JP5635581B2 - 回転電機の磁石温度推定装置及び磁石温度推定方法 - Google Patents

回転電機の磁石温度推定装置及び磁石温度推定方法 Download PDF

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Description

この発明は、回転電機の回転体に備わる磁石の温度(以下、磁石温度ともいう。)を推定するための磁石温度推定装置及び磁石温度推定方法に関する。
磁石を備えたロータとステータとを有する回転電機では、ロータ及びステータの温度が限界温度を超えると、磁石の減磁が発生する。従って、ロータ及びステータの温度が限界温度を超えないように、温度管理を適切に行う必要がある。そのためには、ロータ及びステータの温度を直接検出できるようにすることが望ましい。
ステータは、ケースに固定されているため、温度検出が容易である。一方、ロータは、回転体であるので、その温度を検出するためには、ロータに温度センサを取り付けると共に、該ロータのシャフトにスリップリング又はロータリコネクタを設け、スリップリング又はロータリコネクタを介して、温度センサの検出信号を取り出す必要がある。この結果、回転電機の構造が複雑になると共に、コストがかかる。
そこで、特許文献1には、ロータの回転数、ステータコイルの温度、及び、ロータを冷却する冷却油の温度をそれぞれ検出し、モータの動作点(トルク指令値、ロータの回転数)、検出した各温度、及び、ステータコイルとロータに備わる磁石との間の熱モデルに基づいて、当該磁石の温度(磁石温度)を推定することが開示されている。
特許第4572907号公報
ところで、ハイブリッド車両や電動車両に上述した回転電機を搭載する場合には、トランスミッションと回転電機のロータとを連結すると共に、トランスミッションの潤滑油をロータの冷媒として使用することが望ましい。この場合、トランスミッションを構成するギヤ等の回転によって潤滑油が飛散すると、飛散した潤滑油が回転電機のロータに付着することで該ロータが受熱し、磁石を含めたロータの温度が変化(上昇又は下降)する可能性がある。
例えば、トランスミッション内部の損失(ギヤの噛み合い損失、接触面での摩擦によるフリクション損失)が熱に変換され、トランスミッションに付着した潤滑油に熱が伝わった状態で、該潤滑油が飛散してロータに付着した場合、付着した潤滑油からロータを介して磁石に熱が伝わり、磁石温度が上昇する。
しかしながら、特許文献1の技術では、モータの動作点、ステータコイルの温度、冷却油の温度、及び、ステータコイルと磁石との間の熱モデルに基づいて、磁石温度を推定しており、トランスミッションから飛散してロータに付着する潤滑油の影響については、何ら考慮されていない。従って、特許文献1の技術により磁石温度を推定した場合、推定した磁石温度と、実際の磁石温度との乖離が大きくなり、磁石温度の推定精度が悪化するおそれがある。
この発明は、このような課題を考慮してなされたものであり、回転電機の回転体に備わる磁石の磁石温度を精度よく推定することができる磁石温度推定装置及び磁石温度推定方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、この発明では、回転電機の近傍に動力伝達機構が配置され、前記動力伝達機構の潤滑を行う流体により回転電機が冷却される場合に、(磁石温度推定装置の磁石温度推定部は、)少なくとも前記動力伝達機構に関連するパラメータを用いて磁石温度を推定する。
前述のように、ハイブリッド車両や電動車両に前記回転電機を搭載する場合、トランスミッションのような動力伝達機構から前記流体が飛散して前記回転体に付着することにより、前記磁石温度を含めた前記回転体の温度が変化(上昇又は下降)する。そこで、この発明では、飛散して前記回転体に付着する前記流体の熱量を考慮した前記動力伝達機構に関連するパラメータを用いて前記磁石温度を推定する。これにより、推定した前記磁石温度と、実際の磁石温度との乖離が抑制され、当該磁石温度を精度よく推定することができる。
このように、前記磁石温度の推定精度が向上することにより、前記磁石の耐熱性(減磁耐力)を下げて、当該磁石の保磁力を低下させることが可能となる。これにより、前記磁石に占めるジスプロシウム(Dy)の含有量を削減することができ、この結果、様々な仕様に対応し、且つ、より安価な磁石を備えた回転電機を製造することが可能となる。
また、前記磁石温度が限界温度(上限温度)に近づく毎に回転電機のパワーセーブを行う必要がある制御システムにおいては、前記磁石温度の推定精度が向上することで、パワーセーブの不用意な実行が抑制され、該パワーセーブの頻度を少なくすることが可能となる。これにより、高負荷時の車両の燃費や、当該車両の運転性能(ドライバビリティ)及び商品価値を向上させることができる。
ここで、上述した動力伝達機構に関連するパラメータの詳細と、当該パラメータを用いた磁石温度の推定に関する具体的構成とについて、以下に説明する。
[1] 前記動力伝達機構に関連するパラメータは、前記動力伝達機構の損失を含む。この場合、前記磁石温度推定装置の損失量算出部は、前記動力伝達機構の損失量を算出する。すなわち、前記動力伝達機構での損失が熱に変換され、前記動力伝達機構の潤滑を行う前記流体に前記熱が伝わった状態で、当該流体が飛散して前記回転体に付着すれば、付着した前記流体から前記回転体に前記熱が伝わるので、前記磁石温度を含めた前記回転体の温度が変化する。従って、飛散して前記回転体に付着した前記流体の熱量に関連する前記動力伝達機構の損失量を考慮して、前記磁石温度を推定することにより、当該磁石温度の推定精度を向上させることができる。
[2] 前記動力伝達機構を構成するギヤの噛み合い損失が前記動力伝達機構の損失に含まれる場合、前記損失量算出部は、前記ギヤの噛み合い損失量を算出する。すなわち、前記ギヤの噛み合い損失が熱に変換され、当該熱が前記流体に伝わった後に、前記ギヤの回転により前記流体が飛散した場合、飛散した前記流体が前記回転体に付着すれば、付着した前記流体から前記回転体に前記熱が伝わるので、前記磁石温度を含めた前記回転体の温度が変化する。従って、飛散して前記回転体に付着した前記流体の熱量に関連する前記ギヤの噛み合い損失量を考慮して、前記磁石温度を推定することにより、推定した前記磁石温度と、実際の磁石温度との乖離をさらに抑制することができる。
[3] 前記動力伝達機構に関連するパラメータは、前記動力伝達機構に作用するトルクを含む。この場合、前記損失量算出部は、前記トルクに基づいて、前記噛み合い損失量を算出する。すなわち、前記トルクの作用で前記ギヤが回転するため、前記トルクに基づき前記噛み合い損失量を算出することにより、前記回転体に付着した前記流体の熱量に関連する前記噛み合い損失量を精度よく算出することができる。
[4] 前記動力伝達機構が前記回転体に連結される場合に、前記損失量算出部は、前記回転電機を流れる電流の値に基づいて、前記トルクを算出してもよい。
すなわち、前記回転電機がモータとして動作する場合には、外部から前記モータに供給される電流に起因して該モータの回転体が回転するので、該回転体に連結される前記動力伝達機構の回転軸も回転する。一方、前記回転電機がジェネレータとして動作する場合には、前記回転軸の回転による前記回転体の回転によって前記回転電機に電流が発生し、外部に出力される。そこで、前記損失量算出部が前記電流に基づき前記トルクを算出することで、前記噛み合い損失量を容易に且つ精度よく算出することができる。
[5] 前記動力伝達機構の損失は、該動力伝達機構の内部で発生する摩擦に起因したフリクション損失を含む。この場合、前記損失量算出部は、前記動力伝達機構でのフリクション損失量を算出する。すなわち、前記フリクション損失が熱に変換され、当該熱が前記流体に伝わった後に、前記流体が飛散すると、飛散した前記流体が前記回転体に付着し、付着した前記流体から前記回転体に前記熱が伝わり、前記磁石温度を含めた前記回転体の温度が変化する。従って、飛散して前記回転体に付着した前記流体の熱量に関連する前記フリクション損失量を考慮して、前記磁石温度を推定することにより、推定した前記磁石温度と、実際の磁石温度との乖離を一層抑制することができる。
[6] 上記[5]の場合において、前記損失量算出部は、前記ギヤの回転数に基づいて前記フリクション損失量を算出してもよい。すなわち、前記ギヤの回転によって、該ギヤの周辺を含めた前記動力伝達機構の各部で前記フリクション損失が発生する。この場合、前記ギヤの回転数が上昇すると前記フリクション損失量も大きくなり、前記流体に伝わる熱量も増大する。そこで、前記損失量算出部は、前記流体の熱量に関連する前記ギヤの回転数を考慮することで、前記フリクション損失量を容易に且つ精度よく算出することができる。
[7] 前記動力伝達機構が前記回転体に連結される場合に、前記損失量算出部は、前記ギヤの回転数に応じた前記回転体の回転数に基づいて、前記フリクション損失量を算出してもよい。すなわち、前記回転体の回転によって、該回転体に連結される前記動力伝達機構の回転軸や、該回転軸に連なる前記ギヤも回転する。そこで、前記損失量算出部は、前記ギヤの回転数に応じた前記回転体の回転数を用いることで、前記フリクション損失量を容易に且つ精度よく算出することができる。
[8] 前記動力伝達機構に関連するパラメータは、前記動力伝達機構から前記回転体に飛散する前記流体の飛散量も含む。この場合、前記磁石温度推定装置の抜熱量算出部は、前記飛散量及び前記動力伝達機構の損失量に基づいて、前記流体の前記回転体への付着による前記磁石での抜熱量を算出し、前記磁石温度推定部は、算出された前記抜熱量に基づいて、前記磁石温度を推定する。前記抜熱量を考慮することで、推定した前記磁石温度と、実際の磁石温度との乖離を一層抑制することができる。
[9] 上記[8]の場合において、前記抜熱量算出部は、前記ギヤの回転数に基づいて、前記飛散量を算出してもよい。前述のように、前記ギヤの回転によって前記流体が飛散するため、前記ギヤの回転数を考慮することで、前記飛散量を容易に且つ精度よく算出することができる。
[10] 前記動力伝達機構が前記回転体に連結される場合に、前記抜熱量算出部は、前記ギヤの回転数に応じた前記回転体の回転数に基づいて、前記飛散量を算出してもよい。すなわち、前記回転体の回転によって、該回転体に連結される前記動力伝達機構の回転軸や、該回転軸に連なる前記ギヤも回転する。そこで、前記損失量算出部は、前記ギヤの回転数に応じた前記回転体の回転数を用いることで、前記飛散量を容易に且つ精度よく算出することができる。
なお、インナロータ型の前記回転体を有する回転電機において、前記動力伝達機構が前記インナロータの内周側に配置されていれば、前記動力伝達機構から飛散する前記流体による前記磁石温度を含めた前記回転体の温度の変化が顕著となる。このような構造であっても、この発明を適用することで、上述した各効果が容易に得られる。
この発明によれば、動力伝達機構から飛散して回転体に付着する流体の熱量を考慮した該動力伝達機構に関連するパラメータを用いて磁石温度を推定するので、推定した前記磁石温度と、実際の磁石温度との乖離が抑制され、当該磁石温度を精度よく推定することができる。
回転電機が搭載された車両の冷却系の部分断面図である。 図1の回転電機における冷却油の流れを示す部分断面図である。 図1の冷却系の一部として機能するサイドカバーの斜視図である。 図1及び図2のロータ内周側に配置された遊星歯車を拡大して図示した部分断面図である。 この発明の一実施形態に係る磁石温度推定装置のブロック図である。 遊星歯車、磁石、コイル及び冷却油の間での熱モデルを模式的に図示した説明図である。 特許文献1の技術での磁石温度の推定と、この実施形態での磁石温度の推定との違いを示した説明図である。 この実施形態による磁石温度の推定処理を示すフローチャートである。 図8の抜熱量の算出処理の詳細を示すフローチャートである。 損失量マップの説明図である。 流量マップの説明図である。 フリクション損失量マップの説明図である。 噛み合い損失量マップの説明図である。
この発明に係る磁石温度推定装置について、磁石温度推定方法との関連で、好適な実施形態を、図1〜図13を参照しながら、以下詳細に説明する。
[回転電機を搭載した車両の概略構成]
この実施形態に係る磁石温度推定装置10(図5参照)は、回転電機12のロータ14に備わる磁石16の温度TMAG(以下、磁石温度TMAGともいう。)を推定するための装置である。推定対象となる磁石16を具備する回転電機12は、例えば、ハイブリッド車両や電動車両等の車両18に搭載される。
図5は、一例として、車両18がハイブリッド車両である場合について図示している。車両18には、エンジン20及びトランスミッション22が搭載され、エンジン20とトランスミッション22との間にはクラッチ24が設けられている。動力伝達機構としてのトランスミッション22は、オートマチックトランスミッションであり、駆動源としてのエンジン20又は回転電機12から伝達される駆動力を駆動輪26に伝えて駆動させる。
また、この実施形態では、図1及び図2に示すように、トランスミッション22の一部が、回転電機12を構成するロータ14の内周側に入り込むように配置されている。
回転電機12は、例えば、3相交流ブラシレス式のモータであり、バッテリ28からPDU(Power Drive Unit)30を介して供給される電力に基づき、車両18の駆動力を生成する。また、回転電機12は、回生動作を行うことで生成した回生電力を、PDU30を介してバッテリ28に出力することで該バッテリ28を充電する。
この実施形態において、以下の説明では、ロータ14に永久磁石(磁石16)が埋め込まれた磁石埋込型のロータを備えた回転電機12、すなわち、IPM(Interior Permanent Magnet Motor)方式の回転電機について、その磁石16の磁石温度TMAGを推定する場合について説明する。なお、この実施形態は、ロータ14の表面に磁石16を配置したSPM(Surface Permanent Magnet Motor)方式の回転電機の磁石温度TMAGの推定に対しても適用可能である。
ここで、磁石温度推定装置10の説明に先立ち、車両18に搭載された回転電機12について、図1〜図4を参照しながら説明する。
回転電機12は、インナロータ型の回転体としてのロータ14と、ステータ32と、レゾルバロータ34及びレゾルバステータ36を備えるレゾルバ(回転数センサ)38と、ハウジング40と、サイドカバー42とを有する。
サイドカバー42は、図1〜図3に示すように、ハウジング40に収納された回転電機12を被蓋する円盤状の蓋体である。サイドカバー42には、回転電機12と対向するように、単一の導入孔44、流路46、単一の第1吐出孔48、単一の第2吐出孔50及び複数の第3吐出孔52が形成されている。導入孔44には、流路54が接続され、ポンプ56から流路54を介して冷却油58が供給される。
冷却油58は、トランスミッション22を潤滑する潤滑油であることが望ましい。例えば、トランスミッション22がオートマチックトランスミッションであれば、ATF(Automatic Transmission Fluid)を冷却油58として使用することができる。ポンプ56は、電動式又は機械式のいずれの方式のポンプであってもよい。冷却油58は、回転電機12及びトランスミッション22の動作によって、ロータ14が回転しているときに、ポンプ56から供給される。なお、図2中の実線の矢印は、車両18内での冷却油58の流れを模式的に図示したものである。
第1〜第3吐出孔48〜52は、ノズル状であり、ポンプ56から流路54、導入孔44及び流路46を介して供給された冷却油58を、ロータ14及びステータ32に対して噴射又は放出する。具体的に、第1吐出孔48は、主として、ロータ14の回転軸60に向けて冷却油58を噴射又は放出し、第2吐出孔50は、主として、ロータ14を構成する筒状部材62に向けて冷却油58を噴射又は放出し、第3吐出孔52は、主として、ステータ32に向けて冷却油58を噴射又は放出する。
前述のように、トランスミッション22の一部は、ロータ14の内周側に入り込むように配設されている。また、この実施形態では、トランスミッション22のシャフト64の回転電機12側の部分を、ロータ14の回転軸60として利用している。すなわち、この実施形態において、磁石16を備えたロータ14と、トランスミッション22のシャフト64とは一体的に連結されている。
回転軸60(シャフト64)は、筒状の部材であり、その中空部分は、X1及びX2の軸方向に延在する単一の第1軸流路66として形成されている。第1吐出孔48に対向する端部には、第1軸流路66に連通し、且つ、第1吐出孔48から噴射又は放出された冷却油58を第1軸流路66に案内するための軸開口部68が形成されている。また、回転軸60の外周には、該回転軸60の外部と第1軸流路66とを連通させる複数の第2軸流路70が形成されている。
そのため、第1吐出孔48から軸開口部68を介して第1軸流路66に供給された冷却油58は、各第2軸流路70を介して回転軸60から放出される。放出された冷却油58は、ロータ14の内部又はトランスミッション22の一部(例えば、後述する遊星歯車機構80)に供給される。
回転軸60には、有底筒状の筒状部材62が回転軸60と略同軸に取り付けられている。筒状部材62は、サイドカバー42側で回転軸60の外周に固定された底部72と、底部72の外縁から軸方向X2に延在する側部74とを備える。従って、側部74の内側の空間は、開口部76として形成されている。開口部76には、トランスミッション22を構成する遊星歯車機構80が配置され、一方で、側部74の外周には、ロータヨーク78及び磁石16が配置されている。
底部72は、基部82、第1突出壁部84及び第2突出壁部86から構成される。基部82は、径方向(図1及び図2ではZ1及びZ2の方向)に沿って延在し、X1及びX2の軸方向に貫通する複数の貫通孔88が形成されている。この場合、サイドカバー42から底部72に噴射された冷却油58は、貫通孔88を介して筒状部材62の内方(開口部76)に供給される。
基部82と第1突出壁部84とによって形成される貫通孔88近傍の空間は、ロータ14の回転に起因した遠心力によって冷却油58が貯留する貯留部90として構成される。この場合、冷却油58が貫通孔88に直接入らなかった場合でも、貯留部90に冷却油58を一旦留めた後に、貫通孔88から開口部76に供給することができる。また、第1突出壁部84がサイドカバー42近傍まで突出しているので、第1軸流路66内の冷却油58が軸開口部68からあふれ出た場合、ロータ14の回転に起因した遠心力、又は、重力の作用によって、あふれ出た冷却油58を、第1突出壁部84の内周側から貯留部90及び貫通孔88を介して開口部76に供給することができる。
さらに、貯留部90の入口部分(冷却油58が供給される箇所)は、貯留部90がX2方向に向かって拡径するように、基部82及び第1突出壁部84に傾斜が設けられている。このようにすることで、貯留部90に冷却油58を貯留しやすくすると共に、貫通孔88を介して開口部76に入っていかない冷却油58の量を減らすことが可能となる。
前述のように、開口部76には、遊星歯車機構80が配置されている。従って、貫通孔88から第2突出壁部86を介して案内された冷却油58は、ロータ14の回転に起因した遠心力の作用下に、径方向外側に向かって放出され、その一部は、遊星歯車機構80にも供給される。
また、開口部76に供給された冷却油58(貫通孔88を介して流入した冷却油58、各第2軸流路70を介して放出された冷却油58)は、ロータ14の回転作用下に側部74に沿って移動し、ロータヨーク78を冷却する。ロータヨーク78には、磁石16が埋め込まれているため、側部74に沿って移動した冷却油58は、側部74及びロータヨーク78を介して磁石16を冷却することができる。すなわち、ロータ14の回転によって磁石16に発生した熱は、ロータヨーク78、側部74及び冷却油58の経路で放熱される。
ステータ32は、ロータ14に対して径方向(図1及び図2のZ1及びZ2方向)に所定のエアギャップだけ離間して配置された円環状の部材であり、ステータコア92と、該ステータコア92に導線94を巻回して構成されるコイル96とを有する。サイドカバー42の第3吐出孔52から供給された冷却油58は、ステータ32の各部を冷却する。
そして、この実施形態において、ロータ14及びステータ32を冷却した冷却油58や、トランスミッション22(の遊星歯車機構80)を潤滑し且つ冷却した冷却油58は、重力によって、ハウジング40の底部であるオイルパン(ドレイン部)98に落下し、貯留される。オイルパン98に貯留された冷却油58は、ポンプ56の駆動によって、ストレーナ100で濾過された後、流路102及び流路54を介してサイドカバー42に供給される。すなわち、オイルパン98に貯留された冷却油58は、ポンプ56の駆動によって、ロータ14及びステータ32の冷却や、トランスミッション22の潤滑及び冷却に再度利用される。
前述のように、ポンプ56は、回転電機12及びトランスミッション22の動作によりロータ14が回転したときに、図2に示す冷却系で冷却油58を循環させて、サイドカバー42に供給するため、ポンプ56の回転数は、ロータ14の回転数NMOT(に同期した所定の回転数)であることが望ましい。ストレーナ100の近傍には、オイルパン98に貯留された冷却油58の温度TIN(以下、センシング温度TINともいう。)を検出する温度センサ104が配設されている。なお、オイルパン98に貯留された冷却油58は、ポンプ56の駆動によって循環され、サイドカバー42に供給されるので、センシング温度TINは、ロータ14及びトランスミッション22に供給される直前の冷却油58の温度を示している。
ロータ14の第1突出壁部84には、レゾルバロータ34が固定され、その径方向外側には、レゾルバステータ36がステータ32に固定されている。レゾルバステータ36は、レゾルバロータ34の回転角度、すなわち、ロータ14の回転角度を検出する。なお、レゾルバステータ36が検出した回転角度を用いて、ロータ14(の回転軸60)の回転数NMOTを算出することも可能である。
遊星歯車機構80は、図1、図2及び図4に示すように、回転軸60に略同軸に固定されたサンギヤ106と、サンギヤ106に噛合するピニオンギヤとしての複数のプラネタリギヤ108と、各プラネタリギヤ108に噛合するアウタギヤとしてのリングギヤ110と、各プラネタリギヤ108のギヤ軸112を連結固定するプラネタリキャリヤ114とを有する。
ギヤ軸112の外周面とプラネタリギヤ108との間には、ベアリング116が介挿されている。この場合、ギヤ軸112の外周面にベアリング116が固定され、サンギヤ106の回転に対応して、プラネタリギヤ108が回転可能にベアリング116に装着されている。また、ベアリング116及びプラネタリギヤ108のX1及びX2方向の両端と、プラネタリキャリヤ114との間には、X1及びX2方向へのベアリング116及びプラネタリギヤ108のガタツキを抑制するために、スラストワッシャ118がそれぞれ介挿されている。
従って、回転軸60の回転に伴ってサンギヤ106が回転すると、サンギヤ106に噛合する各プラネタリギヤ108が回転し、各プラネタリギヤ108に噛合するリングギヤ110を回転させることができる。従って、前述した回転軸60の回転数NMOTは、サンギヤ106の回転数であると共に、各プラネタリギヤ108及びリングギヤ110に対応する回転数でもある。
また、前述のように、第2軸流路70からの冷却油58と、貫通孔88からの冷却油58とが遊星歯車機構80にそれぞれ供給されるので、遊星歯車機構80を構成するサンギヤ106、各プラネタリギヤ108、リングギヤ110、プラネタリキャリヤ114、ベアリング116及びスラストワッシャ118は、冷却油58によって潤滑され且つ冷却される。
さらに、遊星歯車機構80の駆動に起因した遠心力、より具体的には、リングギヤ110の回転に起因した遠心力によって、遊星歯車機構80に付着している冷却油58が径方向(図2のZ1及びZ2方向)に飛散すると、ロータ14を構成する側部74に、飛散した冷却油58が付着する場合がある。図2及び図4には、リングギヤ110から冷却油58が飛散する様子を矢印付きの破線で図示している。
[この実施形態が解決しようとする課題]
前述のように、リングギヤ110の回転によって冷却油58が径方向に飛散すると、飛散した冷却油58がロータ14に付着することで該ロータ14が受熱し、磁石16を含めたロータ14の温度TROT(以下、ロータ温度TROTともいう。)が変化(上昇又は下降)する場合がある。
具体的に、回転軸60の回転によって遊星歯車機構80が動作すると、サンギヤ106と各プラネタリギヤ108との間、及び、各プラネタリギヤ108とリングギヤ110との間には、噛み合っている歯面での滑り損失(噛み合い損失)が発生する。後述するように、噛み合い損失量Wは、各ギヤ(サンギヤ106、各プラネタリギヤ108及びリングギヤ110)を回転させるために回転軸60に作用するトルクTqMOTに比例する(図13参照)。
また、回転軸60の回転によって遊星歯車機構80が動作すると、プラネタリギヤ108とベアリング116との間では、接触面での転がり損失が発生する。さらに、回転軸60の回転によって遊星歯車機構80が動作すると、プラネタリギヤ108及びベアリング116とスラストワッシャ118との間や、スラストワッシャ118とプラネタリキャリヤ114との間では、X1及びX2方向に沿った摺動損失が発生する。転がり損失及び摺動損失は、接触面での摩擦に起因したフリクション損失であり、そのフリクション損失量W(に含まれる転がり損失及び摺動損失)は、各ギヤを回転させる回転軸60の回転数NMOTのべき乗に比例する(図12参照)。
これらの損失量W、Wは、熱に変換され、変換された熱が遊星歯車機構80に付着した冷却油58に伝わると、当該冷却油58の温度が上昇する。従って、リングギヤ110が回転し、温度が上昇した冷却油58が径方向に飛散して、飛散した冷却油58が筒状部材62の側部74に付着すると、冷却油58の熱をロータ14が受熱し、側部74及びロータヨーク78を介して磁石16に前記熱が伝わる。この結果、磁石温度TMAG(ロータ温度TROT)が上昇して、磁石16が減磁するおそれがある。
磁石温度TMAGの推定については、従来技術として、特許文献1の技術が開示されているが、この技術は、「発明が解決しようとする課題」の項目でも説明したように、トランスミッション22(の遊星歯車機構80)から飛散してロータ14に付着する冷却油58の影響について、何ら考慮していないため、特許文献1の技術を用いて磁石温度TMAGを推定しても、推定した磁石温度TMAGと、実際の磁石温度TMAGとの乖離が大きくなり、磁石温度TMAGの推定精度が悪化するおそれがある。
[この実施形態に係る磁石温度推定装置の構成]
そこで、この実施形態に係る磁石温度推定装置10は、図5に示すように、遊星歯車機構80から飛散した冷却油58の影響を考慮した磁石温度TMAGの推定処理を、車両18全体を制御するECU(Electronic Control Unit)120で行う。
具体的に、回転電機12には、コイル96に発生する電圧VMOTを検出する電圧センサ122と、コイル96に流れる電流IMOTを検出する電流センサ124とが設けられている。また、トランスミッション22には、ロータ14及び回転軸60の回転角度(に応じた回転数NMOT)を検出する回転数センサとしてのレゾルバ38と、センシング温度TINを検出する温度センサ104と、ロータ14及び回転軸60(に連結されたサンギヤ106)に作用するトルクTqMOTを検出するトルクセンサ126とが設けられている。
なお、電流IMOT及び回転角度からトルクTqMOTを算出することが可能であるため、トルクセンサ126を省略することは可能である。これらのセンサは、上記の物理量を逐次検出し、検出した物理量を示す信号(アナログ信号)をECU120に逐次出力する。
ECU120は、損失量算出部128、抜熱量算出部130、磁石温度算出部(磁石温度推定部)132、モータ制御部134及びメモリ136を有する。そして、ECU120の内部では、少なくとも、トランスミッション22を構成する遊星歯車機構80に関連する各種のパラメータ、具体的には、トルクTqMOT、損失量W、W(を含むトランスミッション22の損失量W)、回転数NMOT、並びに、冷却油58の流量q及びセンシング温度TINを用いて、磁石温度TMAGの推定を行う。
メモリ136には、回転数NMOTとトルクTqMOTと回転電機12の損失量WMOTとの関係を示す損失量マップ(図10参照)、回転数NMOTと流量qとの関係を示す流量マップ(図11参照)、回転数NMOTとフリクション損失量Wとの関係を示すフリクション損失量マップ(図12参照)、及び、トルクTqMOTと噛み合い損失量Wとの関係を示す噛み合い損失量マップ(図13参照)、が格納されている。
そこで、損失量算出部128は、メモリ136から図10の損失量マップを読み出し、読み出した損失量マップを参照して、レゾルバ38で検出された回転角度に基づく回転数NMOTと、トルクTqMOTとに対応する損失量WMOTを特定する。
なお、図10に示す損失量マップは、予めトルクTqMOT及び回転数NMOTを測定して得た結果を示すものであり、同じ量の損失量WMOTを実線で繋げて表示した等高線状のマップである。また、損失量WMOTは、磁石16に発生する渦電流損及びロータヨーク78の鉄損からなるロータ14の損失量と、コイル96の銅損及びステータコア92の鉄損からなるステータ32の損失量を含む。すなわち、回転電機12の上記の構成要素は、該回転電機12の熱源であり、これらの構成要素での損失が熱に変換されることで、回転電機12全体の温度が上昇する。ロータ14とステータ32とは、エアギャップを介して離間し、ステータ32からロータ14に熱は伝わりにくいため、磁石16の渦電流損及びロータヨーク78の鉄損からなるロータ14の損失量が磁石温度TMAGを上昇させる原因となる。
また、図11に示す流量マップは、予め回転数NMOT及び流量qを測定して得た結果を示すものである。ポンプ56は、回転数NMOT(に同期した回転数)で駆動して、冷却油58をサイドカバー42に供給するので、流量qは、回転電機12の冷却、並びに、トランスミッション22の潤滑及び冷却に用いるために、ポンプ56からサイドカバー42に供給される冷却油58の流量とみなすことができる。また、リングギヤ110の回転によって遊星歯車機構80から飛散して筒状部材62の側部74に付着する冷却油58も、ポンプ56からサイドカバー42に供給される冷却油58の一部に含まれるため、流量qは、飛散した冷却油58の量(飛散量)も含んでいる。
さらに、図12に示すフリクション損失量マップは、予め回転数NMOTと転がり損失(図12に示す実線)及び摺動損失(図12に示す破線)とを測定して得た結果を示すものであり、転がり損失と摺動損失とを加算したものがフリクション損失量Wとなる。さらにまた、図13に示す噛み合い損失量マップは、予めトルクTqMOT及び噛み合い損失量Wを測定して得た結果を示すものである。
図5に戻って、抜熱量算出部130は、メモリ136から流量マップを読み出し、読み出した流量マップを参照して、算出された回転数NMOTに該当する流量qを特定する。
また、抜熱量算出部130は、メモリ136からフリクション損失量マップ及び噛み合い損失量マップを読み出し、読み出したフリクション損失量マップを参照して、算出された回転数NMOTに該当するフリクション損失量Wを特定する一方で、読み出した噛み合い損失量マップを参照して、トルクTqMOTに該当する噛み合い損失量Wを特定する。
なお、前述のように、図12に示すフリクション損失量マップは、転がり損失及び摺動損失が示されているため、抜熱量算出部130は、回転数NMOTに該当する転がり損失及び摺動損失を特定し、特定した転がり損失と摺動損失とを加算してフリクション損失量Wを算出する。また、この実施形態において、トルクTqMOTは、トルクセンサ126で検出する場合と、電流IMOT及び回転角度から算出する場合とがあるが、抜熱量算出部130は、いずれか一方の方法で取得したトルクTqMOTを用いて、噛み合い損失量Wを特定すればよい。
そして、抜熱量算出部130は、算出したフリクション損失量W及び噛み合い損失量Wを加算してトランスミッション22の損失量Wを算出する(W+W=W)。すなわち、遊星歯車機構80から飛散して筒状部材62の側部74に付着する冷却油58がロータ温度TROT(磁石温度TMAG)を上昇させ、磁石16の抜熱に影響を与えるため、抜熱量算出部130は、(W+W)の損失量がロータ14の抜熱に影響を及ぼすトランスミッション22の損失量とみなし、(W+W)を損失量Wとして算出する。
さらに、抜熱量算出部130は、流量qの関数であるロータ14と冷却油58との間の熱伝達率h(q)、ロータ14に付着した冷却油58の面積である濡れ面積A、ロータ温度TROT、ロータ14から冷却油58への抜熱が行われる直前の当該冷却油58の温度TOIL(以下、冷媒温度TOILともいう。)を用いた下記(1)式によって、ロータ14に付着した冷却油58による回転電機12(を構成するロータ14の磁石16)から該冷却油58への抜熱量QMOTを算出する。
MOT=h(q)×A×(TROT−TOIL)(1)
なお、冷媒温度TOILは、サイドカバー42からトランスミッション22に供給され、遊星歯車機構80を含む当該トランスミッション22からロータ14に飛散する冷却油58の温度、すなわち、ロータ14から抜熱する直前の冷却油58の温度である。そのため、冷媒温度TOILは、下記(2)式に示すように、センシング温度TINに対して、トランスミッション22の損失量Wに起因した温度上昇ΔTOILが加味された温度となる。
OIL=TIN+ΔTOIL(2)
また、温度上昇ΔTOILは、損失量Wと、冷却油58の熱容量c×q(c:冷却油58の比熱)との関係において、下記(3)式で表わされる。
ΔTOIL=W/(c×q)(3)
従って、抜熱量算出部130は、損失量Wを考慮した(3)式から温度上昇ΔTOILを算出し、算出した温度上昇ΔTOILを(2)式に代入して冷媒温度TOILを算出し、算出した冷媒温度TOIL等を(1)式に代入することにより、抜熱量QMOTを算出することができる。
なお、前述した(1)式中、(TROT−TOIL)は、ロータ14と抜熱直前の冷却油58との温度差を示している。この場合、ロータ温度TROTは、ロータ14の発熱量及び熱容量を用いて算出されるか、あるいは、後述する推定された磁石温度TMAG(例えば、前回推定した磁石温度TMAG)と(1)式及び(4)式とを用いて算出される。
このように、抜熱量QMOTは、主として、貫通孔88及び各第2軸流路70から放出され、側部74に付着した冷却油58(図2の実線に示す経路で付着する冷却油58)によって、磁石16から放熱された熱量である。但し、遊星歯車機構80から飛散して側部74に付着した冷却油58(図2及び図4の破線に示す経路で付着する冷却油58)によって、当該冷却油58からロータ14に熱が伝わるため、抜熱量算出部130は、上記の(1)式〜(3)式に示すように、飛散した冷却油58の影響を考慮して抜熱量QMOTを算出する。なお、損失量Wに起因して温度上昇ΔTOILが大きくなるため、冷媒温度TOILが上昇すれば、(1)式にも示すように、ロータ14からの抜熱量QMOTが減少する。
磁石温度算出部132は、下記(4)式を用いて、磁石温度TMAGの変化(温度変化)ΔTMAGを算出する。なお、(4)式において、Cは、ロータ14(の磁石16)の熱容量である。
ΔTMAG=(WMOT−QMOT)/C(4)
従って、回転電機12の動作前の磁石温度TMAGが予め分かっているか、又は、前回の推定処理によって推定された磁石温度TMAGがメモリ136に記憶されていれば、動作前の磁石温度TMAG、又は、前回推定した磁石温度TMAGに、(4)式の温度変化ΔTMAGを加算することで、現在の磁石温度TMAGを容易に算出することができる(回転電機12の動作前又は前回の磁石温度TMAG+ΔTMAG→現在の磁石温度TMAG)。
モータ制御部134は、磁石温度算出部132で算出された磁石温度TMAGの推定結果に基づく制御信号をPDU30に供給することにより、回転電機12を制御する。なお、制御信号は、例えば、目標トルク(トルク指令値)、ロータ14の回転数NMOT、及び、コイル96に流す電流IMOTを含めたモータ(回転電機12)の動作点に応じた信号である。
[この実施形態の動作]
この実施形態に係る磁石温度推定装置10は、以上のように構成されるものであり、次に、磁石温度推定装置10の動作(磁石温度推定方法)について説明する。
図6は、遊星歯車機構80、磁石16、コイル96及び冷却油58の間での熱モデルを模式的に図示したものである。
前述のように、ロータ14を冷却油58で冷却することにより、磁石16の熱は、ロータヨーク78及び筒状部材62の側部74を介して冷却油58に放熱される。また、ステータ32を冷却油58で冷却することにより、コイル96の熱は、冷却油58に放熱される。従って、熱回路で表現すると、磁石16と冷却油58との間に熱抵抗138が存在すると共に、コイル96と冷却油58との間に熱抵抗140が存在することになる。なお、ロータ14とステータ32とは、エアギャップを介して離間しているため、熱が伝わりにくい状態にあり、従って、熱抵抗は存在しないもの(熱的に絶縁されている)と考えることができる。
一方、遊星歯車機構80を構成するリングギヤ110の回転に起因して、遊星歯車機構80に付着した冷却油58が遠心力によって飛散し、ロータ14を構成する筒状部材62の側部74に付着する。この場合、飛散した冷却油58は、遊星歯車機構80での損失(損失量W)に起因する熱を受熱しているため、この熱は、側部74からロータヨーク78を介して磁石16に伝わり、磁石温度TMAGを上昇させる。従って、熱回路で表現すると、遊星歯車機構80と磁石16との間にも、飛散した冷却油58に起因した熱抵抗142が存在する。
図7は、特許文献1の技術での磁石温度TMAGの推定処理と、この実施形態での磁石温度TMAGの推定処理との違いを示した説明図である。
特許文献1の技術は、「発明が解決しようとする課題」や「この実施形態が解決しようとする課題」の項目でも説明したように、磁石温度TMAGの推定に関して、トランスミッション22(の遊星歯車機構80)から飛散してロータ14に付着する冷却油58の影響について、何ら考慮していない。すなわち、特許文献1の技術は、図6に示す熱抵抗142を何ら想定せずに、磁石温度TMAGの推定処理を行っている。
図7に示すように、磁石16の渦電流損やロータヨーク78の鉄損等のロータ14内部での損失に起因した温度上昇分をΔTMAGとする。
特許文献1の技術(従来技術)の場合、前述のように、飛散した冷却油58について何ら考慮していないため、推定した温度は、(TIN+ΔTMAG)となり、実際の磁石温度TMAGとの間で温度上昇ΔTOILだけの乖離が発生する。これに対して、この実施形態では、後述するように、温度上昇ΔTOILを考慮して推定処理を行うため、実際の磁石温度TMAGとの誤差を小さくして、精度よく推定することができる。なお、Tは、周囲温度(例えば、常温)を示す。
次に、図7で説明したこの実施形態の推定処理を具体的に実施するための磁石温度推定装置10の動作について、図8〜図13を参照しながら説明する。なお、この説明では、必要に応じて、図1〜図7も参照しながら説明する。
ここでは、一例として、バッテリ28からPDU30を介した回転電機12への電力供給によって、該回転電機12がモータとして動作した場合について説明する。
回転電機12のコイル96に電圧VMOTが印加されて、コイル96に電流IMOTが流れることに起因してロータ14が回転する。これにより、ロータ14に連結された回転軸60、及び、該回転軸60に装着されたサンギヤ106も回転する。この結果、サンギヤ106に噛合する各プラネタリギヤ108は、ギヤ軸112及びベアリング116を中心として回転し、各プラネタリギヤ108に噛合するリングギヤ110を回転させる。
電圧センサ122は、電圧VMOTを検出して、その検出信号をECU120に出力し、電流センサ124は、電流IMOTを検出して、その検出信号をECU120に出力する。また、レゾルバ38は、ロータ14(及び回転軸60)の回転角度を検出し、その検出信号をECU120に出力する。
温度センサ104は、オイルパン98に貯留された冷却油58のセンシング温度TINを検出し、その検出信号をECU120に出力する。トルクセンサ126は、回転軸60に作用するトルクTqMOTを検出し、その検出信号をECU120に出力する。
従って、図8のステップS1において、ECU120は、各センサから検出信号が入力されることにより、電圧VMOT、電流IMOT、回転角度、センシング温度TIN及びトルクTqMOTを取得することができる。また、ECU120は、レゾルバ38からの検出信号の示す回転角度に基づいて、ロータ14及び回転軸60の回転数NMOTを算出する。
そして、ECU120は、算出した回転数NMOT(に同期した所定の回転数)で、ポンプ56を駆動させる。これにより、ポンプ56は、オイルパン98に貯留する冷却油58を吸い上げ、サイドカバー42に供給することができる。
サイドカバー42に供給された冷却油58は、第3吐出孔52から噴射又は放出されることでステータ32を冷却し、第2吐出孔50から噴射又は放出されることでロータ14を冷却すると共に、遊星歯車機構80を潤滑及び冷却する。また、冷却油58は、第1吐出孔48から軸開口部68を介して第1軸流路66に噴射又は放出されて、第2軸流路70から放出されることで、遊星歯車機構80を含めたトランスミッション22を潤滑及び冷却することができる。
この場合、遊星歯車機構80では、サンギヤ106と各プラネタリギヤ108との間、及び、各プラネタリギヤ108とリングギヤ110との間で、噛み合い損失量Wが発生している。また、プラネタリギヤ108とベアリング116との間では、転がり損失が発生すると共に、プラネタリギヤ108及びベアリング116とスラストワッシャ118との間や、スラストワッシャ118とプラネタリキャリヤ114との間では、X1及びX2方向に沿った摺動損失が発生している。転がり損失及び摺動損失は、接触面での摩擦に起因したフリクション損失量Wである。
これらの損失量W、Wは熱に変換され、遊星歯車機構80に付着した冷却油58に伝わり、該冷却油58の温度を上昇させる。そして、リングギヤ110の回転によって、遊星歯車機構80に付着した冷却油58は径方向に飛散され、飛散された冷却油58は、筒状部材62の側部74に付着する。この結果、側部74に付着した冷却油58の熱が、側部74及びロータヨーク78を介して磁石16に伝わり、磁石温度TMAGを上昇させ、磁石16を減磁させるおそれがある。
そこで、この実施形態では、図8のステップS2以降の処理、及び、図9に示す処理を行って、磁石温度TMAGを精度よく推定し、該磁石温度TMAGを適切に管理することにより、磁石温度TMAGの上昇に起因した磁石16の減磁を抑制し、回転電機12の性能を十分に発揮できるようにしている。
すなわち、図8のステップS2において、ECU120の損失量算出部128は、モータとして動作する回転電機12内部の損失量WMOTを算出する。具体的に、損失量算出部128は、メモリ136から図10の損失量マップを読み出し、読み出した損失量マップを用いて、ステップS1で取得されたトルクTqMOT及び回転数NMOTに対応する損失量WMOTを特定する。
ステップS3において、抜熱量算出部130は、ロータ14に冷却油58が付着することで、該ロータ14から冷却油58に放熱される熱量(抜熱量QMOT)を算出する。なお、前述のように、ロータ14においては、サイドカバー42からの冷却油58の供給によってロータ14の熱が冷却油58に放熱される一方で、遊星歯車機構80から飛散した冷却油58(温度上昇ΔTOILの影響を受けた冷却油58)の付着によって、該遊星歯車機構80内の損失(噛み合い損失量W、フリクション損失量W)に起因した熱が、飛散した冷却油58からロータ14に伝わり、磁石温度TMAGを上昇させてしまう。すなわち、抜熱量QMOTが減少する。
そこで、抜熱量算出部130は、図9のフローチャートに示すように、遊星歯車機構80から飛散する冷却油58の影響も加味して、抜熱量QMOTを算出する。
図9のステップS31において、抜熱量算出部130は、メモリ136から図11の流量マップを読み出し、読み出した流量マップを用いて、ステップS1で取得された回転数NMOTに対応する冷却油58の流量qを特定する。
回転電機12を冷却した冷却油58や、トランスミッション22を潤滑し且つ冷却した冷却油58は、重力によってオイルパン98に落下し貯留される。この場合、貯留された冷却油58のセンシング温度TINは、回転電機12から抜熱された熱や、トランスミッション22から抜熱された熱の影響を受けた温度となる。また、オイルパン98には、遊星歯車機構80から飛散してロータ14に付着することで、遊星歯車機構80の損失に応じた熱をロータ14に伝熱し、その後、オイルパン98に落下した冷却油58も貯留される。従って、センシング温度TINには、飛散した冷却油58の温度の影響も含まれることになる。
温度センサ104は、オイルパン98に貯留された冷却油58のセンシング温度TINを逐次検出している。そこで、ステップS32において、ECU120は、温度センサ104が検出したセンシング温度TINを再度取得する。取得されたセンシング温度TINの情報は、抜熱量算出部130に出力される。
ステップS33において、抜熱量算出部130は、メモリ136から図12のフリクション損失量マップを読み出し、読み出したフリクション損失量マップを用いて、ステップS1で取得された回転数NMOTに対応する転がり損失及び摺動損失を特定し、転がり損失及び摺動損失を加算してフリクション損失量Wを算出する。
また、ステップS34において、抜熱量算出部130は、メモリ136から図13に示す噛み合い損失量マップを読み出し、読み出した噛み合い損失量マップを用いて、ステップS1で取得されたトルクTqMOTに対応する噛み合い損失量Wを特定する。
ステップS35において、抜熱量算出部130は、ステップS33で算出したフリクション損失量Wと、ステップS34で特定した噛み合い損失量Wとを加算し、その加算量をトランスミッション22の損失量Wとする(W+W=W)。
ステップS36において、抜熱量算出部130は、前述した(1)式〜(3)式を用いて、冷却油58によるロータ14からの抜熱量QMOTを算出する。
図8に戻り、ステップS4において、磁石温度算出部132は、前述した(4)式を用いて、磁石温度TMAGの変化(温度変化)ΔTMAGを算出し、算出した温度変化ΔTMAGに回転電機12の動作前の磁石温度TMAG、又は、前回推定した磁石温度TMAGを加算することにより、現在の磁石温度TMAGを算出する(前回の磁石温度TMAG+ΔTMAG→今回の磁石温度TMAG)。なお、動作前の磁石温度TMAG、又は、前回推定した磁石温度TMAGは、例えば、メモリ136に記憶されている。また、磁石温度算出部132は、今回推定した磁石温度TMAGをメモリ136に記憶することが望ましい。
ステップS5において、モータ制御部134は、磁石16の減磁が発生する限界温度(磁石管理温度)に磁石温度TMAGが到達しているか否かを判定する。
磁石温度TMAGが磁石管理温度未満であれば(ステップS5:NO)、モータ制御部134は、磁石16の減磁が発生していないと判定し、現在のトルク動作点(トルクTqMOT、回転数NMOT、電流IMOT)で回転電機12を引き続き動作させるように、PDU30を制御する。
磁石温度TMAGが磁石管理温度以上であれば(ステップS5:YES)、モータ制御部134は、磁石16の減磁が発生している可能性があると判定する。次のステップS6において、モータ制御部134は、トルクTqMOTの許容上限値(許容トルク上限値)を算出し、その算出結果を示す制御信号をPDU30に出力する(ステップS7)。これにより、PDU30は、許容トルク上限値を超えないように、回転電機12を制御することができる。
[この実施形態の効果]
以上説明したように、この実施形態では、回転電機12の近傍にトランスミッション22が配置され、トランスミッション22の潤滑油を冷却油58として回転電機12を冷却する場合に、ECU120(の磁石温度算出部132)では、少なくとも、トランスミッション22の損失に関連するパラメータ(フリクション損失量W、噛み合い損失量W、損失量W、回転数NMOT、トルクTqMOT、流量q)に基づいて、磁石温度TMAGを推定する。
前述のように、ハイブリッド車両や電動車両等の車両18に回転電機12を搭載する場合、トランスミッション22の遊星歯車機構80から冷却油58が飛散してロータ14に付着すれば、磁石温度TMAGを含めたロータ温度TROTが変化(上昇又は下降)する。そこで、この実施形態では、飛散してロータ14に付着する冷却油58の熱量を考慮した、トランスミッション22に関連する上記のパラメータを用いて磁石温度TMAGを推定する。これにより、推定した磁石温度TMAGと、実際の磁石温度TMAGとの乖離が抑制され、当該磁石温度TMAGを精度よく推定することができる。
このように、磁石温度TMAGの推定精度が向上することにより、磁石16の耐熱性(減磁耐力)を下げて、当該磁石16の保磁力を低下させることが可能となる。これにより、磁石16に占めるジスプロシウム(Dy)の含有量を削減することができ、この結果、様々な仕様に対応し、且つ、より安価な磁石16を備えた回転電機12を製造することが可能となる。
また、磁石温度TMAGが限界温度(上限温度)に近づく毎に回転電機12のパワーセーブを行う必要がある制御システムにおいては、磁石温度TMAGの推定精度が向上することで、パワーセーブの不用意な実行が抑制され、該パワーセーブの頻度を少なくすることが可能となる。これにより、高負荷時の車両18の燃費や、当該車両18の運転性能(ドライバビリティ)及び商品価値を向上させることができる。
そして、この実施形態において、損失量算出部128は、トランスミッション22に関連するパラメータとして、トランスミッション22のフリクション損失量W、噛み合い損失量W及び損失量Wを算出し、磁石温度算出部132は、飛散してロータ14に付着した冷却油58の熱量に関連するフリクション損失量W、噛み合い損失量W及び損失量Wを考慮して、磁石温度TMAGを推定する。これにより、推定した磁石温度TMAGと、実際の磁石温度TMAGとの乖離が一層抑制され、当該磁石温度TMAGの推定精度を向上させることができる。
この場合、トルクTqMOTもトランスミッション22に関連するパラメータであり、損失量算出部128は、トルクTqMOTに基づいて噛み合い損失量Wを算出する。すなわち、トルクTqMOTの作用で遊星歯車機構80の各ギヤが回転するため、該トルクTqMOTを用いることで、噛み合い損失量Wを精度よく算出することができる。また、トルクTqMOTについては、トルクセンサ126で検出してもよいし、電流センサ124が検出したコイル96に流れる電流IMOT及び回転角度から算出してもよい。いずれの場合であっても、噛み合い損失量Wを容易に且つ精度よく算出することができる。
また、損失量算出部128は、遊星歯車機構80の各ギヤの回転数に応じたロータ14及び回転軸60の回転数NMOTに基づいてフリクション損失量Wを算出する。すなわち、各ギヤの回転によって、該各ギヤの周辺を含めた遊星歯車機構80の各部でフリクション損失が発生し、回転数NMOTの上昇によってフリクション損失量Wも大きくなり、冷却油58に伝わる熱量も増大する。従って、冷却油58の熱量に関連する回転数NMOTを考慮することで、フリクション損失量Wを容易に且つ精度よく算出することができる。
また、遊星歯車機構80からロータ14に飛散する冷却油58の飛散量も含めた冷却油58の流量qもトランスミッション22に関連するパラメータであり、抜熱量算出部130は、回転数NMOTから流量qを算出し、流量q及び損失量Wに基づいて抜熱量QMOTを算出し、磁石温度算出部132は、損失量WMOT及び抜熱量QMOTに基づいて、磁石温度TMAGを推定する。このように、損失量WMOT、W及び抜熱量QMOTを考慮することで、推定した磁石温度TMAGと、実際の磁石温度TMAGとの乖離を一層抑制することができる。
なお、この発明は、上記の実施形態に限らず、この明細書の記載内容に基づき、種々の構成を採り得ることは勿論である。
10…磁石温度推定装置 12…回転電機
14…ロータ 16…磁石
18…車両 22…トランスミッション
32…ステータ 38…レゾルバ
42…サイドカバー 56…ポンプ
58…冷却油 60…回転軸
62…筒状部材 74…側部
76…開口部 78…ロータヨーク
80…遊星歯車機構 98…オイルパン
104…温度センサ 106…サンギヤ
108…プラネタリギヤ 110…リングギヤ
112…ギヤ軸 114…プラネタリキャリヤ
116…ベアリング 118…スラストワッシャ
120…ECU 124…電流センサ
126…トルクセンサ 128…損失量算出部
130…抜熱量算出部 132…磁石温度算出部
134…モータ制御部 136…メモリ
138〜142…熱抵抗

Claims (13)

  1. 回転電機の回転体に備わる磁石の磁石温度を推定する磁石温度推定装置において、
    前記回転電機の近傍には、動力伝達機構が配置され、
    前記回転電機は、前記動力伝達機構の潤滑を行う流体により冷却され、
    前記磁石温度推定装置は、前記動力伝達機構の熱が該動力伝達機構に付着した前記流体に伝わった状態で、前記動力伝達機構から前記流体が飛散して前記回転体に付着するときの該流体の熱量を考慮する、少なくとも前記動力伝達機構に関連するパラメータを用いて、前記磁石温度を推定する磁石温度推定部を有する
    ことを特徴とする回転電機の磁石温度推定装置。
  2. 請求項1記載の磁石温度推定装置において、
    前記動力伝達機構に関連するパラメータは、前記動力伝達機構の損失を含み、
    前記磁石温度推定装置は、前記動力伝達機構の損失量を算出する損失量算出部をさらに有することを特徴とする回転電機の磁石温度推定装置。
  3. 請求項2記載の磁石温度推定装置において、
    前記動力伝達機構の損失は、該動力伝達機構を構成するギヤの噛み合い損失を含み、
    前記損失量算出部は、前記ギヤの噛み合い損失量を算出することを特徴とする回転電機の磁石温度推定装置。
  4. 請求項3記載の磁石温度推定装置において、
    前記動力伝達機構に関連するパラメータは、前記動力伝達機構に作用するトルクを含み、
    前記損失量算出部は、前記トルクに基づいて、前記噛み合い損失量を算出することを特徴とする回転電機の磁石温度推定装置。
  5. 請求項4記載の磁石温度推定装置において、
    前記動力伝達機構は、前記回転体に連結され、
    前記損失量算出部は、前記回転電機に流れる電流の値に基づいて、前記トルクを算出することを特徴とする回転電機の磁石温度推定装置。
  6. 請求項2〜5のいずれか1項に記載の磁石温度推定装置において、
    前記動力伝達機構の損失は、該動力伝達機構の内部で発生する摩擦に起因したフリクション損失を含み、
    前記損失量算出部は、前記動力伝達機構でのフリクション損失量を算出することを特徴とする回転電機の磁石温度推定装置。
  7. 請求項6記載の磁石温度推定装置において、
    前記動力伝達機構に関連するパラメータは、前記動力伝達機構を構成するギヤの回転数を含み、
    前記損失量算出部は、前記ギヤの回転数に基づいて、前記フリクション損失量を算出することを特徴とする回転電機の磁石温度推定装置。
  8. 請求項7記載の磁石温度推定装置において、
    前記動力伝達機構は、前記回転体に連結され、
    前記損失量算出部は、前記ギヤの回転数に応じた前記回転体の回転数に基づいて、前記フリクション損失量を算出することを特徴とする回転電機の磁石温度推定装置。
  9. 請求項2〜8のいずれか1項に記載の磁石温度推定装置において、
    前記動力伝達機構に関連するパラメータは、前記動力伝達機構から前記回転体に飛散する前記流体の飛散量を含み、
    前記磁石温度推定装置は、前記飛散量及び前記損失量に基づいて、前記流体の前記回転体への付着による前記磁石での抜熱量を算出する抜熱量算出部をさらに有し、
    前記磁石温度推定部は、算出された前記抜熱量に基づいて、前記磁石温度を推定することを特徴とする回転電機の磁石温度推定装置。
  10. 請求項9記載の磁石温度推定装置において、
    前記動力伝達機構に関連するパラメータは、前記動力伝達機構を構成するギヤの回転数を含み、
    前記抜熱量算出部は、前記ギヤの回転数に基づいて、前記飛散量を算出することを特徴とする回転電機の磁石温度推定装置。
  11. 請求項10記載の磁石温度推定装置において、
    前記動力伝達機構は、前記回転体に連結され、
    前記抜熱量算出部は、前記ギヤの回転数に応じた前記回転体の回転数に基づいて、前記飛散量を算出することを特徴とする回転電機の磁石温度推定装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の磁石温度推定装置において、
    前記回転体は、インナロータ型であり、
    前記動力伝達機構は、前記インナロータの内周側に配置されることを特徴とする回転電機の磁石温度推定装置。
  13. 回転電機の回転体に備わる磁石の磁石温度を推定する磁石温度推定方法において、
    前記回転電機の近傍に動力伝達機構が配置され、且つ、前記動力伝達機構の潤滑を行う流体により前記回転電機が冷却される場合に、前記動力伝達機構の熱が該動力伝達機構に付着した前記流体に伝わった状態で、前記動力伝達機構から前記流体が飛散して前記回転体に付着するときの該流体の熱量を考慮する、少なくとも前記動力伝達機構に関連するパラメータを用いて、前記磁石温度を推定する
    ことを特徴とする回転電機の磁石温度推定方法。
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