JP2004196166A - 手動変速をダウンシフトに適合させた車輌用変速装置 - Google Patents

手動変速をダウンシフトに適合させた車輌用変速装置 Download PDF

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芳男 浦上
Yoshio Ito
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16H59/02Selector apparatus
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Abstract

【課題】無段変速機を自動変速モードと手動変速モードの間に切り換えて作動させる車輌用変速装置に於いて、手動変速モードにより変速比を巧みに切り換えてエンジンブレーキ力を効果的に作用させることによりエンジンブレーキによる制動特性に優れた車輌運転を可能にし、また車輌走行途中の自動変速モードから手動変速モードへの切換えの主たる目的に合わせて変速モード切り換え後のダウンシフトの便宜を図る。
【解決手段】変速制御用操作端のダウンシフト側への操作態様がアップシフト側への操作態様に比して多様性に富むようにしておく。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車輌用変速装置に係り、特に無段変速機を用いた車輌用変速装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
駆動軸の回転数に対する被動軸の回転数(変速比)を無段階に連続して変えることができる無段変速機がベルト式無段変速機やトロイダル式無段変速機として知られており、車輌用変速装置として用いられている。またかかる無段変速機を用いて車輌用変速装置を構成する場合、無段変速機をその変速比が自動変速手段により車輌の運転状態に応じて自動的に設定される自動変速モードと、その変速比が手動変速手段により運転者の意図するところに応じて手動的に設定される手動変速モードとの間に随時切り換えて作動させることが行われている。
【0003】
図4はそのような公知の車輌用変速装置を含む車輌駆動系の基本構成を示す概略図である。図に於いて、10はエンジンであり、直結クラッチ12を備えたトルクコンバータ14、歯車変速機構16、無段変速機(CVT)18、プロペラ軸20、差動歯車22、一対の車軸24を経て一対の駆動輪26を駆動するようになっている。エンジン10、トルクコンバータの直結クラッチ12、歯車変速機構14、無段変速機16の作動はマイクロコンピュータを備えた電子制御装置(ECU)28により制御されるようになっている。電子制御装置28には、図には示されていないアクセルペダルよりその踏み込み量に関する信号、車速センサ30より車速に関する信号、シフトレバーの如き操作端を備えた変速操作装置32より運転者による変速指令信号、その他の電子制御装置の作動に必要が情報を与える信号が供給されている。
【0004】
変速操作装置32は、図示の如くP、R、N、D、M、+、−の各シフト位置を備えたJ字型の溝と、これに沿って各シフト位置の間に手にて移動されるシフトレバー(図示せず)とを備えている。P、R、Nはそれぞれパーキング、リバース、ニュートラルのシフト位置である。シフトレバーがD位置にあるとき、無段変速機18は電子制御装置28の制御判断に従って所定の変速比を達成する状態に制御され、またシフトレバーがM位置にあるとき、無段変速機18は運転者によるシフトレバーの操作に従って所定の変速比を達成する状態に制御される。この場合、図示の公知例に於いては、シフトレバーは運転者がこれを手にて操作することによりM位置より+位置または−位置へ任意にシフトされるが、運転者がシフトレバーに加える力を解除すると、シフトレバーはばね力によりM位置に戻されるようになっている。そしてシフトレバーがM位置より+位置へシフトされる度に無段変速機は1段階だけアップシフトされ、またシフトレバーがM位置より−位置へシフトされる度に無段変速機は1段階だけダウンシフトされるようになっている。
【0005】
即ち、無段変速機18による変速は、自動変速モードにて作動されるときには、図5に示す如きCVT入力回転数を縦軸とし車速を横軸とする座標系で見て、例えば変速線A−B−Cの如き経過を経て無段階にアップシフトされ、また変速線C−Dの如き経過を経て無段階にダウンシフトされるが、手動変速モードにて作動されるときには、図にR1〜R9にて示す如く予め複数の変速段が設定され、シフトレバーがM位置より+位置または−位置へシフトされる度に、これらの予め設定された変速段の間で1段ずつアップシフト側またはダウンシフト側へ変速段が切換えられ、例えばアップシフトは変速線L−M−N−O−……−Pの如き経過を経て段階的に行われ、ダウンシフトは変速線P−Q−R−……−Sの如き経過を経て段階的に行われるようになっている。
【0006】
かかる自動変速モードや手動変速モードに関する制御態様やその間の切り換え制御について、如何にそれをより好適に行うかについて、従来より種々の提案がなされている。特に手動変速モードに於ける制御態様については、例えば、下記の特許文献1には、上記の図4に例示した変速操作装置32に於ける手動変速のための操作溝「+、M、−」を操作溝「P、R、N、D」の両側に設け、一方の手動変速用操作溝に於いては加速と登坂のための変速比手動設定を行い、他方の手動変速用操作溝に於いては減速と降坂のための変速比手動設定を行うようにすることが提案されている。また下記の特許文献2には、自動変速モードから手動変速モードへの切り換えは、一般に加速のため或いはエンジンブレーキを得るためにダウンシフトを行う意図をもって行われることが多いことに鑑み、自動変速モードから手動変速モードへの切り換えがなされたときには、これに変速比を高める制御を自動的に付加することが提案されている。また下記の特許文献3には、手動変速モードにてアップシフトおよびダウンシフトをそれぞれ指令するアップシフトスイッチおよびダウンシフトスイッチが設けられているとき、自動変速モードにて運行中にアップシフトスイッチが押されると、手動変速モードへの切り換えを行うと同時に、それ迄自動設定されていた変速比に近い手動変速用変速比群の中から小さい方の変速比を選定し、また自動変速モードにて運行中にダウンシフトスイッチが押されると、手動変速モードへの切り換えを行うと同時に、それ迄自動設定されていた変速比に近い手動変速用変速比群の中から大きい方の変速比を選定することが提案されている。
【特許文献1】
特開平9−137853号公報
【特許文献2】
特開2001−99309号公報
【特許文献3】
特開2001−271919号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この種の車輌用変速装置は、車輌の運行状況によっては、変速モードを手動変速モードにし、変速比を巧みに切り換えて種々に変化するエンジンブレーキ力を作用させることにより、エンジンブレーキによる制動特性に優れ、アクセルペダルの操作のみで加速と減速を織り交ぜた車輌運転ができる可能性を含んでいる。また車輌の走行途中に変速モードが自動変速モードから手動変速モードへ切り換えられるのは、多くの場合、運転者が特に車輌を大きく加速させたいとき或いはエンジンブレーキを強く効かせたいときである。
【0008】
本発明は、無段変速機を備えた車輌用変速装置の手動変速に関する上記の事項に鑑み、手動変速をダウンシフトによりよく適合させた車輌用変速装置を提供することを課題としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するものとして、本発明は、無段変速機と、前記無段変速機の変速比を手動で設定する手動変速手段とを備え、前記手動変速手段の操作端がダウンシフト側へ操作されることにより前記無段変速機の変速比が増大され、前記手動変速手段の操作端がアップシフト側へ操作されることにより前記無段変速機の変速比が減小されるようになっている車輌用変速装置にして、前記操作端のダウンシフト側への操作態様が前記操作端のアップシフト側への操作態様に比して多様性に富むよう構成されていることを特徴とする車輌用変速装置を提案するものである。
【0010】
操作端のダウンシフト側への操作態様が操作端のアップシフト側への操作態様に比して多様性に富むことの一つの実施の形態として、操作端のダウンシフト側への操作態様の数が操作端のアップシフト側への操作態様の数より多くされてよい。そのような実施の形態の一つとして、手動変速手段は1段階のダウンシフトを起こさせる第一の操作位置と、それに続けて更にダウンシフトを起こさせる第二の操作位置とを有していてよい。
【0011】
或いはまた、車輌用変速装置は更に無段変速機の変速比を車輌の運転状態に応じて自動的に設定する自動変速手段を備え、操作端は自動変速手段を作動させる自動位置と手動変速手段を作動させる手動位置との間に移動されるようになっているとき、操作端のダウンシフト側への操作態様の一つは操作端を自動位置より手動位置へ移動させる操作の延長であるようにされてよい。
【0012】
或いはまた、手動変速手段は操作端を基準位置よりアップシフト側へ偏倚させる距離の大きさに応じて変速比を下げまた基準位置よりダウンシフト側へ偏倚される距離の大きさに応じて変速比を上げるようになっており、ダウンシフト側への偏倚距離の最大値はアップシフト側への偏倚距離の最大値より大きくされていてよい。
【0013】
【発明の作用及び効果】
上記の如く、無段変速機と、無段変速機の変速比を手動で設定する手動変速手段とを備え、手動変速手段の操作端がダウンシフト側へ操作されることにより無段変速機の変速比が増大され、手動変速手段の操作端がアップシフト側へ操作されることにより無段変速機の変速比が減小されるようになっている車輌用変速装置に於いて、操作端のダウンシフト側への操作態様が操作端のアップシフト側への操作態様に比して多様性に富むよう構成されれば、手動変速手段のうちのアップシフト用構成は従来通りとし、ダウンシフト用構成についてのみ構成を多様化するという最小限度の追加補正だけで、操作端の操作によるエンジンブレーキ調整の多様化を可能とし、エンジンブレーキによる制動特性に優れ、道路渋滞時等にアクセルペダルの操作のみで加速と減速を織り交ぜた車輌運転が可能となる。
【0014】
この場合、特に上記の多様化が操作端のダウンシフト側への操作態様の数を操作端のアップシフト側への操作態様の数より多くする態様にてなされれば、無段変速機をダウンシフトさせるに当ってその態様に複数の選択肢ができ、また手動変速手段が1段階のダウンシフトを起こさせる第一の操作位置と、それに続けて更にダウンシフトを起こさせる第二の操作位置とを有するように構成されれば、一度のダウンシフト操作に僅かの追加操作を付加することによりダウンシフト幅をより大きくすることができる。更にまた、手動変速手段が操作端を基準位置からアップシフト側へ偏倚させる距離の大きさに応じて変速比を下げまた該基準位置からダウンシフト側へ偏倚させる距離の大きさに応じて変速比を上げるようになっており、ダウンシフト側への偏倚距離の最大値がアップシフト側への偏倚距離の最大値より大きくされていれば、アップシフトのための構成や操作態様は従来通りとされても、ダウンシフトのための構成の僅かの追加補正によりダウンシフトを指令する度合に多様性が付加される。
【0015】
また、多くの場合がそうであるように、車輌の走行途中に車輌を大きく加速させたいためまたはエンジンブレーキを強く効かせたいため運転者が変速モードを自動変速モードから手動変速モードへ切り換えるとき、操作端を自動位置より手動位置へ移動させる操作の延長が操作端のダウンシフト側への操作態様の一つとなっていれば、自動変速モードから手動変速モードへの切り換えのための操作端の動きをそのまま延長することにより、ダウンシフト操作を同時的に達成することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は本発明による車輌用自動変速装置の第一の実施の形態を図4に示す構成に於ける変速操作装置32の部分についてのみ示す概略図である。図示の変速操作装置に於いて、P、R、N、Dを付された溝はそれに沿って図には示されていないシフトレバーの如き操作端が移動されるようになった図4に示す従来の変速操作装置32と同じ構成のものであり、即ち、変速段がこれらの各位置に設定されると、パーキングのための変速装置のロック、後進のための歯車の逆転切り換え、変速装置のアイドル状態化、自動変速手段による自動変速モード化が行われるようになっている。変速端がD位置よりM位置移動されると、変速装置は図4に示す従来の変速操作装置32と同様に手動変速モードに切り換えられる。
【0017】
M位置にある変速端は、手による操作力が何ら加えられなければ、ばね等の可撓力によりこの位置に留まり、何らのアップシフトもダウンシフトも生じないが、操作端がM位置よりアップシフト指令位置(+)102へ移動されると、一度の移動に対し予め定められた変速幅だけ変速比が減小され、また操作端がM位置よりダウンシフト指令位置(−)位置104へ移動されると、一度の移動に対し予め定められた変速幅だけ変速比が増大される。更に本発明によれば、M位置に直ぐ隣り合ってダウンシフト指令位置(−)106が設けられている。かかる追加のダウンシフト指令位置106が設けられることにより、変速モードを自動から手動に切り換えるべく操作端をD位置からM位置へ移動させる際、切り換え後すぐにダウンシフトを行うつもりであるときには、D位置からM位置へ移動させた操作端をM位置で止めず、そのまま更にダウンシフト指令位置106まで移動させればよい。
【0018】
図2は本発明による車輌用自動変速装置の第二の実施の形態を示す図1と同様の図である。図2に於いて、図1に示す部分と同様の部分は図1に於けると同じアルファベットおよび符号により示されている。この実施の形態の於いては、操作端がM位置より一度ダウンシフト操作されると、操作端は一旦ダウンシフト指令位置104にて動きを制止されるが、運転者がより一層のダウンシフトを望むときには、操作端を一度M位置まで戻して再度ダウンシフト方向へ向けて再操作しなくても、ダウンシフト指令位置104よりさらにダウンシフトを増加させるべく、操作端をそのままさらに追加のダウンシフト指令位置108まで移動させることにより、所望の作動が得られるようになっている。
【0019】
図3は本発明による車輌用自動変速装置の第三の実施の形態を示す図1および2と同様の図である。この実施の形態の於いても、P、R、N、Dの部分は図1および図2に示す実施の形態に於けると同じであるが、手動変速手段は操作端が自動位置との間の切換え点位置でありまた基準位置に当るM位置からアップシフト側(+)へ一度に偏倚される距離の大きさに応じて変速比を減小させ、またM位置からダウンシフト側(−)へ一度に偏倚される距離の大きさに応じて変速比を増大させるようになっており、ダウンシフト側への偏倚距離の最大値Sdがアップシフト側への偏倚距離の最大値Suより大きくされていることによって、操作端のダウンシフト側への操作態様が操作端のアップシフト側への操作態様に比して多様性に富むようになっている。尚、この場合にも一度のアップシフト操作またはダウンシフト操作が行われた後、操作端に加えられた操作力が解除されると、操作端はばね力等の可撓力によりM位置に戻されてそこに保持されるようになっていてよい。
【0020】
以上に於いては本発明をいくつかの実施の形態について詳細に説明したが、これらの実施の形態について本発明の範囲内にて種々の変更が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車輌用変速装置の第一の実施の形態をその変速操作装置の部分についてのみ示す概略図。
【図2】本発明による車輌用変速装置の第二の実施の形態をその変速操作装置の部分についてのみ示す概略図。
【図3】本発明による車輌用変速装置の第三の実施の形態をその変速操作装置の部分についてのみ示す概略図。
【図4】本発明による改良の対象となる車輌用変速装置を含む車輌駆動系の公知の基本構成を示す概略図。
【図5】図4に示す公知の車輌用変速装置の公知の変速作動態様をCVT入口回転数を縦軸とし車速を横軸とする座標系に於いて示す線図。
【符号の説明】
10…エンジン、12…直結クラッチ、14…トルクコンバータ、16…歯車変速機構、18…無段変速機(CVT)、20…プロペラ軸、22…差動歯車、24…車軸、26…駆動輪、28…電子制御装置(ECU)、30…車速センサ、32…変速操作装置

Claims (5)

  1. 無段変速機と、前記無段変速機の変速比を手動で設定する手動変速手段とを備え、前記手動変速手段の操作端がダウンシフト側へ操作されることにより前記無段変速機の変速比が増大され、前記手動変速手段の操作端がアップシフト側へ操作されることにより前記無段変速機の変速比が減小されるようになっている車輌用変速装置にして、前記操作端のダウンシフト側への操作態様が前記操作端のアップシフト側への操作態様に比して多様性に富むよう構成されていることを特徴とする車輌用変速装置。
  2. 前記操作端のダウンシフト側への操作態様の数が前記操作端のアップシフト側への操作態様の数より多いことを特徴とする請求項1に記載の車輌用変速装置。
  3. 前記手動変速手段は1段階のダウンシフトを起こさせる第一の操作位置と、それに続けて更にダウンシフトを起こさせる第二の操作位置とを有していることを特徴とする請求項1または2に記載の車輌用変速装置。
  4. 更に前記無段変速機の変速比を車輌の運転状態に応じて自動的に設定する自動変速手段を備え、前記操作端は前記自動変速手段を作動させる自動位置と前記手動変速手段を作動させる手動位置との間に移動されるようになっており、前記操作端のダウンシフト側への操作態様の一つは前記操作端を前記自動位置より前記手動位置へ移動させる操作の延長であることを特徴とする請求項1または2に記載の車輌用変速装置。
  5. 前記手動変速手段は前記操作端を基準位置よりアップシフト側へ偏倚させる距離の大きさに応じて変速比を下げまた前記基準位置よりダウンシフト側へ偏倚される距離の大きさに応じて変速比を上げるようになっており、ダウンシフト側への偏倚距離の最大値はアップシフト側への偏倚距離の最大値より大きくされていることを特徴とする請求項1に記載の車輌用自動変速装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007161188A (ja) * 2005-12-16 2007-06-28 Tokai Rika Co Ltd シフト装置

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