JP2004196122A - 自動車用ラジエータグリル - Google Patents
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Abstract
【課題】品質感を損なうことがないように改良された自動車のラジエータグリルを提供する。
【解決手段】エンジンルームを開閉するフード20に取り付けられるラジエータグリル22において、枠部31の下縁部裏面(後面)にシェード38を設ける。シェード38は、後方に水平に延びるシェード部38aと、下方に延びる取付部38bとを有する断面略L字形の帯状部材から形成され、枠部31における下縁部の左右方向のほぼ全長にわたって形成されている。このシェード部38aにより、ラジエータグリル22の通気窓32aから見えるフロンドバンパー18の延長上面部18c(塗装色)を隠す構成とした。
【選択図】 図3
【解決手段】エンジンルームを開閉するフード20に取り付けられるラジエータグリル22において、枠部31の下縁部裏面(後面)にシェード38を設ける。シェード38は、後方に水平に延びるシェード部38aと、下方に延びる取付部38bとを有する断面略L字形の帯状部材から形成され、枠部31における下縁部の左右方向のほぼ全長にわたって形成されている。このシェード部38aにより、ラジエータグリル22の通気窓32aから見えるフロンドバンパー18の延長上面部18c(塗装色)を隠す構成とした。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車体前面に配置されるラジエータグリルに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の前面部には、エンジンルーム内のラジエータを冷却するために、ラジエータの前方に外気を導入する格子状の通気窓を備えたラジエータグリルが配置されている。そして、ラジエータグリルは、一般的にはフロントバンパーあるいはエンジンルームを覆うフードのいずれかに取り付けられる。ラジエータグリルをフードに取り付ける技術としては、例えば、特許文献1がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−58384号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、フードにラジエータグリルを取り付ける形式のものにおいて、例えばフロントバンパーの上面部がグリル下縁部から後方へ所定長さで入り込むように設定した場合、自動車の前方に立ってラジエータグリルを見下ろしたとき、ラジエータグリルの通気窓からフロントバンパーの上面(塗装色)あるいはフロントバンパーの取付部品が見えることがある。このような設定では、意匠部品でもあるラジエータグリルの品質感が損なわれることになる。
【0005】
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、品質感を損なうことがないように改良された自動車用ラジエータグリルを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明に係る自動車用ラジエータグリルは、特許請求の範囲の請求項1〜3に記載の通り構成した。なお、各請求項に記載の発明は、外気取り入れ用の通気窓を有し、かつフロントバンパーの上面部の上方に配置される自動車用ラジエータグリルにおいて、該ラジエータグリルの品質感を損なうことがないように改良した技術である。
【0007】
請求項1に記載の自動車用ラジエータグリルでは、側縁部または下縁部の少なくとも一方に、後方に向かって所定長さで延びるシェードを備え、このシェードにより通気窓から見える後方視野を制限している。このような構成の請求項1の発明によれば、フロントバンパーの上面部がラジエータグリルの下縁部の下面を通って後方(エンジンルーム側)へ延びているような設定であっても、その延長上面部をシェードによって隠すことが可能となる。また、フロントバンパーの取付部あるいはラジエータグリルの取付部を隠すことも可能である。そして、シェードが後方に向かって真直ぐに延びるような構成としたときは、外気の導入性能を損なうことなく、通気窓から見える後方視野を制限できる。
【0008】
請求項2に記載の自動車用ラジエータグリルでは、側縁部または下縁部の後方に突出された板状の取付リブと、その取付リブの突出端面からさらに後方に突出された複数の取付ピンとを備えている。シェードは、後方視野を制限するシェード部と、グリル本体に対する取付部とを有しており、その取付部を、取付リブに嵌め込むとともに取付ピンに差し込む構成となっている。このような構成の請求項3の発明によれば、ラジエータグリルに対してシェードを容易に取り付けることができる。
【0009】
請求項3に記載の自動車用ラジエータグリルでは、シェードは、下縁部に複数の取付具を介して取り付けられている。そして、少なくともエンジンルーム開閉用のフードを閉じ位置に固定するためのフードロック装置の近傍に位置する取付具の下方を通って該取付具の後端よりも後方へ延びるガードリップを備えている。このため、ラジエータグリルがフードの取り付けられる設定において、フードを開放すべく、ラジエータグリルの下方から手を差し込んでフードロック装置のロック解除レバーを操作するときに、取付具先端に誤って指先が触ることを防止する上で有効となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。図1は自動車の前部を示す概略斜視図であり、図2はラジエータグリルを示す正面図である。また、図3は図2のIII−III線断面図であり、図4はシェードを示す斜視図である。また、図5はフード開放時の説明図であり、図6は自動車のフード周辺部の概略を示す側断面図である。
図6に示すように、フロントエンジンタイプの自動車10の前部には、エンジンルーム12を開閉する前開きタイプのフード20が設けられている。フード20は、例えば鋼鈑製であり、その後端部が車両ボデー11にヒンジ装置14を介して回動可能に取り付けられている。また、フード20の前端部の裏面側にはストライカ16が取り付けられている。フード20を開いた状態(図6中、二点鎖線20参照)から閉じたときに、車両ボデー11に配置されたフードロック装置17の爪(図示省略)によってストライカ16がロックされることで該フード20が閉じた状態に保持される(図6中、実線20参照)。また、フードロック装置17を図示省略のロック解除レバーによりアンロック操作することにより、フード20の前端部を上方に向けて持ち上げて開くことができる(図6中、二点鎖線20参照)。
【0011】
図1に示すように、フード20は、前方に向かって傾斜状に延びており、その前端部(開閉端部)の中央部にラジエータグリル30を配置するための下側が開放された開口部21が形成されている。開口部21は、左右方向(車幅方向)に長い略長方形に形成され、開口周縁部にラジエータグリル取付用の複数の取付孔22が形成されている。また、自動車10の前面部には、フロントバンパー18が設けられており、その上面部にフード20の前端下縁部が位置する。
【0012】
エンジンルーム内に配置されるラジエータ(図示省略)に外気を取入れるためのラジエータグリル30は、例えば硬質樹脂製であり、図2に示すように、開口部21の形状に対応した車幅方向に長い略長方形に形成されており、周縁部を取り囲む枠部31と、その枠部31内に形成された格子状の通気窓32aを有するグリル部32とを備えている。そして、フード20の開口部21に前方から被さるように配置されるとともに、図3に示すように、その裏面側に設けられたボルトや弾性クリップ等の取付具33(図3には弾性クリップが示されている)を介して開口周縁部の取付孔22に取り付けられる。なお、ラジエータグリル30の通気窓32aは、グリル部32の車幅方向の全体にわたって形成されている。
ラジエータグリル30の下半部は、前記フード20の前端縁20aより下方に突出しており、これに対応する凹み形状を有するフロントバンパー18の上面部に対して枠部31の下縁が所定の隙間を置いて対向している。なお、ラジエータグリル30の外表面には、例えば銀色系のクロムめっきが施されている。
【0013】
図3に示すように、フロントバンパー18の上面部18bは、前面部18aに対して緩やかな曲面で連続するとともに、ラジエータグリル30の下縁部の下面を通ってさらに後方(エンジンルーム内)に向かって略水平に延びる延長上面部18cを有する。このような構成の場合、自動車10の前方に立ちラジエータグリルを見下ろしたとき、延長上面部18c(バンパー塗装色)がラジエータグリル30の通気窓32aを通して見える視野Aに入り見えてしまうことになる。このことに鑑み、本実施の形態では、ラジエータグリル30の枠部31の下縁部裏面に、上記の延長上面部18cを隠すためのシェード38を備えている。
【0014】
シェード38は、図4に示すように、上記の延長上面部18cを隠すための水平方向に延びる平板状のシェード部38aと、そのシェード部38aに対してほぼ直角をなして下方へ延びる平板状の取付部38bとを備えた断面L字形の帯状部材であり、図2に示すように、枠部31の下縁部に沿って車幅方向に延びる長さを有する。そして、シェード38の取付部38bには、所定の隙間を置いて対向する上下一対の取付リップ38cが形成されるとともに、長手方向(車幅方向)に所定の間隔を置いて複数の取付孔38dが形成されている。なお、取付リップ38cは、取付部38bの前面側の全長にわたって備えられる。
【0015】
上記のような構成のシェード38を取り付けるために、ラジエータグリル30の枠部31の下縁部裏面には、後方に向かって略水平に突出された車幅方向に延びる取付リブ34が形成され、その取付リブ34の突出端面には、複数の取付ピン35が長手方向に所定間隔を置いて平行に突設されている。取付リブ34は、ラジエータグリル30の下縁部外形に沿った緩やかな曲線に形成されている。このような曲線形状の取付リブ34に追従できるようにするために、本実施の形態では、シェード38の材質は、柔軟性を有する材料、例えばエラストマ(ゴム状弾性体)を用いている。また、シェード38は、暗色、例えば黒色に設定されている。また、シェード38は押し出し成形によって一定断面形状に形成されており、コストを低減する上で有効である。
【0016】
取付部38bに形成された取付リップ38cは、取付孔38dの位置を取付ピン35に合わせて取付リブ34に嵌め込まれる。このとき、取付ピン35が取付孔38dを貫通する。その後、取付ピン35の貫通端部が、例えば熱カシメによって潰され、その熱カシメ部35aによって抜け止めされる(図3参照)。かくして、シェード38はラジエータグリル30に取り付けられる。このような取付構造とすることにより、シェード38をラジエータグリル30に容易に取り付けることができる。またシェード38はエラストマから形成され、取付リブ34の曲線形状に対する追従性を有するため、該取付リブ34に対する取付リップ38cの嵌め込み作業を楽に行うことができる。
【0017】
上記のように、ラジエータグリル30の下縁部に取り付けられたシェード38は、自動車10の前方に立ちラジエータグリルを見下ろしたときの通気窓32aを通して見える後方視野を制限する(狭める)ことができる。すなわち、シェード38のシェード部38aによって、通気窓32aの視野Aが視野Bに狭められることになり、このことによりフロントバンパー18の上面部18bの延長上面部18cを隠すことができる。そして、シェード38は、それ自体が暗色に設定されており、目立たない。これにより、ラジエータグリル30の品質感を向上することができる。また、シェード38のシェード部38aは、後方に向かってほぼ水平に延びているため、通気窓32aから導入される冷却風の流れを損なうといった問題も生じない。さらには、ラジエータグリル30の下縁部に沿って設けられたシェード38は、該ラジエータグリル30の見栄えを向上する上で有効に作用する。
また、本実施の形態においては、シェード38の取付部38bの下端部には、取付具33の下方を通って後方に所定長さで延びるガードリップ38eが形成されている。このガードリップ38eは、図5に示すように、例えば、フード20を開放するに際し、フードロック装置17のロック解除レバーを操作すべく、ラジエータグリル2の下面から手を差し込んだときに、取付ピン35の熱カシメ部35aに指先が当ることを回避する上で有効となる。
【0018】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更することができる。
例えば、上述した実施の形態では、ラジエータグリル30の下縁部にシェード38を設けたが、左右の側縁部に設ける構成であってもよいし、下縁部と側縁部との両方に設けてもよい。また、ガードリップ38eはフロントバンパー18の上面部18bに接触し得る延出長さを有していてもよい。
また、シェード38の材質は、特に限定されるものではないし、押し出し成形品である必要もない。例えば、射出成形品としてもよい。
また、シェード38のラジエータグリル30に対する取り付けは、クリップ、ビス等の別部品を用いてもよい。また、図7に示すように、シェード38の上下の取付リップ38c前端の少なくとも一方に、爪部38fが設けられており、ラジエータグリル30の枠部31に、爪部38fが噛み合う溝部31aが設けられている構造であってもよい。この場合においては、シェード38の取付部38bをラジエータグリル30の取付リブ34に嵌め込んだときに、溝部31aに爪部38fが掛止することでシェード38を固定することができる。
また、図8に示すように、取付ピンが車両後方に細くなるテーパ−ピン35bとし、そのテーパ−ピン35bの根元部の径がシェード38の取付孔38dよりも大きく形成された構成にしてもよい。この場合においては、シェード38の取付孔38dをテーパ−ピン35bに差し込むだけで固定できる。すなわち、差し押し込み時に取付孔38dが押し広げられることでテーパ−ピン35bに対する緊迫力が発生するので、この緊迫力によって固定することができる。なお、テーパ−ピン35bの先端部は丸くなっており、誤って指先が触れても傷つくことはない。
また、上記のテーパ−ピン35bを用いた固定構造と爪部38fを用いた固定構造との組み合わせ構造により固定がさらに強化される。
また、フード20に形成されるグリル取付用の開口部21を下側が開放された形状としたが、下側も閉じられた形状としてもよい。この場合においては、開口部に配置されるラジエータグリル30の下縁部も取付具を介して固定される可能性がある。そのときには、シェード38はその取付部を隠すことができる。
また、上述した実施の形態では、ラジエータグリル30に別途に形成されたシェード38を取り付ける構成で説明したが、ラジエータグリル30に一体に形成してもよい。
また、上述した実施の形態では、シェード38がフロントバンパー18の延長上面部18cを目隠しする場合で説明したが、目隠しの対象はフロントバンパー18の延長上面部18cに限られるものではなく、エンジンルーム内に配置される部品であれば対象になり得る。
【0019】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、品質感を損なうことがないように改良された自動車用ラジエータグリルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車の前部を示す概略斜視図である。
【図2】ラジエータグリルを示す正面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】シェードを示す斜視図である。
【図5】フード開放時の説明図である。
【図6】自動車のフード周辺部の概略を示す側断面図である。
【図7】シェードの取付構造に関する変更例を示す断面図である。
【図8】シェードの取付構造に関する他の変更例を示す断面図である。
【符号の説明】
20…フード
30…ラジエータグリル
32a…通気窓
34…取付リブ
35…取付ピン
38…シェード
38a…シェード部
38b…取付部
38c…取付リップ
38d…取付孔
38e…ガードリップ
【発明の属する技術分野】
この発明は、車体前面に配置されるラジエータグリルに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車の前面部には、エンジンルーム内のラジエータを冷却するために、ラジエータの前方に外気を導入する格子状の通気窓を備えたラジエータグリルが配置されている。そして、ラジエータグリルは、一般的にはフロントバンパーあるいはエンジンルームを覆うフードのいずれかに取り付けられる。ラジエータグリルをフードに取り付ける技術としては、例えば、特許文献1がある。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−58384号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、フードにラジエータグリルを取り付ける形式のものにおいて、例えばフロントバンパーの上面部がグリル下縁部から後方へ所定長さで入り込むように設定した場合、自動車の前方に立ってラジエータグリルを見下ろしたとき、ラジエータグリルの通気窓からフロントバンパーの上面(塗装色)あるいはフロントバンパーの取付部品が見えることがある。このような設定では、意匠部品でもあるラジエータグリルの品質感が損なわれることになる。
【0005】
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、品質感を損なうことがないように改良された自動車用ラジエータグリルを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するため、本発明に係る自動車用ラジエータグリルは、特許請求の範囲の請求項1〜3に記載の通り構成した。なお、各請求項に記載の発明は、外気取り入れ用の通気窓を有し、かつフロントバンパーの上面部の上方に配置される自動車用ラジエータグリルにおいて、該ラジエータグリルの品質感を損なうことがないように改良した技術である。
【0007】
請求項1に記載の自動車用ラジエータグリルでは、側縁部または下縁部の少なくとも一方に、後方に向かって所定長さで延びるシェードを備え、このシェードにより通気窓から見える後方視野を制限している。このような構成の請求項1の発明によれば、フロントバンパーの上面部がラジエータグリルの下縁部の下面を通って後方(エンジンルーム側)へ延びているような設定であっても、その延長上面部をシェードによって隠すことが可能となる。また、フロントバンパーの取付部あるいはラジエータグリルの取付部を隠すことも可能である。そして、シェードが後方に向かって真直ぐに延びるような構成としたときは、外気の導入性能を損なうことなく、通気窓から見える後方視野を制限できる。
【0008】
請求項2に記載の自動車用ラジエータグリルでは、側縁部または下縁部の後方に突出された板状の取付リブと、その取付リブの突出端面からさらに後方に突出された複数の取付ピンとを備えている。シェードは、後方視野を制限するシェード部と、グリル本体に対する取付部とを有しており、その取付部を、取付リブに嵌め込むとともに取付ピンに差し込む構成となっている。このような構成の請求項3の発明によれば、ラジエータグリルに対してシェードを容易に取り付けることができる。
【0009】
請求項3に記載の自動車用ラジエータグリルでは、シェードは、下縁部に複数の取付具を介して取り付けられている。そして、少なくともエンジンルーム開閉用のフードを閉じ位置に固定するためのフードロック装置の近傍に位置する取付具の下方を通って該取付具の後端よりも後方へ延びるガードリップを備えている。このため、ラジエータグリルがフードの取り付けられる設定において、フードを開放すべく、ラジエータグリルの下方から手を差し込んでフードロック装置のロック解除レバーを操作するときに、取付具先端に誤って指先が触ることを防止する上で有効となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1〜図5に基づいて説明する。図1は自動車の前部を示す概略斜視図であり、図2はラジエータグリルを示す正面図である。また、図3は図2のIII−III線断面図であり、図4はシェードを示す斜視図である。また、図5はフード開放時の説明図であり、図6は自動車のフード周辺部の概略を示す側断面図である。
図6に示すように、フロントエンジンタイプの自動車10の前部には、エンジンルーム12を開閉する前開きタイプのフード20が設けられている。フード20は、例えば鋼鈑製であり、その後端部が車両ボデー11にヒンジ装置14を介して回動可能に取り付けられている。また、フード20の前端部の裏面側にはストライカ16が取り付けられている。フード20を開いた状態(図6中、二点鎖線20参照)から閉じたときに、車両ボデー11に配置されたフードロック装置17の爪(図示省略)によってストライカ16がロックされることで該フード20が閉じた状態に保持される(図6中、実線20参照)。また、フードロック装置17を図示省略のロック解除レバーによりアンロック操作することにより、フード20の前端部を上方に向けて持ち上げて開くことができる(図6中、二点鎖線20参照)。
【0011】
図1に示すように、フード20は、前方に向かって傾斜状に延びており、その前端部(開閉端部)の中央部にラジエータグリル30を配置するための下側が開放された開口部21が形成されている。開口部21は、左右方向(車幅方向)に長い略長方形に形成され、開口周縁部にラジエータグリル取付用の複数の取付孔22が形成されている。また、自動車10の前面部には、フロントバンパー18が設けられており、その上面部にフード20の前端下縁部が位置する。
【0012】
エンジンルーム内に配置されるラジエータ(図示省略)に外気を取入れるためのラジエータグリル30は、例えば硬質樹脂製であり、図2に示すように、開口部21の形状に対応した車幅方向に長い略長方形に形成されており、周縁部を取り囲む枠部31と、その枠部31内に形成された格子状の通気窓32aを有するグリル部32とを備えている。そして、フード20の開口部21に前方から被さるように配置されるとともに、図3に示すように、その裏面側に設けられたボルトや弾性クリップ等の取付具33(図3には弾性クリップが示されている)を介して開口周縁部の取付孔22に取り付けられる。なお、ラジエータグリル30の通気窓32aは、グリル部32の車幅方向の全体にわたって形成されている。
ラジエータグリル30の下半部は、前記フード20の前端縁20aより下方に突出しており、これに対応する凹み形状を有するフロントバンパー18の上面部に対して枠部31の下縁が所定の隙間を置いて対向している。なお、ラジエータグリル30の外表面には、例えば銀色系のクロムめっきが施されている。
【0013】
図3に示すように、フロントバンパー18の上面部18bは、前面部18aに対して緩やかな曲面で連続するとともに、ラジエータグリル30の下縁部の下面を通ってさらに後方(エンジンルーム内)に向かって略水平に延びる延長上面部18cを有する。このような構成の場合、自動車10の前方に立ちラジエータグリルを見下ろしたとき、延長上面部18c(バンパー塗装色)がラジエータグリル30の通気窓32aを通して見える視野Aに入り見えてしまうことになる。このことに鑑み、本実施の形態では、ラジエータグリル30の枠部31の下縁部裏面に、上記の延長上面部18cを隠すためのシェード38を備えている。
【0014】
シェード38は、図4に示すように、上記の延長上面部18cを隠すための水平方向に延びる平板状のシェード部38aと、そのシェード部38aに対してほぼ直角をなして下方へ延びる平板状の取付部38bとを備えた断面L字形の帯状部材であり、図2に示すように、枠部31の下縁部に沿って車幅方向に延びる長さを有する。そして、シェード38の取付部38bには、所定の隙間を置いて対向する上下一対の取付リップ38cが形成されるとともに、長手方向(車幅方向)に所定の間隔を置いて複数の取付孔38dが形成されている。なお、取付リップ38cは、取付部38bの前面側の全長にわたって備えられる。
【0015】
上記のような構成のシェード38を取り付けるために、ラジエータグリル30の枠部31の下縁部裏面には、後方に向かって略水平に突出された車幅方向に延びる取付リブ34が形成され、その取付リブ34の突出端面には、複数の取付ピン35が長手方向に所定間隔を置いて平行に突設されている。取付リブ34は、ラジエータグリル30の下縁部外形に沿った緩やかな曲線に形成されている。このような曲線形状の取付リブ34に追従できるようにするために、本実施の形態では、シェード38の材質は、柔軟性を有する材料、例えばエラストマ(ゴム状弾性体)を用いている。また、シェード38は、暗色、例えば黒色に設定されている。また、シェード38は押し出し成形によって一定断面形状に形成されており、コストを低減する上で有効である。
【0016】
取付部38bに形成された取付リップ38cは、取付孔38dの位置を取付ピン35に合わせて取付リブ34に嵌め込まれる。このとき、取付ピン35が取付孔38dを貫通する。その後、取付ピン35の貫通端部が、例えば熱カシメによって潰され、その熱カシメ部35aによって抜け止めされる(図3参照)。かくして、シェード38はラジエータグリル30に取り付けられる。このような取付構造とすることにより、シェード38をラジエータグリル30に容易に取り付けることができる。またシェード38はエラストマから形成され、取付リブ34の曲線形状に対する追従性を有するため、該取付リブ34に対する取付リップ38cの嵌め込み作業を楽に行うことができる。
【0017】
上記のように、ラジエータグリル30の下縁部に取り付けられたシェード38は、自動車10の前方に立ちラジエータグリルを見下ろしたときの通気窓32aを通して見える後方視野を制限する(狭める)ことができる。すなわち、シェード38のシェード部38aによって、通気窓32aの視野Aが視野Bに狭められることになり、このことによりフロントバンパー18の上面部18bの延長上面部18cを隠すことができる。そして、シェード38は、それ自体が暗色に設定されており、目立たない。これにより、ラジエータグリル30の品質感を向上することができる。また、シェード38のシェード部38aは、後方に向かってほぼ水平に延びているため、通気窓32aから導入される冷却風の流れを損なうといった問題も生じない。さらには、ラジエータグリル30の下縁部に沿って設けられたシェード38は、該ラジエータグリル30の見栄えを向上する上で有効に作用する。
また、本実施の形態においては、シェード38の取付部38bの下端部には、取付具33の下方を通って後方に所定長さで延びるガードリップ38eが形成されている。このガードリップ38eは、図5に示すように、例えば、フード20を開放するに際し、フードロック装置17のロック解除レバーを操作すべく、ラジエータグリル2の下面から手を差し込んだときに、取付ピン35の熱カシメ部35aに指先が当ることを回避する上で有効となる。
【0018】
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更することができる。
例えば、上述した実施の形態では、ラジエータグリル30の下縁部にシェード38を設けたが、左右の側縁部に設ける構成であってもよいし、下縁部と側縁部との両方に設けてもよい。また、ガードリップ38eはフロントバンパー18の上面部18bに接触し得る延出長さを有していてもよい。
また、シェード38の材質は、特に限定されるものではないし、押し出し成形品である必要もない。例えば、射出成形品としてもよい。
また、シェード38のラジエータグリル30に対する取り付けは、クリップ、ビス等の別部品を用いてもよい。また、図7に示すように、シェード38の上下の取付リップ38c前端の少なくとも一方に、爪部38fが設けられており、ラジエータグリル30の枠部31に、爪部38fが噛み合う溝部31aが設けられている構造であってもよい。この場合においては、シェード38の取付部38bをラジエータグリル30の取付リブ34に嵌め込んだときに、溝部31aに爪部38fが掛止することでシェード38を固定することができる。
また、図8に示すように、取付ピンが車両後方に細くなるテーパ−ピン35bとし、そのテーパ−ピン35bの根元部の径がシェード38の取付孔38dよりも大きく形成された構成にしてもよい。この場合においては、シェード38の取付孔38dをテーパ−ピン35bに差し込むだけで固定できる。すなわち、差し押し込み時に取付孔38dが押し広げられることでテーパ−ピン35bに対する緊迫力が発生するので、この緊迫力によって固定することができる。なお、テーパ−ピン35bの先端部は丸くなっており、誤って指先が触れても傷つくことはない。
また、上記のテーパ−ピン35bを用いた固定構造と爪部38fを用いた固定構造との組み合わせ構造により固定がさらに強化される。
また、フード20に形成されるグリル取付用の開口部21を下側が開放された形状としたが、下側も閉じられた形状としてもよい。この場合においては、開口部に配置されるラジエータグリル30の下縁部も取付具を介して固定される可能性がある。そのときには、シェード38はその取付部を隠すことができる。
また、上述した実施の形態では、ラジエータグリル30に別途に形成されたシェード38を取り付ける構成で説明したが、ラジエータグリル30に一体に形成してもよい。
また、上述した実施の形態では、シェード38がフロントバンパー18の延長上面部18cを目隠しする場合で説明したが、目隠しの対象はフロントバンパー18の延長上面部18cに限られるものではなく、エンジンルーム内に配置される部品であれば対象になり得る。
【0019】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、品質感を損なうことがないように改良された自動車用ラジエータグリルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車の前部を示す概略斜視図である。
【図2】ラジエータグリルを示す正面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】シェードを示す斜視図である。
【図5】フード開放時の説明図である。
【図6】自動車のフード周辺部の概略を示す側断面図である。
【図7】シェードの取付構造に関する変更例を示す断面図である。
【図8】シェードの取付構造に関する他の変更例を示す断面図である。
【符号の説明】
20…フード
30…ラジエータグリル
32a…通気窓
34…取付リブ
35…取付ピン
38…シェード
38a…シェード部
38b…取付部
38c…取付リップ
38d…取付孔
38e…ガードリップ
Claims (3)
- 外気取り入れ用の通気窓を有し、かつフロントバンパーの上面部の上方に配置される自動車用ラジエータグリルであって、
側縁部または下縁部の少なくとも一方に、後方に向かって所定長さで延びるシェードを備えており、そのシェードにより前記通気窓から見える後方視野を制限したことを特徴とする自動車用ラジエータグリル。 - 請求項1に記載の自動車用ラジエータグリルであって、前記側縁部または下縁部の後方に突出された板状の取付リブと、その取付リブの突出端面からさらに後方に突出された複数の取付ピンとを備えており、前記シェードは、前記後方視野を制限するシェード部と、前記取付リブに対する取付部とを有し、その取付部を、前記取付リブに嵌め込むとともに前記取付ピンに差し込む構成としたことを特徴とする自動車用ラジエータグリル。
- 請求項1または2に記載の自動車用ラジエータグリルであって、前記シェードは、前記下縁部に複数の取付具を介して取り付けられるとともに、少なくともエンジンルーム開閉用のフードを閉じ位置に固定するフードロック装置の近傍に位置する取付具の下方を通って該取付具の後端よりも後方へ延びるガードリップを備えていることを特徴とする自動車用ラジエータグリル。
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- 2002-12-18 JP JP2002367030A patent/JP2004196122A/ja active Pending
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