JP2004194637A - 国内産小麦粉を使用したパンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ほとんど未利用であった低タンパク質日本国内産小麦粉を使用したパンを、簡便に広く供給すること。
【解決手段】国内産小麦粉原料元種は製パン改良活性を有している。よって、国内産小麦粉原料元種を使用し、且つ製パン工程を、作業性とイースト発酵・熟成のバランスを考慮して改良することで、独特の風味と食感と香りと日持ちの良さ等の性質を持った低タンパク質国内産小麦粉原料使用のパンを製造することができる。
【選択図】なし
【解決手段】国内産小麦粉原料元種は製パン改良活性を有している。よって、国内産小麦粉原料元種を使用し、且つ製パン工程を、作業性とイースト発酵・熟成のバランスを考慮して改良することで、独特の風味と食感と香りと日持ちの良さ等の性質を持った低タンパク質国内産小麦粉原料使用のパンを製造することができる。
【選択図】なし
Description
【0001】産業上の利用分野
本発明は、日本国内産小麦から製造した低タンパク質である国内産小麦粉を原料としたパンの製造方法に関し、とくに新発明のラクトバチルス・パネックス(Lactobatillus panex、工業技術院生命工学技術研究所寄託番号 FERM P−16896)を用いる元種を使用することにより、国内産小麦粉独特の風味と食感、香味さらにはその日持ちの良さと美味しさを兼ねそなえた国内産小麦粉原料パンが、一般的な汎用製パン製菓設備でも製造できるようになった。
【0002】従来の技術
日本国内産小麦にはタンパク質含量が低い種類が多く、外国産小麦粉に比べて製パン適性が劣ることが知られている。
つまり、国内産小麦を使用すると、グルテンや乳化剤等の添加物を添加しても、製パン時の機械耐性が悪く、生地のベタツキ性、生地の伸展性、生地の吸水、生地のガス保持力、製品の日持ち、製品の風味等が外国産小麦粉に比べて劣り、タンパク質含量が低い種類の日本国内産小麦粉は、タンパク質含量が高い外国産小麦粉に比べて、製パンにはほとんど未利用であった。
【0003】発明が解決しようとする問題点
従来ほとんど未利用であった低タンパク質日本国内産小麦粉を原料として使用した製パンを、簡便に可能にすることにある。
【0004】問題を解決するための手段
本発明は、新菌種であるラクトバチルス・パネックス(Lactobatillus panex)と公知のサツカロミセス・イグジグース(S.exiguus)を国内産小麦粉を主成分とする培地に培養して元種とし、製パン時の作業性良くする為に、第1次発酵生地として水と製パン用イーストを減じたパン生地を作り、熟成発酵後、残りの水と製パン用イースト添加しミキシングを行い、第2次発酵生地として発酵熟成後、ほぼ通常と同じ工程で製パンする。
【0005】作用
元種中に共生しているラクトバチルス・パネックスと、公知ではあるが特殊な風味を出すと考えられる酵母であるサツカロミセス・イグジグースが、国内産小麦粉原料元種中で、製パン改良活性を作り出し、製パン工程を作業性とイースト発酵・熟成のバランスを考慮して改良することで、独特の風味と食感と香りと日持ちの良さ等の性質を持った低タンパク質国内産小麦粉原料使用のパンを製造することができるものである。
【0006】実施例
(1)元種の製造
元種培地は下記の組成とする
小麦粉(農林61号) 100重量部
水 40〜42重量部
国内産小麦粉のタンパク質は8〜9%程度で良い。
(a)菌体サツカロミセス・イグジグースは、下記組成のYM培地で2日間培養したものを使用する。
(b)菌体ラクトバチルス・パネックスは、下記組成の改良SD培地で2日間培養する。
上記のラクトバチルス・パネックス菌体を2×108個/g、サツカロミセス・イグジグース菌体を2×107個を与える量で、上記元種培地に接種する。この混合物を20〜25℃に20〜24時間保持して培養し、そのpHが3.8〜3.9になった時点で、上記元種培地に当該培養物50重量部を接種して約5〜15分間混捏する。捏上温度23〜25℃に調節し20〜24時間、16〜18℃の醗酵室に保ち、最終のpHを3.9〜4.0とする。
この継種操作を5〜10回繰り返した後、この混合物をスターター元種とし、さらに毎日1回程度元種の継種操作を行なう。
(2)食パン製造
(第1次発酵生地工程)
スターター元種 5.0重量部
小麦粉(農林61号) 100.0重量部
市販パン酵母 0.5重量部
砂糖 7.5重量部
精製塩 1.9重量部
脱脂粉乳 5.0重量部
ショートニング 8.0重量部
水 55.0重量部
上記の組成で13〜14分間程度混捏する。
捏上温度27℃に調節し、3〜4時間醗酵させる。
(第2次発酵生地工程)
第1次発酵生地工程の生地 全重量部
市販パン酵母 2.0重量部
水 10.0重量部
上記の組成で7〜8分間程度混捏し、捏上温度26〜28℃に調節し、最終生地を得る。60分程度のフロアタイムの後、生地を所定の重量で分割し成形し型入れする。
型入れされた生地は34℃程度の醗酵室で約1時間醗酵させ、これを最終醗酵とする。この生地を250℃程度で30〜38分焼成して、国内産小麦粉原料使用食パンを得る。
【0007】発明の効果
このようにして製造された、国内産小麦粉を原料として使用したパンは、優れた香味、食感を有し、製品の老化が遅くなった。
よって、グルテン増強剤や乳化剤、酸化剤、その他イーストフード等添加物を必要としない国内産小麦粉原料使用パンを、従前の設備で安定的に簡便に製造できるようになった。
農林61号等の国内産小麦粉の製パン利用が広がり、国内産小麦の生産と小麦粉の国内自給率が向上する。
本発明は、日本国内産小麦から製造した低タンパク質である国内産小麦粉を原料としたパンの製造方法に関し、とくに新発明のラクトバチルス・パネックス(Lactobatillus panex、工業技術院生命工学技術研究所寄託番号 FERM P−16896)を用いる元種を使用することにより、国内産小麦粉独特の風味と食感、香味さらにはその日持ちの良さと美味しさを兼ねそなえた国内産小麦粉原料パンが、一般的な汎用製パン製菓設備でも製造できるようになった。
【0002】従来の技術
日本国内産小麦にはタンパク質含量が低い種類が多く、外国産小麦粉に比べて製パン適性が劣ることが知られている。
つまり、国内産小麦を使用すると、グルテンや乳化剤等の添加物を添加しても、製パン時の機械耐性が悪く、生地のベタツキ性、生地の伸展性、生地の吸水、生地のガス保持力、製品の日持ち、製品の風味等が外国産小麦粉に比べて劣り、タンパク質含量が低い種類の日本国内産小麦粉は、タンパク質含量が高い外国産小麦粉に比べて、製パンにはほとんど未利用であった。
【0003】発明が解決しようとする問題点
従来ほとんど未利用であった低タンパク質日本国内産小麦粉を原料として使用した製パンを、簡便に可能にすることにある。
【0004】問題を解決するための手段
本発明は、新菌種であるラクトバチルス・パネックス(Lactobatillus panex)と公知のサツカロミセス・イグジグース(S.exiguus)を国内産小麦粉を主成分とする培地に培養して元種とし、製パン時の作業性良くする為に、第1次発酵生地として水と製パン用イーストを減じたパン生地を作り、熟成発酵後、残りの水と製パン用イースト添加しミキシングを行い、第2次発酵生地として発酵熟成後、ほぼ通常と同じ工程で製パンする。
【0005】作用
元種中に共生しているラクトバチルス・パネックスと、公知ではあるが特殊な風味を出すと考えられる酵母であるサツカロミセス・イグジグースが、国内産小麦粉原料元種中で、製パン改良活性を作り出し、製パン工程を作業性とイースト発酵・熟成のバランスを考慮して改良することで、独特の風味と食感と香りと日持ちの良さ等の性質を持った低タンパク質国内産小麦粉原料使用のパンを製造することができるものである。
【0006】実施例
(1)元種の製造
元種培地は下記の組成とする
小麦粉(農林61号) 100重量部
水 40〜42重量部
国内産小麦粉のタンパク質は8〜9%程度で良い。
(a)菌体サツカロミセス・イグジグースは、下記組成のYM培地で2日間培養したものを使用する。
(b)菌体ラクトバチルス・パネックスは、下記組成の改良SD培地で2日間培養する。
上記のラクトバチルス・パネックス菌体を2×108個/g、サツカロミセス・イグジグース菌体を2×107個を与える量で、上記元種培地に接種する。この混合物を20〜25℃に20〜24時間保持して培養し、そのpHが3.8〜3.9になった時点で、上記元種培地に当該培養物50重量部を接種して約5〜15分間混捏する。捏上温度23〜25℃に調節し20〜24時間、16〜18℃の醗酵室に保ち、最終のpHを3.9〜4.0とする。
この継種操作を5〜10回繰り返した後、この混合物をスターター元種とし、さらに毎日1回程度元種の継種操作を行なう。
(2)食パン製造
(第1次発酵生地工程)
スターター元種 5.0重量部
小麦粉(農林61号) 100.0重量部
市販パン酵母 0.5重量部
砂糖 7.5重量部
精製塩 1.9重量部
脱脂粉乳 5.0重量部
ショートニング 8.0重量部
水 55.0重量部
上記の組成で13〜14分間程度混捏する。
捏上温度27℃に調節し、3〜4時間醗酵させる。
(第2次発酵生地工程)
第1次発酵生地工程の生地 全重量部
市販パン酵母 2.0重量部
水 10.0重量部
上記の組成で7〜8分間程度混捏し、捏上温度26〜28℃に調節し、最終生地を得る。60分程度のフロアタイムの後、生地を所定の重量で分割し成形し型入れする。
型入れされた生地は34℃程度の醗酵室で約1時間醗酵させ、これを最終醗酵とする。この生地を250℃程度で30〜38分焼成して、国内産小麦粉原料使用食パンを得る。
【0007】発明の効果
このようにして製造された、国内産小麦粉を原料として使用したパンは、優れた香味、食感を有し、製品の老化が遅くなった。
よって、グルテン増強剤や乳化剤、酸化剤、その他イーストフード等添加物を必要としない国内産小麦粉原料使用パンを、従前の設備で安定的に簡便に製造できるようになった。
農林61号等の国内産小麦粉の製パン利用が広がり、国内産小麦の生産と小麦粉の国内自給率が向上する。
Claims (1)
- 1 新菌種であるラクトバチルス・パネックス(Lactobatilluspanex)、公知の微生物サツカロミセス・イグジグース(Saccharomyces exiguus)を国内産小麦粉を主成分とする培地に培養して元種とし、当該元種を使用して国内産小麦粉を原料としたパン生地を製造し、これを用いて製パンすることを特徴とする食品添加物無添加の国内産小麦粉使用パンの製造方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002383356A JP2004194637A (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | 国内産小麦粉を使用したパンの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002383356A JP2004194637A (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | 国内産小麦粉を使用したパンの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004194637A true JP2004194637A (ja) | 2004-07-15 |
Family
ID=32767104
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002383356A Pending JP2004194637A (ja) | 2002-12-16 | 2002-12-16 | 国内産小麦粉を使用したパンの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004194637A (ja) |
-
2002
- 2002-12-16 JP JP2002383356A patent/JP2004194637A/ja active Pending
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