JP2004194719A - 調理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】所定量の水を収容し得るとともに、冷凍麺Rを投入可能な湯槽5と、湯槽5内部の水を加熱するためのバーナ6及びヒータパイプ7と、湯槽5内の湯を沸騰直前の温度にて維持する制御手段8と、湯槽5内における冷凍麺Rが投入されるべき部位とヒータパイプ7が配設された部位とを画成するとともに、冷凍麺Rに向かって形成された開口部15、及びヒータパイプ7が配設された部位の湯を流入させる流入口21が形成された圧力室17を具備した画成部材14と、回転動作により当該流入口21から圧力室17内に湯を圧送させ得るインペラ18と、該インペラ18を回転駆動させるモータMとを備えたものである。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷凍又は冷蔵された食材を解凍して調理するための調理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冷凍又は冷蔵された食材を解凍して調理するための調理装置として、冷凍又は冷蔵された麺類を茹でるための業務用茹麺装置が挙げられる。かかる茹麺装置は、従来、所定量の水を収容し得る湯槽と、該湯槽内に水を供給し得る給水手段と、湯槽内の水を加熱して沸騰させるための加熱手段とを具備して構成されており、麺を収容したテボを保持すべく、湯槽上部の所定位置には例えば6つの丸孔を有したテボ受け板が設けられていた。
【0003】
また、テボ受け板の丸孔の下方であって加熱手段の上方には、各丸孔に対応した6つの孔を有した板材が配設されており、加熱手段による沸騰で生じた気泡が各テボに向かって上昇するよう構成されていた。これにより、テボ内の麺は、沸騰した湯にて解凍調理されるとともに、上昇した気泡によって良好に解されることとなる。尚、かかる従来の茹麺装置は、文献公知発明に係るものでないため、記載すべき先行技術文献情報はない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の調理装置においては、湯槽内の水を沸騰させて食材を解凍調理しているため、以下の如き問題があった。即ち、湯槽内の水を沸騰させると、その水が蒸発して湯槽内の水(湯)が少なくなってしまうので、逐次水を供給しなければならず、沸騰させるための加熱エネルギの消費に加え、水の消費も多大なものとなってしまう問題があった。
【0005】
また、水道水を湯槽内に供給して沸騰させると、水分のみが蒸発して不純物(カルキ等塩素系不純物)の濃度が高くなってしまうという不具合がある。不純物濃度が高くなると、当該不純物が析出して湯槽内の加熱手段に付着し、加熱効率が低下し、一層消費熱エネルギが増加してしまう問題もあった。更に、湯気が調理室内に絶えず放出されるため、作業環境が悪化してしまうという付随的問題もあった。
【0006】
然るに、所謂ファミリーレストラン等フランチャイズ系の店においては、専門の調理人が不足しており、アルバイト等調理に関してあまり知識がない者でも同一品質の調理が可能となるべき工夫がされており、例えば茹麺装置においては、常時湯槽内の湯を沸騰させておき、調理の均一化を図っているのが現状である。即ち、常時沸騰させておけば、調理人は湯の温度管理を行わなくてもよく、茹で時間さえ管理すればよいのである。
【0007】
ところで、従来の茹麺装置においては、沸騰した湯の中に冷凍又は冷蔵の食材(冷凍又は冷蔵麺)を投入していたのであるが、投入直後には食材周囲の湯温が100℃以下に下がってしまい、沸騰直前の温度となることが分かった。これは、100℃以下の湯であっても食材の解凍調理は十分可能であることを示しており、必ずしも湯温を100℃に保つ必要がないことを示している。
【0008】
かかる実情を考慮して、本出願人は、沸騰直前の湯温にて冷凍又は冷蔵の食材を解凍調理することを検討したが、その場合、投入された麺に向かって上昇する気泡がほとんどなくなるため、冷凍又は冷蔵の麺を十分に解すことができない虞があった。また、食材に向かって上昇する気泡がないため、投入された食材(麺に限らない)の周りの湯と他の部位の湯との間の対流があまりなく、当該食材の周りの湯の温度低下が著しくなって、短時間に十分な解凍調理を行うことができない虞もあった。
【0009】
更に、本出願人は、湯槽内の湯を沸騰直前の温度に保ちつつ、当該湯槽内の湯を投入された食材に向かって噴射させ、短時間に十分な解凍調理することを検討したが、その場合、湯槽内の湯を比較的高価な流体ポンプによって圧送する必要があり、調理装置全体の製造コストが嵩んでしまう問題があることが分かった。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、加熱エネルギ及び水の消費を抑えつつ冷凍又は冷蔵食材に対する均一且つ十分な解凍調理を行うことができるとともに、装置の製造コストを低減させることができる調理装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、所定量の水を収容し得るとともに、冷凍又は冷蔵された食材を投入可能な湯槽と、該湯槽内における底面側に配設されて、当該湯槽内部の水を加熱するための加熱手段と、前記湯槽内の湯を沸騰直前の温度にて維持すべく前記加熱手段を制御する制御手段と、前記湯槽内における食材が投入されるべき部位と前記加熱手段が配設された部位とを画成するとともに、食材が投入されるべき位置に向かって形成された開口部、及び前記加熱手段が配設された部位の湯を流入させる流入口が形成された圧力室を具備した画成部材と、前記流入口近傍に配設され、回転動作により当該流入口から前記圧力室内に湯を圧送させ得るインペラと、該インペラを回転駆動させる駆動手段とを備えたことを特徴とする。
【0012】
かかる構成によれば、駆動手段にてインペラを回転駆動させると、湯槽内における加熱手段近傍の湯が流入口から画成部材の圧力室内に流入し、開口部から噴出することとなり、その噴出した湯は、投入された食材に向かって流れることとなる。
【0013】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の調理装置において、前記駆動手段は、前記湯槽の外側に配設されるとともに、その出力軸が前記湯槽内部まで延びて前記インペラと連結されたことを特徴とする。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の調理装置において、前記画成部材には、前記加熱手段の加熱で生じる気泡の上方への移動を規制する気密部が形成されたことを特徴とする。
【0015】
請求項4記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の調理装置において、前記湯槽内の湯は、解凍調理時間及び待機時間に亘って、前記制御手段により略96℃に保持されていることを特徴とする。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の調理装置において、前記湯槽内に投入されるべき食材は、冷凍又は冷蔵された麺類であることを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係る調理装置は、調理場に設置されて、工場等で予め茹でた後に冷凍加工した麺を解凍調理するための茹麺装置から成り、図1に示すように、茹麺装置本体1と、該茹麺装置本体1の背面側から上方に突設された排煙部2と、茹麺装置本体1の前面側に設けられた操作部3と、茹麺装置本体1の上部に設けられた調理部4とによって外観が構成されている。
【0018】
茹麺装置本体1は、その底面四隅にそれぞれ脚部1aが設けられており、床面に対して立設可能とされた略箱状部材から成るものである。かかる茹麺装置本体1の内部には、調理部4を構成する湯槽5と、加熱手段としてのバーナ6及びヒータパイプ7と、制御手段8及び画成部材14等が配設されており(図3及び図4参照)、それら内部構成要素のメンテナンスを容易ならしめるべく開閉扉1bが前面に形成されている。
【0019】
排煙部2は、図3に示すように、バーナ6の燃焼室10及びヒータパイプ7と連通して上方に開口したもので、当該バーナ6で生じた熱気を外部へ排気するためのものである。即ち、バーナ6で加熱された空気は、燃焼室10からヒータパイプ7へ至り、その熱で湯槽5内の水を加熱しつつ、その後排煙部2から放出されるようになっている。
【0020】
操作部3は、バーナ6の点火、消火及び温度設定を操作するための操作パネル3aと、湯槽5内への給水を操作するための操作ツマミ3bとから主に構成されている。操作ツマミ3bを回動すると、給水コック(不図示)が開いて茹麺装置内まで導かれた給水管9(図1参照)から水道水が供給されるよう構成されている。
【0021】
調理部4は、冷凍麺を湯に投入して解凍調理し得る部位であり、上方に開放した茹麺装置本体1の開口部に湯槽5が嵌め込まれて成るとともに、その対向する縁部には湯の飛散を防止するための板材12が配設されている。湯槽5は、所定量の水を収容し得るとともに、食材としての冷凍麺を投入可能なものであり、その内部にはテボ受け板11と、ヒータパイプ7と、画成部材14とが配設されている。
【0022】
テボ受け板11は、図2で示すように、湯槽5を覆う如く設置された平板状部材から成り、その平面には冷凍麺を保持するためのテボTを嵌合し得る6つの丸孔11aが形成されている。そして、テボTを丸孔11aに嵌合させると、図3及び図4の如く、冷凍麺Rが湯槽5内の湯に浸かって解凍調理され得るよう設定されている。
【0023】
ヒータパイプ7は、湯槽5内の底面側を縦断する如く3本併設されたものであり、それぞれの内部には複数のフィン7aが形成されている。該ヒータパイプ7の基端側は、既述の如くバーナ6の燃焼室10と連結されており、バーナ6によって加熱された空気された燃焼室10内の空気が、ヒータパイプ7を通過する過程において、フィン7aを介して湯槽5内の水を加熱し得るよう構成されている。尚、これらバーナ6及びヒータパイプ7によって本発明の加熱手段が構成されている。
【0024】
また、茹麺装置本体1内には、マイコン等から成る制御手段8が配設されており、図5に示すように、該制御手段8とバーナ6とが電気的に接続されている一方、かかる制御手段8は、湯槽5内に配設された検出手段13とも電気的に接続されている。この検出手段13は、湯槽5内の湯の温度を検出するための温度センサから成り、検出された値を電気信号として制御手段8へ送信可能とされている。
【0025】
制御手段8は、湯槽5内の湯を沸騰直前の温度にて維持すべくバーナ6を制御するためのもので、検出手段13で検出された温度に応じてバーナ6をオン、オフ制御する駆動制御手段8aを備えて成る。即ち、湯槽5内の湯が沸騰直前の所定温度から下がった場合、駆動制御手段8aを介してバーナ6をオンする(点火)とともに、湯槽5内の湯が沸騰直前の所定温度から上がった場合、駆動制御手段8aを介してバーナ6をオフする(消火)よう構成されているのである。
【0026】
湯槽5内の湯の温度は、解凍調理時間及び待機時間に亘って、略96℃に保持されるべく制御手段8によって制御されるのが好ましい。即ち、解凍調理が行われていない待機時間は勿論、解凍調理時間においても沸騰直前の96℃に湯温が設定されているので、沸騰による不具合を回避しつつ十分な解凍調理を行うことができる。尚、解凍調理に支障がない範囲における沸騰直前の温度であれば、96℃に限定されず、調理人の任意の温度域に湯温を保つようにしてもよい。
【0027】
より具体的には、沸騰による水分の蒸発を回避することができるため、湯槽5内への給水を大幅に低減させることができ、加熱エネルギ及び水の消費を抑制することができるとともに、水分蒸発に起因して湯槽5内で不純物が析出することにより当該析出物がヒータパイプ7の外周面等に付着してしまうのを回避でき、加熱効率を更に向上させることができる。また、水分の蒸発による調理環境の悪化を回避することもできる。
【0028】
ここで、本実施形態に係る湯槽5内には、図3及び図4に示すように、画成部材14が配設されており、かかる画成部材14によって、湯槽5内における冷凍麺Rが投入されるべき部位(即ち、湯槽5内の上側部位)と、ヒータパイプ7が配設された部位(即ち、湯槽5内における底面側部位)とが画成されている。この画成部材14は、図6に示すように、天面を構成しつつフランジ部が下方に折り曲げ成形された上側部材14aと、該上側部材14aの裏面における中央近傍にフランジ部が固定され、当該上側部材14aとの間で圧力室17を形成する下側部材14bとから構成されている。
【0029】
また、上側部材14aには、冷凍麺Rが投入されるべき位置(即ち、テボ受け板11の丸孔11aに嵌合された各テボTの位置)に向かって開口部15がそれぞれ形成されている一方、下側部材14bの一部には、流入口21が形成されている。即ち、上側部材14aと下側部材14bで囲まれた空間から成る圧力室17は、6つの開口部15及び1つの流入口21でのみ外側に開放されており、他は密閉された状態とされている。
【0030】
流入口21の近傍には、インペラ(回転車)18が配設されており、該インペラ18の回転動作により、画成部材14より下方の湯を流入口21から圧力室17内に圧送させ得るよう構成されている。これにより、圧力室17内に圧送された湯が開口部15から噴出されて、テボT内の冷凍麺Rに向かって流れることとなる。尚、各開口部15にノズルを設け、噴出する湯の圧力を更に向上させるようにしてもよい。
【0031】
インペラ18の回転中心には、湯槽5の外側であって当該湯槽5の底面より下方に設けられたモータMの出力軸Maの先端が連結されている。しかして、モータMを駆動させると、その出力軸Maを介してインペラ18を回転駆動させることができ、画成部材14より下方の湯を圧力室17内に向かって圧送することができる。
【0032】
より具体的に説明すると、図7に示すように、湯槽5の底面に所定径の孔hを形成しておき、かかる孔hに軸受け19を介して出力軸Maが挿通されているとともに、軸受け19と出力軸Maとの間には、シール手段としてのOリング20が配設されている。このように構成することにより、モータMの駆動力を有効にインペラ18へ伝達させることができるとともに、湯槽5内の湯が滴下してモータMに不具合を生じさせるのを回避することができる。
【0033】
一方、画成部材14を構成する上側部材14aは、下側部材14bの幅寸法より外方へ延設されて、その先端側で下方に屈曲して構成されており、その屈曲先端が湯槽5内における段部5aに当接することにより、画成部材14が支持されるようになっている。このように、上側部材14aにおける下側部材14bの幅寸法より外方へ延設された部位(本発明においては気密部16という。)は、ヒータパイプ7の上部を覆うこととなり、当該ヒータパイプ7の加熱で生じた気泡の上方への移動を規制することができるようになっている。
【0034】
かかる気密部16によれば、画成部材14を湯槽5内における所定位置(本実施形態においては段部5aがある位置)に支持させることができるとともに、ヒータパイプ7周囲の突沸で生じた気泡が外気放出(蒸気の大気放出)するのを防止し、加熱効率を更に向上させることができる。即ち、気密部16は、画成部材14の支持機能と加熱効率の向上機能とを兼ね備えているのである。
【0035】
尚、図4に示すように、気密部16の側方のフランジ部と湯槽5の側壁とは寸法tのクリアランスを有しているので、かかるクリアランスにて、画成部材14より下方の部位と上方の部位との間の湯の対流は確保されている。また、画成部材14は、単に段部5a上に載置されているので、湯槽5内の掃除等メンテナンス時において、当該画成部材14を簡単に取り外すことができる。
【0036】
本実施形態に係る茹麺装置によれば、インペラ18により圧力室17内に圧送された湯が開口部15からテボT内の冷凍麺Rに向かって勢いよく噴出するので、当該冷凍麺Rを解凍調理しつつ解すことができるとともに、冷凍麺Rの周りの湯と他の部位の湯との間の対流をより促進して、更に十分な解凍調理を行わせることができる。即ち、本実施形態においては、従来の如き湯槽内の湯を沸騰させず、生じた気泡にて解すことができないので、開口部15から噴出された湯にて麺を解すようにしてある。
【0037】
特に、本実施形態においては、湯の圧力室17内への圧送をインペラ18にて行わせているので、流体ポンプ等を使用して冷凍麺Rに湯を噴出するものに比べ、より大量の湯を勢いよく噴出させることができ、より短時間で十分な解凍調理を行わせることができる。また、流体ポンプを使用するものに比べて、メンテナンスも比較的容易で、装置のランニングコストを低減させることができる。
【0038】
また、インペラ18の駆動手段としてのモータMが湯槽5の外側に配設されるので、当該モータMが湯槽5内の湯に漬かることがなく、且つ、湯の熱から遠ざけることができるので安価な小型のモータを使用することができ、装置の製造コストを更に低減させることができる。
【0039】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば図8に示すように、軸受け19とモータMとの間に当該モータMの上方を覆った傘状の防滴手段22を設けてもよい。かかる防滴手段22によれば、湯槽5に設けられた孔hと軸受け19の側面との間の間隙が生じた場合、当該湯槽5から滴下する湯がモータMに至るのを回避することができる。また、Oリング20のシール性があまり良好でなく、湯槽5から湯が滴下したとしても、その湯がモータMに至るのを回避することができる。
【0040】
更に、図9に示すように、モータMの出力軸Maに歯車Gaを設けるとともに、該歯車Gaと噛み合う歯車Gbを伝達軸Ma2の下端部側に設けるようにしてもよい。かかる構成によれば、モータMが駆動してその出力軸Maが回転すると歯車Ga及びGbを介して伝達軸Ma2を回転させ、それに伴ってインペラ18が回転して圧力室17内に湯を圧送することができる。このように、モータMを孔hの下方から離れた位置とすることにより、当該孔hから湯槽5内の湯が滴下してもモータMに至ることを回避することができる。また、モータMを歯車Gaより上方に配設しているので、孔hから滴下した湯が周囲に飛散したとしても、その湯がモータMに至り難くなっている。
【0041】
尚、モータMは、インペラ18を回転駆動させ得るものであれば足り、他の駆動手段を使用するようにしてもよい。また、本実施形態においては冷凍麺Rを解凍調理する茹麺装置としているが、湯槽5に投入されるべき食材として冷蔵麺(工場等で予め茹でられた麺を冷蔵加工したもの)としてもよいし、更には他の冷凍又は冷蔵された食材を解凍調理するものとしてもよい。また、湯槽内部の水を加熱するための加熱手段は、本実施形態の如くバーナ6及びヒータパイプ7で構成されるものに限定されず、例えば湯槽の底面を直接炎で加熱するもの、或いは電気ヒータにて加熱するもの等種々のものとすることができる。
【0042】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、湯槽内の湯を沸騰直前の温度に維持するとともにインペラの回転駆動により湯槽内の湯を食材に噴出させるので、加熱エネルギ及び水の消費を抑えつつ冷凍又は冷蔵食材に対する均一且つ十分な解凍調理を行うことができるとともに、装置の製造コストを低減させることができる。
【0043】
加えて、流体ポンプに配管を接続し、湯槽内の湯を食材に噴出させるものに比べ、噴出させる湯の量を多くすることができ、より短時間で十分な解凍調理を行わせることができる。また、流体ポンプを使用するものに比べて、メンテナンスも比較的容易で、装置のランニングコストを低減させることができる。
【0044】
請求項2の発明によれば、駆動手段が湯槽の外側に配設されるので、当該駆動手段が湯槽内の湯に漬かることがなく、且つ、湯の熱から遠ざけることができるので小型モータ等汎用的で安価な駆動手段を使用することができ、装置の製造コストを更に低減させることができる。
【0045】
請求項3の発明によれば、画成部材には、加熱手段の加熱で生じる気泡の上方への移動を規制する気密部が形成されているので、加熱手段近傍の突沸により生じた気泡の更なる上昇を規制することができ、その気化熱を閉じ込めることができるので、加熱効率を更に向上させることができる。
【0046】
請求項4の発明によれば、湯槽内の湯は、解凍調理時間及び待機時間に亘って制御手段により略96℃に保持されているので、湯槽内の湯の蒸発を回避して加熱エネルギ及び水の消費を抑えつつ調理条件を均一なものとすることができるとともに、十分な解凍調理を行うことができる。
【0047】
請求項5の発明によれば、湯槽内に投入されるべき食材が冷凍又は冷蔵された麺類であるので、麺類を解しながらの解凍調理をより十分に行わせることができる。また、インペラにより大量の湯を麺類に噴出させることができるので、麺をより短時間で十分に解すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る茹麺装置(調理装置)を示す全体斜視図
【図2】同上面図
【図3】図2におけるIII−III線断面図
【図4】図2におけるIV−IV線断面図
【図5】本発明の実施形態に係る茹麺装置(調理装置)における湯温制御のための構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施形態に係る茹麺装置(調理装置)における画成部材及びインペラを示す断面図
【図7】本発明の実施形態に係る茹麺装置(調理装置)におけるモータ及びその出力軸近傍を示す断面模式図
【図8】本発明の他の実施形態に係る茹麺装置(調理装置)であってモータの上方に防滴手段が形成されたものを示す断面模式図
【図9】本発明の他の実施形態に係る茹麺装置(調理装置)であって歯車によってモータの駆動力をインペラに伝達させるものを示す断面模式図
【符号の説明】
1…茹麺装置本体
2…排煙部
3…操作部
4…調理部
5…湯槽
6…バーナ(加熱手段)
7…ヒータパイプ(加熱手段)
8…制御手段
9…給水管
10…燃焼室
11…テボ受け板
12…板材
13…検出手段
14…画成部材
15…開口部
16…気密部
17…圧力室
18…インペラ
19…軸受け
20…Oリング
21…流入口
22…防滴手段
M…モータ(駆動手段)
R…冷凍麺
T…テボ
Claims (5)
- 所定量の水を収容し得るとともに、冷凍又は冷蔵された食材を投入可能な湯槽と、
該湯槽内における底面側に配設されて、当該湯槽内部の水を加熱するための加熱手段と、
前記湯槽内の湯を沸騰直前の温度にて維持すべく前記加熱手段を制御する制御手段と、
前記湯槽内における食材が投入されるべき部位と前記加熱手段が配設された部位とを画成するとともに、食材が投入されるべき位置に向かって形成された開口部、及び前記加熱手段が配設された部位の湯を流入させる流入口が形成された圧力室を具備した画成部材と、
前記流入口近傍に配設され、回転動作により当該流入口から前記圧力室内に湯を圧送させ得るインペラと、
該インペラを回転駆動させる駆動手段と、
を備えたことを特徴とする調理装置。 - 前記駆動手段は、前記湯槽の外側に配設されるとともに、その出力軸が前記湯槽内部まで延びて前記インペラと連結されたことを特徴とする請求項1記載の調理装置。
- 前記画成部材には、前記加熱手段の加熱で生じる気泡の上方への移動を規制する気密部が形成されたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の調理装置。
- 前記湯槽内の湯は、解凍調理時間及び待機時間に亘って、前記制御手段により略96℃に保持されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つに記載の調理装置。
- 前記湯槽内に投入されるべき食材は、冷凍又は冷蔵された麺類であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の調理装置。
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