JP2004196455A - 押圧コンベア装置及び木材破砕機 - Google Patents

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JP2004196455A JP2002365023A JP2002365023A JP2004196455A JP 2004196455 A JP2004196455 A JP 2004196455A JP 2002365023 A JP2002365023 A JP 2002365023A JP 2002365023 A JP2002365023 A JP 2002365023A JP 2004196455 A JP2004196455 A JP 2004196455A
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Kazunori Ueda
和憲 植田
Tsutomu Iida
飯田  勉
Kazuhide Seki
一秀 関
Yoshimi Shiba
好美 柴
Masamichi Tanaka
正道 田中
Masanori Shinooka
正規 篠岡
Makoto Yagishita
誠 柳下
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Abstract

【課題】被破砕木材のホッパからの漏れ出しを防止しつつ、駆動装置の潤滑油交換周期を延ばす。
【解決手段】押えローラ54と、導入ローラ55と、これらに巻き回した無端状の無限軌道部材56と、導入ローラ55の回転軸に連結され、モータ78、このモータ本体78の出力軸に設けられその駆動力を減速しながら伝達する減速機構79、及びこの減速機構79を内包する第1オイルバス80Aを有する押圧コンベア装置用油圧モータ装置61と、内部に第1オイルバス80Aと連通する第2オイルバス80Bを有し、モータ本体78と導入ローラ55の回転軸とを連結するカップリング68とを備える。
【選択図】 図19

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、剪定枝材・間伐材、枝木材、廃木材等の被破砕木材を押圧しつつ破砕装置へ導入する押圧コンベア装置及びこれを備えた木材破砕機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
被破砕木材を破砕処理する従来の木材破砕機として、回転して被破砕木材を破砕する破砕ロータを備えた破砕装置と、被破砕木材を破砕装置側へ搬送する搬送手段としての送りコンベアと、駆動手段で駆動する押圧ローラで被破砕木材を押圧しつつ、送りコンベアと協動して被破砕木材を破砕装置へと導入する押圧ローラ装置と、送りコンベアの幅方向両側に設けた側壁を有し、被破砕木材を受け入れて破砕装置へと案内するホッパとを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来技術では、破砕時において例えば木材の大きさ等に応じて押圧ローラ装置の押圧ローラが前記送りコンベアに対し上下方向揺動可能に構成され、また押圧ローラは、その回転軸軸端部上方に位置する駆動手段の駆動力が、駆動手段の駆動軸に設けたプーリからベルトを介して押圧ローラ回転軸軸端部に設けたプーリに伝達されることにより駆動される。そして、ホッパへ投入された被破砕木材が幅方向両側の側壁でガイドされつつ送りコンベアで破砕装置側へ搬送され、破砕装置の手前で上記押圧ローラ装置の押圧ローラと上記送りコンベアとで上下から被破砕木材を挟み込むようにし、破砕装置へ導入するようになっている。
【0004】
【特許文献1】
米国特許第5947395号明細書
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、投入された被破砕木材をホッパの側壁にてガイドし、被破砕木材を押圧ローラにて押圧して破砕装置へ導入する構成であるため、特に明確な開示はないが、ホッパの両側壁間の寸法を押圧ローラの軸方向(木材破砕機全体で見ると幅方向)寸法にほぼ一致させ、押圧ローラの押圧機能を導入木材の流れ全体に対し有効に発揮させるようにするのが通常である。
【0006】
ここで、上記従来技術では、前述のように押圧ローラの回転軸軸端部に設けたプーリにベルトを介して駆動力を伝達する構造であるため、そのプーリは押圧ローラの上記軸方向寸法外に位置することとなって、上記ホッパ両側壁間の空間の外部に配設されることとなる。このため、プーリを取り付ける押圧ローラの回転軸を当該側壁に貫通させる開口部を側壁に設ける必要があり、しかも前述した押圧ローラの上下方向揺動を確保する必要があるため、例えば長円溝状の切り欠き部を側壁に設けることとなる。しかし、ホッパ側壁にこのような切り欠き部等の開口部を設けると、ホッパの両側壁間の空間を搬送手段で搬送されてきた被破砕物(被破砕木材)の一部がその開口部から外部へ漏れ出す恐れがある。
【0007】
本願発明者等は、この点に鑑み、上記押圧ローラ装置に代えて、駆動輪と、従動輪と、これら駆動輪及び従動輪に巻き回した無端状のコンベアベルトと、駆動輪の回転軸と直接連結され、さらにこのコンベアベルトの内周側に収納配置された駆動装置とを備え、上下動しながら被破砕木材を押圧し上記送りコンベアと協働して破砕装置へと導入する押圧コンベア装置を発明した。これにより、ホッパ幅内(ホッパ両側側壁間の空間内)に駆動装置を配置できるため、上記従来構造のように押圧ローラの回転軸を貫通させるための開口部をホッパ側壁に設ける必要がなくなり、被破砕木材のホッパ外への漏れ出しを防止できる。
【0008】
ここで、一般に、モータを備えた駆動装置にあっては、モータの回転駆動力をそのまま出力するのではなく、例えばモータの出力軸に設けた(例えば遊星歯車機構からなる)減速機構で減速し、その減速した駆動力を前記駆動装置の駆動軸へと出力する。このとき、上記減速機構を内包するように(言い換えればモータの軸方向一方側に)潤滑油室を設け、その中に潤滑油を満たして歯車の潤滑を行っている。この潤滑油は使用時間の経過と共に劣化してくるため、所定の期間毎に交換を行わなければならない。
【0009】
ところが、上述したように押圧コンベア装置において駆動輪の回転軸が直接連結されつつもコンベアベルトの内周側に駆動装置を収納配置する場合、設置スペースの関係上、駆動装置の大きさが制約される結果、潤滑油室も非常に小型のものとならざるを得ない。しかしながら、小型の潤滑油室では少量の潤滑油しか内部に貯留することができないため、比較的短い期間で潤滑油が劣化し交換を行わなければならず、その結果、潤滑油交換周期が非常に短くなるという憾みがあった。
【0010】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、被破砕木材のホッパからの漏れ出しを防止しつつ、駆動装置の潤滑油交換周期を延ばすことができる押圧コンベア装置及びこれを備えた木材破砕機を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、駆動輪と、従動輪と、これら駆動輪及び従動輪に巻き回した無端状の押圧搬送体と、前記駆動輪の回転軸に連結され、モータ、このモータの出力軸に設けられその駆動力を減速しながら伝達する減速機構、及びこの減速機構を内包する潤滑油室を有する駆動装置と、内部に前記潤滑油室と連通する他の潤滑油室を有し、前記駆動装置と前記駆動輪の回転軸とを連結するカップリングとを備える。
【0012】
本発明においては、駆動装置は、モータ、減速機構、及び潤滑油室を備えつつ、駆動輪の回転軸に連結されている。これにより、例えば、駆動輪及び従動輪に巻き回した無端状の押圧搬送体の内周側に収納配置することで、押圧搬送体の押圧機能を導入木材の流れ全体に対し有効に発揮させるために押圧搬送体の幅方向寸法を例えば被破砕木材を受け入れるホッパの両側壁間の寸法にほぼ一致させたとしても、ホッパ内(ホッパ両側側壁間の空間内)に駆動装置を配置することが可能となる。この結果、ホッパ側壁に駆動装置連結用の開口部を設ける必要がなくなり、木材のホッパ外への漏れ出しを防止できる。
【0013】
このように押圧搬送体の内周側に駆動装置を収納配置する場合、設置スペースの関係上、駆動装置の大きさが制約され潤滑油室も非常に小型のものとならざるを得ず、そのままでは貯留可能な潤滑油量が小さいため、比較的短い期間で潤滑油が劣化し交換を行わなければならない。そこで、本発明においては、駆動装置と駆動輪回転軸とを連結するカップリングの内部に、上記潤滑油室と連通する他の潤滑油室を新たに設ける。これにより、上記潤滑油室と他の潤滑油室とを合わせれば、内部に貯留可能な潤滑油量を増大させることができ、この結果、潤滑油交換周期を延ばすことができる。
【0014】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記潤滑油室と前記他の潤滑油室とを連通する2つの連通路を備える。
【0015】
これにより、例えば、2つの連通路のうち下方側の連通路を介し他の潤滑油室から潤滑油室へと潤滑油を導入するとき、上方側の連通路を介し潤滑油室から他の潤滑油室へエアを抜くことができるので、他の潤滑油室・潤滑油室間の潤滑油の流動をより円滑に行うことができる。
【0016】
(3)上記(1)又は(2)において、また好ましくは、前記カップリングは、前記他の潤滑油室に通じる前記潤滑油交換用のポートを備える。
【0017】
上記(1)のように設置スペースの制約から駆動装置が小型化され、潤滑油室も小型にならざるを得ない場合、潤滑油室側に潤滑油交換用のポートを設けることが困難になる可能性がある。そこで、本発明においては、駆動装置とは別に設けたカップリングの内部の潤滑油室側に交換用のポートを設けることにより、このポートを介し潤滑油の交換を容易かつ確実に行うことができる。
【0018】
(4)上記目的を達成するために、本発明は、本体フレームと、この本体フレームに設けられ、外周部に破砕ビットを配設した破砕ロータを備えた回転式の破砕装置と、この破砕装置に対する本体フレームの一方側に設けられたホッパと、このホッパ内に収納配置され、被破砕木材を前記破砕装置に搬送する搬送手段と、駆動輪と、従動輪と、これら駆動輪及び従動輪に巻き回した無端状の押圧搬送体と、前記駆動輪の回転軸に連結され、モータ、このモータの出力軸に設けられその駆動力を減速しながら伝達する減速機構、及びこの減速機構を内包する潤滑油室を有する駆動装置と、内部に前記潤滑油室と連通する他の潤滑油室を有し、前記駆動装置と前記駆動輪の回転軸とを連結するカップリングとを備え、上下動しながら前記被破砕木材を押圧し前記搬送手段と協働して前記破砕装置へと導入する押圧コンベア装置とを備える。
【0019】
(5)上記(4)において、好ましくは、破砕した破砕木材を搬出する搬出コンベアと、走行手段とを備え、自走可能である。
【0020】
【発明の実施の形態】
例えば、森林で伐採された木材を枝払いするときに発生する剪定枝材・間伐材や、造成・緑地維持管理等で発生する枝木材、あるいは木造家屋を解体したとき発生する廃木材は、通常、最終的に産業廃棄物として処理される。本発明の木材破砕機の一実施の形態は、このような廃棄物処理過程における廃棄物の減容を図ったり、粉砕した後の粉砕物を発酵処理し有機肥料として再利用することを目的に、それら枝材、枝木材等を所定の大きさに破砕(粉砕)するものである。以下、本発明の木材破砕機の一実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の木材破砕機の一実施の形態の全体構造を表す側面図であり、図2は図1に示した本発明の木材破砕機の一実施の形態の上面図である。
これら図1及び図2において、この木材破砕機は、自走可能な自走式木材破砕機であり、1はホッパ2、搬送手段としての送りコンベア3、破砕ユニット4、及び押圧コンベア装置5(後述の図13及び図14参照)を搭載した破砕機本体、6は破砕機本体1の下方に設けた走行体、7は搬出コンベア、9は動力体としてのパワーユニットである。
【0021】
図3は、図1中III方向から見た矢視前面図である。これら図3及び前述の図1において、走行体6は、本体フレーム10と、その下部に設けた走行装置11とを備えている。本体フレーム10は、例えば略長方形の枠体によって形成され破砕ユニット4、ホッパ2、及びパワーユニット9等を載置する破砕機取付け部10Aと、この破砕機取付け部10Aの下部に設けたトラックフレーム部10Bとから構成される。
【0022】
図1及び図2に戻り、走行装置11は、トラックフレーム部10Bに回転自在に支持された駆動輪12a及びアイドラ12bと、これらの間に掛け渡した無限軌道履帯13と、駆動輪12a側に設けた左・右走行用油圧モータ14とを備えている。
【0023】
(1)破砕ユニット
破砕ユニット4は、本体フレーム破砕機取付け部10Aの前後方向ほぼ中央部上に搭載されている。図4は、この破砕ユニット4付近の詳細構造及びホッパ2の詳細構造を表す図1中部分拡大側面図であり、図5は、図4に示した構造のうち破砕ユニット4部分の一部透視側面図である(但し後述の油圧モータ24は煩雑防止のため図示省略)。
【0024】
これら図4及び図5において、15は、本体フレーム破砕機取付け部10Aに取り付けられるベース部であり、16は破砕装置である。
【0025】
ベース部15は、その最下部に設けた底板15a(図4参照)と、底板15a上に左・右両側に立設した側板15bとを備えている。底板15aには、ボルト15aAを挿通させるための貫通孔(図示せず)が設けられており、この貫通孔に挿入したボルト15aAを用いて底板15aが本体フレーム破砕機取付け部10Aに締結固定される。
【0026】
側板15bは、後述の破砕ロータ20の軸受部と干渉しない位置に、後述の篩い部材29を破砕装置16の軸線方向に抜き差しを行うための開口部15bAを設けている。この開口部15bAは、略長方形から自走式木材破砕機前方側(図4中左側)上部(破砕装置16側部分)を切り取った形状(後述の篩い部材29の上面に沿って切り取った形状)をしている。また、この開口部15bAにより、後述の移動機構120により篩い部材29を移動した際に、この篩い部材29を破砕装置16の軸線方向に抜き差しを行うための必要最小限かつ充分な開口スペースを形成している。
【0027】
17は前記開口部15bAを塞ぐためのカバーであり、カバー本体17aと固定用ボルト17bとから構成されており、着脱可能に固定されている。このカバー本体17aは、自走式木材破砕機前後方向両端に、それぞれ固定用ボルト17bを挿通するための貫通孔(図示せず)を設けている。すなわち、カバー本体17aは、貫通孔を挿通した固定用ボルト17bが側板15bに設置した座板15bBのネジ切り穴(図示せず)に締結されることにより、座板15bBに対し固定されている。
【0028】
破砕装置16は、回転式の一軸破砕装置(この例ではいわゆるインパクトクラッシャ)であり、刃物としての破砕ビット18(打撃板でもよい)及びそれら破砕ビット18を固定する固定具19を外周部に取り付けたロータ(破砕ロータ)20を備えている。
【0029】
図6は、図5中VI−VI断面による横断面図である(但し一部図示を簡略化又は省略)。この図6及び前述の図4において、破砕ロータ20は、その回転軸20aの両端が、軸受21aを備えた軸受機構21によって回転自在に支持されている。これら軸受機構21は、左・右の側板15bの自走式木材破砕機幅方向外方側に取り付けられると共に、ベース部底板15a上に設けた支持架台22上に、中間部材23を介して載置支持されている。またこれら軸受機構21の外周側には破砕装置用油圧モータ24,24をそれぞれ設けており、その駆動軸24aにカップリング24bを介し上記破砕ロータ20の回転軸20aが連結されている。
【0030】
破砕ビット18は、その刃面が破砕ロータ20の正転方向(図5中矢印ア方向、被破砕木材に対し上向きに衝突する向き)回転に対応するような向きに配置されており、その回転軌跡が破砕外径を構成している。また、破砕ビット18の破砕外径の外周側下方領域には、破砕木材の粒度を設定するための多数の開口部29b(後述の図7参照)を備えた略部分円筒面形状の篩い部材(グレート)29が、篩い部材保持手段としての支持部材30によりその内周側(内周部)に支持され、破砕ロータ20の周方向に適宜複数(本実施の形態では2つ)の分割ピースに分割されて配置されている。
【0031】
図7は、図5中VII方向から見た篩い部材29及び支持部材30の展開図である。この図7において、篩い部材29は、例えば高張力鋼により構成された略部分円筒面形状の板部29aと、この板部29aに対し破砕ロータ20の径方向に貫通するように多数設けられた例えば円形状の板部29a開口部(貫通孔)29bと、板部29aの四隅を切り欠くようにして設けられ、後述する位置決め用の支持部材との係合部(第2係合部)を構成する凹部(切り欠き部)29cとを備えている。なお、後述するように、篩い部材29を破砕ロータ20の軸線方向に抜き差しする際の便宜を図るために、取手部(図示せず)等を設けてもよい。
【0032】
図8(a)は、上記支持部材30を鉛直上方(図5中VIIIA方向)から見た矢視平面図であり、図8(b)は、この支持部材30を図8(a)中VIIIB方向から見た矢視側面図である。
【0033】
これら図8(a)及び図8(b)において、支持部材30は、彎曲フレーム部30b1及び30b2と、真直フレーム部30aと、上記篩い部材29の切り欠き部29cと係合するための位置決め用の係合部(第1係合部)を構成する凸部(突起部)30cとを備えており、全体として略部分円筒面状の骨格を構成する部材である。
【0034】
彎曲フレーム部30b1及び30b2は、破砕ロータ20の周方向に篩い部材29に沿って、破砕ロータ20の軸線方向の適宜数箇所(本実施の形態では5箇所)に曲設されている。これら彎曲フレーム部30b1及び30b2のうち、彎曲フレーム部30b2は、自走式木材破砕機前方側(図8(a)及び図8(b)中左側)端部に貫通孔30b2Aを設けたブラケット30b2Bを有し、自走式木材破砕機後方側(図8(a)及び図8(b)中右側)端部に、貫通孔30b2Cを設けたブラケット30b2Dが、略水平方向に例えば溶接により固定されているものである。30b1にはそれらブラケットは設けられていない。
【0035】
本実施の形態では、上記破砕ロータ20の軸線方向(図8(a)中上下方向または図8(b)中紙面に垂直方向)における支持部材30両端及び中央の3箇所に彎曲フレーム部30b1を、さらにこの3箇所の彎曲フレーム部30b1間それぞれの略中央部2箇所に彎曲フレーム部30b2を配置している。
【0036】
真直フレーム部30aは、彎曲フレーム部30b1及び30b2と略直交するように、上記破砕ロータ20の軸線方向(図8(a)中上下方向または図8(b)中紙面に垂直方向)において篩い部材29沿いに適宜数箇所(本実施の形態では3箇所)に延設されている。
【0037】
図9は、篩い部材29が上記構造の支持部材30上に載置されている状態を表す斜視説明図である(一部詳細構造は図示省略している)。この図9に示すように、本実施の形態では、略部分円筒面形状の2枚の篩い部材29が、その外周側を支持部材30の内周側に沿わせるように載置されている。そしてこのとき、本実施の形態の特徴の一つとして、支持部材30の上記凸部30cがそれら2つの篩い部材29,29の間に挟まれ、かつ各支持部材30の四隅に備えられた切り欠き部29cのうち上記凸部30c側の切り欠き部29cがそれぞれ上記凸部30cに向かい合うように係合し、これによって、各支持部材30の自重による周方向移動を拘束している。
【0038】
なお、この例では、支持部材30の両端の湾曲フレーム部30b1にのみ凸部30cを設けたが、これに限られず、真ん中の湾曲フレーム部30b1にも凸部30cを設け(篩い部材29の対応する部分に凹部29cを設けることは言うまでもない。以下同様)てもよい。あるいは、真ん中の湾曲フレーム部30b1にのみ凸部30cを設けることも考えられる。
【0039】
また、上述したように湾曲フレーム部30b1のうち2枚の篩い部材29が隣接する位置に対応する部分に凸部30cを設けるのでなく、各篩い部材29の周方向中央部でかつ破砕ロータ20軸方向両端部の合計2箇所に凸部30cを設けてもよい。この場合、各篩い部材29には2箇所の凹部29cのみを設ければ足り、上述した四隅に設ける場合よりも個数を低減することができるので、加工の手間及びコストを低減できる効果がある。
【0040】
さらに、以上では、支持部材30側に凸部を、篩い部材29側に凹部を設けて、これらを互いに係合させた場合を例にとって説明したが、その逆に、支持部材30側に凹部を、篩い部材29側に凸部を設けてもよい。また凹凸形状にも限られず、要するに支持部材30側と篩い部材29側とがなんらかの形状、構造によって位置合わせのために互いに係合可能となっていれば足りるものである。
【0041】
図5に戻り、本体フレームの破砕機取付け部10A上には、鋼材31を介して側壁32が立設している。この側壁32には、例えば溶接により固定されている取付け具33a,33aを介し、自走式木材破砕機幅方向両側一対のブラケット33,33が、自走式木材破砕機幅方向の上記彎曲フレーム部30b2,30b2に対応する位置に略水平方向に固定されている。すなわち、ブラケット33,33の貫通孔(図示せず)にピン34,34が挿通され結合されることにより、前述の部材30は、このピン34を回転軸とし回動可能に支持されている(図8(a)参照)。
【0042】
このとき、破砕ロータ20の自走式木材破砕機後方側には、側板15b,15b間に長手方向を略水平方向として中板15c、鋼材31a,31bが延設され、この鋼材31a,31bにはナット15c2が溶接され、ボルト15c1を介してブラケット130が設置されている。側板15b,15b間及び鋼材31bの上には架台35が設置されている(図示せず)。この架台35は、略水平方向に設置された上面部35aと、この上面部35aに対して垂直に設置された補強板35cとから構成されている。
【0043】
上記架台上面部35b上には、自走式木材破砕機幅方向(図5中紙面に垂直方向)の前述の支持部材ブラケット30b2D,30b2Dに対応した位置に、吊りボルト36,36が、支持機構37,37により自走式木材破砕機前後方向に首振り可能にそれぞれ吊り下げ支持されている。この支持機構37は、上記吊りボルト36を時計回り・反時計回りに回転可能に支持する支持具37aと、この支持具37aより自走式木材破砕機幅方向両側に突出したピン37b,37bと、これらピン37b,37bを上記架台上面部35bに対して軸支する例えばU字型の左・右架台37cより構成されている。
【0044】
このとき、38,38は、ネジ切り穴38a,38aをその軸方向に直交する方向に設けた円柱状の軸体であり、このネジ切り穴38a,38aが上記吊りボルト36,36と螺合している(図8(a)参照)。そして、この軸体38,38が前述した支持部材30のブラケット30b2D,30b2Dの貫通孔に挿通されることにより、この軸体38は、吊りボルト36と支持部材30とを互いの相対回動変位を許容しつつ結合している。
【0045】
以上のような構造により、支持部材30、ブラケット33、吊りボルト36、支持機構37、及び軸38は、上記篩い部材29を開口部15bA近傍まで移動させる移動機構120を構成するが、その詳細動作については後述する。
【0046】
一方、破砕ビットの回転軌跡が構成する破砕外径の外周側領域のうち、篩い部材29及び支持部材30より上方には、固定刃としてのアンビル(2次破砕板、反発板)27を備えた固定刃支持体82が設けられている。固定刃支持体82は、固定側部材としてベース部15に固定された固定部82Aと、この固定部82Aの上方で破砕ロータ20の最上部(頂部)付近に設けられ、ベース部15に対し略水平方向を軸心方向とするピン84によって回動可能に構成された回動部82Bとから構成される。ここで、上記アンビル27は、この例では破砕ロータ20の回転方向上流側から順に27a,27b,27cの3つが配設されており、アンビル27aは回動部82Bに、アンビル27b,27cは固定部82Aに設けられている。
【0047】
このとき、回動部82Bの固定部82A側の上端部、及び固定部82Aの回動部82B側の上端部には、それぞれシアピン支持部85,86が互いに対向するように設けられている。そしてこれらシアピン支持部85,86の間を架け渡すように、シアピン87が配設されている。シアピン87は、例えば切り欠き部等により構成される応力集中部を備えたこの種のものとして公知のものである。前述の回動部82Bはピン84まわりに自由回動可能に配置されており、シアピン87を介して固定部82Aと接続されることによってのみ静止保持されている。これにより、回動部82Bに配置されたアンビル27aに破砕ロータ20に沿った方向の過大な力が作用しシアピン87の上記応力集中部にて耐えられる以上の過大な応力が発生したとき、ここからシアピン87が破断し、回動部82Bがピン84まわりに図5中イ方向(言い換えれば破砕ロータ20の回転方向に沿った方向)に退避するように回動して、この位置に開口部を創出するようになっている。
【0048】
ここで、固定部82A側に設けたシアピン支持部86には、回動部82Bの上記回動の検出手段として、公知の接触式のリミットスイッチ(図示せず)が設けられている。上記のようにして回動部82Bがピン84まわりに回動すると、これに応じこの回動を電気的に検出し検出信号として自走式木材破砕機のコントローラ(図示せず)へと出力し、前述の破砕装置用油圧モータ24を停止させるようになっている。
【0049】
また一方、図5において、破砕ビット18の回転軌跡である破砕外径の外周側領域のうち、篩い部材29及び支持部材30の送りコンベア3側(図5中左側)の被破砕木材投入部には、グレート支持構造体91が設けられている。このグレート支持構造体91は、前述したブラケット33を介し支持部材30を支持する側壁32に固定された支持架台91aと、破砕外径の径方向外周側に位置する破砕室壁面部91bとを備えている。
【0050】
この破砕室壁面部91bの上部には、略「レ」字形状のガイド板部材92が設けられており、ガイド板部材92は、鉛直上下方向よりもやや斜めに配置される破砕木材飛び出し防止部92aと、略水平に配設された被破砕木材導入部92bとを備えている。破砕木材飛び出し防止部92aは、詳細には、図5に示すように、破砕ロータ20の回転方向(図5中では上方向)に向かって破砕外径までの距離が小さくなるように、言い換えれば、破砕外径の接線方向に対して所定の角度をもつように配設されており、これによって破砕途中木材の飛び出しを抑制するようになっている。
【0051】
(2)送りコンベア
図1、図2、及び図4に戻り、送りコンベア3は、前述の本体フレーム破砕機取付け部10上に設置されており、上記ホッパ2内の下部に略水平方向に延設して収納配置されている。
【0052】
図10は、上記図4に示した構造の上面図であり、図11は、図4中XI−XI断面による横断面図である。これら図10及び図11において、送りコンベア3は、破砕装置16側(自走式木材破砕機後方側)端部に設けられた例えばスプロケット状の駆動輪(駆動ローラ、送りローラ)39と、その反対側(木材破砕機前方側)に設けた従動輪(従動ローラ)40と、これら送りローラ39及び従動ローラ40の間に巻回して循環駆動される自走式木材破砕機幅方向複数列(この例では4列)の搬送体(コンベアベルト、チェーンコンベア)41とを備えている。
【0053】
このとき、前述の被破砕木材導入部92bは、その高さ方向位置が送りローラ回転軌跡の最上部(頂部)位置より低くなるように配設されるとともに、その送りローラ39側(図5中左側)端部92baが送りローラ39の回転軌跡の近傍となるように配置されている。
【0054】
また、各搬送体41は、自走式木材破砕機幅方向の左・右両側に位置する多数のリンク部材41aを、ピン41bを介した結合によって回動自在に関節結合して、無端状(エンドレス)に構成されている。
【0055】
図12(a)は、図11に示した構造の部分拡大図であり、図12(b)は、図12(a)中XIIB方向から見た矢視側面図である。これら図12(a)、図12(b)、及び前述の図11において、送りローラ39の回転軸39aの両端部を支持する軸受機構42a,42bが、本体フレーム破砕機取付部10A上に取り付けた軸受支持部材43a,43bに支持されており、送りローラ回転軸39aの自走式木材破砕機右側(図10中上側)でかつ上記軸受機構42aよりもさらに幅方向外側に配置される送りコンベア用油圧モータ44(図2参照)が、上記送りローラ回転軸39aに連結されている。
【0056】
なお、図10において、従動ローラ40の回転軸(図示せず)を支持する軸受機構45(図4参照)が公知の張力調整機構46によって略水平方向に変位可能に構成され、これによって、上記搬送体41の張力を調整可能となっている。
【0057】
(3)押圧コンベア装置
前述の押圧コンベア装置5は、破砕装置16の自走式木材破砕機前方側に設けられている。図13は、この押圧コンベア装置5付近の構造を表す図4中一部透視拡大図であり、図14は、押圧コンベア装置5の詳細構造を表す図13中要部抽出拡大図であり、図15は、図13中XV−XV断面による一部破断断面図である。
【0058】
これら図13〜図15において、押圧コンベア装置5は、送りコンベア3の上方かつ破砕装置16の近傍(詳細には破砕装置16側端部)に設けられ、送りコンベア3の送りローラ39とほぼ同径のスプロケット状の複数(この例では4個)の従動ローラ(以下適宜、押えローラという)54と、その反対側(木材破砕機前方側、被破砕木材の導入側)に設けられ押えローラ54とほぼ同径のスプロケット状の複数(この例では4個)の駆動ローラ(以下適宜、導入ローラという)55と、これら導入ローラ55及び押えローラ54の間にそれぞれ巻回して設けた複数列(この例では4列)の無限軌道部材56とを備えている。
【0059】
各無限軌道部材56は、例えば前述した走行装置11の無限軌道履帯13や、油圧ショベル等において一般的に走行手段として用いられる履帯と同等の構造であり、幅方向中央部に位置し、多数のリンク部材57をピン58を介した結合によって回動自在に関節結合してなる無端状(エンドレス)のリンク59と、それら無端状リンク59の外周側にて各リンク部材57にそれぞれ取り付けられ被破砕木材の搬送方向に配列された複数の押圧板60とを備えている。
【0060】
この押圧板60は、上述した油圧ショベル等の無限軌道履帯の構成部材として公知のもの(いわゆるシュー)に類似するものであり、図14に示すように略三角形の横断面形状(側面形状)を備え、三角形の頂部が押圧把持用の凸状部として機能するものである(いわゆる三角シュー)。なお、これら4列に並んだ無限軌道部材56は、特に明確な図示を省略するが、隣接するものどうしの押圧板60は上記三角形頂部が互いに1/2ピッチずれたいわゆる千鳥配列となっている。
【0061】
一方、図14及び図15において、61は、導入ローラ55,55の径方向内周側に設けた押圧コンベア装置用油圧モータ装置(押圧コンベア装置用駆動装置)である。
【0062】
図16は、図13中XVI方向から見た上面図である。この図16において、押圧コンベア装置用油圧モータ装置61は、後述するスライダ72の接続ビーム部72bに取り付けた4つの従動輪支持フレーム体62A〜Dのうち木材破砕機の幅方向両端に位置する従動輪支持フレーム体62A,62Dに設けた油圧モータ支持フレーム63,63にそれぞれ固定されており、無限軌道部材56の内周側に配置されている。
【0063】
図17(a)は、図16中油圧モータ装置61及びその近傍部の詳細構造を表す一部断面で示す拡大図であり、図17(b)は、図17(a)中XVIIB−XVIIB断面による断面図であり、図17(c)は、図17(a)中XVIIC−XVIIC断面による横断面図である。また図18(a)は、図17(a)に示した構造の要部を表す透視図であり、図18(b)は、図18(a)中XVIIIB−XVIIIB断面による断面図であり、図18(c)は、図18(a)中XVIIIC方向から見た矢視図である。
【0064】
これら図17(a)〜(c)及び図18(a)〜(c)において、上記押圧コンベア装置用油圧モータ装置61,61の太径の駆動力出力部61a,61aに対し、4つのスプロケット状の導入ローラ55のうち自走式木材破砕機の幅方向両端に位置する導入ローラ55,55が固定されている。
【0065】
また、4つの導入ローラ55のうち上記幅方向両端の2つを除く中間部の導入ローラ55,55は、カップリング68を介し上記2つの押圧コンベア装置用油圧モータ装置61,61を連結するように配設された共通の駆動軸体(駆動軸)77にそれぞれ固定されている。
【0066】
一方、上記図17(a)〜(c)、図18(a)〜(c)、及び前述の図14において、4つの押えローラ54のそれぞれそ配置する各従動輪支持フレーム体62A〜Dは、その下部及び上部にそれぞれ設けられ、無端状リンク59の循環駆動をガイドするガイドローラ62a,62b及びガイド板部材62cと、押えローラ54の回転軸54a(図14参照)を導入ローラ55側(破砕装置16と反対側)に変位可能なように弾性支持し、これによって無限軌道部材56の張力を調整する張力調整機構64とを備えている。
【0067】
張力調整機構64は、上記押えローラ回転軸54aと導入ローラ55の回転軸心とを結ぶ直線方向(以下、単に摺動方向という)に摺動可能に従動輪支持フレーム62A〜D内に配置され、押えローラ54の上記回転軸54aを回転自在に支持する可動軸受体65と、同様に従動輪支持フレーム62A〜D内に上記摺動方向に摺動可能に配置され、上記ピストン部66a及びシリンダ部66bとからなる液圧シリンダ66と、従動輪支持フレーム62A〜Dに固定されたグリス導入部材67と、ばね67Aとを備えている。
【0068】
ばね67Aは、両端部が上記液圧シリンダ66のシリンダ部66bとグリス導入部材67とに当接しており、液圧シリンダ66を押えローラ54側へ付勢する。このとき、グリス導入部材67は、その径方向中心部の略円筒形状の突出部67aが上記シリンダ部66bの内径部に摺動自在に挿入配置されており(摺動部には図示しないシール部材が設けられている)、液圧シリンダ66とシリンダ部66bとが相対変位したとしても、シリンダ部66bと反対側に位置するニップル部67bより導入した所定の液体(例えばグリス油等)をシリンダ部66b内の液室(油室)に常時供給できる。
【0069】
また液圧シリンダ66の上記シリンダ部66bは、上記ピストン部66aを上記摺動方向に進退可能に収納配置しており(摺動部には図示しないシール部材が設けられている)、ピストン部66aは上記のようにしてグリス導入部材67より油室に導入したグリスによって進退する。このとき、上記ピストン部66aは、上記可動軸受体64aに上記摺動方向導入ローラ54側から当接している。
【0070】
上記構造により、張力調整機構64は、グリス導入部材67と液圧シリンダ66との間のばね67Aによって押えローラ54を導入ローラ55から離間する方向へ付勢し、これによって無限軌道部材55に対し張力を付与するようになっている。このとき、グリスを用いて液圧シリンダ66のピストン部66bの伸縮変位量(言い換えればシリンダ部66bからのピストン部66aからの突出量、出代)を増減させる(これによって押えローラ54と導入ローラ55との間の距離を変化させる)ことによって上記付勢力に基づく張力の初期値を調整可能となっている。
【0071】
ここで、上記各張力調整機構64のグリス導入部材ニップル部67bには、押圧コンベア装置5外部からグリス64を供給封入するための液圧管路100が設けられている。この管路は、当該ニップル部67bを備えた張力調整機構64が、図16に示すように幅方向に4列並んだ従動輪支持フレーム62A〜Dのうち幅方向両端側の従動輪支持フレーム62A,62Dの張力調整機構64の液圧管路100Aものと、幅方向内側(中間部)の従動輪支持フレーム62B,62Cの張力調整機構64の液圧管路100Bとでは、その構造が異なっている。
【0072】
図17及び図18において、幅方向内側の従動輪支持フレーム62B,62Cの液圧管路100Bは、この例では、一方側が上記ニップル部67bを介し上記液圧シリンダ66に接続されるとともに他方側が上記幅方向外側に隣接する従動輪支持フレーム62A,62Dの側部まで延設されており、始端部100Baと、直線部100Bbと、エルボ部100Bcと、渡り部100Bdと、エルボ部100Beと、従動輪支持フレーム62A又は62Dに沿って延設された直線部100Bfと、ポート接続部100Bgと、ポート100Bhとがこの順序で連結されて構成されている。
【0073】
始端部100Baは、比較的長い略曲管形状であり、一方側が上記ニップル部67bに連結され、従動輪支持フレーム62B又は62C内部を貫通するように設けられている。直線部100Bbは、従動輪支持フレーム62B又は62Cに沿って延設されている。渡り部100Bdは、ブラケット100Biを介し後述のスライダ水平ビーム部72dに沿うように取り付けられている。直線部100Bfは、従動輪支持フレーム62A又は62Dに沿って延設されている。ポート接続部100Bhは、上記始端部100Ba同様比較的長い略曲管形状であり、従動輪支持フレーム62A又は62D内部を貫通するように設けられている。ポート100Bhは、従動輪支持フレーム62A又は62Dの自走式木材破砕機幅方向外側へ露出するように設けられている。
【0074】
一方、幅方向外側の従動輪支持フレーム62A,62Dの液圧管路100Aは、この例では、一方側が上記ニップル部67bに連結され、従動輪支持フレーム62B又は62C内部を貫通するように設けた比較的短い略曲管形状の始端部100Aaと、この始端部100Aaの他方側に接続され、従動輪支持フレーム62A又は62Dの自走式木材破砕機幅方向外側へ露出するように設けられたポート100Abとを備えている。
【0075】
図19は、図17(a)中に示した構造のうち油圧モータ装置61付近の詳細構造を表す部分拡大断面図である。この図19において、油圧モータ装置61は、無限軌道部材56の内周側に収納配置されており、カップリング68は、前述の駆動軸体77と一体的に構成され、かつ第2オイルバス(=他の潤滑油室;第1オイルバスについては後述)68Aを備えている。
【0076】
図20(a)は、上記油圧モータ装置61の詳細内部構造を表す横断面図であり、図20(b)は図20(a)中XXB方向から見た矢視図である。これら図20(a)、図20(b)、及び前述の図19において、油圧モータ装置61は、固定側構造物部材である前述の油圧モータ支持フレーム63に取り付けられたモータ(モータ本体)78と、このモータ本体78の出力軸(プロペラシャフト)78aに設けられ(詳細にはモータ本体78より軸方向一方側に設けられ)その駆動力を減速しながら伝達する減速機構79と、この減速機構79を内包し内部に減速機構79内各ギヤ(後述)を潤滑するための潤滑油(図示せず)を含んだ第1オイルバス(=潤滑油室)80Aとを備えている。
【0077】
減速機構79は、遊星2段型のいわゆる遊星歯車機構であり、上記モータ本体78の出力軸78aに設けられた1段目サンギヤ79aと、この1段目サンギヤ79aに噛合する複数個の1段目プラネタリギヤ79bと、これら複数個の1段目プラネタリギヤ79bを保持しつつ自身も回転する1段目キャリア79cと、この1段目キャリア79cに連結された2段目サンギヤ79dと、この2段目サンギヤ79dに噛合する複数個の2段目プラネタリギヤ79eと、これら複数個の2段目プラネタリギヤ79eを保持しつつ自身はハブ79f及びボルト79gを介し固定側であるモータ本体78のハウジング78bに固定された2段目キャリア79hと、上記第1オイルバスの内周側に設けられ前述の1段目プラネタリヤギヤ79b及び2段目プラネタリヤギヤ79eに噛合するリングギヤ79iとを備えている。
以上のような構造により、モータ本体78の出力軸78aからの駆動力(トルク)は、1段目プラネタリギヤ79b、1段目キャリア79c、2段目サンギヤ79d、及び2段目プラネタリギヤ79eを介し、2段目キャリア79h及びリングギヤ79iに伝達される。このとき、前述のように2段目キャリア79hはハブ79f及びボルト79gを介しハウジング78bに固定されており回転せず、リングギヤ79iを備えた第1オイルバス80Aが回転する。これによって、第1オイルバス80Aとボルト111で締結固定された前述の駆動力出力部61aが回転し、さらにこれにボルト112で締結固定された前述のスプロケット状の導入ローラ55が回転する。
【0078】
このとき、図19に示すように、第1オイルバス80Aの外周側を覆うように設けられたカバー113(図20では図示省略している)が上記駆動力出力部61aにボルト114(但し上記ボルト112と共用してもよい)によって締結固定されており、前述の第2オイルバス80Bを備えたカップリング68がこのカバー113にボルト115を介して締結固定されている。この結果、上記駆動力出力部61aの回転がカバー113、カップリング68を介し駆動軸体77に伝達され、駆動軸体77が回転する(言い換えれば、第1オイルバス80A、第2オイルバス80Bを備えたカップリング68、駆動軸体77が一体的に回転駆動される)。言い換えれば、上記の駆動力出力部61a、カバー113、カップリング68、及び上記駆動軸体77が、駆動輪である4つの導入ローラ55の回転軸を構成している。以上の過程により、モータ本体78aの出力軸78aからの回転が所定の減速比で減速されるとともにトルクが増大され、駆動力出力部61aに固定された自走式木材破砕機幅方向両側2つの導入ローラ55,55及び駆動軸体77に固定された自走式木材破砕機幅方向内側2つの導入ローラ55,55が駆動される。
【0079】
一方、図19において、第2オイルバス80Bは、上記油圧モータ装置61の第1オイルバス80Aよりさらに自走式木材破砕機幅方向内側に設けられており、前述のカバー113を貫通して設けた連通ポート(連通路)116によって第1オイルバス80Aと連通し、相互に上記潤滑油が流動可能となっている。このとき、円滑な潤滑油流動(第1オイルバス80A→第2オイルバス80B、第2オイルバス80B→第1オイルバス80A)確保のためには、図19に示すように、この連通ポート116を少なくとも2つ以上設けることが好ましい。これにより、例えば、2つの連通ポート116のうちその時点で下方側の連通ポート116を介し第2オイルバス80Bから第1オイルバス80Aへと潤滑油を導入するとき、上方側の連通ポート116を介し第1オイルバス80Aから第2オイルバス80Bへエアを抜くことができるので、それら第1及び第2オイルバス80A,80B間の潤滑油の流動をより円滑に行うことができる。但し、1つでも十分円滑な潤滑油流動が確保できる程度にポートの径が大きい場合には、1つの連通ポート116のみでもよい。
【0080】
またカップリング68は、第2オイルバス80Bの円周方向側(言い換えれば、回転軸と直交する方向側、押えローラ54と反対側)に潤滑油交換用のポート117を備えている。
【0081】
図13及び図14に戻り、上記押圧コンベア装置5は、押圧コンベア装置支持機構69によって上下方向にスライド可能に配設されている。
【0082】
図13及び前述の図15において、押圧コンベア装置支持機構69は、略鉛直方向に延設され、ホッパ側壁体2b(後述)の上記軸受支持部材43a,43b上方部分に取り付けたブラケット70に一端(下端)が接続された左・右一対の押圧コンベア装置上下用油圧シリンダ71,71と、これら油圧シリンダ71,71の他端(上端)に接続されるブラケット部72aを左・右両側端部に備え、それら油圧シリンダ71,71を伸縮させつつ上下方向にスライド可能に配設されたスライダ72とを有している。
【0083】
スライダ72は、無限軌道部材56の内周側に略水平方向に配設された接続ビーム部72bと、この接続ビーム部72bの左・右両端にそれぞれ固定され略鉛直方向に延設された左・右一対の縦ビーム部72c,72cと、それら縦ビーム部72c,72cから自走式木材破砕機の幅方向外側に突出するように設けた上記ブラケット部72a,72aと、縦ビーム部72c,72cの上端部同士を接続するように、上記接続ビーム部72bの上方に略水平方向に配設された略円形断面形状の水平ビーム部72dとを備えている。
【0084】
以上のような構造により、スライダ72及び押圧コンベア装置5が一体となって略上下方向(略鉛直方向)にスライド移動(押圧コンベア装置5の略水平方向に対する斜め角度は変えないまま平行に移動)自在に構成されている。
【0085】
73は、このときのスライド移動のガイドとなるリンク機構であり、その押圧コンベア装置5側端部は、スライダ縦ビーム部72cに設けたブラケット74に対し、ピン75を介して回動自在に連結されている。なお、押圧コンベア装置上下用油圧シリンダ71,71は基本的にメンテナンス時の強制昇降用であり、通常の木材破砕作業時には使用しない。
【0086】
またこのとき、スライダ縦ビーム部72c,72cの破砕装置16側に破砕途中木材の巻き込み防止壁76が例えばボルト固定され、押圧コンベア装置支持機構69によって押圧コンベア装置5とともに上下動するようになっている。この巻き込み防止壁76は、押圧コンベア装置5の破砕装置16側端部の上半分を覆うように構成されている。これにより、破砕途中木材の押圧コンベア装置5への巻き込みを防止するようになっている。
【0087】
(4)ホッパ
図1、図2、及び図4に戻り、ホッパ2は有底形状でかつ本体フレーム破砕機取付部10A上の破砕装置16より自走式木材破砕機前方側に略水平方向に設けられており、自走式木材破砕機前方側端部の前壁体(第2の壁体)2aと、自走式木材破砕機左右方向両側(左・右側)の側壁体(第1の壁体)2b,2bと、側壁体2bの上部に上方に向かって拡開形状に設けられた拡開部(あおり部)2cと、底壁体2dとを備えている。
【0088】
前述の図4及び図10において、幅方向両側の側壁体2b,2bは、自走式木材破砕機前方側(図4及び図10中左側)に位置する木材投入部2bAと、この木材投入部2bAより自走式木材破砕機後方側(図4及び図10中右側)部分及び前記押えコンベア装置5の側部に位置する押えコンベア装置カバー部2bBとから構成されている。
【0089】
上記拡開形状の拡開部(あおり部)2cは、上記木材投入部2bAの上部に設けられ、木材投入時の便宜が図られている。
【0090】
上記押えコンベアカバー部2bBは、上記木材投入部2bAの自走式木材破砕機後方側上部に木材投入部2bAと略同一平面上となるように連設され上記押えコンベア装置導入ローラ55側の4つの無限軌道部材押圧板60幅方向両端部にわずかな隙間を介し臨む導入ローラ側収納部90a(図16も参照)と、この押えローラ収納部90aの自走式木材破砕機後方側において自走式木材破砕機幅方向に突出するように設けられ上記押えコンベア支持機構72のスライダ縦ビーム部72cにわずかな隙間を介し臨むスライダ収納部90b(図16も参照)と、このスライダ収納部90bから自走式木材破砕機後方側に設けられ前記押えコンベア装置押えローラ44側の4つの無限軌道部材押圧板60の幅方向両端部にわずかな隙間を介し臨む押えローラ側収納部90cとを備えている。
【0091】
また、図11及び図15において、93は上記スライダ収納部90bの下端と上記木材投入部2bAの自走式木材破砕機後方側端部との接続部付近に斜めに設けた木材ガイドであり、前述のように自走式木材破砕機幅方向寸法が若干大きくなるスライダ収納部90b内において、被破砕木材が送りコンベア3の4つの無限軌道部材56の押圧板60の幅方向寸法より外側にはみ出し漏れ出すことのないようにするものである。
【0092】
一方、図21は、ホッパ2の詳細構造を表す図4中XXI方向から見た一部破断矢視図であり、図22は、図4中XXII方向からみたホッパ2の下面図である。
【0093】
これら図21、図22、及び前述の図4において、ホッパ2の底壁体2dは、詳細には、左・右側壁体2b,2bの長手方向に沿うように自走式木材破砕機前後方向に延設した左・右縦ビーム2dA,2dAと、これら左・右縦ビーム2dA,2dA間を自走式木材破砕機幅方向に連結するように延設された複数本(この例では9本)の横ビーム2dBと、ホッパ2の実質的底面を構成してホッパ2内から下方への木材片の落下流出・飛散を防止する底板2dCとを備えている。底板2dCは、上記の11本の横ビーム2dB上部に自走式木材破砕機前後方向に延設されており、前述の送りコンベア3は、この底板2dC上に設置されている。
【0094】
ここで、底板2dCのうち、前述の送りコンベア3の送りローラ39の下方部分及び従動ローラ40の下方部分に開口部がそれぞれ設けられており、これら開口部に木材片を排出するための第1開閉扉47及び第2開閉扉48がそれぞれ設けられている。
【0095】
図23及び図24は、上記第1開閉扉47付近の詳細構造を表す図4の部分拡大透視側面図及び図20中部分拡大図である。これら図23及び図24において、第1開閉扉47は、閉じ状態において前述のホッパ2の底板2dCと略同一平面上に位置して開口部を閉塞する扉本体47aと、この扉本体47aの一方側(この例では自走式木材破砕機後方側)端部に位置するブラケット部47bと、扉本体47aの他方側(この例では自走式木材破砕機前方側)端部に位置し、上記開口部の前方側に位置する上記横ビーム2dBと閉じ状態において隣接する(例えば微小な隙間を介して略密着するように向かい合う)ビーム部47cと、このビーム部47cの下部に設けた係止部47dとを備えている。
【0096】
ブラケット部47bには、回転中心軸を自走式木材破砕機の幅方向としたヒンジ47bAが備えられており、このヒンジ47bAの両端部は上記縦ビーム2dAに支持されている。この結果、第1開閉扉47は、図23に示すように上記ヒンジ47bAによって縦ビーム2dAに対し回動可能とされている。
【0097】
このとき、閉じ状態において上記ビーム部47cと隣接する横ビーム2dBの下部には、閉じ状態において上記係止部47dと略密着するように係止部2dBaが設けられている。そして、閉じ状態とする場合には上記係止部47d及び上記係止部2dBaにそれぞれ同一軸線上となるようにそれぞれ設けた貫通孔(図示せず)に係止用のボルト49aを挿通し、反対側よりナット49bを締結することにより、第1開閉扉47bが閉じ状態に保持され、上記開口部が塞がれる。開き状態とする場合には、上記ボルト49a及びナット49bを取り外し、ヒンジ47bAを軸中心として第1開閉扉47を回動させることにより、上記開口部が開放され、ホッパ2内部と連通するようになっている。
【0098】
図25は、上記第2開閉扉48付近の詳細構造を表す図4の部分拡大透視側面図である。この図25において、第2開閉扉48は、第1開閉扉47とほぼ同様の、扉本体48a、ブラケット部48b、ビーム部48c等を備えた構成となっており、ボルト50a及びナット50bを締結することにより閉じ状態に保持されて上記開口部が塞がれる一方、それらを取り外しヒンジ48bAを軸中心として回動させることにより上記開口部が開放され、ホッパ2内部と連通するようになっている。
【0099】
またこの図25において、上記前壁体2aと上記送りコンベア3の従動ローラ40との間は自走式木材破砕機前後方向に所定の距離だけ離間して配置され、所定の空間Pが形成されている。また、前壁体2aの上端部(頂部)には、回転ローラ装置51が設けられている。
【0100】
図26(a)は、この回転ローラ装置51の詳細構造を表す部分拡大図であり、図26(b)はそのXXVIB方向から見た正面図である。これら図26(a)及び図26(b)に示すように、回転ローラ装置51は、前壁体2aの要部に固定されたブラケット部51aと、その軸心線を自走式木材破砕機左右方向として上記ブラケット部51aに回転自在に軸支されたローラ軸51bと、ローラ軸51bの外周側に取り付けられたローラ本体51cとから構成されている。
【0101】
(5)その他
図1に戻り、上記の搬出コンベア7は、排出側(自走式木材破砕機後方側、図1及び図2中右側)部分が、パワーユニット9から突出して設けたアーム部材99に、支持部材98a,98bを介し吊り下げ支持されている。また、排出反対側(前方側、図1及び図2中左側)部分は、本体フレーム破砕機取付け部10Aよりも下方に位置し、支持部材97を介し本体フレーム破砕機取付け部10Aから吊り下げられるように支持されている。この結果、搬出コンベア7は、本体フレーム10の下方からパワーユニット9の下方を通って、本体フレーム10の自走式木材破砕機後方側外方(破砕機本体5の外方)へ、上り傾斜で配置されている。また、96はフレームであり、95はこのフレーム96に支持される駆動輪、94は駆動輪95を駆動する搬出コンベア用油圧モータ(図2参照)、89は駆動輪95と従動輪(図示せず)との間に巻回して設けらたコンベアベルトである。
【0102】
上記のパワーユニット9は、本体フレーム破砕機取付け部10Aの自走式木材破砕機後方側(図1、図2中右側)端部の上部に、パワーユニット積載部材81を介し搭載されており、その左前方側部分には運転席9Aが設けられている。
【0103】
次に、上記構成の本実施の形態に係る自走式破砕機の動作を以下に説明する。
【0104】
例えば油圧ショベルのグラップル等、適宜の作業具によりホッパ2内に被破砕木材(被破砕木材等)を投入すると、ホッパ2で受け入れた被破砕木材が送りコンベア3の搬送体41上に載置され、ホッパ2の側壁体2bによって案内されつつ搬送体41によって自走式木材破砕機後方側(図1、図2中右方)へ略水平方向に搬送される。
【0105】
このように後方へと搬送されてきた被破砕木材は、押圧コンベア装置5の前端(図1、図2中左側端)付近まで来ると、被破砕木材の上部が押圧コンベア装置5の無限軌道部材の下部に入り込むようにして押圧コンベア装置5を浮き上がらせつつ取り込まれる。そして、押圧コンベア装置5の自重で上部を押さえつけられることにより押圧把持され、無限軌道部材56の回転と共に送りコンベア3と協動して把持された状態のまま後方側(図1及び図2中右側)へと導出され、破砕装置16へと導入される。このようにして、被破砕木材を破砕装置16へ円滑かつ効率的に導入することができる。
【0106】
被破砕木材の破砕装置16への導入時には、押圧コンベア装置5の破砕装置16側端部にある押えローラ54と送りコンベア3の破砕装置16側端部にある送りローラ39とで協動して被破砕木材を上下から挟み込むようにして、この挟み込み部分を破砕時の破砕支点としつつ、それより破砕装置16側の被破砕木材先端部を破砕ロータ20に向かって片持ち梁状に突出させる。そして、この突出した先端部に回転する破砕ロータ20の破砕ビット18を衝突させることで、比較的大雑把に被破砕木材先端部を折るあるいは破砕する(1次破砕、予破砕)。折られた被破砕木材先端部は、破砕ロータ20の外周側の空間を破砕ロータ20の回転方向に沿うように導かれ、アンビル27a,27b,27cに順次衝突しその衝撃力によってさらに細かく破砕される(2次破砕、本破砕)。
【0107】
以上のようにして破砕された破砕途中木材は、篩い部材29の開口部を通過可能な粒度となるまで破砕ロータ20の外周側の空間(破砕木材流動通路)を回りつつ、破砕ビット18やアンビル27a〜cによってさらに衝撃力を加えられ破砕されていく。篩い部材29の篩いの目を通過可能な粒度にまで小さくなると、その篩いの目を通過して選別され、篩い部材29の外部へ排出される。
【0108】
排出された破砕木材は、シュート(図示せず)を介し搬出コンベア7のコンベアベルト89上に落下する。搬出コンベア7は、循環駆動されるコンベアベルト89によって上記破砕木材を後方側(図1及び図2中右側)へ運搬し、最終的に破砕木材を破砕機本体5外(自走式木材破砕機の後部、図1中右端部)へリサイクル品として排出(搬出)する。
【0109】
上記のようにして破砕作業を行っていくとき、木材破砕物の粒度は篩い部材29の開口面積によってほぼ決定されるため、破砕物粒度を調整する場合には、篩い部材29を開口面積の異なるものに適宜交換する必要がある。以下、その交換手順を詳細に記述する。
【0110】
(a)篩い部材の抜き出し
まず、カバー17(図4参照)の固定用ボルト17bをゆるめてカバー本体17aを取り外し、開口部15bAを露出させる。なお、後述のように支持部材30を下降させた後に取り外しても構わない。その後、自走式木材破砕機幅方向2箇所に支持されている吊りボルト36,36を、反時計回りに好ましくは略同時に略同速度にて、例えばレンチ等により回転させる(図5参照)。この吊りボルト36は、前述したように支持具37aにより時計回り・反時計回り方向に回転可能に支持されているため、吊りボルト36を回転させてもこの支持具37aとの相対位置は変化しない。ただし、軸体38は、吊りボルト36を反時計回りに回転させることにより、吊りボルト36に対し相対的に位置が下降する。
【0111】
これにより、前述の彎曲フレーム部30b2は、自走式木材破砕機後方側(図5中右側)端部に固定した前述のブラケット30b2Dが軸体38の回動を許しながら軸体38と共に吊りボルト36に対し相対的に位置を下降させるため、他端(自走式木材破砕機前方側端部、または図5中左側端部)のブラケット30b2B及びピン34を介し、このピン34を回転軸としてブラケット33に対し図5で見て時計回りに回動する。すなわち、彎曲フレーム部30b2,30b2がピン34,34を回転軸として時計回りに回動することにより、支持部材30がピン34,34を回転軸として破砕ロータ23より遠ざかるように鉛直下方(図5中下方向)に移動する。
【0112】
上記のようにして、支持部材30の下端が破砕機取付け部底板15a上にほぼ達するまで、支持部材30を移動させる。図5はこのときの状態も併せて示した図である。図5及び図4に示すように、この状態(支持部材30を下げきった状態)で、下がった篩い部材29がちょうど開口部15bAに側方から臨む状態となる。
【0113】
以上のようにして移動機構120で篩い部材29を開口部15bAの近傍まで移動させることにより、支持部材30上の2枚の篩い部材29,29を支持部材30上から持ち上げて、破砕ロータ20の軸線方向両端部に位置する軸受機構21を避けつつ上記開口部15bAを通して破砕装置16の軸線方向(図5中紙面と垂直手前方向)に抜き出す。これにより、比較的小さい力で篩い部材29を引っぱり出す(あるいは後述のように押し入れる場合も同様)ことができる。このとき、例えば支持部材30の保持を解除する場合のような篩い部材自重支持や清掃のための労力を不要とできるので、比較的容易に篩い部材29の交換を行うことができる。
【0114】
(b)篩い部材の取り付け
その後、新たな2枚の篩い部材29,29を、開口部15bAを介して支持部材30上に順次位置決め載置する。
【0115】
ここで、例えば、新しい篩い部材29を各ピース毎に順次載せていく場合、略円弧状の支持部材30に略部分円弧状の各ピースを載置することから、そのままでは、各ピースが自重で支持部材30に沿って滑りやすく、例えば、先に載置したピースを人力で滑らないように保持しつつ次のピースを載置する等、各ピースごとに所定の位置へ位置決めするための労力負担が大きい。またこれを避けるため、各ピース毎にボルトやピン等によって支持部材39に固定することも考えられるが、この場合には上記位置決め時にその都度ボルト、ピン等の固定を行わなければならず、上記同様、作業労力負担が大きくなる。
【0116】
本実施の形態においては、支持部材30に凸部30cを設けるとともに、各篩い部材29に切り欠き部29cを設け、突部30cと切り欠き部29cとを互いに係合可能としている。これにより、先に載せた篩い部材29を上記係合構造で確実に所定位置に位置決めして滑らないように保持しつつ(図9及び図5参照)、次の篩い部材29を安全かつ容易に所定位置に位置決めすることができる。またこのとき、単なる凹凸形状の係合だけなので、ボルト、ピン等の固定のような面倒な作業は不要である。したがって、交換時における篩い部材位置合わせ作業の労力負担を大きく軽減することができる。
【0117】
以上のようにして篩い部材29を支持部材30上に載置した後は、前述の取り外し手順と全く逆手順であり、吊りボルト36を時計回りに回動させて支持部材30を上昇させて、破砕ロータ20の外周部に据え付ける。その後、カバー本体17aを固定用ボルト17bによって締結固定する。
【0118】
なお、以上は、押圧導入手段として、押えローラ54と、導入ローラ55と、無限軌道部材56とを備えた押圧コンベア装置5を有する場合を例にとって説明したが、これに限られない。すなわち、例えば、前述の特開2002−1159号公報に記載のように、押圧導入手段として、送りコンベア3(搬送手段)の上方かつ破砕装置16の近傍に設けた押えローラを有し、上下動しながら被破砕木材を押圧し搬送手段と協働して破砕装置16に導入する構成のものを用いてもよい。この場合も、同様の効果を得る。
【0119】
また、以上においては、破砕装置として破砕ロータ20の外周部に刃物(破砕ビット18)を取り付けたいわゆるインパクトクラッシャを備えた木材破砕機を例にとって説明したが、これに限られず、他の破砕装置、例えば、平行に配置された軸にカッタを備え、互いに逆回転させることにより被破砕物をせん断する破砕装置(いわゆるシュレッダを含む2軸せん断機等)や、ロール状の回転体(ロータ)に破砕用の刃物を取り付けたものを一対としてそれら一対を互いに逆方向へ回転させ、それら回転体の間に被破砕物を挟み込んで破砕を行う回転式の破砕装置(いわゆるロールクラッシャを含む6軸破砕機等)や、被破砕物をチップ状にするいわゆる木材チッパーを備えた木材破砕機にも適用可能である。これらの場合も、上記と同様の効果を得る。
【0120】
またさらに、以上においては、本発明を自走可能な自走式木材破砕機に適用した場合を例にとって説明したが、これに限られず、牽引して走行可能な移動式木材破砕機、若しくは例えばクレーン等により吊り上げて運搬可能な可搬式木材破砕機、さらにはプラント等において固定機械として配置される定置式木材破砕機に適用してもよいことは言うまでもなく、これらの場合も上記と同様の効果を得る。
【0121】
【発明の効果】
本発明によれば、押圧搬送体の幅方向寸法を例えば被破砕木材を受け入れるホッパの両側壁間の寸法にほぼ一致させたとしてもホッパ内に駆動装置を配置でき、ホッパ側壁に駆動装置連結用の開口部を設ける必要がなくなり、木材のホッパ外への漏れ出しを防止できる。
【0122】
このとき、減速機構及び潤滑油室を有する駆動装置と駆動輪回転軸とを連結するカップリング内部に、上記潤滑油室と連通する他の潤滑油室を新たに設けるので、上記潤滑油室と他の潤滑油室とを合わせれば、内部に貯留可能な潤滑油量を増大させることができ、この結果、潤滑油交換周期を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の木材破砕機の一実施の形態の全体構造を表す側面図である。
【図2】本発明の木材破砕機の一実施の形態の全体構造を表す上面図である。
【図3】本発明の木材破砕機の一実施の形態の構造を図1中III方向から見た矢視前面図である。
【図4】本発明の木材破砕機の一実施の形態を構成する破砕ユニット付近の詳細構造及びホッパの詳細構造を表す図1中部分拡大側面図である。
【図5】本発明の木材破砕機の一実施の形態を構成する破砕ユニット部分の一部透視側面図である。
【図6】本発明の木材破砕機の一実施の形態を構成する破砕ユニット部分におけるVI−VI断面による横断面図である。
【図7】本発明の木材破砕機の一実施の形態に備えられる破砕ユニット部分において図5中VII方向から見た篩い部材及び支持部材の展開図である。
【図8】本発明の木材破砕機の一実施の形態に備えられる破砕ユニット部分において、支持部材を鉛直上方(図5中VIIIA方向)から見た矢視平面図、及び支持部材を図8(a)中VIIIB方向から見た矢視側面図である。
【図9】本発明の木材破砕機の一実施の形態に備えられる破砕ユニット部分において、篩い部材が支持部材上に載置されている状態を表す斜視説明図である。
【図10】本発明の木材破砕機の一実施の形態を構成する図4に示した破砕ユニット付近の詳細構造及びホッパの詳細構造を表す上面図である。
【図11】本発明の木材破砕機の一実施の形態を構成する送りコンベアの送りローラ付近の詳細構造を表す図4中XI−XI断面による横断面図である。
【図12】本発明の木材破砕機の一実施の形態を構成する送りコンベアの送りローラ付近の詳細構造を表す図11の部分拡大図、及び図12(a)中XII方向から見た矢視側面図である。
【図13】本発明の木材破砕機の一実施の形態に備えられる押圧コンベア装置付近の構造を表す図4中一部透視拡大図である。
【図14】本発明の木材破砕機の一実施の形態に備えられる押圧コンベア装置の詳細構造を表す図13の要部抽出拡大図である。
【図15】本発明の木材破砕機の一実施の形態に備えられる押圧コンベア装置の詳細構造を表す図13中XV−XV断面による一部破断断面図である。
【図16】本発明の木材破砕機の一実施の形態に備えられる押圧コンベア装置の詳細構造を表す図13中XVI方向から見た上面図である。
【図17】本発明の木材破砕機の一実施の形態に備えられる図16に示した押圧コンベア装置の油圧モータ装置及びその近傍部の詳細構造を表す一部断面で示す拡大図、図17(a)中XVIIB方向から見た矢視図、図17(a)中XVIIC−XVIIC断面による横断面図である。
【図18】本発明の木材破砕機の一実施の形態に備えられる図17(a)に示した押圧コンベア装置の油圧モータ装置及びその近傍部の要部を表す透視図、図18(a)中XVIIIB方向から見た矢視図、図18(a)中XVIIIC−XVIIIC断面による横断面図である。
【図19】本発明の木材破砕機の一実施の形態に備えられる油圧モータ装置付近の詳細構造を表す図17(a)の部分拡大断面図である。
【図20】本発明の木材破砕機の一実施の形態に備えられる油圧モータ装置の駆動装置部の詳細内部構造を表す横断面図、図20(a)中XX方向から見た矢視図である。
【図21】本発明の木材破砕機の一実施の形態に備えられるホッパの詳細構造を表す図4中XXI方向から見た一部破断矢視図である。
【図22】本発明の木材破砕機の一実施の形態に備えられるホッパの詳細構造を表す図4中XXII方向からみた下面図である。
【図23】本発明の木材破砕機の一実施の形態に備えられるホッパの第1開閉扉付近の詳細構造を表す図4の部分拡大透視側面図である。
【図24】本発明の木材破砕機の一実施の形態に備えられるホッパの第1開閉扉付近の詳細構造を表す図20中部分拡大図である。
【図25】本発明の木材破砕機の一実施の形態に備えられるホッパの第2開閉扉付近の詳細構造を表す図4の部分拡大透視側面図である。
【図26】本発明の木材破砕機の一実施の形態に備えられるホッパの回転ローラ装置の詳細構造を表す部分拡大図、図26(a)中XXVI方向から見た正面図である。
【符号の説明】
2 ホッパ
2a 前壁体(第2の壁体)
2b 側壁体(第1の壁体)
3 送りコンベア(搬送手段)
5 押圧コンベア装置
7 搬出コンベア
10 本体フレーム
16 破砕装置
20 破砕ロータ
24 破砕装置用油圧モータ
29 篩い部材
29c 凹部(第2係合部)
30 支持部材
30c 凸部(第1係合部)
39 送りローラ(駆動輪)
40 従動ローラ(従動輪)
41 搬送体
47 第1開閉扉
48 第2開閉扉
51 回転ローラ装置(回転ローラ)
54 押えローラ(従動輪)
55 導入ローラ(駆動輪)
56 無限軌道部材(押圧搬送体)
60 押圧板
61 押圧コンベア装置用油圧モータ装置(駆動装置)
61a 駆動力出力部
62A〜D 従動輪支持フレーム(トラックフレーム部)
64 張力調整機構
66 液圧シリンダ
68 カップリング
72 スライダ
72b 接続ビーム部(支持フレーム)
77 駆動軸体
78 モータ
78a 出力軸
79 減速機構
80A 第1オイルバス(潤滑油室)
80B 第2オイルバス(他の潤滑油室)
100B 液圧管路
100Bh ポート
113 カバー
116 連通ポート(連通路)
117 潤滑油交換用ポート

Claims (5)

  1. 駆動輪と、
    従動輪と、
    これら駆動輪及び従動輪に巻き回した無端状の押圧搬送体と、
    前記駆動輪の回転軸に連結され、モータ、このモータの出力軸に設けられその駆動力を減速しながら伝達する減速機構、及びこの減速機構を内包する潤滑油室を有する駆動装置と、
    内部に前記潤滑油室と連通する他の潤滑油室を有し、前記駆動装置と前記駆動輪の回転軸とを連結するカップリングとを備えることを特徴とする押圧コンベア装置。
  2. 請求項1記載の押圧コンベア装置において、前記潤滑油室と前記他の潤滑油室とを連通する2つの連通路を備えたことを特徴とする押圧コンベア装置。
  3. 請求項1又は2記載の押圧コンベア装置において、前記カップリングは、前記他の潤滑油室に通じる潤滑油交換用のポートを備えることを特徴とする押圧コンベア装置。
  4. 本体フレームと、
    この本体フレームに設けられ、外周部に破砕ビットを配設した破砕ロータを備えた回転式の破砕装置と、
    この破砕装置に対する本体フレームの一方側に設けられたホッパと、
    このホッパ内に収納配置され、被破砕木材を前記破砕装置に搬送する搬送手段と、
    駆動輪と、従動輪と、これら駆動輪及び従動輪に巻き回した無端状の押圧搬送体と、前記駆動輪の回転軸に連結され、モータ、このモータの出力軸に設けられその駆動力を減速しながら伝達する減速機構、及びこの減速機構を内包する潤滑油室を有する駆動装置と、内部に前記潤滑油室と連通する他の潤滑油室を有し、前記駆動装置と前記駆動輪の回転軸とを連結するカップリングとを備え、上下動しながら前記被破砕木材を押圧し前記搬送手段と協働して前記破砕装置へと導入する押圧コンベア装置と
    を備えたことを特徴とする木材破砕機。
  5. 請求項4記載の木材破砕機において、破砕した破砕木材を搬出する搬出コンベアと、走行手段とを備え、自走可能であることを特徴とする木材破砕機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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