JP2004194406A - 永久磁石モータの制御装置および制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御部130は、ステータに設けられたコイルに電流を流して発生された回転磁界によって、永久磁石を有するロータを回転させる永久磁石モータ100を制御する。制御部130は、ステータの温度を測定する温度検出部140と、ステータの温度に基づいて永久磁石の温度を算出する温度算出部170と、温度算出部170により算出された永久磁石の温度が予め定められた温度よりも低い場合には、印加時間算出部172により算出された時間だけ、ステータのコイルに高周波電流を供給するように指令するd軸電流指令演算部168とを含む。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気自動車に用いられる、回転子に永久磁石を用いたモータに関し、特にそのモータを制御する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
電気自動車用の永久磁石モータは種々の構造および制御方式が実用化されている。しかし永久磁石モータでは永久磁石の磁束により巻線に電圧が誘起されるので、この誘起電圧を何ボルトで設計するかで、モータとしての特性、制御方式、モータ+インバータの体格等が決定されると見ることもできる。永久磁石による誘起電圧とトルク特性の関係の代表例は図9のとおりである。
【0003】
一般的に、トランスミッションレスの電気自動車などに適用される永久磁石モータはエンジン+トランスミッションの特性に近付けるために広範囲の定出力特性が要求されている。このためトルク特性は図9(A)となる。
【0004】
この場合、高速域での端子電圧は弱め界磁制御によって一定電圧に抑えられている。しかし高速域で駆動中になんらかの原因(故障や制御電源をオフした場合等)により、モータの駆動源であるところの図10に示すインバータがオフした場合、巻線端子には高い誘起電圧が発生することになり、過大な制動トルクが発生したり、インバータおよびバッテリ側に悪影響を及ぼす可能性がある。
【0005】
図10において、永久磁石モータ1300は、その駆動源であるインバータ1200を介してバッテリ1100に接続されている。インバータ1200は、例えばトランジスタ1400および還流ダイオード1500を逆並列接続したものを3相ブリッジ接続したものである。
【0006】
図10に示すように、インバータ1200がオフした状態では、還流ダイオード1500が3相整流ブリッジを形成するので、直流側の電圧よりも永久磁石モータ1300の誘起電圧の整流値が高い場合には、大きな電流が流れる。
【0007】
この現象を防止するためには、永久磁石モータ1300の誘起電圧を低く設計すればよいが、低くし過ぎると電流が増加し、インバータの体格が大となる。そこで適切な誘起電圧とした設計が重要となる。
【0008】
特開平9−93718号公報は、適切な誘起電圧に設計した電気自動車に用いられる永久磁石モータを開示する。永久磁石モータは、バッテリの直流電力をインバータにより交流電力に変換した電力が供給され、広範囲の定出力運転が行われる電気自動車に用いられる。この永久磁石モータは、永久磁石により巻線に誘起される最高速度における誘起電圧を、バッテリの開放電圧にほぼ等しくなるように設定したことを特徴とする。
【0009】
この永久磁石モータによると、永久磁石により巻線に誘起される最高速度における誘起電圧を、バッテリの開放電圧にほぼ等しくなるように設定したので、広範囲の定出力運転(弱め界磁制御)中にインバータがオフした場合でも著しい制動トルクを発生したり、大電流が流れてインバータやバッテリ側に悪影響を及ぼすことがない。
【0010】
【特許文献1】
特開平9−93718号公報
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示された永久磁石モータは、永久磁石の温度に関する要因を考慮していないので、以下のような問題がある。
【0012】
図11に、永久磁石の減磁曲線の温度特性(実線)と磁気回路の負荷特性(一点鎖線)とを示す。横軸は保磁力、縦軸は残留磁束密度を示している。図11に示すように、永久磁石の磁束密度は、−25℃から150℃の温度範囲において、0.8Tから0.68Tに変化しており、85%にまで減少する。すなわち、永久磁石モータの動作温度(永久磁石の温度)が−25℃から150℃に変化すると、磁束密度に比例するモータの誘起電圧が減少する。逆に温度が低い場合には、モータの誘起電圧が増加する。温度が低いと、インバータのフェール時などによりインバータがオフになると巻線端子には高い誘起電圧が発生する。このことは、図12に示すように、モータの温度が低い領域においてインバータ等の耐圧電圧を越える誘起電圧が発生すると、インバータの内部回路が破壊される可能性がある。特に、図9(A)に示すように、モータ回転数が高い領域においては、発生する誘起電圧も高くなるので、永久磁石の温度が低くて、モータ回転数が高い領域において、フェール等によりインバータがオフになると、インバータ等が耐圧破壊される可能性がある。
【0013】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであって、その目的は、インバータおよび電源を含むシステム等を破壊することのない永久磁石モータの制御装置および制御方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る制御装置は、ステータに設けられたコイルに電流を流して発生された回転磁界によって、永久磁石を有するロータを回転させる永久磁石モータを制御する。この制御装置は、永久磁石の温度を測定するための測定手段と、
測定手段により測定された永久磁石の温度に基づいて、永久磁石モータの最高速度を設定する設定手段とを含む。
【0015】
第1の発明によると、測定手段により測定された永久磁石の温度が高いと、設定手段は、永久磁石モータの最高速度を高く設定し、永久磁石の温度が低いと、最高速度を低く設定する。このように測定された永久磁石の温度に基づいて、永久磁石モータの最高速度を設定すると、永久磁石の温度が低い領域で永久磁石モータの回転速度が最高速度近傍においてインバータフェール等により弱め界磁制御が停止した場合であっても、永久磁石モータの最高速度が抑えられているので、インバータや電源であるバッテリを含むシステムを破壊する可能性があるほど高い誘起電圧が発生しない。また、温度が高い場合には、永久磁石モータの最高速度を高く設定できるので、車両の走行速度を上昇することができる。その結果、インバータおよび電源を含むシステム等を破壊することのない永久磁石モータの制御装置を提供することができる。
【0016】
第2の発明に係る制御装置は、ステータに設けられたコイルに電流を流して発生された回転磁界によって、永久磁石を有するロータを回転させる永久磁石モータを制御する。この永久磁石はその温度が上昇するに従って保持する磁束数が減少する特性を有する。この制御装置は、永久磁石の温度を測定するための測定手段と、測定手段により測定された永久磁石の温度が予め定められた温度以下の場合には、ステータのコイルに高周波電流を供給するための供給手段とを含む。
【0017】
第2の発明によると、測定手段により測定された永久磁石の温度が低いと、供給手段は、永久磁石モータのステータのコイルに高周波電流を供給して、ロータの永久磁石の温度を上げる。このように永久磁石の温度が上昇すると、永久磁石モータの回転速度が最高速度近傍においてインバータフェール等により弱め界磁制御が停止した場合であっても、永久磁石モータの永久磁石の温度が高められて、永久磁石が保持する磁束数が減少しているので、インバータや電源であるバッテリを含むシステムを破壊する可能性があるほど高い誘起電圧が発生しない。その結果、インバータおよび電源を含むシステム等を破壊することのない永久磁石モータの制御装置を提供することができる。
【0018】
第3の発明に係る制御装置は、第1または第2の発明の構成に加えて、測定手段は、ステータに埋め込まれた温度センサと、温度センサにより測定されたステータの温度に基づいて永久磁石の温度を推定する推定回路とを含む。
【0019】
第3の発明によると、回転するロータが有する永久磁石を直接計測するのは困難あるので、固定子であるステータに埋め込まれた温度センサで検知したステータ温度に基づいて永久磁石の温度を推定することにより、永久磁石の温度を測定できる。
【0020】
第4の発明に係る制御方法は、ステータに設けられたコイルに電流を流して発生された回転磁界によって、永久磁石を有するロータを回転させる永久磁石モータを制御する。この制御方法は、永久磁石の温度を測定する測定ステップと、測定ステップにて測定した永久磁石の温度に基づいて、永久磁石モータの最高速度を設定する設定ステップとを含む。
【0021】
第4の発明によると、測定ステップにて測定された永久磁石の温度が高いと、設定ステップにて、永久磁石モータの最高速度を高く設定し、永久磁石の温度が低いと、最高速度を低く設定する。このように測定された永久磁石の温度に基づいて、永久磁石モータの最高速度を設定すると、永久磁石の温度が低い領域で永久磁石モータの回転速度が最高速度近傍においてインバータフェール等により弱め界磁制御が停止した場合であっても、永久磁石モータの最高速度が抑えられているので、インバータや電源であるバッテリを含むシステムを破壊する可能性があるほど高い誘起電圧が発生しない。また、温度が高い場合には、永久磁石モータの最高速度を高く設定できるので、車両の走行速度を上昇することができる。その結果、インバータおよび電源を含むシステム等を破壊することのない永久磁石モータの制御方法を提供することができる。
【0022】
第5の発明に係る制御方法は、ステータに設けられたコイルに電流を流して発生された回転磁界によって、永久磁石を有するロータを回転させる永久磁石モータを制御する。この永久磁石はその温度が上昇するに従って保持する磁束数が減少する特性を有する、この制御方法は、永久磁石の温度を測定する測定ステップと、測定ステップにて測定した永久磁石の温度が予め定められた温度以下の場合には、ステータのコイルに高周波電流を供給する供給ステップとを含む。
【0023】
第5の発明によると、測定ステップにて測定された永久磁石の温度が低いと、供給ステップにて、永久磁石モータのステータのコイルに高周波電流を供給して、ロータの永久磁石の温度が上げられる。このように永久磁石の温度が上昇すると、永久磁石モータの回転速度が最高速度近傍においてインバータフェール等により弱め界磁制御が停止した場合であっても、永久磁石モータの永久磁石の温度が高められて、永久磁石が保持する磁束数が減少しているので、インバータや電源であるバッテリを含むシステムを破壊する可能性があるほど高い誘起電圧が発生しない。その結果、インバータおよび電源を含むシステム等を破壊することのない永久磁石モータの制御方法を提供することができる。
【0024】
第6の発明に係る制御装置は、第4または第5の発明の構成に加えて、測定ステップは、ステータに埋め込まれた温度センサによりステータの温度を測定するステップと、ステータの温度に基づいて永久磁石の温度を推定するステップとを含む。
【0025】
第6の発明によると、回転するロータが有する永久磁石を直接計測するのは困難あるので、固定子であるステータに埋め込まれた温度センサで検知したステータ温度に基づいて永久磁石の温度を推定することにより、永久磁石の温度を測定できる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0027】
図1に、永久磁石モータ100の軸直交平面での断面図を示す。図1においては、直交する2本の対称軸に挟まれた部分、すなわち全体の4分の1のみが表されている。ステータ112は、円筒の内側に櫛歯状の磁極を有するステータコア114と、磁極の間に納められたコイル116を含んでいる。ロータ118は、円柱形状のロータコア120と、ロータコア120の周上に所定の間隔を開けて配置された永久磁石122とを含んでいる。
【0028】
図2に、上記の永久磁石モータ100を駆動源として利用した車両のパワートレーンを示す。永久磁石モータ100には、インバータ126を介してバッテリ128より電力が供給される。インバータ126は、制御部130の制御指令に基づいて、バッテリ128からの直流電流を所定の周波数、振幅の交流電流に変換し、これを永久磁石モータ100に供給する。制御部130は、アクセルペダルなどの操作量などに基づいて運転者の要求する出力が達成されるように、インバータ126の制御を行う。このように制御される永久磁石モータ100の出力は、減速機134および差動装置136を介してタイヤ138に伝達される。
【0029】
また、永久磁石モータ100には、永久磁石122の温度を検出するのに好適な位置に温度検出器140が設けられている。温度検出器140の設置位置は、永久磁石122に直接設けても、また永久磁石122の近傍に設けても良く、さらには永久磁石122との温度差が小さいと考えられる場合にはステータ112に取り付けることも可能である。さらに、ステータ112に温度検出器140としてサーミスタを埋め込んで、サーミスタで検知したステータ温度からロータ118の永久磁石122の温度を予め記憶しておいた温度変換テーブル(マップ)から算出するようにしてもよい。以下では、このようにテーブルを用いて永久磁石122の温度を算出すると想定して説明する。
【0030】
図3に、永久磁石モータ100の制御ブロック図を示す。永久磁石モータ100の弱め界磁制御は、q軸電流Iqに加え、d軸電流Idを流すことによって永久磁石122の磁束を等価的に低減して、永久磁石モータ100の回転速度増加に対して端子電圧を一定に保ち、定出力運転範囲を拡大するものである。
【0031】
図3に示すように、インバータ126から永久磁石モータ100に3相電流を供給することにより永久磁石モータ100が回転する。位置検出器142は永久磁石モータ100のロータ118とともに回転して信号を出力し、位置検出部144は位置検出器142からの信号に基づいて永久磁石モータ100のロータ118の位置角θを演算する。速度検出部146は、位置検出器142からの信号に基づいて回転角速度(電源角周波数)ωを演算する。電流検出部148および電流検出部150はインバータ126からの出力電流のU相およびW相の電流検出値IuおよびIwを求める。
【0032】
座標変換部160は、電流検出値Iu,IwからV相電流検出値Ivを求め、さらにこの3相電流検出値Iu,Iv,Iwを3相/2相変換し、位相θを考慮して回転座標系のq軸電流値Iqおよびd軸電流値Idを求める。電流制御部162は、q軸電流指令値Iq*およびd軸電流指令値Id*と、座標変換部160から出力されるフィードバックのq軸電流値Iqおよびd軸電流値Idとの偏差を比例積分演算することにより、回転座標系のq軸電圧指令値Vq*およびd軸電圧指令値Vd*を求める。座標変換部164は、この回転座標系のd軸電圧指令値Vd*およびq軸電圧指令値Vq*を座標変換して、静止座標系の3相電圧指令値Vu*,Vv*を求める。
【0033】
インバータ126は、この3相電圧指令値Vu*,Vv*に基づいて、永久磁石モータ100に出力する実電圧を制御する。これによりインバータ126から永久磁石モータ100に3相電力が供給される。
【0034】
このような制御方式においては、q軸電流指令演算部166は、トルク指令T*に対応したq軸電流指令値Iq*を求める。d軸電流指令演算部168は、q軸電流指令値Iq*に基づいて、電圧を所定の値にするためのd軸電流指令値Id*を求める。これらの電流指令値Iq*、Id*が、電流制御部162に入力される。
【0035】
温度算出部170は、温度検出器140が検出したステータ112の温度と、図4に示す温度変換テーブルとに基づいて、永久磁石122の温度を算出する。印加時間算出部172は、温度算出部170が算出した永久磁石122の温度と、図5に示す印加時間変換テーブルとに基づいて、永久磁石122の温度を昇温するためのd軸に電流を印加する時間を算出する。印加時間算出部172は、算出された印加時間の間だけ、d軸電流指令演算部168に印加要求信号を出力する。
【0036】
d軸電流指令演算部168は、印加時間算出部172から印加要求信号が入力されている間だけ、q軸電流指令値Iq*に基づきd軸電流指令値Id*を求めるのではなく、所定時間で永久磁石122が昇温するように予め定められたd軸電流に基づく電流指令値Id*を、電流制御部162に出力する。この結果、インバータ126から永久磁石モータ100のステータ112のコイル116に高周波電流を印加して、ステータ112を介して永久磁石122の温度を上昇させる。このとき、永久磁石モータ100は駆動力を発現できないことになるが、たとえば、図2に示したパワートレーンを、車両の駆動源として用いるエンジンを加えたハイブリッドシステムとする。このようなハイブリッドシステムの場合には、永久磁石モータ100とエンジンとを車両の駆動源として使用して、永久磁石122の温度が予め定められた温度まで上昇するまでは、エンジンにより車両を駆動するようにすればよい。
【0037】
なお、制御部130は、ソフトウェアによって処理される。また、永久磁石モータ100の永久磁石122による巻線鎖交磁束数、インダクタンスなどは一定として制御される。
【0038】
図4に、制御部130のメモリに記憶される温度変換テーブルを示す。この温度変換テーブルは、温度検出器140が検出したステータ112の温度と、ロータ118の永久磁石122の温度との関係を記憶する。
【0039】
図5に、制御部130のメモリに記憶される印加時間変換テーブルを示す。この印加時間変換テーブルは、温度算出部170が算出したロータ118の永久磁石122の温度と、d軸に電流を印加する時間との関係を記憶する。
【0040】
図6に、制御部130のメモリに記憶される最高回転速度変換テーブルを示す。この最高回転速度変換テーブルは、温度算出部170が算出したロータ118の永久磁石122の温度と、永久磁石モータ100において許容される最高の回転速度との関係を記憶する。
【0041】
図7を参照して、本実施の形態に係る制御装置である制御部130で実行される昇温処理のプログラムの制御構造について説明する。
【0042】
ステップ(以下、ステップをSと略す。)100にて、制御部130は、温度検出器140から入力されたサーミスタ信号に基づいて、ステータ112の温度を検出する。S110にて、制御部130の温度算出部170は、ロータ118の永久磁石122の温度を算出する。このとき、図4に示す温度変換テーブルが用いられる。ただし、ロータ118の永久磁石122の温度は、ロータ118の温度でもよい。
【0043】
S120にて、制御部130は、ロータ118の永久磁石122の温度tが予め定められたしきい値t(0)よりも低いか否かを判断する。ロータ118の永久磁石122の温度tが予め定められたしきい値t(0)よりも低いと(S120にてYES)、処理はS120へ移される。もしそうでないと(S120にてNO)、処理はS130へ移される。
【0044】
S130にて、制御部130の印加時間算出部172は、永久磁石122の温度を上昇させるために印加するd軸電流の印加時間を算出する。このとき、図5に示す印加時間変換テーブルが用いられる。この印加時間算出部172は、算出された印加時間の間だけ、d軸電流指令演算部168に印加要求信号を出力する。S140にて、制御部130は、インバータ126を制御して、d軸に電流を印加する。これにより、ステータ112を介してロータ118の永久磁石122の温度が上昇する。
【0045】
S150にて、制御部130は、電流印加時間が終了したか否かを判断する。実際には、印加時間算出部172は、図5の印加時間変換テーブルを参照して算出された印加時間が経過すると、d軸電流指令演算部168に出力していた印加要求信号の出力を停止するので、この印加要求信号がオフになったことにより判断する。電流印加時間が終了すると(S150にてYES)、処理はS160に移される。もしそうでないと(S150にてNO)、処理はS140に戻され、所定の電流印加時間が経過するまで、d軸電流印加処理が実行される。
【0046】
S160にて、制御部130は、通常の運転を実行する。
なお、このようなプログラムの制御構造ではなく、S140の処理を開始した後、制御部130が、印加時間算出部172により算出されたd軸電流印加時間を設定値とした減算タイマを起動させて、そのタイマがカウントアップすると、d軸電流印加処理を終了するようにしてもよい。また、電流印加時間が終了しない場合(S150にてNO)、処理はS140に戻るのではなく、S100に戻るようにしてもよい。
【0047】
図8を参照して、本実施の形態に係る制御装置である制御部130で実行される最高速度設定処理のプログラムの制御構造について説明する。なお、図8に示すS100、S110およびS160の処理は、図7のS100、S110およびS160の処理とそれぞれ同じであるため、ここでの詳細な説明は繰返さない。
【0048】
S200にて、制御部130は、永久磁石モータの最高回転速度を算出する。このとき、図6に示す最高速度変換テーブルが用いられる。S210にて、制御部130は、回転速度を設定する。このとき、S200にて算出した最高回転速度を上回らないように回転速度の許容上限値が設定される。また、最高回転速度を回転速度の許容上限値に設定してもよい。
【0049】
以上のような構造およびフローチャートに基づく、制御部130の動作について説明する。
【0050】
[昇温動作]
ハイブリッドシステムに搭載された永久磁石モータ100のステータ112の温度が検出されると(S100)、図4に示す温度変換テーブルを用いて温度算出部170により永久磁石122の温度が算出される(S110)。その温度tが予め定められたしきい値t(0)より低いと、d軸に電流を印加してステータ112を介してロータ118の永久磁石122を昇温する(S140)。このとき、図5に示す印加時間変換テーブルを用いて、永久磁石122の温度からしきい値t(0)で示される温度に昇温されるようなd軸電流印加時間が算出される。電流印加時間が終了すると(S150にてYES)、通常運転が開始される(S160)。電流印加時間が終了したとき、少なくとも永久磁石122の温度はt(0)である。
【0051】
このようにして、算出された永久磁石122の温度が低いと、制御部130は、永久磁石モータ100のステータ112のコイル116に高周波電流を供給して、ロータ118の永久磁石122の温度を上げる。高周波電流によってジュール熱に加えて鉄損による発熱によって加熱させることができ、より強い加熱を実現できる。また、鉄損による発熱は、実際に加熱したいロータ118の永久磁石122に隣接するロータコア120においても生じるので、効率良く永久磁石122を加熱することができる。
【0052】
このように永久磁石122の温度が上昇すると、永久磁石モータ100の回転速度が最高速度近傍においてインバータ126のフェール等により弱め界磁制御が停止した場合であっても、永久磁石モータ100の永久磁石122の温度が高められて、永久磁石122が保持する磁束数が減少しているので、インバータ126やバッテリ128を含むシステムを破壊する可能性があるほど高い誘起電圧が発生しないようにできる。
【0053】
[最高速度設定動作]
ハイブリッドシステムに搭載された永久磁石モータ100のステータ112の温度が検出されると(S100)、図4に示す温度変換テーブルを用いて温度算出部170により永久磁石122の温度が算出される(S110)。その温度tと図6に示す最高速度変換テーブルとに基づいて、永久磁石モータ100の最高回転速度が算出される(S200)。制御部130により、算出された最高回転速度を越えないように、回転速度の許容上限値が設定される。
【0054】
このようにして、算出された永久磁石122の温度が高いと、永久磁石モータ100の回転速度の上限許容値が高く設定されて、永久磁石122の温度が低いと、永久磁石モータ100の回転速度の上限許容値が低く設定される。算出された永久磁石122の温度に基づいて、永久磁石モータ100の回転速度の上限許容値を設定すると、永久磁石122の温度が低い領域で永久磁石モータ100の回転速度が上限許容値近傍においてインバータフェール等により弱め界磁制御が停止した場合であっても、永久磁石モータ100の回転速度が上限許容値よりも低く抑えられているので、インバータ126やバッテリ128を含むシステムを破壊する可能性があるほど高い誘起電圧が発生しない。
【0055】
以上のようにして、インバータおよびバッテリを含むシステム等を破壊することのない永久磁石モータの制御装置を提供することができる。
【0056】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る制御装置の制御対象である永久磁石モータの断面図である。
【図2】図1に示す永久磁石モータを含むパワートレーンの構成図である。
【図3】本実施の形態に係る制御装置の制御ブロック図である。
【図4】図3の制御部のメモリに記憶される温度変換テーブルである。
【図5】図3の制御部のメモリに記憶される印加時間変換テーブルである。
【図6】図3の制御部のメモリに記憶される最高回転速度変換テーブルである。
【図7】制御部で実行される昇温処理のプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図8】制御部で実行される最高速度設定処理のプログラムの制御構造を示すフローチャートである。
【図9】永久磁石モータの誘起電圧とトルク特性の関係を示す図である。
【図10】インバータ主回路の回路図である。
【図11】永久磁石の減磁曲線の温度特性を示す図である。
【図12】モータロータ温度と誘起電圧との関係を示す図である。
【符号の説明】
100 永久磁石モータ、112 ステータ、114 ステータコア、116コイル、118 ロータ、120 ロータコア、122 永久磁石、126 インバータ、128 バッテリ、130 制御部、134 減速機、136 差動装置、138 タイヤ、140 温度検出器、142 位置検出器、144 位置検出部、146 速度検出部、148,150 電流検出部、160,164 座標変換部、162 電流制御部、166 q軸電流指令演算部、168 d軸電流指令演算部、170 温度算出部、172 印加時間算出部。
Claims (6)
- ステータに設けられたコイルに電流を流して発生された回転磁界によって、永久磁石を有するロータを回転させる永久磁石モータの制御装置であって、
前記永久磁石の温度を測定するための測定手段と、
前記測定手段により測定された前記永久磁石の温度に基づいて、永久磁石モータの最高速度を設定する設定手段とを含む、制御装置。 - ステータに設けられたコイルに電流を流して発生された回転磁界によって、永久磁石を有するロータを回転させる永久磁石モータの制御装置であって、前記永久磁石はその温度が上昇するに従って保持する磁束数が減少する特性を有し、前記制御装置は、
前記永久磁石の温度を測定するための測定手段と、
前記測定手段により測定された前記永久磁石の温度が予め定められた温度以下の場合には、前記ステータのコイルに高周波電流を供給するための供給手段とを含む、制御装置。 - 前記測定手段は、前記ステータに埋め込まれた温度センサと、前記温度センサにより測定された前記ステータの温度に基づいて前記永久磁石の温度を推定する推定回路とを含む、請求項1または2に記載の制御装置。
- ステータに設けられたコイルに電流を流して発生された回転磁界によって、永久磁石を有するロータを回転させる永久磁石モータの制御方法であって、
前記永久磁石の温度を測定する測定ステップと、
前記測定ステップにて測定した前記永久磁石の温度に基づいて、永久磁石モータの最高速度を設定する設定ステップとを含む、制御方法。 - ステータに設けられたコイルに電流を流して発生された回転磁界によって、永久磁石を有するロータを回転させる永久磁石モータの制御方法であって、前記永久磁石はその温度が上昇するに従って保持する磁束数が減少する特性を有し、前記制御方法は、
前記永久磁石の温度を測定する測定ステップと、
前記測定ステップにて測定した前記永久磁石の温度が予め定められた温度以下の場合には、前記ステータのコイルに高周波電流を供給する供給ステップとを含む、制御方法。 - 前記測定ステップは、前記ステータに埋め込まれた温度センサにより前記ステータの温度を測定するステップと、前記ステータの温度に基づいて前記永久磁石の温度を推定するステップとを含む、請求項4または5に記載の制御方法。
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