一方、近年では、液晶表示装置の大型化または薄型化が指向され、これに伴い、ガラス基板のサイズ(マザーガラスサイズ)も大型化したり、または板厚が薄くなる傾向が顕著になってきつつある。ガラスの板厚が大きくなったり、または薄くなると、一般の4辺単純支持の場合のたわみδの式
δ=k1×pa4/Eh3 (1)
で示されるように、短辺の長さaの4乗に比例し、かつ板厚hの3乗に反比例したたわみδを生じる。ここでδ:たわみ量、k1:ガラス基板の長辺/短辺の比で決まる定数、p:等分布荷重、a:ガラス基板の短辺の長さ、E:ヤング率、h:板厚である。
【0007】
したがって、仮に短辺の長さaが1.5倍になるとたわみδは5倍、板厚hが70%になると、たわみδは約3倍に増加する。
【0008】
前述した従来のハンドを大型のガラス基板または薄い板厚のガラス基板の搬送のために使用すると、図14に示されるように、たわみδ1が大きくなるとともに上下のガラス基板33の隙間Cが小さくなり、場合によっては上下2枚の基板同士が接触したり、さらには干渉して破損するなどの問題がある。
【0009】
また、大型のガラス基板になるとハンドの寸法が大きくなり、ガラス重量、ハンド自重が大きくなり、ハンド全体が極めて振動しやすくなるので、基板搬送時の振動により基板が破損するという問題が懸念される。
【0010】
本発明はかかる問題を解消するためになされたものであり、大型または板厚の薄いガラス基板のたわみを抑制し、ガラス基板のカセットへの挿入ならびに取出しを容易にするとともに搬送時の振動による破損を防止し、かつ、大型化するマザーガラスに対応した寸法の支持部材の配置が可能な基板保持搬送用ハンドならびにそれを用いた基板保持搬送方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の基板保持搬送用ハンドは、基板にたわみを生じた状態で保持および搬送が可能なように、当該基板のたわみの中心に対して両側それぞれに少なくとも2ヵ所の支持部材が高低差を有して配設され、該支持部材がハンドの長手方向に複数組配設されてなることを特徴としている。
【0012】
本体である第1のハンド部分にほぼ直交して配設され、少なくとも1ヵ所に基板支持部材が設けられた第2のハンド部分を有するのが好ましい。
【0013】
前記支持部材が、前記基板のたわみの中心に対して両側それぞれの前記第1のハンド部分および前記第2のハンド部分に、前記高低差を有して配設されてなるのが好ましい。
【0014】
前記第1のハンド部分が先端に向かうにつれて厚さが薄くなるようにされてなるのが好ましい。
【0015】
前記第1のハンド部分が先端に向かうにつれて当該第1のハンド部分を構成する部材のそれぞれの幅が狭くなるようにされてなるのが好ましい。
【0016】
前記第1のハンド部分が鉄よりも比重が軽い金属によって一体的に作製されてなるのが好ましい。
【0017】
前記第1のハンド部分が鉄系金属またはその合金からなる板材を曲げて溶接することにより作製された中空構造からなるのが好ましい。
【0018】
本発明の基板保持搬送方法は、前記基板保持搬送用ハンドを用いた基板保持搬送方法であって、
基板収納容器内に保管される基板のたわみとほぼ同程度のたわみを生じた状態で、基板を前記基板保持搬送用ハンドで支持し、当該基板を前記基板収納容器内に収納することを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
つぎに図面を参照しながら本発明の基板保持搬送用ハンドならびにそれを用いた基板保持搬送方法をさらに詳細に説明する。
【0020】
実施の形態1
図1〜4は本発明の実施の形態1にかかわるガラス基板保持搬送用ハンドを示すそれぞれ平面図、側面図、正面断面図、およびカセットからハンドを用いてガラス基板を取り出す状態断面図である。図において、ハンド1のハンド本体1aおよび1bには、ガラス基板3、13を載置するための柔らかい材質たとえばゴムなどでそれぞれ製作された、複数組の第1の受け具1dおよび第2の受け具1eが、ハンドの長手方向に配設されている。それぞれの組では、第2の受け具1eは、第1の受け具1dよりも長くなっている。また、ハンド1は、ガラス基板3、13を搬送するためのロボット2のロボットアーム2aに部材1cを介して取り付けられている。
【0021】
なお、図において、T1はハンド1aの取付部の厚さ、T2は同じく先端部での厚さを示し、W1はハンド1aの取付部での幅、W2は同じく先端部での幅を示す。
【0022】
ガラス基板3、13はカセット4に収納され、カセット4内では、ガラス基板3、13は、支持部材4aによって支持され、第1の支持座4bおよび第2の支持座4cが、ガラス基板3、13に接している。支持部材4aは、固定板4dによって外箱4eに固定されている。図4において、R1はハンド1でガラス基板3を支持したときのガラス基板3のたわみの曲率半径、R2はカセット4内にガラス基板13が収納されたときのガラス基板13のたわみの曲率半径を示す。
【0023】
このように構成されたハンドにおいては、カセット4に収納されたガラス基板13の曲率半径R2に合わせてハンド1上の曲率半径R1をあらかじめ設定しておけば上下のガラス基板3とガラス基板13とのあいだの中央部の隙間C1はガラス基板3の端部における隙間C2とほぼ均等に保たれるとともに、W1→W2、T1→T2と先端に向かって寸法を縮小することでX方向たわみ(前垂れ)に影響を及ぼすハンド1の自重によるたわみを抑え、ハンド1が挿入および取出し動作を行なった場合でもガラス基板3、13が接触したり、場合によっては干渉し合って破損するなどの不具合を解消することができる。また、カセットのピッチPも最小限に抑えられるため、カセットの高さも低く抑えることができ、カセットの寸法および重量を抑制することが可能となり、枚葉方式などの生産方式に切替えることなく従来のカセットを使った生産方式が可能となる。
【0024】
実施の形態2
つぎに本発明の他の実施の形態について説明する。図5〜10は本発明の実施の形態2であるガラス基板保持搬送用ハンドを示すそれぞれ平面図、側面図、正面断面図、およびカセットからハンドを用いてガラス基板を取り出す状態断面図、ハンド本体1aの断面図、ハンド1がカセット4に挿入された状態の平面図である。図において、第1のハンド部分1a、1bに直交して、複数本の第2のハンド部分1fが配設されている。ガラス基板3、13のための支持部材である第1の受け具1dおよび第2の受け具1eは、ハンドの長手方向に複数組配設されている。図7に示されるLは、第1の受け具1dと第2の受け具1eとのあいだの寸法を示す。
【0025】
第1の受け具1dおよび第2の受け具1eは、ガラス基板3のたわみの中心に対して両側それぞれの第1のハンド部分1aおよび第2のハンド部分1fに、高低差を有して配設されている。具体的には、第2のハンド部分1fの先端に設けられた第2の受け具1eは、第1のハンド部分1aに設けられた第1の受け具1dよりも高くなっている。このように構成されたハンドでは、図10に示すようにカセット側の隣接する2本の支持部材4aのあいだを第2のハンド部分1fが上下するため、お互いの干渉を懸念することなく、2つの受け具、第1の受け具1dと第2の受け具1eとのあいだの寸法Lを決定することができ、近年検討が進められている超大型ガラス基板に対しても最適な支持位置を得ることが可能になる。ところで、前記説明では、本発明をハンドに利用する場合について述べたが、装置内の加工ステージなどガラス基板のその他の保持および搬送にも利用できることはいうまでもない。
【0026】
なお、第1のハンド部分1aは、ロボットアームへの負荷を小さくするために、なるべく軽量であるのが好ましく、たとえば、アルミ合金などの鉄よりも比重が軽い金属から一体的に削り出して作製するのが好ましい。さらに、第1のハンド部分1aの他の例として、図9に示すように第1のハンド部分1aをステンレス鋼の板材をコの字断面に折り曲げた部材1a1と溶接Bで開口部を塞ぐ部材1a2で構成することでハンド1を大量に製作する場合には安価に提供することが可能となる。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、カセットに収納された大型または板厚の薄いガラス基板を挿入または取出しをしようとした場合にガラス基板を他の基板と接触させたり、または破損させることなく行なうことができる。また、従来より用いられる通常の大きさまたは板厚のガラス基板についてもその効果を損なうことなく使用することができる。
【0028】
さらに、超大型のガラス基板に対しても第2のハンド部分を設けることで割れや欠けなどの不具合を生じることなく搬送することが可能となる。
【0029】
また、カセットのガラス基板を収納するスリットピッチを最小限に抑制することができるためカセットの大きさ(とくに高さ)を最小とすることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかわるハンドの平面図である。
【図2】本発明の実施の形態1にかかわるハンドの側面図である。
【図3】本発明の実施の形態1にかかわるハンドの正面断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1にかかわるハンドを用いてカセットからガラス基板を取り出す状態を示す正面図である。
【図5】本発明の実施の形態2にかかわるハンドの平面図である。
【図6】本発明の実施の形態2にかかわるハンドの側面図である。
【図7】本発明の実施の形態2にかかわるハンドの正面断面図である。
【図8】本発明の実施の形態2にかかわるハンドを用いてカセットからガラス基板を取り出す状態を示す正面図である。
【図9】本発明のハンド本体の製法の一例を示す図5のZ−Z断面図である。
【図10】本発明の実施の形態2にかかわるハンドを用いてカセットからガラス基板を取り出す状態を示す平面図である。
【図11】従来のハンドの平面図である。
【図12】従来のハンドの側面図である。
【図13】従来のハンドの正面断面図である。
【図14】従来のハンドを用いてカセットからガラス基板を取り出す状態を示す正面図である。
【符号の説明】
1、31 ハンド
1a、1b 第1のハンド部分
1c ロボットへの取付部材
1d 第1受け具
1e 第2の受け具
1f 第2のハンド部分
2 ロボット
2a ロボツトアーム
3、13、33 ガラス基板
4 カセット
4a 支持部材
4b 第1の支持座
4c 第2の支持座
4d 固定板
4e 外箱
31a、31b 従来のハンド本体
31d 従来の受け具
34 従来のカセット
34a 支持部材
34b 第1の支持座
34c 第2の支持座
Claims (8)
- 基板にたわみを生じた状態で保持および搬送が可能なように、当該基板のたわみの中心に対して両側それぞれに少なくとも2ヵ所の支持部材が高低差を有して配設され、該支持部材がハンドの長手方向に複数組配設されてなる基板保持搬送用ハンド。
- 本体である第1のハンド部分にほぼ直交して配設され、少なくとも1ヵ所に基板支持部材が設けられた第2のハンド部分を有する請求項1記載の基板保持搬送用ハンド。
- 前記支持部材が、前記基板のたわみの中心に対して両側それぞれの前記第1のハンド部分および前記第2のハンド部分に、前記高低差を有して配設されてなる請求項2記載の基板保持搬送用ハンド。
- 前記第1のハンド部分が先端に向かうにつれて厚さが薄くなるようにされてなる請求項1、2または3記載の基板保持搬送用ハンド。
- 前記第1のハンド部分が先端に向かうにつれて当該第1のハンド部分を構成する部材のそれぞれの幅が狭くなるようにされてなる請求項1、2、3または4記載の基板保持搬送用ハンド。
- 前記第1のハンド部分が鉄よりも比重が軽い金属によって一体的に作製されてなる請求項1、2、3、4または5記載の基板保持搬送用ハンド。
- 前記第1のハンド部分が鉄系金属またはその合金からなる板材を曲げて溶接することにより作製された中空構造からなる請求項1、2、3、4または5記載の基板保持搬送用ハンド。
- 請求項1、2、3、4、5、6または7記載の基板保持搬送用ハンドを用いた基板保持搬送方法であって、
基板収納容器内に保管される基板のたわみとほぼ同程度のたわみを生じた状態で、基板を前記基板保持搬送用ハンドで支持し、当該基板を前記基板収納容器内に収納することを特徴とする基板保持搬送方法。
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